JP2003113321A - 難燃性組成物 - Google Patents

難燃性組成物

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JP2003113321A
JP2003113321A JP2001306171A JP2001306171A JP2003113321A JP 2003113321 A JP2003113321 A JP 2003113321A JP 2001306171 A JP2001306171 A JP 2001306171A JP 2001306171 A JP2001306171 A JP 2001306171A JP 2003113321 A JP2003113321 A JP 2003113321A
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flame
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oxide
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JP2001306171A
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Kunihiko Takeda
邦彦 武田
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Shibaura Institute of Technology
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Shibaura Institute of Technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼の際、例えば火災の際又は焼却処分する
際においてもダイオキシンの発生が全くないか又はその
発生が抑えられた、高い難燃性を示す新規な難燃性組成
物又は難燃材料の提供。 【解決手段】 脱水素反応を行う脱水素反応剤;及び有
機材料を有してなる難燃性組成物であって、該脱水素反
応剤が脱水素触媒;酸化物を含有するシリコーンオイル
含有組成物;並びに超強酸塩;からなる群から選ばれる
1種又は2種以上である難燃性組成物により、上記課題
を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性組成物に関
し、特に脱水素反応を行う脱水素反応剤を有してなる難
燃性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々の難燃性組成物又は難燃
材料が提案されている。現在、電子・電気機器部品、機
械機構部品、又は自動車部品などに使用される材料に主
に用いられている難燃性組成物等は、いわゆる臭素系又
はハロゲン系と呼ばれるものである。これらの臭素系難
燃性組成物又はハロゲン系難燃性組成物は、高い難燃性
を示す一方、焼却処分する際にダイオキシンを発生する
という欠点も有していた。
【0003】また、いわゆるハロゲン系難燃性組成物以
外には、リン系、及び水酸化金属塩などが提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高い難
燃性を示し且つ焼却処分する際のダイオキシン発生を抑
制した、優れた難燃性組成物は、未だ提供されていな
い。
【0005】そこで、本発明の目的は、難燃性、特に高
い難燃性を示す新規な難燃性組成物又は難燃材料を提供
することにある。また、本発明の目的は、上記目的の他
に、又は上記目的に加えて、燃焼の際、例えば火災の際
又は焼却処分する際においてもダイオキシンの発生が全
くないか又はその発生が抑えられた、難燃性組成物又は
難燃材料を提供することにある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、鋭意検
討の結果、脱水素反応を行う脱水素反応剤を有してなる
難燃性組成物により、上記目的が達成できることを見出
した。この組成物又は材料を用いると、燃焼の際に、該
燃焼している材料の表面近傍がたとえ酸素不足状態であ
ったとしても、難燃性を発揮することを見出した。即
ち、本発明者らは、以下の発明を見出した。
【0007】<1> 脱水素反応を行う脱水素反応剤を
有してなる難燃性組成物。 <2> 脱水素反応を行う脱水素反応剤;及び有機材料
を有してなる難燃性組成物。 <3> 上記<1>又は<2>において、脱水素反応剤
は、脱水素触媒;酸化物を含有するシリコーンオイル含
有組成物;並びに超強酸塩;からなる群から選ばれる1
種又は2種以上であるのがよい。
【0008】<4> 上記<1>又は<2>において、
脱水素触媒は、酸化物;並びにリン酸塩及びピロリン酸
塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上であるのが
よい。 <5> 上記<4>において、酸化物はMで表さ
れる(式中、x及びyは1以上の整数を示し、Oは酸素
を示し、Mはケイ素、アルミニウム、亜鉛、ランタン、
クロム、鉄、バナジウム、モリブデン、タングステン、
パラジウム、スズ、銅、チタン、及びニッケルからなる
群から選ばれる種を示す)のがよい。
【0009】<6> 上記<5>において、酸化物を2
種以上有するのがよい。 <7> 上記<6>において、2種以上の酸化物のう
ち、1種がSiOであるのがよい。 <8> 上記<4>において、リン酸塩及びピロリン酸
塩は、M'(PO、M"p'(Pq'(式
中、M'及びM"は鉄、スズ、ジルコニウム、亜鉛、チタ
ン、コバルト、ニッケル、銅、及びアルミニウムからな
る群から選ばれ、p又はp'及びq又はq'は1以上の整
数を示す)で表される金属のリン酸塩及びピロリン酸塩
の1種又は2種以上であるのがよい。
【0010】<9> 上記<4>又は<8>において、
リン酸塩及びピロリン酸塩は、FePO、SnP
、ZrP、ZnPO、TiPO、Co
(PO 、NiPO、AlPO、FeP
、Zn、Ti、CoP
NiP、及びCuPからなる群から選ばれ
る1種又は2種以上であるのがよい。
【0011】<10> 上記<3>において、酸化物を
含有するシリコーンオイル含有組成物は、シリコーンオ
イルとM"'x'y'で表される酸化物(式中、x'及び
y'は1以上の整数を示し、Oは酸素を示し、M"'はケ
イ素、アルミニウム、亜鉛、ランタン、クロム、鉄、バ
ナジウム、モリブデン、タングステン、パラジウム、ス
ズ、銅、チタン、及びニッケルからなる群から選ばれる
種を示す)とを含有するのがよい。
【0012】<11> 上記<3>において、超強酸塩
の超強酸は、pKaが−10以下であるのがよい。 <12> 上記<3>又は<11>において、超強酸塩
は、フッ素を含むスルホン酸の金属塩からなる群から選
ばれる1種又は2種以上であるのがよい。 <13> 上記<12>において、フッ素を含むスルホ
ン酸は、炭素数が1〜4個の置換又は無置換のアルキル
基又は炭素数6〜12個の置換又は無置換の芳香族基を
有し、且つフッ素を含んでいるもの、例えばトリフルオ
ロメタンスルホン酸又はパーフルオロブタンスルホン酸
であるのがよい。 <14> 上記<12>又は<13>において、金属塩
の金属がK又はNaであるのがよい。
【0013】<15> 上記<2>〜<14>のいずれ
かにおいて、有機材料は、高分子材料であるのがよい。 <16> 上記<15>において、高分子材料は、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポ
リフェニルエーテル、ポリアクリロニトリルブタジエン
スチレン共重合体、及びポリビニルアルコールの一種も
しくは二種以上のポリマーブレンドからなる群から選ば
れる1種又は2種以上であるのがよい。
【0014】<17> 多孔性SiO及び金属酸化
物;並びに有機材料を有してなる難燃性組成物。 <18> <17>において、金属酸化物がAl
、ZnO、La、Cr、Fe
及びTiOからなる群から選ばれる1種又は2種以上
であるのがよい。 <19> <17>又は<18>において、多孔性Si
はその平均細孔径が100μm〜10nm、好まし
くは1μm〜10nm、より好ましくは100nm〜1
0nmであるのがよい。
【0015】<20> V、Mo、W、Pd、Fe、Z
n、Cr、Al、Cu、Ti、Sn、Co、及びNiか
らなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属の酸化
物;及び有機材料を有してなる難燃性組成物。 <21> V、MoO、WO、PdO、Fe
、及びZnOからなる群から選ばれる1種又は2種
以上;及び有機材料を有してなる難燃性組成物。 <22> V、MoO、及びWOからなる群か
ら選ばれる1種又は2種以上;及び有機材料を有してな
る難燃性組成物。
【0016】<23> PdO、Fe、及びZn
Oからなる群から選ばれる1種又は2種以上;及び有機
材料を有してなる難燃性組成物。 <24> 酸化物及びシリコーンオイルを含有する組成
物;及び有機材料を有してなる難燃性組成物。 <25> <24>において、酸化物がZnO、SiO
、V、MoO 、WO、PdO、Fe
Cr、La、及びTiOからなる群から
選ばれる1種又は2種以上であるのがよい。
【0017】<26> 上記<17>〜<25>のいず
れかにおいて、有機材料は、高分子材料であるのがよ
い。 <27> 上記<26>において、高分子材料は、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポ
リフェニルエーテル、ポリアクリロニトリルブタジエン
スチレン共重合体、及びポリビニルアルコールの一種も
しくは二種以上のポリマーブレンドからなる群から選ば
れる1種又は2種以上であるのがよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。本発明の難燃性組成物は、脱水素反応を行う脱水素
反応剤;及び有機材料を有してなる。本明細書におい
て、「難燃性」は、難燃性組成物に含まれる有機材料に
よって相対的に決まるものである。即ち、本明細書にお
いて、「難燃性」とは、a)着火時間及び/又はb)消
炎性が以下のような特性を有するものをいう。即ち、
a)着火時間(着火するまでの時間)については、有機
材料そのものよりも長いものである。また、b)消炎性
については、1)有機材料が自己消炎性を示さないもの
であれば、組成物が自己消炎性を示すもの;又は2)有
機材料が自己消炎性を示すものであれば、その消炎時間
が有機材料そのものよりも短いもの;である。本明細書
において、難燃性組成物は、a)着火時間の要件、及び
b)消炎性の要件のうち、いずれか一方のみを有してい
るものをいい、特に上記a)着火時間の要件とb)消炎
性の要件とを双方共に満たしているものが難燃性組成物
として好ましい。
【0019】本発明に用いられる脱水素反応剤とは、脱
水素反応を行う物質をいう。具体的には、本発明の脱水
素反応剤は、脱水素触媒;酸化物を含有するシリコーン
オイル含有組成物;並びに超強酸塩;からなる群から選
ばれる1種又は2種以上であるのがよい。以下、1) 脱
水素触媒;2)酸化物を含有するシリコーンオイル含有組
成物;並びに3)超強酸塩;について説明する。
【0020】本発明の脱水素反応剤に含まれる1) 脱水
素触媒として、1)-a)酸化物;並びに1)-b)リン酸塩及び
ピロリン酸塩;からなる群から選ばれる1種又は2種以
上を挙げることができる。
【0021】1)-a)酸化物はMで表されるもので
あるのがよく、x及びyは1以上の整数を示し、Oは酸
素を示し、Mはケイ素、アルミニウム、亜鉛、ランタ
ン、クロム、鉄、バナジウム、モリブデン、タングステ
ン、パラジウム、スズ、銅、チタン、及びニッケルから
なる群から選ばれる種を示す。酸化物は、1種であって
も2種以上であってもよい。酸化物2種以上を用いる場
合、そのうちの1種がSiOであるのがよい。
【0022】酸化物としては、V、MoO、W
O、PdO、Fe、ZnO、SiO、Al
、La、Cr、SnO、CuO、T
iO 、及びNiOからなる群から選ばれる1種又は2
種以上であるのがよい。また、ある面として、酸化物と
してV、MoO及びWOからなる群から選ばれ
る1種又は2種以上であるのがよい。さらに、他の面と
して、PdO、Fe、ZnO、SiO、A
、La、Cr、SnO、CuO、
TiO、及びNiOからなる群から選ばれる1種又は
2種以上であるのがよい。
【0023】酸化物を2種以上用いる場合であって、そ
のうちの1種がSiOである場合、該SiOは、多
孔性であるのがよい。多孔性SiOはその平均細孔径
が100μm〜10nm、好ましくは1μm〜10n
m、より好ましくは100〜10nmであるのがよい。
さらに、これらの細孔径分布の分散性の低いものである
のがよい。酸化物を2種以上用いる場合であって、その
うちの1種がSiOである場合、その他の種が、Al
、ZnO、La、Cr、Fe
、PdO、SnO、CuO、TiO、及びNi
Oからなる群から選ばれる1種又は2種以上であるのが
よい。
【0024】1)-b)リン酸塩及びピロリン酸塩は、鉄、
スズ、ジルコニウム、亜鉛、チタン、コバルト、ニッケ
ル、銅、及びアルミニウムからなる群から選ばれる金属
のリン酸塩及びピロリン酸塩の1種又は2種以上あるの
がよい。例えば、1)-b)リン酸塩及びピロリン酸塩とし
て、FePO、SnP、ZrP、ZnP
、TiPO、Co(PO、NiPO
AlPO、FeP、Zn、Ti
、CoP、NiP、及びCuP
からなる群から選ばれる1種又は2種以上を挙げるこ
とができるが、これらに限定されない。
【0025】本発明の脱水素反応剤に含まれる2)酸化物
を含有するシリコーンオイル含有組成物は、シリコーン
オイルとM"'x'y'で表される酸化物とを含有するの
がよい。上記式中、x'及びy'は1以上の整数を示し、
Oは酸素を示し、M"'はケイ素、アルミニウム、亜鉛、
ランタン、クロム、鉄、バナジウム、モリブデン、タン
グステン、パラジウム、スズ、銅、チタン、及びニッケ
ルからなる群から選ばれる種を示す。特に、酸化物とし
て、ZnO、SiO、及びVを用いるのが好ま
しいが、これらに限定されない。
【0026】この2)シリコーンオイル含有組成物に含ま
れるシリコーンオイルは、市販入手可能なシリコーンオ
イルであり、例えばジメチルシリコーンオイル、メチル
フェニルシリコーンオイルなどを挙げることができる
が、これらに限定されない。
【0027】本発明の脱水素反応剤に含まれる3)超強酸
塩において、該超強酸のpKaが−10以下であるのが
よく、好ましくは−13以下であるのがよい。特に、3)
超強酸は、フッ素を含むスルホン酸の金属塩からなる群
から選ばれる1種又は2種以上であるのがよい。なお、
フッ素を含むスルホン酸として、炭素数が1〜4個の置
換又は無置換のアルキル基又は炭素数6〜12個の置換
又は無置換の芳香族基を有し、且つフッ素を含んでいる
ものを挙げることができる。例えばトリフルオロメタン
スルホン酸、及びパーフルオロブタンスルホン酸を挙げ
ることができるが、これらに限定されない。
【0028】3)超強酸の金属塩の金属は、アルカリ金
属、及びアルカリ土類金属からなる群から選ばれるのが
よく、好ましくはアルカリ金属からなる群から選ばれる
のがよく、より好ましくはK又はNaであるのがよい。
【0029】本発明の難燃性組成物に含まれる有機材料
は、特に限定されないが、高分子材料であるのがよい。
該高分子材料も、特に限定されないが、ポリエチレン
(以下「PE」と略記することがある)、ポリプロピレ
ン(以下「PP」と略記することがある)、ポリスチレ
ン(以下「PS」と略記することがある)、ポリカーボ
ネート(以下「PC」と略記することがある)、ポリブ
チレンテレフタレート(以下「PBT」と略記すること
がある)、ポリフェニルエーテル(以下「PPE」と略
記することがある)、ポリアクリロニトリルブタジエン
スチレン共重合体(以下「PPE」と略記することがあ
る)、ポリビニルアルコール(以下「PVA」と略記す
ることがある)の1種又は2種以上のポリマーアロイ又
はブレンドを挙げることができる。
【0030】本発明の難燃性組成物は、有機材料100
重量部に対して、脱水素反応剤が0.01〜60重量部
となるように、配合してなるのがよい。
【0031】特に、本発明の難燃性組成物は、(有機材
料:脱水素反応剤)とが次のような組合せであるのがよ
い。即ち、(PS:SiO+Fe)、(PP:
SiO+Fe)、(PBT:SiO+Fe
)、(PS:V)、(PP:V)、
(PBT:V)、(PS:Fe)、(P
C:Fe)、(PS:ZnO)、(PP:Zn
O)、(PC:多孔性SiO )、(PC:ZnO)、
(PC:多孔性SiO+金属酸化物)、(PC:2種
以上の金属酸化物)、(PBT:ZnO)、(PC:多
孔性SiO+シリコーンオイル)、(PBT:ZnO
+シリコーンオイル)、(PC:パーフルオロブタン
スルホン酸カリウム)、(PC:トリフルオロメタンス
ルホン酸カリウム)、及び(PBT:パーフルオロブタ
ンスルホン酸カリウム)などを挙げることができる。
【0032】本発明の難燃性組成物は、上記脱水素反応
剤と有機材料とを、好ましくは上記の配合比で混合、混
練することにより、得ることができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、実施例は単に例示であって、本発明を限定する
ものと解釈してはならない。
【0034】脱水素反応剤と有機材料とを有してなる試
料(後述の「UL試験片」)を調製して、消炎までの時
間及び着火時間を測定する燃焼試験を行った。ここで用
いる有機材料として、以下のものを用いた。 <有機材料>有機材料として代表的な高分子材料である
ポリカーボネート(以下「PC」と略記する)(レキサ
ン121(GEケミカル(株)製));及びポリブチレ
ンテレフタレート(以下「PBT」と略記する)(テイ
ジンPBT C7000(帝人(株)製))を用いた。
【0035】(燃焼試験)得られたUL試験片に関し
て、UL−94V垂直試験法に準じて行う、垂直燃焼試
験を行った。この試験法に基づいて、消炎までの時間、
及び着火時間を測定した。より具体的には、次のような
試験法を用いた。
【0036】<燃焼試験の一般的条件>クランプを備え
るリングスタンド、工業用グレードのメタンガスを用い
るガスバーナーシステム及びストップウォッチを用意
し、通風のないチャンバ内で試験を行った。UL試験片
をリングスタンドに設置した。次いで、ガスバーナー
を、試験片から離した状態で、点火し、黄色のチップの
ない青色炎の高さが19.5mmになるように調整し
た。
【0037】<燃焼時間(消炎時間)>炎を試験片の下
側中央に当て、着火直後に取り去り、152.4mm以
上離して、試験片の第一接炎時の燃焼時間(炎が確認で
きなくなるまでの時間)を測定した。試験片から炎が確
認できなくなったらすぐに炎を当て、第二接炎時の燃焼
時間(炎が確認できなくなるまでの時間、又は燃え尽き
る時間)を測定した。なお、試験は、5つの試験片を用
いてそれぞれの時間を測定し、最大値と最小値を除い
た、3つの試験片の時間の平均をその値とした。燃焼時
間(消炎時間)は一般に、その値が小さければ小さいほ
ど(その時間が短かければ短いほど)、難燃性が高い。
【0038】<着火時間>上記<燃焼時間(消炎時間)
>の第一接炎時及び第二接炎時に、燃焼が開始するまで
の時間を測定した。なお、着火時間は一般に、その値が
大きければ大きいほど(その時間が長ければ長いほ
ど)、着火しにくく難燃性が高い。
【0039】(実施例1)実施例1の試料を次のように
調製した。即ち、パーフルオロブタンスルホン酸カリウ
ム(Miteni S.P.A(伊)社製)0.1重量部と、上述の
PC99.9重量部とを自作の超小型押出機を用いて混
練し、押出温度250℃で押出成型し、厚さ6.4m
m、長さ127mm、幅12.7mmのUL試験片を得
た。
【0040】この試験片について、上述の燃焼試験を行
ったところ、表1に記載する燃焼時間(消炎時間)及び
着火時間を得た。即ち、燃焼時間(消炎時間)が1.4
秒、着火時間が22.6秒であった。この値は、PC単
独で測定した値(表1中、「Comp.1」と記載したもの)
と比較すると、著しく難燃性が高いものであった。即
ち、PC単独での燃焼時間(消炎時間)が27.1秒で
あるのに対して、実施例1の試料は1.4秒を示した。
これは、実施例1の試料が着火してもすぐに消えること
を示している。また、実施例1の試料の着火時間が2
2.6秒であることは、PC単独での着火時間18.5
秒よりも長く、着火しにくいことを示している。即ち、
実施例1の試料は、着火しにくく且つ着火してもすぐに
消えるという難燃性を示すことがわかる。
【0041】(実施例2〜13)実施例1の試料調製と
同様にして、実施例2〜13の試料を調製して、これら
の燃焼試験を行った。その結果を表1に示す。なお、実
施例4〜7、並びに12及び13で用いた多孔性SiO
は、出発原料としてシリカ(30vol%)とKBr
(70vol%)とを用い、これらを均一混合したものを
600℃で2時間焼成することにより、本発明者が調製
したものであった。なお、この多孔性SiOは、平均
粒径:500μm;及び平均細孔径:40nmであっ
た。
【0042】また、実施例10で用いたCr−Al系酸
化物は、日揮化学株式会社製の製品番号N401AGで
あり、その組成(組成比)は、Al(68mol
%);酸化クロム(CrとCrOとの混合物)
(Cr換算で14mol%);MgO(3mol
%)であった。さらに、実施例11で用いたCu−Cr
系酸化物は、日揮化学株式会社製の製品番号N203で
あり、その組成(組成比)は、CuO(45mol
%);酸化クロム(CrとCrOとの混合物)
(Cr換算で44mol%);MgO(4mol
%)であった。
【0043】表1を見て明らかなように、実施例1及び
2の試料は、消炎時間及び着火時間の双方において難燃
性を奏することがわかる。また、実施例3〜13の試料
は、消炎時間がPCそれ自体の消炎時間が短く、この点
において難燃性を奏することがわかる。
【0044】
【表1】
【0045】(実施例14〜16)実施例1の試料と同
様に、実施例14〜16の試料を調製した。但し、実施
例1で用いたPCの代わりに上述のPBTを用いた。ま
た、脱水素反応剤として、表2に記載したものを用い
た。これらの試料の燃焼試験を行った。試料の組成及び
燃焼試験の結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2から明らかなように、実施例14の試
料は、消炎時間及び着火時間の双方において難燃性を奏
することがわかる。また、実施例15の試料は、消炎時
間がPBTそれ自体の消炎時間が短く、この点において
難燃性を奏することがわかる。さらに、実施例16の試
料は、着火時間がPBTそれ自体の消炎時間が短く、こ
の点において難燃性を奏することがわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明により、難燃性、特に高い難燃性
を示す新規な難燃性組成物又は難燃材料を提供すること
ができる。また、本発明により、上記効果の他に、又は
上記効果に加えて、焼却処分する際においてもダイオキ
シンの発生が全くないか又はその発生が抑えられた、難
燃性組成物又は難燃材料を提供することができる。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱水素反応を行う脱水素反応剤を有して
    なる難燃性組成物。
  2. 【請求項2】 脱水素反応を行う脱水素反応剤;及び有
    機材料を有してなる難燃性組成物。
  3. 【請求項3】 前記脱水素反応剤は、脱水素触媒;酸化
    物を含有するシリコーンオイル含有組成物;並びに超強
    酸塩;からなる群から選ばれる1種又は2種以上である
    請求項1又は請求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記脱水素触媒は、酸化物;並びにリン
    酸塩及びピロリン酸塩からなる群から選ばれる1種又は
    2種以上である請求項1又は2記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記酸化物はMで表される(式
    中、x及びyは1以上の整数を示し、Oは酸素を示し、
    Mはケイ素、アルミニウム、亜鉛、ランタン、クロム、
    鉄、バナジウム、モリブデン、タングステン、パラジウ
    ム、スズ、銅、チタン、及びニッケルからなる群から選
    ばれる種を示す)請求項4記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記酸化物を2種以上有する請求項5記
    載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記2種以上の酸化物のうち、1種がS
    iOである請求項6記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記リン酸塩及びピロリン酸塩は、M'
    (PO、M" p'(Pq'(式中、M'及
    びM"は鉄、スズ、ジルコニウム、亜鉛、チタン、コバ
    ルト、ニッケル、銅、及びアルミニウムからなる群から
    選ばれ、p又はp'及びq又はq'は1以上の整数を示
    す)で表される金属のリン酸塩及びピロリン酸塩の1種
    又は2種以上である請求項4記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記リン酸塩及びピロリン酸塩は、Fe
    PO、SnP 、ZrP、ZnPO、T
    iPO、Co(PO、NiPO、AlPO
    、FeP、Zn、Ti
    CoP、NiP、及びCuPからな
    る群から選ばれる1種又は2種以上である請求項4又は
    8記載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記酸化物を含有するシリコーンオイ
    ル含有組成物は、シリコーンオイルとM"'x'y'で表
    される酸化物(式中、x'及びy'は1以上の整数を示
    し、Oは酸素を示し、M"'はケイ素、アルミニウム、亜
    鉛、ランタン、クロム、鉄、バナジウム、モリブデン、
    タングステン、パラジウム、スズ、銅、チタン、及びニ
    ッケルからなる群から選ばれる種を示す)とを含有する
    請求項3記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記超強酸塩の超強酸は、pKaが−
    10以下である請求項3記載の組成物。
  12. 【請求項12】 前記超強酸塩は、フッ素を含むスルホ
    ン酸の金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種で
    ある請求項3又は11記載の組成物。
  13. 【請求項13】 前記有機材料は、高分子材料である請
    求項2〜12のいずれか1項記載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記高分子材料は、ポリエチレン、ポ
    リプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ
    ブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリフェニルエ
    ーテル、ポリアクリロニトリルブタジエンスチレン共重
    合体、及びポリビニルアルコールの一種もしくは二種以
    上のポリマーブレンドからなる群から選ばれる1種又は
    2種以上である請求項13記載の組成物。
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