JP2003107029A - 金属容器の内面被膜検査装置 - Google Patents

金属容器の内面被膜検査装置

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JP2003107029A
JP2003107029A JP2001302096A JP2001302096A JP2003107029A JP 2003107029 A JP2003107029 A JP 2003107029A JP 2001302096 A JP2001302096 A JP 2001302096A JP 2001302096 A JP2001302096 A JP 2001302096A JP 2003107029 A JP2003107029 A JP 2003107029A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検査後に密封機構からの金属容器の分離を確
実かつすみやかにできる金属容器の内面被膜検査装置を
提供する。 【解決手段】 一端に開口部5を有し、非導電性の内面
被膜4が施された金属容器3の金属部を一方の極性と
し、金属容器3内に配置した導電性部材19を逆の極性
とし、検査水17を金属容器3内に充填した後、両極の
間に任意の電圧を印加し、印加時に生じる電流を検出
し、検出電流に基づいて内面被膜4を検査する金属容器
3の内面被膜検査装置2において、金属容器3の開口部
5から金属容器3内に挿入され、検査後に金属容器3か
ら退出される導電性部材19を備えた挿入部材9と、金
属容器3の開口部5を密封し、検査後に密封を解除する
密封機構と、挿入部材9に設けられ、密封機構から離れ
る方向に金属容器内の任意箇所を押圧する可動部25と
を備え、可動部25が、弾性体を介して金属容器と当接
するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表面処理鋼板や
アルミニウム合金板などからなる導電性の金属容器にお
いて、その内面側を被覆している合成樹脂製などの非導
電性の内面被膜に生じている傷や亀裂、ピンホールなど
の欠陥を検出するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属容器がその充填物によって腐食され
ることを防止するために、金属容器の内面を熱硬化性樹
脂塗膜や熱可塑性樹脂フィルム膜等の合成樹脂製の絶縁
体によって被覆することが従来から広く行われている。
そして、金属容器の充填物の性質によって、金属容器の
内面に施される被膜の材質や厚さ、被膜の形成方法が決
定される。なお、被膜の厚さは通常、熱硬化性塗膜の場
合には4μm〜13μmであり、熱可塑性樹脂フィルム
膜の場合には10μm〜30μmである。
【0003】しかし、内面被膜の形成時やその後の金属
容器の加工工程において、内面被膜に傷や亀裂、ピンホ
ール等の欠陥が発生する場合があった。そして、内面被
膜の欠陥を放置したまま金属容器の内部に充填物を封入
すると、その充填物によって金属容器を構成している金
属が腐食して腐食孔が発生したり、金属容器に用いられ
ている金属が充填物中に溶出して充填物のフレーバーが
損なわれる可能性があった。そのため、充填物を金属容
器に充填する前の工程において、抜き取り検査により、
内面被膜の欠陥を検出することが行われている。
【0004】その金属容器の内面被膜(塗膜)欠陥の検
出方法として、破壊検査法の一種であるエナメルレータ
法が知られている。このエナメルレータ法について説明
する。まず、一端が閉じられ、かつ、他端が開口されて
いる金属容器の内部に電解液(例えば塩化ナトリウム水
溶液)を注入し、その中に検出装置の負極を浸漬する。
次に、金属容器の金属露出部に検出装置の正極を接触さ
せて、これらの電極の間に所定時間(例えば3秒間)、
数V(例えば6V)程度の電圧を印加する。そして、数
V程度の電圧を印加することによって流れる電流を測定
することにより、内面被膜の欠陥が検出される。
【0005】しかし、エナメルレータ法では、電解液と
して塩化ナトリウム水溶液や硫酸ナトリウム水溶液など
が用いられていることから、内面被膜に欠陥が存在しな
いという検査結果が得られた一端開口の金属容器であっ
ても、その内面に付着した電解液によりその後の時間経
過に伴い金属容器の内面が腐食する虞があるので、検査
に用いた金属容器は廃棄処分され、抜き取り検査が前提
となっている。したがって、一端開口の金属容器の全数
検査に、この方法を採用するとすれば、腐食性の強い電
解液を金属容器の内部から完全に除去するための専用の
洗浄工程が必要となるので、検査工程が複雑化し、金属
容器の製造コストがアップする問題がある。
【0006】このような問題に対処することのできる一
端開口の金属容器の内面被膜の欠陥検出方法および装置
の一例が、特開2000−046776号公報に記載さ
れている。この公報には、導電性のブラシを金属容器の
内部に挿入して内面被膜に接触させるとともに、内面被
膜の表面に導電性の液体を供給し、ブラシと金属容器と
を相対回転させることによりブラシによって液体を微粒
子化し、その状態でブラシと金属容器との間に低電圧を
印加し、その電流を測定することが記載されている。こ
の公報に記載された方法および装置によれば、導電性を
有する液体として純水を用いることによって、金属容器
を自然乾燥させたり、金属容器に空気(室温程度の空気
または暖めた空気)を吹き付けたりするだけで、その乾
燥後には金属容器の内面被膜に水の痕跡を残さず、金属
容器を検査前の状態に戻すことができ、洗浄工程を設け
る必要がないとされている。
【0007】ところが、上記公報に記載された方法およ
び装置においては、ブラシにより導電性の液体を微粒子
化しているので、少なくとも一端に開口部が形成されて
いる金属容器の内面が、ブラシの先端が届き難い複雑な
形状(例えば、途中から小径となっている形状や、一端
側の開口部付近に螺旋形状の凹凸などが形成されている
形状)である場合には、導電性の液体が内面被膜の表面
に満遍なく行き渡らない可能性がある。その結果、被膜
の欠陥検出精度が低下する可能性があった。
【0008】そこで、上記の導電性のブラシの替わり
に、導電性の検査水を用いることにより、上記不具合を
解消し、内面被膜の欠陥検出精度を向上できるようにし
た欠陥検出装置および方法が、特願2001−1324
03号として、既に出願されている。すなわち、この出
願は、金属容器の内部に、検査水を充填し、充填した検
査水を介して、金属容器の内側から内面被膜に検査用電
圧を印加し、この際に検出される検査電流の値によっ
て、金属容器の内面被膜の欠陥検出を行うことにより、
一端に開口部が形成されている金属容器の内面形状に関
わりなく、内面被膜の欠陥が検出できるようにしてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
出願に係る装置および方法においては、その検査時に、
金属容器からの検査水漏れを防止するために、金属容器
の上側開口部を密封する密封機構が設けられているが、
内面被膜の検査終了後に密封機構からの容器離れ不良が
生じたり、容器離れがスムーズでなかったりすることが
あった。
【0010】このため、検査工程の迅速な検査動作が妨
げられるとともに、検査が終了した金属容器の姿勢が僅
かにずれ、次工程への移送が遅れたり、次工程での金属
容器に対する処理が適切に行なえない虞があった。
【0011】したがって、この検査工程から次の後工程
に、検査済みの金属容器を所定の速度で切れ目無く供給
できず、工程全体の動作速度が低下してしまうととも
に、このトラブル発生時の回復作業に要する労力も無視
できない程度に大きくなっていた。
【0012】特に、単位時間当たりに大量の金属容器を
処理するために、工程ラインの高速化を促進している傾
向から、このような速度低下や回復作業による遅延を可
能な限り回避することが要望されていた。
【0013】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たものであり、少なくとも一端に開口部が形成されてい
る金属容器において、検査終了後に密封機構からの容器
離れを確実かつすみやかに行なえる金属容器の内面被膜
検査装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、一端に開口部
を有し、非導電性の内面被膜が施された金属容器の金属
部を一方の極性とし、金属容器内に配置した導電性部材
を逆の極性とし、検査水を金属容器内に充填した後、両
極の間に任意の電圧を印加し、印加時に生じる電流を検
出し、前記検出電流に基づいて内面被膜を検査する金属
容器の内面被膜検査装置において、前記金属容器の開口
部から金属容器内に挿入され、検査後に金属容器から退
出される前記導電性部材を備えた挿入部材と、前記金属
容器の開口部を密封し、検査後に密封を解除する密封機
構と、前記挿入部材に設けられ、前記密封機構から離れ
る方向に、前記金属容器内の任意箇所を押圧する可動部
とを備えたことを特徴とする装置である。
【0015】請求項1の発明によれば、密封機構から離
れる方向に、金属容器内の任意箇所を押圧する可動部を
設けたことにより、密封機構による金属容器の密封が解
除された際には、密封機構から金属容器を強制的に分離
することができる。
【0016】請求項2の発明は、一方の端部に形成され
た大径開口部と、他方の端部に形成されかつ前記大径開
口部よりも小径の小径開口部と、内周面に施された合成
樹脂の内面被膜とを有した金属容器における前記内面被
膜を検査する金属容器の内面被膜検査装置において、前
記金属容器を前の工程から受け取り、検査位置に保持
し、検査後に後の工程に引き渡す保持装置と、前記検査
中に前記金属容器の小径開口部を密封し、検査後に密封
を解除して金属容器から離れる密封治具と、前記検査中
に前記金属容器の大径開口部を密封し、検査後に密封を
解除して金属容器から離れる密封機構と、導電性部材を
備え、前記大径開口部から前記金属容器に挿入され、検
査後に、密封機構の離脱動作に伴い金属容器から退出す
る挿入部材と、前記挿入部材に、挿入方向に向けて移動
可能にかつ移動した際に前記金属容器に当接可能に設け
られ、前記挿入方向に付勢された可動部と、前記金属容
器の前記大径開口部側における前記内面被膜の存在しな
い部位に接触する電極と、前記内面被膜に臨む領域およ
び前記導電性部材に臨む領域に亘り、検査水を充填した
状態で、前記導電性部材と前記電極との間に電圧を印加
する電圧印加装置と、前記電圧印加装置による電圧の印
加によって、前記内面被膜を介して流れる電流から前記
内面被膜の欠陥を検出する電流検出器とを備えているこ
とを特徴とする装置である。
【0017】請求項2の発明によれば、挿入部材に、挿
入部材の挿入方向に向けて移動可能で、移動した際に金
属容器に当接可能な可動部を設け、この可動部を挿入方
向に付勢したことにより、検査終了後、密封機構による
大径開口部の密封が解除され、密封治具が金属容器から
離れる方向へ相対移動した際に、可動部が密封治具側へ
相対移動して、金属容器の内面を挿入方向に押圧するこ
とができる。
【0018】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明において、前記可動部が、弾性体を介して、前記金属
容器と当接することを特徴とする装置である。
【0019】請求項3の発明によれば、請求項1または
2の発明と同様の作用を得られる他に、可動部の金属容
器と当接する部分を弾性体としたことにより、可動部が
金属容器に当接した際に、可動部が金属容器内部を傷付
けることを防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の具体例を、図面
を参照して説明する。この発明の内面被膜の検査工程
は、図1に示す検査ステーションK1と、図4に示す水
滴除去ステーションK2と、図5に示す乾燥ステーショ
ンK3とから構成される。まず、検査ステーションK1
で用いられる検査装置の構成を、図1および図2に基づ
いて説明する。この図1は、検査対象の金属容器である
ネジ付きのボトル型缶胴1と、このボトル型缶胴1を検
査する検査装置2とを示す断面図、図2は、この発明の
内面被膜検査装置2の電気的な回路構成を示すブロック
図である。ボトル型缶胴1は、筒形状に成形された金属
容器胴部3と、金属容器胴部3の内周面の全域に施され
た内面被膜4とを備え、その両端に開口部が形成されて
いる。
【0021】金属容器胴部3は、導電性の材料、例え
ば、表面処理鋼板やアルミニウム合金板などにより形成
されている。この金属容器胴部3は、一端側に大径開口
部5を有する円筒形状の胴部6と、胴部6における大径
開口部5とは反対側の開口端から所定範囲が縮径するよ
うに形成され、かつ、胴部6側から断面円弧形状に構成
された肩部7と、肩部7に接続され、かつ、その外周部
にネジキャップ(図示せず)を冠着させるための小径口
頸部8とを有する。
【0022】この小径口頸部8は、円筒形状部分の先端
部を外巻きして形成したカール部81と、カール部81
の肩部7側に連続して螺旋状の凹凸部が形成されたネジ
部82と、ネジ部82と肩部7との間の領域に形成され
た環状突部83とを有している。この小径口頸部8の端
部には、小径開口部80が形成されている。
【0023】なお、このカール部81は、その横断面形
状が、略円形状に形成されるとともに、そのカール部8
1の内周側における周縁の径が、小径口頸部8の内径よ
りも、僅かに小さく設定されている。
【0024】上記のようなボトル型缶胴1を製造する手
法としては、つぎのような第1の方法と第2の方法とが
挙げられる。第1の方法は、例えば、筒形状に加工され
た金属容器胴部3の内周面に、エポキシ−フェノール系
塗料やアクリル変性エポキシ−フェノール系塗料、また
はエポキシ−尿素系塗料等の塗料を液体の状態でスプレ
ーするとともに、塗料を乾燥焼付けすることにより、内
面被膜4を有するボトル型缶胴1を製造する方法であ
る。また、第2の製造方法は、ポリエステル系樹脂等の
熱可塑性樹脂フィルムまたは内面樹脂フィルムを金属板
表面に貼着または押し出し被覆して樹脂被覆金属板を製
造する。
【0025】なお、熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポ
リエステル系やポリプロピレン系、ナイロン系等のもの
が用いられ、内面樹脂フィルムとしては、配向結晶の内
面樹脂フィルムや非晶質構造のものが用いられている。
【0026】次に、この樹脂被覆金属板を、絞り再絞り
加工または絞りしごき加工することにより、円筒形状の
底付き缶胴を成形し、その後、底付き缶胴の底部側に数
回の絞り加工と平滑化加工とを行うことにより、小径口
頸部8および肩部7を成形し、さらに、小径口頸部8の
先端を切断して開口させ、小径口頸部8の先端部を外巻
きしてカール部81を成形し、その下方にネジ部82を
形成するとともに、タンパーエビデンス機構付きのキャ
ップ(図示せず)の破断バンドを固定するための環状突
部83を形成することにより、内面被膜4を有するボト
ル型缶胴1が製作される。
【0027】一方、前記検査装置2は、大径開口部5を
介してボトル型缶胴1の内部に挿入される挿入部材であ
る挿入ヘッド9を有している。この挿入ヘッド9は、絶
縁材料(例えば、合成樹脂など)を用いて、その外面形
状が、検査対象であるボトル型缶胴1における金属容器
胴部3の内周面のなす形状より小型でかつ相似形状に形
成されている。すなわち、この挿入ヘッド9は、金属容
器胴部3より小径の中空軸状の胴部10と、金属容器胴
部3の小径口頸部8の内径よりも外径が小さい小径軸部
である可動部25と、これらの部分を連結しているなだ
らかな肩部11とを有している。
【0028】また、この挿入ヘッド9の外周面のほぼ全
ての領域が、電流検出電極19によりカバーされてい
る。さらに、挿入ヘッド9を、ボトル型缶胴1の軸線方
向、具体的には上下方向に往復移動させるために、図2
に示すシリンダ9Aが設けられている。
【0029】なお、検査装置2は、円板状基台の回転タ
ーレット(図示せず)に配置され、この回転ターレット
の保持装置(以降、ポケットと称する)によって、ボト
ル型缶胴1を保持し、検査位置にセットしている。ま
た、このポケットは、ボトル型缶胴1の側面をバキュー
ム吸着することにより、ボトル型缶胴1を保持するよう
にしている。
【0030】また、従来の挿入ヘッド9の小径軸部12
に相当する部分は、挿入ヘッド9の挿入方向に沿った軸
線方向に、所定範囲をスライド移動が可能な可動部25
とされており、この可動部25は、その内部に設けられ
たスプリング26により、下方に押圧付勢されている。
【0031】すなわち、この可動部25は、図3に示す
ように、所定の径を有した略円筒形状に形成され、その
可動部25の上側基端が、挿入ヘッド9の胴部10の下
端に軸線方向に突設された円筒部10aの外側に差し込
まれ、軸線方向に沿ってスライド移動を可能としてい
る。
【0032】また、可動部25の上側基端の外縁には、
径方向の外方に突出された突起部25aが複数設けられ
ている。他方、挿入ヘッド9の肩部11には、突起部2
5aに対応して、軸線方向の所定範囲を切り欠いた切欠
き部11aが複数設けられている。この切欠き部11a
は、胴部10の端面部から肩部11の下端近傍までの長
さに設けられている。したがって、この可動部25の突
起部25aが切欠き部11a内を移動することにより、
可動部25が挿入ヘッド9から脱落せずに、一定範囲を
スライド移動できるようにしている。
【0033】さらに、可動部25の内部には、所定の弾
性係数を備えたスプリング26が圧縮されて収納され、
このスプリング26の一端は、胴部10の円筒部10a
端面に当接されるとともに、その他端は可動部25内に
設けられた段部25bに当接されている。したがって、
このスプリング26の弾性復帰力により、スプリング2
6が可動部25を挿入ヘッド9の軸方向に沿った下方に
押圧するようにしている。
【0034】なお、可動部25は、導電性の素材を用い
て形成され、電流検出電極19の一部となるように構成
されている。すなわち、可動部25の外周は、挿入ヘッ
ド9の肩部11までカバーされた電流検出電極19の周
縁部に接触されている。
【0035】さらに、可動部25の下側の先端近傍は、
先細りのテーパー状に縮径されたテーパー部25cと、
このテーパー部25cに連続した小径部25dとが形成
されている。この小径部25dの外径は、金属容器胴部
3の小径口頸部8に形成された小径開口部80の内径よ
りも、僅かに小さく設定されている。また、この小径部
25dの軸方向の長さは、少なくとも、後述する密封治
具の密封部材37の軸方向の厚さよりも、僅かに長く設
定されている。
【0036】したがって、金属容器胴部3が、適切に検
査装置2にセットされ、密封治具30により密封された
場合には、可動部25の最先端である小径部25dの端
部が、密封部材37を通過して、密閉治具30の排水用
開口部31が形成されている端面部34dに当接され、
金属容器胴部3の小径口頸部8内に位置する可動部25
の外周面と、金属容器胴部3の小径口頸部8の内周面と
の間に所定に間隙を設けるようにしている。
【0037】また、このテーパー部25cの中間箇所の
外周には、溝条が形成され、この溝条に弾性体27が取
り付けられている。この弾性体27は、ゴムなどの弾性
変形可能で絶縁性の素材を用いて、その横断面形状が円
形状を有したリング状に形成されている。
【0038】したがって、後述するように、可動部25
が下方にスライド移動した際には、この弾性体27を介
して、可動部25が金属容器胴部3内の所定箇所に接触
するようになっている。
【0039】また、可動部25の先端側の側面には、軸
方向に沿った長円形状の開口が形成され、後述する検査
水17の供給時や排出時に、可動部25の内外に検査水
17を通過させる給水口25Aとされている。さらに、
可動部25の最先端の小径部25dの開口は、後述する
検査水17の排出時に、検査水17を通過させる排水口
25Bとされている。
【0040】なお、可動部25は、挿入ヘッド9の小径
軸部12に相当する部分のみを可動させ付勢するように
構成したが、これに限らず、挿入ヘッド9の肩部11か
ら小径軸部12までを一体に形成しこれを軸方向に可動
させ付勢するように構成しても良いし、挿入ヘッド9の
胴部10から小径軸部12までを一体に形成しこれを軸
方向に可動させ付勢するように構成しても良い。
【0041】上記の挿入ヘッド9は、図1に示すよう
に、クランプ用シリンダ62の先端部に取り付けられて
いる。このクランプ用シリンダ62は、円筒状のピスト
ン63およびピストンロッド64を有しており、そのピ
ストンロッド64の中心部を軸線方向に貫通する心棒の
部分が挿入ヘッド9と一体となっている。
【0042】また、挿入ヘッド9の基端部の外周部に
は、内方のピストンロッド64側から外方に向けて順
に、クランプ用ゴムリング65とガイドリング66が嵌
合されている。このクランプ用ゴムリング65は、弾性
変形可能なゴムなどの素材を用いて、断面形状が円形の
リング状に形成され、金属容器胴部3の大径開口部5の
外径より僅かに小さい外径を有している。また、このク
ランプ用ゴムリング65の外周側には、前記大径開口部
5の外径とほぼ等しい内径の受けリング67が、クラン
プ用ゴムリング65に対して半径方向で対向するように
配置されている。したがって、このクランプ用ゴムリン
グ65は、ピストンロッド64によって押圧されること
により、外周側に膨らむように変形し、その結果、金属
容器胴部3の大径開口部5をクランプするとともに、大
径開口部5を密封するようになっている。
【0043】この受けリング67およびクランプ用ゴム
リング65と、クランプ用シリンダ62との間には、エ
ッジ電極20が設けられている。すなわち、このエッジ
電極20に、クランプ用ゴムリング65の外周側に嵌合
させた金属容器胴部3の大径開口部5を当接させて、直
流電源22に導通できるようになっている。なお、受け
リング67は、エッジ電極20をクランプ用シリンダ6
2の先端部との間に挟み付けるようにしてクランプ用シ
リンダ62の先端部に固定されている。
【0044】このクランプ用ゴムリング65を挟んで、
前記ピストンロッド64とは反対側に配置されているガ
イドリング66は、ピストンロッド64によってクラン
プ用ゴムリング65を加圧する際に反力を生じるいわゆ
る受け部材となっている。また、ガイドリング66の外
周面は、クランプ用ゴムリング65側から電流検出電極
19側に向けて次第に小径となるテーパー状に形成され
ている。したがって、前記挿入ヘッド9を金属容器胴部
3の内周に挿入する際に、その大径開口部5をクランプ
用ゴムリング65の外周側にガイドして、挿入ヘッド9
と金属容器胴部3とを同一軸線上に一致させるようにな
っている。
【0045】なお、上記の各電極19,20以外の各部
分は、合成樹脂などの絶縁性材料によって構成されてい
る。
【0046】また、挿入ヘッド9には、その挿入ヘッド
9の中心軸線(図示せず)に沿って、挿入ヘッド9の上
方部から給水路14が形成されている。この給水路14
は、挿入ヘッド9の下方の先端部の肩部の小径軸部12
の先端部に開口する一方、途中から分岐して、胴部10
の軸線(図示せず)方向における所定位置の外周面に開
口された複数の検査水注入口15に連通している。な
お、この給水路14の分岐する前の経路途中には、逆止
弁14Aが設けられている。
【0047】また、この給水路14には、検査水17を
供給する給水管16が接続され、この給水管16は、イ
オン交換処理機17Aを介してポンプ16Aに接続され
ている。そして、ポンプ16A(図2参照)により汲み
上げられた水道水や検査後、回収された検査水17に対
して、公知のイオン交換処理が施され、さらに、炭酸水
または炭酸ガスが溶解されて、その比抵抗が所定の値に
調整された検査水17が製造される。この検査水17
は、給水管16を介して給水路14に送られる。
【0048】なお、ポンプ16Aと給水管16との間の
流路には、流量調節弁16Bが設けられている。この流
量調節弁16Bは、給水路14に供給される検査水17
の流量を調節するものである。
【0049】また、この給水管16の途中には、流量調
節弁16Bを通過した給水量を検出する流量センサ16
Cが設けられている。したがって、金属容器胴部3が所
定の位置を通過し検査水17が供給されるときに、この
流量センサ16Cは、挿入ヘッド9と金属容器胴部3と
の間に供給する検査水17の量を検出し、その検出結果
に基づいて検査水17の供給を停止することにより、そ
の充填量に過不足が生じないように構成されている。
【0050】また、挿入ヘッド9の上端部で、前記ガイ
ドリング66より僅か先端側(図1での下側)に複数の
オーバーフロー流出路71が設けられ、このオーバーフ
ロー流出路71は、挿入ヘッド9の基端部をその軸線に
対して直交方向に貫通して形成された排水路72に連通
されている。
【0051】また、この排水路72には、挿入ヘッド9
の外部に突出した排水管73の一端が接続されている。
また、排水管73の他端には、三方弁(図示せず)が接
続されており、この三方弁の他の一つ目の弁が、大気側
に開放するように外部に接続されているとともに、他の
二つ目の弁が加圧空気源(図示せず)に接続されてい
る。したがって、この三方弁を切り替えて、検査水17
を供給する際に、金属容器胴部3の内部を外部の大気側
に開放して連通する一方、金属容器胴部3の内部の検査
水17を排出する際に、加圧空気源(図示せず)と金属
容器胴部3の内部とを連通できるようにしている。この
ため、検査が終了した際には、この加圧空気源から加圧
空気を供給し、この加圧空気により金属容器胴部3から
検査水17を押し出すことにより、不要となった検査水
17の金属容器胴部3からの排出を迅速に行なえるよう
にしている。
【0052】また、挿入ヘッド9の直下で対向する位置
には、小径口頸部8の下端側に形成されている小径開口
部80を開閉する密封治具30が、設置されている。こ
の密封治具30は、その上部に、金属容器胴部3の小径
開口部80に接続される排水用開口部31を有し、その
内部に、この排水用開口部31に連通した排水空間32
が、設けられている。
【0053】すなわち、密封治具30の治具本体33
は、少なくとも小径開口部80の外径よりも大きな短円
筒形状に形成され、その上部中央には所定径の凹部が設
けられている。また、この治具本体33の凹部から治具
本体33外に至る通路(図示せず)が形成され、この通
路は配水管(図示せず)に接続されている。
【0054】また、図3に示すように、治具本体33の
上側には、所定径の排水用開口部31を備えたハウジン
グ34が固定されている。このハウジング34は、接続
部35を取り付ける所定径の円筒部34aと、その上部
に可動部25の最先端が当接する所定径の円筒部34b
と、その下部に治具本体33にハウジング34自体を固
定するリブ部34cとを、同一軸上に配置した構成とさ
れ、可動部25の最先端が当接する円筒部34cの端面
34d中心から下方に、排水用開口部31が貫通して設
けられている。したがって、このハウジング34が治具
本体33に固定されることにより、治具本体33内に、
ハウジング34の排水用開口部31を上方開口とする排
水空間32が形成されている。
【0055】さらに、この可動部25の最先端が当接す
る円筒部34bの外径は、挿入ヘッド9の可動部25の
最先端の外径よりも僅かに大きく形成される一方、この
円筒部34bの端面34dの中心に形成された排水用開
口部31の内径は、挿入ヘッド9の可動部25の最先端
の外径よりも小さく形成されている。
【0056】また、可動部25の最先端が当接するハウ
ジング34の端面部34dには、可動部25の先端側外
面と密封部材との間の検査水17を流下させる複数の切
欠き部31aが、形成されている。すなわち、この切欠
き部31aは、その可動部25の最先端が接触する箇所
よりも径方向における外側の端面部34dの箇所から、
排水用開口部31に至って、排水用開口部31側に広が
ったテーパー形状に形成されている。したがって、後述
するように、検査終了後には、この切欠き部31aから
検査水17を流下させて、可動部25の先端側外面と密
封部材との間に充填された検査水17を排水用開口部3
1に排出するようにしている。
【0057】また、このハウジング34の排水用開口部
31は、密封ロッド36によって、任意に開閉可能とし
ている。
【0058】すなわち、この密封ロッド36は、排水用
開口部31の内径よりも大きな半球面を有した大径に形
成された密封体36aを、長棒状に形成されたロッド本
体36bの一端に固定した構成とされ、この密封ロッド
36は、その密封体36aを排水用開口部31に向け、
排水用開口部31の径中心と同一の垂直軸線上に沿っ
て、排水空間32に配置されている。なお、この密封体
36aは、弾性変形可能な素材により形成されている。
さらに、密封ロッド36のロッド本体36bの下端部
は、治具本体33に設けた貫通孔を介して、治具本体3
3から下方に突出され、エアーシリンダー機構(図示せ
ず)に接続されている。したがって、エアーシリンダー
機構により、密封ロッド36が任意に上昇または下降駆
動され、密封ロッド36の密封体36aによって、排水
用開口部31を任意に閉止、開放できるようにしてい
る。
【0059】ハウジング34の上側には、密封部材37
を有した接続部35が固定され、この密封部材37を介
して、金属容器胴部3の小径開口部80を、排水用開口
部31に水密に接続するようにしている。
【0060】すなわち、接続部35は、金属容器胴部3
の小径開口部80の外径より僅かに大きな内径を有し、
密封部材37を取り付ける溝部が設けられている。
【0061】密封部材37は、ゴムなどの弾性変形可能
な素材が用いられ、その内径が、金属容器胴部3の小径
開口部80の内径より僅かに小さく、かつ、その外径が
小径開口部80の外径より大きいドーナツ形状に形成さ
れている。
【0062】したがって、密封部材37は、後述する内
面被膜検査時には、金属容器胴部3の小径開口部80に
当接し、密封部材37が弾性変形して密着することによ
り、金属容器胴部3の下方開口である小径開口部80を
排水用開口部31に連通させて接続する。これととも
に、密封部材37の内側を、可動部25の最先端に設け
られた小径部25dを通過させて、可動部25の小径部
25dがハウジング34の排水用開口部31が形成され
ている端面部34dに当接される。
【0063】なお、35aは、その断面形状が倒立した
L字状に形成されたカバー部であり、このカバー部35
aにより、密閉治具30による排水処理の遅れなどによ
って、金属容器胴部3から排出された検査水17が、密
閉治具30から周囲に漏出しないようにしている。
【0064】また、このように構成された密閉治具30
は、ロアーカム機構(図示せず)によって、任意に上昇
または下降駆動できるように支持されている。したがっ
て、このロアーカム機構により、密閉治具30を下方位
置から上昇駆動することにより、金属容器胴部3の小径
開口部80に、密封部材37を介して、密閉治具30に
設けた排水空間32の排水用開口部31を接続できるよ
うにしている。
【0065】このように構成された密閉治具30によれ
ば、内面被膜検査を行う際には、密封部材37が金属容
器胴部3の小径開口部80に密着し、金属容器胴部3の
下側開口である小径開口部80を、排水用開口部31を
介して、密閉治具30の排水空間32に接続するととも
に、密封ロッド36が上昇駆動され、密封ロッド36の
密封体36aによって、排水用開口部31を閉止するこ
とにより、小径開口部80が密閉され、金属容器胴部3
から検査水17が流出しないようにしている。他方、検
査終了後に、金属容器胴部3から検査水17を排水する
際には、密封ロッド36が下降駆動されて、排水用開口
部31を開放し、金属容器胴部3内の検査水17が、排
水用開口部31と切欠き部31aとを介して、排水空間
32に流下され、金属容器胴部3から排出される。
【0066】なお、これらのハウジング34や接続部3
5、密封ロッド36のロッド本体36bなどは、合成樹
脂などの絶縁性材料を用いて形成されている。
【0067】また、挿入ヘッド9の胴部10と肩部11
との外周面には、欠陥及び内面被膜4を介して流れる電
流を検出する電流検出電極19が取り付けられている。
この電流検出電極19の材質としては、ステンレス鋼、
アルミニウム合金などを用いることができる。また、電
流検出電極19は、スイッチ21を介して直流電源22
の正極に接続されている。
【0068】さらに、胴部10の外周面における検査水
注入口15と端面13との間には、エッジ電極20が取
り付けられている。このエッジ電極20はリング形状で
あり、かつ、板形状に構成されている。すなわち、エッ
ジ電極20は、胴部10の外周面から鍔状に突出してお
り、エッジ電極20の外径は、ボトル型缶胴1の外径よ
りも大きく設定されている。またエッジ電極20は直流
電源22の負極に接続されている。そして、前記スイッ
チ21のオン・オフによって、電流検出電極19に印加
する電圧を、内面被膜4の耐電圧よりも低い電圧(この
電圧は、内面被膜4の種類、内面被膜4の厚さ、内面被
膜4の結晶化度などによって異なるが、例えば200な
いし700V)に維持することができる。そして、直流
電源22の負極とエッジ電極20との間には、電流計2
3が設けられている。また、電流計23には、データ処
理器24が接続されている。さらに、電流計23により
測定された電流値から内面被膜4に欠陥が生じているか
否かが判定される。
【0069】さらに、挿入ヘッド9の端面13には、電
流検出電極19およびエッジ電極20ならびに直流電源
22を含む電気回路の一部を構成する電線が取り付けら
れている。
【0070】なお、図3において、符号19aは前記電
流検出電極19に接続されたプラス電極用の電線を示
し、また符号20aはエッジ電極20に接続されたマイ
ナス電極用の電線を示し、符号68は前記クランプ用シ
リンダ62及びピストン63に対するクランプ用エアー
供給管を示し、符号69は前記クランプ用シリンダ62
及びピストン63に対するリリース用エアー供給管を示
している。さらに、図2において、検査装置2を示す一
点鎖線で取り囲まれた領域内に設けられている各機構に
より、検査装置2が構成されている。
【0071】つぎに、前記水滴除去ステーションK2で
用いられる残留水除去装置38の構成を、図4に基づい
て説明する。この残留水除去装置38は、大径開口部5
側からボトル型缶胴1の内部に挿入されるエアー供給シ
ャフト39を備えている。このエアー供給シャフト39
の軸線(図示せず)は、上下方向に沿って設けられてい
る。また、エアー供給シャフト39の先端(下端)には
円柱形状のヘッド39Aが設けられており、ヘッド39
Aの外周面には、水滴除去エアー口40が複数開口され
ている。水滴除去エアー口40は、水滴除去エアー口4
0から噴出される空気が、水滴除去エアー口40よりも
下方に向かうように構成されている。さらに、エアー供
給シャフト39の上端側には、回転機構接続具41を介
して水滴除去エアー供給管42が接続されている。
【0072】そして、エアー供給シャフト39およびヘ
ッド39Aの内部に設けられている通路(図示せず)に
より、水滴除去エアー供給管42と水滴除去エアー口4
0とが接続されている。このようにして、エアー供給シ
ャフト39と水滴除去エアー供給管42とが、回転機構
接続具41により、相対回転可能な状態で気密に接続さ
れている。また、エアー供給シャフト39における回転
機構接続具41と水滴除去エアー口40との間の外周に
は、大径開口部5の内径よりも僅かに外径が小さく、噴
出されたエアーが大径開口部5側から吹き出すのを防止
または抑制するための円形リブ状のエアー噴出防止治具
43が形成されている。
【0073】また、残留水除去装置38は電動機44を
備えており、電動機44の出力軸45と、エアー供給シ
ャフト39におけるエアー噴出防止治具43と回転機構
接続具41との間に相当する部位とに、ベルト46が巻
き掛けられている。さらに、エアー供給管42は、圧縮
機または送風機などの空気機械(図示せず)に接続され
ている。この空気機械とエアー供給管42との間には、
開閉弁47(図2参照)が設けられている。そして、電
動機44、エアー供給シャフト39、回転機構接続具4
1などの機構を一括して上下動させるシリンダ48が設
けられている。さらに、残留水除去装置38は、ボトル
型缶胴1をその軸線が上下方向となる状態で保持する保
持装置(図示せず)を備えている。
【0074】つぎに、乾燥ステーションK3で用いられ
る乾燥装置49の構成を、図5に基づいて説明する。乾
燥装置49は、エアー供給管50に接続されたホットエ
アー発生機51を備えている。ホットエアー発生機51
は、例えばヒータなどにより構成されている。ホットエ
アー発生機51にはホットエアー供給管52が接続され
ており、ホットエアー供給管52の先端にはホットエア
ー噴出口53が形成されている。ホットエアー供給管5
2は、大径開口部5側からボトル型缶胴1の内部に挿入
するもので、そのホットエアー供給管52の軸線(図示
せず)が上下方向に向けて配置されている。
【0075】また、エアー供給管50は圧縮機または送
風機などの空気機械(図示せず)に接続されている。さ
らに、空気機械とエアー供給管50との間には、開閉弁
60が設けられている。そして、空気機械からエアー供
給管50を経由して供給される空気がホットエアー発生
機51により加熱された後、ホットエアー噴出口53か
ら噴出される。さらに、ホットエアー供給管52の外周
面には、大径開口部5の内径よりも僅かに外径が小さ
く、噴出されたホットエアーが大径開口部5側から吹き
出すのを防止または抑制するための円形リブ状のホット
エアー噴出防止治具54が形成されている。なお、乾燥
装置49は、ホットエアー発生機51およびホットエア
ー供給管52などの機構を一括して上下動させるシリン
ダ55を備えている。なお、乾燥ステーションK3は、
省略しても良く、また、ホットエアーを吹き付けるので
はなく、公知のオーブンなどを通過させて乾燥させても
良い。
【0076】さらに、ボトル型缶胴1を前工程から検査
ステーションK1に搬入する動作と、各ステーション同
士の間におけるボトル型缶胴1の移送と、乾燥ステーシ
ョンK3からボトル型缶胴1を後工程に排出する動作と
を行う搬送装置56が設けられている。この搬送装置5
6は、電動機、シリンダなどの公知のアクチュエータ
(図示せず)と、これらのアクチュエータにより動作す
るターンテーブル、ベルトコンベア、チャックなどの公
知の機構とを備えている。また、各ステーション中、あ
るいは各ステーション同士の間におけるボトル型缶胴1
の位置・移動・停止などの状態を、光電的または機械的
に検出する各種のセンサ57が設けられている。さら
に、内面被膜4に欠陥があると判定されたボトル型缶胴
1をライン外に排出する排出装置59が設けられてい
る。
【0077】さらにまた、検査装置2の各部の動作、及
び、検査装置2に連動する機構装置の動作を制御する電
子制御装置58が設けられている。この電子制御装置5
8は、演算処理装置(CPUまたはMPU)および記憶
装置(RAMおよびROM)ならびに入出力インタフェ
ースを主体とするマイクロコンピュータにより構成され
ている。そして、図2に示すように、電子制御装置58
には、流量センサ16Cからの信号、データ処理器24
の信号、各種のセンサ57の信号などが入力される。一
方、電子制御装置58からは、シリンダ9A,48,5
5を制御する指令信号、電動機44を制御する指令信
号、開閉弁47,60を制御する指令信号、搬送装置5
6を制御する指令信号、流量調節弁16Bを制御する指
令信号、ホットエアー発生機51を制御する指令信号、
排出装置59を制御する指令信号などが出力される。
【0078】上記のように構成された検査装置2による
金属容器胴部3の内面被膜4の欠陥の有無を検出する検
査動作について説明する。
【0079】まず、内面被膜4を施された金属容器胴部
3が、検査ステーションK1に搬入される。すなわち、
一端側に大径開口部5を有した金属容器胴部3の側面
が、回転ターレットのポケットに、バキュームの吸引力
により吸着されて保持され、このポケットによって、金
属容器胴部3が、その金属容器胴部3の軸線を上下方向
に向け、かつ、小径口頸部8を下に向けた姿勢で、検査
位置にセットされる。
【0080】そして、密封治具30が下方より上方に移
動されるとともに、これに連動して挿入ヘッド9が上方
より下方に移動される。その際には、金属容器胴部3の
小径開口部80のカール部81と密封治具30のシール
部材である密封部材37とが初めに当接し、次いで、挿
入ヘッド9が金属容器胴部3の内部を通過して、挿入ヘ
ッド9の先端側に設けられた小径部25dの先端が、密
封治具30の端面部34dに当接する。
【0081】この当接後も、挿入ヘッド9自体は下方へ
移動するが、挿入ヘッド9の小径軸部12は、挿入ヘッ
ド9の軸方向へ可動できる可動部25となっているの
で、可動部25の内部に設けられたスプリング26が縮
むことによって、可動部25が挿入ヘッド9内に没入
し、可動部25を除く他の挿入ヘッド9の部分が下方へ
の移動を継続する。
【0082】なお、可動部25は電流検出電極19の一
部として構成されているが、この状態では、電流検出電
極19と金属容器胴部3とは接触しないようになってい
る。
【0083】そして、挿入ヘッド9は、金属容器胴部3
の大径開口部5側の端部と挿入ヘッド9のエッジ電極2
0とが接触する位置まで下降する。また、このとき、ポ
ケットのバキュームは解除される。
【0084】また、このように金属容器胴部3の内部に
向けて挿入ヘッド9を下降させる際に、両者の軸心が僅
かにずれていると、前記ガイドリング66の外周面に大
径開口部5のエッジが接触する。そして、そのガイドリ
ング66の外周面がテーパー状に形成されているので、
大径開口部5のエッジがそのテーパー面にガイドされ、
金属容器胴部3と挿入ヘッド9とを同一軸線上に一致さ
せて嵌合した状態にセットされる。
【0085】この状態で、クランプ用エアーを供給して
ピストン63を前進させると、クランプ用ゴムリング6
5が軸線方向に圧縮されるので、半径方向で外側へ突出
するように弾性変形する。そのため、大径開口部5の端
部が、このように変形したクランプ用ゴムリング65と
受けリング67との間に挟み付けられてクランプされ密
封される。この状態では、挿入ヘッド9と金属容器胴部
3とが同一軸線上に配置され、かつ挿入ヘッド9が金属
容器胴部3より小型の相似した形状であるから、両者の
間に一定の間隔(一例として1〜4mm、好ましくは2
〜3mm程度の間隔)が形成され、その間隔をもって電
流検出電極19の外周面と金属容器胴部3の内周面とが
対向することになる。
【0086】次いで、流量調節弁16Bの開動作によ
り、給水管16から検査水17が供給されると、検査水
17が給水路14の逆止弁14Aを押し開き、給水路1
4を通過して、挿入ヘッド9の胴部10の側面に設けら
れた検査水注入口15と、可動部25の側面に設けられ
た給水口25Aとから金属容器胴部3の内部に供給され
る。
【0087】その際には、三方弁によりオーバーフロー
流出路71と外部とが連通され、挿入ヘッド9と金属容
器胴部3との間の空間部に存在していた空気は、オーバ
ーフロー流出路71及び排水路72から外部に排出さ
れ、空間部に対する検査水17の充填が円滑に行われ
る。
【0088】また、給水管16の内部を流れる検査水1
7の水量は、流量センサ16Cによって検出され、その
検出した流量が予め定めた値、すなわち挿入ヘッド9と
金属容器胴部3との間の空間容積を検査水17が満たす
程度の流量になると、流量調節弁16Bの閉動作によ
り、給水管16からの検査水17の供給が停止される。
【0089】次いで、エッジ電極20及び電流検出電極
19に所定の電圧を印加することによって、金属容器胴
部3の内面被膜4における欠陥の有無の検査が行なわれ
る。すなわち、スイッチ21のオン・オフにより、電流
検出電極20に対して検査用の電圧が所定時間、印加さ
れる。この電圧は、内面被膜4の耐電圧よりも低い電
圧、例えば200Vないし700Vに制御される。
【0090】また、この内面被膜4の欠陥の有無の検
査、すなわち電圧を印加する時間は、所定時間に予めセ
ットされており、その時間の経過後に、スイッチ21が
オフ操作され、電圧の印加が止められる。なお、本実施
形態の検査装置2が検査対象とする内面被膜4の領域
は、クランプ用ゴムリング65による押圧面以外の領域
である。
【0091】そして、電圧印加による内面被膜検査が終
了した後には、密封治具30の密封ロッド36が下方に
移動され、密封治具30の排水用開口部31が開放され
る。したがって、金属容器胴部3内部の検査水17が、
挿入ヘッド9の可動部25の側面の給水口25Aから先
端面の排水口25B、及び排水用開口部31の切欠き部
31aを通過し、密封治具30の排水用開口部31を経
て排水空間32に排出される。この際、三方弁により排
水管73と加圧空気源とが連通され、加圧空気をオーバ
ーフロー流出路71から金属容器胴部3内に吹き出させ
ることにより、金属容器胴部3からの検査水17の排出
速度を上昇させている。
【0092】そして、次工程へ搬送を行うために、回転
ターレットのポケットのバキュームにより金属容器胴部
3の側面が吸着される。その後、クランプ用シリンダ6
2にリリース用のエアーが供給され、ピストン63が上
方位置に後退して復帰することにより、ピストン63に
よるクランプ用ゴムリング65の押圧が解除され、クラ
ンプ用ゴムリング65がその弾性によって元の形状に復
帰し、金属容器胴部3の大径開口部5のクランプ及び密
封が解除される。
【0093】そして、この後もしくはこれとほぼ同時
に、挿入ヘッド9が上方に移動を開始し、かつ、密封治
具30が下方に移動を開始する。すなわち、挿入ヘッド
9を支持しているシリンダ9Aのシリンダ駆動により、
挿入ヘッド9がボトル型缶胴1の軸線方向に沿った上方
向に移動を開始する。この際、密封治具30の下方への
移動とともに、金属容器胴部3を保持しているポケット
も連動して所定位置まで下方に移動する。
【0094】そして、図6に示すように、挿入ヘッド9
の上方への移動および密封治具30の下方への移動に伴
い、可動部25の内部に圧縮されて配置されているスプ
リング26が、その弾性復帰力を可動部25に作用さ
せ、可動部25が挿入ヘッド9に対して相対的に下方に
移動し、この可動部25のテーパー部25cに設けられ
た弾性体27と金属容器胴部3のカール部81の内面側
の近傍箇所とが接触し、さらに可動部25が弾性体27
を介して金属容器胴部3のカール部81の内面側を押圧
し続けるので、金属容器胴部3の大径開口部5がクラン
プ用ゴムリング65と受けリング67の間から抜き出さ
れ、金属容器胴部3が下方に押し出される。
【0095】そして、図7に示すように、可動部25
が、その移動範囲の末端までスプリング26により移動
されると、可動部25はそのスライド移動を停止する。
さらに、図8に示すように、可動部25は挿入ヘッド9
とともに上方へ移動され、挿入ヘッド9および可動部2
5が金属容器胴部3内から退出し、金属容器胴部3と完
全に分離される。
【0096】その後、金属容器胴部3を保持しているポ
ケットの下方への所定量の移動が終了し、密封治具30
のみがさらに下方へ移動を継続し、ポケットにバキュー
ム保持された金属容器胴部3と密封治具30とが分離さ
れる。
【0097】したがって、このように可動部25を、金
属容器胴部3の小径口頸部8よりも小径に形成し、挿入
ヘッド9の挿入方向に突出可能に設け、内装したスプリ
ング26により突出方向に付勢するとともに、検査中に
は、その先端を密封治具30に当接させて、可動部25
を金属容器胴部3に非接触に保持する一方、検査後に
は、金属容器胴部3のクランプ状態が解除され、密封治
具30及び挿入ヘッド9が上下方向に離れて移動する
と、密封治具30と可動部25とが離れることから、可
動部25が突出動作し、弾性体27を介して、小径口頸
部8のカール部81付近を押圧して、金属容器胴部3の
挿入ヘッド9から強制的に分離することができる。この
結果、金属容器胴部3の保持される位置や姿勢が適切に
維持され、金属容器胴部3を移送したりする検査装置2
の以降の動作を迅速かつ正確に行なうことができる。
【0098】すなわち、クランプ用シリンダ62ヘのリ
リース用エアーの供給異常やピストン63の動作異常な
どにより、金属容器胴部3の大径開口部5のクランプ動
作状態が正常に解除されなかった場合や、金属容器胴部
3は薄肉で変形しやすいので、何らかの理由で大径開口
部5の開口形状が従前と異なる形状に変形してしまい、
この変形部分と受けリング67との摩擦が増大し、金属
容器胴部3のクランプ状態が解除されない場合や、金属
容器胴部3の内面被膜4とクランプ用ゴムリング65と
が密着して、金属容器胴部3が受けリング67とすみや
かに分離されない場合、クランプ用ゴムリング65が弾
性によって元の形状に復帰するのに時間が掛かり、完全
にクランプが解除される前に挿入ヘッド9が上方への移
動を開始した場合などが生起したときには、挿入ヘッド
9が金属容器胴部3を付けたまま上方へ移動したり、金
属容器胴部3の上下方向の位置がずれたり、金属容器胴
部3の軸線方向に沿った姿勢が傾いてしまうことにな
る。
【0099】しかし、本実施形態によれば、挿入ヘッド
9の可動部25を、金属容器胴部3を下方の密封治具3
0側に押し出す構成としたことにより、金属容器胴部3
の挿入ヘッド9のクランプ用ゴムリング65、受けリン
グ67などからなるクランプ部とを確実かつすみやかに
分離でき、検査装置2の以降の動作を適正かつ正確に行
なうことができる。
【0100】すなわち、回転ターレットのポケットのバ
キューム吸引力に抗して、金属容器胴部3が挿入ヘッド
9と共に上方へ移動することにより、金属容器胴部3が
回転ターレットのポケットに保持されず次工程に搬送さ
れなかったり、上下方向に位置がずれた状態で次工程に
搬送されたりすることを未然に回避することができる。
【0101】これらの結果、この検査工程から次の後工
程に、検査済みの金属容器胴部3を所定の速度で切れ目
無く供給することができ、工程の作業速度の向上が可能
となるとともに、トラブル発生時の回復処理に要する労
力を削減することができる。
【0102】また、横断面形状が円形に形成された可動
部25の弾性体27と、横断面形状がほぼ円形に形成さ
れた金属容器胴部3のカール部81とを当接するように
しているので、径方向においては円形体同士の接触とな
り、弾性体27がカール部81に密着すること無く、こ
れらの接触が解除された場合の分離もすみやかに行なう
ことができる。
【0103】さらに、可動部25により金属容器胴部3
のカール部81を押圧して強制的に分離し、大径開口部
5の周縁部を押圧しない構成としているので、押圧によ
る大径開口部5の変形を防止できるとともに、ボトル型
缶胴1の軸線方向に沿ったボトル型缶胴1の最先端側の
カール部81を押圧しているので、ボトル型缶胴1の軸
線方向に沿った姿勢も維持することができる。
【0104】またさらに、小径開口部80の開口端近傍
に位置するカール部81を押圧することにより、金属容
器胴部3を分離しているとともに、カール部81がその
横断面形状が円形に形成され、押圧に対する強度が高い
ので、小径開口部80の開口形状が変形されること無
く、小径開口部80の開口形状を検査前の従前の形状の
まま保つことが可能となる。
【0105】なお、可動部25をスライド移動させる手
段として、挿入ヘッド9の内部に、可動部25を押圧す
るスプリング26を圧縮して設置し、スプリング26の
弾性復帰力を利用して、可動部25を所定方向に付勢し
た構成としたが、これに限らず、ゴム、空気バネ、電磁
石、油圧シリンダ、空気圧シリンダなどの付勢手段を内
蔵させ、挿入ヘッド9や密封治具30の移動に連係さ
せ、その付勢手段による弾性力や膨張力、磁気的な反発
力や吸着力を可動部25に作用させて、可動部25が自
動的に所定方向にスライド移動するようにしても良い。
【0106】また、電気的な制御を用いて、金属容器胴
部3が所定の位置を通過したときをセンサにより判別
し、外部からエアーの吹き込みなどを行い、可動部25
を密封治具30側の方向へ動かすように構成しても良
く、この場合は、挿入ヘッド9の金属容器胴部3への挿
入時などには、可動部25を挿入ヘッド9内に引き込ん
だ状態とし、内面被膜4の検査終了後、挿入ヘッド9を
金属容器胴部3から退出させるときに、可動部25を密
封治具30方向へ突出させて移動させることにより、挿
入ヘッド9から金属容器胴部3を分離するとともに、金
属容器胴部3の分離後には、可動部25を挿入ヘッド9
に引き込んだ状態に復帰させることになる。
【0107】さらに、金属容器胴部3に可動部25を当
接させる箇所は、金属容器胴部3内周面のカール部81
やその近傍箇所に限らず、可動部25が挿入方向に移動
することにより、金属容器胴部3と当接できる部分であ
れば良く、例えば、金属容器胴部3の首部または肩部の
内面の近傍箇所であっても良く、また、絞り缶、深絞り
缶、絞りしごき缶、インパクト缶などの2ピース缶の場
合には、底部であっても良く、その当接部分に応じて、
適宜、可動部25の形状や付勢手段を選択変更するもの
とする。
【0108】そして、挿入ヘッド9を金属容器胴部3か
ら抜き取った後、欠陥の検出されなかった良品のボトル
型缶胴1は、正常品の工程ラインに送り出され、また欠
陥の検出された不良品のボトル型缶胴1は、ラインから
排除される。
【0109】すなわち、良品と判定されたボトル型缶胴
1は、水滴除去ステーションK2に移送される。
【0110】水滴除去ステーションK2に移送されたボ
トル型缶胴1は、保持装置(図示せず)により、その軸
線方向が上下方向に向けられた状態で停止する。このよ
うにして、水滴除去ステーションK2におけるボトル型
缶胴1のセッティングが完了する。ついで、シリンダ4
8の動作によりエアー供給シャフト39を下降し、エア
ー供給シャフト39がボトル型缶胴1の内部に挿入する
とともに、電動機44を駆動してエアー供給シャフト3
9を回転させ、かつ、開閉弁47の動作により、水滴除
去エアー口40からエアーを噴出して、ボトル型缶胴1
の内面被膜4に付着している水滴を吹き飛ばす。吹き飛
ばされた水滴は、小径開口部80からボトル型缶胴1の
外部に排出される。そして、開閉弁47の動作によりエ
アーの噴出を停止するとともに、シリンダ48の動作に
よりエアー供給シャフト39をボトル型缶胴1の内部か
ら抜き取るとともに、ボトル型缶胴1を乾燥ステーショ
ンK3に移送する。
【0111】乾燥ステーションK3においても、保持装
置(図示せず)により、ボトル型缶胴1がその軸線を上
下方向に向けた状態で保持され、ボトル型缶胴1のセッ
ティングが完了する。そして、シリンダ55の動作によ
りホットエアー発生機51およびホットエアー供給管5
2が下降し、ホットエアー供給管52がボトル型缶胴1
の内部に挿入される。ついで、開閉弁60の動作によ
り、ホットエアー噴出口53から温風を噴出してボトル
型缶胴1の内部を乾燥させた後、開閉弁60の動作によ
り温風の噴出を停止する。その後、シリンダ55の動作
によりホットエアー発生機51およびホットエアー供給
管52が上昇し、ホットエアー供給管52がボトル型缶
胴1の外部に退避する。
【0112】このようにして、乾燥ステーションK3に
おける乾燥作業が終了したボトル型缶胴1は、搬送装置
56により後工程に搬送される。
【0113】なお、検査ステーションにK1おいて、内
面被膜4に欠陥があると判定されたボトル型缶胴1、つ
まり、不良品であると判定されたボトル型缶胴1は、水
滴除去ステーションK2に移送することなく、そのまま
排出装置56によりライン外に排出すること、または水
滴除去ステーションK2および乾燥ステーションK3の
少なくとも一方を通過してから、排出装置56によりラ
イン外に排出すること、のいずれかの制御が選択され
る。
【0114】以上のように、この実施形態の検査装置に
よれば、金属容器胴部の小径口頸部よりも小径に形成さ
れた従来の小径軸部に相当する部分を可動部とし、この
可動部を挿入ヘッドの挿入方向に突出可能に設け、内装
したスプリングにより突出方向に付勢するとともに、検
査中には、その先端を密封治具に当接させて、可動部を
小径口頸部に非接触に保持する一方、検査後には、金属
容器胴部のクランプ状態が解除され、密封治具及び挿入
ヘッドが上下方向に離れて移動することに伴い、可動部
が突出動作し、弾性体を介して、小径口頸部のカール部
付近を押圧して、金属容器胴部の挿入ヘッドから強制的
に分離するようにしたので、金属容器胴部の保持される
位置や姿勢が適切に維持され、金属容器胴部を移送した
りする検査装置の以降の動作を迅速かつ正確に行なうこ
とができる。
【0115】すなわち、回転ターレットのポケットのバ
キューム吸引力に抗して、金属容器胴部が挿入ヘッドと
共に上方へ移動することにより、金属容器胴部が回転タ
ーレットのポケットに保持されず次工程に搬送されなか
ったり、上下方向に位置がずれた状態で次工程に搬送さ
れたりすることを未然に回避することができる。
【0116】この結果、この検査工程から次の後工程
に、検査済みの金属容器胴部を所定の速度で切れ目無く
供給することができ、工程の作業速度の向上が可能とな
るとともに、トラブル発生時の回復処理に要する労力を
削減することができる。
【0117】また、横断面形状が円形に形成された可動
部の弾性体と、横断面形状がほぼ円形に形成された金属
容器胴部のカール部とが当接するようにしているので、
径方向においては円形体同士の接触となり、弾性体がカ
ール部に密着すること無く、これらの接触が解除された
場合の分離もスムーズに行なうことができる。
【0118】さらに、小径開口部の開口端近傍に位置す
るカール部を押圧することにより、金属容器胴部を分離
しているとともに、カール部がその横断面形状が円形に
形成され、押圧に対する強度が高いので、小径開口部の
開口形状が変形されること無く、小径開口部の開口形状
を検査前の従前の形状のまま保つことが可能となる。
【0119】ここで、実施形態の構成とこの発明の構成
との対応関係を説明すれば、金属容器胴部3がこの発明
の金属容器に相当し、検査装置2がこの発明の内面被膜
検査装置に相当し、内面被膜4がこの発明の内面被膜に
相当し、挿入ヘッド9が挿入部材に相当し、電流検出電
極19がこの発明の導電性部材に相当し、検査水17が
この発明の検査水に相当し、直流電源22およびスイッ
チ21ならびにエッジ電極20により形成される電気回
路がこの発明の電圧印加装置に相当し、電流計23およ
びデータ処理器24がこの発明の電流検出器に相当し、
可動部25がこの発明の可動部に相当し、弾性体27が
この発明の弾性体に相当し、密封治具30がこの発明の
密封治具に相当し、エッジ電極20がこの発明の電極に
相当し、クランプ用シリンダ62、ピストン63、ピス
トンロッド64、クランプ用ゴムリング65、ガイドリ
ング66、受けリング67がこの発明の密封機構に相当
する。
【0120】なお、本発明の対象とする金属容器は、少
なくとも一端開口の金属容器であれば、その内外形状に
よって限定されず、例えば絞り缶、深絞り缶、絞りしご
き缶、インパクト缶などのレギュラータイプや口頸部に
ネジ部を備えたボトルタイプ等の2ピース缶、両端が開
口された口頸部にネジ部を備えたボトルタイプの3ピー
ス缶、溶接缶や接着缶などの3ピース缶のいずれでも、
対象としてよい。また、2ピース缶のように一端のみ開
口されているものについては、その開口部から挿入部材
を金属容器内に挿入し、開口部を密封機構により密封
し、検査後に密封を解除し、挿入部材が退出するととも
に、可動部が金属容器の底部を押圧し、密封機構から金
属容器を強制的に分離し、その後、支持手段により金属
容器を上下方向に反転させ、金属容器の内部から検査水
を排出する。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、密封機構から離れる方向に、金属容器内の任意
箇所を押圧する可動部を設けたことにより、密封機構か
ら金属容器を強制的に離脱させ、確実かつすみやかに分
離することができるので、検査後に、金属容器の保持さ
れる位置や姿勢が適切に維持され、金属容器胴部を移送
したりする検査装置の以降の動作を迅速かつ正確に行な
うことができ、この検査工程から次の後工程に、検査済
みの金属容器を所定の速度で切れ目無く供給することが
可能となる。
【0122】請求項2の発明によれば、挿入部材に、挿
入部材の挿入方向に向けて移動可能で、移動した際に金
属容器に当接可能な可動部を設け、この可動部を挿入方
向に付勢したことにより、検査終了後、密封機構による
大径開口部の密封が解除され、密封治具が金属容器から
離れる方向へ相対移動した際に、可動部が密封治具側へ
相対移動して、金属容器の内面を挿入方向に押圧するこ
とができるので、密封機構の動作異常などにより、大径
開口部の密封が解除されなかった場合や密封機構から大
径開口部が分離しなかった場合でも、可動部が金属容器
を密封治具側に押し出すように移動することによって、
金属容器と密封機構とを確実に分離でき、保持装置の保
持力に抗して、金属容器が密封機構に従属して移動する
ことにより、保持装置に保持されず次工程に搬送されな
かったり、金属容器の位置がずれたり、姿勢が傾いたり
した状態で次工程に搬送されたりすることを防止でき、
検査工程から次の後工程に、検査済みの金属容器を所定
の速度で切れ目無く供給することが可能となる。
【0123】請求項3の発明によれば、請求項1または
2の発明と同様の効果を得られる他に、可動部の金属容
器と当接する部分を弾性体としたことにより、可動部が
金属容器に当接した際に、可動部が金属容器内部を傷付
けることを防止することができ、金属容器の品質を維持
することができる。また、可動部の弾性変形する弾性体
を接触しているので、可動部と金属容器との分離をより
確実に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態であり、検査ステーショ
ンで用いる検査装置と、検査対象となるボトル型缶胴と
を示す断面図である。
【図2】 この発明の検査装置の制御回路を示すブロッ
ク図である。
【図3】 この発明の実施形態であり、挿入ヘッドの可
動部と密封治具とを主に示す拡大断面図である。
【図4】 この発明の実施形態であり、水滴除去ステー
ションで用いる残留水除去装置を示す斜視図である。
【図5】 この発明の実施形態であり、乾燥ステーショ
ンで用いる乾燥装置を示す斜視図である。
【図6】 この発明の実施形態であり、検査ヘッドと密
閉治具とからボトル型缶胴が分離を開始した状態を示す
拡大断面図である。
【図7】 この発明の実施形態であり、検査ヘッドと密
閉治具とからのボトル型缶胴の分離途中の状態を示す拡
大断面図である。
【図8】 この発明の実施形態であり、検査ヘッドと密
閉治具とからボトル型缶胴が分離した状態を示す拡大断
面図である。
【符号の説明】
2…検査装置、 3…金属容器胴部、 4…内面被膜、
5…大径開口部、9…挿入ヘッド、 9A…シリン
ダ、 17…検査水、 19…電流検出電極、20…エ
ッジ電極、 21…スイッチ、 22…直流電源、 2
3…電流計、24…データ処理器、 25…可動部、
27…弾性体、 30…密封治具、58…電子制御装
置、 62…クランプ用シリンダ、 63…ピストン、
64…ピストンロッド、 65…クランプ用ゴムリン
グ、 66…ガイドリング、67…受けリング、 80
…小径開口部、 K1…検査ステーション。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に開口部を有し、非導電性の内面被
    膜が施された金属容器の金属部を一方の極性とし、金属
    容器内に配置した導電性部材を逆の極性とし、検査水を
    金属容器内に充填した後、両極の間に任意の電圧を印加
    し、印加時に生じる電流を検出し、前記検出電流に基づ
    いて内面被膜を検査する金属容器の内面被膜検査装置に
    おいて、 前記金属容器の開口部から金属容器内に挿入され、検査
    後に金属容器から退出される前記導電性部材を備えた挿
    入部材と、 前記金属容器の開口部を密封し、検査後に密封を解除す
    る密封機構と、 前記挿入部材に設けられ、前記密封機構から離れる方向
    に、前記金属容器内の任意箇所を押圧する可動部とを備
    えたことを特徴とする金属容器の内面被膜検査装置。
  2. 【請求項2】 一方の端部に形成された大径開口部と、
    他方の端部に形成されかつ前記大径開口部よりも小径の
    小径開口部と、内周面に施された合成樹脂の内面被膜と
    を有した金属容器における前記内面被膜を検査する金属
    容器の内面被膜検査装置において、 前記金属容器を前の工程から受け取り、検査位置に保持
    し、検査後に後の工程に引き渡す保持装置と、 前記検査中に前記金属容器の小径開口部を密封し、検査
    後に密封を解除して金属容器から離れる密封治具と、 前記検査中に前記金属容器の大径開口部を密封し、検査
    後に密封を解除して金属容器から離れる密封機構と、 導電性部材を備え、前記大径開口部から前記金属容器に
    挿入され、検査後に、密封機構の離脱動作に伴い金属容
    器から退出する挿入部材と、 前記挿入部材に、挿入方向に向けて移動可能にかつ移動
    した際に前記金属容器に当接可能に設けられ、前記挿入
    方向に付勢された可動部と、 前記金属容器の前記大径開口部側における前記内面被膜
    の存在しない部位に接触する電極と、 前記内面被膜に臨む領域および前記導電性部材に臨む領
    域に亘り、検査水を充填した状態で、前記導電性部材と
    前記電極との間に電圧を印加する電圧印加装置と、 前記電圧印加装置による電圧の印加によって、前記内面
    被膜を介して流れる電流から前記内面被膜の欠陥を検出
    する電流検出器とを備えていることを特徴とする金属容
    器の内面被膜検査装置。
  3. 【請求項3】 前記可動部が、弾性体を介して、前記金
    属容器と当接することを特徴とする請求項1または2に
    記載の金属容器の内面被膜検査装置。
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