JP2003112145A - 有機性廃棄物の嫌気性処理方法およびその装置 - Google Patents
有機性廃棄物の嫌気性処理方法およびその装置Info
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Abstract
を向上させることのできる嫌気性処理方法およびその装
置を提供することを第1の目的とし、嫌気性処理によっ
て生成する余剰汚泥の量を一層削減することのできる嫌
気性処理方法およびその装置を提供することを第2の目
的とする。 【解決手段】 有機性廃棄物を嫌気性処理する方法にお
いて、有機性廃棄物に嫌気性処理を施す工程、前記嫌気
性処理によって生成する処理汚泥の全部または一部を改
質処理する工程、前記改質された汚泥を固液分離する工
程、前記固液分離された汚泥の液状成分を前記嫌気性処
理工程に返送する工程、を含んで操業する。
Description
(2)畜産糞尿、(3)下水汚泥、(4)浄化槽汚泥、
(5)産業廃棄物を生物学的処理した汚泥などの有機性
廃棄物の嫌気性処理方法およびその装置に関するもので
ある。
場合や固形分を含む場合が多いことから、嫌気性微生物
を用いて該有機性廃棄物を分解する嫌気性処理が適して
いると言われている。嫌気性処理は嫌気性消化法と呼ば
れており、メタノバクテリウム等の嫌気性微生物によっ
てメタンガスが生成され、該ガスを資源として回収・利
用することができる。
などの有機化合物が有機酸にまで分解していく酸発酵過
程である前段と、該有機酸が分解してメタンガスを発生
するメタン発酵過程である後段とに分けられる。そし
て、有機性廃棄物中に含まれる酢酸、蟻酸などの有機酸
は勿論のこと、メタノール、単糖類、アミノ酸、低級脂
肪酸などの比較的分子量の少ない有機化合物も容易に有
機酸となって、メタン発酵過程に進む。しかしながら、
たんぱく質、セルロース、脂質、菌体など分子量が多く
複雑な構造の有機化合物は、多くの微生物や酵素が関与
して前述の分解し易い有機酸に変化していくため、通常
の嫌気性分解では汚泥中有機化合物の内、分解可能な物
質全てがメタン発酵過程まで達するのに長い時間が必要
となり、処理効率が悪いという欠点がある。
せる技術が種々提案されている。例えば、特許第272962
4号には、有機性汚泥を嫌気性消化後に可溶化処理を施
す方法が提案されており、これを図面を用いて説明す
る。
概略説明図であり、1は消化タンク、2は沈降槽、3は可
溶化槽である。供給汚泥aが消化タンク1に投入され、嫌
気性消化が行なわれて易分解性有機分の反応を行なう。
嫌気性消化によって生成したガスdは、経路4を介して回
収されると共に、嫌気性消化した後の汚泥は沈降槽2に
送られる。沈降槽2では、消化汚泥bと脱離液cに沈降分
離され、消化汚泥bの一部は余剰汚泥として経路6から系
外に排出される。また、脱離液cは経路7から系外に排出
される。さらに、生成したガスdは経路5を介して回収さ
れる。
可溶化槽3に供給され、可溶化処理を施された後、経路9
を介して消化タンク1に返送される。この技術では、可
溶化処理によって消化汚泥b中の難分解性有機化合物を
低分子化して、後の消化タンク1における有機分分解率
やガス発生量を増加している。
く処理できるものの、系外に排出される余剰汚泥の減量
化についてはほとんど検討されていなかった。すなわ
ち、系外に排出された余剰汚泥は、脱水性が悪いので乾
燥や焼却などの処理が困難であり、手間と費用がかかる
という問題が生じるが、この点について考慮されていな
かった。余剰汚泥の処理方法としては、そのまま埋立や
海洋投棄する方法があるが、埋立可能地を確保すること
は困難であるし、また海洋投棄についても環境汚染の問
題が指摘されている。
況に鑑みてなされたものであって、その目的は、嫌気性
処理における有機性廃棄物の処理効率を向上させること
のできる嫌気性処理方法およびその装置を提供すること
にある。
よって生成する余剰汚泥の量を一層削減することのでき
る嫌気性処理方法およびその装置を提供することにあ
る。
のできた本発明の有機性廃棄物の嫌気性処理方法とは、
有機性廃棄物を嫌気性処理する方法において、有機性廃
棄物に嫌気性処理を施す工程、前記嫌気性処理によって
生成する処理汚泥の全部または一部を改質処理する工
程、前記改質された汚泥を固液分離する工程、前記固液
分離された汚泥の液状成分を前記嫌気性処理工程に返送
する工程、を含む点に要旨を有し、前記嫌気性処理によ
って生成する処理汚泥を濃縮し、該濃縮された汚泥の一
部または全部を改質処理することが好ましい。
発明の他の有機性廃棄物の嫌気性処理方法とは、有機性
廃棄物を嫌気性処理する方法において、有機性廃棄物に
嫌気性処理を施す第1嫌気性処理工程、前記第1嫌気性
処理によって生成する処理汚泥の全部または一部を改質
処理する工程、前記改質された汚泥を固液分離する工
程、前記固液分離された汚泥の液状成分を第2嫌気性処
理工程に送る工程、を含む点に要旨を有し、前記第1嫌
気性処理によって生成する処理汚泥を濃縮し、該濃縮さ
れた汚泥の一部または全部を改質処理することが好まし
い。
有機性廃棄物の嫌気性処理装置とは、有機性廃棄物を嫌
気性処理する装置において、有機性廃棄物に嫌気性処理
を施す嫌気性処理槽、前記嫌気性処理槽で生成する処理
汚泥の全部または一部を改質する改質槽、前記改質され
た汚泥を固液分離する固液分離槽、前記固液分離された
汚泥の液状成分を前記嫌気性処理槽に返送する手段、を
含む点に要旨を有し、前記嫌気性処理槽で生成する処理
汚泥を濃縮する濃縮槽と、該濃縮された汚泥の一部また
は全部を前記改質槽に送る手段、を備えることが好まし
い。
発明の他の有機性廃棄物の嫌気性処理装置とは、有機性
廃棄物を嫌気性処理する装置において、有機性廃棄物に
嫌気性処理を施す第1嫌気性処理槽、前記嫌気性処理槽
で生成する処理汚泥の全部または一部を改質する改質
槽、前記改質された汚泥を固液分離する固液分離槽、前
記固液分離された汚泥の液状成分を第2嫌気性処理槽に
送る手段、を含む点に要旨を有し、前記第1嫌気性処理
槽で生成する処理汚泥を濃縮する濃縮槽と、該濃縮され
た汚泥の一部または全部を前記改質槽に送る手段、を備
えることが好ましい。
気性細菌によって分解されるものを指し、具体的には、
厨芥や畜産糞尿、下水汚泥、浄化槽汚泥、産業廃棄物を
生物学的処理した汚泥などである。
べく、様々な角度から検討した。その結果、有機性廃棄
物を嫌気性処理した後に改質処理を施し、該改質した汚
泥を固液分離して、該固液分離された固形成分を余剰汚
泥として系外へ排出すると共に、液状成分に対してさら
に嫌気性処理を施す様に操業すると、嫌気性処理の処理
効率を向上させることができることを見出し、本発明を
完成した。
用いて詳しく説明するが、下記に示す構成は本発明を限
定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に基づいて
設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含ま
れるものである。
式的に示した概略説明図である。図2(a)中20は嫌気性
処理槽、21は改質槽、22は固液分離槽を示している。有
機性廃棄物Aが嫌気性処理槽20に供給されると、嫌気性
処理槽20中に存在する嫌気性細菌によって有機性廃棄物
が有機酸に分解された後、メタンガスや二酸化炭素、水
素、水などに分解される(これら分解された固形分及び
液状成分を総称して「処理汚泥B」とする)。生成した
ガスは、経路30を介してガスGとして回収され、メタン
ガスと二酸化炭素などに分離された後、該メタンガスは
マイクロガスタービンやボイラーなどの燃料に利用され
る(図示しない)。
Bは、改質槽21に送られて改質処理が施こされる。本発
明において改質処理とは、熱処理あるいは熱処理と酸ま
たはアルカリ処理、微細化処理などを組合わせたもの、
超音波処理、オゾン処理、放電処理などを指し、これら
の処理によって有機性廃棄物が低分子化すると共に、細
胞壁などが破壊されて細胞内の成分が溶出し、可溶化さ
れる。そして、これらの成分は嫌気性細菌のメタン生成
源となる。また、本発明で熱処理を施す場合は、改質槽
21内の温度を100℃以上、好ましくは140℃以上、210℃
以下、好ましくは200℃以下にすることが推奨される。
この理由は、改質槽21内の温度が100℃未満では、可溶
化による分解が効率的に起こらず、一方、210℃を超え
ると生物分解を浮け難い高分子物質などのメタン発酵に
不適な物質が発生するからである。
固液分離槽22に送られ、液状成分Dと固形成分Zに分離さ
れる。そして、液状成分Dは前記嫌気性処理槽20に返送
され、再び嫌気性処理が施される。すなわち、改質槽21
で低分子化・可溶化されている該液状成分Dには、嫌気
性細菌が作用しやすいので、処理効率が向上するのであ
る。また、返送された液状成分Dは、嫌気性処理槽20に
おいて種汚泥にもなるので、これによっても処理効率が
向上するのである。
らの改質汚泥Cを固液分離する点と、該固液分離された
うち液状成分Dを嫌気性処理槽20に返送する点にあると
いえる。
性処理槽20に供給される有機性廃棄物Aには、嫌気性細
菌が分解することのできない物質(例えばプラスチック
や金属片など)が含まれていることが多いことが分かっ
た。そして、このような物質に、嫌気性処理や改質処理
を施したとしても、一向にその形態を変えることはな
く、余剰汚泥として系外に排出されるまで処理装置内を
循環することとなる。すなわち、改質槽21から返送され
る改質汚泥Cには難分解性物質も含まれており、該物質
が嫌気性処理槽20に返送されたとしても、嫌気性細菌に
よって分解されず、嫌気性処理槽20の容積を圧迫するだ
けであり、結果的に有機性廃棄物の処理効率を低下させ
るのである。そこで、本発明の様に、改質槽21で改質さ
れた改質汚泥Cを固液分離し、該固液分離された固形成
分Zを系外に排出することによって、嫌気性処理槽20に
返送される難分解性物質を削減することができ、嫌気性
処理槽20での処理効率を向上させることができる。
泥Bの全部を改質槽21に送ることが好ましい。すなわ
ち、従来の技術では、図1に示した様に可溶化槽3に供給
される前の汚泥を余剰汚泥として系外へ排出していた
が、本発明者らが検討した結果、前記余剰汚泥中には可
溶化処理を施すことによって未だ嫌気性処理され得るこ
とがわかった。従って、このような嫌気性処理が可能な
汚泥を余剰汚泥として系外に排出すると、貴重なガス生
成源を排出していることになるのである。一方、本発明
でも改質処理後の汚泥中に存在する固形成分を系外に排
出しているが、この様な固形成分中には、嫌気性細菌に
よるガス生成源は殆ど含まれないと考えられるので、メ
タンガスの回収率を低くすることはない。
に応じて、処理汚泥Bの一部を処理汚泥B’として系外へ
排出しなければならない場合があるが、この場合でも、
本発明では嫌気性処理効率を向上させることができる。
すなわち、余剰汚泥発生量が従来と同じ量であっても、
本発明ではメタン発酵不適物を優先的に系外へ排出して
いるので、メタン発生量は従来よりも増加するのであ
る。
気性処理によって生成する処理汚泥を濃縮し、該濃縮さ
れた汚泥を改質処理することが好ましい。すなわち、図
2(b)に示すように、嫌気性処理槽20で嫌気性処理した
処理汚泥Bを、濃縮槽23に供給して、脱離液Eと濃縮汚泥
Fを生成する。脱離液Eの主成分は水であるので、ガスの
発生源となる成分はほとんど含まれておらず、系外へ排
出される。尚、排出の際に必要であれば、放流先の排出
基準に従ってさらに硝化脱窒槽を設けて処理が施された
り、オゾン処理等が施せば良い。また、嫌気性処理槽20
や濃縮槽23において発生するガスGは、経路30を介して
回収する。
述した様に改質処理された後、固液分離し、液状成分D
が嫌気性処理槽20に返送される。このように、処理汚泥
Bを濃縮することによって、改質槽21で改質処理を施す
汚泥量を低減することができ、改質効率を向上させるこ
とができるのである。
に送ることが好ましく、これによって嫌気性処理の処理
効率を向上させることができると共に、余剰汚泥量を削
減することができる。つまり、従来の様に、濃縮汚泥を
系外へ排出した場合、ガス生成源となる成分も系外へ排
出されるが、本発明の様に、濃縮汚泥を改質処理後固液
分離することによって、難分解性物質のみを系外へ排出
することができるのである。
あるので、濃縮汚泥Fの一部を余剰汚泥F'として系外へ
排出しなければならない場合があるが、この場合でも本
発明の効果は十分に得ることができる。すなわち、本発
明によれば、固液分離槽22で分離される固形成分Zが余
剰汚泥として系外へ排出されているので、余剰分として
濃縮汚泥F'を排出しなければならない量は従来よりも少
なくてすむのである。
処理汚泥や嫌気性処理後濃縮した濃縮汚泥を系外へ排出
していたが、このような汚泥は含水率が非常に高いので
汚泥の容積が大きくなるという問題があった。また、余
剰汚泥の含水率や粘度が非常に高いので脱水が困難であ
ることも周知の問題である。本発明では、上述した通
り、余剰汚泥として系外へ排出する嫌気性処理後の処理
汚泥や嫌気性処理後濃縮した濃縮汚泥の量を低減するこ
とができるので、上記の様な問題を解決することができ
る。
面を用いて説明する。図3は、本発明に係る装置の他の
構成例を模式的に示した概略説明図であり、嫌気性処理
槽を2つ備えた場合を示している。図2と対応する部分に
は同一の符号を付して重複説明を避ける。
気性処理槽20で処理された処理汚泥Bを改質槽21に供給
して改質後、改質汚泥Cを固液分離槽22で液状成分Dと固
形成分Zに分離している。そして、図3(a)では、前記
液状成分Dを第2嫌気性処理槽24に供給する。すなわち、
改質汚泥Cのうち、難分解性物質を固形成分Zとして除い
た液状成分Dを、第2嫌気性処理槽24に供給することによ
って、第2嫌気性処理槽24には難分解物質が存在しない
ので、嫌気性処理が効率良く行えるのである。第2嫌気
性処理槽24で処理された汚泥は、適当な処理が施された
後系外へ排出される。尚、第1嫌気性処理槽および第2嫌
気性処理槽では、異なる嫌気性菌を用いても良いが、実
質的に同じ嫌気性菌を用いても良い。また、必要に応じ
て、液状成分Dの一部を第1嫌気性処理槽20に種汚泥とし
て返送することもできる。
に、第1嫌気性処理槽20からの処理汚泥を濃縮槽23で濃
縮した後、該濃縮汚泥を改質槽21に送ることが好まし
い。この濃縮によって、改質槽21における改質効率がさ
らに向上する。
理する際に好適に使用することができるが、中でも厨芥
はプラスチックや金属片などを含む場合が多いので、厨
芥を処理する場合に特に効果を発揮する。
れず、メタノバクテリウムなどを利用することができ
る。
を液状成分と固形成分に分離できる手段であれば特に限
定されず、遠心分離や膜分離などが例示される。
度を高め、液状成分と固形成分が混在した汚泥、言いか
えるとスラリー状に生成できるものであれば特に限定さ
れず、沈澱法や重力濃縮、浮上濃縮、遠心分離、膜分離
などが例示される。
つ設けた場合で説明したけれども、嫌気性処理槽の数は
特に限定されず3つ以上設けることも可能である。
説明する。
汚泥を固液分離して固形成分を系外へ排出すると共に、
液状成分を嫌気性処理槽に返送した場合(本発明例)
と、改質処理後の改質汚泥を全部嫌気性処理槽に返送し
た場合(比較例)における、ガス発生量をバッチ式実験
によって測定比較した。
を、8Lの嫌気性処理槽に1日1回添加して、60日間運転し
て処理汚泥を調整した。これを遠心分離機で約2倍の濃
度となる様に濃縮した。濃縮汚泥を改質槽であるオート
クレーブを用いて170℃で30分間改質処理を施し、放冷
したものを改質汚泥とした。
分間)を用いて、液状成分と固形成分に固液分離した。
分離された液状成分と固形成分に、夫々蒸留水を加えて
容積が500mLとなる様に調整した。
ら採取した種汚泥60mLと下記〜の何れかを混合し、
36℃で8日間嫌気性処理を行なって発生したガス量を測
定した。結果を表1に示す。尚、下記は種汚泥から生
成したガス量を測定するために実験を行ない、表1には
種汚泥から生成したガス量を引いた計算結果を示した。 改質汚泥の液状成分20mL 改質汚泥の固形成分20mL 固液分離していない改質汚泥20mL 蒸留水20mL
成分+固形成分)から発生するガスの全量の内、約85%
は改質汚泥の液状成分から発生していることが分かる。
すなわち、改質汚泥中の固形成分を嫌気性処理したとし
ても、処理の割には回収されるガス量が少なく、処理効
率が悪いことが示唆される。
定して行なうには、嫌気性処理槽に返送される汚泥量
が、嫌気性処理槽から排出された汚泥量の約80%以下で
あることが好ましいことが知られている。従って、従来
例の様に濃縮汚泥の約20%以上を余剰汚泥として系外へ
排出した場合は、改質槽に送られる濃縮汚泥は約80%以
下となる。つまり、系外へ排出された余剰汚泥からはガ
スを回収することはできないので、ガス回収率は濃縮汚
泥全体に対して80%以下となる。一方、本発明例では、
濃縮汚泥の全部が改質された後、固形成分のみが系外へ
排出されるので、表1の結果からガス回収率は濃縮汚泥
全体に対して85%以上となる。従って、本発明例の方が
ガス回収効率を向上させることができる。
を固液分離して液状成分を嫌気性処理槽に返送した場合
と、改質処理後の改質汚泥を全部嫌気性処理槽に返送し
た場合における、余剰汚泥量、メタンガスの生成量、有
機性廃棄物の分解率、について連続実験を行なって検討
した。
芥を嫌気性処理槽20に2.0kg/m3・dの割合で添加した。
嫌気性処理槽20の実容積は8Ltr.であり、槽内温度は36
℃である。また、液体が嫌気性処理槽に滞留する平均滞
留時間は20日間である。
を嫌気性処理槽20から濃縮槽23(遠心分離機を用いた)
に送り、約2倍に濃縮した。濃縮後、脱離液Eは200mL/d
の割合で系外へ排出される。一方、濃縮汚泥Fは、200mL
/dの割合で改質槽21(オートクレーブを用いた)に送
り、170℃で30分間可溶化処理を施した。可溶化率は50
%である。尚、可溶化率とは固形分の減少率を意味す
る。可溶化処理後の汚泥Cを固液分離槽22(遠心分離機
を用いた)で9000rpm、15分間固液分離し、固形成分Zは
系外に排出し、液状成分Dは嫌気性処理槽20に返送し
た。この場合、嫌気性処理槽20内の汚泥濃度は1.8%と
なる。
嫌気性処理槽20から濃縮槽23に送り、約2倍に濃縮し
た。濃縮後、脱離液Eは200mL/dの割合で系外へ排出され
る。一方、濃縮汚泥のうち、濃縮汚泥F’は50mL/dの割
合で系外へ排出すると共に、濃縮汚泥Fは150mL/dの割合
で改質槽21に送り、170℃で30分間可溶化処理を施し
た。可溶化率は50%である。可溶化処理後の汚泥Cを嫌
気性処理槽20に返送した。この場合、嫌気性処理槽20内
の汚泥濃度は2.2%となる。
において、系外へ排出される余剰汚泥量について比較し
た結果を表2に示す。
余剰汚泥は、上記固形成分Zであるのでその量は9mL/dで
あったが、比較例では濃縮汚泥F’であるので、その量
は50mL/dであった。従って、本発明の方が従来よりも余
剰汚泥量を削減することができる。
を測定した結果、比較例における濃縮汚泥F’の含水率
は約80%であったが、本発明例における固形成分Zの含
水率は約60%であった。すなわち、本発明では、改質処
理によって濃縮汚泥が低分子化されており、その後固液
分離しているので脱水率が向上したと考えられる。
理槽20において生成するメタンガス(濃縮槽23から若干
生成するメタンガスを含む)の生成量を比較した。結果
を表2に示す。尚、VTSとは揮発性固形分を意味し、500
℃において揮発する物質をVTSとする。
ガスの生成量が420.0mL/g-VTSであったが、本発明例で
は451.5mL/g-VTSであり、従来よりも約7.5%生成量が増
加した。すなわち、本発明では、嫌気性処理におけるガ
ス生成源を余剰汚泥として系外へ排出していないので、
該生成源を無駄にすることなく有機性廃棄物を処理する
ことができることがわかる。
例と比較例における有機性廃棄物(厨芥)の分解率を計
算した。結果を表2に示す。尚、有機性廃棄物の分解率
は下記式を用いて算出した。
留する時間を20日間とした場合、従来の方法では有機性
廃棄物の分解率は約80%であったが、本発明の方法では
系外へ排出する余剰汚泥量を低減することができるの
で、分解率は約86%となり向上させることができる。
処理槽に存在する難分解性物質を低減することができる
ので、有機性廃棄物を嫌気性処理する際の処理効率を向
上することのできる嫌気性処理方法およびその装置を提
供することができる。また、本発明によると、系外に排
出される余剰汚泥の量を一層削減することのできる嫌気
性処理方法およびその装置を提供することができる。
る。
た概略説明図である。
した概略説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 有機性廃棄物を嫌気性処理する方法にお
いて、 有機性廃棄物に嫌気性処理を施す工程、 前記嫌気性処理によって生成する処理汚泥の全部または
一部を改質処理する工程、 前記改質された汚泥を固液分離する工程、 前記固液分離された汚泥の液状成分を前記嫌気性処理工
程に返送する工程、を含むことを特徴とする有機性廃棄
物の嫌気性処理方法。 - 【請求項2】 前記嫌気性処理によって生成する処理汚
泥を濃縮し、該濃縮された汚泥の一部または全部を改質
処理することを特徴とする請求項1に記載の有機性廃棄
物の嫌気性処理方法。 - 【請求項3】 有機性廃棄物を嫌気性処理する方法にお
いて、 有機性廃棄物に嫌気性処理を施す第1嫌気性処理工程、 前記第1嫌気性処理によって生成する処理汚泥の全部ま
たは一部を改質処理する工程、 前記改質された汚泥を固液分離する工程、 前記固液分離された汚泥の液状成分を第2嫌気性処理工
程に送る工程、を含むことを特徴とする有機性廃棄物の
嫌気性処理方法。 - 【請求項4】 前記第1嫌気性処理によって生成する処
理汚泥を濃縮し、該濃縮された汚泥の一部または全部を
改質処理することを特徴とする請求項3に記載の有機性
廃棄物の嫌気性処理方法。 - 【請求項5】 有機性廃棄物を嫌気性処理する装置にお
いて、 有機性廃棄物に嫌気性処理を施す嫌気性処理槽、 前記嫌気性処理槽で生成する処理汚泥の全部または一部
を改質する改質槽、 前記改質された汚泥を固液分離する固液分離槽、 前記固液分離された汚泥の液状成分を前記嫌気性処理槽
に返送する手段、を含むことを特徴とする有機性廃棄物
の嫌気性処理装置。 - 【請求項6】 前記嫌気性処理槽で生成する処理汚泥を
濃縮する濃縮槽と、該濃縮された汚泥の一部または全部
を前記改質槽に送る手段、を備える請求項5に記載の有
機性廃棄物の嫌気性処理装置。 - 【請求項7】 有機性廃棄物を嫌気性処理する装置にお
いて、 有機性廃棄物に嫌気性処理を施す第1嫌気性処理槽、 前記嫌気性処理槽で生成する処理汚泥の全部または一部
を改質する改質槽、 前記改質された汚泥を固液分離する固液分離槽、 前記固液分離された汚泥の液状成分を第2嫌気性処理槽
に送る手段、を含むことを特徴とする有機性廃棄物の嫌
気性処理装置。 - 【請求項8】 前記第1嫌気性処理槽で生成する処理汚
泥を濃縮する濃縮槽と、該濃縮された汚泥の一部または
全部を前記改質槽に送る手段、を備える請求項7に記載
の有機性廃棄物の嫌気性処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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