JP2003106367A - 液封入式防振装置 - Google Patents

液封入式防振装置

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JP2003106367A
JP2003106367A JP2001299443A JP2001299443A JP2003106367A JP 2003106367 A JP2003106367 A JP 2003106367A JP 2001299443 A JP2001299443 A JP 2001299443A JP 2001299443 A JP2001299443 A JP 2001299443A JP 2003106367 A JP2003106367 A JP 2003106367A
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JP
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liquid
damping device
orifice
vibration damping
filled type
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JP2001299443A
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Masaaki Ito
政昭 伊藤
Shingo Hatakeyama
晋吾 畠山
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Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 要求性能が異なる液封入式防振装置の各部品
の共通化を図る。 【解決手段】 本体金具1に形成した小孔6をゴム状弾
性体製の薄膜7で塞ぐ。仕切体18を液室16にセット
する際、薄膜7にオリフィス隔壁部29を対向させれ
ば、第一オリフィス26内の液圧で薄膜7がたわまな
い。オリフィス溝25を対向させれば、第一オリフィス
26内の液圧で薄膜7がたわむ。どちらかを選択すれ
ば、異なる性能の液封入式防振装置が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車のエ
ンジン等の振動源を支持する支持機構の一部に組み込ま
れて、振動源側から車体側に伝達される振動を制御する
ための液封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば自動車のエンジン等の振
動源を支持する支持機構の一部には、液封入式防振装置
が組み込まれて、振動源側から車体側に伝達される振動
を制御している。図13及び図14に液封入式防振装置
の一例を示す。
【0003】図13の液封入式防振装置は、筒状の本体
金具101の軸方向一側内周面に、ゴム状弾性体製で略
円盤状の防振基体102が止着され、この防振基体10
2の一側中央部に、略円板状の振動源側取付金具103
が止着された構造とされており、振動源側取付金具10
3が振動源側に取り付けられ、本体金具101の他側端
部に固定された略カップ状の車体側取付金具104が車
体側に取り付けられて、振動源側と車体側とを防振的に
連結する。
【0004】本体金具101及び車体側取付金具104
間には、本体金具101の他側開口を閉塞するゴム状弾
性体製のダイヤフラム105が介在され、本体金具10
1と防振基体102とダイヤフラム105とで囲まれる
空間が液室106とされる。この液室106は、仕切体
107で一側の主液室108及び他側の副液室109に
仕切られており、振動源が振動したとき、液室106内
に封入された液が、オリフィス110を通って両液室1
08、109間を往復する。
【0005】この液封入式防振装置は、例えばシェイク
振動等の低周波振動域では、防振基体102とオリフィ
ス110の流動抵抗及び液の粘性とにより高い減衰性能
を発揮する。一方、例えばアイドル振動等の高周波振動
域では、防振基体102及び液自体が共振することによ
り、小さい動ばねを示して車体側への振動伝達を遮断す
る。
【0006】図14の液封入式防振装置は、外部からそ
の減衰性能を制御可能とされた制御型液封入式防振装置
である。この制御型液封入式防振装置は、図13の液封
入式防振装置とほぼ同じ構成であるが、液室111が一
側の主液室112と他側の第一副液室113と主液室1
12の他側隣りに位置する第二副液室114とに仕切ら
れている。
【0007】主液室112と第一副液室113とは、断
面積が小さく液通過抵抗が大きい第一オリフィス115
で連通され、主液室112と第二副液室114とは、断
面積が大きく液通過抵抗が小さい第二オリフィス116
で連通されている。
【0008】第二副液室114の他側には、第二副液室
114と第二ダイヤフラム117で仕切られた切替室1
18が設けられている。この切替室118は、連通路1
19を介して外部に連通されており、内部の気圧を大気
圧又は負圧に切り換えることにより、第二ダイヤフラム
117を可動状態又は不動状態に切り換えるようになっ
ている。
【0009】この制御型液封入式防振装置は、第二ダイ
ヤフラム117が可動状態のとき、液通過抵抗が小さい
第二オリフィス116を通って主液室112及び第二副
液室114間を液が流動し、第二ダイヤフラム117が
不動状態のとき、液通過抵抗が大きい第一オリフィス1
15を通って主液室112及び第一副液室113間を液
が流動するようになっており、振動の周波数に応じて、
減衰性能を高めた状態と動ばね定数を小さくした状態と
を切り換えることができる。
【0010】図13の液封入式防振装置は、簡単な構造
かつ安いコストで振動を制御でき、図14の制御型液封
入式防振装置は、構造が複雑でコストも高くなるが、よ
り効果的に振動を制御できる。これらの液封入式防振装
置は、要求性能とコスト等を勘案して適宜選択されてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、それぞれの
要求性能に応じて液封入式防振装置を製作する場合、そ
のコストが高くなる恐れがある。本発明は、要求性能が
異なる液封入式防振装置の各部品の共通化を図り、製作
コストが安い液封入式防振装置を提供することを目的と
している。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、筒状の本体金具の軸方向一側内周面に、
振動源側取付金具を介して振動源を支持するゴム状弾性
体製の防振基体が止着されて、本体金具及び防振基体で
囲まれる空間が液室とされ、該液室が外周側にオリフィ
ス溝を有する仕切体で仕切られ、本体金具内周面とオリ
フィス溝とで囲まれる空間がオリフィスとされた液封入
式防振装置において、前記本体金具に、前記仕切体の外
周面に対向する小孔が形成され、該小孔がゴム状弾性体
製の薄膜で塞がれたことを特徴とする液封入式防振装置
を提供する。
【0013】すなわち、本体金具は、仕切体の外周面に
対向する部分に小孔を形成して、この小孔をゴム状弾性
体製の薄膜で塞いだ構造とする。そうすれば、オリフィ
ス隔壁部を薄膜と対向させるか、あるいはオリフィス溝
を薄膜と対向させるかを選択して、仕切体をセットする
ことにより、異なる性能の液封入式防振装置を得ること
ができる。
【0014】また、上記の液封入式防振装置を、前記本
体金具は、外部から減衰性能を制御可能な制御型液封入
式防振装置の本体金具を利用してなり、前記小孔は、制
御型液封入式防振装置の制御用小孔を利用することを特
徴とする液封入式防振装置とすれば、本体金具を制御型
液封入式防振装置と共通化することができる。
【0015】ここで、制御型液封入式防振装置の制御用
小孔は、外部から液の流動抵抗を制御するためのもので
あり、例えば、切替室の空気圧を調節するための連通路
や、液室内の電極につながる配線等が貫通するものであ
る。なお、切替室の空気圧を調節するタイプでは、一部
のダイヤフラムの可動状態又は不動状態を切り換えて、
液が流れるオリフィスを選択し、減衰性能を制御する。
また、電極を有するタイプでは、印加電圧を切り換えて
電気粘性流体の粘度を変えることにより、減衰性能を制
御する。
【0016】また、上記の液封入式防振装置を、前記仕
切体は、その外周面側のオリフィス隔壁部を前記薄膜と
対向させて配置されたことを特徴とする液封入式防振装
置とすれば、例えばシェイク振動等の低周波振動域での
減衰性能を高めることができる。
【0017】つまり、薄膜の液室側を隔壁部で覆って、
液圧による薄膜のたわみを阻止することにより、オリフ
ィスから副液室に流れ出す液の流速が、主液室からオリ
フィスに流れ込む液の流速とほぼ等しくなる。そのた
め、オリフィスの全域で、その流動抵抗が大きくなり、
液封入式防振装置の減衰性能が高くなる。
【0018】一方、上記の液封入式防振装置を、前記仕
切体は、その外周面側のオリフィス溝を前記薄膜と対向
させて配置されたことを特徴とする液封入式防振装置と
すれば、例えばアイドル振動等の高周波振動域での動ば
ね定数を小さくして、車体側への振動伝達を遮断するこ
とができる。
【0019】つまり、薄膜でオリフィスの壁面の一部を
構成すれば、液圧で薄膜がたわむことによって、オリフ
ィス内の液の見かけ上の体積弾性率が小さくなり、薄膜
よりも副液室側での液の流速が小さくなる。このとき、
オリフィスの流動抵抗が小さくなって、その減衰性能が
低くなるため、液自体の共振が顕著になり、液封入式防
振装置が小さい動ばね定数を示して、車体側への振動伝
達を効果的に遮断することができる。
【0020】なお、オリフィス内での薄膜の位置は、要
求性能に応じて設定すればよく、薄膜を主液室に近づけ
れば、高周波振動域のばね定数がより小さくなり、薄膜
を副液室に近づければ、低周波振動域での減衰性能が高
くなる。
【0021】また、上記の液封入式防振装置を、前記薄
膜は、前記防振基体及び本体金具の内周面に形成される
内壁ゴム部と共に一体的に加硫成形されたことを特徴と
する液封入式防振装置とすれば、本体金具の外面側から
小孔を塞いだ状態で、ゴム状弾性体を加硫成形するだけ
で容易に薄膜を形成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る液封入式防振
装置の実施に形態について、図面を用いて説明する。ま
ず、第一実施形態の液封入式防振装置について説明す
る。図1は本発明の第一実施形態の液封入式防振装置の
正面図、図2はそのA−A断面図、図3は仕切体をセッ
トする前の状態を示す正面図、図4はそのB−B断面
図、図5は仕切体の平面図、図6はその底面図、図7は
そのC矢視図、図8はそのD矢視図、図9はそのE−E
断面図である。
【0023】この液封入式防振装置は、本体金具1の軸
方向一側端部にゴム状弾性体製の防振基体2が止着され
て、本体金具1の他側端部に車体側取付金具3が固定さ
れた構造とされ、防振基体2に止着された振動源側取付
金具4が振動源側に取り付けられ、車体側取付金具3が
車体側に取り付けられて、振動源側と車体側とを防振的
に連結する。
【0024】本体金具1は、例えば鋼製で、軸方向両端
部が外方に拡がった略鼓型の筒状とされ、その軸方向中
央部の内周面が、防振基体2と連続するゴム状弾性体製
の内壁ゴム部5で覆われている。この本体金具1の軸方
向中央付近には、一つの小孔6が形成され、この小孔6
が、内壁ゴム部5と連続するゴム状弾性体製の薄膜7で
塞がれている。
【0025】防振基体2は、外周面が本体金具1の一側
内周面に止着された略円盤状とされ、その軸方向一側面
の中央部には、例えば鋼製で略円板状の振動源側取付金
具4が止着されている。この振動源側取付金具4には、
中央部のボルト貫通孔に圧入された振動源側取付ボルト
8が一側に向けて突設されており、振動源側取付金具4
を介して、防振基体2が振動源を支持するようになって
いる。
【0026】振動源側取付金具4の一側面には、例えば
鋼製で略円板状のスタビライザー9が配されており、こ
のスタビライザー9を介在させて、振動源側取付金具4
が振動源側に取り付けられる。スタビライザー9の一部
は、外方斜め他側方向に延設されており、延設された部
分が、本体金具1の一側端部の一部に設けられたストッ
パゴム部10に対向して、振動源側の側方及び一側方向
への過大な変位を規制する。
【0027】車体側取付金具3は、例えば鋼製の略カッ
プ状とされ、その底部のボルト貫通孔に圧入された車体
側取付ボルト11が他側に向けて突設されている。この
車体側取付金具3は、後述する液室16内に仕切体18
を挿入後、仕切体保持金具12及びダイヤフラム13を
一側からこの順番で介在させて、その開口部14が本体
金具1の他側端部に内嵌される。本体金具1の他側端部
は内向きにかしめられ、車体側取付金具3が本体金具1
に固定される。
【0028】仕切体保持金具12は、例えば鋼製で中央
部に図示しない通液口が形成された略円板状とされ、ダ
イヤフラム13は、ゴム状弾性体製の膜状とされて、本
体金具1の他側開口を閉塞する。ダイヤフラム13の外
周部には、リング状金具15の内周部が埋入されてお
り、仕切体保持金具12の外周部及びリング状金具15
の外周部が、本体金具1及び車体側取付金具3で軸方向
に挟圧固定される。
【0029】ダイヤフラム13と本体金具1内周面の内
壁ゴム部5及び防振基体2とで囲まれる空間は、液が封
入されて液室16とされ、ダイヤフラム13と車体側取
付金具3とで囲まれる空間は、空気室17とされる。こ
のうち、液室16内には、仕切体18がその外周面を薄
膜7に対向させて他側から圧入され、液室16が一側の
主液室19及び他側の副液室20に仕切られている。
【0030】仕切体18は、外周側が開放された断面略
コ字形のオリフィスリング21と、オリフィスリング2
1の中央部開口を閉塞するゴム状弾性体製の仕切膜22
とからなり、オリフィスリング21の内周側に突出形成
された内縁部23に、仕切膜22の外周部が止着され
る。
【0031】この仕切体18は、防振基体2の外周部他
側と仕切体保持金具12とで、オリフィスリング21が
軸方向に挟持されることにより位置決めされる。仕切膜
22の外周部には、他側に向けて略リング状の脚部24
が突設され、通液口を取り囲むように、脚部24の先端
が仕切体保持金具12に圧接される。
【0032】オリフィスリング21の外周側は、オリフ
ィス溝25とされる。このオリフィス溝25と本体金具
1の内周面の内壁ゴム部5とで囲まれる空間が第一オリ
フィス26とされ、仕切体保持金具12とオリフィスリ
ング21と脚部24とで囲まれる空間が第二オリフィス
27とされ、仕切体保持金具12と仕切膜22と脚部2
4とで囲まれる空間が中間室28とされる。
【0033】オリフィスリング21の外周側には、第一
オリフィス26を周方向の一箇所で遮断するオリフィス
隔壁部29が形成されおり、このオリフィス隔壁部29
の外周面側を薄膜7と対向させて、液室16内に仕切体
18が配置される。
【0034】オリフィス隔壁部29を周方向に挟む位置
で、オリフィスリング21の一側片には、主液室19及
び第一オリフィス26間を液が出入りする第一オリフィ
ス出入口30が形成され、オリフィスリング21の内縁
部23よりも他側には、第一オリフィス26及び第二オ
リフィス27間を液が出入りする第二オリフィス出入口
31が形成されている。
【0035】第一オリフィス出入口30及び第二オリフ
ィス出入口31がオリフィス隔壁部29を挟む位置に形
成されることにより、液が主液室19から第二オリフィ
ス27に直接流れ込まないようになっている。
【0036】脚部24は、オリフィス隔壁部29の付近
で周方向に途切れており、この途切れた部分が第二オリ
フィス27及び中間室28間を液が出入りする第三オリ
フィス出入口32とされる。脚部24の途切れた部分の
第二オリフィス出入口31側は、オリフィス隔壁部29
の内周側に止着されており、液が第二オリフィス27か
ら中間室28に直接流れ込まないように、液の流れを遮
断している。なお、中間室28及び副液室20間は、仕
切体保持金具12中央部の通液口を通って液が出入りす
る。
【0037】この第一実施形態の液封式防振装置が支持
する振動源側が軸方向に振動するとき、防振基体2の変
形に伴って主液室19の容積が変化し、液室16内に封
入された液が、第一オリフィス26、第二オリフィス2
7及び中間室28を介して、両液室19、20間を往復
する。このとき、防振基体2の減衰性能、液の粘性及び
第一、第二オリフィス26、27との流動抵抗により、
液封入式防振装置全体としての減衰性能を発揮する。な
お、空気室17内の空気は、ダイヤフラム13を押し戻
すばねとして機能する。
【0038】この第一実施形態の実施形態の液封入式防
振装置では、薄膜7の液室16側がオリフィス隔壁部2
9で覆われており、第一オリフィス26内を液が流れる
ときの液圧の変化によって薄膜7がたわむことはない。
【0039】次に、第二実施形態の液封入式防振装置に
ついて説明する。図10は本発明の第二実施形態の液封
入式防振装置の正面図、図11はそのF−F断面図であ
る。この液封入式防振装置は、第一実施形態の液封入式
防振装置とほぼ同じ構成であるが、仕切体18は、その
外周面側のオリフィス溝25を薄膜7と対向させて、液
室16内に配置されている。
【0040】この第二実施形態の実施形態の液封入式防
振装置では、薄膜7の液室16側がオリフィス隔壁部2
9で覆われておらず、第一オリフィス26内を液が流れ
るときの液圧の変化によって薄膜7がたわむようになっ
ている。
【0041】次に、上記の第一、第二実施形態の液封入
式防振装置における、入力振動周波数と減衰率との関係
及び入力振動周波数と動ばね定数との関係を説明する。
図12で、(a)は入力周波数と減衰率との関係を示す
図、(b)は入力周波数と動ばね定数との関係を示す図
である。図中、実線はオリフィス隔壁部29を薄膜7に
対向させて仕切体18を配置した場合(第一実施形態)
の液封入式防振装置の挙動を示し、破線はオリフィス溝
25を薄膜7に対向させて仕切体18を配置した場合
(第二実施形態)の液封入式防振装置の挙動を示す。
【0042】これらの液封入式防振装置は、例えばシェ
イク振動等の低周波振動域では、防振基体2と第一、第
二オリフィス26、27の流動抵抗及び液の粘性とによ
り高い減衰性能を発揮する。この場合、第一実施形態の
液封入式防振装置では、第一オリフィス26内の液圧が
変化しても薄膜7がたわまないため、主液室19から流
れ出す液量と副液室20に流れ込む液量とがほぼ等しく
なり、第一、第二オリフィス26、27全体が液封入式
防振装置の減衰性能に有効に寄与する。
【0043】一方、第二実施形態の液封入式防振装置で
は、第一オリフィス26内の液圧の変化によって薄膜7
がたわむため、その分、主液室から流れ出す液量よりも
副液室に流れ込む液量が少なくなる。つまり、第一、第
二オリフィス26、27のうち、薄膜7よりも副液室2
0側は、液の流速が遅くなって減衰性能に有効に寄与し
なくなり、液封入式防振装置の減衰率が低下する。
【0044】また、これらの液封入式防振装置は、例え
ばアイドル振動等の高周波振動域では、防振基体2及び
液自体の共振により、小さい動ばねを示して車体側への
振動伝達を遮断する。この場合、第二実施形態の液封入
式防振装置では、第一実施形態の液封入式防振装置より
も減衰率が低いため、液の共振が顕著になり、その動ば
ね定数がより小さくなり、車体側への振動伝達をより有
効に遮断する。
【0045】上記構成によれば、仕切体18を液室16
内に装着する際に、そのオリフィス隔壁部29を薄膜7
に対向させるか、あるいはオリフィス溝25を薄膜7に
対向させるかを選択することにより、異なる減衰性能及
び動ばね定数の液封入式防振装置を得ることができる。
【0046】また、本体金具1に小孔6を形成するた
め、外部から減衰性能を制御可能な制御型液封入式防振
装置の制御用小孔を小孔6として利用して、この小孔6
を薄膜7で塞ぐことにより、制御型液封入式防振装置の
本体金具と部品を共用することができる。薄膜7は、防
振基体2及び本体金具1の内周面に形成される内壁ゴム
部5と連続するため、これらを一体的に加硫成形するこ
とにより、その成形を簡単にすることができる。
【0047】特に、制御型液封入式防振装置の本体金具
を利用する場合、制御型液封入式防振装置では、本体金
具に中型を取り付けると共に、制御用小孔に型としての
ピンを挿入しておき、ゴム状弾性体の加硫成形を行う
が、小孔6にピンを挿入することなく、外面側を塞いで
加硫成形することにより、小孔6に薄膜7を形成できる
ので、制御型液封入式防振装置と加硫成形用の中型を共
通化することができる。
【0048】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、本体金具の小孔をゴム状弾性体製の薄膜で塞
ぎ、この薄膜に、仕切体のオリフィス隔壁部又はオリフ
ィス溝のどちらを対向させるかを選択することにより、
異なる性能の液封入式防振装置を得ることができる。ま
た、本体金具として、制御型液封入式防振装置の本体金
具を利用することにより、制御型液封入式防振装置との
部品の共通化を図ることができる。
【0049】その結果、それぞれの要求性能に応じて液
封入式防振装置の各部品を製作する必要がなく、要求性
能が異なる液封入式防振装置の各部品の共通化を図り、
製作コストが安い液封入式防振装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の液封入式防振装置の正
面図
【図2】そのA−A断面図
【図3】仕切体をセットする前の状態を示す正面図
【図4】そのB−B断面図
【図5】仕切体の平面図
【図6】その底面図
【図7】そのC矢視図
【図8】そのD矢視図
【図9】そのE−E断面図
【図10】本発明の第二実施形態の液封入式防振装置の
正面図
【図11】そのF−F断面図
【図12】(a)は入力周波数と減衰率との関係を示す
図、(b)は入力周波数と動ばね定数との関係を示す図
【図13】従来の液封入式防振装置の軸方向断面図
【図14】制御型液封入式防振装置の軸方向断面図
【符号の説明】
1 本体金具 2 防振基体 3 車体側取付金具 4 振動源側取付金具 5 内壁ゴム部 6 小孔 7 薄膜 13 ダイヤフラム 16 液室 18 仕切体 19 主液室 20 副液室 25 オリフィス溝 26 第一オリフィス 27 第二オリフィス 28 中間室 29 オリフィス隔壁部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の本体金具の軸方向一側内周面に、
    振動源側取付金具を介して振動源を支持するゴム状弾性
    体製の防振基体が止着されて、本体金具及び防振基体で
    囲まれる空間が液室とされ、該液室が外周側にオリフィ
    ス溝を有する仕切体で仕切られ、本体金具内周面とオリ
    フィス溝とで囲まれる空間がオリフィスとされた液封入
    式防振装置において、前記本体金具に、前記仕切体の外
    周面に対向する小孔が形成され、該小孔がゴム状弾性体
    製の薄膜で塞がれたことを特徴とする液封入式防振装
    置。
  2. 【請求項2】 前記本体金具は、外部から減衰性能を制
    御可能な制御型液封入式防振装置の本体金具を利用して
    なり、前記小孔は、制御型液封入式防振装置の制御用小
    孔を利用することを特徴とする請求項1記載の液封入式
    防振装置。
  3. 【請求項3】 前記仕切体は、その外周面側のオリフィ
    ス隔壁部を前記薄膜と対向させて配置されたことを特徴
    とする請求項1又は2記載の液封入式防振装置。
  4. 【請求項4】 前記仕切体は、その外周面側のオリフィ
    ス溝を前記薄膜と対向させて配置されたことを特徴とす
    る請求項1又は2記載の液封入式防振装置。
  5. 【請求項5】 前記薄膜は、前記防振基体及び本体金具
    の内周面に形成される内壁ゴム部と共に一体的に加硫成
    形されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の液封入式防振装置。
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