JP2003107050A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JP2003107050A
JP2003107050A JP2001301720A JP2001301720A JP2003107050A JP 2003107050 A JP2003107050 A JP 2003107050A JP 2001301720 A JP2001301720 A JP 2001301720A JP 2001301720 A JP2001301720 A JP 2001301720A JP 2003107050 A JP2003107050 A JP 2003107050A
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JP
Japan
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gas
heaters
heater
gas sensor
voltage
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Application number
JP2001301720A
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English (en)
Inventor
Takahiro Umeda
孝裕 梅田
Masao Maki
正雄 牧
Katsuhiko Uno
克彦 宇野
Takashi Niwa
孝 丹羽
Kunihiro Tsuruta
邦弘 鶴田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒーターが経年的に劣化してその抵抗が変化
したり、断線しても、ガス検知部5所定の動作温度に保
持することができ、被検出ガスの正確な濃度を検出する
ことのできるガスセンサの提供を目的とする。 【解決手段】 絶縁基板6と、第一および第二ヒーター
7および9と、第一および第二絶縁膜8および10と、
ガス検知部5と、リード電極膜3a、3b、11a、1
1b、12aおよび12bと、緻密なコーティング膜1
3と、電圧供給手段を備えることにより、第一および第
二ヒーター7および9のうちどちらか一方が経年的に劣
化してその抵抗が変化したり、断線しても、別のヒータ
ーによりガス検知部5を所定の動作温度に保持するの
で、被検出ガスの正確な濃度を検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気中あるいは燃
焼機器や内燃機関の排ガス中に含まれる可燃性ガス、特
に、人体に有害な物質である一酸化炭素を検出するガス
センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のガスセンサとしては、例
えば、特開平10−31003号公報に記載されている
ようなものがあった。図5は、前記公報に記載された従
来のガスセンサを示すものである。
【0003】図5において、1は酸素イオン導電性を有
する固体電解質、2aおよび2bは電極膜、3aおよび
3bはリードを取り出すリード電極膜、4は多孔性の酸
化触媒膜、6は電気的絶縁性を有する絶縁基板、7はそ
の表面に形成したヒーターである。
【0004】被検出ガスを検出するためには、ガス検知
部5である電解質1の温度を少なくとも300℃以上に
加熱する必要があり、絶縁基板6を介して形成したヒー
ター7に一定の電圧を供給して、電解質1の動作温度を
確保していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の構成では、ガス検知部5である電解質1を動作温度
に加熱するヒーター7が一つしか形成されていないの
で、ヒーター7が経年的に劣化してその抵抗が変化した
り、断線した場合、電解質1を所定の動作温度に保持で
きなくなり、被検出ガスの正確な濃度を検出することが
できないという課題を有していた。
【0006】本発明は、前記従来の課題を解決するもの
で、ヒーター7が経年的に劣化してその抵抗が変化した
り、断線しても、ガス検知部5を所定の動作温度に保持
することができ、被検出ガスの正確な濃度を検出するこ
とのできるガスセンサの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決す
るために、本発明のガスセンサは、第一および第二ヒー
ターを備えたものであり、第一および第二ヒーターのう
ちどちらか一方が経年的に劣化してその抵抗が変化した
り、断線しても、別のヒーターによりガス検知部を所定
の動作温度に保持するので、被検出ガスの正確な濃度を
検出することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、表面が
電気的絶縁性を有する絶縁基板と、前記絶縁基板の表面
に形成した第一ヒーターと、前記第一ヒーターを電気的
に絶縁する第一絶縁膜と、前記第一絶縁膜の上に形成し
た第二ヒーターと、前記第二ヒーターを電気的に絶縁す
る第二絶縁膜と、前記第二絶縁膜の上に形成したガス検
知部と、前記第一および第二ヒーターおよび前記ガス検
知部よりリードを取り出すリード電極膜と、前記ガス検
知部以外の部分を覆うように形成した緻密なコーティン
グ膜と、前記ガス検知部を所定温度に加熱するように前
記第一および第二ヒーターのうち少なくとも一つのヒー
ターに電圧を供給する電圧供給手段を備えることによ
り、第一および第二ヒーターのうちどちらか一方が経年
的に劣化してその抵抗が変化したり、断線しても、別の
ヒーターによりガス検知部を所定の動作温度に保持する
ので、被検出ガスの正確な濃度を検出することができ
る。
【0009】また、第一および第二ヒーターの両方を同
時に駆動させることにより、それぞれのヒーターに流れ
る電流が一つの場合の半分になるので、第一および第二
ヒーターの経年劣化を抑制することができ、ガスセンサ
の寿命を延ばすことができる。
【0010】請求項2に記載の発明は、特に、請求項1
に記載の第一および第二ヒーターを、抵抗が等しくなる
ように形成したことにより、それぞれのヒーターに供給
する電圧が等しくなり、共通の電圧供給手段をそのまま
用いることができる。請求項3に記載の発明は、特に、
請求項1に記載の第一および第二ヒーターの材質と、パ
ターンおよび膜厚を互いに等しくすることにより、二つ
のヒーターを同一のプロセスで形成することができ、互
いの抵抗も等しくなるので、共通の電圧供給手段をその
まま用いることができる。
【0011】請求項4に記載の発明は、特に、請求項1
に記載の第一および第二絶縁膜の熱伝導率を、20W/m・
Kより大きくすることにより、第一および第二ヒーター
の熱を効率よくガス検知部へ伝えることができ、消費電
力を下げることができる。請求項5に記載の発明は、特
に、請求項1に記載の第一および第二絶縁膜の熱膨張係
数を、70×10-7/Kより大きく130×10-7/K
より小さくすることにより、熱膨張係数が近い絶縁基板
を用いた場合、形成した第一および第二絶縁膜が、剥離
したり、クラックが生じたりすることなく、電解質を電
気的に絶縁する熱的に安定した絶縁膜を得ることができ
る。
【0012】請求項6に記載の発明は、特に、請求項1
の電圧供給手段が、第一および第二ヒーターのうち少な
くとも一つのヒーターに間欠的な電圧を供給することに
より、第一および第二ヒーターが消費する電力を減らす
ことができ、第一および第二ヒーターが劣化する程度を
抑制することができるだけでなく、電圧供給手段として
電池を用いた場合、電池寿命を延ばすことができる。
【0013】請求項7に記載の発明は、特に、請求項1
に記載の電圧供給手段が、ガス検知部の出力を測定する
間だけ、第一および第二ヒーターのうち少なくとも一つ
のヒーターへ電圧を供給し、出力を測定した後は電圧を
供給しないことにより、第一および第二ヒーターが消費
する電力をさらに減らすことができ、第一および第二ヒ
ーターが劣化する程度をさらに抑制することができるだ
けでなく、電圧供給手段として電池を用いた場合、電池
寿命をさらに延ばすことができる。
【0014】請求項8に記載の発明は、特に、第一およ
び第二ヒーターのうち少なくとも一つの抵抗を検出する
抵抗検出手段と、前記抵抗からヒーターの温度を算出
し、ガス検知部の温度が一定となるように電圧供給手段
がヒーターに供給する電圧を制御する温度制御手段を備
えることにより、第一または第二ヒーターを温度センサ
として用い、温度制御手段を介して、その抵抗から算出
した温度を電圧供給手段にフィードバックして、ガス検
知部である電解質の温度を一定に保持することができ、
正確な被検出ガスの濃度を検出することができる。
【0015】請求項9に記載の発明は、特に、請求項8
に記載の抵抗検出手段が、電圧供給手段が電圧を供給し
ない間、第一および第二ヒーターのうち少なくとも一方
の抵抗を検出することにより、電圧供給手段が第一およ
び第二ヒーターのうち少なくとも一つのヒーターに供給
していた電圧を停止した直後からのヒーター温度を検出
することができ、ガス検知部である電解質の動作温度を
一定に保持することができ、正確な被検出ガスの濃度を
検出することができる。
【0016】また、第一および第二ヒーターの両方を同
時に駆動させ、第一および第二ヒーターの駆動停止直後
からのそれぞれのヒーター温度を検出することにより、
それぞれのヒーターに流れる電流が一つの場合の半分に
なるので、ヒーターの経年劣化を抑制することができ、
ガスセンサの寿命を延ばすことができるだけでなく、そ
れぞれのヒーター温度を比較して、相違があればヒータ
ーの異常を報知することができ、自己診断機能を有する
ガスセンサとなり高い信頼性が得られる。
【0017】請求項10に記載の発明は、特に、請求項
8に記載の抵抗検出手段が、第一および第二ヒーターの
うちの一方に電圧が供給される間、もう一方の抵抗を検
出することにより、加熱されている最中の電解質の温度
を検出することができ、正確な動作温度をフィードバッ
クするので、正確な被検出ガスの濃度を検出することが
できる。
【0018】請求項11に記載の発明は、特に、請求項
1に記載のガス検知部を、イオン導電性を有する電解質
と、前記電解質の上に形成した第一および第二電極膜
と、前記第一電極膜の上に形成した多孔性の酸化触媒膜
と、第一および第二電極膜の間の電位差を測定する電位
差検出手段と、電位差から被検出ガスの濃度を算出する
演算手段と、前記演算手段で算出した被検出ガスの濃度
により状態を報知する報知手段で構成することにより、
ガスセンサを薄膜で形成することができ、第一および第
二ヒーターで加熱するガス検知部の熱容量が小さくな
り、ヒーターで消費される電力を減らすことができ、電
圧供給手段として電池を用いた場合、電池寿命を延ばす
ことができる。
【0019】また、第一および第二電極膜の間の電位差
から被検出ガスの濃度を算出し、その濃度に応じて、報
知手段が、人体に影響のないレベルであれば安全、短時
間であれば影響のないレベルであれば換気を促すなどの
注意、人体に悪影響を及ぼすレベルであれば異常を示す
関連機器の強制停止や避難を促す警報といった情報を光
や音および液晶表示などにより報知し、同時に信号電圧
を出力することにより、関連機器の停止、換気扇などの
起動、情報端末あるいはセキュリティ会社などへの伝達
送信が可能となる。
【0020】請求項12に記載の発明は、特に、請求項
11に記載の電解質を、少なくとも酸素イオン導電性を
有する固体電解質とすることにより、被検出ガス中に一
酸化炭素などの可燃性ガスが含まれる場合、酸化触媒膜
の形成された第一電極膜と、形成されていない第二電極
膜の間に吸着酸素の濃度差が生じ、電解質中に可燃性ガ
スの濃度に応じた酸素イオンが流れるので、その電位差
から可燃性ガスの濃度を検出することができる。
【0021】請求項13に記載の発明は、特に、請求項
11に記載の電解質の熱膨張係数を、70×10-7/K
より大きく130×10-7/Kより小さくすることによ
り、熱膨張係数の近い絶縁基板を用いた場合、形成した
電解質の膜が、剥離したり、クラックが生じたりするこ
となく、熱的に安定した信頼性の高い電解質を得ること
ができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0023】図1、2および3は、それぞれ本発明の実
施例におけるガスセンサの組立構成図、上面構成図およ
び断面構成図を示すものである。
【0024】図1において、6は結晶化ガラスから成る
絶縁基板であり、絶縁基板6の上に白金から成る第一ヒ
ーター7がスパッタリングにより形成されている。第一
ヒーター7の上には電気的に絶縁性を有するアルミナか
ら成る第一絶縁膜8がスパッタリングにより形成されて
おり、さらに第一絶縁膜8の上に第一ヒーター7と同じ
白金を用い、同じパターンで同じ膜厚の第二ヒーター9
がスパッタリングにより形成されている。そして、第二
ヒーター9を電気的に絶縁する第二絶縁膜10が第一絶
縁膜8と同じアルミナを用い、スパッタリングにより形
成されている。そして、第二絶縁膜10の上に、被検出
ガスを検知するガス検知部5が形成されており、各ヒー
ター7および9のリード電極膜11a、11b、12
a、および12bおよびガス検知部5のリード電極膜3
aおよび3bよりリード線(14a、14bなど、各ヒ
ーター7および9のリード線は図示せず)を取り出した
後、ガス検知部5以外のところが、被検出ガスと吸着あ
るいは反応を起こさないように緻密なコーティング膜1
3により覆われている。
【0025】本実施例に用いた絶縁基板6の結晶化ガラ
スの熱伝導率は2〜3W/m・Kであり、第一および第二ヒ
ーター7および9の放熱を抑制するので、ガス検知部5
を効率よく加熱することができ、消費電力を抑えること
ができる。
【0026】絶縁基板6として、熱伝導のよいアルミナ
などの材質から成る絶縁基板6を用いた場合、その熱伝
導率は20〜30W/m・Kであるので、絶縁基板6からの
放熱量が大きくなり、ガス検知部5を所定の温度に保持
するために消費される電力が増大するだけでなく、第一
および第二ヒーター7および9への負荷が増大するため
に断線などの劣化が多くなり、ガスセンサとしての信頼
性が損なわれる可能性がある。
【0027】また、第一および第二ヒーター7および9
はそれぞれの抵抗が等しくなるように形成されているの
で、それぞれのヒーター7および9に供給する電圧が等
しくなり、共通の電圧供給手段をそのまま用いることが
できる。
【0028】また、第一および第二ヒーター7および9
はそれぞれスパッタリングにより形成したが、形成法は
これ以外にも電子ビーム蒸着(EB)法や、メッキおよ
び印刷などでも同様の効果が得られるが、熱容量の小さ
い薄膜を形成できるスパッタリングや電子ビーム蒸着な
どのプロセスが適しており、それぞれのプロセスを共通
にすることで、製造コストを抑えることができるだけで
なく、互いの抵抗を等しくすることができるので、共通
の電圧供給手段をそのまま用いることができる。
【0029】また、第一および第二ヒーター7および9
の材質はヒーター特性のよい白金を用いたが、白金−タ
ングステン、白金−ロジウム、白金−ジルコニアなどの
合金を用いると、さらに耐久性が向上し、ガスセンサの
寿命を延ばすことができる。
【0030】本実施例のガスセンサによれば、第一およ
び第二ヒーター7および9の二つのヒーターを用いてい
るので、第一および第二ヒーター7および9のうちどち
らか一方が経年的に劣化してその抵抗が変化したり、断
線しても、別のヒーターによりガス検知部5を所定の動
作温度に保持するので、被検出ガスの正確な濃度を検出
することができる。
【0031】また、第一および第二ヒーター7および9
の両方を同時に駆動させることにより、それぞれのヒー
ター7および9に流れる電流が一つの場合の半分になる
ので、ヒーター7および9の経年劣化を抑制することが
でき、ガスセンサの寿命を延ばすことができる。
【0032】また、第一および第二ヒーター7および9
を電気的に絶縁する第一および第二絶縁膜8および10
は、熱伝導のよいアルミナ(〜20W/m・K)を材質とし
て用いているので、第一および第二ヒーター7および9
の熱を効率よくガス検知部5へ伝えることができ、消費
電力を下げることができる。
【0033】また、熱膨張係数が〜100×10-7/K
である結晶化ガラスから成る絶縁基板6の上には、それ
ぞれ白金(90×10-7/K)、アルミナ(70×10
-7/K)などから成る、第一および第二ヒーター7およ
び9、および第一および第二絶縁膜8および10と互い
の熱膨張係数が近い材質で形成されているので、形成し
た第一および第二絶縁膜8および10などが、剥離した
り、クラックが生じたりすることなく、ガス検知部5を
電気的に絶縁する熱的に安定した絶縁膜を得ることがで
きる。
【0034】本実施例では、被検出ガスとして可燃性ガ
スである人体に有毒な一酸化炭素を想定し、ガス検知部
5として酸素イオン導電性を有する固体電解質を用いた
薄膜小型化が容易な電解質方式を採用した。
【0035】まず、第二絶縁膜10の上に約300℃以
上で酸素イオン導電性を示し始めるイットリア安定化ジ
ルコニアから成る固体電解質1をスパッタリングにより
形成した。次に、固体電解質1の上に白金から成る第一
および第二電極膜2aおよび2bをスパッタリングによ
り形成し、さらに、第一電極膜2aの上に可燃性ガスを
酸化する白金を触媒成分とする多孔性の酸化触媒膜4を
印刷により形成した。
【0036】本実施例のガス検知部5によれば、ガスセ
ンサを薄膜で形成することができ、第一および第二ヒー
ター7および9で加熱するガス検知部5の熱容量が小さ
くなり、ヒーターで消費される電力を減らすことがで
き、電圧供給手段として電池を用いた場合、電池寿命を
延ばすことができる。
【0037】また、電解質1を、少なくとも酸素イオン
導電性を有する固体電解質とすることにより、被検出ガ
ス中に一酸化炭素などの可燃性ガスが含まれる場合、酸
化触媒膜4の形成された第一電極膜2aと、形成されて
いない第二電極膜2bの間に吸着酸素の濃度差が生じ、
電解質1中に可燃性ガスの濃度に応じた酸素イオンが流
れるので、その電位差から可燃性ガスの濃度を検出する
ことができる。
【0038】また、電解質1に熱膨張係数が約100×
10-7/Kのイットリア安定化ジルコニアを用いている
ので、絶縁基板6に結晶化ガラスなどの材質を用いた場
合、熱膨張係数が近いので、形成した電解質1の膜が、
剥離したり、クラックが生じたりすることなく、熱的に
安定した信頼性の高い電解質1を得ることができる。次
に、図4に示すように第一および第二ヒーター7および
9に電圧を供給する電圧供給手段15を接続した。この
電圧供給手段15が、第一および第二ヒーター7および
9のうち少なくとも一つのヒーターに間欠的な電圧を供
給することにより、ヒーター7および9が消費する電力
を減らすことができ、ヒーター7および9が劣化する程
度を抑制することができるだけでなく、電圧供給手段1
5として電池を用いた場合、電池寿命を延ばすことがで
きる。
【0039】また、電圧供給手段15が、ガス検知部5
の出力を測定する間だけ、第一および第二ヒーター7お
よび9のうち少なくとも一つのヒーターへ電圧を供給
し、出力を測定した後は電圧を供給しないことにより、
ヒーター7および9が消費する電力をさらに減らすこと
ができ、ヒーター7および9が劣化する程度をさらに抑
制することができるだけでなく、電圧供給手段15とし
て電池を用いた場合、電池寿命をさらに延ばすことがで
きる。
【0040】さらに、図4に示すように第一および第二
ヒーターのうち少なくとも一つの抵抗を検出することの
できる抵抗検出手段16を接続し、検出した抵抗からヒ
ーターの温度を算出し、ガス検知部5の温度が一定とな
るように電圧供給手段15がヒーター7および9に供給
する電圧を制御する温度制御手段17を接続した。
【0041】このことにより、第一または第二ヒーター
7および9を温度センサとして用い、温度制御手段17
を介して、その抵抗から算出した温度を電圧供給手段1
5にフィードバックして、ガス検知部5である電解質1
の温度を一定に保持することができ、正確な被検出ガス
の濃度を検出することができる。
【0042】また、抵抗検出手段16が、電圧供給手段
15が第一および第二ヒーター7および9に電圧を供給
しない間、第一および第二ヒーター7および9のうち少
なくとも一方の抵抗を検出することにより、電圧供給手
段15が第一および第二ヒーター7および9のうち少な
くとも一つのヒーターに供給していた電圧を停止した直
後からのヒーター温度を検出することができ、ガス検知
部5である電解質1の動作温度を一定に保持することが
でき、正確な被検出ガスの濃度を検出することができ
る。
【0043】また、第一および第二ヒーター7および9
の両方を同時に駆動させ、第一および第二ヒーター7お
よび9の駆動停止直後からのそれぞれのヒーター温度を
検出することにより、それぞれのヒーター7および9に
流れる電流が一つの場合の半分になるので、ヒーター7
および9の経年劣化を抑制することができ、ガスセンサ
の寿命を延ばすことができるだけでなく、それぞれのヒ
ーター温度を比較して、相違があればヒーター7および
9の異常を報知することができ、自己診断機能を有する
ガスセンサとなり高い信頼性が得られる。
【0044】また、抵抗検出手段16が、第一および第
二ヒーター7および9のうちの一方に電圧が供給される
間、もう一方の抵抗を検出することにより、加熱されて
いる最中の電解質1の温度を検出することができ、より
正確な動作温度をフィードバックするので、正確な被検
出ガスの濃度を検出することができる。
【0045】以上のようにして得られたガスセンサから
のセンサ出力を取り出すために、図4に示すように、第
一および第二電極膜2aおよび2b間に電位差検出手段
18を接続し、可燃性ガスの濃度に応じて第一および第
二電極膜2aおよび2b間に生じる電位差を検出した。
【0046】次に、このガスセンサを一酸化炭素などの
可燃性ガスを含まない被検出ガス中に保持し、第一およ
び第二ヒーター7および9により固体電解質1を所定の
動作温度まで加熱したとき、第一および第二電極膜2a
および2bに到達する酸素の量はそれぞれ等しいので、
第一および第二電極膜2a−2b間に電位差は発生しな
い。このとき第一および第二電極膜2aおよび2b上で
はそれぞれ式(1)で示した電極反応が生じ、平衡を保
っている。
【0047】Oad+2e−←→O2− ・・・(1) ここでOadは第一および第二電極膜2aおよび2bの
表面に吸着した酸素原子を示す。
【0048】次に、被検出ガス中に可燃性ガスである一
酸化炭素を導入すると、多孔性触媒膜4の形成されてい
ない第一電極膜2b上では式(1)で示した電極反応に
加え、式(2)で示した電極反応が生じる。
【0049】CO+Oad→CO2 ・・・(2) 一方、多孔性触媒膜4の形成された第一電極2a上で
は、多孔性触媒膜4で一酸化炭素が二酸化炭素に酸化さ
れ、一酸化炭素が第一電極2aの表面まで到達すること
ができず、式(1)で示した電極反応のみが生じる。し
たがって第一および第二電極膜2aおよび2bの間で吸
着する酸素量のバランスが崩れ、酸素濃度に濃淡差が生
じ、第一電極膜2aから第二電極2bへ吸着酸素が酸素
イオンとなり酸素イオン導電体である固体電解質1中を
移動し、第一および第二電極膜2a−2b間に電位差が
発生する。この電位差と一酸化炭素の濃度の関係はネル
ンストの式に従い、濃度が増加すれば電位差も増加す
る。
【0050】したがって、電位差検出手段18で検出す
る第一および第二電極膜2a−2b間の電位差から、演
算手段19が一酸化炭素の濃度を算出することができ、
また、その濃度に応じて、報知手段20が、人体に影響
のないレベルであれば安全、短時間であれば影響のない
レベルであれば換気を促すなどの注意、人体に悪影響を
及ぼすレベルであれば異常を示す関連機器の強制停止や
避難を促す警報といった情報を光や音および液晶表示な
どにより報知し、同時に信号電圧を出力することによ
り、関連機器の停止、換気扇などの起動、情報端末ある
いはセキュリティ会社などへの伝達送信が可能となる。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、第一お
よび第二ヒーターを備えることにより、第一および第二
ヒーターのうちどちらか一方が経年的に劣化してその抵
抗が変化したり、断線しても、別のヒーターによりガス
検知部を所定の動作温度に保持するので、被検出ガスの
正確な濃度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるガスセンサの組立構成
【図2】同ガスセンサの上面構成図
【図3】同ガスセンサの断面構成図
【図4】同ガスセンサの構成図
【図5】従来のガスセンサの組立構成図
【符号の説明】
1 電解質 2a 第一電極膜 2b 第二電極膜 3a、3b、11a、11b、12a、12b リード
電極膜 4 酸化触媒膜 5 ガス検知部 6 絶縁基板 7 第一ヒーター 8 第一絶縁膜 9 第二ヒーター 10 第二絶縁膜 13 コーティング膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇野 克彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 丹羽 孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鶴田 邦弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2G004 BB04 BC03 BD04 BF05 BF07 BF08 BH15 BJ03 BK04 BL08 BL17 BL19 BM04 BM07

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が電気的絶縁性を有する絶縁基板
    と、前記絶縁基板の表面に形成した第一ヒーターと、前
    記第一ヒーターを電気的に絶縁する第一絶縁膜と、前記
    第一絶縁膜の上に形成した第二ヒーターと、前記第二ヒ
    ーターを電気的に絶縁する第二絶縁膜と、前記第二絶縁
    膜の上に形成したガス検知部と、前記第一および第二ヒ
    ーターおよび前記ガス検知部よりリードを取り出すリー
    ド電極膜と、前記ガス検知部以外の部分を覆うように形
    成した緻密なコーティング膜と、前記ガス検知部を所定
    温度に加熱するように前記第一および第二ヒーターのう
    ち少なくとも一つのヒーターに電圧を供給する電圧供給
    手段を備えてなるガスセンサ。
  2. 【請求項2】 第一および第二ヒーターを、抵抗が等し
    くなるよう形成した請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 【請求項3】 第一および第二ヒーターの材質と、パタ
    ーンおよび膜厚は互いに等しい請求項1に記載のガスセ
    ンサ。
  4. 【請求項4】 第一および第二絶縁膜の熱伝導率は、2
    0W/m・Kより大きい請求項1に記載のガスセンサ。
  5. 【請求項5】 第一および第二絶縁膜の熱膨張係数は、
    70×10-7/Kより大きく130×10-7/Kより小
    さい請求項1に記載のガスセンサ。
  6. 【請求項6】 電圧供給手段は、第一および第二ヒータ
    ーのうち少なくとも一つのヒーターに間欠的な電圧を供
    給する請求項1に記載のガスセンサ。
  7. 【請求項7】 電圧供給手段は、ガス検知部の出力を測
    定する間だけ、第一および第二ヒーターのうち少なくと
    も一つのヒーターへ電圧を供給し、出力を測定した後は
    電圧を供給しない請求項1に記載のガスセンサ。
  8. 【請求項8】 第一および第二ヒーターのうち少なくと
    も一つの抵抗を検出する抵抗検出手段と、前記抵抗から
    ヒーターの温度を算出し、ガス検知部の温度が一定とな
    るように電圧供給手段がヒーターに供給する電圧を制御
    する温度制御手段を備えてなる請求項1に記載のガスセ
    ンサ。
  9. 【請求項9】 抵抗検出手段は、電圧供給手段が電圧を
    供給しない間、第一および第二ヒーターのうち少なくと
    も一方の抵抗を検出する請求項8に記載のガスセンサ。
  10. 【請求項10】 抵抗検出手段は、電圧供給手段が第一
    および第二ヒーターのうちの一方に電圧を供給する間、
    もう一方の抵抗を検出する請求項8に記載のガスセン
    サ。
  11. 【請求項11】 ガス検知部は、イオン導電性を有する
    電解質と、前記電解質の上に形成した第一および第二電
    極膜と、前記第一電極膜の上に形成した多孔性の酸化触
    媒膜と、第一および第二電極膜の間の電位差を測定する
    電位差検出手段と、電位差から被検出ガスの濃度を算出
    する演算手段と、前記演算手段で算出した被検出ガスの
    濃度により状態を報知する報知手段を備えてなる請求項
    1に記載のガスセンサ。
  12. 【請求項12】 電解質は、少なくとも酸素イオン導電
    性を有する固体電解質である請求項11に記載のガスセ
    ンサ。
  13. 【請求項13】 電解質の熱膨張係数は、70×10-7
    /Kより大きく130×10-7/Kより小さい請求項1
    1に記載のガスセンサ。
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