JP2003110247A - 多層回路基板及びその製造方法 - Google Patents

多層回路基板及びその製造方法

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JP2003110247A
JP2003110247A JP2001300762A JP2001300762A JP2003110247A JP 2003110247 A JP2003110247 A JP 2003110247A JP 2001300762 A JP2001300762 A JP 2001300762A JP 2001300762 A JP2001300762 A JP 2001300762A JP 2003110247 A JP2003110247 A JP 2003110247A
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glass layer
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Kenichirou Morishige
憲一郎 森茂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層回路基板の周囲におけるカケやクラック
の発生を抑えるとともに、大きな曲げ荷重が作用した場
合においても割れや破壊を招くことない多層回路基板及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 絶縁層1a〜1eを積層してなる積層基
板1の各絶縁層1a〜1e間に内部配線層2を、基板1
の表面に表面配線層4を形成するとともに、各絶縁層1
a〜1eに各内部配線層2、表面配線層4を接続するビ
アホール導体3を形成してなる多層回路基板10におい
て、積層基板1の表面の外周に、その全部または一部が
積層基板1に埋設されたガラス層6を周設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層回路基板及び
その製造方法に関するものであり、特に落下試験に対す
る基板の強度及び抗折強度を向上させた多層回路基板に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、多層回路基板は、複数の絶縁
層からなる積層基板の各層間に内部配線層を、各絶縁層
の厚み方向にビアホール導体を夫々形成し、表面(一方
の表面)に、ICチップや各種チップ状電子部品を搭載
するための表面配線層やキャビティが形成されており、
裏面(他方の表面にグランド電極や外部出力電極などが
形成されていた。
【0003】また、積層基板の各絶縁層には、内部配線
層間を接続したり、また、内部配線層と表面配線層とを
接続したりするためのビアホール導体が形成されてい
た。尚、ビアホール導体については、上述の所定回路網
を形成する以外に、例えば、多層回路基板にICチップ
が収容しえるキャビティを設け、このキャビティ内のI
Cチップで発生する熱が多層回路基板外に放出するビア
ホール導体を形成しても構わない。
【0004】また、多層回路基板の表面には、上述の表
面配線層やこの表面配線層の一部を露出させて、オーバ
ーコートガラス層が形成されている。そして、このオー
バーコートガラス層から露出した部位に各種電子部品な
どを実装していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
多層回路基板は、携帯通信装置等に用いられることがあ
り、その過度の使用による落下衝撃に耐えることが望ま
れている。しかし、どのように過度の環境でも耐え得る
ように、多層回路基板を落下試験を施すものの、その結
果、多層回路基板の表面の稜線部分でクラックが発生し
やすい。特に、このクラックが表面配線層の形成部分に
まで到達すると、回路動作に悪影響をあたえ致命的な欠
陥が発生してしまう。
【0006】また、多層回路基板をマザーボードに実装
した状態で、マザーボードから多層回路基板に大きな曲
げ荷重が作用した場合、割れや破壊が発生するという問
題点もあった。特に、近年の多層回路基板は小型化が希
求され、低背化が著しい。その結果、多層回路基板の厚
みも薄くなり、これらの問題点は顕著であった。
【0007】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出され
たものであり、その目的には、多層回路基板の周囲にお
けるカケやクラックの発生を抑えるとともに、大きな曲
げ荷重が作用した場合においても割れや破壊を招くこと
なく多層回路基板を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁層を積層
して成る積層基板の各絶縁層間に内部配線層を、前記積
層基板の表面に表面配線層を各々形成するとともに、前
記各絶縁層に前記内部配線層、表面配線層を接続するビ
アホール導体を形成してなる多層回路基板である。そし
て、積層基板の表面の外周にガラス層を周設させるとと
もに、少なくともその一部を前記積層基板に埋設させた
多層回路基板である。
【0009】また、ガラス層は、前記積層基板の表面か
ら1〜50μmの深さで埋設されている。
【0010】さらに、複数の回路基板領域を有し、且つ
少なくとも内部配線層となる導体膜が形成された絶縁層
となるグリーンシートと、複数の回路基板領域を有し、
且つ少なくとも表面配線層となる導体膜が形成された最
外層の絶縁層となるグリーンシートとを積層圧着した
後、焼成処理するとともに、得られた大型多層基板を各
回路基板領域毎に分離する多層回路基板の製造方法にお
いて、前記最上層の絶縁層となるグリーンシート上で隣
接しあう回路基板領域に跨がるようにガラス層となるガ
ラス塗膜を被着形成し、該ガラス塗膜の少なくとも一部
を前記積層圧着により前記最上層の絶縁層となるグリー
ンシートに埋設した多層回路基板の製造方法である。
【0011】
【作用】本発明の多層回路基板によれば、ガラス層の全
部または一部が積層基板に埋設されているため、ガラス
層及びガラス層によって押しつぶされた絶縁層部分での
嵩密度が高くなる。従って、多層回路基板の表面の稜線
部分の機械的強度が向し、この部分でのクラック、欠け
を有効に抑えることができる。従って、強い落下衝撃等
に耐えることが可能となる。
【0012】また、多層回路基板をマザーボードに実装
した状態でマザーボードから多層回路基板に大きな曲げ
荷重が作用した場合でも、多層回路基板の周辺を起点と
して割れや破壊が発生しようとする。この時にも、多層
回路基板の周辺のガラス層及びガラス層に埋設された絶
縁層の嵩密度が高くなることにより、割れや破壊を防ぐ
ことができる。
【0013】また、ガラス層は積層基板の表面から1〜
50μmの深さで埋設されている。上記多層回路基板の
周囲におけるカケやクラックの発生をさらに効果的に抑
えるとともに、抗折強度をさらに効果的に向上させるこ
とができる。尚、埋設深さが1μm未満では、耐落下衝
撃性が悪化するとともに、抗折強度が低下してしまい、
埋設深さが50μmを越えると製造工程の焼成中におい
て最外層のグリーンシートと第2層目のグリーンシート
とで、密度が大きくかけ離れ、その結果、絶縁層のデラ
ミネーションが発生してしまう。
【0014】また、本発明の多層回路基板の製造方法に
よれば、絶縁層の各回路基板領域の外周部に未焼成状態
の周辺ガラス層を被着形成後、該絶縁層を積層、熱圧着
して得られた大型多層基板を焼成処理し、該大型多層回
路基板を各領域に分離して成る。従って、通常の大型多
層回路基板と実質的に同種の工程により達成でき、しか
も分離した後の多層回路基板の分離端面に沿って、周辺
ガラス層を容易に形成できる。さらに、周辺ガラス層を
被着形成後、該絶縁層を熱圧着するため、ガラス層の全
部または一部が積層基板にめり込むことにより、ガラス
層及びガラス層に押しつぶされた絶縁層の密度が高くな
り、多層回路基板の周囲におけるカケやクラックの発生
を抑えるとともに、大きな曲げ荷重が作用した場合にお
いても割れや破壊を招くことなくなる。また、ガラス層
となるガラス塗膜を塗布する以外に製造方法が変わるこ
とがなく、量産性を悪化させることがない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の多層回路基板及び
その製造方法を図面に基づいて説明する。
【0016】図1は、本発明に係る多層回路基板の外観
斜視図である。図2は、図1の多層回路基板の断面図で
ある。図3は、図1の多層回路基板の平面図及び正面図
である。図4は、図1の多層回路基板が抽出される大型
多層回路基板の断面図である。
【0017】図において、10は多層回路基板、1は積
層基板、2は内部配線層、3はビアホール導体、4は表
面配線層、5は回路構成部品、6はガラス層、7は分離
線、11は大型多層回路基板である。
【0018】以下、多層回路基板10について詳細に説
明する。
【0019】積層基板1を構成する絶縁層1a〜1e
は、1層あたり例えば50〜300μm程度の厚みを有
し、その材質としては、セラミック材料、低温焼成化が
可能な酸化物、低融点ガラス材料などが用いられる。具
体的には、セラミック材料としては、例えばAl23
BaO−TiO2系、CaO−TiO2系、MgO−Ti
2系などが、また低温焼成化が可能な酸化物として
は、例えばBiVO4、CuO、Li2O、B23などが
選ばれる。
【0020】絶縁層1a〜1eの各層の厚み方向に貫く
ビアホール導体3が形成されている。また、絶縁層1a
〜1eの層間には、容量を形成する容量電極、インダク
タンス成分を形成する導体、ストリップ線路を形成する
導体など所定回路網を形成する内部配線層2が形成され
ている。
【0021】また、絶縁層1aの表面には、回路構成部
品5を搭載するための電極パッドや外部回路と接続する
接続端子を含む表面配線層4が形成されている。また、
表面配線層4の一部には、半田などの導電性接着材の広
がりを防止し、機械的な保護し、さらに耐湿性保護をか
ねたオーバーコートのガラス層が被着形成されている。
尚、この表面配線層4とは積層基板1の裏面や端面にお
いて、外部のマザーボードと接続するための外部端子電
極を含む。
【0022】そして、表面配線層4、ビアホール導体
3、内部配線層2は、所定回路網を構成すべく、互いに
接続されている。また、これらの導体は、Ag系(Ag
単体又はAg−Pd、Ag−PtなどのAg合金)や、
Cu系(Cu単体又はCu合金)を主成分とする導体膜
(導体)が用いられる。
【0023】回路構成部品5は、積層セラミックコンデ
ンサ、チップ抵抗器、SAW素子、インダクタンス素
子、半導体素子など各種電子部品が例示される。
【0024】本発明では多層回路基板10の表面の稜線
部分、即ち、多層回路基板10の端面に沿ってガラス層
6が周設されている。また、このガラス層6は、一部ま
たは全部が積層基板1に埋設されている。即ち、ガラス
層6の一部が埋設されているとは、逆に、ガラス層6の
表面側が積層基板1の外周部分で突出していることにな
る。また、ガラス層6は、図1に示すように多層回路基
板10の外周の全周において連続して形成されている
が、途中で分断して断続的に形成してもよい。
【0025】このガラス層6の材料は、例えば、表面配
線層4の一部を覆うオーバーコートのガラス層と同一の
材料(固形成分が同一)によって形成してもよく、ま
た、基板材料を構成するガラス成分と同一の材料によっ
て形成してもよい。要は、絶縁層1a〜1eの焼成にあ
たり、絶縁層1aの焼結挙動を大きく変動させないガラ
ス材料であればよく、ホウ珪酸系ガラス材料やその他の
低融点ガラス材料が例示できる。
【0026】ここで、ガラス層6は、積層基板1の表面
からの厚み(以下、突起量)t1が0〜50μmとなっ
ている。即ち、0μmとは、ガラス層6が完全に埋設さ
れている状態を示している。また、積層基板1に埋設さ
れる深さ(以下、埋設深さ)t2が1〜50μmの範囲
が好ましい。そして、ガラス層6の幅w寸法は、このガ
ラス層6が沿う部分の積層基板1の辺の長さに対して、
1%〜20%となっている。例えば、積層基板1のある
辺の長さが20mmの場合、その辺に沿って周設される
ガラス層6の幅wは、0.2〜4mmの幅である。
【0027】尚、突起量t1が50μmより大きい場
合、ガラス層6と積層基板1を一体焼成する際に、ガラ
ス層6と積層基板1との間でデラミネーションが発生す
ることがある。また、埋設深さt2が1μm未満である
場合、ガラス層6が積層基板1に埋設さられた効果がほ
とんど得られない。一方、埋設深さt2が50μmより
大きい場合、ガラス層6と積層基板1を一体焼成する際
に、積層基板1の絶縁層1aと絶縁層1bとの間のデラ
ミネーションが発生する。
【0028】また、ガラス層6の幅wが小さくなると、
例えば、後述する大型多層回路基板から各回路基板領域
を分離、切断した時、ガラス層6となる塗膜の印刷ず
れ、最外層となる絶縁層1aの積層ずれなどにより安定
して形成されない。このため、ガラス層6の幅wの下限
は、基板の辺の長さに対して1%以上、好ましくは5%
以上であることが望ましい。また、ガラス層6の幅wが
大きくなると、他の表面配線層4などを形成する領域に
まで延出することになり、高密度実装された多層回路基
板は得られない。尚、ガラス層6の幅wの上限は、基板
の辺の長さに対して20%以下、好ましくは10%以下
であることが望ましい。
【0029】このような多層回路基板10は、図4に示
す複数の多層回路基板10が抽出できる大型多層回路基
板11から切断または分割して分離して製造される。
【0030】図4においては、大型多層回路基板11に
おいて、点線領域に示すガラス層6となる塗膜は、上述
の大型多層回路基板11の切断または分割する分離線
(分割溝の場合には、大型多層回路基板11上に現れ、
切断線の場合は大型多層回路基板11上に現れない)7
に跨がって形成され、最終的には、この分離線7に沿っ
て、ガラス層6が多層回路基板10とともに一体的切断
または分割されることになる。
【0031】これにより、分離された多層回路基板10
の端面に沿って、ガラス層6が周設されることになる。
【0032】このような多層回路基板10は、詳細には
以下のような製造方法により形成される。
【0033】積層基板1となる誘電体材料、例えば、ガ
ラス−誘電体セラミック材料から成るグリーンシートを
形成する。なお、このグリーンシートは、積層基板1と
なる複数の基板領域からなる大型グリーンシートであ
る。
【0034】次に、グリーンシート上の各回路基板領域
毎に、ビアホール導体3となる所定径の貫通孔をパンチ
ングによって形成する。
【0035】次に、グリーンシート上の各回路基板領域
毎に、スクリーン印刷により、上述の貫通穴にAg系導
電性ペーストを充填するとともに、内部配線層2となる
導体膜などを形成する。また、さらに、最外層に位置す
るグリーンシート上に、表面配線層4となる導体膜、各
種電極パッドとなる導体膜を形成する。
【0036】このとき、最外層に位置するグリーンシー
ト上に、各回路基板領域を仕切る境界部分に跨がるよう
に、ガラス層6となるガラスを主成分とするガラスペー
ストの印刷によりガラス塗膜60が形成される。即ち、
このガラスペーストを用いて、境界部分に跨がるように
スクリーン印刷により、所定幅でガラス層6となる塗膜
60を形成し、その後乾燥処理する。
【0037】次に、各種導体膜を形成した上述のグリー
ンシートを、積層基板1の積層順に応じて載置する。そ
して、熱を与えながらプレスを行う。これにより、図4
に示す大型多層回路基板11となる。このプレスの際
に、ガラス塗膜60の一部または全部が、絶縁体層1a
となるグリーンシートにめり込むように埋設される。な
お、積層基板1厚みが均一になるように、少量のグリー
ンシートの載置した後、プレスを行い、これを複数回実
施しても良い。
【0038】このガラス層6となるガラス塗膜60は、
全体を平面視した時、各回路基板領域の中央部分を露出
する窓部(表面配線層が形成され、回路構成部品5が実
装される領域)が形成された格子状となっている。そし
て、上述のガラス層6のガラス塗膜60に対するプレス
によって、塗膜60の一部が積層基板1の表面から突出
している部位を有するものとなる。
【0039】次に、大型多層回路基板11の分離を、分
割処理により行う場合には、各回路基板領域を仕切るよ
うに分割溝(分離線)7を形成する。この分離線7は、
ガラス層6となる部位を隣接し合う回路領域に分断する
ように形成する。
【0040】次に、未焼成状態の大型多層回路基板11
を、酸化性雰囲気または大気雰囲気で焼成処理する。焼
成処理は脱バインダー過程と焼結過程からなる。この焼
成温度は、ピーク温度850〜1050℃に達するまで
に行われる。これにより、内部に内部配線層2、ビアホ
ール導体3が形成され、且つ表面に表面配線層4が形成
され、さらに、各回路基板領域の境界部分に基板に埋設
し、且つ分離前のガラス層6が形成された大型多層回路
基板11が達成されることになる。
【0041】その後、必要に応じて、表面配線層4に接
続する回路構成部品5を接合・実装する。
【0042】また、図面では、表裏両表面に、ガラス層
6を形成しているが、例えば、表面層側のみに形成して
も構わない。これは、多層回路基板10の裏面側表面
が、例えばマザーボードに接続する実装面となり、マザ
ーボードの存在より衝撃によっても欠けやクラックが発
生しにくいためである。
【0043】尚、多層回路基板10の裏面側に、端子電
極を形成するためには、周辺ガラス層6の突起量t
1は、端子電極の厚みよりも小さくなるようにしなくて
はならない。
【0044】また、上記実施の形態では、ガラス層は、
絶縁層より強度の大きい絶縁材料から構成するようにし
ても良く、また、上記周辺ガラス層をキャビティ周辺部
に形成するようにしても良い。このとき、この周辺ガラ
ス層を跨ぐようにキャビティ内の電子部品素子と表面配
線導体をボンディングワイヤ配線により電気的に接続で
きるように、キャビティ開口周囲のガラス層は基板表面
から30μm以下の高さとなるように埋設することが重
要である。
【0045】なお、本発明は上記の実施の形態例に限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内
での種々の変更や改良等は何ら差し支えない。
【0046】例えば、本発明は多層回路基板だけでなく
単板にも適用できる。
【0047】
【実施例】本発明の実施例を以下に示す。
【0048】本発明者は、上記方法により、平面形状が
13.75mm×8.0mmで、ガラス層6の突起量t
1を合わせた実際の基板の厚みが0.75mmである多
層回路基板10を作製した。
【0049】表1に示すように、ガラス層6の埋設深さ
2、幅wを変化させて、多層回路基板10の耐落下強
度、抗折強度、デラミネーションの発生を比較した。
【0050】
【表1】
【0051】なお、ガラス層6の埋設深さt2、幅wは
表面粗さ計を当てることによって測定した。
【0052】また、多層回路基板10の耐落下衝撃特性
は、多層回路基板10をマザーボードに実装した状態
で、コンクリート上1mあるいは1.8mの高さから、
垂直及び水平落下試験を100回行った後のクラック、
剥離の有無を確認した。1.8mの高さからの落下試験
でクラック、剥離が発生しなかった場合を二重丸印、1
mの高さからの落下試験でクラック、剥離が発生しなか
った場合を丸印、クラック、剥離が発生した場合をバツ
印とした。
【0053】多層回路基板10の抗折強度は、積層基板
1の長手方向の両端からそれぞれ基板の長さの1/4の
部分を支点として、基板の中央を押した際に、基板が割
れたときの強度を測定した。評価基準は、抗折強度が5
0N以上のものを良品、50N未満のものを不良品とし
た。
【0054】また、多層回路基板10のデラミネーショ
ンは、試料50個を金属顕微鏡で観察し、ガラス層6が
埋設された絶縁層とそうでない絶縁層との界面でデラミ
ネーションが発生しなかったものを良品、発生したもの
を不良品とした。
【0055】実験の結果、ガラス層6の突起量t1が0
〜50μmの範囲において、埋設深さt2が1〜50μ
mである本実施例(試料番号4〜14)では、耐落下衝
撃特性試験においてクラックが発生せず、抗折強度が5
0N以上となり、デラミネーションが発生しなかった。
【0056】これに対し、ガラス層6の埋設深さt2
0、0.5μmである比較例(試料番号1〜3)では、
耐落下衝撃特性試験においてクラックが発生し、抗折強
度が50N未満となった。
【0057】逆にガラス層6の埋設深さt2が70μm
である比較例(試料番号15〜16)では、積層基板1
の外周端面でデラミネーションが発生した。
【0058】なお、本発明の多層回路基板10の個片外
周部を絶縁層1a〜1eの積層方向と垂直方向に研磨
し、金属顕微鏡で観察したところ、ガラス層6の一部が
積層基板1に埋設していることが確認された。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明では積層基板の表
面の外周に全部または一部が基板に埋設されたガラス層
を周設したため、この埋設部分での基板密度があがり、
基板自体が破壊される際の強度を向上し、基板の抗折強
度を向上する。これにより、耐落下衝撃性が向上すると
ともに、多層回路基板の周囲におけるカケやクラックの
発生を抑えることができる。また、マザーボードなどか
ら大きな曲げ荷重が作用した場合においても割れや破壊
を招くことない。また、製造方法において、デラミネー
ションの発生を抑え、簡単な製造方法で多層回路基板か
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多層回路基板の外観斜視図であ
る。
【図2】図1の多層回路基板の断面図である。
【図3】図1の多層回路基板の(a)平面図及び(b)
正面図である。
【図4】図1の多層回路基板が抽出される大型多層回路
基板の断面図である。
【符号の説明】
10 多層回路基板 1 積層基板 2 内部配線層 3 ビアホール導体 4 表面配線層 5 回路構成部品 6 ガラス層 7 分離線 11 大型多層回路基板 t1 突起量 t2 埋設深さ w 幅

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層を積層して成る積層基板の各絶縁
    層間に内部配線層を、前記積層基板の表面に表面配線層
    を各々形成するとともに、前記各絶縁層に前記内部配線
    層、表面配線層を接続するビアホール導体を形成してな
    る多層回路基板において、 前記積層基板の表面の外周に、ガラス層を周設させると
    ともに、少なくともその一部を前記積層基板に埋設させ
    たことを特徴とする多層回路基板。
  2. 【請求項2】 前記ガラス層は、前記積層基板の表面か
    ら1〜50μmの深さで埋設されていることを特徴とす
    る請求項1記載の多層回路基板。
  3. 【請求項3】 複数の回路基板領域を有し、且つ少なく
    とも内部配線層となる導体膜が形成された絶縁層となる
    グリーンシートと、複数の回路基板領域を有し、且つ少
    なくとも表面配線層となる導体膜が形成された最外層の
    絶縁層となるグリーンシートとを積層圧着した後、焼成
    処理するとともに、得られた大型多層基板を各回路基板
    領域毎に分離する多層回路基板の製造方法において、 前記最上層の絶縁層となるグリーンシート上で隣接しあ
    う回路基板領域に跨がるようにガラス層となるガラス塗
    膜を被着形成し、該ガラス塗膜の少なくとも一部を前記
    積層圧着により前記最上層の絶縁層となるグリーンシー
    トに埋設したことを特徴とする多層回路基板の製造方
    法。
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WO2010143597A1 (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 日本カーバイド工業株式会社 回路基板の製造方法、及び、これにより製造される回路基板、及び、これに用いられる回路基板用母基板

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