JP2003105545A - 気化供給方法 - Google Patents

気化供給方法

Info

Publication number
JP2003105545A
JP2003105545A JP2001295447A JP2001295447A JP2003105545A JP 2003105545 A JP2003105545 A JP 2003105545A JP 2001295447 A JP2001295447 A JP 2001295447A JP 2001295447 A JP2001295447 A JP 2001295447A JP 2003105545 A JP2003105545 A JP 2003105545A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vaporization
raw material
vaporizer
shape
carrier gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001295447A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukichi Takamatsu
勇吉 高松
Gakuo Yoneyama
岳夫 米山
Koji Kiriyama
晃二 桐山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Pionics Ltd
Original Assignee
Japan Pionics Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Pionics Ltd filed Critical Japan Pionics Ltd
Priority to JP2001295447A priority Critical patent/JP2003105545A/ja
Publication of JP2003105545A publication Critical patent/JP2003105545A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体CVD原料を大気圧下で、品質を低下さ
せることなく、所望の濃度及び流量で効率よく半導体製
造装置へ気化供給するための気化供給方法を提供する。 【解決手段】 液体CVD原料を、加熱されたキャリア
ガスとともに、気化室の形状が鉛直線を軸とする球形、
楕球形、樽形、円筒形、円錐形、円錐台形、半球形、ま
たはこれらに類似する形状、若しくはこれらを組み合せ
た形状である気化器に導入し、気化室内を加熱下80〜
120kPaの絶対圧力に保ちながら気化させて半導体
製造装置へ供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体の製造等に
用いられる化学気相成長(CVD)装置にガス状のCV
D原料を供給するための気化供給方法に関する。さらに
詳細には、液体CVD原料を大気圧下で、品質を低下さ
せることなく、所望の濃度及び流量で効率よく気化供給
するための気化供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの絶縁薄膜においては、
ゲート絶縁膜としてSiO2、キャパシタ絶縁膜として
Si34、層間絶縁膜としてPSG(リン・シリコン・
ガラス)、BPSG(ボロン・リン・シリコン・ガラ
ス)がある。従来よりこれらをCVD装置により製造す
るための材料としては、SiH4、NH3、PH3、B2
6等の気体原料が用いられてきたが、デバイスの三次元
化や配線の多層化が進むにつれて、絶縁膜の平坦化に対
する要求が高まってきており、ボイド等の欠陥が発生し
にくく高品質の薄膜形成が可能な液体原料も使用されて
いる。例えば、SiO2膜の原料としてはテトラエトキ
シケイ素(Si(OC254)が、BPSG膜の原料
としてはトリメトキシホウ素(B(OCH33)、トリ
メトキシリン(P(OCH33)等が用いられている。
また、このほかにもSiO2の数倍の高い誘電率を示す
Ta25膜等の新しい種類の薄膜も開発されているが、
Ta25膜の原料としては、液体であるペンタエトキシ
タンタル(Ta(OC255)が用いられている。
【0003】CVD原料として液体原料を使用する場
合、液体原料はマスフローコントローラー等で流量制御
して気化器に供給し、気化器でガス状にした後、CVD
装置に供給される。しかし、液体原料は、一般的に蒸気
圧が低く、粘度が高く、気化温度と分解温度が接近して
いるため、その品質を低下させることなく、しかも所望
の濃度及び流量で効率よく気化させることは困難なこと
であった。そのため、気化器の気化室内を加熱するとと
もに、気化室内を減圧に保ちながら気化させて、CVD
装置へ供給する方法が多く実施されている。
【0004】液体CVD原料の気化方法としては、例え
ば気化器の原料供給口において噴霧した液体CVD原料
を気化器内に拡散することにより気化させる方法、ある
いは気化器内に設けられた超音波振動子の振動により霧
状にするとともに加熱して気化させる方法等がある。こ
れらの方法においては、液体CVD原料がミストの状態
でCVD装置へ供給される恐れがある等の欠点があった
が、気化室内を減圧にすることにより前記欠点が緩和さ
れ、過剰な熱をかけることなく効率よく液体CVD原料
を気化させることが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】プラズマCVDは、一
般的に減圧下において、CVD原料を含むガスを高電界
による電気エネルギーで放電させて分解し、生成される
物質を化学反応により基板上に堆積させる方法である。
しかしながらプラズマCVDは、常圧下で行なうことに
より、例えばテトラエトキシケイ素等の有機ケイ素化合
物を用いたSiO 2膜では、ステップ被覆性及び平坦化
に優れた形状が得られる利点がある。その他、減圧下の
プラズマCVDでは得られない組成の薄膜や低温成長が
可能であるという利点、プラズマによる堆積とエッチン
グの両性を利用できるという利点がある。
【0006】そのため、液体CVD原料を大気圧下で気
化させる方法が望まれるが、前述のとおり、従来の気化
供給方法により大気圧下で液体CVD原料の気化を行な
う場合は、気化効率の低下、CVD原料の過熱等によ
り、薄膜の品質、純度に悪影響を及ぼす虞があった。従
って、本発明が解決しようとする課題は、液体CVD原
料を大気圧下で、品質を低下させることなく、所望の濃
度及び流量で効率よく気化供給するための気化供給方法
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく鋭意検討した結果、気化室の形状が鉛
直線を軸とする球形、楕球形、樽形、円筒形、円錐形、
円錐台形、半球形等である気化器を用いることにより、
液体CVD原料を大気圧下で、品質を低下させることな
く、所望の濃度及び流量で効率よく気化し得ることを見
い出し本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明は、液体CVD原料を、加
熱されたキャリアガスとともに、気化室の形状が鉛直線
を軸とする球形、楕球形、樽形、円筒形、円錐形、円錐
台形、半球形、またはこれらに類似する形状、若しくは
これらを組み合せた形状である気化器に導入し、気化室
内を加熱下80〜120kPaの絶対圧力に保ちながら
気化させて、半導体製造装置へ供給することを特徴とす
る気化供給方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、液体CVD原料を気化
させて、半導体製造装置に供給する気化供給方法に適用
される。本発明の気化供給方法は、液体CVD原料を、
加熱されたキャリアガスとともに、気化室の形状が鉛直
線を軸とする球形、楕球形、樽形、円筒形、円錐形、円
錐台形、半球形、またはこれらに類似する形状、若しく
はこれらを組み合せた形状である気化器に導入し、気化
室内を加熱下、大気圧あるいは大気圧に近い圧力に保ち
ながら気化させて、常圧プラズマCVD等の半導体製造
装置へ供給する気化供給方法である。
【0010】液体CVD原料は、蒸気圧が低く、気化温
度と分解温度が接近しているため、大気圧下で気化させ
るためには、液体CVD原料を過熱させることなく極め
て急速でかつ均一に気化させる必要がある。本発明の気
化供給方法は、前記の気化器を用いるとともに、液体C
VD原料と接触させて気化させるために使用する加熱さ
れたキャリアガスの供給量を、減圧下の場合の数十倍に
増加し、液体CVD原料への接触加熱の効率を向上させ
ることによって、大気圧下においても品質を低下させる
ことなく、所望の濃度及び流量で効率よくCVD原料を
気化できることを見い出し成されたものである。
【0011】本発明の気化供給方法を適用できるCVD
原料は、常温で液体であれば特に制限はなく、用途に応
じて適宜選択、使用される。例えばテトラiso-プロポキ
シチタン(Ti(OCH(CH324)、テトラn-プ
ロポキシチタン(Ti(OC374)、テトラtert-ブ
トキシジルコニウム(Zr(OC(CH334)、テ
トラn-ブトキシジルコニウム(Zr(OC494)、
テトラメトキシバナジウム(V(OCH34)、トリメ
トキシバナジルオキシド(VO(OCH33)、ペンタ
エトキシニオブ(Nb(OC255)、ペンタエトキ
シタンタル(Ta(OC255)、トリメトキシホウ
素(B(OCH33)、トリiso-プロポキシアルミニウ
ム(Al(OCH(CH323)、テトラエトキシケ
イ素(Si(OC254)、テトラエトキシゲルマニ
ウム(Ge(OC254)、テトラメトキシスズ(S
n(OCH34)、トリメトキシリン(P(OC
33)、トリメトキシホスフィンオキシド(PO(O
CH33)、トリエトキシヒ素(As(OC
253)、トリエトキシアンチモン(Sb(OC
253)等の常温で液体のアルコキシドを挙げること
ができる。
【0012】また、前記のほかに、トリメチルアルミニ
ウム(Al(CH33)、ジメチルアルミニウムハイド
ライド(Al(CH32H)、トリiso-ブチルアルミニ
ウム(Al(iso-C493)、ヘキサフルオロアセチ
ルアセトン銅ビニルトリメチルシラン((CF3CO)2
CHCu・CH2CHSi(CH33)、ヘキサフルオ
ロアセチルアセトン銅アリルトリメチルシラン((CF
3CO)2CHCu・CH2CHCH2Si(CH33)、
ビス(iso-プロピルシクロペンタジエニル)タングステ
ンジハライド((iso-C37552WH2)、テトラ
ジメチルアミノジルコニウム(Zr(N(C
324)、ペンタジメチルアミノタンタル(Ta
(N(CH325)、ペンタジエチルアミノタンタル
(Ta(N(C2525)、テトラジメチルアミノチ
タン(Ti(N(CH324)、テトラジエチルアミ
ノチタン(Ti(N(C2524)等の常温で液体の
原料を例示することができる。
【0013】以下、本発明の気化供給方法を、図1〜図
7に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらにより
限定されるものではない。図1及び図3は本発明の気化
供給方法に用いることができる気化器の例を示す縦断面
図、図2及び図4は各々図1のA−A’面、図3のB−
B’面における断面図、図5は図3の気化器におけるキ
ャリアガス供給口の向きを例示する横断面図及び縦断面
図、図6は図1、図3以外の気化器の例を示す縦断面
図、図7は本発明の気化供給方法を適用した気化供給シ
ステムの一例を示す構成図である。
【0014】本発明の気化供給方法に用いられる気化器
は、気化室の形状が、鉛直線を軸とする球形、楕球形、
樽形、円筒形、円錐形、円錐台形、半球形またはこれら
に類似する形状若しくはこれらを組み合せた形状であ
る。例えば、図1の気化器は、気化室の形状が円筒形と
半球形を組み合せた形状の気化器である。本発明に用い
られる気化器は、気化室の形状がこのような形状であれ
ば特に制限はないが、好ましくは円筒形、または凸部が
下方向に向いた円錐形、円錐台形、半球形、若しくは凸
部が下方向に向くように円筒形と円錐形、円錐台形、半
球形を組み合せた形状である。
【0015】また、本発明に用いられる気化器の気化室
は上述のような構成であるが、さらに気化室の端部が丸
みをおびたものが好ましい。端部とは、平面または曲面
が他の平面または曲面と交叉する部分を意味し、例えば
円筒形では上面または下面の円周部分を示すものであ
る。丸みをおびた気化室とする理由は、内壁面の端部に
おいてガス置換が容易に行なわれ、ガスの滞留によって
付着物が堆積することを防止するためである。尚、気化
室の大きさは気化ガスの供給量によっても異なり一概に
は特定できないが、気化室の容積としては、通常は5〜
5000cm、好ましくは20〜1000cm程度
である。
【0016】本発明に用いられる気化器の気化室1は、
CVD原料供給口2、気化ガス出口3、キャリアガス供
給口4を有しており、好ましくはキャリアガス供給口が
気化室の上部に、気化ガス出口が気化室の下部に、CV
D原料供給口がキャリアガス供給口と気化ガス出口の間
となるように設定される。また、CVD原料供給口の向
きは、通常は気化室内の中心部の方向になるように設定
される。なお、気化室は複数個のCVD原料供給口を有
していてもよく、このような場合にも、各々のCVD原
料供給口の向きは、通常は気化室内の中心部の方向にな
るように設定される。
【0017】本発明に用いられる気化器においては、キ
ャリアガス供給口の向きは、キャリアガスが気化容器内
で旋回流を形成するように設けられる。好ましくは、図
5のように、キャリアガス供給口の水平面における向き
9が、キャリアガス供給口における気化室内壁の水平面
の接線方向10に対して0度以上45度以下の角度を成
し、かつキャリアガス供給口の水平面12に対する向き
(11の12に対する向き)が、下向きに0度以上25
度以下または上向きに0度以上15度以下の角度を成す
ような向きに設定される。
【0018】また、本発明においては、液体CVD原料
を過熱させることなく極めて急速でかつ均一に気化させ
る必要があり、液体CVD原料と接触させて気化させる
ために使用する加熱されたキャリアガスの供給量を多く
する必要がある。そのため、キャリアガス供給口の内径
を、CVD原料供給口の内径よりも大きくすることが好
ましく、その比が1.2〜5.0:1程度となるように
される。キャリアガス供給口の内径がCVD原料供給口
の内径の1.2倍よりも小さい場合は、気化室に供給さ
れるキャリアガスの流速が速くなり、液体CVD原料と
の接触加熱に悪影響を及ぼす虞を生じる。
【0019】さらに、本発明に用いられる気化器には、
図3に示すように気化室の中央部に、形状が気化室の形
状に略相似形である突起7が設けられることが好まし
い。突起の設置形態については特に制限はないが、通常
は気化室の上部に固定されて設けられる。突起を設ける
場合その形状は、例えば図6のように気化室の形状が円
筒形であれば突起の形状も円筒形となり、気化室の形状
が円錐台形であれば突起の形状も円錐台形となるように
設定される。また、突起と気化室の鉛直線方向の中心軸
が一致し、気化室の内壁面と突起表面との間隙が任意の
場所において一定の幅に保たれていることが好ましい。
突起の形状をこのように設定することにより、気化室の
キャリアガス供給口より供給されたキャリアガスを、気
化室の内壁面に沿って滑らかに旋回させて気化ガス出口
より排出させることが可能となる。
【0020】また、上述の突起には、液体原料の種類、
供給量、気化ガス濃度、その他の操作条件などに応じて
所望の温度に設定できるような加熱手段が付与されるこ
とが好ましい。突起に加熱手段を付与する場合は、突起
を通して気化室を精度良く加熱保温できれば特に限定さ
れることがなく、通常はヒーターが突起に内蔵されて設
けられるか、あるいはヒーターの一部が突起内に収納さ
れるように設けられる。しかし、好ましくは気化室をよ
り精度良く加熱保温するために、棒状ヒーターが図1あ
るいは図3のように突起の鉛直方向の中心軸上の位置に
設置される。加熱温度については、液体原料の種類、供
給量、気化ガス濃度、その他の操作条件などによっても
異なるが、通常は40〜250℃程度となるように設定
できるものであればよい。
【0021】突起を設ける場合、突起の大きさは、通常
は気化室の容積の1/30〜4/5であり、好ましくは
1/10〜2/3である。突起の大きさが気化室の容積
の1/30より小さい場合は、気化室を内部から充分に
加熱することができず突起を設ける効果が低下する。突
起の大きさが気化室の容積の4/5より大きい場合は、
キャリアガスの旋回流が気化室内壁面の抵抗を受けるこ
とにより、均一な旋回流が得られなくなる不都合があ
る。
【0022】また、本発明に用いられる気化器において
は、上述の加熱手段のほか、必要に応じて突起部以外の
気化器本体の任意の場所に加熱手段を設けることができ
る。このような加熱手段も、液体原料の種類、供給量、
気化ガス濃度、その他の操作条件などに応じて、所望の
温度に加熱保温できるように構成される。加熱手段の設
置形態については、突起に付与される加熱手段と同様
に、気化室を精度良く加熱保温できればよく特に限定さ
れることはない。
【0023】本発明の気化供給方法においては、気化器
を使用する際に、気化器本体以外にも気化器の外部に加
熱するための手段を設けることができる。このような加
熱手段としては、気化器の外側にリボンヒーターを巻き
付ける方法、気化器の形状にあわせたブロックヒーター
で覆う方法、あるいは熱風循環や液体熱媒循環させる方
法等がある。いずれの場合においても気化室を精度良く
加熱保温できる方法であれば特に限定されない。加熱温
度は、突起に付与される加熱手段と同様に、気化室の温
度が40〜250℃程度となるように設定される。
【0024】本発明の気化供給方法は、以上のような気
化器を使用して、気化室内を加熱するとともに、気化室
内の絶対圧力を80〜120kPaに保ちながら、液体
CVD原料を気化させて半導体製造装置へ気化供給する
方法である。本発明の気化供給方法において、キャリア
ガスは気化室に供給される前に加熱する必要がある。そ
の加熱温度は、液体原料の種類、供給量、気化ガス濃
度、その他の操作条件などによっても異なるが、通常は
40〜250℃程度である。また、液体CVD原料を過
熱させることなく極めて急速でかつ均一に気化させる必
要があり、キャリアガスの流量は、気化器に導入される
液体CVD原料の気化後の容積とキャリアガスの容積の
比が、好ましくは1:30〜1000、より好ましくは
1:40〜200であるように設定される。本発明にお
いて、CVD原料が複数種の場合は、前記CVD原料の
容積はその合計量とする。尚、従来から行われている減
圧下の気化供給における前記容積の比は、通常は1:1
〜10程度である。
【0025】本発明において、比較的多量の加熱された
キャリアガスは、気化室のキャリアガス供給口より供給
され、気化室の内壁面、あるいは内壁面と突起の間隙を
滑らかに旋回し気化ガス出口より排出される。このよう
な加熱されたキャリアガスの流れにより、気化室の内
壁、または、気化室の内壁及び突起からの熱伝達が容易
になり、気化室内の温度の均一化を容易にはかることが
できるとともに、気化が困難な大気圧下においても、液
体CVD原料を品質低下させることなく極めて効率よく
気化させることができる。
【0026】図7は、本発明の気化供給方法を実施する
ための気化供給システムの一例を示す構成図である。大
気圧下の気化供給においては、気化供給終了後、腐食性
の高いCVD原料がキャリアガス供給口からキャリアガ
ス配管に逆流する虞がある。従って、本発明の気化供給
方法においては、気化供給終了後、減圧装置により気化
器内を減圧し、液体CVD原料のキャリアガス供給管へ
の逆拡散を防止することが好ましい。そのため、例えば
図7に示すように、気化器が半導体製造装置を介さずに
真空ポンプ等の減圧装置24に接続した構成とされるこ
とが好ましい。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
【0028】実施例1 図1及び図2のように気化室の形状が円筒形と半球形を
組み合せた形状である気化器を用いて、図7のような気
化供給システムを作製した。気化室の円筒部は径が34
mm、高さが35mmであり、半球部は径が34mmで
ある。気化器には、3個の1.5mmの内径を有するC
VD原料供給口及びCVD原料供給口の3倍の内径を有
するキャリアガス供給口が設けられている。キャリアガ
ス供給口の向きは、供給口における気化室内壁水平面の
接線方向に一致するように設定されている。
【0029】このような装置を用いて、3系統の液体C
VD原料供給ラインのうち、1系統の液体原料供給ライ
ンを使用して、以下のようにテトラエトキシケイ素(T
EOS)の気化供給試験を行なった。尚、気化率を測定
するため、気化ガス出口には気化ガス中のCVD原料を
捕取するための液体窒素冷却トラップを設けた。
【0030】気化室を大気圧に保ちながら、ガス加熱
器、気化器、及びキャリアガス供給ラインのブロックヒ
ーターを160℃に加熱保温し、キャリアガス導入口か
ら160℃に加熱した窒素キャリアガスを12.9L/
min(0℃,大気圧)の流量で気化室に供給した。次
に、液体原料容器中のテトラエトキシケイ素を、精製ヘ
リウムガスの圧力によりマスフローコントローラーまで
送液し、2.0g/minの流量で気化器に供給した。
(テトラエトキシケイ素の気化後の容積とキャリアガス
の容積の比:1:60)
【0031】気化ガス出口において、気化ガスを60分
間冷却捕取して、テトラエトキシケイ素の気化供給試験
を終了した。冷却捕取した気化ガスの捕取量を電子天秤
により測定し気化率を調べるとともに、FT−IRによ
り分析してテトラエトキシケイ素の変質の有無を調べ
た。その結果を表1に示す。
【0032】実施例2〜5 実施例1の気化供給試験における窒素キャリアガスの供
給量を各々4.3L/min、8.6L/min、1
7.2L/min、21.5L/min(0℃,大気
圧、テトラエトキシケイ素の気化後の容積とキャリアガ
スの容積の比は各々1:20、1:40、1:80、
1:100)に変えたほかは実施例1と同様にして気化
供給試験を行なった。各々の気化供給試験について、テ
トラエトキシケイ素の気化率及び変質の有無を調べた結
果を表1に示す。
【0033】実施例6〜8 実施例1の気化供給試験における気化器のキャリアガス
供給口の内径を、各々CVD原料供給口と同じ内径、C
VD原料供給口の2倍の内径、CVD原料供給口の4倍
の内径に変えたほかは実施例1と同様にして気化供給試
験を行なった。テトラエトキシケイ素の気化率及び変質
の有無を調べた結果を表1に示す。
【0034】実施例9 実施例1の気化供給試験におけるCVD原料をテトラis
o-プロポキシチタン(TTIP)に替え、ガス加熱器、
気化器、及びキャリアガス供給ラインのブロックヒータ
ーの加熱保温温度を190℃に変えたほかは実施例1と
同様にして気化供給試験を行なった。テトラiso-プロポ
キシチタンの気化率及び変質の有無を調べた結果を表1
に示す。
【0035】実施例10 図3及び図4のように気化室の形状が円筒形と半球形を
組み合せた形状であり、突起の形状がこれに略相似形で
ある気化器を製作した。気化器の形状、大きさは、ヒー
ターが付与された突起(円筒部:径16mm、高さ35
mm、半球部:径16mm)を設けた以外は実施例1の
気化器と同様である。この気化器を用いた以外は実施例
1と同様にしてテトラエトキシケイ素の気化供給試験を
行なった。テトラエトキシケイ素の気化率及び変質の有
無を調べた結果を表1に示す。
【0036】実施例11 実施例10の気化供給試験におけるCVD原料をテトラ
iso-プロポキシチタンに替え、ガス加熱器、気化器、及
びキャリアガス供給ラインのブロックヒーターの加熱保
温温度を190℃に変えたほかは実施例10と同様にし
て気化供給試験を行なった。テトラiso-プロポキシチタ
ンの気化率及び変質の有無を調べた結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の気化供給方法により、従来困難
であった大気圧下における液体CVD原料の気化供給
を、CVD原料の品質を低下させることなく、所望の濃
度及び流量で効率よく行なうことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる気化器の一例を示す縦断面
【図2】図1のA−A’面における断面図
【図3】本発明に用いられる図1以外の気化器の一例を
示す縦断面図
【図4】図3のB−B’面における断面図
【図5】(1)本発明の気化器におけるキャリヤーガス
導入口の向きを例示する横断面図 (2)図5(1)のC−C’面における断面図
【図6】本発明に用いられる図1、図3以外の気化器の
例を示す縦断面図
【図7】本発明の気化供給方法を適用した気化供給シス
テムの一例を示す構成図
【符号の説明】
1 気化室 2 CVD原料供給口 3 気化ガス出口 4 キャリアガス供給口 5 加熱手段(ヒーター) 6 気化室の内壁面 7 突起 8 継手 9 水平面におけるキャリアガス供給口の向き 10 キャリアガス供給口における気化室内壁の水平面
の接線方向 11 垂直面におけるキャリアガス供給口の向き 12 キャリアガス供給口における水平面 13 液体原料容器 14 液体原料 15 液体流量制御部 16 気化器 17 バルブ 18 ガス予熱器 19 ガス流量制御器 20 キャリアガス供給ライン 21 CVD装置 22 ブロックヒーター 23 ヒーター内蔵バルブユニット 24 減圧装置(真空ポンプ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 AA06 AA09 AA11 BA18 BA29 FA01 JA09 5F045 AA08 AB31 AB39 AC07 AC08 AC09 AE29 BB19 EE02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体CVD原料を、加熱されたキャリア
    ガスとともに、気化室の形状が鉛直線を軸とする球形、
    楕球形、樽形、円筒形、円錐形、円錐台形、半球形、ま
    たはこれらに類似する形状、若しくはこれらを組み合せ
    た形状である気化器に導入し、気化室内を加熱下80〜
    120kPaの絶対圧力に保ちながら気化させて、半導
    体製造装置へ供給することを特徴とする気化供給方法。
  2. 【請求項2】 気化器に導入される液体CVD原料の気
    化後の容積とキャリアガスの容積の比が、1:30〜1
    000である請求項1に記載の気化供給方法。
  3. 【請求項3】 気化器が、液体CVD原料の供給口より
    も内径の大きいキャリアガスの供給口を有する請求項1
    に記載の気化供給方法。
  4. 【請求項4】 気化器が、液体CVD原料の供給口を複
    数個有する請求項1に記載の気化供給方法。
  5. 【請求項5】 気化供給終了後、減圧装置により気化器
    内を減圧し、液体CVD原料のキャリアガス供給管への
    逆拡散を防止する請求項1に記載の気化供給方法。
  6. 【請求項6】 気化器が、気化室の中央部に、形状が該
    気化室の形状に略相似形であり加熱手段が付与された突
    起を有する構成の気化器である請求項1に記載の気化供
    給方法。
  7. 【請求項7】 半導体製造装置が、常圧プラズマCVD
    である請求項1に記載の気化供給方法。
JP2001295447A 2001-09-27 2001-09-27 気化供給方法 Pending JP2003105545A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001295447A JP2003105545A (ja) 2001-09-27 2001-09-27 気化供給方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001295447A JP2003105545A (ja) 2001-09-27 2001-09-27 気化供給方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003105545A true JP2003105545A (ja) 2003-04-09

Family

ID=19116884

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001295447A Pending JP2003105545A (ja) 2001-09-27 2001-09-27 気化供給方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003105545A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004114385A1 (ja) * 2003-06-20 2004-12-29 Kabushiki Kaisha Watanabe Shoko 気化方法及び気化器
JP2011068920A (ja) * 2009-09-24 2011-04-07 Nakata Coating Co Ltd 表面改質装置及び表面改質方法
JP2013023700A (ja) * 2011-07-15 2013-02-04 Lintec Co Ltd 気化器及び該気化器を備えた液体原料気化供給装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004114385A1 (ja) * 2003-06-20 2004-12-29 Kabushiki Kaisha Watanabe Shoko 気化方法及び気化器
JP2011068920A (ja) * 2009-09-24 2011-04-07 Nakata Coating Co Ltd 表面改質装置及び表面改質方法
JP2013023700A (ja) * 2011-07-15 2013-02-04 Lintec Co Ltd 気化器及び該気化器を備えた液体原料気化供給装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4812132B2 (ja) 混合器、薄膜製造装置及び薄膜製造方法
JP3822135B2 (ja) 気化供給装置
CN104152870A (zh) 用于固体化学制品持续蒸汽发送的起泡器
US6473563B2 (en) Vaporizer and apparatus for vaporizing and supplying
EP1354981A2 (en) Film-forming apparatus and film-forming method
JPH11111644A (ja) 気化供給装置
KR20020089341A (ko) 기재상에 하나 이상의 층을 증착하기 위한 장치와 방법
JPH11209876A (ja) 薄膜形成装置及び方法
KR20060032658A (ko) 성막 장치
US7031600B2 (en) Method and apparatus for silicon oxide deposition on large area substrates
JP2969596B2 (ja) Cvd装置
US20030021595A1 (en) Apparatus and method for vaporizing a liquid chemical
US6767402B2 (en) Method for vaporizing and supplying
JP2003105545A (ja) 気化供給方法
CN1701422A (zh) 气体反应装置和半导体处理装置
JP2004335564A (ja) 気化器
JPH038330A (ja) 液状半導体形成材料気化供給装置
JP4018841B2 (ja) 気化器及び気化供給方法
JPH11342328A (ja) 気化器及び気化供給方法
JP2002173778A (ja) 気化器
JP2003013234A (ja) 気化器及び気化供給装置
JP4773469B2 (ja) 薄膜形成装置及び薄膜形成方法
JP2000017438A (ja) 気化器及び気化供給方法
JP2003332327A (ja) 気化供給方法
JP2003318170A (ja) 気化器