JP2003105910A - 永久型枠 - Google Patents

永久型枠

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JP2003105910A
JP2003105910A JP2001305920A JP2001305920A JP2003105910A JP 2003105910 A JP2003105910 A JP 2003105910A JP 2001305920 A JP2001305920 A JP 2001305920A JP 2001305920 A JP2001305920 A JP 2001305920A JP 2003105910 A JP2003105910 A JP 2003105910A
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strength
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Kiyoshi Takizawa
清 滝沢
Mitsuo Mayahara
光郎 馬屋原
Yoshinori Hitomi
祥徳 人見
Toshihiro Hamada
敏裕 浜田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高靭性水硬性材料抄造成形体からなる永久型枠
を使用することにより柱、橋脚等に靭性を付与する。か
つ靭性を付与するための合理的で安価な永久型枠の製造
方法を提案する。 【解決手段】繊度6〜30dtex、繊維長6〜20m
m、強力100cN以上、伸度5〜10%のポリビニル
アルコール系合成繊維を1〜10重量%/永久型枠含有
する水硬性材料抄造成形体を用いて永久型枠とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、既設新設を問わず、建
築物柱、橋梁および高架橋の橋脚の補強に用いる永久型
枠に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、種々の高性能コンクリートが提案
されている。その多くは高強度を目的としたものである
が、靭性を向上させた高性能コンクリートについてはあ
まり提案がなされていないのが現状である。柱、橋脚等
の補強においては、柱、橋脚の靭性を向上させて地震の
エネルギーが橋脚から上部構造へ伝わらないようにする
ことが重要である。最近、鋼板またはカーボン繊維で覆
い、エポキシ樹脂接着剤などで接着して一体化する補修
方法が提案されている。しかしこの方法は材料が高価で
あり作業も煩雑である。また一般に使用される木枠を型
枠として周囲に構築し、橋脚と型枠の空間に水硬性スラ
リーを流し込む補修方法において、その後の型枠の撤去
は極めて煩雑である。また水硬性スラリーを用いて補修
する場合、水密性、耐中性化等において格段優れていな
ければ補修の意味がなく、その場合高コストになるとい
う欠点があった。
【0003】従来から、モルタルやコンクリートを使用
した水硬性硬化体を永久型枠として用いる多くの例があ
り、その厚さは30〜80mmと比較的厚いものであっ
た。厚い理由はそれ自体が自立する強度をもち型枠内に
打設したコンクリートの内圧に耐えることを目指したも
のであり、また支保工を省略できる利点がある。しかし
ながらその製法がプレキャスト工法によるものであるこ
とから製造コストが高いという欠点があった。一方抄造
方式による永久型枠もわずかであるが実施されているも
のの、材料自体が脆く、耐久性にも問題があるために、
従来の木製パネル板に比べて煩雑な支保工を必要とした
り、板厚の薄い抄造板を複数枚接着せざるを得なかっ
た。また、永久的に外界に曝される永久型枠として用い
るには、凍結融解や中性化などの耐久性に乏しいことか
ら不適であった。この理由は抄造板の多くがアスベスト
を大量に混入したものや、ガラス繊維で補強されたも
の、あるいはパルプで補強されたものであり、強度は優
れているものの、極めて脆いものであるか、耐久性に劣
るものであった。そのため地中埋め込み型枠としての使
用が限定されていた。また靭性が乏しいために構造物全
体の強度を向上させる効果は全く期待できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定の補強
短繊維を特定量混入する抄造方式により得られる高靭性
繊維補強水硬性硬化体材料を永久型枠として使用するこ
とにより、表面ひび割れなどがなく、かつ靭性に優れる
補強体を提供するものである。具体的には、本発明は、
柱、橋脚等の補強において、柱、橋脚等の靭性を向上さ
せ、耐震性を付与する合理的で安価な技術を提案するも
のであり、かつ硬化体の変形応力を吸収し、仕上がり形
状の優れた永久型枠を提供するものである。さらに本発
明の永久型枠は既存構築物の補修・補強のみならず新規
の施工においても適用可能である。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、建築
土木構造物の補強・補修に際し、建築土木構造物の外側
に型枠を設置し、建築物と型枠の間に水硬性スラリーあ
るいは水硬性ペーストを流し込む補強・補修工法におい
て使用する型枠であって、該型枠が下記1)〜3)を満
足する補強繊維を1〜10重量%/永久型枠含有する厚
さ6〜15mmの水硬性抄造成形体からなる永久型枠で
ある。 1)該補強繊維がポリビニルアルコール系合成繊維であ
ること、 2)該補強繊維の繊度が6〜30dtex、繊維長が6
〜20mmであること、 3)該補強繊維の強力が100cN以上、伸度が5〜1
0%であること、 また本発明は建築土木構造物の構築に際し、建築土木構
造物の基礎構造物の外周に型枠を設置し、型枠で囲まれ
た空間にコンクリートや水硬性スラリーあるいは水硬性
ペーストを流し込む工法において使用する型枠であっ
て、上記補強繊維を1〜10重量%/永久型枠含有した
厚さ6〜15mmの水硬性抄造成形体からなる永久型枠
であり、そして、好ましくは繊維配向方向の曲げ強度が
30MPa以上かつ繊維配向方向と垂直方向の曲げ強度
が20MPa以上であり、且つ繊維配向方向の引張強度
が10MPa以上、伸度が0.5%以上である上記の永
久型枠に関する。
【0006】本発明の高靭性繊維補強水硬性硬化体材料
からなる永久型枠を構成する補強繊維はポリビニルアル
コール(以下、PVAと略称す)系合成繊維が使用され
る。本発明に使用されるPVA系合成繊維は、特定のデ
ィメンジョン、強度、伸度を有する繊維でなければなら
ない。すなわち本発明のPVA系合成繊維の繊度は6〜
30dtex、繊維長6〜20mm、強力100cN以
上、伸度5〜10%であることが必要である。用いるP
VA系合成繊維の繊度が6dtexより細くなると、繊
維含有量を通常よりも多く確保しなければならず、その
ため抄造スラリー中にファイバーボールが発生しやすく
なり、急速に抄造性を悪化させる。逆に30dtexを
超えると濾水が多くなりセメント粒子の定着が不良とな
る。好ましくは7〜15dtexの範囲である。
【0007】繊維長は繊度と強力、強度と密接且つ複雑
に関連するが、6〜20mmの範囲のものが抄造性と硬
化体の補強性から用いられる。長さが6mmより短い場
合、硬化体の破壊時に繊維の素抜けが多くなり曲げ強度
や引張強度が低下する。逆に20mmより長い場合に
は、抄造中に繊維どうしが絡まりやすく、フロックを生
じ、抄造性を悪化させる。好ましくは6〜12mmであ
る。なお繊度との関係は繊度が太くなるにしたがって繊
維長を大きくすることが好ましい。
【0008】繊維の強力(繊維1本あたりの有する引張
破断強力)は100cN以上が必要である。これは硬化
体の破壊過程で、繊維とマトリックスとの摩擦力が繊維
に対する引張力として働くが、繊維が容易に破断するこ
となく引張力に抗してスリップするために必要な強力で
ある。特に本発明のPVA系合成繊維はセメントとの接
着が良いためにスリップする際に次第に摩擦力が増大す
る特徴を有するが、そのために高強力であることが要求
される。強力が100cN未満であると繊維は破断しや
すくなり靭性に欠けた硬化体となる。好ましくは110
cN以上である。繊度との関係で見ると、例えば6dt
exにおいて強力100cN以上とするには強度約17
cN/dtex以上、10dtexにおいては10cN
/dtex以上、30dtexにおいては約3.3cN
/dtex以上が必要である。
【0009】繊維の伸度は上記したようなスリップを容
易にするためには、5%以上10%以下の範囲が好適で
ある。伸度が5%よりも小さい場合、繊維は破断しやす
くなり、逆に伸度が10%よりも大きいと繊維の弾性率
が低下し、硬化体の破断強度が低下する。好ましくは6
〜9%である。
【0010】本発明で用いられるPVA系合成繊維を製
造する場合には、製造工程性、コスト等の点から湿式紡
糸又は乾湿式紡糸により繊維を製造するのが好ましく、
具体的には、特開2000−053455号公報に記載
のPVA系合成繊維の製造方法を用いることが好まし
い。
【0011】上記補強繊維として用いるPVA系合成繊
維の条件は、抄造セメント板で砂を含有しない独特な組
成と養生前に高圧プレスを行う加工方式の結果得られる
マトリックス成分に対応したものである。すなわちマト
リックスと補強繊維との相互作用(摩擦抵抗、引抜き抵
抗)は、補強繊維の条件が上記した範囲で好適に維持さ
れるとき、最大の補強効果をもたらす。本発明のPVA
系合成繊維の含有量は1〜10重量%/永久型枠が好適
である。該繊維の含有量が1重量%/永久型枠未満であ
ると靭性が不十分であり、逆に10重量%/永久型枠を
超えると繊維の分散性が極めて悪くなり、抄造性が悪化
する。好ましくは2.5〜5重量%/永久型枠である。
【0012】本発明のPVA系合成繊維を使用した抄造
板を永久型枠として使用する厚さは6〜15mmであ
る。厚さが6mmよりも薄い場合は打設したコンクリー
トの側圧により撓みが生じやすく、それを防ぐために支
保工を密にする対策が必要となり、工事に煩雑さをもた
らす。逆に厚さが15mmよりも厚い場合は、コスト高
になることと、構造物全体のサイズが大きくなると不都
合が生じる場合がある。好ましくは6〜12mmであ
る。本発明の抄造板は比較的簡便な支保工による施工を
可能とすると同時に耐久性が良いので長期にわたって構
造物本体の劣化を防止する。さらには構築物本体の靭性
強化による補強が可能となる。例えば地震や継続的な振
動が構造物にクラックを発生させ、その後クラック幅が
次第に増大し応力集中により破壊に至るが、本発明の場
合は高靭性型枠に極めて細かいミクロなひび割れが多数
発生することでエネルギーを吸収し、内部の本体へのク
ラック発生を大幅に遅らせることにより構造物の寿命を
長くすることが期待できる。
【0013】また抄造板においては繊維が配向しやす
く、繊維配向方向において高い曲げ強度を示すが、型枠
として使用されるためには、繊維配向方向と垂直方向の
曲げ強度もある程度以上となることが好ましい。本発明
の型枠において、抄造板の繊維配向方向の曲げ強度は3
0MPa以上が好ましく、より好ましくは40MPa以
上である。一方、繊維配向方向に対して垂直方向の曲げ
強度は相対的に小さくなるが、20MPa以上が好まし
く、より好ましくは30MPa以上である。20MPa
を下回る場合、コンクリートを打設した時に膨らみが生
じる場合があり、好ましくない。また上記したPVA系
合成繊維を使用した抄造板は繊維配向方向において、従
来の材料にない高伸度を示すが、このことが構造体本体
を地震などの破壊エネルギーから保護する効果をもたら
す。具体的にこの効果が十分に得られるのは繊維配向方
向の引張強度が10MPa以上、好ましくは12MPa
以上であり、伸度が0.5%以上、好ましくは1.0%
以上である。
【0014】本発明の型枠の材料には抄造方式による成
形板を使用する。抄造とは、セメント粒子などを水媒体
に縣濁させた粥状のものをメッシュに濾し取り成形する
ものである。その過程で薄い膜状としたものを順次積層
して所望の厚みの成形板とする丸網方式(ハチェック
法)や長網方式、濃厚縣濁液を用いて1回ないし数回
で、ある程度の厚みを確保するフローオン方式等があ
る。抄造方式は機械的に連続的、バッチ式で量産される
もので、均一で安定した性能が得られる利点があり、ま
た2〜30mm、より一般的には4〜20mmの比較的
板厚の薄い材料を製造することができる。このような薄
板の製造は抄造以外の通常のモルタル流し込みでは極め
て困難である。
【0015】抄造板は上記したように丸網、長網、フロ
ーオンなどの方式によって製造されるが、その材料構成
は水硬性材料、補強用繊維、その他添加剤などである。
スラリーの調製方法は特に限定されないが、固体成分が
均一に分散されたスラリーを得る点からは、水を張った
攪拌機にパルプを投入して攪拌し、次いで補強用繊維、
水硬性材料、他の添加剤(無機物質等)を順次添加する
のが好ましい。本発明において、水硬性材料としてはポ
ルトランドセメントが好適に使用される。補強用繊維は
前述したように本発明のPVA系合成繊維が使用され
る。その他添加剤としては高炉スラグやフライアッシ
ュ、炭酸カルシウム、シリカヒューム、セピオライト、
アタパルジャイト、マイカ、ワラストナイトなどの無機
物質等が好適に使用される。これらは硬化体の物性を向
上させる効果、例えば耐凍結融解性の向上、腐食性物質
(塩素、炭酸ガス、硫酸イオンなどの各種有機酸)の侵
入抑制、補強繊維とマトリックスとの接着性の改善、縣
濁液の粘性を適度に調節して抄造効率を上げる効果や、
抄造体の乾燥収縮制御を行う効果、硬化体の強度向上効
果が発現する。特にシリカヒューム、セピオライト、ア
タパルジャイトなどは縣濁液の粘性を適度に調節して抄
造効率を上げる効果をもたらす材料なので本発明におい
て好適である。
【0016】本発明ではその他に有機質繊維として叩解
パルプを使用するのが好ましい。叩解パルプは叩解度が
CSF値で70〜130mlが好ましい。これらパルプ
の使用量は水硬性材料に対して2〜6重量%が好適であ
り、3〜4重量%がより好ましい。使用量が2重量%未
満であると特に丸網(ハチェック)方式において縣濁液
におけるセメント粒子の捕捉が不十分となり、セメント
粒子が濾し取られ難くなって抄造効率が悪くなると同時
に抄造物中のセメント混合率が低下し、硬化体の強度性
能が低下する。一方パルプの使用量が6重量%を超える
と硬化体の耐水性や腐食性物質(塩素、炭酸ガス、硫酸
イオンなどの各種有機酸)の侵入抑制効果が損なわれ
る。
【0017】本発明のPVA系合成繊維を使用した抄造
板からなる型枠は強度および靭性に優れたものとなる。
例えば、曲げ標準試験法における最大強度をP(MP
a)、そのときの撓みをδ(cm)とするとき、従来の
アスベスト補強抄造板や従来のPVA系合成繊維を1.
5重量%/成形体程度使用したいわゆるノンアスベスト
抄造板はP×δが10程度であり、さらに従来よりも高
強力であるが、強力が100cN未満のPVA系合成繊
維を2重量%/成形板を用いた高強度抄造板であっても
P×δが25程度が限度であり、その場合も撓みが1c
m未満であるのに対し、本発明のPVA系合成繊維を用
いた場合には容易にP×δが30を超え、かつ撓みも1
cmを超える、靭性に優れた抄造板が得られる。また一
軸引張標準試験法においては破断伸度が10〜15MP
a、伸度が0.5%以上を示す。従来品の伸度は0.0
1%程度である。
【0018】本発明で得られる型枠は、部材が薄く軽量
であるので、構築物の軽量化が得られることである。型
枠の厚みは6mmから製造可能であり、最大15mmの
型枠の製造が可能である。通常のセメント系材料でこの
ような薄い厚みの型枠を得ることは非常に困難である。
【0019】本発明の永久型枠を用いた建築土木構造物
は建築物柱、橋梁および高架橋の橋脚に用いることがで
きる。
【0020】
【実施例】以下実施例によって本発明を説明するが、本
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。なお本発明において繊維繊度、繊維強力、繊維強
度、繊維伸度、叩解パルプの濾水度、成形体の最大曲げ
強度(P)、最大曲げ強度Pを示す撓み(δ)、引張強
度、引張伸度は以下の測定方法により測定されたものを
意味する。
【0021】[繊度 dtex]得られた繊維状物の一
定試長の重量を測定して見掛け繊度をn=5以上で測定
し、平均値を求めた。なお、一定糸長の重量測定により
繊度が測定できないもの(細デニール繊維)はバイブロ
スコープにより測定した。
【0022】[繊維強力 cN、強度cN/dtex、
伸度 %]予め温度20℃、相対湿度65%の雰囲気下
で24時間繊維を放置して調湿したのち、単繊維を試長
10cm、引張速度5cm/分としてインストロン試験
機「島津製作所製オートグラフ」にて繊維強力を測定
し、該強力を繊度で除して強度を求めた。伸度は、単繊
維破断(cm)/把持長(cm)×100により算出し
た。なお繊維長が10cmより短い場合は、そのサンプ
ルの可能な範囲での最大長さを把持長として測定するこ
ととした。
【0023】[濾水度(CSF) ml]パルプの濾水
度試験方法JIS P8121−1976のカナダ標準
型に準じて測定し、スラリー濃度0.4重量%、温度2
0℃に補正した平均値をCSFとして評価した。
【0024】[最大曲げ強度(P) MPa、最大曲げ
強度Pを示す撓み(δ) cm]水硬性材料スラリーを
下記の標準抄造法により標準成形体を製造し、ポリエチ
レンシートに包んで50℃、飽和湿度条件下で24時間
予備養生し、次いで20℃、飽和湿度条件下で27日養
生した材齢28日後の試験体を幅45mm、長さ220
mmの長方形に切り出し20℃65RH%の室内で7日
間放置して調湿し、以下の条件で3等分点曲げ試験によ
る曲げ試験を行い、最大荷重発生時の曲げ応力を最大曲
げ強度、荷重−撓み曲線において該最大曲げ強度を示す
撓みをδとして評価した。 標準抄造法:ハチェックによる丸網抄造法により成形
し、養生、調湿後の厚みが7mm±0.5mmとなるよ
うに抄造シート14枚をメーキングローラーに巻き取
り、5MPaの圧力でプレス搾液する。 曲げ試験: 装置 島津オートグラフAG5000−B 試料 幅45mm、厚さ7mm、長さ220mmの大き
さに、抄造方向を長さ方向として切り出したもの 試験速度(載荷ヘッドスピード) 2mm/分 3等分点曲げスパン 18cm
【0025】[標準引張試験法]上記と同様な方法で厚
さ7mmの板を抄造し養生する。該抄造板から幅40m
m、長さ330mmの試料を切り出し、調湿を行う。 引張試験: 装置 インストロン5566(島津製作所製) 試料 幅40mm、厚さ7mm、長さ330mmの大き
さに、抄造方向を長さ方向として切り出したもの 把持長 200mm 試験速度 0.5mm/分
【0026】[実施例1〜4、比較例1〜2]予備攪拌
機に水500リットルを投入して攪拌機を攪拌させ、針
葉樹パルプ(CSF 100ml)1.5kg(固形分
中で3重量%)を添加し、次いでセメント87〜89重
量%、シリカヒューム5重量%、セピオライト1重量%
を順次添加し、最後に表1に記載の条件のPVA系合成
繊維を2〜4重量%添加し、攪拌した後に得られた濃度
10重量%のスラリーをチェストに移送した。次いでフ
ィードタンクから丸網部にスラリーを供給し、希釈水
(白水)によって濃度5重量%とし、ミニハチェックマ
シンを用いて抄造を行った。次いで得られたシート15
〜17枚をメーキングローラーに巻き取り、5MPaの
圧力でプレス搾液し、ポリエチレンシートに包み50
℃、飽和湿度条件下で24時間養生し、さらに20℃、
飽和湿度条件下の環境下に開放状態で調湿した。得られ
た成形体は厚さ6.8〜7.2mm、密度1.62〜
1.68g/cmのスレート板であった。かかる成形
体の性能を表2に示す。なお普通セメントは「秩父小野
田製 普通ポルトランドセメント」、シリカヒュームは
エルケム社製「エルケム940U」、セピオライトは昭
和工業社製「ミルコンSS」を用いた。補強繊維の種別
と量およびその他の材料について表2に、硬化体の物性
とともに一覧として示した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】実施例1〜4、および比較例1,2のシー
ト(幅50cm、長さ100cm)を50℃で24時
間、飽和湿度条件下で養生し、次いで20℃で27日
間、飽和湿度条件下で養生したものから150mm×5
30mmの長方形を切り出し、150mm×150mm
×530mmの鉄製型枠の底に敷き、次いでその上から
表3の配合のコンクリートを流し込んだ、24時間後に
脱型して水中での養生を27日間行った。これを島津万
能試験機を使用して抄造板が試験体の底になるように配
置し、スパン450mmとして、3等分曲げ試験を行
い、クラック発生後の応力低下の有無を測定した。その
結果を表4に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【発明の効果】本発明のPVA系合成繊維を補強繊維と
して含有した型枠は、従来のPVA系合成繊維を補強繊
維として用いた型枠に比べて曲げ強度、曲げ靭性(撓
み)、引張強度、引張伸度に優れる。また本発明の型枠
と一体化したものは全て第一クラック発現後も応力が減
少することなく、極めて良好な靭性を示し、コンクリー
トの脆さが改善される。したがって本発明の永久型枠
は、単独で施工した場合に本体(橋脚や柱)の強化、特
に靭性向上に寄与することが大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 敏裕 岡山県岡山市海岸通1丁目2番1号 株式 会社クラレ内 Fターム(参考) 2D059 AA03 BB39 DD16 GG02 GG40 GG61 2E176 AA01 BB29

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築土木構造物の補強・補修に際し、建
    築土木構造物の外側に型枠を設置し、建築物と型枠の間
    に水硬性スラリーあるいは水硬性ペーストを流し込む補
    強・補修工法において使用する型枠であって、下記1)
    〜3)の条件を満足する補強繊維を1〜10重量%/永
    久型枠含有する厚さ6〜15mmの水硬性抄造成形体か
    らなる永久型枠。 1)該補強繊維がポリビニルアルコール系合成繊維であ
    ること、 2)該補強繊維の繊度が6〜30dtex、繊維長が6
    〜20mmであること、 3)該補強繊維の強力が100cN以上、伸度が5〜1
    0%であること、
  2. 【請求項2】 建築土木構造物の構築に際し、建築土木
    構造物の基礎構造物の外周に型枠を設置し、型枠で囲ま
    れた空間にコンクリートや水硬性スラリーあるいは水硬
    性ペーストを流し込む工法において使用する型枠であっ
    て、請求項1に記載の補強繊維を1〜10重量%/永久
    型枠含有する厚さ6〜15mmの水硬性抄造成形体から
    なる永久型枠。
  3. 【請求項3】 繊維配向方向の曲げ強度が30MPa以
    上かつ繊維配向方向に対して垂直方向の曲げ強度が20
    MPa以上であり、且つ繊維配向方向の引張強度が10
    MPa以上、引張伸度が0.5%以上である請求項1ま
    た請求項2の永久型枠。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015168956A (ja) * 2014-03-06 2015-09-28 大成建設株式会社 防液堤の構築方法
JP2016186222A (ja) * 2016-08-02 2016-10-27 大成建設株式会社 防液堤の構築方法

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