JP2003112383A - 低反射積層体 - Google Patents

低反射積層体

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JP2003112383A JP2001309839A JP2001309839A JP2003112383A JP 2003112383 A JP2003112383 A JP 2003112383A JP 2001309839 A JP2001309839 A JP 2001309839A JP 2001309839 A JP2001309839 A JP 2001309839A JP 2003112383 A JP2003112383 A JP 2003112383A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色ムラのない、特に高濃度画像再現時の色ム
ラが少なく、視認性、カラー表示が良好で、且つ経時に
よる色調変動の少ない低反射積層体(反射防止フィル
ム)を提供すること。 【解決手段】 支持体の少なくとも一方の面に光学干渉
層を積層した低反射積層体において、表面反射率より求
めたL***の値がそれぞれ3<L*<15、0<a*
<20、−30<b*<−5であることを特徴とする低
反射積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は反射防止用低反射積
層体に関する。
【0002】
【従来の技術】光学レンズ、CRT、コンピュータやワ
ープロの液晶画像表示装置等の分野を中心に、透過率及
びコントラストの向上、映り込み低減のために、表面反
射を減少させる反射防止技術が従来より提案されてい
る。反射防止技術としては、光学干渉層として屈折率と
光学膜厚が適当な値を有する層をいくつか積層すること
により、積層体と空気界面における光の反射を減少させ
ることが有効である。
【0003】このような反射防止層は、高屈折率材料と
してTiO2、ZrO2、Ta25等、また低屈折率材料
としてSiO2、MgF2等が積層されており、これまで
に提案された反射防止層は、乾式製膜方法と塗布式製膜
方法により製造できる。
【0004】乾式製膜方法としてはスパッタリング法、
真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法あるい
はPVD法があり、光学的機能の観点では乾式製膜方法
の方が優れているが、塗布式製膜方法には製造が容易で
安価することが可能という利点がある。
【0005】塗布式製膜方法としては、チタンアルコキ
シドやシランアルコキシドに代表される金属アルコキシ
ドを、支持体(以下、基材または基材フィルムともい
う)の表面に塗布、乾燥、加熱して金属酸化物の膜を形
成する方法が行われている。
【0006】ところで、液晶表示装置(LCD)、プラ
ズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネ
ッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(C
RT)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイのような
画像表示装置においては、画像表示における発色性の均
一性が必要である。使用する低反射積層体(反射防止フ
ィルム)によっては、発色性の均一性が悪かったり、特
に黒色や高濃度画像の再現時に表示色と異なる色ムラが
見えるケースがあり、改善が望まれていた。
【0007】これらの色ムラの原因は、光学干渉層の膜
厚および屈折率の不均一性によるところが大きいが、乾
燥製膜方法においては大面積での均一性が、塗布式製膜
方法においては乾燥ムラなどによる小面積での均一性
が、問題となることが多い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は色ムラのない、特に高濃度画像再現時の色ムラが少な
く、視認性、カラー表示が良好で、且つ経時による色調
変動の少ない低反射積層体(反射防止フィルム)を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は下記の構
成により達成された。
【0010】1)支持体の少なくとも一方の面に光学干
渉層を積層した低反射積層体において、表面反射率より
求めたL***の値がそれぞれ3<L*<15、0<a
*<20、−30<b*<−5であることを特徴とする低
反射積層体。
【0011】2)表面反射率より求めたL***の値
がそれぞれ3<L*<8、10<a*<20、−30<b
*<−15であることを特徴とする前記1)に記載の低
反射積層体。
【0012】3)支持体の少なくとも一方の面に光学干
渉層を積層した低反射積層体において、表面反射率より
求めたL***の値がb*=−1.5×a*±5である
ことを特徴とする低反射積層体。
【0013】4)表面反射率より求めたL***の値
がb*=−1.5×a*±5であることを特徴とする前記
1)または2)に記載の低反射積層体。
【0014】5)支持体の少なくとも一方の面に光学干
渉層を積層した低反射積層体において、任意の測定点1
とその測定点1から1cm離れた任意の測定点2との色
差ΔEが3以内であることを特徴とする低反射積層体。
【0015】6)任意の測定点1とその測定点1から1
cm離れた任意の測定点2との色差ΔEが3以内である
ことを特徴とする前記1)〜4)のいずれか1項に記載
の低反射積層体。
【0016】7)支持体の少なくとも一方の面に光学干
渉層を積層した低反射積層体において、任意の測定点1
とその測定点1から10cm離れた任意の測定点2との
色差ΔEが5以内であることを特徴とする前記1)〜
6)のいずれか1項に記載の低反射積層体。
【0017】8)actan(b*/a*)の最大値と最
小値の差が5/180π(ラジアン)以下となることを
特徴とする前記1)に記載の低反射積層体。
【0018】9)キセノンフェードメーターで36時間
照射した後での色調の変化量ΔEが3以内であることを
特徴とする前記1)〜8)のいずれか1項に記載の低反
射積層体。
【0019】10)60℃、90%RHの環境に7日間
おいた後の色調の変化量ΔEが3以内であることを特徴
とする前記1)〜8)のいずれか1項に記載の低反射積
層体。
【0020】11)450nmから650nmの平均反
射率が1.0%以下で、且つ最大反射率が5%以内であ
ることを特徴とする前記1)〜8)のいずれか1項に記
載の低反射積層体。
【0021】12)支持体の少なくとも一方の面にハー
ドコート層と光学干渉層を積層し、ハードコート層のR
aが0.01〜1.0μmであることを特徴とする前記
1)〜8)のいずれか1項に記載の低反射積層体。
【0022】13)光学干渉層の表面のRaが0.01
〜0.1μmであることを特徴とする前記1)〜8)の
いずれか1項に記載の低反射積層体。
【0023】以下、本発明を詳述する。本発明者は鋭意
研究の結果、低反射積層体(反射防止フィルム)のL*
**値のa*値およびb*値の絶対値、および低反射積
層体の複数の測定点で測定したL***値より求めた
ΔEの値を一定値以下とすることで、色ムラのない、特
に高濃度画像再現時の色ムラが少なく、視認性、カラー
表示の良好な低反射積層体(反射防止フィルム)が得ら
れることを見出した。
【0024】更に、主に光学干渉層の膜厚ムラに起因す
る色ムラは、膜厚ムラを抑制することで改善することが
知られているが、特に塗布製膜方式においては、塗布工
程や乾燥工程の種々の要因により、膜厚ムラを完全に除
去することは困難であるが、それによる色調変動の挙動
を制御することにより、一定の膜厚ムラが存在しても、
実質的に目視でムラと感じない低反射積層体を得ること
ができることを見出した。
【0025】色ムラを抑制する方法としては、塗布液に
色ムラ抑制に有効な界面活性剤を添加すること、塗布乾
燥工程での膜形成を均一とするため、指触乾燥終了(塗
布面を指で触って乾燥していると感じる状態)までは非
接触フローターなどを使用することにより、搬送ローラ
ーからの熱伝導による支持体温度の急激な変化および温
度均一性を向上すること、乾燥室の気流温度および気流
速度を調整することなどが挙げられる。
【0026】本発明のL***値は、JIS Z 8
722に記載の拡散照明垂直受光の条件で測定し、JI
S Z 8729に記載のCIE LABに順じて求め
た値である。反射スペクトル測定は測定する試料の正反
射成分を測定するため、光トラップを使用しない条件で
測定する。測定面積は測定点の間隔から、3mm2〜5
0mm2が好ましい。L***値は2度視野、C光源と
して求める。
【0027】測定する試料は、正確な反射スペクトルを
測定するために処理を施す。試料の処理は、低反射積層
体を透過した光が測定台などに反射して測定されること
を防ぐため、試料の支持体の反射防止層が設けられてい
ない面を、370nmから730nmにおける透過率が
10%未満、好ましくは1%未満となるように黒色に着
色する。更に、黒色の試料台上に試料を置いて測定す
る。
【0028】L***の値の好ましい範囲は、それぞ
れ3<L*<15、0<a*<20、−30<b*<−5
であり、更に好ましくは3<L*<8、10<a*<2
0、−30<b*<−15である。
【0029】またa*とb*の値は、b*=−1.5×a*
±5の範囲となることが色調として好ましい。
【0030】ΔEはJIS Z 8730に記載のΔE
*abに準じ求められる。測定点は、任意の測定点Aと
その測定点1から1cm離れた任意の測定点Bとした場
合、測定点Aと測定点Bの色差ΔEが3以内であること
が好ましい。これにより色ムラのない、特に高濃度画像
再現時の色ムラが少なく、視認性、カラー表示の良好な
表示画像が得られる。また、任意の測定点Cとその測定
点Cから10cm離れた任意の測定点Dとした場合、測
定点Cと測定点Dの色差ΔEが5以内であることが好ま
しい。これにより、25.4cm以上の中型から大型の
画像表示装置に低反射積層体を用いた場合の表示画像の
均一性が良好となる。最も好ましくは、測定点Aと測定
点Bの色差ΔEが3以内、且つ測定点Cと測定点Dの色
差ΔEが5以内である。
【0031】任意の測定点におけるa**値のa*値を
x軸に、b*値をy軸にプロットし、その点と原点を通
る直線の角度をactan(b*/a*)をとする。原点
と任意の測定点Eと測定点Fの角度の差が、5/180
×π(ラジアン)以下の場合、目視での色差が少なく感
じることを見出した。好ましくは、3/180×π(ラ
ジアン)以下である。この範囲にあると、ΔEとして3
以上であっても目視でのムラが少なく感じられ、更にΔ
Eを小さくすると、非常にムラを感じなくなることを見
出した。
【0032】低反射積層体の反射率は、450nmから
650nmの平均反射率が1.0%以下で、且つ最大反
射率が5%以内であることが好ましい。更に好ましく
は、500nmから650nmの範囲における反射率が
1%以下である。
【0033】本発明の光学干渉層を積層した低反射積層
体とは、支持体の少なくとも一方の面に、支持体側から
高屈折率層、低屈折率層を順に積層した光学干渉層の積
層体(後述のように他の層を追加することもある)であ
り、波長λの光に対して高屈折率層及び低屈折率層の光
学膜厚を、λ/4に設定して反射防止積層体を作製す
る。光学膜厚とは、層の屈折率nと膜厚dとの積により
定義される量である。屈折率の高低はそこに含まれる金
属または化合物によってほぼ決まり、例えばTiは高
く、Siは低く、Fを含有する化合物は更に低く、この
ような組み合わせによって屈折率が設定される。屈折率
と膜厚は、分光反射率の測定により計算して算出し得
る。
【0034】本発明の低反射積層体は多層の反射防止層
からなる。低反射積層体は、透明な基材上に、必要に応
じて後述のハードコート層を有し、その上に光学干渉に
よって反射率が減少するように屈折率、膜厚、層の数、
層順等を考慮して積層されている。反射防止層は、通
常、基材よりも屈折率の高い高屈折率層と、基材よりも
屈折率の低い低屈折率層を組み合わせて構成されてい
る。構成例としては、基材側から高屈折率層/低屈折率
層の2層のものや、屈折率の異なる3層を、中屈折率層
(基材またはハードコート層よりも屈折率が高く、高屈
折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率
層の順に積層されているもの等があり、更に多くの反射
防止層を積層するものも提案されている。中でも、耐久
性、光学特性、コストや生産性等から、ハードコート層
を有する基材上に、中屈折率層/高屈折率層/低屈折率
層の順に塗布することが好ましい。各層は表1の特性を
有していることが好ましい。
【0035】
【表1】
【0036】本発明の低反射積層体の好ましい層構成の
例を下記に示す。 基材フィルム/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率
層 基材フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率
層/低屈折率層 基材フィルム/防眩層/高屈折率層/低屈折率層 基材フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈
折率層 基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/中屈折率
層/高屈折率層/低屈折率層 帯電防止層/基材フィルム/ハードコート層/中屈折率
層/高屈折率層/低屈折率層 基材フィルム/帯電防止層/防眩層/中屈折率層/高屈
折率層/低屈折率層 帯電防止層/基材フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈
折率層/低屈折率層 帯電防止層/基材フィルム/防眩層/高屈折率層/低屈
折率層/高屈折率層/低屈折率層 光学干渉により反射率を低減できるものであれば、特に
これらの層構成のみに限定されるものではない。また、
帯電防止層は導電性ポリマー粒子または金属酸化物微粒
子(例えば、SnO2、ITO)を含む層であることが
好ましく、塗布または大気圧プラズマ処理等によって設
けることができる。
【0037】本発明では、光学干渉層の少なくとも一層
が、Ti(OR14で表される有機チタン化合物のモノ
マー、オリゴマーまたはそれらの加水分解物を含有する
塗布液を塗布し,乾燥させて形成させた屈折率1.55
〜2.25の層である。
【0038】R1としては炭素数1〜8の脂肪族炭化水
素基がよいが、好ましくは炭素数1〜4の脂肪族炭化水
素基である。また有機チタン化合物のモノマー、オリゴ
マーまたはそれらの加水分解物は、アルコキシド基が加
水分解を受けて−Ti−O−Ti−のように反応して架
橋構造を作り、硬化した層を形成する。
【0039】有機チタン化合物のモノマー、オリゴマー
としては、Ti(OCH34、Ti(OC254、T
i(O−n−C374、Ti(O−i−C374、T
i(O−n−C494、Ti(O−n−C374の2
〜10量体、Ti(O−i−C374の2〜10量
体、Ti(O−n−C494の2〜10量体等が挙げ
られる。これらは単独で、または2種以上組み合わせて
用いることができる。中でもTi(O−n−C
374、Ti(O−i−C374、Ti(O−n−C
494、Ti(O−n−C374の2〜10量体、T
i(O−n−C494の2〜10量体が特に好まし
い。
【0040】有機チタン化合物のモノマー、オリゴマー
またはそれらの加水分解物は、塗布液に含まれる固形分
中の50.0〜98.0質量%を占めていることが必要
である。この範囲を越えると屈折率が所望の範囲になら
ず、低反射効果を充分に発現できない。固形分比率は5
0〜90質量%がより好ましく、55〜90質量%が更
に好ましい。このほか、塗布組成物には有機チタン化合
物のポリマー(あらかじめ有機チタン化合物の加水分解
を行って架橋したもの)を添加することも好ましい。
【0041】また、本発明においては、塗布液中に上記
有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーの部分または
完全加水分解物を含むが、有機チタン化合物のモノマ
ー、オリゴマーは、自己縮合して架橋し網状結合するも
のである。その反応を促進するために触媒や硬化剤を使
用することができ、それらには、金属キレート化合物、
有機カルボン酸塩等の有機金属化合物や、アミノ基を有
する有機けい素化合物、光による酸発生剤(光酸発生
剤)等がある。これらの触媒または硬化剤の中で特に好
ましいのは、アルミキレート化合物と光酸発生剤であ
る。アルミキレート化合物の例としては、エチルアセト
アセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニ
ウムトリスエチルアセトアセテート、アルキルアセトア
セテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウ
ムモノアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテー
ト、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等であ
り、光酸発生剤の例としては、ベンジルトリフェニルホ
スホニウムヘキサフルオロホスフェート、その他のホス
ホニウム塩やトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロ
ホスフェートの塩等を挙げることができる。
【0042】有機チタン化合物を含む中〜高屈折率層に
は、バインダーとしてアルコール溶解性アクリル樹脂が
特に好ましく用いられ、これによって、膜厚むらが少な
い中、高低屈折率層を得ることができる。具体的には、
アルキル(メタ)アクリレート重合体またはアルキル
(メタ)アクリレート共重合体、例えばn−ブチルメタ
クリレート、イソブチルメタクリレート、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレ
ート等の共重合体が好ましく用いられるが、共重合成分
としてはこれらに限定されるものではない。市販品とし
ては、ダイヤナールBR−50、BR−51、BR−5
2、BR−60、BR−64、BR−65、BR−7
0、BR−73、BR−75、BR−76、BR−7
7、BR−79、BR−80、BR−82、BR−8
3、BR−85、BR−87、BR−88、BR−8
9、BR−90、BR−93、BR−95、BR−9
6、BR−100、BR−101、BR−102、BR
−105、BR−107、BR−108、BR−11
2、BR−113、BR−115、BR−116、BR
−117、BR−118(以上、三菱レーヨン(株)
製)等が使用できる。これらのモノマー成分も中〜高屈
折率層用バインダーとして添加することができる。
【0043】低屈折率層にはすべり剤を添加することが
好ましく、滑り性を付与することによって耐擦り傷性を
改善することができる。すべり剤としては、シリコンオ
イルまたはワックス状物質が好ましく用いられる。例え
ば、下記一般式で表される化合物が好ましい。
【0044】一般式 R1COR2 式中、R1は炭素原子数が12以上の飽和または不飽和
の脂肪族炭化水素基を表す。アルキル基またはアルケニ
ル基が好ましく、更に炭素原子数が16以上のアルキル
基またはアルケニル基が好ましい。R2は−OM1基(M
1はNa、K等のアルカリ金属を表す)、−OH基、−
NH2基、または−OR3基(R3は炭素原子数が12以
上の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、好ましくは
アルキル基またはアルケニル基を表す)を表し、R2
しては−OH基、−NH2基または−OR3基が好まし
い。
【0045】具体的には、ベヘン酸、ステアリン酸アミ
ド、ペンタコ酸等の高級脂肪酸またはその誘導体、天然
物としてこれらの成分を多く含んでいるカルナバワック
ス、蜜蝋、モンタンワックスも好ましく使用できる。特
公昭53−292号に開示されているようなポリオルガ
ノシロキサン、米国特許第4,275,146号に開示
されているような高級脂肪酸アミド、特公昭58−33
541号、英国特許第927,446号または特開昭5
5−126238号及び同58−90633号に開示さ
れているような高級脂肪酸エステル(炭素数が10〜2
4の脂肪酸と炭素数が10〜24のアルコールのエステ
ル)、そして米国特許第3,933,516号に開示さ
れているような高級脂肪酸金属塩、特開昭51−372
17号に開示されているような炭素数10までのジカル
ボン酸と脂肪族または環式脂肪族ジオールからなるポリ
エステル化合物、特開平7−13292号に開示されて
いるジカルボン酸とジオールからのオリゴポリエステル
等を挙げることができる。
【0046】低屈折率層に使用する滑り剤の添加量は、
0.01〜10mg/m2が好ましい。
【0047】低屈折率層には、界面活性剤、柔軟剤、柔
軟平滑剤等を添加することが好ましく、これによって耐
擦り傷性が改善される。中でもアニオン系または非イオ
ン系の界面活性剤が好ましく、例えばジアルキルスルホ
コハク酸ナトリウム塩、多価アルコール脂肪酸エステル
の非イオン界面活性剤乳化物等が好ましい。例えば、リ
ポオイルNT−6、NT12、NT−33、TC−1、
TC−68、TC−78、CW−6、TCF−208、
TCF−608、NKオイルCS−11、AW−9、A
W−10、AW−20、ポリソフターN−606、塗料
用添加剤PC−700(日華化学株式会社製)等が用い
られる。
【0048】好ましい添加量は低屈折率層の塗布液に含
まれる固形分当たり0.01〜3%であり、より好まし
くは0.03〜1%である。
【0049】塗布液中には、チタン酸化物を含む平均粒
径0.1μm以下の微粒子を固形分比率で0.1〜4
0.0質量%含むことが好ましい。0.001〜0.1
μmの微粒子がより好ましい。これにより、膜強度を向
上させることができ、傷が付き難くなる。このほかブロ
ッキング防止の効果も得られる。
【0050】これらのチタン酸化物を含有する光学干渉
層は、主に高屈折率層に用いられるが、添加剤の調整等
によって中屈折率層とすることもできる。
【0051】また本発明においては、前述の有機チタン
化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分解
物を用いて形成した中〜高屈折率層の上に、Si(OR
24、Si−X4、R3−Si(OR23、R3−Si−
3のいずれかで表される有機けい素化合物のモノマ
ー、オリゴマーまたはそれらの混合物を含有する塗布液
を塗布し、乾燥して形成した屈折率が1.35〜1.5
5未満の低屈折率層が積層されていることが好ましい。
【0052】好ましい有機けい素化合物としては、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルト
リメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等を挙げ
ることができ、これらを加水分解することによりシリケ
ートオリゴマーが得られる。加水分解反応は公知の方法
により行うことができ、例えば上記テトラアルコキシシ
ランに所定量の水を加えて、酸触媒の存在下に、副生す
るアルコールを留去しながら、通常、室温〜100℃で
反応させる。この反応によりアルコキシシランは加水分
解し、続いて縮合反応が起こり、ヒドロキシル基を2個
以上有する液状のシリケートオリゴマー(通常、平均重
合度は2〜8、好ましくは3〜6)を加水分解物として
得ることができる。加水分解の程度は、使用する水の量
により適宜調節することができるが、40〜90%、好
ましくは60〜80%である。ここで、加水分解の程度
は、加水分解可能な基、即ちテトラアルコキシシランに
おいては、アルコキシ基を全て加水分解するために必要
な理論水量、即ちアルコキシ基の数の1/2の水を添加
したときを加水分解率100%とし、 加水分解率(%)=(実際の添加水量/加水分解理論水
量)×100 として求められる。
【0053】こうして得られたシリケートオリゴマーに
は、モノマーが通常2〜10%程度含有されている。モ
ノマー状態で用いてもオリゴマー状態で用いても、また
はモノマーとオリゴマーを混合して用いても差し支えな
いが、モノマーが含有されていると貯蔵安定性に欠け、
保存中に増粘し、膜形成が困難となることがあるので、
モノマー含有量が1質量%以下、好ましくは0.3質量
%以下になるように、このモノマーをフラッシュ蒸溜や
真空蒸溜等で除去するのが好ましい。
【0054】本発明には、上記の如くテトラアルコキシ
シランに触媒、水を添加して得られる部分加水分解物が
用いられるが、完全加水分解物を用いるのが好ましい。
加水分解物に溶媒を配合し、次いで下記硬化触媒と水を
添加する等の方法により硬化した加水分解物が得られ
る。かかる溶媒としては、メタノール、エタノールを1
種または2種使用するのが、安価であること、得られる
被膜の特性が優れ硬度が良好であることから好ましい。
イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、
オクタノール等も用いることができるが、得られた被膜
の硬度が低くなる傾向にある。溶媒量は部分加水分解物
100質量部に対して、50〜400質量部、好ましく
は100〜250質量部である。
【0055】硬化触媒としては、酸、アルカリ、有機金
属、金属アルコキシド等を挙げることができるが、酸、
特にスルホニル基またはカルボキシル基を有する有機酸
が好ましく用いられる。例えば、酢酸、ポリアクリル
酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メ
チルスルホン酸等が用いられる。有機酸は1分子内に水
酸基とカルボキシル基を有する化合物であればいっそう
好ましく、例えばクエン酸または酒石酸等のヒドロキシ
ジカルボン酸が用いられる。また、有機酸は水溶性の酸
であることが更に好ましく、例えば上記クエン酸や酒石
酸の他に、レブリン酸、ギ酸、プロピオン酸、リンゴ
酸、コハク酸、メチルコハク酸、フマル酸、オキサロ酢
酸、ピルビン酸、2−オキソグルタル酸、グリコール
酸、D−グリセリン酸、D−グルコン酸、マロン酸、マ
レイン酸、シュウ酸、イソクエン酸、乳酸等が好ましく
用いられる。また、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ア
トロバ酸等も適宜用いることができる。
【0056】上記有機酸を用いることで、硫酸、塩酸、
硝酸、次亜塩素酸、ホウ酸等の無機酸の使用による生産
時の配管腐蝕や安全性への懸念が解消できるばかりでな
く、加水分解時のゲル化を起こすことなく、安定した加
水分解物を得ることができる。添加量は、部分加水分解
物100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましく
は0.2〜5質量部がよい。また、水の添加量について
は、部分加水分解物が理論上100%加水分解し得る量
以上であればよく、100〜300%相当量、好ましく
は100〜200%相当量を添加するのがよい。
【0057】このようにして得られた低屈折率層用の塗
布組成物は極めて安定であり、加水分解を開始してから
1時間、6時間、12時間、1日、3日、7日と経過し
ても使用することができる。
【0058】更に、本発明では熟成工程により、有機け
い素化合物の加水分解、縮合による架橋が充分に進み、
得られた被膜の特性が優れたものとなる。熟成は、オリ
ゴマー液を放置すればよく、放置する時間は、上述の架
橋が所望の膜特性を得るのに充分な程度進行する時間で
ある。具体的には用いる触媒の種類にもよるが、塩酸で
は室温で1時間以上、マレイン酸では数時間以上、8時
間〜1週間程度で充分であり、通常3日前後である。熟
成温度は熟成時間に影響を与え、極寒地では20℃付近
まで加熱する手段をとった方がよいこともある。一般に
高温では熟成が早く進むが、100℃以上に加熱すると
ゲル化が起こるので、せいぜい50〜60℃までの加熱
が適切である。
【0059】また、シリケートオリゴマーについては、
上記の他に、例えばエポキシ基、アミノ基、イソシアネ
ート基、カルボキシル基等の官能基を有する有機化合物
(モノマー、オリゴマー、ポリマー)等により変性した
変性物であってもよく、単独または上記シリケートオリ
ゴマーと併用することも可能である。
【0060】このようにして、Si(OR24、Si−
4、R3−Si(OR23及びR3−Si−X3で表され
る有機けい素化合物のシリケートオリゴマーが得られる
が、シリケートオリゴマー中のSiO2含有量は1〜1
00%、好ましくは10〜99%である。SiO2含有
量が1%未満では耐久性の向上が見られなくなり、効果
を発揮しない。
【0061】また、低屈折率層には、アルコール溶解性
アクリル樹脂またはエポキシ系活性エネルギー線反応性
化合物が好ましく用いられる。
【0062】膜厚が非常に薄い低屈折率層は、硬度が不
足し、層表面が擦り傷または引っ掻き傷に弱い。このよ
うな場合、一般的には、硬化膜を形成し易い活性エネル
ギー線照射架橋性のエチレン性不飽和化合物を、層に含
有させることが一般に行われるが、架橋性のエチレン性
不飽和化合物は、空気中の酸素の影響を受け易く、しか
も膜厚が薄いため、エチレン性不飽和化合物の重合が阻
害され易く、この方法では強靱な低屈折率層を得ること
ができない。
【0063】硬度が不足し、擦り傷や引っ掻き傷に弱い
低屈折率層にエポキシ系活性エネルギー線反応性化合物
を含有させ、活性エネルギー線を照射することによっ
て、硬度が高く、擦り傷、引っ掻き傷に対して強靱な低
屈折率層を形成させることが好ましい。
【0064】エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物
は、酸素の阻害を受け難いため迅速に重合し、膜厚が5
0〜200nm程度という薄さでも高い硬度、且つ強靱
な被膜を形成することのできる優れた活性エネルギー線
反応性化合物である。エポキシ系活性エネルギー線反応
性化合物は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化
合物である。
【0065】また、本発明においては、低屈折率層に酸
化けい素微粒子を含有させることができる。粒径0.1
μm以下の酸化けい素微粒子を含むことが好ましい。特
に表面がアルキル基で修飾された酸化けい素微粒子が好
ましく用いられ、例えばアエロジルR972、R972
V(日本アエロジル(株)製)として市販されている、
表面がメチル基で修飾された酸化けい素微粒子を好まし
く添加することができる。このほか特開2001−27
99号に記載されている表面が、アルキル基で置換され
た酸化けい素微粒子を用いることもでき、前述のシリケ
ートオリゴマーの加水分解後に、アルキルシランカップ
リング剤により処理することでも容易に得ることができ
る。添加量としては、低屈折率層中の固形分比率で0.
1〜40質量%の範囲となるように添加することが好ま
しい。
【0066】本発明の光学干渉層を塗設する際の塗布液
に使用する溶媒は、メタノール、エタノール、1−プロ
パノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコー
ル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチ
ルセルソルブ、ブチルセルソルブ、エチルカルビトー
ル、ブチルカルビトール、ジエチルセルソルブ、ジエチ
ルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエー
テル等のグリコールエーテル類;N−メチルピロリド
ン、ジメチルフォルムアミド、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、水等が挙げられ、それらを単独または2種以上混合
して使用することができる。
【0067】特に、1気圧における沸点が120〜18
0℃で、且つ20℃における蒸気圧が2.3kPa以下
の溶媒を塗布液中に少なくとも1種用いることで、硬化
速度を適度に遅らせ、塗布後の白濁を防ぐことができ、
塗布ムラの解消や、塗布液のポットライフ向上等もでき
る。また、分子内にエーテル結合をもつものが特に好ま
しく、グリコールエーテル類が更に好ましい。
【0068】グリコールエーテル類としては、具体的に
は下記の溶剤が挙げられるが、特にこれらに限定される
ものではない。なお、溶剤名の後に1気圧における沸点
及び20℃における蒸気圧を示す。
【0069】 プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME) 121℃、1.06kPa プロピレングリコールモノエチルエーテル 132.8℃、0.53kPa プロピレングリコールモノブチルエーテル 171.1℃、<0.13kPa ジエチレングリコールジメチルエーテル 162℃、0.40kPa エチレングリコールモノメチルエーテル 124.4℃、0.78kPa エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 145℃、0.27kPa エチレングリコールモノブチルエーテル 171.2℃、0.09kPa エチレングリコールモノエチルエーテル 135.6℃、0.51kPa エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート 156.3℃、0.16kPa エチレングリコールジエチルエーテル 121℃、1.25kPa 特に好ましくは、グリコールエーテル類としてはプロピ
レングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテル、
プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエー
テルエステルであり、具体的にはプロピレングリコール
モノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−
プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロ
ピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル等が挙げられる。また、プロピレングリコールモノ
(C1〜C4)アルキルエーテルエステルとしては特に
プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート
が挙げられ、具体的にはプロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの溶媒
は、塗布液中に全有機溶媒の1〜90質量%添加されて
いることが好ましい。
【0070】また、中心線平均表面粗さRaが0.05
〜0.5μm程度の防眩層に対して、中〜高屈折率層及
び低屈折率層を塗設して反射防止加工する場合、防眩層
の微細な凹凸上にできるだけ均一な層を形成するため、
塗設後速やかに乾燥することが好ましく、沸点130℃
以下、好ましくは100℃以下の溶媒を全溶媒の30質
量%、より好ましくは50質量%以上含有する溶媒を用
いることが好ましい。これらの溶媒は特に限定されない
が、アルコール類、ケトン類、炭化水素類、エーテル
類、エステル類等から適宜選択される。好ましくは、前
述の溶媒から選択することができる。
【0071】また、各層の塗布液には各種のレベリング
剤、界面活性剤、シリコンオイル等の低表面張力物質を
添加することが好ましい。具体的なシリコンオイルとし
ては表2、3の化合物が挙げられる。
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】これらの成分は基材や下層への塗布性を高
める。積層体最表面層に添加した場合には、塗膜の撥
水、撥油性、防汚性を高めるばかりでなく、表面の耐擦
り傷性にも効果を発揮する。これらの成分は添加量が多
過ぎると、塗布時にハジキの原因となるため、塗布液中
の固形分成分に対し、0.01〜3質量%の範囲で添加
することが好ましい。
【0075】本発明の低反射積層体に用いられる基材フ
ィルムとしては、製造が容易であること、ハードコート
層または反射防止層等が接着し易いこと、光学的に等方
性であること、光学的に透明性であることが好ましい。
これらの性質を有していれば何れでもよく、例えばセル
ロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、
ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィル
ム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フ
ィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフ
ィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロ
ースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチ
レートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビ
ニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフ
ィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィル
ム,ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フ
ィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケ
トンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポ
リアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィ
ルム、ポリメチルメタクリレートフィルムまたはアクリ
ルフィルム等を挙げることができるが、これらに限定さ
れるわけではない。
【0076】これらのうちセルローストリアセテートフ
ィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホン(ポ
リエーテルスルホンを含む)が好ましく、本発明におい
ては、特にセルローストリアセテートフィルムまたはセ
ルロースアセテートプロピオネートフィルムが、製造
上、コスト面、透明性、等方性、接着性等の面から好ま
しい。
【0077】低い反射率の積層体が得られるため、基材
としてはセルロースエステルフィルムを用いることが好
ましい。セルロースエステルとしては、セルロースアセ
テート、セルロースアセテートブチレート、セルロース
アセテートプロピオネートが好ましく、中でもセルロー
スアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピ
オネートが好ましく用いられる。
【0078】特にアセチル基の置換度をX、プロピオニ
ル基またはブチリル基の置換度をYとしたとき、XとY
が下記の範囲にあるセルロースの混合脂肪酸エステルを
有する支持体上に、高屈折率層及び低屈折率層を設けた
低反射積層体が好ましく用いられる。
【0079】2.3≦X+Y≦3.0 0.1≦Y≦1.2 特に、2.5≦X+Y≦2.85 0.3≦Y≦1.2であることが好ましい。
【0080】基材フィルムとしてセルロースエステルを
用いる場合、セルロースエステルの原料のセルロースと
しては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ
(針葉樹由来、広葉樹由来)、ケナフ等を挙げることが
できる。またそれらから得られたセルロースエステル
は、それぞれ任意の割合で混合使用することができる。
これらのセルロースエステルは、アシル化剤が酸無水物
(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)である場合
には、酢酸のような有機酸やメチレンクロライド等の有
機溶媒を用い、硫酸のようなプロトン性触媒を用いてセ
ルロース原料と反応させて得ることができる。
【0081】アシル化剤が酸クロライド(CH3COC
l、C25COCl、C37COCl)の場合には、触
媒としてアミンのような塩基性化合物を用いて反応が行
われる。具体的には、特開平10−45804号に記載
の方法等を参考にして合成することができる。また、セ
ルロースエステルは各置換度に合わせて、上記アシル化
剤量を混合して反応させたものであり、セルロースエス
テルはこれらアシル化剤がセルロース分子の水酸基に反
応する。セルロース分子はグルコースユニットが多数連
結したものからなっており、グルコースユニットに3個
の水酸基がある。この3個の水酸基にアシル基が誘導さ
れた数を置換度(モル%)という。例えば、セルロース
トリアセテートはグルコースユニットの3個の水酸基全
てにアセチル基が結合している(実際には2.6〜3.
0)。
【0082】セルロースエステルとしては、セルロース
アセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチ
レート、またはセルロースアセテートプロピオネートブ
チレートのようなアセチル基の他にプロピオネート基ま
たはブチレート基が結合したセルロースの混合脂肪酸エ
ステルが特に好ましく用いられる。なお、ブチレートを
形成するブチリル基としては、直鎖状でも分岐していて
もよい。プロピオネート基を置換基として含むセルロー
スアセテートプロピオネートは耐水性に優れ、液晶画像
表示装置用のフィルムとして有用である。アシル基の置
換度の測定方法はASTM−D817−96の規定に準
じて測定することができる。セルロースエステルの数平
均分子量は、70,000〜250,000が、成型し
た場合の機械的強度が強く、且つ適度なドープ粘度とな
り好ましく、更に好ましくは80,000〜150,0
00である。
【0083】これらセルロースエステルは、後述するよ
うに一般的に流延法と呼ばれるセルロースエステル溶解
液(ドープ)を、例えば無限に移送する無端の金属ベル
トまたは回転する金属ドラムの流延用支持体上に、加圧
ダイからドープを流延(キャスティング)し製膜する方
法で製造される。これらドープの調製に用いられる有機
溶媒としては、セルロースエステルを溶解でき、且つ適
度な沸点であることが好ましく、例えばメチレンクロラ
イド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセト
ン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,
4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,
2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テ
トラフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ
−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサ
フルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、
2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノー
ル、ニトロエタン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン等を挙げることができるが、メチレンクロライド
等の有機ハロゲン化合物、ジオキソラン誘導体、酢酸メ
チル、酢酸エチル、アセトン等が好ましい有機溶媒(即
ち、良溶媒)として挙げられる。
【0084】また、製膜工程に示すように、溶媒蒸発工
程において流延用支持体上に形成されたウェブ(ドープ
膜)から溶媒を乾燥させるときに、ウェブ中の発泡を防
止する観点から、用いられる有機溶媒の沸点としては、
30〜80℃が好ましく、例えば上記記載の良溶媒の沸
点は、メチレンクロライド(沸点40.4℃)、酢酸メ
チル(沸点56.32℃)、アセトン(沸点56.3
℃)、酢酸エチル(沸点76.82℃)等である。上記
記載の良溶媒の中でも溶解性に優れる、メチレンクロラ
イド、酢酸メチルが好ましく用いられ、特にメチレンク
ロライドが、全有機溶媒に対して50質量%以上含まれ
ていることが好ましい。
【0085】上記有機溶媒の他に、0.1〜30質量%
の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させることが好
ましい。特に好ましくは5〜30質量%で前記アルコー
ルが含まれることが好ましい。これらはドープを流延用
支持体に流延後、溶媒が蒸発を始めアルコールの比率が
多くなるとウェブ(ドープ膜)がゲル化し、ウェブを丈
夫にし流延用支持体から剥離することを容易にするゲル
化溶媒として用いられたり、これらの割合が少ない時
は、非塩素系有機溶媒のセルロースエステルの溶解を促
進する役割もある。
【0086】炭素原子数1〜4のアルコールとしては、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−
プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、
tert−ブタノール等を挙げることができる。これら
の溶媒のうち、ドープの安定性がよく、沸点も比較的低
く、乾燥性もよく、且つ毒性がないこと等からエタノー
ルが好ましい。好ましくは、メチレンクロライド70〜
95質量%に対してエタノール5〜30質量%を含む溶
媒を用いることが好ましい。環境上の制約でハロゲンを
含む溶媒を避ける場合は、メチレンクロライドの代わり
に酢酸メチルを用いることもできる。このとき、冷却溶
解法によりドープを調製してもよい。
【0087】本発明の低反射積層体の基材にセルロース
エステルを用いる場合、このセルロースエステルには可
塑剤を含有するのが好ましい。可塑剤としては特に限定
はないが、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル
系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリ
ット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エス
テル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等を好ましく用い
ることができる。
【0088】リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジル
ジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェ
ート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチ
ルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸
エステル系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキ
シエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチル
フタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジフェニ
ルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等、トリメ
リット酸系可塑剤では、トリブチルトリメリテート、ト
リフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート
等、ピロメリット酸エステル系可塑剤では、テトラブチ
ルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テ
トラエチルピロメリテート等、グリコレート系可塑剤で
は、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチ
ルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、
ブチルフタリルブチルグリコレート等、クエン酸エステ
ル系可塑剤では、トリエチルシトレート、トリ−n−ブ
チルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセ
チルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−
(2−エチルヘキシル)シトレート等を好ましく用いる
ことができる。その他のカルボン酸エステルの例には、
オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバ
シン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含ま
れる。
【0089】ポリエステル系可塑剤として脂肪族二塩基
酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸等の二塩基酸とグ
リコールの共重合ポリマーを用いることができる。脂肪
族二塩基酸としては特に限定されないが、アジピン酸、
セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロ
ヘキシルジカルボン酸等を用いることができる。グリコ
ールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3
−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール等
を用いることができる。これらの二塩基酸及びグリコー
ルはそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上混合して
用いてもよい。
【0090】特に、特願2000−338883号記載
のエポキシ系化合物、ロジン系化合物、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂、ケトン樹脂、トルエンスルホンアミド樹脂等の
添加物を有するセルロースエステルも好ましく用いられ
る。
【0091】具体的には、ロジン系化合物としては、以
下の構造式のものが挙げられる。
【0092】
【化1】
【0093】上記化合物のうち、KE−604とKE−
610は、荒川化学工業(株)からそれぞれ酸価237
と170で市販されている。同じく、荒川化学工業
(株)からアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸及びパ
ラストリン酸3者の混合物のエステル化物として、KE
−100及びKE−356が、それぞれの酸価は8と0
で市販されている。また、アビエチン酸、デヒドロアビ
エチン酸及びパラストリン酸3者の混合物は、播磨化成
(株)からそれぞれの酸価167、168のG−7及び
ハートールR−Xで市販されている。
【0094】エポキシ樹脂としては、以下の構造を有す
るものが挙げられる。
【0095】
【化2】
【0096】アラルダイドEPN1179及びアラルダ
イドAER260は、旭チバ(株)から市販されてい
る。
【0097】ケトン樹脂としては、以下の構造のものが
挙げられる。
【0098】
【化3】
【0099】ハイラック110及びハイラック110H
は、日立化成(株)から市販されている。
【0100】パラトルエンスルホンアミド樹脂として
は、以下の構造のものが挙げられ、トップラーとして、
フジアミドケミカル(株)から市販されている。
【0101】
【化4】
【0102】これらの可塑剤は単独または併用するのが
好ましい。これらの可塑剤の使用量はフィルム性能、加
工性等の点で、セルロースエステルに対して1〜20質
量%が好ましい。
【0103】基材の光学特性としては、面内リターデー
ションR0は0〜1000nmのものが好ましく用いら
れ、厚み方向のリターデーションRtは0〜300nm
のものが、用途に応じて好ましく用いられる。また、波
長分散特性は、R600/R450が0.7〜1.3で
あることが好ましく、特に1.0〜1.3であることが
好ましい。ここでR450、R600は、それぞれ45
0nm、600nmの波長の光による面内リターデーシ
ョンである。
【0104】本発明の低反射積層体は、活性エネルギー
線硬化樹脂層または熱硬化樹脂層を設けることができ
る。特に、基材上に活性エネルギー線硬化樹脂層を設
け、その上に光学干渉層を設けることが好ましい。ここ
で、これらの活性エネルギー線硬化性樹脂、特にハード
コートコート加工のために活性エネルギー線硬化性樹脂
層が用いられる例について説明する。
【0105】本発明の低屈折率層及び高屈折率層を含む
反射防止層と基材との間に、ハードコート層を設けるこ
とが好ましい。ハードコート層は、基材の上に直接設層
しても、帯電防止層または下引層等の他の層の上に設層
してもよい。
【0106】ハードコート層には、紫外線等活性エネル
ギー線照射により硬化する活性エネルギー線硬化樹脂を
含有することが好ましい。
【0107】ハードコート層は、低反射性フィルムを得
るための光学設計上から屈折率が1.45〜1.65の
範囲にあることが好ましい。またハードコート層の膜厚
は0.5〜15μmの範囲とすることができる。これは
0.5μmに満たない膜厚では、充分な耐久性、耐衝撃
性が得られず、15μmを越える膜厚では屈曲性または
経済性等に問題が生じるためである。より好ましくは
0.5〜7μmである。
【0108】活性エネルギー線硬化樹脂層とは、紫外線
や電子線のような活性エネルギー線照射により架橋反応
等を経て硬化する樹脂を主たる成分とする層をいう。活
性エネルギー線硬化樹脂としては、紫外線硬化性樹脂や
電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられる
が、紫外線や電子線以外の活性エネルギー線照射によっ
て硬化する樹脂でもよい。紫外線硬化性樹脂としては、
例えば紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬
化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エ
ポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールア
クリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等
を挙げることができる。
【0109】また、光反応開始剤も光増感剤としても使
用できる。具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノ
ン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−
アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの
誘導体を挙げることができる。また、エポキシアクリレ
ート系樹脂の合成に光反応剤を使用する際に、n−ブチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフ
ィン等の増感剤を用いることができる。塗布乾燥後に揮
発する溶媒成分を除いた紫外線硬化性樹脂組成物に含ま
れる光反応開始剤また光増感剤は、組成物の2.5〜6
質量%であることが好ましい。
【0110】樹脂モノマーとしては、例えば不飽和二重
結合が1個のモノマーとして、メチルアクリレート、エ
チルアクリレート、ブチルアクリレート、酢酸ビニル、
ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、
スチレン等の一般的なモノマーを挙げることができる。
また不飽和二重結合を2個以上持つモノマーとして、エ
チレングリコールジアクリレート、プロピレングリコー
ルジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロ
ヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメ
チルアジアクリレート、前述のトリメチロールプロパン
トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリ
ルエステル等を挙げることができる。
【0111】また、紫外線硬化性樹脂組成物の光硬化を
妨げない程度に、紫外線吸収剤を紫外線硬化性樹脂組成
物に含ませてもよい。紫外線吸収剤としては、前記基材
に使用してもよい紫外線吸収剤と同様なものを用いるこ
とができる。
【0112】また硬化された層の耐熱性を高めるため
に、光硬化反応を抑制しないような酸化防止剤を選んで
用いることができる。例えば、ヒンダードフェノール誘
導体、チオプロピオン酸誘導体、ホスファイト誘導体等
を挙げることができる。具体的には、例えば4,4′−
チオビス(6−t−3−メチルフェノール)、4,4′
−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノ
ール)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)メシチレン、ジ−オクタデシル−4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルホスフェー
ト等を挙げることができる。
【0113】紫外線硬化性樹脂としては、例えばアデカ
オプトマーKR、BYシリーズのKR−400、KR−
410、KR−550、KR−566、KR−567、
BY−320B(以上、旭電化工業(株)製)、コーエ
イハードのA−101−KK、A−101−WS、C−
302、C−401−N、C−501、M−101、M
−102、T−102、D−102、NS−101、F
T−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、
M−101−C(以上、広栄化学工業(株)製)、セイ
カビームのPHC2210(S)、PHCX−9(K−
3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP
−30、P1000、P1100、P1200、P13
00、P1400、P1500、P1600、SCR9
00(以上、大日精化工業(株)製)、KRM703
3、KRM7039、KRM7130、KRM713
1、UVECRYL29201、UVECRYL292
02(以上、ダイセル・ユーシービー(株))、RC−
5015、RC−5016、RC−5020、RC−5
031、RC−5100、RC−5102、RC−51
20、RC−5122、RC−5152、RC−517
1、RC−5180、RC−5181(以上、大日本イ
ンキ化学工業(株)製)、オーレックスNo.340ク
リヤ(中国塗料(株)製)、サンラッド H−601
(三洋化成工業(株)製)、SP−1509、SP−1
507(以上、昭和高分子(株)製)、RCC−15C
(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6
100、M−8030、M−8060(以上、東亞合成
(株)製)、またはその他の市販のものから適宜選択し
て利用することができる。
【0114】活性エネルギー線硬化樹脂層の塗布組成物
は、固形分濃度は10〜95質量%であることが好まし
く、塗布方法により適当な濃度が選ばれる。
【0115】活性エネルギー線硬化性樹脂を、光硬化反
応により硬化被膜層を形成するための光源としては、紫
外線を発生する光源であればいずれでも使用できる。照
射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量
は20〜10000mJ/cm2程度あればよく、好ま
しくは、50〜2000mJ/cm2である。近紫外線
領域から可視光線領域にかけては、その領域に吸収極大
のある増感剤を用いることによって使用できる。
【0116】活性エネルギー線硬化樹脂層を塗設する際
の溶媒は、例えば炭化水素類、アルコール類、ケトン
類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の溶媒
の中から適宜選択し、または混合して使用できる。好ま
しくは、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アル
キルエーテルまたはプロピレングリコールモノ(C1〜
C4)アルキルエーテルエステルを5質量%以上、更に
好ましくは5〜80質量%以上含有する溶媒が用いられ
る。
【0117】活性エネルギー線硬化性樹脂組成物塗布液
の塗布方法としては、グラビアコーター、スピナーコー
ター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、リバー
スコーター、押出コーター、エアードクターコーター等
公知の方法を用いることができる。塗布量はウェット膜
厚で0.1〜30μmが適当で、好ましくは0.5〜1
5μmである。塗布速度は10〜60m/minが好ま
しい。
【0118】活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は塗布
乾燥された後、紫外線を照射するが、照射時間は0.5
秒〜5分がよく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率、作業効
率から3秒〜2分がより好ましい。
【0119】こうして硬化被膜層を得ることができる
が、液晶表示装置パネルの表面に防眩性を与えるため
に、また他の物質との対密着性を防ぎ、対擦り傷性等を
高めるために、硬化被膜層用の塗布組成物中に無機また
は有機の微粒子を加えることもできる。
【0120】例えば、無機微粒子としては酸化けい素、
酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸
カルシウム等を挙げることができる。
【0121】また、有機微粒子としては、ポリメタアク
リル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレン
系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリ
コン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボ
ネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミ
ン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステ
ル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹
脂粉末、またはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等を挙げる
ことができる。これらは紫外線硬化性樹脂組成物に加え
て用いることができる。これらの微粒子粉末の平均粒径
としては、0.01〜10μmであり、使用量は紫外線
硬化樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜20質
量部となるように配合することが望ましい。防眩効果を
付与するには、平均粒径0.1〜1μmの微粒子を、紫
外線硬化樹脂組成物100質量部に対して、1〜15質
量部用いるのが好ましい。
【0122】このような微粒子を紫外線硬化樹脂に添加
することによって、中心線平均表面粗さRaが、0.1
〜0.5μmの好ましい凹凸を有する防眩層を形成する
ことができる。また、このような微粒子を紫外線硬化性
樹脂組成物に添加しない場合、中心線平均表面粗さRa
は0.05μm未満、より好ましくは0.002〜0.
04μm未満の良好な平滑面を有するハードコート層を
形成することができる。これらハードコート層等の上に
は、更に高屈折率層(好ましくは屈折率1.6〜2.
3)、低屈折率層(好ましくは屈折率1.35〜1.
5)等から構成される反射防止層を形成することもでき
る。または更に中屈折率層を設けることが好ましい。
【0123】この他、ブロッキング防止機能を果たすも
のとして、上述したのと同じ成分で、体積平均粒径0.
005〜0.1μmの極微粒子を樹脂組成物100質量
部に対して0.1〜5質量部を用いることもできる。
【0124】本発明では、光学干渉層が設けられている
低反射積層体の裏面に、高さ0.1〜10μmの突起を
1〜500個/0.01mm2有する。好ましくは10
〜400個/0.01mm2、更に好ましくは15〜3
00個/0.01mm2である。これによって、各光学
干渉層塗設中に一旦ロール状に巻き取りをしても、ブロ
ッキングの発生が防止できるだけでなく、次の光学干渉
層を塗設する際の塗布むらを著しく低減することができ
る。塗布むらの原因は、完全に明らかにはなっていない
が、原因の1つとしてロール状に巻き取ったフィルム
を、塗布工程に送り出す際の剥離帯電が関係していると
推測される。基材フィルム中に微粒子を添加すること
で、裏面に高さ0.1〜10μmの突起を、1〜500
個/0.01mm2有するようにすることができる。こ
のとき、基材フィルムを多層構成として、表層のみに微
粒子を含ませることもできる。
【0125】添加する微粒子の種類としては、有機化合
物でも無機化合物でもよく、例えば二酸化けい素、二酸
化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸
カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウ
ム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ
酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架
橋高分子微粒子を含有させることが好ましい。中でも二
酸化けい素がフィルムのヘイズを小さくできるので好ま
しい。微粒子の2次粒子の平均粒径は0.1〜10μm
で、その含有量は基材のセルロースエステルに対して、
0.04〜0.3質量%が好ましい。二酸化けい素のよ
うな微粒子には有機物により表面処理されている場合が
多いが、これはフィルムのヘイズを低下できるため好ま
しい。表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン
類、アルコキシシラン類(特にメチル基を有するアルコ
キシシラン類)、シラザン、シロキサン等が挙げられ
る。微粒子の平均粒径は大きい方がマット効果が大き
く、反対に平均粒径の小さい方は透明性に優れるため、
好ましい微粒子の一次粒子の平均粒径は5〜50nm
で、より好ましくは7〜16nmである。
【0126】二酸化けい素の微粒子としてはアエロジル
(株)製のAEROSIL(アエロジル)200、20
0V、300、R972、R972V、R974、R2
02、R812,OX50、TT600等を挙げること
ができ、好ましくはAEROSIL(アエロジル)20
0V、R972、R972V、R974、R202、R
812である。これらの微粒子は2種以上併用してもよ
い。2種以上併用する場合、任意の割合で混合して使用
することができる。この場合、平均粒径や材質の異なる
微粒子、例えばAEROSIL(アエロジル)200V
とR972Vを質量比で0.1:99.9〜99.9:
0.1の範囲で使用できる。
【0127】微粒子はドープ調製時にセルロースエステ
ル、他の添加剤及び有機溶媒とともに含有させて分散し
てもよいが、セルロースエステル溶液とは別に微粒子分
散液のような十分に分散させた状態でドープを調製する
のが好ましい。微粒子を分散させるために、前もって有
機溶媒にひたしてから、高剪断力を有する分散機(高圧
分散装置)で細分散させておくのが好ましい。その後に
より多量の有機溶媒に分散して、セルロースエステル溶
液と合流させ、インラインミキサーで混合してドープと
することが好ましい。この場合、微粒子分散液に紫外線
吸収剤を加え紫外線吸収剤液としてもよい。
【0128】また、光学干渉層の裏面側に微粒子を含む
層を塗設することによって、裏面に高さ0.1〜10μ
mの突起を、1〜500個/0.01mm2有する低反
射積層体を提供することができる。
【0129】フィルムの片面だけに表面加工を施した場
合や、両面に異なる種類または異なる程度の表面加工を
施した場合等には、フィルムが丸まってしまうというカ
ール現象が起こり易い。カールするとこれを用いて偏光
板を作製する際等に取扱い難く不都合である。
【0130】カールを防止するため、ハードコート層を
塗設した反対側に、アンチカール層を設けることができ
る。即ち、アンチカール層を設けた面を内側にして丸ま
ろうとする性質を持たせることにより、カールの度合い
をバランスさせるものである。なお、アンチカール層は
好ましくはブロッキング層を兼ねて塗設され、その場
合、塗布組成物にはブロッキング防止機能を持たせるた
めの前述の無機微粒子及び/または有機微粒子を含有さ
せることができる。(この層は、バックコート層とも言
う。) アンチカール機能の付与は、具体的には基材を溶解させ
る溶媒または膨潤させる溶媒を含む組成物を塗布するこ
とによって行われる。用いる溶媒としては、溶解させる
溶媒または膨潤させる溶媒の混合物の他、更に溶解させ
ない溶媒を含む場合もある。これらを樹脂フィルムのカ
ール度合や樹脂の種類によって、適宜選択した割合で混
合した組成物及び塗布量を用いて行う。
【0131】カール防止機能を強めたい場合は、溶解さ
せる溶媒または膨潤させる溶媒の混合比率を大きくし、
溶解させない溶媒の比率を小さくするのが効果的であ
る。この混合比率は好ましくは、(溶解させる溶媒また
は膨潤させる溶媒):(溶解させない溶媒)=10:0
〜1:9で用いられる。
【0132】このような混合組成物に含まれる、溶解ま
たは膨潤させる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケ
トン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸メチル、酢
酸エチル、トリクロロエチレン、メチレンクロライド、
エチレンクロライド、テトラクロロエタン、トリクロロ
エタン、クロロホルム等がある。溶解させない溶媒とし
ては、例えばメタノール、エタノール、n−プロピルア
ルコール、i−プロピルアルコール、n−ブタノール等
がある。
【0133】これらの塗布組成物をグラビアコーター、
ディップコーター、リバースロールコーター、押し出し
コーター等を用いて基材の表面に、ウェット膜厚1〜1
00μm塗布するのが好ましいが、特に5〜30μmで
あるとよい。
【0134】この塗布組成物には樹脂を含ませることが
でき、ここで用いられる樹脂としては、例えば塩化ビニ
ル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル
樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分
加水分解した塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル/アクリロ
ニトリル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合
体、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン/塩化ビニル共重
合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合
体または共重合体、ニトロセルロース、セルロースアセ
テートプロピオネート、ジアセチルセルロース、セルロ
ースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロ
ピオネート樹脂等のセルロースエステル系樹脂、マレイ
ン酸及び/またはアクリル酸の共重合体、アクリル酸エ
ステル共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重合
体、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリル/塩素化ポ
リエチレン/スチレン共重合体、メチルメタクリレート
/ブタジエン/スチレン共重合体、アクリル樹脂、ポリ
ビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタ
ン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ
樹脂、スチレン/ブタジエン樹脂、ブタジエン/アクリ
ロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、フ
ッ素系樹脂等を挙げることができるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0135】アクリル樹脂としては、アクリペットM
D、VH、MF、V(以上、三菱レーヨン(株)製)、
ハイパールM−4003、M−4005、M−400
6、M−4202、M−5000、M−5001、M−
4501(以上、根上工業(株)製)、ダイヤナールB
R−50、BR−52、BR−53、BR−60、BR
−64、BR−73、BR−75、BR−77、BR−
79、BR−80、BR−82、BR−83、BR−8
5、BR−87、BR−88、BR−90、BR−9
3、BR−95、BR−100、BR−101、BR−
102、BR−105、BR−106、BR−107、
BR−108、BR−112、BR−113、BR−1
15、BR−116、BR−117、BR−118(以
上、三菱レーヨン(株)製)等が用いられる。
【0136】特に好ましくは、ジアセチルセルロース、
セルロースアセテートプロピオネートのようなセルロー
スエステル樹脂が用いられる。
【0137】アンチカール層を塗設する順番は、基材の
反対側に光学的機能性層(例えば、帯電防止層またはハ
ードコート層、光学干渉層)を塗設する前でも後でも構
わないが、アンチカール層がブロッキング防止層を兼ね
る場合は先に塗設することが望ましい。
【0138】本発明の低反射積層体に設けられる各層の
組成物の塗布方法としては、ディッピング、スピンコー
ト、ナイフコート、バーコート、エアードクターコー
ト、ブレードコート、スクイズコート、リバースロール
コート、グラビアロールコート、カーテンコート、スプ
レイコート、ダイコート等の公知の塗布方法を用いてこ
とができ、連続塗布または薄膜塗布が可能な塗布方法が
好ましく用いられる。
【0139】組成物を基材に塗布する際、塗布液中の固
形分濃度や塗布量を調整することにより、層の膜厚及び
塗布均一性等をコントロールすることができる。また、
組成物の塗布性を向上させるために、塗布液中に微量の
界面活性剤等を添加してもよい。
【0140】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0141】実施例1 以下のように低反射積層体を作製した。光学干渉層の屈
折率、膜厚は下記方法で測定した。
【0142】《屈折率、膜厚の測定》各屈折率層の屈折
率と膜厚は、各層を単独で塗設したサンプルについて、
分光光度計の分光反射率の測定結果から求める。分光光
度計はU−4000型(日立製作所製)を用いて、サン
プルの測定側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレ
ーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、
5度正反射の条件にて可視光領域(400〜700n
m)の反射率の測定を行う。
【0143】〔低反射積層体1の作製〕 《ハードコートフィルム1の作製》膜厚80μmのセル
ローストリアセテートフィルム(コニカ(株)製コニカ
タックKC8UX2MW、屈折率1.49、アセチル基
の置換度2.88)の片面に、下記ハードコート層組成
物(C−1)を乾燥膜厚3.5μmとなるように塗布
し、80℃にて1分間乾燥した。次に高圧水銀ランプ
(80W)にて150mJ/cm2の条件で硬化させ、
ハードコート層を有するハードコートフィルム1を作製
した。ハードコート層の屈折率は1.50であった。
【0144】 〈ハードコート層組成物(C−1)〉 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 108質量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 36質量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 36質量部 ジエトキシベンゾフェノン(UV光開始剤) 18質量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 180質量部 酢酸エチル 120質量部 《中屈折率層フィルム1の作製》前記ハードコートフィ
ルム1のハードコート層の上に、下記中屈折率層組成物
(M−1)を押し出しコーターで塗布し、80℃、0.
1m/秒の条件で1分間乾燥させた。この時、指触乾燥
終了(塗布面を指で触って乾燥していると感じる状態)
までは非接触フローターを使用した。非接触フローター
としては、ベルマッティク社製の水平フロータータイプ
のエアータンバーを使用した。フローター内静圧は9.
8kPaとし、約2mm幅手方向に均一に浮上させて搬
送した。乾燥後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫
外線を、130mJ/cm2照射して硬化させ、中屈折
率層を有する中屈折率層フィルム1を作製した。
【0145】 〈中屈折率層組成物(M−1)〉 テトラ(n)ブトキシチタン 51質量部 ジメチルポリシロキサン(信越化学社製 KF−96−1000CS) 1質量部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシシラン (信越化学社製 KBM503) 26質量部 アクリル樹脂(三菱レーヨン社製 BR−102) 9質量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 1450質量部 イソプロピルアルコール 2950質量部 メチルエチルケトン 500質量部 なお、この中屈折率層フィルム1の中屈折率層の厚さは
77nmで、屈折率は1.70であった。
【0146】《高屈折率層フィルム1の作製》前記中屈
折率層フィルム1の上に、下記高屈折率層組成物(H−
1)を押し出しコーターで塗布し、80℃、0.1m/
秒の条件で1分間乾燥させた。この時、指触乾燥終了
(塗布面を指で触って乾燥していると感じる状態)まで
は非接触フローターを使用した。非接触フローターは中
屈折率層フィルム1と同じ条件とした。乾燥後、高圧水
銀ランプ(80W)を用いて紫外線を130mJ/cm
2照射して硬化させ、高屈折率層を有する高屈折率層フ
ィルム1を作製した。
【0147】 〈高屈折率層組成物(H−1)〉 テトラ(n)ブトキシチタン 95質量部 ジメチルポリシロキサン(信越化学社製 KF−96−1000CS) 1質量部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシシラン (信越化学社製 KBM503) 5質量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 1750質量部 イソプロピルアルコール 3450質量部 メチルエチルケトン 600質量部 なお、この高屈折率層フィルム1の高屈折率層の厚さは
68nmで、屈折率は1.91であった。
【0148】前記高屈折率層フィルム1の上に、下記低
屈折率層組成物(L−1)を押し出しコーターで塗布
し、80℃、0.1m/秒の条件で1分間乾燥させた。
この時、指触乾燥終了(塗布面を指で触って乾燥してい
ると感じる状態)までは非接触フローターを使用した。
非接触フローターは中屈折率層フィルム1と同じ条件と
した。乾燥後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外
線を130mJ/cm2照射して硬化させ、更に120
℃で5分間熱硬化させ、低屈折率層を有する低反射積層
体1を作製した。
【0149】〈テトラエトキシシラン加水分解物Aの調
製〉テトラエトキシシラン25gとエタノール222g
を混合し、これにクエン酸一水和物の1.5質量%水溶
液54gを添加した後に、室温にて3時間攪拌すること
でテトラエトキシシラン加水分解物Aを調製した。
【0150】 〈低屈折率層組成物(L−1)〉 テトラエトキシシラン加水分解物A 103質量部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシシラン (信越化学社製 KBM503) 1質量部 直鎖ジメチルシリコーン−EOブロックコポリマー (日本ユニカー社製 FZ−2207) 0.1質量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 270質量部 イソプロピルアルコール 270質量部 なお、この低反射積層体1の低屈折率層の厚さは93n
mで、屈折率は1.44であった。
【0151】〔低反射積層体2〜4の作製〕低反射積層
体1の作製において、低屈折率層の塗布組成物を表4の
ように代えた以外は、同様にして低反射積層体2〜4を
作製した。
【0152】なお、この低反射積層体2〜4の低屈折率
層の厚さは93nmで、屈折率は1.44であった。
【0153】
【表4】
【0154】《評価》作製した低反射積層体1〜4のL
***値、ΔE、反射率は下記方法で測定した。
【0155】(L***値の測定)低反射積層体のL*
**値は、色彩色度計CM−2022(ミノルタ製)
を用い、SCI(正反射光込み)方式で測定した分光反
射率から求めた。サンプルは、測定側の裏面を粗面化処
理した後、黒色のスプレーで光吸収処理(370nmか
ら730nmにおける透過率が10%未満)を行い、黒
色の台上にて測定した。
【0156】(ΔE1および平均L***値の測定)
作製したサンプルから、1cm間隔で10cm×10c
mの範囲で100点のL***値を測定し、1cm間
隔で隣接する2点間のΔEの最大値ΔE1を求めた。ま
た、測定したL***各々の100点平均より、平均
***値を求めた。
【0157】(ΔE2の測定)作製したサンプルから、
10cm間隔で50cm×50cmの範囲で25点のL
***値を測定し、10cm間隔で隣接する2点間の
ΔEの最大値を求めた。
【0158】(反射率)L***値の測定のために色
彩色度計CM−2022(ミノルタ製)を用い、SCI
(正反射光込み)方式で測定した450nmから650
nmの範囲の分光反射率から、平均値及び最大値を求め
た。
【0159】(a*値とb*値の関係)ΔE1を求めるた
めに、測定した100点のL***値のa*とb*が、
下記(式1)の範囲にあるかどうか確認した。
【0160】式1 b*=−1.5×a*±5 (色ムラの評価)L***値の測定用に作製したサン
プルを目視で評価した。評価基準は下記とし5段階で評
価し、Aが最も良い。
【0161】A 反射光の色調変化がほとんど認められ
ない B 部分的に反射光の色調変化がわずかに認められる C 部分的に反射光の色調変化が認められる D 全体的に反射光の色調変化が認められる E 全体的に反射光の大きな色調変化が認められる 上記低反射積層体1〜4について、平均L***値、
ΔE1、ΔE2、目視による色ムラ評価、450nmか
ら650nmの反射率の平均値及び最大値を表5に示
す。
【0162】
【表5】
【0163】実施例2 以下のように低反射積層体5、6を作製した。作製した
低反射積層体は実施例1と同様の評価を実施した。ま
た、測定したa*値をx軸に、b*値をy軸にプロットし
た結果を図1と図2に示す。さらに、a**値の分布角
度を下記のように求めた。結果を表6に示す。尚、分布
幅の括弧内はデグリー単位での角度を示す。
【0164】〔低反射積層体5の作製〕低屈折率層組成
物(L−1)の乾燥において、フローターを鏡面加工し
たアルミローラーとしたこと以外は、低反射積層体1と
同様にして作製した。
【0165】このとき、中屈折率層、高屈折率層、低屈
折率層の膜厚は、それぞれ72nm、64nm、93n
mであった。
【0166】〔低反射積層体6の作製〕低屈折率層組成
物(L−3)の乾燥において、フローターを鏡面加工し
たアルミローラーとしたこと以外は、低反射積層体3と
同様にして作製した。
【0167】このとき、中屈折率層、高屈折率層、低屈
折率層の膜厚は、それぞれ72nm、70nm、93n
mであった。
【0168】(a**値の分布角度の測定)ΔE1を求
めるために測定した100点のL***値のa*とb*
から、式2に従って各測定点の角度を求め、その角度の
最大値と最小値の差を求めた(式3)。
【0169】 式2 (測定点の角度θ)=actan(b*/a*) 式3 (a**値の分布角度)=(θの最大値)−(θの最小値)
【0170】
【表6】
【0171】実施例3 以下のように低反射積層体7〜9を作製した。また、測
定したa*値をx軸にb*値をy軸にプロットした結果を
図3〜5に示す。結果を表7に示す。
【0172】〔低反射積層体7の作製〕光学干渉層の膜
厚を以下のようにに変更した以外は、低反射積層体1と
同様にして作製した。
【0173】このとき、中屈折率層、高屈折率層、低屈
折率層の膜厚は、それぞれ72nm、67nm、95n
mであった。
【0174】〔低反射積層体8の作製〕光学干渉層の塗
布乾燥時の風速を以下のように変更した以外は、低反射
積層体1と同様にして作製した。
【0175】中屈折率層:0.3m/秒、高屈折率層:
0.3m/秒、低屈折率層:0.3m/秒 このとき、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の膜厚
は、それぞれ75nm、70nm、95nmであった。
【0176】〔低反射積層体9の作製〕光学干渉層の塗
布乾燥時の風速を以下のように変更した以外は、低反射
積層体1と同様にして作製した。
【0177】中屈折率層:1.0m/秒、高屈折率層:
1.0m/秒、低屈折率層:1.0m/秒 このとき、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の膜厚
は、それぞれ75nm、70nm、95nmであった。
【0178】
【表7】
【0179】実施例4 以下のように低反射積層体10、11を作製した。結果
を表8に示す。
【0180】〔低反射積層体10の作製〕低反射積層体
8の作製において、ハードコート層の塗布組成物を(C
−2)に代えた以外は、同様にして低反射積層体10を
作製した。
【0181】 〈ハードコート層組成物(C−2)〉 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 108質量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 36質量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 36質量部 ジエトキシベンゾフェノン(UV光開始剤) 18質量部 アエロジルR−972V(日本アエロジル(株)製) 5質量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 180質量部 酢酸エチル 120質量部 〔低反射積層体11の作製〕低反射積層体8の作製にお
いて、低屈折率層の塗布組成物を(L−5)に代えた以
外は、同様にして低反射積層体11を作製した。
【0182】 〈低屈折率層組成物(L−5)〉 テトラエトキシシラン加水分解物A 103質量部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシシラン (信越化学社製 KBM503) 1質量部 直鎖ジメチルシリコーン−EOブロックコポリマー (日本ユニカー社製 FZ−2207) 0.1質量部 アクリル単分散粒子(綜研化学社製 MP−1451) 1.0質量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 270質量部 イソプロピルアルコール 270質量部 なお、この低反射積層体11の低屈折率層の厚さは95
nmで、屈折率は1.45であった。
【0183】
【表8】
【0184】実施例5 以下のように低反射積層体12〜14を作製した。
【0185】〔低反射積層体12の作製〕低反射積層体
8と同様にして低屈折率層を形成した後、高圧水銀ラン
プ(80W)を用いて紫外線を200mJ/cm2照射
して、更に110℃で5分間熱処理し、低反射積層体1
2を作製した。
【0186】〔低反射積層体13の作製〕低反射積層体
8と同様にして低屈折率層を形成した後、60℃で72
時間熱処理し、低反射積層体13を作製した。
【0187】〔低反射積層体14の作製〕低反射積層体
8と同様にして低屈折率層を形成した後、高圧水銀ラン
プ(80W)を用いて紫外線を200mJ/cm2照射
し、110℃で5分間熱処理し、更に60℃で72時間
熱処理し、低反射積層体14を作製した。
【0188】上記低反射積層体12〜14について、耐
光性試験および耐熱性試験の結果を表9に示す。
【0189】(耐光性試験)作製した低反射積層体を、
キセノンフェードメーターで72時間光照射し、照射前
後での色調の変化量ΔEを測定した。
【0190】(耐熱性試験)作製した低反射積層体を、
−40℃で30分経過後、85℃まで3時間かけて昇温
し、85℃で30分経過後、再び−40℃まで3時間か
けて降温することを1サイクルとして、これを100サ
イクル実施し、試験前後での色調の変化量ΔEを測定し
た。
【0191】
【表9】
【0192】
【発明の効果】本発明によって、色ムラのない、且つ経
時による色調変動の少ない低反射積層体(反射防止フィ
ルム)を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】低反射積層体5におけるa**の関係を示す図
である。
【図2】低反射積層体6におけるa**の関係を示す図
である。
【図3】低反射積層体7におけるa**の関係を示す図
である。
【図4】低反射積層体8におけるa**の関係を示す図
である。
【図5】低反射積層体9におけるa**の関係を示す図
である。
フロントページの続き Fターム(参考) 2K009 AA05 AA06 AA12 AA15 BB24 BB28 CC42 CC45 CC47 DD02 DD05 EE03 4F100 AJ04 AK25 AK52 AR00B AR00C AT00A BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10B BA10C CC00D CC00E EH46 EJ54 GB41 JK12D JK12E JN06 JN06B JN06C JN18 JN28 JN30B JN30C YY00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも一方の面に光学干渉
    層を積層した低反射積層体において、表面反射率より求
    めたL***の値がそれぞれ3<L*<15、0<a*
    <20、−30<b*<−5であることを特徴とする低
    反射積層体。
  2. 【請求項2】 表面反射率より求めたL***の値が
    それぞれ3<L*<8、10<a*<20、−30<b*
    <−15であることを特徴とする請求項1に記載の低反
    射積層体。
  3. 【請求項3】 支持体の少なくとも一方の面に光学干渉
    層を積層した低反射積層体において、表面反射率より求
    めたL***の値がb*=−1.5×a*±5であるこ
    とを特徴とする低反射積層体。
  4. 【請求項4】 表面反射率より求めたL***の値が
    *=−1.5×a*±5であることを特徴とする請求項
    1または2に記載の低反射積層体。
  5. 【請求項5】 支持体の少なくとも一方の面に光学干渉
    層を積層した低反射積層体において、任意の測定点1と
    その測定点1から1cm離れた任意の測定点2との色差
    ΔEが3以内であることを特徴とする低反射積層体。
  6. 【請求項6】 任意の測定点1とその測定点1から1c
    m離れた任意の測定点2との色差ΔEが3以内であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の低
    反射積層体。
  7. 【請求項7】 支持体の少なくとも一方の面に光学干渉
    層を積層した低反射積層体において、任意の測定点1と
    その測定点1から10cm離れた任意の測定点2との色
    差ΔEが5以内であることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれか1項に記載の低反射積層体。
  8. 【請求項8】 actan(b*/a*)の最大値と最小
    値の差が5/180π(ラジアン)以下となることを特
    徴とする請求項1に記載の低反射積層体。
  9. 【請求項9】 キセノンフェードメーターで36時間照
    射した後での色調の変化量ΔEが3以内であることを特
    徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の低反射積
    層体。
  10. 【請求項10】 60℃、90%RHの環境に7日間お
    いた後の色調の変化量ΔEが3以内であることを特徴と
    する請求項1〜8のいずれか1項に記載の低反射積層
    体。
  11. 【請求項11】 450nmから650nmの平均反射
    率が1.0%以下で、且つ最大反射率が5%以内である
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    低反射積層体。
  12. 【請求項12】 支持体の少なくとも一方の面にハード
    コート層と光学干渉層を積層し、ハードコート層のRa
    が0.01〜1.0μmであることを特徴とする請求項
    1〜8のいずれか1項に記載の低反射積層体。
  13. 【請求項13】 光学干渉層の表面のRaが0.01〜
    0.1μmであることを特徴とする請求項1〜8のいず
    れか1項に記載の低反射積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006053538A (ja) * 2004-07-12 2006-02-23 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止フィルム、偏光板、及びそれを用いた画像表示装置
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EP2105767A1 (en) 2008-03-28 2009-09-30 Fujifilm Corporation Transparent support, optical film, polarizing plate and image display device
WO2011093420A1 (ja) 2010-01-28 2011-08-04 富士フイルム株式会社 導電シート、導電シートの使用方法及びタッチパネル
TWI394977B (zh) * 2004-08-12 2013-05-01 Fujifilm Corp 抗反射薄膜、偏光板及使用它之影像顯示器
JP2016177186A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 大日本印刷株式会社 反射防止フィルム、該反射防止フィルムを用いた表示装置、及び反射防止フィルムの選択方法

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