JP2003112420A - インクジェット記録装置及びその駆動方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及びその駆動方法

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JP2003112420A
JP2003112420A JP2001310158A JP2001310158A JP2003112420A JP 2003112420 A JP2003112420 A JP 2003112420A JP 2001310158 A JP2001310158 A JP 2001310158A JP 2001310158 A JP2001310158 A JP 2001310158A JP 2003112420 A JP2003112420 A JP 2003112420A
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ink
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acoustic
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Osamu Shinkawa
修 新川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音響レンズの位置を変位させることにより、
インク飛翔制御を行う場合に、高周波駆動回路を簡易・
低コスト化する。 【解決手段】 励振用圧電体3の表面に長手方向に沿っ
て所定間隔で音響レンズ6を配設し、この励振用圧電体
3の下面側に保持部材4を介して吐出制御用圧電体5を
配置する。励振用圧電体3は所定数の音響レンズ6を共
通の高周波駆動回路20Aで駆動し、励振用圧電体5は
各音響レンズ6に対応する分割電極5cを形成し、各分
割電極に吐出選択駆動回路30Aでバイアス電圧を制御
する。吐出制御用圧電体の伸縮によって励振用圧電体を
湾曲させて、音響ヘッドの焦点位置を調整してインク液
滴の吐出制御を行い、励振用圧電体3に高周波電圧を印
加することにより、インク液滴を飛翔させる音場を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の音響ヘッド
でインク液面に収束する超音波を個別に収束させて複数
のインク液滴を飛翔させるインクジェット記録装置及び
その駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のインクジェット記録装置として
は、例えば特開平11−129470号公報(以下、第
1従来例と称す)及び特開平5−246028号公報
(以下、第2従来例と称す)に記載されているものが知
られている。この第1従来例は、被記録部材にドットを
記録する記録素子を複数個有する記録素子群を複数備
え、各記録素子を駆動する駆動素子を複数個有する駆動
手段を複数個備え、1つの記録素子群を形成する各記録
素子を駆動する駆動素子は複数の駆動手段に分割して設
けられた構成を有するインクジェット記録装置が開示さ
れている。
【0003】また、第2従来例は、高周波電圧が入力さ
れるトランスジューサを取付けた基板に音響レンズを形
成し、この基板上に形成したチャネルを通じて圧力P1
の吸込口からの吸い込んだインクを圧力P2の排出口へ
流動させ、圧電駆動装置によってチャネルを横切る短い
圧力パルスを誘起することにより、P1/P2の圧力比
によって開口チャネル中の液体レベル“1”に設定され
ている場合、圧力パルスによってインクレベルを“1”
から“2”へ上昇させ、このインクレベル“1”及び
“2”間に音響レンズの焦点面を設定し、インクレベル
が焦点面を通過する時点で液滴を飛翔させるようにした
音響インクプリンタが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1従来例にあっては、各記録素子に対して個別に高耐圧
で高周波の駆動回路を有しており、高周波信号を扱う必
要があることから、リード線を短く最短距離に設定する
必要があると共に、アース線を太く広く設定する必要が
あり、さらに複数の音響ヘッドを設けた場合、パワー系
の駆動回路数も複数必要となり、製作コストが嵩むとい
う未解決の課題がある。
【0005】また、上記第2従来例にあっては、音響レ
ンズの焦点面付近の液面高さを制御して、インクの吐出
及び非吐出の選択を行うようにしているので、高周波駆
動信号を切替えることなく、インク吐出の選択が可能に
なるが、液面高さを精密に制御する必要があることから
複数の音響ヘッドの音源に対して、個々に圧力差を設け
るには構成が複雑となるという未解決の課題がある。
【0006】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、パワー系の駆動回
路数を低減させて高周波駆動回路の構成を簡略化すると
共に、製作コストを軽減することができるインクジェッ
ト記録装置及びその駆動方法を提供することを目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係るインクジェット記録装置は、表裏に
電極が配設されて高周波励振駆動される励振用圧電体
と、該励振用圧電体の表面電極上に長手方向に所定間隔
を保って配設された複数の音響ヘッドと、前記励振用圧
電体の裏面側に各音響ヘッドに対応して配設され、当該
音響ヘッドを個別にインク吐出位置及びインク非吐出位
置間に移動させるように前記励振用圧電体を変位させる
吐出制御用圧電体とを備えたことを特徴としている。
【0008】また、請求項2に係るインクジェット記録
装置は、表裏に駆動電極が配設されて高周波励振駆動さ
れる励振用圧電体と、該励振用圧電体の表面電極上に長
手方向に所定間隔を保って配設された複数の音響ヘッド
と、前記励振用圧電体の裏面側に各音響ヘッドに対応し
て配設され、当該音響ヘッドを個別にインク吐出位置及
びインク非吐出位置間に移動させるように前記励振用圧
電体を変位させる吐出制御用圧電体と、前記励振用圧電
体を励振駆動する高周波駆動手段と、前記吐出制御用圧
電体に対して吐出制御用バイアス電圧を印加する吐出駆
動手段とを備え、前記高周波駆動手段は、吐出駆動手段
で吐出制御用圧電体が前記励振用圧電体をインク吐出位
置に制御するタイミングに同期して作動されることを特
徴としている。
【0009】さらに、請求項3に係るインクジェット記
録装置は、請求項2に係る発明において、前記励振用圧
電体の伝搬音圧を各音響ヘッド位置で個別に検出する伝
搬音圧検出手段と、該伝搬音圧検出手段で検出した各音
響ヘッド位置での伝搬音圧と目標伝搬音圧との誤差量に
基づいて前記高周波駆動手段の高周波信号レベルを補正
する音圧補正手段とを備えていることを特徴としてい
る。
【0010】さらにまた、請求項4に係るインクジェッ
ト記録装置は、請求項3に係る発明において、前記伝搬
音圧検出手段は、吐出制御用圧電体で構成されているこ
とを特徴としている。なおさらに、請求項5に係るイン
クジェット記録装置は、請求項2乃至4の何れかに係る
発明において、前記音圧補正手段は、各音響ヘッドに対
応する音圧検出信号を個別に波形処理する波形処理回路
と、該波形処理回路で波形処理された音圧検出信号と目
標音圧最大値との誤差量を演算し、最大誤差量を演算す
る誤差量演算回路と、該誤差量演算回路で演算した最大
誤差量に基づいて補正量を演算して前記高周波駆動手段
に出力する補正量演算回路とを備えていることを特徴と
している。
【0011】また、請求項6に係るインクジェット記録
装置は、請求項2乃至5の何れかに係る発明において、
前記高周波駆動手段は、吐出駆動手段で吐出制御用圧電
体が前記励振用圧電体をインク吐出位置に制御するタイ
ミングに同期して発振制御される発振回路と、該発振回
路の発振出力を増幅する電圧制御増幅回路とを備え、前
記電圧制御増幅回路は前記補正量演算回路で演算された
補正量に応じた振幅制御を行うように構成されているこ
とを特徴としている。
【0012】さらに、請求項7に係るインクジェット記
録装置は、請求項1乃至6に係る発明において、前記励
振用圧電体と吐出制御用圧電体との間に、吐出制御用圧
電体に接触し当該励振用圧電体に対応する形状を有する
平板部と該平板部上に形成された前記各音響ヘッドに対
応する範囲を囲み励振用圧電体に接合された隔壁部とを
有する保持部材が配設されていることを特徴としてい
る。
【0013】さらにまた、請求項8に係るインクジェッ
ト記録装置は、請求項7に係る発明において、前記保持
部材の隔壁部で囲まれる領域に音響伝搬媒体が封入され
ていることを特徴としている。なおさらに、請求項9に
係るインクジェット記録装置は、請求項1乃至8の何れ
かの発明において、前記吐出制御用圧電体は、前記励振
用圧電体上の両端の音響ヘッド間長さと略等しい長さを
有すると共に、当該励振用圧電体の幅に対して幅狭に形
成され、さらに表裏電極の何れか一方が音響ヘッドに対
応して分割配置された構成を有し、前記励振用圧電体の
幅方向の中央部に配設されていることを特徴としてい
る。
【0014】また、請求項10に係るインクジェット記
録装置は、請求項1乃至9の何れかの発明において、前
記励振用圧電体は、表裏電極の一方に音響ヘッド間に対
応する位置に非電極部が形成され、他方に音響ヘッドの
配列方向に沿う両側に非電極部が形成されていることを
特徴としている。さらに、請求項11に係るインクジェ
ット記録装置の駆動方法は、表裏に駆動電極が配設され
て励振駆動される励振用圧電体と、該励振用圧電体の表
面電極上に長手方向に所定間隔を保って配設された複数
の音響ヘッドと、前記励振用圧電体の裏面側に各音響ヘ
ッドに対応して配設され、当該音響ヘッドを個別にイン
ク吐出位置及びインク非吐出位置間に移動させるように
前記励振用圧電体を変位させる吐出制御用圧電体とを備
え、インクを吐出させる音響ヘッドに対応する励振用圧
電体を前記吐出制御用圧電体で変位させることにより、
当該音響ヘッドをインク吐出位置に移動し、この状態で
励振用圧電体を励振駆動することにより、インク表面に
超音波を収束させてインク液滴を飛翔させるようにした
ことを特徴としている。
【0015】さらにまた、請求項12に係るインクジェ
ット記録装置の駆動方法は、請求項11に記載の発明に
おいて、前記音響ヘッドは、吐出制御用圧電体を非通電
状態に制御することにより、励振用圧電体を平坦な状態
に維持してインク吐出位置を保持し、この状態から吐出
制御用圧電体にバイアス電圧を印加して吐出制御用圧電
体を伸長及び収縮の何れかに生じさせることにより励振
用圧電体を湾曲させてインク非吐出位置に移動させるこ
とを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
について説明する。図1は本発明の第1の実施形態を示
す縦断面図、図2は図1のA−A線上の拡大断面図であ
る。図中、HUはインクヘッドユニットであって、中空
の直方体状のケース体1の上面板1aに前後方向の中央
部に長手方向に所定間隔を保ってインク液滴を飛翔させ
る複数例えば10個のノズル2が形成されている。
【0017】このケース体1内には、上下方向の略中央
位置に音源として高周波の音圧を発生する励振用圧電体
3が配設され、この励振用圧電体3の下方側に音響イン
ピーダンスを調整して励振用圧電体3から下方側に発生
する音圧レベルを低下させる機能を有する保持部材4を
介して吐出制御用圧電体5が配設されている。励振用圧
電体3は、平面から見てケース体1より小さい長方形板
状の圧電素子3aと、この圧電素子3aの表裏面を覆う
表電極3b及び裏電極3cとで構成され、表電極3b上
におけるノズル2に対向する位置に夫々音響レンズ6が
配設され、表電極3b側の表面には、ポリイミド樹脂等
のコーティング剤を真空蒸着重合法により数μmの均一
な絶縁薄膜でコーティング処理され、表電極3b及び裏
電極3cが長手方向の中央部で絶縁体によって2分割さ
れている。そして、励振用圧電体3とケース体1の内周
面との間にインクの漏出を防止する弾性を有するシール
部材7が介挿され、励振用圧電体3の表電極3bとケー
ス体1の上面板1a、前後側面板1c,1d及び左右端
面板1e,1fとシール部材7とで囲まれるインク収納
部8にインク9が充填されている。この励振用圧電体3
の表電極3b及び裏電極3c間に高周波電圧が印加され
ることにより、高周波電圧に応じた音圧を発生し、音響
レンズ6からその焦点位置Pに収束する超音波が出力さ
れる。
【0018】保持部材4は、励振用圧電体3の裏電極3
cの下面に接着された裏電極3cと略同一形状を有する
保持板部4aと、この保持板部4aの下面側に一体に形
成された音響レンズ6に対応する位置を方形に囲む隔壁
部4bと、この隔壁辺4bの下面に一体に形成された保
持板部4aと平行な保持板部4cとで構成され、保持板
部4cがケース本体1の内側面に形成された支持部材1
0によって前後方向の中央部を上下方向に湾曲可能に支
持されている。そして、保持板部4a、隔壁部4b及び
保持板部4cで囲まれる空間部に励振用圧電体3で発生
する超音波を伝達する例えば水でなる音響伝達媒体11
が封入されている。
【0019】吐出制御用圧電体5は、励振用圧電体3と
略等しい長さを有し、且つ励振用圧電体3の幅の1/5
程度の幅を有する圧電素子5aと、この圧電素子5aの
表面を覆うように配設された表電極5bと、圧電素子5
aの下面側における音響レンズ6に対応する位置に夫々
分割された配置された複数例えば10個の分割裏電極5
cとで構成され、分割裏電極5cがケース体1の底面板
1bの内側面に接着され、表電極5bが保持部材4の保
持板部4cに接着されている。
【0020】そして、この吐出制御用圧電体5の表電極
5b及び分割裏電極5cとの間にバイアス電圧を印加し
ていない状態で、前記励振用圧電体3が平板状を維持
し、これに配設された音響レンズ6がその焦点位置Pが
インク収納部8の上端面即ちケース体1の上面板1aの
下面におけるノズル2の中心位置のインク表面に一致す
るインク吐出位置に設定され、この状態から正のバイア
ス電圧を印加することにより、圧電素子5aが伸長して
保持部材4の保持板部4cを図2で見て上方に湾曲させ
ることにより、隔壁部4b及び保持板部4aを介して励
振用圧電体3を上方に湾曲させて音響レンズ6の焦点位
置Pをケース体1の上面板1aの下面におけるノズル2
の中心位置のインク表面より上方のインク非吐出位置に
設定する。
【0021】また、励振用圧電体3及び吐出制御用圧電
体5が図3に示すように左半部の5つの音響レンズ6を
含む音響ヘッドユニットUHAと右半部の5つの音響レ
ンズ6を含む音響ヘッドユニットUHBとに左右に分割
され、これらが第1及び第2の高周波駆動回路20A,
20B並びに第1及び第2の吐出選択駆動回路30A及
び30Bによって駆動制御される。
【0022】第1及び第2の高周波駆動回路20A及び
20Bの夫々は、図5に示すように、後述する第1及び
第2の吐出選択駆動回路30A及び30Bのオアゲート
34から入力される発振許可信号と後述するタイミング
信号発生回路40から供給されるタイミング信号が入力
されるアンドゲート21と、このアンドゲート21の出
力信号が入力され、この出力信号が論理値“1”を継続
する間、高周波発振信号を出力する発振回路22と、こ
の発振回路22から出力される高周波発振信号を増幅す
る電圧制御型増幅回路23とを備えており、電圧制御型
増幅回路23から出力される高周波駆動電圧信号が励振
用圧電体3の表電極3b及び裏電極3c間に印加され
る。
【0023】第1及び第2の吐出選択駆動回路30A及
び30Bの夫々は、図4に示すように、吐出制御用圧電
体5の各分割裏電極5cに対応する5段のシフト段数を
有するシフトレジスタ31と、このシフトレジスタ31
の各出力段の出力信号を後述する印刷処理装置50から
入力されるラッチ信号に基づいてラッチするラッチ回路
32と、このラッチ回路32でラッチした出力信号が入
力され、出力信号が論理値“1”であるときに分割裏電
極5cと表電極5bとの間に印加するバイアス電圧の供
給を停止し、出力信号が論理値“0”であるときに分割
裏電極5cと表電極5bとの間に例えば正のバイアス電
圧を印加するドライバ33と、ラッチ回路32の各ラッ
チ出力が入力され、出力信号を発振許可信号として高周
波駆動回路20A及び20Bに出力するオアゲート34
とを有する。
【0024】第1の吐出選択駆動回路30Aのシフトレ
ジスタ31には、初段に印刷処理装置50から出力され
る印字データが順次入力され、この印字データを印刷処
理装置50から入力されるクロックパルスCPに応じて
順次後段側にシフトし、最終段の印字データを第2の吐
出選択駆動回路30Bの初段に繰り上げるように構成さ
れている。
【0025】ラッチ回路32は1ライン分の印字データ
が第1及び第2吐出選択駆動回路30A及び30Bシフ
トレジスタに格納された時点で入力されるラッチ信号に
よってシフトレジスタ31の各出力段の出力信号をラッ
チすると共に、後述するタイミング信号形成回路40か
らクリア信号が入力されることにより、ラッチ状態が解
除されて各ラッチ信号が論理値“0”にクリアされる。
【0026】また、タイミング信号発生回路40は、図
6に示すように、ラッチ信号とクロックパルスとが入力
されるアンドゲート41と、このアンドゲート41の出
力信号をカウントし、そのカウント値がプリセットされ
る発振時間設定値に一致したときに第1及び第2の吐出
選択駆動回路30A及び30Bのラッチ回路32にクリ
ア信号を出力すると共に、カウント値をクリアするタイ
マーカウンタ42と、ラッチ信号の立ち上がり時点で論
理値“1”となり、タイマーカウンタ42のクリア信号
で論理値“0”となるタイミング信号を第1及び第2の
高周波駆動回路20A及び20Bに出力するラッチ回路
43とを備えている。
【0027】印刷処理装置50は、外部の情報処理装置
から所定フォーマットの印字情報が入力されると、この
印字情報を各音響レンズ6で印字する10ビットづつの
印字データ列に分解し、この印字データ列を第1の吐出
選択駆動回路30Aのシフトレジスタ31に書込むと共
に、所定のタイミングでラッチ信号及びクロックパルス
CPを第1及び第2の吐出選択駆動回路30A及び30
Bとタイミング回信号発生回路40に出力する。
【0028】すなわち、印刷処理装置50は、図7に示
す印刷処理を実行し、先ず、ステップS1で外部の情報
処理装置から印刷情報が入力されたか否かを判定し、印
刷情報が入力されていないときには、これが入力される
まで待機し、印刷情報が入力されたときには、ステップ
S2に移行して、印刷情報を第1及び第2の吐出選択駆
動回路30A及び30Bのシフトレジスタ31に格納す
る10ビットの印字データ列に分解し、分解した印字デ
ータ列を第1の吐出選択駆動回路30Aのシフトレジス
タ31に書込む。
【0029】次いでステップS3に移行して、シフトレ
ジスタ31への印字データ列の書込みが完了したか否か
を判定し、書込みが完了していないときには前記ステッ
プS2に戻って書込処理を継続し、書込みが完了したと
きにはステップS4に移行して、第1及び第2の吐出選
択駆動回路30A及び30Bとタイミング信号発生回路
40に対してラッチ信号を出力してからステップS5に
移行する。
【0030】このステップS5では、タイミング信号発
生回路からクリア信号が入力されたか否かを判定し、ク
リア信号が入力されていないときにはこれが入力される
まで待機し、クリア信号が入力されたときにはステップ
S6に移行して、ラッチ信号の出力を停止してからステ
ップS7に移行して、残りの印字データ列が存在するか
否かを判定し、残りの印字データ列が存在する場合に
は、前記ステップS2に戻り、残りの印字データ列が存
在しない場合には印刷処理が完了したものと判断して前
記ステップS1に戻る。
【0031】次に、上記第1の実施形態の動作を説明す
る。今、印刷処理装置50に印字情報が入力されておら
ず、この印刷処理装置50から印字データ列及びラッチ
信号が出力されてない状態では、第1及び第2の吐出選
択駆動回路30A及び30Bにおけるシフトレジスタ3
1の各シフト段の出力信号が論理値“0”を維持してい
ると共に、ラッチ回路32のラッチ出力も論理値“0”
を維持しており、これに応じてドライバ33の出力信号
がオン状態となるので、吐出制御用圧電体5の各分割裏
電極5c及び表電極5b間に対して例えば正のバイアス
電圧が供給される。
【0032】このため、吐出制御用圧電体5は、その圧
電素子5aが図8(b)に示すように全ての音響レンズ
6に対応する位置で伸長状態に制御されることから保持
部材4の保持板部4cが、その幅方向両端が支持部材1
0でケース体1に支持されているので幅方向の中央部を
上方に湾曲される。このように、保持板部4cが湾曲さ
れると、隔壁部4bを介して保持板部4aも幅方向中央
を上方に湾曲させた状態となり、これに応じて励振用圧
電体3も上方に湾曲することから音響レンズ6が上方の
インク非吐出位置に変位され、この音響レンズ6の焦点
位置Pがケース体1の上面板1aの下面におけるノズル
2位置のインク表面より上方に位置する状態となる。
【0033】この状態では、オア回路34から出力され
る発振許可信号が論理値“0”であり、これが第1及び
第2の高周波駆動回路20A及び20Bのアンドゲート
21に供給されることにより、このアンドゲート21の
出力信号が論理値“0”を維持し、発振回路22での高
周波発振信号の出力が停止され、電圧制御増幅回路23
の高周波駆動出力も出力されない状態にある。
【0034】このため、励振用圧電体3の表電極3b及
び裏電極3c間に高周波発振信号が入力されないので、
この励振用圧電体3が非動作状態を維持し、音響レンズ
6から超音波の発生が停止され、インク液滴が飛翔され
ない状態を保持している。この状態から、印刷処理装置
50に印字情報が入力されて、この印刷処理装置50か
ら例えば印字を行う場合に論理値“1”、印字を行わな
い場合に論理値“0”とする10ビット分の印字データ
列が第1の吐出選択駆動回路30Aのシフトレジスタ3
1の初段に入力されると、これが印刷処理装置50から
供給されるクロックパルスCPによって順次シフトさ
れ、6ビット目の印字データが入力されると、シフトレ
ジスタ31の最終段の印字データが第2の吐出選択駆動
回路30Bのシフトレジスタ31の初段に繰り上げら
れ、その後印字データが入力され且つクロックパルスC
Pが入力される毎に順次印字データがシフトされて、1
0ビット目の印字データが入力されると、第1及び第2
の吐出選択駆動回路30A及び30Bのシフトレジスタ
31に全て印字データが格納される。
【0035】そして、印字データ列の書込みが完了する
と、印刷処理装置50から、第1及び第2の吐出選択駆
動回路30A及び30Bのラッチ回路32にラッチ信号
が入力されることにより、各シフトレジスタ31に格納
されている印字データがラッチ回路32にラッチされ
る。このラッチ回路32のラッチ出力がドライバ33に
供給されるので、印字データが論理値“1”であるドラ
イバ33の出力がオフ状態となるため、吐出制御用圧電
体5の分割裏電極5c及び表電極5b間に対する正のバ
イアス電圧の印加が停止される。
【0036】したがって、この位置の圧電素子5aが図
8(a)に示すように伸長状態から通常状態に収縮し、
これに応じて保持部材4の保持板部4cが平板状態に復
帰することにより、隔壁部4bを介して保持板部4aも
平板状態に復帰し、励振用圧電体3も平板状態に復帰す
る。このため、音響レンズ6が下降して、その焦点位置
Pがケース体1の上面板1aの下面におけるノズル2の
中心位置のインク表面となるインク吐出位置に制御され
る。
【0037】このように、印字データで印字を行う論理
値“1”のビットが存在する状態となると、印字を行う
ビットに対応するラッチ回路32のラッチ出力も論理値
“1”となるので、オアゲート34から出力される発振
許可信号が論理値“1”となり、これが第1及び第2の
高周波駆動回路20A及び20Bに出力される。一方、
タイミング信号発生回路40では、ラッチ信号が論理値
“1”となることにより、ラッチ回路43から論理値
“1”のタイミング信号が第1及び第2の高周波駆動回
路20A及び20Bに出力されると共に、アンドゲート
41からクロックパルスCPがタイマーカウンタ42に
供給され、そのカウント値がカウントアップされる。
【0038】このため、第1及び第2の高周波駆動回路
20A及び20Bのアンドゲート21の出力が論理値
“1”となり、これが発振回路22に供給されることに
より、この発振回路22から高周波発振信号が電圧制御
型増幅回路23に出力され、この電圧制御型増幅回路2
3から高周波発振信号の振幅を増幅した高周波駆動信号
が出力され、これが励振用圧電体3の表電極3b及び裏
電極3c間に印加される。
【0039】この結果、励振用圧電体3の圧電素子3a
が高周波駆動信号に応じて振動し、励振用圧電体3上に
形成された全ての音響レンズ6から超音波が発生され
る。このとき、音響レンズ6がインク吐出位置に制御さ
れている場合には、その焦点位置Pがノズル2に対応す
るインク表面に一致し、この焦点位置Pに超音波が収束
するので、この焦点位置Pでインク液滴が飛翔されてノ
ズル2に対向する印刷用紙等の印刷媒体に到達して微小
なドットを形成する。
【0040】また、音響レンズ6がインク非吐出位置に
制御されている場合には、その焦点位置Pがノズル2に
対応するインク表面より上方の位置となり、インクのな
い位置に超音波が収束するので、インク液滴は飛翔され
ず、印刷媒体に微小ドットが形成されることはない。そ
の後、音響レンズ6からの超音波によって論理値“1”
の印字データに対応する音響レンズ6でインク液滴が飛
翔された後に、タイミング発生回路40のタイマーカウ
ンタ42のカウント値が発振時間設定値に一致すること
になり、この時点でタイマーカウンタ42からクリア信
号が出力され、これがラッチ回路43に供給されること
により、タイミング信号が論理値“0”に反転し、この
タイミング信号が第1及び第2の高周波駆動回路20A
及び20Bのアンドゲート21に供給されることによ
り、このアンドゲート21の出力が論理値“0”とな
り、発振回路22での高周波発振信号の出力が停止さ
れ、励振用圧電体3の振動が停止されて音響レンズ6で
の超音波の発生が停止される。
【0041】一方、タイマーカウンタ42から出力され
るクリア信号が第1及び第2の吐出制御用駆動回路30
A及び30Bのラッチ回路32に供給されることによ
り、このラッチ回路32のラッチ出力が全て“0”にク
リアされ、これに応じてドライバ33によって吐出制御
用圧電体5の全ての音響レンズ6に対応する圧電素子5
aが伸長状態に制御され、音響レンズ6がインク非吐出
位置に制御されて、インク液滴の吐出が停止される。ま
た、印刷処理装置50でもクリア信号が入力されること
により、ラッチ信号の出力が停止される。
【0042】その後、残りの印字データ列が存在する場
合には、再度印刷処理装置50から第1及び第2の吐出
制御用駆動回路30A及び30Bに次の10ビットの印
字データ列が供給されて、上記と同様の印字処理を実行
する。このように、上記第1の実施形態によると、音響
レンズ6をインク吐出位置及びインク非吐出位置に制御
する吐出制御用圧電体5については音響レンズ数に応じ
た数のドライバ33を設けるが、音響レンズ6から超音
波を発生させる励振用圧電体3については所定数の音響
レンズ6で共通の高周波駆動回路20A及び20Bを設
けるだけで、インク液滴の飛翔制御を正確に行うことが
でき、高周波駆動回路の構成を簡略化することができ
る。
【0043】しかも、吐出制御用圧電体5を駆動する吐
出選択駆動回路30A及び30Bは吐出制御用圧電体5
に供給するバイアス電圧をオン・オフ制御するだけで良
いので、そのドライバ33を低周波のスイッチング素子
で構成することができ、高周波のパワースイッチング素
子数を従来例に比較して格段に減少させて、低コスト化
を図ることができる。
【0044】さらに、高周波駆動回路20A及び20B
と吐出選択駆動回路30A及び30Bとを分離すること
ができ、高周波の経路を集中させることができるので、
電気的クロストークを低減することができる。なお、上
記第1の実施形態においては、励振用圧電体3の表電極
3b及び裏電極3cを平板状に形成した場合について説
明したが、これに限定されるものではなく、図9(a)
及び(b)に示すように、一方の表電極3bについては
各音響レンズ6間に対応する位置に幅方向にスリット5
1を形成し、他方の裏電極3cについては音響レンズ6
の幅方向の両側位置を通って長手方向に延長するスリッ
ト52を形成して、非電極部を形成することにより、図
10(a)及び(b)に示すように、各音響レンズ6に
対応する励振用圧電体3に並列に高周波駆動信号を供給
することができ、音響レンズ6に対応する励振用圧電体
3に個別に高周波駆動回路を設ける場合と等価に高周波
駆動することができ、音響レンズ6間の干渉を防止する
ことができる。
【0045】また、上記第1の実施形態においては、吐
出制御用圧電体5に正のバイアス電圧を印加して、圧電
素子5aを伸長させる場合について説明したが、これに
限定されるものではなく、吐出制御用圧電体5に負のバ
イアス電圧を印加して圧電素子5aを図8(c)に示す
ように収縮させて、保持部材4の保持板部4a及び4c
を幅方向の中央部を下方に湾曲させて、励振用圧電体3
を同様に幅方向の中央部を下方に湾曲させて音響レンズ
6を下降させ、その焦点位置Pをインク表面から下方と
なるインク非吐出位置に制御するようにしてもよい。
【0046】さらに、上記第1の実施形態においては、
吐出制御用圧電体5にバイアス電圧を供給しない状態
で、音響レンズ6がインク吐出位置となるようにした場
合について説明したが、これに限定されるものではな
く、吐出制御用圧電体5に正又は負のバイアス電圧を印
加した状態で音響レンズ6がインク吐出位置となるよう
に設定してもよく、この場合には第1及び第2の吐出選
択駆動回路30A及び30Bにおけるドライバ33の出
力信号を反転させるようにすればよい。
【0047】次に、本発明の第2の実施形態を図11〜
図15について説明する。この第2の実施形態は、励振
用圧電体3を共通の高周波駆動回路20A及び20Bで
駆動する場合に、励振用圧電体3の音響レンズ6に対応
する位置で発生する音圧波形が目標音圧レベルに達して
いない場合に高周波駆動電圧を補正することにより、目
標音圧レベルを維持させて、正確なインク飛翔制御を行
うようにしたものである。
【0048】すなわち、第2の実施形態では、図11に
示すように、吐出選択駆動回路30A及び30Bのドラ
イバ33と吐出制御用圧電体5の分割裏電極5cとの間
に共通端子tcが分割裏電極5cに、常閉端子tncが
ドライバ33に接続された複数例えば5つのスイッチ回
路55を介挿し、このスイッチ回路55の常開端子tn
oを目標音圧最大値との最大誤差量を検出する音圧検出
回路60に接続し、この音圧検出回路60で検出した最
大誤差量を音圧補正回路70に供給して目標音圧に合わ
せる補正量を算出し、この補正量で第1及び第2の高周
波駆動回路20A及び20Bの電圧制御型増幅回路23
の増幅率を制御するように構成され、補正動作信号が補
正動作を行う論理値“1”の場合、共通端子tcと常開
端子tnoが接続され、補正動作を行わない論理値
“0”の場合、共通端子tcと常閉端子tncが接続さ
れ、さらに補正動作を行う場合には、オアゲート34か
ら発振許可信号が強制的に出力されて第1及び第2の高
周波駆動回路20A及び20Bで高周波電圧駆動信号を
励振用圧電体3に印加している。
【0049】ここで、音圧検出回路60は、図12に示
すように、第1及び第2の高周波駆動回路20A及び2
0Bで高周波電圧駆動信号を励振用圧電体3に印加して
いる状態で、各スイッチ回路55を補正動作信号に基づ
き常開接点tnoに切換えて、吐出制御用圧電体5の分
割裏電極5c及び表電極5bから出力される音圧信号が
入力される増幅回路61と、この増幅回路61の増幅出
力を全波整流する整流回路62と、この整流回路62の
整流出力をフィルタ処理して包絡線を抽出するフィルタ
回路63とを有する波形処理回路WC1〜WC5と、各
波形処理回路WC1〜WC5から出力されるフィルタ出
力と目標音圧最大値とを比較して、目標音圧最大値に対
する誤差量を出力する比較器CO1〜CO5と、これら
比較器CO1〜C05の出力側にアノードが接続され、
カソードが互いに接続されたダイオードD1〜D5及び
これらダイオードD1〜D5のカソード側と接地との間
に接続された抵抗Rとで構成される最大誤差量を選択す
るワイヤードオア回路YOと、コンパレータCO1〜C
O5と接地との間に介挿された電界効果トランジスタT
R1〜TR5及びそのゲートに接続された補正動作信号
が入力されるインバータIN1〜IN5で構成されるク
リア回路CLとを備えている。
【0050】また、音圧補正回路70は、図13に示す
ように、音圧検出回路60のワイヤードオア回路YOか
ら出力される最大誤差量と目標音圧差とを比較して、両
者の偏差を算出する比較器71と、この比較器71から
出力される比較出力に積分ゲインを与える増幅器72
と、この増幅器72の出力を積分する積分回路73と、
比較器71の出力に比例ゲインを与える増幅器74と、
積分回路73の積分出力と増幅器74の比例出力とを加
算する加算回路75と、加算回路75の出力側にアノー
ドが接続され、カソードにリミッタ値が入力されるリミ
ッタ用ダイオード76とで構成され、加算回路75とリ
ミッタ用ダイオード76との接続点から補正量が出力さ
れる。ここで、積分回路73はタイミング信号発生回路
40から出力されるクリア信号によって積分値がリセッ
トされる。
【0051】そして、音圧補正回路70から出力される
補正量が図14に示す前述した第1及び第2の高周波駆
動回路20A及び20Bの電圧制御型増幅器23に調整
電圧を供給する電圧調整回路24に出力される。この電
圧調整回路24では、音圧補正回路70から入力される
補正量をクロックパルスCPの周期でサンプリングして
順次メモリに記憶し、アンドゲート21の出力信号が論
理値“1”となった時点からクロックパルスCPが入力
される毎に、メモリに記憶されている補正量を順次読出
して電圧制御型増幅器23に出力する。
【0052】また、音響レンズ6がその焦点位置Pが吐
出制御用圧電体5にバイアス電圧を印加していない状態
でインク表面より下側のインク非吐出位置となり、吐出
用圧電体5に正のバイアス電圧を印加したときに、圧電
素子5aが伸長して保持部材4を介して励振用圧電体3
が幅方向の中央が上方に湾曲して音響レンズ6の焦点位
置Pがインク表面に一致するインク吐出位置となるよう
に設定され、これに応じて吐出選択駆動回路30A及び
30Bのドライバ33のラッチ信号が論理値“1”であ
るときに正のバイアス電圧を出力し、ラッチ信号が論理
値“0”であるときにバイアス電圧の供給を停止するよ
うに構成されている。
【0053】次に、上記第2の実施形態の動作を説明す
る。印字処理装置から印字要求があると、先ず、音圧補
正動作を行う。この音圧補正動作は、各スイッチ回路5
5で共通接点tcを常閉接点tncから常開接点tno
に切換え、吐出制御用圧電体5を音圧検出素子として使
用する。この状態では、吐出制御用圧電体5にバイアス
電圧が供給されることがないので、吐出制御用圧電体5
は通常長さを維持し、保持部材4の保持板部4a及び4
cが平板状を維持して、励振用圧電体3も平板状を維持
することから、各音響レンズ6がその焦点位置Pをノズ
ル2位置でのインク表面より下側となるインク非吐出位
置を保持する。
【0054】この状態で、第1及び第2の高周波駆動回
路20A及び20Bのアンドゲート21に発振許可信号
及びタイミング信号を供給して発振回路22を作動状態
として高周波発振信号を発生させ、これを電圧制御型増
幅回路23に供給する。このとき、電圧制御型増幅回路
23の補正信号入力端子には予め設定した基準電圧を印
加しておき、この電圧制御型増幅回路23で基準電圧に
応じた一定増幅率で高周波発振信号の増幅を行い、これ
を励振用圧電体3の表電極3b及び裏電極3c間に印加
する。
【0055】したがって、励振用圧電体3が高周波振動
して音圧を発生し、これが音響レンズ6に伝達してこの
音響レンズ6で超音波を発生するが、前述したように音
響レンズ6がインク非吐出位置にあるので、ノズル2か
らインク液滴が飛翔されることはなく、ノズル2に対向
する印刷媒体にインク液滴が付着することはない。一
方、励振用圧電体3で発生する音圧は、保持部材4の隔
壁部4b内に封入された音圧伝搬媒体を介して吐出制御
用圧電体5に伝達され、この吐出制御用圧電体5の圧電
素子5aで伝達される音圧に応じた電圧が発生され、こ
れが音圧検出信号として分割裏電極5c及び表電極5b
を介して音圧検出回路60に供給される。
【0056】この音圧検出回路60では、各波形処理回
路WC1〜WC5において、吐出制御用圧電体5から入
力される音圧検出信号を増幅器61で増幅することによ
り、図15(a)に示すように、振動初期時に振幅が徐
々に大きくなる音圧検出信号が得られる。この音圧検出
信号を整流回路62で全波整流することにより、図15
(b)に示す全波整流信号が出力され、これがフィルタ
回路63に供給されることにより、全波整流信号の包絡
線を描くフィルタ出力が得られ、これが比較器CO1〜
CO5に出力される。
【0057】これら比較器CO1〜CO5には目標音圧
最大値が入力されているので、この目標音圧最大値との
誤差量が比較器CO1〜CO5からワイヤードオア回路
YOに出力される。このため、ワイヤードオア回路YO
で比較器CO1〜CO5から出力される誤差量の最大値
を表す図15(d)に示す最大誤差量が得られ、これが
音圧補正回路70に供給される。
【0058】この音圧補正回路70では、比較回路71
で入力される最大誤差量から目標音圧最大値と目標音圧
との差を表す目標音圧差との偏差を出力し、この偏差を
増幅器72に供給して積分ゲインに応じた増幅を行った
後積分回路73で積分すると共に、増幅器74に供給し
て比例ゲインに応じた増幅を行い。積分回路73の積分
出力と増幅器74の増幅出力とを加算回路75で加算
し、この加算出力をリミッタ用ダイオード76でリミッ
タ処理することにより、図15(e)に示す補正量が得
られ、これが第1及び第2の高周波駆動回路20A及び
20Bの電圧制御型増幅回路23に対する電圧制御回路
24にフィードバックされ、クロックパルスCPの周期
でサンプリングされてメモリに記憶して補正処理を終了
する。
【0059】その後、印刷処理装置から印字データが第
1の吐出選択駆動回路30Aのシフトレジスタ31に供
給されることにより、ドライバ33から正のバイアス電
圧が印字を行う場合に出力されることを除いては前述し
た第1の実施形態と同様の印字処理を実行する。このと
き、第1及び第2の高周波駆動回路20A及び20Bで
は、電圧調整回路24のメモリに記憶されている補正量
がアンドゲート21の出力が論理値“1”となった時点
からクロックパルスCPの入力に応じて順次読出される
ので、電圧制御型増幅回路23の増幅出力は図15
(f)に示すように、初期状態で大きい振幅の高周波駆
動電圧となり、これが励振用圧電体3の表電極3b及び
裏電極3cに印加されることにより、励振用圧電体3の
各音響レンズ6位置で発生する音圧信号の最小レベルが
目標音圧レベルに制御されることになり、音響レンズ6
で発生する超音波の音圧レベルを安定させて、インク液
滴飛翔を正確に行うことができる。
【0060】なお、上記第2の実施形態においては、吐
出制御用圧電体5にバイアス電圧を供給していない状態
で、音響レンズ6の焦点位置Pがインク表面より下側と
なるように設定した場合について説明したが、これに限
定されるものではなく、音響レンズ6の焦点位置Pをイ
ンク表面より上側となるように設定するようにしてもよ
く、さらには第1の実施形態と同様に音響レンズ6の焦
点位置Pがインク表面と一致するように設定し、音圧補
正処理時にノズル2から飛翔するインク液滴を機械的に
回収するようにしてもよい。
【0061】また、上記第2の実施形態においては、印
刷処理装置から印字要求があった時点で音圧補正処理を
行う場合について説明したが、これに限定されるもので
はなく、印字処理中の任意のタイミングで印刷処理装置
に印字データの送出を一時停止させる要求を行って、こ
の間に音圧補正処理を行うようにしてもよい。さらに、
上記第2の実施形態においては、音圧補正処理工程を吐
出動作と別個に設け補正処理された駆動信号記憶して使
用する場合について説明したが、これに限定されるもの
ではなく、補正動作信号をラッチ回路32の各ラッチ出
力信号として各スイッチ回路55、及び音圧検出回路6
0の各クリア回路CLに入力し、印字データにより選択
された吐出部の音圧群あるいは、非吐出部の音圧群の中
で補正量を算出し直接電圧制御増幅回路23にフィード
バックして、リアルタイムに補正処理を行うようにして
もよい。
【0062】さらに、上記第2の実施形態においては、
音圧検出回路60及び音圧補正回路70をハードウェア
で構成する場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、波形処理回路WC1〜WC5から出力さ
れる音圧検出信号をA/D変換器でデジタル信号に変換
して音圧値としてマイクロコンピュータに入力し、この
マイクロコンピュータで、音圧値毎に目標音圧最大値か
ら音圧値を減算して誤差量を算出すると共にし、誤差量
の最大値を検出して、この最大誤差量から目標音圧差を
減算して誤差量を算出し、この誤差量に対して比例・積
分(PI)処理を行って補正量を算出し、算出した補正
量をリミッタ値で制限して第1及び第2の高周波駆動回
路20A及び20Bの電圧制御型増幅回路23に制御電
圧を供給する電圧制御回路24に供給するソフトウェア
処理を行うようにしてもよい。
【0063】さらにまた、上記第1及び第2の実施形態
においては、第1及び第2の吐出選択駆動回路30A及
び30Bのシフトレジスタ31に印字データをシリアル
に供給する場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、印字処理装置からパラレル印字データを
出力可能である場合にはシフトレジスタ31を省略して
直接ラッチ回路32でパラレルデータをラッチするよう
にしてもよい。
【0064】なおさらに、上記第1及び第2の実施形態
においては、タイミング信号発生回路40をハードウェ
アで構成する場合について説明したが、これに限定され
るものではなく、印刷処理装置50でソフトウェアタイ
マを使用してタイミング信号及びクリア信号を形成する
ようにしてもよい。また、上記第1及び第2の実施形態
においては、5つの音響レンズ6に対して共通の励振用
圧電体3で音圧を発生させる場合について説明したが、
これに限定されるものではなく、ユニット化する音響レ
ンズ数は任意に設定することができる。
【0065】さらに、上記第1及び第2の実施形態では
ノズル数が10個のインクヘッドユニットを形成した場
合について説明したが、これに限定されるものではな
く、任意数のノズルを形成したインクヘッドユニットを
形成することができるうえ、ノズルを一列に形成する場
合に限らず、複数並列に形成するようにしてもよい。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、表裏に電極が配設されて高周波励振駆動さ
れる励振用圧電体と、該励振用圧電体の表面電極上に長
手方向に所定間隔を保って配設された複数の音響ヘッド
と、前記励振用圧電体の裏面側に各音響ヘッドに対応し
て配設され、当該音響ヘッドを個別にインク吐出位置及
びインク非吐出位置間に移動させるように前記励振用圧
電体を変位させる吐出制御用圧電体とを備えているの
で、励振用圧電体を高周波駆動することにより、インク
液滴を飛翔させる音圧を確保し、インク液滴を飛翔させ
るか否かは吐出制御用圧電体で制御することができ、簡
易な構成でインク飛翔制御を正確に行うことができると
いう効果が得られる。
【0067】また、請求項2に係る発明によれば、請求
項1の構成に加えて、前記励振用圧電体を励振駆動する
高周波駆動手段と、前記吐出制御用圧電体に対して吐出
制御用バイアス電圧を印加する吐出駆動手段とを備え、
前記高周波駆動手段は、吐出駆動手段で吐出制御用圧電
体が前記励振用圧電体をインク吐出位置に制御するタイ
ミングに同期して作動するようにしたので、音響ヘッド
毎に個別の高周波駆動回路を設ける必要がなく、高周波
駆動回路を簡略化することができると共に、高周波パワ
ー素子数を減少させて低コスト化を図ることができ、さ
らに高周波の経路を集中できるので、電気的クロストー
クを低減することができるという効果が得られる。
【0068】さらに、請求項3に係る発明によれば、前
記励振用圧電体の伝搬音圧を各音響ヘッド位置で個別に
検出する伝搬音圧検出手段と、該伝搬音圧検出手段で検
出した各音響ヘッド位置での伝搬音圧と目標伝搬音圧と
の誤差量に基づいて前記高周波駆動手段の高周波信号レ
ベルを補正する音圧補正手段とを備えているので、音圧
補正手段で励振用圧電体から発生する音圧レベルを常に
適正値に維持することができ、印字品質を向上させるこ
とができるという効果が得られる。
【0069】さらにまた、請求項4に係る発明によれ
ば、前記伝搬音圧検出手段が、吐出制御用圧電体で構成
されているので、別途音圧検出部を設ける必要がなく、
インク非吐出時に印字励振用圧電体の伝搬音圧を検出す
ることができるという効果が得られる。なおさらに、請
求項5に係る発明によれば、前記音圧補正手段は、各音
響ヘッドに対応する音圧検出信号を個別に波形処理する
波形処理回路と、該波形処理回路で波形処理された音圧
検出信号と目標音圧最大値との誤差量を演算し、最大誤
差量を演算する誤差量演算回路と、該誤差量演算回路で
演算した最大誤差量に基づいて補正量を演算して前記高
周波駆動手段に出力する補正量演算回路とを備えている
ので、簡易な構成で励振用圧電体の音圧レベルが最小と
なる位置での音圧レベルを目標音圧レベルに維持するこ
とができ、印字品質を向上させることができるという効
果が得られる。
【0070】また、請求項6に係る発明によれば、前記
高周波駆動手段は、吐出駆動手段で吐出制御用圧電体が
前記励振用圧電体をインク吐出位置に制御するタイミン
グに同期して発振制御される発振回路と、該発振回路の
発振出力を増幅する電圧制御型増幅回路とを備え、前記
電圧制御増幅回路は前記補正量演算回路で演算された補
正量に応じた振幅制御を行うように構成されているの
で、簡易な構成により補正量演算回路で演算した補正量
に応じた振幅補正を容易に行うことができるという効果
が得られる。
【0071】さらに、請求項7に係る発明によれば、前
記励振用圧電体と吐出制御用圧電体との間に、吐出制御
用圧電体に接触し当該励振用圧電体に対応する形状を有
する平板部と該平板部上に形成された前記各音響ヘッド
に対応する範囲を囲み励振用圧電体に接合された隔壁部
とを有する保持部材が配設されているので、保持部材に
よって吐出制御用圧電体の変位量を励振用圧電体に伝達
して音響ヘッド位置を制御することができると共に、保
持部材で音響インピーダンスを調節することにより、励
振用圧電体で発生の音圧信号を音響ヘッド側に集中させ
ることができるという効果が得られる。
【0072】さらにまた、請求項8に係る発明によれ
ば、前記保持部材の隔壁部で囲まれる領域に音響伝搬媒
体が封入されているので、吐出制御用圧電体を伝搬音圧
検出手段として適用する場合に、励振用圧電体の音圧信
号を効果的に吐出制御用圧電体に伝達することができ、
音圧検出精度を向上させることができるという効果が得
られる。
【0073】なおさらに、請求項9に係る発明によれ
ば、前記吐出制御用圧電体は、前記励振用圧電体上の両
端の音響ヘッド間長さと略等しい長さを有すると共に、
当該励振用圧電体の幅に対して幅狭に形成され、さらに
表裏電極の何れか一方が音響ヘッドに対応して分割配置
された構成を有し、前記励振用圧電体の幅方向の中央部
に配設されているので、吐出制御用圧電体を伸縮させる
ことにより、励振用圧電体を幅方向の中央で湾曲させる
ことができ、音響ヘッドの焦点位置制御を容易に行うこ
とができるという効果が得られる。
【0074】また、請求項10に係る発明によれば、前
記励振用圧電体は、表裏電極の一方に音響ヘッド間に対
応する位置に非電極部が形成され、他方に音響ヘッドの
配列方向に沿う両側に非電極部が形成されているので、
表裏電極に高周波発振電圧を印加したときに、各音響ヘ
ッド位置で個別に高周波発振電圧を与える場合と等価な
高周波駆動を行うことができるという効果が得られる。
【0075】さらに、請求項11に係る発明によれば、
表裏に駆動電極が配設されて励振駆動される励振用圧電
体と、該励振用圧電体の表面電極上に長手方向に所定間
隔を保って配設された複数の音響ヘッドと、前記励振用
圧電体の裏面側に各音響ヘッドに対応して配設され、当
該音響ヘッドを個別にインク吐出位置及びインク非吐出
位置間に移動させるように前記励振用圧電体を変位させ
る吐出制御用圧電体とを備え、インクを吐出させる音響
ヘッドに対応する励振用圧電体を前記吐出制御用圧電体
で変位させることにより、当該音響ヘッドをインク吐出
位置に移動し、この状態で励振用圧電体を励振駆動する
ことにより、インク表面に超音波を収束させてインク液
滴を飛翔させるようにしたので、音響ヘッド毎に個別の
高周波駆動回路を設ける必要がなく、高周波駆動回路を
簡略化することができると共に、高周波パワー素子数を
減少させて低コスト化を図ることができ、さらに高周波
の経路を集中できるので、電気的クロストークを低減す
ることができるという効果が得られる。
【0076】さらにまた、請求項12に係る発明によれ
ば、前記音響ヘッドは、吐出制御用圧電体を非通電状態
に制御することにより、励振用圧電体を平坦な状態に維
持してインク吐出位置を保持し、この状態から吐出制御
用圧電体にバイアス電圧を印加して吐出制御用圧電体を
伸長及び収縮の何れかに生じさせることにより励振用圧
電体を湾曲させてインク非吐出位置に移動させるので、
励振用圧電体が平坦な状態でインク吐出位置とすること
ができるので、各音響ヘッド位置でインク吐出位置を均
一に制御することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す縦断面図であ
る。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】インクヘッドユニットの駆動回路を示すブロッ
ク図である。
【図4】第1及び第2の吐出選択駆動回路を示すブロッ
ク図である。
【図5】第1及び第2の高周波駆動回路を示すブロック
図である。
【図6】タイミング信号発生回路を示すブロック図であ
る。
【図7】印刷処理装置の印刷処理手順の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図8】インク吐出状態及びインク非吐出状態の説明に
供する説明図である。
【図9】励振用圧電体の表電極及び裏電極の変形例を示
す平面図である。
【図10】図10の電極を適用した場合のインクヘッド
ユニットを示す断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態を示すブロック図で
ある。
【図12】第2の実施形態における音圧検出回路を示す
ブロック図である。
【図13】第2の実施形態における音圧補正回路を示す
ブロック図である。
【図14】第2の実施形態における第1及び第2の高周
波駆動回路を示すブロック図である。
【図15】第2の実施形態の動作を説明する信号波形図
である。
【符号の説明】
HU インクヘッドユニット 1 ケース体 2 ノズル 3 励振用圧電体 4 保持部材 5 吐出制御用圧電体 9 インク 20A,20B 高周波駆動回路 21 アンドゲート 22 発振回路 23 電圧制御型増幅回路 24 電圧制御回路 30A,30B 吐出選択駆動回路 31 シフトレジスタ 32 ラッチ回路 33 ドライバ 34 オアゲート 40 タイミング信号発生回路 50 印刷処理装置 55 スイッチ回路 60 音圧検出回路 WC1〜WC5 波形処理回路 CO1〜CO5 比較器 YO ワイヤードオア回路 70 音圧補正回路 71 比較器 72 増幅器 73 積分回路 74 増幅器 75 加算回路 76 リミッタ用ダイオード

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表裏に電極が配設されて高周波励振駆動
    される励振用圧電体と、該励振用圧電体の表面電極上に
    長手方向に所定間隔を保って配設された複数の音響ヘッ
    ドと、前記励振用圧電体の裏面側に各音響ヘッドに対応
    して配設され、当該音響ヘッドを個別にインク吐出位置
    及びインク非吐出位置間に移動させるように前記励振用
    圧電体を変位させる吐出制御用圧電体とを備えたことを
    特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 表裏に駆動電極が配設されて高周波励振
    駆動される励振用圧電体と、該励振用圧電体の表面電極
    上に長手方向に所定間隔を保って配設された複数の音響
    ヘッドと、前記励振用圧電体の裏面側に各音響ヘッドに
    対応して配設され、当該音響ヘッドを個別にインク吐出
    位置及びインク非吐出位置間に移動させるように前記励
    振用圧電体を変位させる吐出制御用圧電体と、前記励振
    用圧電体を励振駆動する高周波駆動手段と、前記吐出制
    御用圧電体に対して吐出制御用バイアス電圧を印加する
    吐出駆動手段とを備え、前記高周波駆動手段は、吐出駆
    動手段で吐出制御用圧電体が前記励振用圧電体をインク
    吐出位置に制御するタイミングに同期して作動されるこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記励振用圧電体の伝搬音圧を各音響ヘ
    ッド位置で個別に検出する伝搬音圧検出手段と、該伝搬
    音圧検出手段で検出した各音響ヘッド位置での伝搬音圧
    と目標伝搬音圧との誤差量に基づいて前記高周波駆動手
    段の高周波信号レベルを補正する音圧補正手段とを備え
    ていることを特徴とする請求項2記載のインクジェット
    記録装置。
  4. 【請求項4】 前記伝搬音圧検出手段は、吐出制御用圧
    電体で構成されていることを特徴とする請求項3記載の
    インクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記音圧補正手段は、各音響ヘッドに対
    応する音圧検出信号を個別に波形処理する波形処理回路
    と、該波形処理回路で波形処理された音圧検出信号と目
    標音圧最大値との誤差量を演算し、最大誤差量を演算す
    る誤差量演算回路と、該誤差量演算回路で演算した最大
    誤差量に基づいて補正量を演算して前記高周波駆動手段
    に出力する補正量演算回路とを備えていることを特徴と
    する請求項2乃至4の何れかに記載のインクジェット記
    録装置。
  6. 【請求項6】 前記高周波駆動手段は、吐出駆動手段で
    吐出制御用圧電体が前記励振用圧電体をインク吐出位置
    に制御するタイミングに同期して発振制御される発振回
    路と、該発振回路の発振出力を増幅する電圧制御増幅回
    路とを備え、前記電圧制御増幅回路は前記補正量演算回
    路で演算された補正量に応じた振幅制御を行うように構
    成されていることを特徴とする請求項2乃至5の何れか
    に記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記励振用圧電体と吐出制御用圧電体と
    の間に、吐出制御用圧電体に接触し当該励振用圧電体に
    対応する形状を有する平板部と該平板部上に形成された
    前記各音響ヘッドに対応する範囲を囲み励振用圧電体に
    接合された隔壁部とを有する保持部材が配設されている
    ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のイン
    クジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記保持部材の隔壁部で囲まれる領域に
    音響伝搬媒体が封入されていることを特徴とする請求項
    7記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記吐出制御用圧電体は、前記励振用圧
    電体上の両端の音響ヘッド間長さと略等しい長さを有す
    ると共に、当該励振用圧電体の幅に対して幅狭に形成さ
    れ、さらに表裏電極の何れか一方が音響ヘッドに対応し
    て分割配置された構成を有し、前記励振用圧電体の幅方
    向の中央部に配設されていることを特徴とする請求項1
    乃至8の何れかに記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記励振用圧電体は、表裏電極の一方
    に音響ヘッド間に対応する位置に非電極部が形成され、
    他方に音響ヘッドの配列方向に沿う両側に非電極部が形
    成されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか
    に記載のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 表裏に駆動電極が配設されて励振駆動
    される励振用圧電体と、該励振用圧電体の表面電極上に
    長手方向に所定間隔を保って配設された複数の音響ヘッ
    ドと、前記励振用圧電体の裏面側に各音響ヘッドに対応
    して配設され、当該音響ヘッドを個別にインク吐出位置
    及びインク非吐出位置間に移動させるように前記励振用
    圧電体を変位させる吐出制御用圧電体とを備え、インク
    を吐出させる音響ヘッドに対応する励振用圧電体を前記
    吐出制御用圧電体で変位させることにより、当該音響ヘ
    ッドをインク吐出位置に移動し、この状態で励振用圧電
    体を励振駆動することにより、インク表面に超音波を収
    束させてインク液滴を飛翔させるようにしたことを特徴
    とするインクジェット記録装置の駆動方法。
  12. 【請求項12】 前記音響ヘッドは、吐出制御用圧電体
    を非通電状態に制御することにより、励振用圧電体を平
    坦な状態に維持してインク吐出位置を保持し、この状態
    から吐出制御用圧電体にバイアス電圧を印加して吐出制
    御用圧電体を伸長及び収縮の何れかに生じさせることに
    より励振用圧電体を湾曲させてインク非吐出位置に移動
    させることを特徴とする請求項11記載のインクジェッ
    ト記録装置の駆動方法。
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JP2007245632A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Toshiba Corp インクジェットヘッド、インクジェット吐出装置、インクジェット記録装置及びインクジェット吐出方法

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JP4686387B2 (ja) * 2006-03-17 2011-05-25 株式会社東芝 インクジェットヘッド、インクジェット吐出装置、インクジェット記録装置及びインクジェット吐出方法

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