JP2003113462A - 溶射皮膜の形成方法 - Google Patents

溶射皮膜の形成方法

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JP2003113462A
JP2003113462A JP2001311727A JP2001311727A JP2003113462A JP 2003113462 A JP2003113462 A JP 2003113462A JP 2001311727 A JP2001311727 A JP 2001311727A JP 2001311727 A JP2001311727 A JP 2001311727A JP 2003113462 A JP2003113462 A JP 2003113462A
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thermal
spray coating
thermal spray
coating
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Satoru Midorikawa
悟 緑川
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鋼板の酸洗工程の出口側、連続焼鈍工程の出口
側、潤滑液を用いた調質圧延の出口側などに用いられ
る、溶射皮膜を施したロールの耐剥離性を向上させる。 【解決手段】ブライドルロールに27%Ni−Cr組成
のバインダを用いたタングステンカーバイド・サーメッ
トの溶射皮膜を施した。ロールの皮膜厚さは150μm
とし、15回の溶射工程を経て形成した。溶射工程2回
ごとに、バインダの空孔に封孔剤としてシリコン系樹脂
を含浸させ、含浸ごとに、溶射被膜表面開口部を閉止す
る封孔処理をショットブラストにより行った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面処理皮膜のひ
とつである溶射皮膜の形成方法に関し、特に耐剥離性の
高い溶射皮膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶射皮膜は、燃焼炎やプラズマジェット
などの熱源によって、金属(合金)、セラミックス、サ
ーメット、硝子、グラステックスなどを、溶融状態また
は半溶融状態の微粒子として、基材表面に吹付けること
により形成される表面処理皮膜である。代表的な溶射皮
膜の例である炭化物サーメット溶射皮膜は、例えばタン
グステンカーバイドなどの炭化物が具有する高硬度特性
を利用する皮膜であるが、炭化物自体は溶融しないた
め、バインダとして必ず金属成分が添加される。
【0003】これらの溶射皮膜は、一般に、化学的に苛
酷な環境や温度的に苛酷な環境等の苛酷環境の下で用い
られる。例えば、鋼板の製造ライン中の鋼板に張力を付
加するロールであるブライドルロールの表面に用いられ
る例が代表的である。特に、鋼板の酸洗工程の出口側、
連続焼鈍工程の出口側、潤滑液を用いた調質圧延の出口
側などでは、前記ロールは鋼板に張力を付加するといっ
た条件の下で、酸や潤滑液による化学的な劣化や高温に
よる劣化が起こりやすく、溶射皮膜の剥離が起こりやす
い。その結果、ロールの寿命は短かくなり、製造コスト
の上昇につながっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】溶射皮膜の剥離原因と
しては、従来、溶射皮膜中に存在する空孔が関与すると
言われていたが、未だ、耐剥離性の向上、すなわち、溶
射皮膜が剥離にいたる時間を十分長くすることは実現さ
れていない。そして、この耐剥離性の向上は、溶射製品
の品質安定化、コスト低下の観点から強く求められてい
る。そこで、本発明が解決すべき課題は、耐剥離性を向
上させた溶射皮膜形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この問題を
解決するために、溶射皮膜中の空孔が溶射皮膜の剥離を
促進する機構を調査した。その結果、環境中の水が空孔
に浸透して被溶射物の表面に達し、被溶射物の表面を腐
食させ、結果として溶射皮膜の剥離に至ることを知見し
た。この知見に基づき、本発明者らは溶射皮膜中の空孔
に含浸処理を施し、また空孔が溶射皮膜表面で開口した
部分(開口部)を封孔処理することによって、耐剥離性
の高い溶射皮膜の形成する方法を見出し、本発明を完成
したものである。その構成は次のとおりである。溶射皮
膜を形成するに当り、中間溶射皮膜に封孔剤の含浸処理
を行い、さらに中間溶射皮膜のバインダを塑性変形させ
て開口部を封孔処理することを特徴とする溶射皮膜の形
成方法である。ここで封孔剤とは溶射皮膜中の空孔内に
浸入する流動性を有し、浸入後固化して水の浸透を防止
する物質である。例えば、エポキシ系樹脂やシリコン系
樹脂などが好適である。また封孔処理とは空孔の開口部
を閉止するように加工する処理をいう。上記本発明方法
において、前記の封孔処理をショットブラストにより行
うこととすれば好適である。また、前記含浸処理を溶射
皮膜の厚さの増加量が30μm未満のとき行うと効果が
顕著である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、溶射工程後の中間溶射
皮膜への封孔剤の含浸処理を行い、さらに中間溶射皮膜
のバインダを塑性変形させて開口部を封孔処理する溶射
皮膜の形成方法である。封孔処理をショットブラストに
より行うと好ましい。本発明では、溶射工程後に封孔剤
を含浸させることにより、溶射工程で発生した空孔の一
部を封孔することができる。
【0007】前記したように、溶射皮膜にはバインダと
して金属成分が添加されている。空孔は主として、この
バインダの部分に存在する。封孔剤はこの空孔を封孔す
るために用いる。封孔剤としては、エポキシ系樹脂また
はシリコン系樹脂を使うことができる。
【0008】溶射工程は、通常、複数回行われる。1回
の溶射工程で形成される皮膜厚みの増加量は3〜10μ
mである。溶射工程で封孔剤を空孔内に含浸させる含浸
処理は各溶射工程ごとに行ってもよいし、また、複数の
溶射工程施工後に行っても良い。封孔を確実に行うに
は、含浸処理を中間溶射皮膜(各溶射工程終了後に存在
する溶射皮膜)の厚さの増加量が30μmに達しないう
ちに行うと良い。コストと効果との観点から、中間溶射
皮膜の厚さの増加量が10μm以上となった時点で一回
の含浸処理を行うと好適である。
【0009】本発明では、溶射工程後に封孔剤を含浸さ
せたのち、さらに溶射皮膜のバインダの塑性変形により
開口部を封孔する。開口部の封孔はショットブラストに
より行うことができる。なお、開口部は、溶射皮膜表面
の空孔の開口した部分であるが、この場合、溶射皮膜表
面とは、最終的な溶射皮膜表面はもちろん、溶射皮膜形
成途上の溶射工程で形成される中間溶射皮膜表面をも指
す。
【0010】溶射皮膜のバインダは金属成分が添加され
ているため、ショットブラスト等により、金属成分を塑
性変形させて開孔部を封孔することが出来る。溶射皮膜
の開口部に封孔処理を施すことにより、溶射皮膜の耐剥
離性は著しく向上する。本発明は溶射皮膜の中でも、炭
化物サーメット溶射皮膜に特に好適に適用することがで
きる。炭化物サーメット溶射皮膜に用いる炭化物はタン
グステンカーバイドが一般的である。バインダの組成と
しては、特に限定されないがNi−Cr、Co、Co−
Cr等を用いると好ましい。
【0011】
【実施例】本発明の効果を実施例により、さらに詳細に
説明する。
【0012】(実施例1)実施例として本発明の溶射皮
膜形成方法を、鋼板を調質圧延する製造ラインで用いる
鋼板への張力付加ロールであるブライドルロールへの溶
射皮膜形成に適用した。この製造ラインは、塩酸により
鋼板を酸洗する工程の出口側にあり、ブライドルロール
は鋼板に付着した塩酸に曝されるため、従来、溶射皮膜
の剥離が問題となっていた製造ラインである。ブライド
ルロールのサイズは、直径1400mm、溶射部分のロ
ール軸方向長さは2200mmである。溶射皮膜の種類
はタングステンカーバイド・サーメットであり、バイン
ダは27%Ni−Cr組成である。皮膜厚さは150μ
mである。実施例では、皮膜厚さ150μmを15回の
溶射工程を経て形成した。封孔剤としてはシリコン系樹
脂を用い、溶射工程2回ごとに封孔剤を含浸させた。ま
た、各封孔剤の含浸ごとに、開口部の封孔処理をショッ
トブラストにより行った。このようにして、製造したブ
ライドルロールを鋼板を前記の調質圧延をする8H/日
稼動の製造ラインで使用したところ、3年6ヶ月の使用
後も溶射皮膜に剥離は認められなかった。一方、従来法
により溶射して作製した前記ロールは使用開始から6ヶ
月後に溶射皮膜に剥離が認められた。
【0013】(実施例2)実施例1と同様に本発明の溶
射皮膜形成方法を、鋼板を調質圧延する製造ラインで用
いるブライドルロールへの溶射皮膜形成に適用した。実
施例2の製造ラインは、連続焼鈍工程の出口側にあり、
また、潤滑液を用いた調質圧延ラインであり、ブライド
ルロールは焼鈍後の高温および鋼板に付着した潤滑液に
曝されるため、溶射皮膜の剥離が従来問題となっていた
製造ラインである。ブライドルロールのサイズは、直径
800mm、溶射部分のロール軸方向長さは2200m
mである。溶射皮膜の種類はタングステンカーバイド・
サーメットであり、バインダは27%Ni−Cr組成で
ある。皮膜厚さは100μmである。実施例では被膜厚
さ100μmを10回の溶射工程を経て形成した。封孔
剤としてはシリコン系樹脂を用い、溶射工程2回ごとに
封孔剤を含浸させた。また、各封孔剤の含浸ごとに、開
口部の封孔処理をショットブラストにより行った。この
ようにして、製造したブライドルロールを鋼板を前記調
質圧延する製造ライン(8H/日稼動)で使用したとこ
ろ、2年6ヶ月の使用後も溶射皮膜に剥離は認められな
かった。一方、従来法により溶射して作製した前記ロー
ルは同一製造ラインで、11ヶ月後に溶射皮膜に剥離が
認められた。
【0014】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、剥離の
起りがたい溶射皮膜を形成することが出来、関連産業の
発展に資することろ大である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶射皮膜を形成するに当り、中間溶射皮
    膜に封孔剤の含浸処理を行い、さらに中間溶射皮膜のバ
    インダを塑性変形させて開孔部を封孔処理することを特
    徴とする溶射皮膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記封孔処理はショットブラスト手段で
    あることを特徴とする請求項1記載の溶射皮膜の形成方
    法。
  3. 【請求項3】 前記封孔剤の含浸処理を溶射皮膜の厚さ
    の増加量が30μm未満のとき行うことを特徴とする請
    求項1又は2記載の溶射皮膜の形成方法。
JP2001311727A 2001-10-09 2001-10-09 溶射皮膜の形成方法 Withdrawn JP2003113462A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015007777A1 (fr) * 2013-07-17 2015-01-22 Messier-Bugatti-Dowty Impregnation d'un revêtement hvof par un lubrifiant

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015007777A1 (fr) * 2013-07-17 2015-01-22 Messier-Bugatti-Dowty Impregnation d'un revêtement hvof par un lubrifiant
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