JP2003113146A - 光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールのスルホン酸塩およびその高純度化方法ならびに光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造方法 - Google Patents

光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールのスルホン酸塩およびその高純度化方法ならびに光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造方法

Info

Publication number
JP2003113146A
JP2003113146A JP2001307708A JP2001307708A JP2003113146A JP 2003113146 A JP2003113146 A JP 2003113146A JP 2001307708 A JP2001307708 A JP 2001307708A JP 2001307708 A JP2001307708 A JP 2001307708A JP 2003113146 A JP2003113146 A JP 2003113146A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
amino
methylbutan
optically active
sulfonate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001307708A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunihiko Sakano
邦彦 坂野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2001307708A priority Critical patent/JP2003113146A/ja
Publication of JP2003113146A publication Critical patent/JP2003113146A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1
−オールの前駆体である光学活性4−アミノ−2−メチ
ルブタン−1−オールとスルホン酸との不斉中心が1つ
である塩を工業的に有利に高純度化する方法および光学
活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造
方法の提供。 【解決手段】 下記式(1) 【化1】 (式中*は不斉炭素を表す。Rはアルキル基、アルコキ
シ基、アシルオキシ基、アミノ基、フェニル基またはナ
フチル基を表す。)で表される光学活性4−アミノ−2
−メチルブタン−1−オールのスルホン酸塩、該スルホ
ン酸塩を再結晶する高純度化方法および該スルホン酸塩
を再結晶し、さらに溶媒とアルカリに接触して解塩する
光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを
製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性医農薬中
間体及び光学分割剤として使用される光学活性4−アミ
ノ−2−メチルブタン−1−オールの前駆体として有用
な光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール
とスルホン酸との塩、およびその高純度化方法ならびに
光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性4−アミノ−2−メチルブタン
−1−オールの製造方法としては、光学活性2−メチル
−4−アミノ酪酸を水素化リチウムアルミニウムで還元
して合成する方法(J.Am.Chem.Soc.,81,4946-4951(195
9))、あるいは、光学活性2−メチル−4−ニトロ酪酸
のメチルエステルを水素化リチウムアルミニウムで還元
して合成する方法が報告されている(J.Plant Growth R
egul.,2(1),47-57(1983))。
【0003】しかし、いずれの方法も、原料の光学純度
が光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール
の光学純度に反映し、さらに光学活性4−アミノ−2−
メチルブタン−1−オールの光学純度を高純度化する方
法は報告されていない。
【0004】一方、光学活性な光学分割剤と光学活性4
−アミノ−2−メチルブタン−1−オールとのジアステ
レオマー塩形成およびその高純度化に関する例として
は、光学活性酸と光学活性2−アミノ−1−ブタノール
との塩(WO01/017944)が公知であるが、こ
れらの高純度化は不斉炭素が2つあるジアステレオマー
塩の高純度化に関するものである。
【0005】また、ジアステレオマー塩の高純度化では
なく、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オ
ールの不斉中心が1つである塩の高純度化方法に関する
報告はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、光学
活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの前駆
体である光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−
オールとスルホン酸との不斉中心が1つである塩を工業
的に有利に高純度化する方法および光学活性4−アミノ
−2−メチルブタン−1−オールの製造方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、鋭意研究を重ねた結果、光学活性4−ア
ミノ−2−メチルブタン−1−オールの前駆体である光
学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールとス
ルホン酸との不斉中心が1つである塩(以下、スルホン
酸塩とも略す)を再結晶することによって高収率で高純
度化が可能であることを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明の第1の発明は、下記式
(1)
【化5】 (式中*は不斉炭素を表す。Rは炭素数1から20の置
換または無置換の直鎖または分岐状のアルキル基、アル
コキシ基、アシルオキシ基、置換または無置換のアミノ
基、もしくは置換または無置換のフェニル基またはナフ
チル基を表す。上記アルキル基、アミノ基、フェニル基
またはナフチル基の置換基は炭素数1から10の直鎖ま
たは分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシル
基、水酸基、もしくはニトロ基である。)で表される光
学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールのス
ルホン酸塩を要旨とする。
【0009】本発明の第2の発明は、前記第1の発明の
光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの
スルホン酸塩を再結晶することを特徴とする光学活性4
−アミノ−2−メチルブタン−1−オールのスルホン酸
塩の高純度化方法を要旨とする。
【0010】本発明の第3の発明は、光学活性4−アミ
ノ−2−メチルブタン−1−オールのスルホン酸塩を再
結晶し、さらに溶媒とアルカリに接触して解塩すること
を特徴とする光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−
1−オールの製造方法を要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のスルホン酸塩としては、
天然物由来もしくは合成品である各種スルホン酸の塩が
使用できるが、好ましくは、前記式(1)で表される光
学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールのス
ルホン酸塩が好ましい。
【0012】前記式(1)で表されるスルホン酸塩にお
いて、Rで表される炭素数が1から20の置換または無
置換の直鎖または分岐状のアルキル基としては、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、
イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、
シクロヘキシル基等が挙げられる。アルコキシ基として
は、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が
挙げられる。アシルオキシ基としては、例えばアセチル
オキシ基等が挙げられる。上記アルキル基、フェニル
基、ナフチル基の置換基としては例えば、前述の炭素数
1から10の直鎖または分岐状のアルキル基、アルコキ
シル基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基などを挙げる
ことができる。
【0013】スルホン酸がアリールスルホン酸である前
記式(1)の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−
1−オールのスルホン酸塩としては下記式(2)
【化6】 (式中*は不斉炭素を表す。Arは置換または無置換の
フェニル基またはナフチル基を表し、そのフェニル基ま
たはナフチル基の置換基は炭素数1から10の直鎖また
は分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシル
基、水酸基、もしくはニトロ基である。)で表される光
学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールのス
ルホン酸塩が挙げられる。
【0014】スルホン酸がアルキルスルホン酸である前
記式(1)で表される光学活性4−アミノ−2−メチル
ブタン−1−オールのスルホン酸塩としては下記式
(3)
【化7】 (式中*は不斉炭素を表す。R’は炭素数1から10の
置換または無置換の直鎖または分岐状のアルキル基、ア
ルコキシ基、もしくはアシルオキシ基を表し、そのアル
キル基の置換基は炭素数1から10の直鎖または分岐状
のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、
もしくはニトロ基である。)で表される光学活性4−ア
ミノ−2−メチルブタン−1−オールのスルホン酸塩が
挙げられる。
【0015】入手が容易かつ安価であることから、本発
明の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オー
ルのスルホン酸塩として、好ましくは、p−トルエンス
ルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸
塩、スルファミン酸塩などが例示できる。
【0016】特に好ましくは下記式(4)
【化8】 (式中*は不斉炭素を表す。)で表される光学活性4−
アミノ−2−メチルブタン−1−オールとメタンスルホ
ン酸との塩が挙げられる。
【0017】前記式(1)で表されるスルホン酸塩にお
いて、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オ
ールの調製方法は任意である。
【0018】本発明において、スルホン酸塩を形成させ
る方法は混合させて反応させれば良く、混合順序は任意
である。例えば適当な溶媒にスルホン酸を溶解または懸
濁させ、等モルの光学活性4−アミノ−2−メチルブタ
ン−1−オールを直接あるいは適当な溶媒に希釈して滴
下すればよく、また、この逆の順序で混合しても良い。
【0019】溶媒としては、水、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール
等の各種アルコール類、ジエチルエーテル、イソプロピ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチル
ターシャリーブチルエーテル等のエーテル類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢
酸エチル等のエステル類、アセトニトリル、ジメチルホ
ルムアミド等の含窒素溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサ
ン、1−ヘキセン、n−オクタン、イソオクタン、n−
デカン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘ
キセン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素、またはこれらの混合物が用い
られる。好ましくは、水、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール等の各
種アルコール類、アセトニトリル、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、またはこれらの混合
物を用いる。
【0020】混合温度は任意であるが、下限値は0℃以
上が好ましく、10℃以上がより好ましい。また上限値
は100℃以下が好ましく、80℃以下がより好まし
い。得られたスルホン酸塩溶液は直接もしくは濃縮後、
冷却し、結晶を析出させる。この際、種晶として光学純
度の高いスルホン酸塩の結晶を少量添加することによ
り、同種のジアステレオマー塩を優先的に晶析させるこ
とも可能である。種晶の光学純度は高い程望ましく、添
加量は溶質量の0.01〜1%程度で十分である。ま
た、種晶を全く加えなくても過飽和状態にあるスルホン
酸塩の結晶化は自然に起こる。
【0021】得られたスルホン酸塩の懸濁液の固液分離
は、いかなる方法でもよいが、例えば濾過または沈降に
より分離する。濾過では、遠心濾過、加圧濾過または真
空濾過が用いられる。濾さいを必要により溶剤で洗浄す
る。
【0022】本発明において、得られたスルホン酸塩は
適当な溶媒を用いて再結晶することによって、光学純度
を向上させることができる。
【0023】溶媒としては、前述したスルホン酸塩形成
と同様の溶媒を用いることができ、異なっていてもよ
い。好ましくは、水、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−プロパノール、ブタノール等の各種ア
ルコール類、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素、またはこれらの混合物を用
いる。
【0024】再結晶温度は任意であるが、下限値は0℃
以上が好ましく、10℃以上がより好ましい。また上限
値は100℃以下が好ましく、80℃以下がより好まし
い。得られたスルホン酸塩溶液は直接もしくは濃縮後、
冷却し、結晶を析出させる。この際、種晶として光学純
度の高いスルホン酸塩の結晶を少量添加することによ
り、同種のジアステレオマー塩を優先的に晶析させるこ
とも可能である。種晶の光学純度は高いことが望ましい
が、添加量は溶質量の0.01〜1%程度で十分であ
る。また、種晶を全く加えなくても過飽和状態にあるス
ルホン酸塩の結晶化は自然に起こる。
【0025】高純度化されたスルホン酸塩の懸濁液の固
液分離は、いかなる方法でもよいが、例えば濾過または
沈降により分離する。濾過では、遠心濾過、加圧濾過ま
たは真空濾過が用いられる。濾さいを必要により溶剤で
洗浄する。
【0026】上記のようにして得られたスルホン酸塩を
溶媒とアルカリと接触させて解塩し、冷却後に固液分離
して、濾液を濃縮、減圧蒸留等の操作により光学活性4
−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを得ることが
できる。
【0027】アルカリとしては、アルカリ金属水酸化
物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属アルコラ
ート、アルカリ土類金属アルコラート、炭酸アルカリ、
炭酸水素アルカリ、アミン類及びアンモニアが用いら
れ、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ア
ルコラートが用いられる。アルカリの使用量はスルホン
酸塩に対して、下限値は0.5当量以上が好ましく0.
9当量以上がより好ましい。上限値は3当量以下が好ま
しく1.1当量以下がより好ましい。
【0028】解塩時にスルホン酸塩と接触させる溶媒と
しては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、n−プロパノール、ブタノール等の各種アルコール
類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、メチルターシャリーブチル
エーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル
類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等の含窒素
溶媒、またはこれらの混合物が用いられる。好ましく
は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、
n−プロパノール、ブタノール等の各種アルコール類ま
たはこれらの混合物を用いる。
【0029】接触方法としては、いかなる方法でも良い
が、例えば溶媒中にスルホン酸塩を加え、少なくともス
ルホン酸塩の一部を溶解した状態で、攪拌下に粉粒体あ
るいは溶液の状態でアルカリが加えられる。接触温度の
下限値は融点以上が好ましく30℃以上がより好まし
い。上限値は沸点が好ましい。溶媒の量は、分離母液を
リサイクルして使用し、出来るだけ少量を使用するが、
下限値はスルホン酸塩に対して0.1倍量以上が好まし
く1倍量以上がより好ましい。上限値は100倍量以下
が好ましく50倍量以下がより好ましい。
【0030】スルホン酸のアルカリ塩の晶析を進めるた
めに、冷却と濃縮等の操作を行う。冷却後の温度は、通
常溶媒の融点以上で行う。下限値は溶媒の融点以上が好
ましく0℃以上がより好ましい。上限値は30℃以下が
好ましく15℃以下がより好ましい。スルホン酸のアル
カリ塩と母液との固液分離は、いかなる方法でもよい
が、例えば濾過または沈降により分離する。濾過では、
遠心濾過、加圧濾過または真空濾過が用いられる。濾さ
いを必要により溶剤で洗浄する。
【0031】固液分離して得られる溶液を加熱し濃縮す
ることにより、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン
−1−オールの高濃度溶液が得られる。濃縮は、通常、
常圧あるいは減圧下、30〜120℃にて行う。必要に
より、単蒸留または精留して高純度の光学活性4−アミ
ノ−2−メチルブタン−1−オールが得られる。蒸留
は、特に限定されないが、通常、130Paから16k
Paの減圧下、下限値は溶媒の融点以上が好ましく0℃
以上がより好ましい。上限値は50℃以下が好ましく3
0℃以下がより好ましい。
【0032】
【実施例】以下、実施例にて本発明を具体的に説明する
が、本発明の範囲はこれらの実施例の範囲に限定される
ものではない。
【0033】実施例1 103.2g((S)体79%e.e.)の(S)−4
−アミノ−2−メチルブタン−1−オールをアセトニト
リル800mlに溶解し、メタンスルホン酸96.1g
を滴下し、60℃で加熱溶解した。室温まで冷却した。
析出した結晶を濾別し、アセトニトリルでリンスし、1
81gのメタンスルホン酸塩の結晶を得た。この結晶中
の4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純
度は、(S)体84%e.eであった。さらにこの結晶
を、800ml(アセトニトリル/イソプロパノール=
9:1)の混合溶媒に60〜70℃で加熱溶解し、再結
晶操作を行い、光学純度の高いスルホン酸塩の結晶15
0gを得た。この結晶中の4−アミノ−2−メチルブタ
ン−1−オールの光学純度は、(S)体95%e.e.
であった。
【0034】得られたスルホン酸塩の結晶中の4−アミ
ノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は、結晶
を以下のようにジベンゾイル化物に誘導し、測定した。
【0035】すなわち、スルホン酸塩の結晶0.3gを
2mlの1mol/l−NaOHに溶解し、同容量のテ
トラヒドロフランで3回抽出した。有機相を減圧濃縮
し、0.1gの光学活性4−アミノ−2−メチルブタン
−1−オールを得た。このうち、約20mgを量り、塩
化メチレン1ml、ピリジン60mg、塩化ベンゾイル
60mgをこの順で加え、1mol/l−塩酸2mlで
2回、10%−炭酸ソーダ水溶液2mlで1回、水2m
lで1回洗浄し、有機相を濃縮するとジベンゾイル化物
約60mgが得られた。下記の条件でHPLC(高速液
体クロマトグラフィー)分析したところ、S体の保持時
間が約42分、R体の保持時間が約54分に溶出し、そ
の分離度は3.2であった。光学純度は得られたHPL
CチャートのS体およびR体のピーク面積の比から、算
出した。
【0036】<HPLC条件> カラム: CHIRALCEL OD (ダイセ
ル化学工業社製) 移動相: ヘキサン/イソプロパノール=90/1
0 流速: 0.5ml/min カラム温度: 25℃ 検出: UV254nm ここで得られたメタンスルホン酸塩の結晶の特性値を下
記に示した。
【0037】* (S)−4−アミノ−2−メチルブ
タン−1−オール(95%e.e.)のメタンスルホン
酸塩の特性値 結晶形: 針状結晶 比旋光度: [α] 26=−9.21(c=1.0
2、HO) 融点: 62〜66℃ 1H−NMRスペクトル:DMSO内部標準TMS σ 0.82 (3H,d,−CH) σ 1.29〜1.39 (1H,m,−CH) σ 1.53〜1.71 (2H,m,−CH,−
CH) σ 2.36 (3H,m,−CH) σ 2.76〜2.85 (2H,m,−CH) σ 3.16〜3.29 (2H,m,−CH) σ 3.97 (1H,s,−OH) σ 7.66 (3H,br,−NH
) 実施例2 4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールとして、
1.03g((R)体98%e.e.)の(R)−4−
アミノ−2−メチルブタン−1−オールを用いた以外
は、すべて実施例1と同様にして光学純度の高いスルホ
ン酸塩の結晶2.5gを得た。この結晶中の4−アミノ
−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は、(R)
体99.8%e.e.であった。
【0038】ここで得られたメタンスルホン酸塩の結晶
の特性値を下記に示した。
【0039】* (R)−4−アミノ−2−メチルブ
タン−1−オール(99.8%e.e.)のメタンスル
ホン酸塩の特性値 結晶形: 針状結晶 比旋光度: [α] 26=+9.64(c=1.0
7、HO) 融点: 65〜66℃
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、光学活性医農薬中間体
及び光学分割剤として使用される光学活性4−アミノ−
2−メチルブタン−1−オールの前駆体として有用な光
学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールのス
ルホン酸塩が工業的規模で高収率、高純度かつ安価に提
供可能である。該スルホン酸塩をさらに溶媒とアルカリ
に接触して解塩することにより高収率、高純度で光学活
性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを製造す
ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中*は不斉炭素を表す。Rは炭素数1から20の置
    換または無置換の直鎖または分岐状のアルキル基、アル
    コキシ基、アシルオキシ基、置換または無置換のアミノ
    基、もしくは置換または無置換のフェニル基またはナフ
    チル基を表す。上記アルキル基、アミノ基、フェニル基
    またはナフチル基の置換基は炭素数1から10の直鎖ま
    たは分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ
    基、水酸基、もしくはニトロ基である。)で表される光
    学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールのス
    ルホン酸塩。
  2. 【請求項2】 スルホン酸がアリールスルホン酸である
    下記式(2) 【化2】 (式中*は不斉炭素を表す。Arは置換または無置換の
    フェニル基またはナフチル基を表し、そのフェニル基ま
    たはナフチル基の置換基は炭素数1から10の直鎖また
    は分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシル
    基、水酸基、もしくはニトロ基である。)で表される請
    求項1記載の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−
    1−オールのスルホン酸塩。
  3. 【請求項3】 スルホン酸がアルキルスルホン酸である
    下記式(3) 【化3】 (式中*は不斉炭素を表す。R’は炭素数1から10の
    置換または無置換の直鎖または分岐状のアルキル基、ア
    ルコキシ基、もしくはアシルオキシ基を表し、そのアル
    キル基の置換基は炭素数1から10の直鎖または分岐状
    のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、
    もしくはニトロ基である。)で表される請求項1記載の
    光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの
    スルホン酸塩。
  4. 【請求項4】 下記式(4) 【化4】 (式中*は不斉炭素を表す。)で表される光学活性4−
    アミノ−2−メチルブタン−1−オールとメタンスルホ
    ン酸との塩。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか一項に記載の
    光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの
    スルホン酸塩を再結晶することを特徴とする光学活性4
    −アミノ−2−メチルブタン−1−オールのスルホン酸
    塩の高純度化方法。
  6. 【請求項6】 請求項1から4のいずれか一項に記載の
    光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの
    スルホン酸塩を再結晶し、さらに溶媒とアルカリに接触
    して解塩することを特徴とする光学活性4−アミノ−2
    −メチルブタン−1−オールの製造方法。
JP2001307708A 2001-10-03 2001-10-03 光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールのスルホン酸塩およびその高純度化方法ならびに光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造方法 Pending JP2003113146A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001307708A JP2003113146A (ja) 2001-10-03 2001-10-03 光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールのスルホン酸塩およびその高純度化方法ならびに光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001307708A JP2003113146A (ja) 2001-10-03 2001-10-03 光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールのスルホン酸塩およびその高純度化方法ならびに光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003113146A true JP2003113146A (ja) 2003-04-18

Family

ID=19127132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001307708A Pending JP2003113146A (ja) 2001-10-03 2001-10-03 光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールのスルホン酸塩およびその高純度化方法ならびに光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003113146A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI491607B (zh) 4,4’-(1-甲基-1,2-乙二基)-雙-(2,6-哌二酮)之新製法
JP4031203B2 (ja) (1r,2s,4r)−(−)−2−[(2’−{n,n−ジメチルアミノ}−エトキシ)]−2−[フェニル]−1,7,7−トリ−[メチル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン及びその薬学上許容される酸付加塩の製法
ES2626829T3 (es) Procedimiento para la fabricación de (R)-5[2-(5,6-dietil-indan-2-ilamino)-1-hidroxietil]-8-hidroxi-(1H)-quinolin-2-ona
CA2560353A1 (en) Process for manufacture of racemic carvedilol
BR0013750B1 (pt) Intermediários para a produção de derivados de ácido naftiridina-3-carboxílico
EP0423467A2 (en) Method for optical resolution of (+/-)-2-(3-benzoyl)-phenylpropionic acid
JP2003113146A (ja) 光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールのスルホン酸塩およびその高純度化方法ならびに光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造方法
EP1670767B1 (en) Resolution of a narwedine amide derivative
WO2016115962A1 (zh) 一种奈必洛尔中间体的制备方法及奈必洛尔的制备方法
JP4728548B2 (ja) 光学活性アミノアルコールの製造方法
JP7498147B2 (ja) アピキサバンの精製方法
JP3432880B2 (ja) 光学活性アザスピロ化合物の製法
JP2002371060A (ja) 光学活性アミノピペリジン誘導体の製造方法
JP4218310B2 (ja) 光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類の製造方法およびその中間体
FR2539412A1 (fr) Derives du 5-fluoruracile et leurs utilisations therapeutiques en tant qu'agents carcinostatiques
JP6433809B2 (ja) 1−(3−ヒドロキシメチルピリジル−2−)−2−フェニル−4−メチルピペラジンの製造方法
JPH0586042A (ja) 2−メルカプト−フエノチアジンの製造方法
WO2004065368A1 (ja) トランドラプリル合成中間体の製造方法
CA2057866C (en) Method of preparing d-propoxyphene
CN118479984A (zh) 一种酒石酸衍生物拆分剂及其制备方法,和使用其的非奈利酮拆分方法
JPH10204027A (ja) (±)−3,4−ジヒドロキシブタン酸の光学分割法
KR101299972B1 (ko) 수소화붕소나트륨을 이용한 (3S)-3-(tert-부톡시카르보닐)아미노-1-클로로-4-페닐-(2S)-부탄올의 제조방법
CH637967A5 (fr) Produit d'addition du n,n-dimethylacetamide et d'un derive d'un acide cephem-4-carboxylique et procede de sa preparation.
JP2003095991A (ja) 光学活性3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸の製造法
JP2002080434A (ja) 光学活性アミノアルコールの製造方法