JP2003112305A - 木材の乾燥方法及びその装置 - Google Patents

木材の乾燥方法及びその装置

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JP2003112305A JP2001309071A JP2001309071A JP2003112305A JP 2003112305 A JP2003112305 A JP 2003112305A JP 2001309071 A JP2001309071 A JP 2001309071A JP 2001309071 A JP2001309071 A JP 2001309071A JP 2003112305 A JP2003112305 A JP 2003112305A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木材乾燥において木材の割れの発生を一層抑
制し、乃至は乾燥時間の短縮を図る。 【解決手段】 湿度調整制御部104及び熱気供給制御
部105により、乾球温度120℃、湿球温度90℃の
高温低湿度に制御された雰囲気下で木材Wを乾燥し、木
材表層部にドライングセットを形成する。次いで、高周
波発生回路31により、対向電極7に高周波電力が供給
され、対向電極7に載置された木材Wに対して誘電加熱
による乾燥処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木材の乾燥方法及び
その装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、誘電加熱と熱気加熱とを併用した
複合乾燥により木材を乾燥する方法が知られている。こ
の乾燥方法は、誘電加熱により木材を内部から乾燥する
とともに、熱気加熱により木材を外部から同時に乾燥す
るもので、高速乾燥を実現する有力な手段である。しか
しながら、この方法では、木材の割れの抑制に対する配
慮が何らなされておらず木材の割れを効果的に防ぐには
問題があった。特に、スギやヒノキのような針葉樹の芯
持ちの柱材に対して、上記乾燥方法を適用すると割れが
しばしば発生するという問題があった。
【0003】一方、木材の割れを抑制して乾燥する方法
も種々提案されている。すなわち、特開平6−2579
46号公報には、乾燥室に収容した木材を乾球温度10
0〜150℃及び望ましい湿球温度として90℃以上の
条件下で乾燥し、木材の変形及び表面の割れの発生を抑
制する方法が記載されている。また、特開2001−1
16453号公報には、蒸煮により木材の中心部を80
〜130℃の高温に上げた後、80〜130℃程度の湿
度制御しない低湿熱風で乾燥を継続することで、粘弾性
的特性による割れを抑制する効果を発揮させる乾燥方法
が記載されている。
【0004】また、特開平10−76501号公報に
は、外部加熱による乾燥と内部加熱による乾燥の2段階
の乾燥工程を有する心持ち柱材の割れ抑制乾燥方法であ
って、前段の外部加熱による乾燥を高温高湿度の雰囲気
下で生材の平均含水率が繊維飽和点に達するまで行う方
法が記載されている。この方法は、乾燥処理を前段と後
段とに分け、前段は熱気による外部加熱を引張応力下で
行わせることにより、木材表層部に引張セット(ドライ
ングセット)を形成し、後段では主としてマイクロ波加
熱により内部加熱を行うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−25794
6号公報記載の方法は、制御方法として乾球温度と湿球
温度との温度差を最初は小さく、漸次大きくする方法で
あるため、木材表層部に迅速に有効な含水率傾斜を生成
することができず、十分な引張セット(ドライングセッ
ト)を形成することに限界があり、かえって木材に対し
て多くの割れが生じるといった欠点がある。
【0006】また、特開2001−116453号公報
記載の方法も、特開平6−257946号公報と同様な
問題を有する。また、特開平10−76501号公報記
載の方法は、前段の乾燥を高湿度雰囲気下で行うため、
木材表層部に形成される含水率傾斜の大きさに限界があ
り、この木材表層部に形成されるドライングセット量を
充分に確保できない。このように、従来の方法では、木
材の表層部における割れ発生の抑制にも一定の限界があ
るという問題があった。
【0007】本発明はこれらの課題を解決するためにな
されたものであり、木材の割れの発生を一層抑制し、乃
至は乾燥時間の短縮を可能にする木材の乾燥方法及びそ
の装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1記載の発明は、低湿度の雰囲気下で少なくとも
中温度以上の所定温度に保つようにして木材を木材表層
部にドライングセットが形成されるまで乾燥する第1乾
燥工程と、ドライングセットが形成された木材に対し
て、所定の含水率になるまで少なくとも誘電加熱により
乾燥する第2乾燥工程とからなることを特徴とする木材
乾燥方法である。
【0009】この発明によれば、木材を低湿度雰囲気下
で少なくとも中温以上に加熱して乾燥するため、木材表
層部に大きな含水率傾斜が生じ、木材表層部に高いレベ
ルでドライングセットが形成される。また、木材を十分
に高温に加熱して乾燥するため、ドライングセットが形
成された部分は、粘弾性特性を持つ状態となる。このた
め、木材の乾燥初期の過程で生じる木材表層部の引張応
力に起因する割れも効率的に抑制される。更に、木材の
乾燥後期の過程において木材表層部に生じる圧縮応力に
より、乾燥初期の段階で生じた微細な割れが閉じられ、
閉塞効果が発揮される。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の木
材の乾燥方法において、第1乾燥工程は、平衡含水率6
%以下に対応する所定の温度と湿度による雰囲気下で木
材を乾燥して木材表層部にドライングセットを形成する
ことを特徴とする。この発明によれば、木材は、平衡含
水率6%以下の低湿度雰囲気下で乾燥されるため、木材
表層部には効率的にドライングセットが形成される。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の木材の乾燥方法において、第1乾燥工程は、誘電加
熱及び熱気加熱の少なくとも一方により木材の温度を8
0℃以上に加熱することを特徴とする。この発明によれ
ば、誘電加熱と熱気加熱とを併用して木材の材温を80
℃以上の温度に保ち第1乾燥工程を行うことにより木材
表層部に粘弾性特性を持たせることが可能となり、ま
た、熱気加熱及び内部加熱双方の加熱に要するエネルギ
ーが低減される。更に、誘電加熱と熱気加熱とを併用し
て木材を高温に加熱した場合、熱気加熱のみで木材を加
熱する場合に比べて、雰囲気温度を低くして木材の乾燥
が行われ、乾燥装置の耐熱設計を低温に設定して行うこ
とができ、乾燥装置の低コスト化が図れる。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載の発明において、第2乾燥工程は、木材中
心部の含水率が30%以下となるまで乾燥することを特
徴とする。この発明によれば、木材は第2乾燥処理によ
り木材中心部の含水率が30%以下となるまで乾燥され
るため、木材内部が収縮し、木材表面において生じる引
張り応力が圧縮応力に転換し、いわゆる材面割れの閉塞
効果が発揮される。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれかに記載の木材乾燥方法において、第2乾燥工程
は、ドライングセットを緩和する工程を含むことを特徴
とする。この発明によれば、第2乾燥工程は、ドライン
グセットを緩和する工程を含んでいるため、木材の平均
含水率が例えば10%以下となるような過乾燥を施した
場合であっても、木材表層部は、木材中心部の収縮に伴
って生じる大きな圧縮応力に対応するように変形され、
内部割れが抑制される。すなわち、強固なドライングセ
ットを保持した状態で、木材の平均含水率が10%以下
となるような過乾燥を施した場合、木材表層部は、ドラ
イングセットが強く形成されているため、木材内部から
の大きな圧縮応力に対応して変形することができず、内
部割れが生じてしまう。特に、スギのような木材を複数
本まとめて乾燥させた場合、乾燥後期において、各木材
の平均含水率のバラツキは大きくなり、中には平均含水
率が10%以下となるような過乾燥される木材が存在し
てしまう。本発明では、第2乾燥工程において、ドライ
ングセットを緩和したため、このような過乾燥された木
材についての木材内部からの大きな収縮による内部割れ
が抑制されることとなる。
【0014】また、本発明によれば、第1乾燥工程で形
成されたドライングセットを緩和するにとどめ、ドライ
ングセットを100%開放するわけではないため、ドラ
イングセット形成時に若干生じた木材表層部の割れに対
する閉塞効果も発揮される。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれかに記載の木材の乾燥方法において、第2乾燥工程
は、誘電加熱及び熱気加熱を併用して乾燥することを特
徴とする。この発明によれば、第2乾燥工程は、誘電加
熱及び熱気加熱を併用し、木材は内部及び外部から同時
に乾燥されるため、乾燥処理のより一層の高速化が図れ
る。
【0016】請求項7記載の発明は、容器内に収容され
た木材に乾燥処理を施す加熱装置と、容器内の湿度を調
整する湿度調整装置と、各装置の動作を制御すると共に
前記加熱装置に熱気加熱と誘電加熱とを行わせる制御部
とを備えた木材乾燥装置であって、前記制御部は、容器
内の雰囲気を低湿度とし、かつ少なくとも中温度以上の
所定温度に制御しながら木材に対して木材表層部にドラ
イングセットが形成されるまで少なくとも熱気加熱によ
る第1乾燥処理を施し、ドライングセットが形成された
木材に対し、前記所定温度より低い温度の雰囲気に制御
しながら所定の含水率になるまで少なくとも誘電加熱に
よる第2乾燥処理を施すことを特徴とする木材乾燥装置
である。この発明によれば、第1の乾燥処理及び第2の
乾燥処理を実施する木材乾燥装置が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る木材乾燥装
置の一実施形態を示した側面断面図である。図1に示す
ように、木材乾燥装置は、乾燥対象木材を収納する乾燥
容器1と、乾燥容器1の内部に所定温度の蒸気を生成す
るボイラ2と、誘電加熱を行う高周波発生部3と、本装
置の動作を制御する制御部10とを備える。
【0018】乾燥容器1は、5面が金属製の壁で包囲さ
れた直方体の形状を有する。各壁を内部に断熱樹脂層を
含む3層構造とすることで強度の確保と軽量化を図って
いる。乾燥容器1の前面に形成された収納口には木材を
出し入れすると共に乾燥容器1内を密閉状態とするドア
5が取り付けられている。
【0019】乾燥容器1の天井面の幅方向中央部には、
例えば木材間に熱気が循環するように乾燥容器1の側壁
面に向けて送風を行う所要数例えば2個のファン9、9
が適所に配設されている。ファン9は、回転軸が図略の
モータの出力軸に噛合されており、モータの駆動力が伝
達されて回転する。モータは後述する制御部10に接続
されており、制御部10からの駆動信号を受けてファン
9を好ましくは、所定周期で正逆回転させる。
【0020】ボイラ2は、例えば、乾燥容器1の外側に
床置きされている。ボイラ2には発生蒸気を乾燥容器1
内の上部空間適所に導入し、放出口211から放出する
蒸気配管21と、発生蒸気を乾燥容器1内を循環させる
蒸気配管22が接続されている。蒸気配管21、22に
はそれぞれ調整バルブ21a、22aが介設され、調整
バルブ21a、22aを開閉することで、蒸気の供給が
制御される。蒸気温度は本実施形態では120℃に設定
されている。蒸気配管22は乾燥容器1内の上部空間適
所であって水平面上で乾燥容器1の側壁面に沿ってファ
ン9、9を取り囲むように環状に形成された配管が上下
方向に所定段数、例えば3段配設された放熱部221を
有する。乾燥容器1は蒸気配管21からの放出蒸気で湿
度調整(図略の開閉弁を介して流量を調整することで)
が行われ、放熱部221からの放熱で温度調整(図略の
開閉弁を介して流量を調整することで)が行われるよう
になっている。放熱部221からの熱で加熱された空気
がファン9の回転により乾燥容器1内を対流されること
で、乾燥容器1内の温度分布が均一となる。
【0021】乾燥容器1の天井壁には、排気部4が設け
られている。排気部4は、乾燥容器1の天井壁に立設さ
れており、乾燥容器1内の雰囲気空気を強制的に調整排
出する。排気部4は筒体40を備えると共に、その内部
には水平軸41回りに回転して筒体40の開度を調節す
るダンパ42が設けられている。乾燥容器1の天井壁外
側には、水平軸41を軸回りに回動してダンパ42の開
度を変更するアクチュエータ43が設けられている。ア
クチュエータ43を動作させることで、ダンパ42の開
度が調整される。筒体40の下部には、図略の電動モー
タにより回転される排気ファン44が設けられており、
排気ファン44が回転することで、乾燥容器1内の雰囲
気空気は筒体40を介して排気され、これにより熱量や
水分量が抜かれて温度、湿度の調整を行うようにしてい
る。
【0022】乾燥容器1は、本実施形態では1台の台車
6が収納可能な容積を有している。台車6は水平な床盤
とその下面の4個の車輪を有して構成されている。乾燥
容器1の床面には奥側からドア5に向かって1対のレー
ル8が敷設されており、レール8に沿って台車6が乾燥
容器1に対して出し入れされる。
【0023】台車6には、アルミニウムまたはアルミニ
ウム合金からなる平板状の電極部7が用意されている。
電極部7は本実施形態では3枚からなり、中間の陽極電
極板71と、その上下両側の陰極電極板72、73とか
らなる。陰極電極板73は台車6の床盤上に敷設乃至は
取り付けられている。
【0024】木材Wは所定サイズの断面形状を有する所
定長をなす、例えば長尺体である。図1では詳細に示し
ていないが、木材Wは、陰極電極板73上で所定方向に
所定ピッチを有して複数本平行配置される木材段部を桟
木を介在させて順次積層することで山積みされている。
木材Wは複数段だけ山積みされ、その中間段に陽極電極
板71が介設され、最上段に陰極電極板72が載置され
ている。このように木材Wを所定ピッチを有し、かつ桟
木を介して山積みすることで、木材Wの側面に万遍なく
蒸気及び加熱された雰囲気空気が浴びせられ、後述する
複合乾燥に適する。
【0025】高周波発生部3の陽極部からの配線は乾燥
容器1の側壁に形成された孔を貫通して陽極電極板71
に接続され、陰極部からの配線は乾燥容器1の側壁の他
の位置に図略の絶縁体を介して形成された孔を貫通して
陰極電極板72,73に並列的に接続されている。な
お、乾燥容器1内の適所には乾球温度計107及び湿球
温度計108(図2参照)が配設されている。
【0026】図2は、制御側から見た、一実施形態を示
すブロック図である。高周波発生部3は、高周波電源回
路30と、所定の周波数(例えば、数MHz〜数十MH
z)の高周波電力(例えば1kW〜数十kWのような比
較的小〜中電力)を発生し、電極部7に高周波電力を供
給する高周波発生回路31と、高周波電源回路30と電
極部7との間に介設され、高周波発生回路31の出力イ
ンピーダンスと木材Wを含む負荷側のインピーダンスと
を整合させる整合回路32とからなる。陽極電極板71
と陰極電極板72間に積層された木材W、陽極電極板7
1と陰極電極板73間に積層された木材Wはそれぞれの
電極板間に生じる高周波電磁界により誘電加熱されて乾
燥される。
【0027】整合回路32は、例えばコンデンサ及びイ
ンダクタンスの少なくとも一方が可変構造を有して構成
された公知のもので、可変コンデンサの容量及び可変イ
ンダクタンスのインダクタンスを調整することで高周波
発生部3の出力インピーダンスと木材Wを含む負荷側の
インピーダンスとの整合を図る。例えば、可変コンデン
サはコンデンサ電極の対面距離を漸次変更するように一
方のコンデンサ電極を移動制御し、可変インダクタンス
はL成分を発揮する長尺のアルミ板の迂回長を漸次変更
するように短絡部材を移動制御する等すればよい。木材
Wの乾燥が進行して木材の含水率が変化すると、木材W
の誘電率が変化して木材Wのインピーダンスが大きくな
るように変化する。整合回路32は、例えば負荷側から
の反射レベルを、図略の公知の検出手段で検出するなど
して、木材Wのインピーダンスの変化をその変化に追随
するよう可変コンデンサまたは可変インダクタンスの一
方をあるいは双方を変化させる。あるいは予め実験など
を通じて材種、断面積、重量、初期含水量などをパラメ
ータとして経時方向の調整量をメモリ部などに複数記憶
しておき、処理に先立って選定された調整量に基づいて
タイマ管理で変更制御する態様としてもよい。
【0028】制御部10は、ボイラ2の調整バルブ21
a,22a、高周波発生回路31、整合回路32、乾球
温度計107及び湿球温度計108に接続されている。
制御部10は、高周波発生回路31のオン、オフ動作を
指示する高周波電源制御部101と、高周波の印加時間
及び蒸気供給時間を管理するタイマ102と、整合回路
32の可変コンデンサ及び可変インダクタンスを変化さ
せる整合制御部103と、調整バルブ21aの開閉を指
示して乾燥容器1内への蒸気の供給を制御する湿度調整
制御部104と、調整バルブ22aの開閉を指示して乾
燥容器1内への熱気の供給を制御する熱気供給制御部1
05とを備えると共に、本乾燥制御プログラムや乾燥処
理に必要なデータを格納する記憶部106を備える。
【0029】湿度調整制御部104及び熱気供給制御部
105は、乾球温度計107及び湿球温度計108から
の温度情報を連続的に取り込み、乾燥容器1内の雰囲気
が制御すべき湿度を維持するように調整バルブ21aの
開閉を制御すると共に、制御すべき温度を維持するよう
に調整バルブ22aの開閉を制御する。なお、調整バル
ブ21a,22aの開閉制御としてその開度を調整する
ようにして、より細かな調整を行うようにしてもよい。
記憶部106に格納されるデータとしては、乾燥対象で
ある木材Wの木種、形状、初期含水率等の木材情報に対
応する乾燥工程スケジュールである。
【0030】次に、木材乾燥処理について説明する。
【0031】図3は、木材乾燥方法の第1実施形態を示
すタイミングチャートである。本木材乾燥方法は、蒸煮
工程P1、第1乾燥工程P2及び第2乾燥工程P3を有
する。蒸煮工程P1は、第1乾燥工程P2に先立って、
木材Wを高温状態にする前工程である。乾燥対象木材W
を台車6に搭載し、乾燥容器1に投入した後、湿度調整
御部104によりボイラ2の蒸気配管21の調整バルブ
21aが開成され、蒸気が乾燥容器1内へ供給される。
これにより木材Wは蒸気により蒸煮される。本実施形態
では蒸煮工程P1は約12時間に設定されており、木材
Wの温度を約95℃まで上昇させるようにしている。
【0032】第1乾燥工程P2は蒸煮工程P1引き続い
て行われる。第1乾燥工程P2は、高温低湿度雰囲気下
で木材Wに熱気加熱を施すものである。湿度調整制御部
104及び熱気調整制御部105は、乾燥容器1内の雰
囲気が乾球温度を120℃、湿球温度を90℃の高温低
湿度を保つように調整バルブ21a,22aの開閉を制
御する。この間、木材Wは材温が徐々に上昇し、やがて
100℃となる。木材Wを低湿度雰囲気下にさらすこと
で、木材内部は高含水状態にある一方、表面は低湿度雰
囲気にあることから、表層部から水分が急激にぬけ、こ
の表層部に大きな含水率傾斜が生じる。乾球温度120
℃と湿球温度90℃の温度差30℃に対応する平衡含水
率を低く、例えば6%以下、好ましくは4%以下となる
ようにすることで、効果的な含水率傾斜が得られる。
【0033】この間、木材Wの表層部は水分が減少して
行く結果、図5に示すように、材の接線方向に生じる引
張り応力(正側)が含水率の低下に伴って上昇する。従
って、このままでは木材Wの表層部に割れを生じる可能
性がある。しかし、このとき材温は高温状態にあること
から木材Wの表層部は粘弾性特性を示すため、引張り応
力にも拘わらず割れを生じにくい状態となっている。そ
して、乾燥が継続して含水率が30〜35%程度まで低
下すると、引張応力が最大を示し、この付近(時点)で
第1乾燥工程P2を終了させる。従って、木材Wは最大
引張り応力を受けたまま固定化、すなわちドライングセ
ットが形成されることとなる。第1乾燥工程P2は木材
表層部にドライングセットが形成される時間として好適
な時間、本実施形態では約6〜24時間が設定されてい
る。
【0034】第1乾燥工程P2が終了すると、引き続き
第2乾燥工程P3を開始する。第2乾燥工程P3では誘
電加熱が主体として行われる。すなわち高周波電源制御
部101は高周波発生回路31に対して高周波の発生を
指示する。高周波発生回路31は電極部7に高周波電力
を供給し、木材Wへの誘電加熱を開始させる。木材Wは
誘電加熱により内部から乾燥され、内部の多量の水分が
外方に抜けていき、これにより材内部での含水率の均一
化の方向に向かいながら、含水率の低下が図れる。又、
誘電加熱を採用することで熱気加熱のみでは乾燥が困難
な木材内部の乾燥をより短時間で行うことができる。こ
のとき、高周波電源制御部101は、木材Wの均一乾燥
を実現するため、経験的乃至はシミュレーションにより
得られた記憶部106のタイムスケジュールに従って高
周波発生回路31をオン・オフ制御する。
【0035】第2乾燥工程P3では、乾球温度85℃、
湿球温度82℃に設定されており、湿度調整制御部10
4及び熱気調整制御部105は、乾燥容器1内の雰囲気
を上記各温度となるように調整する目的で制御される。
乾球温度85℃、湿球温度82℃とする場合は木材Wの
平衡含水率13.8%に対応する。この含水率13.8
%は気乾状態に近いため、木材Wの過乾燥を防ぎ乾燥完
了後の木材Wの寸法安定性が確保される。従って、木材
Wは仕上げの含水率として好ましい値となるように乾燥
される。また、この間、木材Wの表層部に形成されてい
るドライングセットは内部からの水分の放出を受けて多
少軟化し、図5に示すように含水率の低下に伴って引張
応力から圧縮応力に移行し、材面割れを閉じる方向に作
用する。このため、第1乾燥工程P2において木材Wの
材面に微細な割れが生じていたとしても、この割れは第
2乾燥工程P3の後期において生じる圧縮応力により閉
じる。また、高湿度の雰囲気下で木材を乾燥するため、
木材表層部に形成されたドライングセットが緩和され、
誘電加熱による木材中心部の大きな収縮に伴う木材表層
部への圧縮応力に対して、木材表層部は十分に変形する
ことができ、内部割れを抑制することができる。
【0036】以上説明したように本実施形態によれば、
第1乾燥工程P2において木材表層部に高いレベルのド
ライングセットを形成したため、木材の割れを抑制さ
れ、かつ第2乾燥工程P3において誘電加熱を行ったた
め、木材を短時間で乾燥することができる。
【0037】次に、木材乾燥方法の第2実施形態につい
て、図4に示すタイミングチャートを用いて説明する。
第2実施形態に係る木材乾燥方法は、第1乾燥工程P1
2として誘電加熱と熱気加熱とを併用した態様である。
【0038】まず、第1実施形態同様、木材Wに対して
蒸煮工程P11を12時間行い、木材Wの材温を約95
℃にする。蒸煮工程P11が終了すると、次に、第1乾
燥工程P12を開始する。
【0039】第1乾燥工程P12は、中温低湿度雰囲気
下で木材Wに対して熱気加熱と誘電加熱を施すものであ
る。湿度調整制御部104及び熱気調整制御部105
は、乾燥容器1内の雰囲気が乾球温度を95℃、湿球温
度を65℃の中温低湿度を保つように調整バルブ21
a、22aの開閉を制御する。同時に、高周波電源制御
部101は、木材Wの材温が95〜100℃を保つよう
に高周波電源回路31を間欠的に作動させる。このた
め、木材Wの温度は95〜100℃となる。本実施形態
では、高周波電源制御部101は、経験的乃至はシミュ
レーションによって得られた記憶部106のタイムスケ
ジュールに従って木材Wの温度が95℃〜100℃程度
を保つように制御する。
【0040】木材Wの表面を低湿度雰囲気下にさらすこ
とで、木材内部は高含水率状態にある一方、表面は低湿
度雰囲気にあることから、表層部から水分が急激に抜
け、この表層部にドライングセットを形成するための有
効な含水率傾斜が生じる。したがって、第1乾燥工程P
12により、木材W表層部に高いレベルのドライングセ
ットが形成される。
【0041】第1乾燥工程P12が終了すると、誘電加
熱を主とした第2乾燥工程P13が開始される。この第
2乾燥工程P13は、第1実施形態に係る第2乾燥工程
P3と同一条件下で同一時間行なわれる。第2乾燥工程
P13により、木材Wは内部から加熱され、熱気加熱の
みでは困難な木材内部の乾燥を高速に行うことができ
る。
【0042】このように第2実施形態によれば、第1乾
燥工程P12において、誘電加熱と熱気加熱とを併用し
て、木材の材温を100℃程度の高温としたため、乾燥
容器1の雰囲気温度を熱気加熱のみで行う場合に比べて
高温にする必要がない。このため、乾燥容器1を構成す
る部材を、耐熱性が低いもので設計することができ、乾
燥装置のコストを低減することができる。
【0043】このように、低湿度雰囲気下で木材を中温
度以上(80℃以上)にして乾燥することにより木材表層
部に広範囲にドライングセットを形成する第1乾燥工程
P12及びドライングセットが形成された木材を誘電加
熱により乾燥する第2乾燥工程P13により、高速乾燥
を行うことができ、かつ、木材の割れを著しく減少する
ことができる。また、第2乾燥工程は、乾燥室1の雰囲
気を高湿度状態で乾燥するため、ドライングセットが緩
和され内部割れを抑制することができる。
【0044】なお、本発明は以下の形態を採ることがで
きる。
【0045】(1)第1、第2実施形態では、第2乾燥工
程P3、P13における乾燥開始時間及び乾燥終了時間
の制御をタイムスケジュールに基づいてタイマ102に
より時間を計測することにより行っているが、本発明は
これに限定されず、電極部7に載置された木材Wの中の
1本乃至は複数本をサンプルとし、サンプルとされた木
材に温度計を刺し込み、この温度計の検出温度(材温
度)をもとに、誘電加熱の制御を行ってもよい。
【0046】(2)第1、第2実施形態では、第2乾燥工
程P3、P13における乾燥開始時間及び乾燥終了時間
の制御をタイムスケジュールに基づいてタイマ102に
より時間を計測することにより行っているが、本発明は
これに限定されず、電極部7に載置された木材Wの中の
1本乃至は複数本をサンプルとし、この木材の含水率を
含水率センサーを用いて計測し、計測された含水率をも
とに誘電加熱の制御を行ってもよい。
【0047】(3)第1、第2実施形態では、第2乾燥工
程P3、P13における乾燥開始時間及び乾燥終了時間
の制御をタイムスケジュールに基づいてタイマ102に
より時間を計測することにより行っているが、本発明は
これに限定されず、木材Wの重量を計測し、計測した重
量の変化量に基づいて誘電加熱の制御を行ってもよい。
この場合、レール8下に重量計を配置し、この重量計で
木材Wの重量を測定すればよい。
【0048】(4)第1、第2実施形態においては、第1
乾燥工程の事前処理として蒸煮工程P1、P11を施し
たが、これに限定されず、蒸煮工程P1、P11を省略
し、第1乾燥工程から乾燥を開始してもよい。
【0049】(5)第1実施形態は、第1乾燥工程P2に
おいて、乾燥室1の雰囲気を乾球温度を120℃、湿球
温度を90℃に保ち熱気加熱を行っているが、これに限
定されず、第2実施形態のように、乾燥室1の雰囲気を
乾球温度95℃、湿球温度65℃として熱気加熱を行っ
てもよい。乾燥室1の雰囲気を乾球温度95℃、湿球温
度65℃としても木材Wの材温は80℃以上となるた
め、木材Wの表層部には粘弾性特性を持った状態でドラ
イングセットが形成される。このように乾球温度95
℃、湿球温度65℃として熱気乾燥を行うと、乾燥室1
の耐熱温度を乾球温度95℃湿球温度65℃に設定して
設計することができ、乾燥装置の低コスト化を図ること
ができるとともに、熱気乾燥に費やされるエネルギーを
少なくすることができる。
【0050】(6)第2実施形態は、第1乾燥工程P12
において、乾燥室1の雰囲気を乾球温度95℃、湿球温
度65℃として熱気加熱及び誘電加熱を併用した乾燥を
行っているが、これに限定されず、第1実施形態のよう
に乾燥室1の雰囲気を乾球温度120℃、湿球温度90
℃として熱気加熱及び誘電加熱を併用した乾燥を行って
もよい。乾燥室1の雰囲気を乾球温度120℃、湿球温
度90℃に保ち、熱気加熱と、誘電加熱とを併用するこ
とにより、第1乾燥工程P12の乾燥時間を更に短縮す
ることができる。
【0051】(7)第1、第2実施形態は、第2乾燥工程
P3、P13において、乾燥室1の雰囲気を乾球温度9
5℃、湿球温度65℃の低湿度にして熱気加熱及び誘電
加熱を併用した乾燥を行っているが、これに限定され
ず、内部割れが発生しにくい木材を乾燥する場合や木材
Wの使用目的から内部割れが生じてもかまわないような
場合は、乾球温度及び湿球温度を制御しない雰囲気下に
おいて木材Wに対して熱気加熱及び誘電加熱を併用した
乾燥を行ってもよい。
【0052】(8)第1、第2実施形態は、第2乾燥工程
P3、P13において、乾燥室1の雰囲気を高湿度にし
て木材Wの乾燥を行うことにより、第1乾燥工程P2、
P12で木材表層部に形成されたドライングセットを緩
和して、乾燥後期において生じる木材Wの内部割れを抑
制しているが、これに限定されることなく、例えば、第
2乾燥工程の開始時に木材Wを蒸煮処理することによ
り、木材Wの表層部に形成されるドライングセットを緩
和し、湿度制御しない雰囲気下で木材を乾燥してもよ
い。
【0053】(9)第1、第2実施形態は、第2乾燥工程
において、誘電加熱と熱気加熱とを併用した乾燥形態を
採用したが、これに限定されず、誘電加熱のみを行う態
様であってもよい。
【0054】
【実施例】次に、本発明に係る木材乾燥方法の効果を確
認するために行った試験について説明する。本試験は、
本発明に係る木材の乾燥方法と比較例としての複合乾燥
による木材の乾燥との木材に生じた割れ長さを測定し、
測定結果を対比することにより行った。
【0055】本発明に係る木材の乾燥方法は、初期重量
の異なる48本の木材に対して蒸煮処理、第1乾燥処
理、第2乾燥工程を順番に施すことにより行った。蒸煮
処理は12時間、第1乾燥処理は24時間、第2乾燥工
程は木材の平均含水率が15%となるまで行った。
【0056】一方、複合乾燥による木材の乾燥方法は、
初期重量の異なる48本の木材に対して、蒸煮処理、複
合乾燥を順番に施すことにより行った。蒸煮処理は12
時間、複合乾燥は木材の平均含水率が15%となるまで
行った。
【0057】木材の平均含水率の測定は、乾燥対象とさ
れた木材を全数、全乾法で測定して行った。
【0058】そして、測定対象となったそれぞれの木材
に生じた割れの長さを測定した。1本の木材には複数本
の割れが生じるが、各割れの長さを合計したものをその
木材に生じた累積割れ長さとした。測定にあたり、割れ
の長さ15cm以下のものは除外した。
【0059】なお、本試験に用いた木材は、いずれも長
さ3mのスギ芯持ち柱材を使用した。
【0060】図6(a)は、本発明に係る木材乾燥方法を
施したときの各木材に対する累積割れ長さを示したグラ
フであり、横軸は乾燥対象とされた48本の木材を初期
重量の軽いもの順に示しており、縦軸は各木材に対応す
る累積割れ長さを示している。図6(b)は、比較例に係
る木材の乾燥方法を施したときの各木材に対する累積割
れ長さを示したグラフであり、横軸は乾燥対象とされた
48本の木材を初期重量の軽いもの順に示しており、縦
軸は各木材に対応する累積割れ長さを示している。
【0061】図6(a)及び(b)のグラフから各乾燥
方法による累積割れ長さ比率を算出した。累積割れ長さ
比率は、以下のようにして算出した。まず、各木材の累
積割れ長さの合計値を求める。次いで、この合計値を木
材長300cmを4倍した値(1200)で割り除算値を
求める。この除算値を100倍した値を累積割れ長さ比
率とした。この計算を本発明に係る木材乾燥方法に適用
すると、累積割れ比率は3.8%と算出された。一方、
複合乾燥に適用すると、累積割れ長さ比率は15.2%
と算出された。本発明に係る木材の乾燥方法により、木
材の割れが大幅に減少した。
【0062】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、木材を高
温に加熱して乾燥するため、ドライングセットが形成さ
れた部分は、粘弾性を持つ状態となり、木材の乾燥初期
の過程で生じる木材表層部の引張応力に起因する割れを
抑制することができる。また、木材の乾燥後期の過程に
おいて木材表層部に生じる圧縮応力により、乾燥初期の
段階で若干生じた割れが閉じられ、閉塞効果を発揮する
ことができる。
【0063】請求項2記載の発明によれば、木材は、平
均含水率6%以下の低湿度雰囲気下で乾燥されるため、
木材表層部にドライングセットを形成することができ
る。
【0064】請求項3記載の発明によれば、誘電加熱と
熱気加熱とを併用して木材の材温を80℃以上の温度に
保ち第1乾燥工程を行うことが可能となり、この場合、
熱気加熱及び内部加熱双方の加熱に要するエネルギーを
低減することができる。また、誘電加熱と熱気加熱とを
併用して木材を高温に加熱した場合、熱気加熱のみで木
材を加熱する場合に比べて、雰囲気温度を低くして木材
の乾燥が行えるため、木材の変色、耐朽性、及び耐蟻性
の低下を防ぐことができるとともに、乾燥装置の耐熱設
計を低温に設定して行うことができ、乾燥装置の低コス
ト化を図ることができる。
【0065】請求項4記載の発明によれば、木材は第2
乾燥処理により木材中心部の含水率が30%以下となる
まで乾燥されるため、木材内部が収縮し、木材表面にお
いて生じる引張り応力を圧縮応力に転換し、いわゆる材
面割れの閉塞効果を発揮することができる。
【0066】請求項5記載の発明によれば、第2乾燥工
程は、ドライングセットを緩和する工程を含んでいるた
め、第1乾燥工程により木材表層部に形成されたドライ
ングセットが緩和され、内部割れを抑制することができ
る。
【0067】請求項6記載の発明によれば、乾燥処理の
より一層の高速化を図ることができる。
【0068】請求項7記載の発明によれば、第1乾燥工
程及び第2乾燥工程を実施する木材乾燥装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 木材乾燥装置の一実施形態を示す側面断面図
である。
【図2】 制御側から見た、一実施形態を示すブロック
図である。
【図3】 木材乾燥方法の第1実施形態に係るタイムス
ケジュールを示す図である。
【図4】 木材乾燥方法の第2実施形態に係るタイムス
ケジュールを示す図である。
【図5】 含水率と応力の関係を示す特性曲線図であ
る。
【図6】 サンプル木材に対する累積割れ長さを示す図
表であり、(a)は本発明に係る乾燥方法を施したとき
の累積割れ長さを示したものであり、(b)は比較例に係
る乾燥方法を施したときの累積割れ長さを示したもので
ある。
【符号の説明】
1 乾燥容器 2 ボイラ 21、22 蒸気配管 21a,22a 調整バルブ 221 放熱部 3 高周波発生部 30 高周波電源回路 31 高周波発生回路 32 整合回路 4 排気部 5 ドア 6 台車 7 電極部 71 陽極電極板 72、73 陰極電極板 9 ファン 10 制御部 101 高周波電源制御部 102 タイマ 103 整合制御部 104 湿度調整制御部 105 熱気供給制御部 106 記憶部 107 乾球温度計 108 湿球温度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 泰司 大阪市天王寺区上汐6丁目3番12号 山本 ビニター株式会社内 Fターム(参考) 2B230 AA15 EA21 EB12 3L113 AA03 AB02 AC05 AC12 AC67 BA05 CB07 CB23 CB24 DA24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低湿度の雰囲気下で少なくとも中温度以
    上の所定温度に保つようにして木材を木材表層部にドラ
    イングセットが形成されるまで乾燥する第1乾燥工程
    と、ドライングセットが形成された木材に対して、所定
    の含水率になるまで少なくとも誘電加熱により乾燥する
    第2乾燥工程とからなることを特徴とする木材の乾燥方
    法。
  2. 【請求項2】 第1乾燥工程は、平衡含水率6%以下に
    対応する所定の温度と湿度による雰囲気下で木材を乾燥
    して木材表層部にドライングセットを形成することを特
    徴とする請求項1記載の木材の乾燥方法。
  3. 【請求項3】 第1乾燥工程は、誘電加熱及び熱気加熱
    の少なくとも一方により木材の温度を80℃以上に加熱
    することを特徴とする請求項1又は2記載の木材の乾燥
    方法。
  4. 【請求項4】 第2乾燥工程は、木材中心部の含水率が
    30%以下となるまで乾燥することを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の木材の乾燥方法。
  5. 【請求項5】 第2乾燥工程は、ドライングセットを緩
    和する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の木材の乾燥方法。
  6. 【請求項6】 第2乾燥工程は、誘電加熱及び熱気加熱
    を併用して乾燥することを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれかに記載の木材の乾燥方法。
  7. 【請求項7】 容器内に収容された木材に乾燥処理を施
    す加熱装置と、容器内の湿度を調整する湿度調整装置
    と、各装置の動作を制御すると共に前記加熱装置に熱気
    加熱と誘電加熱とを行わせる制御部とを備えた木材乾燥
    装置であって、前記制御部は、容器内の雰囲気を低湿度
    とし、かつ少なくとも中温度以上の所定温度に制御しな
    がら木材に対して木材表層部にドライングセットが形成
    されるまで少なくとも熱気加熱による第1乾燥処理を施
    し、ドライングセットが形成された木材に対し、前記所
    定温度より低い温度の雰囲気に制御しながら所定の含水
    率になるまで少なくとも誘電加熱による第2乾燥処理を
    施すことを特徴とする木材乾燥装置。
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