JP2003109537A - 閃光放電ランプ - Google Patents

閃光放電ランプ

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JP2003109537A JP2001302672A JP2001302672A JP2003109537A JP 2003109537 A JP2003109537 A JP 2003109537A JP 2001302672 A JP2001302672 A JP 2001302672A JP 2001302672 A JP2001302672 A JP 2001302672A JP 2003109537 A JP2003109537 A JP 2003109537A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高負荷の点灯条件で点灯させる場合であって
も、発光管が早期に破損したり、放射される光の出力が
早期に低下したりすることがなく、従って、長い使用寿
命が得られる閃光放電ランプを提供すること。 【解決手段】 本発明の閃光放電ランプは、透光性セラ
ミックスにより形成された発光管を備えてなる閃光放電
ランプにおいて、前記発光管の内面には、熱膨張緩衝用
凹所が形成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は閃光放電ランプに関
し、更に詳しくはセラミックスよりなる発光管を有する
閃光放電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、殺菌処理、トナーの定着処理、接
着剤の硬化処理、半導体製造プロセスにおける急速熱処
理(Rapid Thermal Processin
g:RTP)などにおいて、放射強度の高い光が高い効
率で得られることから、閃光放電ランプが好適に利用さ
れている。かかる閃光放電ランプは、例えば直管状の発
光管の両端部に、一対の放電電極が互いに対向するよう
配置されると共に、当該発光管における放電空間内に適
宜の放電用ガス例えば希ガスが封入されて構成されてい
る。このような閃光放電ランプにおいては、発光に要す
る極めて短い時間内に、放電空間内の温度が例えば10
00℃という高温に達する。従って、閃光放電ランプを
構成する発光管においては、優れた耐熱性を有し、か
つ、比較的高い耐熱衝撃性を有するものであることが要
求される。このような事情から、閃光放電ランプを構成
する発光管としては、従来、石英ガラスよりなるものが
用いられている。
【0003】而して、近年、より一層高い放射強度を有
する光を得ることができる閃光放電ランプが要求されて
おり、このような光を得るためには、例えばパルス幅
(パルスの尖高値の1/2の高さにおける時間幅)が4
00μm以下の高負荷の点灯条件で閃光放電ランプを作
動させることが必要である。然るに、石英ガラスよりな
る発光管を有する閃光放電ランプを高負荷の点灯条件で
作動させた場合には、発光管を形成する石英ガラスが放
電プラズマの作用を受けることにより、発光管の内面に
は、SiO2 以外のケイ素酸化物(SiOx)が生成す
るため、発光管が例えば黄色に着色して失透し、これに
加えて、特に陰極を構成する電極物質が蒸発し、放電電
極の消耗が著しくなり、これにより、閃光放電ランプか
ら放射される光の出力が早期に低下し、その結果、使用
寿命が極めて短いものとなる。このような理由により、
石英ガラスよりなる発光管を有する閃光放電ランプにお
いては、高負荷の点灯条件で作動させた場合に長い使用
寿命が得られない。
【0004】一方、発光管が石英ガラス以外の光透過性
材料である透光性セラミックスによって形成された閃光
放電ランプが知られている。例えば、「ILC Tec
hnical Bulletin No.3、196
5」には、発光管がサファイアによって形成されてなる
閃光放電ランプが記載されており、また、実開昭63−
60265号公報には、発光管が酸化アルミニウムによ
り形成されてなる閃光放電ランプが記載されている。
【0005】このような閃光放電ランプによれば、発光
管を形成するサファイアまたは酸化アルミニウムなどの
透光性セラミックスが、石英ガラスに比較して、放電プ
ラズマに対して優れた耐性を有するため、高負荷の点灯
条件で点灯させた場合であっても、発光管が劣化するこ
とが抑制され、しかも、電極の消耗が少ない、とされて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、透光性
セラミックスよりなる発光管を有する閃光放電ランプに
おいては、以下のような理由により、高負荷の点灯条件
で点灯させると長い使用寿命が得られないことが判明し
た。透光性セラミックスは、一般に、石英ガラスに比較
して熱膨張率が大きいものである。具体的には、石英ガ
ラスの平均線熱膨張率が5.6×10-7〔K-1〕である
のに対し、透光性アルミナ多結晶体の平均線熱膨張率が
7.0×10-6〔K -1〕、透光性イットリウム−アルミ
ニウム−ガーネット多結晶体の平均線熱膨張率が7.2
×10-6〔K-1〕、透光性イットリア多結晶体の平均線
熱膨張率が7.8×10-6〔K-1〕である。従って、透
光性セラミックスよりなる発光管を有する閃光放電ラン
プを点灯させたときには、発光管の内面部分例えば内面
から深さ20μmまでの間の部分において、その熱膨張
によって当該発光管の面方向に相当に大きい応力が生じ
る。そして、このような熱膨張によって生じる応力が、
発光管に瞬時に加わることにより、或いは当該閃光放電
ランプを点灯する度に発光管に繰り返し加わることによ
り、発光管が早期に破損するため、結局、長い使用寿命
が得られない。
【0007】また、セラミックスは、一般に脆いもので
あって、その耐衝撃性が石英ガラスより低いものである
ため、仮に、発光管を形成する透光性セラミックスとし
て、平均線熱膨張率が石英ガラスの平均線熱膨張率と同
程度のものを使用した場合であっても、当該発光管は熱
膨張による応力によって早期に破損する恐れがある。
【0008】更に、高い耐熱衝撃性を有する発光管を得
るために、当該発光管の径を大きくすることも考えられ
るが、このような手段では、閃光放電ランプ全体の寸法
が相当に大きいものとなり、ランプの小型化が要請され
ている現在においては、実用的ではない。
【0009】本発明は、以上のような事情に基づいてな
されたものであって、その目的は、高負荷の点灯条件で
点灯させる場合であっても、発光管が早期に破損した
り、放射される光の出力が早期に低下したりすることが
なく、従って、長い使用寿命が得られる閃光放電ランプ
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の閃光放電ランプ
は、透光性セラミックスにより形成された発光管を備え
てなる閃光放電ランプにおいて、前記発光管の内面に
は、熱膨張緩衝用凹所が形成されていることを特徴とす
る。
【0011】本発明の閃光放電ランプにおいては、前記
発光管は、アルミナ多結晶体、イットリア多結晶体、イ
ットリウム−アルミニウム−ガーネット多結晶体、マグ
ネシア多結晶体、イットリウム−アルミニウム−ガーネ
ット単結晶体およびサファイアよりなる単結晶体からな
る群から選ばれた透光性セラミックスにより形成されて
いることが好ましい。また、前記発光管は、結晶粒の平
均粒径が10〜300μmの透光性アルミナ多結晶体よ
りなり、当該発光管の内面には、当該透光性アルミナ多
結晶体における粒界に沿って熱膨張緩衝用凹所が形成さ
れていることが好ましい。
【0012】また、本発明の閃光放電ランプにおいて
は、前記熱膨張緩衝用凹所は、発光管の内面が化学エッ
チングされることによって形成されていることが好まし
い。また、前記熱膨張緩衝用凹所は、発光管における有
効発光領域全体にわたって形成されていることが好まし
い。また、本発明の閃光放電ランプは、パルス幅が40
0μs以下の点灯条件で点灯される閃光放電ランプとし
て好適である。
【0013】
【作用】上記のような構成の閃光放電ランプによれば、
発光管の内面に熱膨張緩衝用凹所が形成されていること
により、当該閃光放電ランプを点灯させたときに、発光
管の内面部分において面方向に大きな熱膨張が生じて
も、当該発光管にその熱膨張による応力が生じることが
回避または抑制される。そのため、当該閃光放電ランプ
を高負荷の点灯条件で点灯させる場合であっても、発光
管が早期に破損することが防止される。また、発光管が
放電プラズマに対して優れた耐性を有する透光性セラミ
ックスにより形成されていることにより、高負荷の点灯
条件で点灯させた場合であっても、発光管が劣化するこ
とが抑制されてそれ自体の光透過性が低下することがな
く、しかも、放電電極の消耗が抑制される結果、放射さ
れる光の出力が早期に低下することが防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の閃光放電ランプに
ついて詳細に説明する。図1は、本発明の閃光放電ラン
プの一例における構成を示す説明用縦断面図であり、図
2は、図1に示す閃光放電ランプにおける発光管の説明
用横断面図である。この閃光放電ランプは、透光性セラ
ミックスよりなる直管状の発光管10を有し、この発光
管10内における両端の各々には、当該発光管10と同
質の材料よりなる略円柱状の封止部材20が挿入されて
いる。具体的には、封止部材20は、発光管10の内径
より小さい径を有する胴部21の一端に、当該発光管1
0の内径より大きい径を有する鍔部22が形成されてな
り、当該封止部材20の胴部21が発光管10内に挿入
されている。そして、発光管10および封止部材20
が、例えばAl2 3 −CaO系或いはAl2 3 −希
土類系の封着ガラスよりなる封着材25によって気密に
封着されている。封止部材20の各々には、電極棒35
が発光管10の軸方向に沿って貫通して伸びるよう設け
られており、電極棒35の各々の先端には、電極30が
互いに対向するよう配置されている。また、発光管10
内における放電空間Sは、例えば希ガスが4〜6MPa
の封入圧で封入されている。
【0015】発光管10を形成する透光性セラミックス
としては、アルミナ多結晶体、イットリア多結晶体、イ
ットリウム−アルミニウム−ガーネット多結晶体、マグ
ネシア多結晶体、サファイアよりなる単結晶体、イット
リウム−アルミニウム−ガーネット単結晶体、イットリ
ア多結晶体などを用いることができ、これらの中では、
アルミナ多結晶体、イットリア多結晶体、イットリウム
−アルミニウム−ガーネット多結晶体、マグネシア多結
晶体、イットリウム−アルミニウム−ガーネット単結晶
体、サファイアよりなる単結晶体が好ましく、特に、ア
ルミナ多結晶体が好ましい。
【0016】発光管10の内面11には、図2に示すよ
うに、例えは溝状の熱膨張緩衝用凹所15が形成されて
いる。この熱膨張緩衝用凹所15は、発光管10の有効
発光領域全体にわたって形成されていることが好まし
く、これにより、当該閃光放電ランプを点灯させたとき
に、当該発光管10にその熱膨張による応力が生じるこ
とが確実に回避または抑制される。また、熱膨張緩衝用
凹所15は、発光管10の軸方向に沿って連続してまた
は不連続で伸びるよう形成されていてもよく、或いは、
無秩序な状態で形成されていてもよい。
【0017】発光管10の内面11に形成された熱膨張
緩衝用凹所15の深さは、1〜30μm、特に5〜15
μmであることが好ましい。熱膨張緩衝用凹所15の深
さが1μm未満である場合には、当該閃光放電ランプを
点灯した際に、当該発光管10の熱膨張によって生ずる
応力が十分に抑制されず、当該発光管10が早期に破損
して使用寿命が短くなることがある。一方、熱膨張緩衝
用凹所15の深さが30μmを超える場合には、発光管
10の機械的強度が低いものとなることがある。ここ
で、熱膨張緩衝用凹所15の深さとは、以下のようにし
て測定されるものをいう。図3に示すように、発光管1
0を適宜の方向に切断した断面において、発光管10の
内面11における粗さ曲線f(x)を求め、この粗さ曲
線f(x)からその平均線(図において一点鎖線Xで示
す。)の方向に基準長さLだけ抜きとり、この抜き取り
部分において、平均線より下方に位置する谷Aの底部
[A1 ,A2,・・・,An-1 ]から平均線までの最短
距離(平均線からの深さ)[a1 ,a 2 ,・・・,a
n-1 ]を測定し、それらの和を算術平均したもの[(a
1 +a2+・・・+an-1 )/(n−1)]を、熱膨張
緩衝用凹所15の深さとする。以上において、平均線
は、粗さ曲線f(x)を基準長さLの抜き取り部分にお
いて積分し、これを基準長さLで割った値(下記式
(1)で示される値)の高さレベルを表す線である。ま
た、発光管10の内面11における粗さ曲線、平均線、
谷の底部における平均線からの深さは、発光管10の断
面を写真撮影し、この写真を解析することにより求める
ことができる。
【0018】
【数1】
【0019】また、発光管10の内面11における熱膨
張緩衝用凹所15の深さをa(μm)とし、発光管10
の内面11における凹凸平均間隔をb(μm)としたと
き、比(b/a)の値が0.1〜100、特に1〜20
であることが好ましい。この比(b/a)の値が0.1
未満である場合には、当該発光管10の機械的強度が著
しく低下することがある。一方、この比(b/a)の値
が100を超える場合には、当該発光管10に加わる熱
膨張による応力を抑制する効果が低下することがある。
ここで、凹凸平均間隔とは、JIS B0601の規格
に準拠して測定されるものをいい、図3を参照してこれ
を具体的に説明すると、発光管10の内面11における
粗さ曲線からその平均線Xの方向に基準長さLだけ抜き
とり、この抜き取り部分において一つの山Bおよびそれ
に隣り合う一つの谷Aに対応する平均線長さ[b1 ,b
2 ,・・・,bn-1 ,bn ]の和を求め、この多数の凹
凸の間隔を算術平均したもの[(b1 +b2 +・・・+
n-1 +bn )/n]である。
【0020】発光管10の内面11に熱膨張緩衝用凹所
15を形成する方法としては、化学エッチング処理によ
る方法、ダイス等によって切削、研磨する機械加工によ
る方法を利用することができるが、所要の熱膨張緩衝用
凹所15を比較的容易に形成することができる点で、化
学エッチング処理による方法を利用することが好まし
い。
【0021】化学エッチング処理によって熱膨張緩衝用
凹所15を形成する方法を具体的に説明すると、先ず、
図4(イ)に示すように、発光管10の内面11に、熱
膨張緩衝用凹所15を形成すべき部分が露出するようマ
スク40を形成する。次いで、発光管10の内面11に
対して、適宜のエッチング剤によって化学エッチング処
理を施して熱膨張緩衝用凹所15となる部分を除去する
ことにより、図4(ロ)に示すように、発光管10の内
面11に熱膨張緩衝用凹所15を形成する。その後、図
4(ハ)に示すように、発光管10の内面11からマス
ク40を除去する。
【0022】以上において、化学エッチング処理に用い
られるエッチング剤としては、発光管10を形成する透
光性セラミックスの種類、形成すべき熱膨張緩衝用凹所
15の深さなどに応じて適宜選択される。例えば発光管
10を形成する透光性セラミックスがアルミナである場
合には、エッチング剤として、硫酸、塩酸、フッ酸など
の酸類を用いることができる。発光管10の内面11に
形成されるマスク40の材質としては、用いられるエッ
チング剤に応じて適宜選択される。例えばエッチング剤
として上記の酸類を用いる場合には、マスク40の材質
として、フッ素系樹脂を好適に用いることができる。化
学エッチング処理における具体的な条件、例えば処理温
度、処理時間、処理環境は、発光管10を形成する透光
性セラミックスの種類、用いられるエッチング剤の種類
によって適宜選択される。
【0023】また、発光管10を形成する透光性セラミ
ックスとして、アルミナ多結晶体を用いる場合には、発
光管10の内面11に対してマスク40を形成すること
なしに化学エッチング処理を施すことにより、図5に示
すように、発光管10を形成するアルミナ多結晶体の粒
界Fに沿って、例えば深さが5〜15μmの所要の熱膨
張緩衝用凹所15を形成することができる。このような
方法によって発光管10の内面11に熱膨張緩衝用凹所
15を形成する場合において、化学エッチング処理は、
エッチング剤として、硫酸、塩酸、フッ酸などの強酸類
を用い、高蒸気圧下に、処理温度100〜300℃、処
理時間0.1〜6.0時間の条件で行われる。また、こ
の方法によれば、熱膨張緩衝用凹所15がアルミナ多結
晶体の粒界に沿って形成されるため、当該アルミナ結晶
体の結晶粒の平均粒径に応じた凹凸平均間隔で熱膨張緩
衝用凹所15を形成することが可能となる。従って、発
光管10を形成するアルミナ多結晶体としては、結晶粒
の平均粒径が10〜300μm、特に15〜60μmの
ものを用いることが好ましい。
【0024】本発明において、「結晶粒の平均粒径」と
は、「インターセプト長の1.5倍」を意味する。ここ
に、「インターセプト長」とは、以下の方法により測定
されるものをいう。透光性アルミナ多結晶体の表面を、
例えばダイヤモンドペーストにより研磨し、この研磨さ
れた面を粒界が現れるようプラズマエッチング処理した
後、走査型電子顕微鏡(SEM)により、プラズマエッ
チング処理された面の写真を撮影する。得られた写真
に、適宜の寸法の正方形を描き、この正方形にその横辺
および縦辺の各々に平行な直線を等間隔で引くことによ
り、正方形内に同一の寸法の枡目を形成し、正方形の4
辺および枡目を形成する直線の各々を横切る粒界の数を
測定する。そして、正方形の4辺および枡目を形成する
直線の合計の長さ(写真上での長さ)をLとし、正方形
の4辺および枡目を形成する直線の各々を横切る粒界の
数をnとしたとき、インターセプト長はL/nの値であ
る。例えば、一辺が300μmの正方形内に一辺が30
μmの正方形の枡目を形成した場合には、正方形の4辺
および枡目を形成する直線の合計の長さLは6600μ
mであり、正方形の4辺および枡目を形成する直線の各
々を横切る粒界の数nが330である場合には、インタ
ーセプト長は20μmであり、結晶粒子の平均粒径は3
0μmである。
【0025】上記のような構成の閃光放電ランプによれ
ば、発光管10の内面11に熱膨張緩衝用凹所15が形
成されていることにより、当該閃光放電ランプを点灯さ
せたときに、発光管10の内面部分において面方向に大
きな熱膨張が生じても、当該発光管10にその熱膨張に
よる応力が生じることが回避または抑制される。そのた
め、当該閃光放電ランプを高負荷の点灯条件で点灯させ
る場合であっても、発光管10が早期に破損することを
防止することができる。また、発光管10が放電プラズ
マに対して優れた耐性を有する透光性セラミックスによ
り形成されていることにより、高負荷の点灯条件で点灯
させた場合であっても、発光管10が劣化することが抑
制されてそれ自体の光透過性が低下することがなく、し
かも、電極30の消耗が抑制される結果、放射される光
の出力が早期に低下することを防止することができる。
従って、高負荷の点灯条件で点灯させる場合であって
も、使用寿命の長い閃光放電ランプが得られる。このよ
うに、本発明の閃光放電ランプは、高負荷の点灯条件、
例えばパルス幅が400μs以下の点灯条件で点灯させ
ることが可能であるため、殺菌処理、トナーの定着処
理、接着剤の硬化処理、半導体製造プロセスにおける急
速熱処理(Rapid Thermal Proces
sing:RTP)などに好適に利用することができ
る。
【0026】本発明の閃光放電ランプは、上記の実施の
形態に係るものに限定されず、透光性セラミックスより
なる発光管を有し、当該発光管の内面に熱膨張緩衝用凹
所が形成されてなるものであれば、種々の構成を採用す
ることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。ま
た、以下の実施例において、発光管の内面における熱膨
張緩衝用凹所の深さおよび凹凸平均間隔は、基準長さL
を1.5mmとして求めたものである。
【0028】〈実施例1〉内径が8mm、外径が9.5
mm、全長が200mmの透光性アルミナ多結晶体(結
晶粒の平均粒径が30μm)よりなる発光管を用意し、
この発光管を、4.7%フッ酸水溶液を注入した圧力容
器内に配置し、250℃、3時間の条件で、発光管の内
面に対して化学エッチング処理を施すことにより、当該
発光管の内面の全領域にわたって熱膨張緩衝用凹所を形
成した。発光管の内面に形成された熱膨張緩衝用凹所の
深さaは10μmであり、発光管の内面における凹凸平
均間隔bが30μmであり、比(b/a)の値は3.0
であった。
【0029】このようにして内面に熱膨張緩衝用凹所が
形成された発光管を用い、図1に示す構成に従って、閃
光放電ランプを製造した。この閃光放電ランプにおける
発光管以外の仕様は、有効発光長が140mmであり、
発光管における放電空間内には、キセノンガスが6×1
4 Paの封入圧で封入されている。得られた閃光放電
ランプを、入力エネルギーが700J、パルス幅が70
μs、管壁負荷が20J/cm2 となる点灯条件で、3
0sで1ショットとなる時間間隔で繰り返し点灯したと
ころ、1万回点灯後においても、発光管が破損すること
がなく、また、光の出力の低下も認められず、この閃光
放電ランプは、高負荷の点灯条件で繰り返し点灯させて
も、長い使用寿命が得られるものであることが確認され
た。
【0030】〈比較例1〉発光管の内面に熱膨張緩衝用
凹所を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にし
て閃光放電ランプを製造し、実施例1と同様の点灯条件
で点灯させたところ、1回の点灯で発光管が破損した。
【0031】〈比較例2〉透光性アルミナ多結晶体より
なる発光管の代わりに、石英ガラスよりなる発光管を用
い、発光管の内面に熱膨張緩衝用凹所を形成しなかった
こと以外は、実施例1と同様にして閃光放電ランプを製
造し、実施例1と同様の点灯条件で繰り返し点灯させ、
1000回点灯後における光の出力を測定したところ、
初期の光の出力の90%に低下した。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の閃光放電
ランプによれば、発光管の内面に熱膨張緩衝用凹所が形
成されていることにより、当該閃光放電ランプを点灯さ
せたときに、発光管の内面部分において面方向に大きな
熱膨張が生じても、当該発光管にその熱膨張による応力
が生じることが回避または抑制される。そのため、当該
閃光放電ランプを高負荷の点灯条件で点灯させる場合で
あっても、発光管が早期に破損することを防止すること
ができる。また、発光管が放電プラズマに対して優れた
耐性を有する透光性セラミックスにより形成されている
ことにより、高負荷の点灯条件で点灯させた場合であっ
ても、発光管が劣化することが抑制されてそれ自体の光
透過性が低下することがなく、しかも、放電電極の消耗
が抑制される結果、放射される光の出力が早期に低下す
ることを防止することができる。従って、高負荷の点灯
条件で点灯させる場合であっても、使用寿命の長い閃光
放電ランプが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の閃光放電ランプの一例における構成を
示す説明用縦断面図である。
【図2】図1に示す閃光放電ランプにおける発光管を示
す説明用横断面図である。
【図3】発光管の内面を拡大して示す説明用断面図であ
る。
【図4】発光管の内面に熱膨張緩衝用凹所を形成する工
程を示す説明用断面図である。
【図5】発光管を形成するアルミナ多結晶体の粒界に沿
って熱膨張緩衝用凹所が形成された状態を示す説明用断
面図である。
【符号の説明】
10 発光管 11 内面 15 熱膨張緩衝用凹所 20 封止部材 21 胴部 22 鍔部 25 封着材 30 電極 35 電極棒 40 マスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池内 満 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内 Fターム(参考) 5C043 AA07 AA14 AA20 BB02 BB03 BB09 CC14 CD01 DD03 EA06 EB15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性セラミックスにより形成された発
    光管を備えてなる閃光放電ランプにおいて、 前記発光管の内面には、熱膨張緩衝用凹所が形成されて
    いることを特徴とする閃光放電ランプ。
  2. 【請求項2】 発光管は、アルミナ多結晶体、イットリ
    ア多結晶体、イットリウム−アルミニウム−ガーネット
    多結晶体、マグネシア多結晶体、イットリウム−アルミ
    ニウム−ガーネット単結晶体およびサファイアよりなる
    単結晶体からなる群から選ばれた透光性セラミックスに
    より形成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    閃光放電ランプ。
  3. 【請求項3】 発光管は、結晶粒の平均粒径が10〜3
    00μmの透光性アルミナ多結晶体よりなり、当該発光
    管の内面には、当該透光性アルミナ多結晶体における粒
    界に沿って熱膨張緩衝用凹所が形成されていることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の閃光放電ラン
    プ。
  4. 【請求項4】 熱膨張緩衝用凹所は、発光管の内面が化
    学エッチング処理されることによって形成されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記
    載の閃光放電ランプ。
  5. 【請求項5】 熱膨張緩衝用凹所は、発光管における有
    効発光領域全体にわたって形成されていることを特徴と
    する請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の閃光放
    電ランプ。
  6. 【請求項6】 パルス幅が400μs以下の点灯条件で
    点灯されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のい
    ずれか一に記載の閃光放電ランプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007042542A (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Ushio Inc フラッシュランプ
JP2008270067A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ロングアークキセノンフラッシュランプ
EP2190005A3 (en) * 2008-11-25 2012-07-11 NGK Insulators, Ltd. Light-emitting container for high-intensity discharge lamp and high-intensity discharge lamp

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