JP2003105360A - ハイドレートの濃度測定用指標物質および濃度測定方法 - Google Patents

ハイドレートの濃度測定用指標物質および濃度測定方法

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JP2003105360A
JP2003105360A JP2001302156A JP2001302156A JP2003105360A JP 2003105360 A JP2003105360 A JP 2003105360A JP 2001302156 A JP2001302156 A JP 2001302156A JP 2001302156 A JP2001302156 A JP 2001302156A JP 2003105360 A JP2003105360 A JP 2003105360A
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Yuichi Kato
裕一 加藤
Takashi Arai
新井  敬
Shigeru Nagamori
茂 永森
Junji Ono
純二 小野
Tomoharu Okui
智治 奥井
Tatsuji Kawasaki
達治 川崎
Taiji Yokoi
泰治 横井
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイドレートの製造、貯蔵、利用などの場面
において、ハイドレート濃度を正確に、かつ簡単な方法
で測定する手段を提供すること。 【解決手段】 ハイドレートの濃度を間接的に測定する
ため、ハイドレート形成物質との反応性がなく、かつ水
に溶解または混合可能な性質を有するハイドレートの濃
度測定用指標物質を、ハイドレートの製造、貯蔵、利用
などの場面で原料水などに添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然ガス、メタン
ガス、炭酸ガス等のハイドレート形成物質と水との水和
物であるハイドレートの濃度を間接的に測定するための
指標物質、この指標物質を利用した濃度測定方法、およ
びハイドレートを製造、貯蔵、利用等する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ハイドレートは、水分子とハイドレート
形成物質分子からなる氷状の固体物質であり、水分子に
より形成されるかご状構造の内部にハイドレート形成物
質分子を取り込んだ構造の水和物である。このハイドレ
ートは、所定の圧力と温度の下で水とハイドレート形成
物質とを混合することにより生成し、圧力および/また
は温度を変化させることにより、水とハイドレート形成
物質とに解離する。また、ハイドレートは、高いガス包
蔵性、大きな生成・解離熱や小さな温度変化により高い
圧力を発生させる性質、さらにはハイドレート化分子の
選択性等の性質を有するため、例えば天然ガス等の輸送
・貯蔵手段や、蓄熱システム、アクチュエータ、ガスの
分離回収等多様な用途での利用を図るべく研究が行われ
ている。
【0003】従来、特にハイドレートのバッチ式製造に
おいては、水をハイドレートの生成容器に一定量充填
し、そこにハイドレート形成物質のガスを連続的に流通
させてハイドレートを製造することが行われており、こ
の場合、ハイドレート生成容器内の気相部の圧力をほぼ
一定に推移させることになるため、生成容器内の圧力を
計測しても、ハイドレート濃度を把握することはできな
かった。このため、水に対するハイドレート濃度(通例
は水を含む系全体の重量に対するハイドレート重量のパ
ーセンテージで示される)が過大となった場合には、生
成容器内で塊を生じて取り出しができなくなったり、逆
にハイドレートの生成が不十分な低濃度の状態で取り出
した場合には、大部分が水であるため余剰水を分離して
生成容器に戻す操作が必要になるなど、いずれの場合も
ハイドレートの製造効率の低下を招く一因となってい
た。
【0004】また、ハイドレートの製造時だけでなく、
ハイドレートを容器内に充填して保管、輸送等を行う貯
蔵時においても、貯蔵中にハイドレートが解離して濃度
変化が生ずるのを防止するため、ハイドレート濃度を測
定する手段が必要であった。
【0005】さらに、ハイドレートの利用局面において
も、ハイドレートの生成や解離により生じる相変化を利
用する物質の分離技術や、温度・圧力変化を利用するア
クチュエータ、温度差発電、蓄熱システム等の利用形態
では、ハイドレートがどの程度生成し、あるいは解離し
ているかを正確に把握することが重要となる。
【0006】また、従来、ハイドレート生成容器内の気
相部の圧力を一定として、ハイドレート生成に消費され
るガス流量の積算値からハイドレート濃度を把握する方
法もあるが、この場合は圧力制御機器のほかに、ガスの
積算流量計を必要とし、さらにガスの種類により流量計
を変更する必要があるなど、ハイドレート濃度測定の付
帯設備が過大になる等の不具合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、ハイドレート
の製造、貯蔵、利用などの場面において、ハイドレート
濃度を正確に、かつ簡単な方法で測定する手段が求めら
れており、それを提供することが本発明の課題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載のハイドレートの濃度測定用指標物
質の発明は、ハイドレートの濃度を間接的に測定するた
めの指標物質であって、原料となるハイドレート形成物
質との反応性がなく、かつ水に溶解または混合可能な性
質を有することを特徴とする。このハイドレートの濃度
測定用指標物質の発明によれば、ハイドレートの製造、
貯蔵、利用などの場面において、ハイドレート濃度を簡
便に、かつ正確に測定することが可能になるとともに、
ハイドレート生成量や解離量を把握しての制御なども可
能になる。
【0009】すなわち、ハイドレートの製造において
は、生成容器内でのハイドレートの生成状況を把握する
ことが可能になるため、生成時間や生成条件の制御を行
うことが可能になり、ハイドレートの生成過多により容
器から取り出しができなくなったり、ハイドレートの生
成が不十分で生成効率が低下したりする問題を未然に回
避することができる。ハイドレートの貯蔵においては、
貯蔵容器内でのハイドレートの解離量を測定することが
可能になり、貯蔵中のハイドレートの損失を正確に把握
できるとともに、最適な貯蔵条件を選定するための情報
を得ることができる。ハイドレートの利用時には、ハイ
ドレートの生成量や解離量を把握することができるよう
になり、ハイドレート量を制御しながら様々な用途に利
用することが可能になる。ここで、ハイドレートの利用
形態としては、例えば、単にハイドレートを生成し、分
解してハイドレート形成物質を送出する場合、およびハ
イドレートの生成・解離に伴う相変化、発熱・吸熱など
の温度変化、圧力変化などを利用する技術が挙げられ、
より具体的には、例えばハイドレートの生成や解離によ
り生じる相変化を利用する物質の分離技術、海水の淡水
化や、温度・圧力変化を利用するアクチュエータ、温度
差発電、蓄熱システム等を挙げることができる。
【0010】請求項2に記載のハイドレートの濃度測定
用指標物質の発明は、請求項1において、前記指標物質
が、ハイドレートへの移行性がない物質であることを特
徴とする。この特徴によれば、指標物質としてハイドレ
ートへの移行性がない物質を用いた場合は、水相中にお
ける該指標物質の濃度は、ハイドレートの濃度と比例す
ることになるため、容易にハイドレート濃度を測定する
ことが可能となる。
【0011】請求項3に記載のハイドレートの濃度測定
用指標物質の発明は、請求項2において、指標物質が、
スラリー状のハイドレートの流動性を向上させる作用を
併せ持つ物質であることを特徴とする。この特徴によれ
ば、指標物質として、スラリー状のハイドレートの流動
性を向上させる作用を併せ持つ物質を用いることで、ハ
イドレート濃度の測定に加えて、ハイドレートスラリー
の浮上分離を防止し、移送性等を向上させ、取り扱いを
容易にすることができるので有利である。
【0012】請求項4に記載のハイドレートの濃度測定
用指標物質の発明は、請求項3において、前記スラリー
状のハイドレートの流動性を向上させる作用を併せ持つ
物質が、エチレングリコール、プロピレングリコール、
ソルビトールおよびセルロース類よりなる群から選ばれ
るものであることを特徴とする。この特徴によれば、請
求項3と同様の作用効果を奏する。
【0013】請求項5に記載のハイドレートの濃度測定
用指標物質の発明は、請求項1において、前記ハイドレ
ート形成物質が、メタンガスであり、かつ前記指標物質
が、メタンガスハイドレートの生成平衡条件を高温、低
圧側に移行させる作用を併せ持つ物質であることを特徴
とする。この特徴によれば、ハイドレート形成物質がメ
タンの場合に、指標物質としてハイドレートの生成平衡
条件を高温、低圧側に移行させる作用を併せ持つ物質を
用いることで、ハイドレート濃度の測定に加えて、より
穏かな条件(すなわち、常温、常圧に近づく条件)にお
いて、ハイドレートを製造、貯蔵、利用等することが可
能になるので有利である。
【0014】請求項6に記載のハイドレートの濃度測定
用指標物質の発明は、請求項5において、前記ハイドレ
ートの生成平衡条件を高温、低圧側に移行させる作用を
併せ持つ物質が、テトラヒドロフラン、フラン、シクロ
ペンタノール、シクロペンタノンおよびエチレンオキサ
イドよりなる群から選ばれるものであることを特徴とす
る。この特徴によれば、請求項5と同様の作用効果を奏
する。
【0015】請求項7に記載のハイドレートの濃度測定
方法の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に
記載の指標物質を用い、ハイドレート濃度を測定するこ
とを特徴とする。この特徴によれば、指標物質を用いて
間接的にハイドレート濃度を測定することにより、上記
請求項1から請求項6と同様の作用効果が得られる。
【0016】請求項8に記載のハイドレートの製造方法
の発明は、水とハイドレート形成物質とを加圧下に混合
してハイドレートを生成させるハイドレートの製造方法
であって、ハイドレート形成物質との反応性がなく、か
つ水に溶解または混合可能な性質を有するハイドレート
の濃度測定用指標物質を、原料水に添加し、該指標物質
の濃度を計測することによりハイドレート生成量を間接
的に測定し、所定のハイドレート生成量に達した時点
で、生成容器内のハイドレートを排出することを特徴と
する。この特徴によれば、ハイドレートの製造におい
て、生成容器内でのハイドレートの生成状況をモニター
しつつ製造することが可能になるため、時間や温度、圧
力などの条件の制御を行うことが可能になり、ハイドレ
ートの生成過多により容器からの取り出しができなくな
ったり、ハイドレートの生成が不十分で生成効率が低下
したりする問題の発生を防止できる。本製造方法は、バ
ッチ方式によるハイドレートの製造において特に有効で
ある。
【0017】請求項9に記載のハイドレート製造装置の
発明は、水とハイドレート形成物質とを加圧下に混合し
てハイドレートを生成させるハイドレート製造装置であ
って、ハイドレートを生成させるための生成容器に、水
相中に存在するハイドレート濃度測定用指標物質の濃度
を測定する計測手段を設けたことを特徴とする。このハ
イドレート製造装置は、生成容器に濃度計測手段を設け
たため、指標物質を使用してのハイドレート製造に適し
たものである。
【0018】請求項10に記載のハイドレート製造装置
の発明は、請求項9において、計測手段により測定され
る指標物質の濃度が所定量に達したとき、生成容器から
ハイドレートを自動的に排出する制御機構を設けたこと
を特徴とする。この特徴によれば、指標物質の濃度が所
定量に達したとき、すなわち生成容器内で所定量のハイ
ドレートが生成されたときには、生成容器からハイドレ
ートを自動的に排出する制御機構を設けたので、手間が
かからず、効率的なハイドレートの製造が実現する。
【0019】請求項11に記載のハイドレート貯蔵装置
の発明は、水とハイドレート形成物質とにより形成され
るハイドレートを貯蔵するための貯蔵装置であって、ハ
イドレートを充填する容器に、水相中に存在するハイド
レート濃度測定用指標物質の濃度を測定するための計測
手段を設けたことを特徴とする。このハイドレート貯蔵
装置は、貯蔵容器に濃度計測手段を設けたため、指標物
質を使用したハイドレート濃度の測定に適したものであ
る。
【0020】請求項12に記載のハイドレート利用装置
の発明は、水とハイドレート形成物質とにより形成され
るハイドレートの生成および/もしくは解離に伴う相変
化、温度変化または圧力変化を利用するハイドレート利
用装置、またはハイドレートを分解してハイドレート形
成物質を送出するハイドレート利用装置において、ハイ
ドレートを充填する容器に、水相中に存在するハイドレ
ート濃度測定用指標物質の濃度を測定するための計測手
段を設けたことを特徴とする。このハイドレート利用装
置は、充填容器に濃度計測手段を設けたため、指標物質
を使用したハイドレート濃度の測定に適したものであ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明のハイドレート濃度測定用
指標物質は、ハイドレートの濃度を間接的に測定するた
めの指標物質であり、ハイドレート形成物質との反応性
がなく、かつ水に溶解または混合可能な性質を有するも
のであればよい。また、水に不溶性または難溶性の物質
を指標物質として用いることもできる。この際には、水
相を充分に撹拌することにより、水に不溶性または難溶
性の指標物質は、水相中に均一にエマルジョンまた懸濁
物の状態で分散し、水に均一に混合された状態となるの
で、ハイドレートの濃度を間接的に測定することができ
る。
【0022】ハイドレート形成物質の種類は、所定の圧
力、温度条件でハイドレートを形成するものであれば特
に限定されず、例えば、メタン、天然ガス(メタンを主
成分とし、エタン、プロパン、ブタン等を含む混合ガ
ス)、炭酸ガス(二酸化炭素)等の常温・常圧で気体で
ある物質(ガス)のほか、テトラヒドロフラン、フラ
ン、シクロペンタノール、シクロペンタノン、エチレン
オキサイド等の液体も含まれる(これらの液体は後述す
るように他のハイドレート形成物質に対する指標物質を
しても利用可能な場合がある)。また、例えば液化ガス
やフロンなどを液体状態でハイドレート形成物質として
使用することもできる。
【0023】本発明の指標物質としては、例えば、アル
コール類、ケトン類、アミン類、グリコール類、糖アル
コール類、セルロース類など、添加することにより水の
電気伝導度、粘性等を変化させる物質であって既知の計
測手段によって濃度測定が可能なものを挙げることがで
きるが、これらの中でも、ハイドレート形成を阻害する
ことがなく、人体に対する安全性の高い物質が好まし
い。
【0024】また指標物質は、ハイドレートへの移行性
がないものと、ハイドレートへの移行性があるもの、と
に大別できる。ここで、「ハイドレートへの移行性がな
い」とは、ハイドレートと物理化学的に結合したり、ハ
イドレートのかご状基本構造や結晶構造中に取り込まれ
たりすることがないことを意味する。従って、例えばハ
イドレートの外表面に付着したり、スラリー状のハイド
レートとともに流送されるような場合には移行性がない
ものとする。
【0025】まず、ハイドレートへの移行性がない物質
の具体例としては、シクロデキストリン、ゼラチン、ソ
ルビトール、マンニトール、ズルシトール、キシリトー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、アル
ギン酸プロピレングリコールや、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム等のセルロース類、アラビアゴム等を
挙げることができる。これらの中でも、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、
セルロース類などの増粘剤のように、ハイドレートがス
ラリー状である場合に、その流動性を向上させる作用を
併せ持つ物質であると、スラリーからのハイドレートの
浮上分離を防止することが可能になり、高い濃度まで流
動性を維持できるため特に好ましい。
【0026】一方、ハイドレートへの移行性がある物質
とは、当該物質自体がハイドレートのかご状構造に取り
込まれてハイドレートを形成する物質であり、後述する
ように原料となるハイドレート形成物質と、取り込まれ
るケージのタイプが異なる組み合わせを選択して使用す
ることが必要である。これらハイドレートへの移行性が
ある物質としては、ハイドレートの生成平衡条件を高
温、低圧側に移行させる作用を併せ持つ物質を用いるこ
とが好ましい。かかる物質の具体例としては、テトラヒ
ドロフラン、シクロペンタノール、シクロペンタノン、
フラン、エチレンオキサイドなどを挙げることができ
る。
【0027】次に、本発明の指標物質を用いたハイドレ
ートの濃度測定の原理について述べる。前記のとおり、
ハイドレートは水分子により形成されるケージ(かご)
の中にハイドレート形成物質を取り込んだ水和物であ
り、ケージには図4に示すように、5角形12面で構成
される立体の小ケージ[図4の(a)]、5角形12面
と6角形2面とにより構成される中ケージ[図4の
(b)]および5角形12面と6角形4面とにより構成
される大ケージ[図4の(c)]等が存在する。ここ
で、H型単位構造を形成するケージを除くと、ケージの
大きさは上記3種類となるので、ケージの中には、各ケ
ージの大きさに適したハイドレート形成物質の分子のみ
が取り込まれることになる。また、ハイドレートは、上
記小ケージ2個と中ケージ6個で構成されるI型単位構
造と、上記小ケージ16個と大ケージ8個で構成される
II型単位構造とが存在する(上記I型単位構造とII型単
位構造の他に、さらに大きなケージを持つH型単位構造
のものも報告されているが、ここでは説明を省略す
る)。
【0028】まず、指標物質がハイドレートへの移行性
がない物質である場合には、ハイドレートの生成と解離
による水の減少・増加に対応して水相中の指標物質の濃
度が増加または減少するため、原則としてハイドレート
の取りうる単位構造を考慮しなくても、指標物質の濃度
を計測することによって間接的にハイドレートの濃度を
知ることができる。
【0029】指標物質がハイドレートへの移行性を持つ
物質の場合には、目的とするハイドレートの濃度を知る
ためには、原料となるハイドレート形成物質および指標
物質が取り込まれるケージのタイプが異なる組み合わせ
を選択することが必要である。従って、例えばハイドレ
ート形成物質がII型構造の大ケージにのみ取り込まれる
プロパンである場合に、同様に大ケージにのみ取り込ま
れるテトラヒドロフランを指標物質としてハイドレート
濃度を測定することはできない。ハイドレート形成物質
とハイドレートへの移行性を持つ指標物質との好ましい
組み合わせの例としては、ハイドレート形成物質がメタ
ンガスである場合に、指標物質としてテトラヒドロフラ
ン、フラン、シクロペンタノール、シクロペンタノン、
エチレンオキサイド等を用いる場合が挙げられる。
【0030】また、濃度の測定に際しては、原料となる
ハイドレート形成物質と指標物質とが同じ単位構造をと
るように温度・圧力を設定することが、単位構造中にお
けるケージの比率から目的とするハイドレートの濃度の
推算が容易になるので好ましい。これは、以下の理由に
よる。一般に、あるハイドレート形成物質におけるハイ
ドレートの生成と解離との平衡条件は、図5の平衡線x
のように示され、ここでは平衡線xより上側(領域A)
でハイドレートを形成する。そこに、ハイドレートの生
成平衡条件を高温、低圧側に移行させる作用を持つ物質
を共存させた場合には、図5の平衡線yのように平衡が
高温低圧側に移行する。この平衡条件の変化は、多くの
場合単位構造の変化を伴うと考えられている。例えば、
ハイドレート形成物質としてメタンのみの系を考えた場
合、メタンは上記小ケージおよび中ケージに取り込まれ
るため、図5における平衡線xより低温高圧側の領域A
でI型の単位構造のハイドレートを形成する。そこに、
例えばテトラヒドロフランのような大ケージにのみ取り
込まれる物質を共存させた場合には、ハイドレートの単
位構造はII型に変化し、平行線はyの位置に移行する。
【0031】ここで、図5の平行線yより低温高圧側で
あり、かつxより高温低圧側となるBの領域内に温度・
圧力を設定してハイドレート濃度の測定を行う場合に
は、II型構造のハイドレートのみが生成することにな
る。このとき、メタン分子はII型構造中の小ケージに、
テトラヒドロフランは同構造中の大ケージに包接される
ので、単位構造中のメタンとテトラヒドロフランの量
は、ほぼ2:1(16:8)の関係を持つ。したがっ
て、水相中のテトラヒドロフラン濃度を測定して消費さ
れた水の量を知ることによって、メタンハイドレートの
生成量を正確に推算することが可能になる。これに対し
て、上記において、図5中のAの領域内(平衡線xより
低温高圧側)に温度・圧力を設定してハイドレート濃度
を測定する場合には、小ケージと中ケージにメタンが入
ったI型構造と、小ケージにメタンが入り、大ケージに
テトラヒドロフランが入ったII型構造のハイドレートが
混在してしまう結果、I型構造とII型構造の比率が判ら
なければ、メタンハイドレートの濃度を正確に推算する
ことは困難になる。従って、例えば指標物質としてテト
ラヒドロフランを10〜20重量%共存させてメタンガ
スハイドレート濃度を測定する場合の温度・圧力条件
は、図5のBの領域、例えば温度273Kの場合は、圧
力0.3〜2MPa、温度293Kの場合は、圧力3〜
10MPaとすることが好ましい。
【0032】なお、指標物質としてハイドレートへの移
行性がない物質を用いる場合でも、原料のハイドレート
形成物質として、例えば天然ガス(メタンを主成分と
し、エタン、プロパン、イソブタン等を含む)を用いる
ときは、メタンは小ケージと中ケージに、エタンは中ケ
ージにのみ、プロパンやイソブタンは大ケージにのみ入
ることができる物質であるため、図5の領域AではI型
構造とII構造とが混在する結果となる。この場合には、
原料ガスの組成にもよるが、I型構造とII構造との水和
数が相違することから、水の消費量等を基準にする指標
物質を用いたハイドレートの濃度測定に誤差が生じるお
それがある。したがって、指標物質としてハイドレート
への移行性がない物質を用いる場合でも、原料のハイド
レート形成物質がI型とII型の両方を取り得る場合に
は、ハイドレートの製造に限らず、貯蔵場面、利用場面
におけるハイドレートの濃度測定においても、最適な温
度・圧力条件を選択して一定の条件の下で測定すること
が好ましい。
【0033】指標物質の使用方法は特に限定されない
が、例えば、以下の(1)〜(3)に示すようにハイド
レートの製造、貯蔵、利用等の各場面で、指標物質を用
いてハイドレート濃度を測定することが好ましい。
【0034】(1)ハイドレートの製造においては、原
料水に指標物質を添加することによって、ハイドレート
の生成量を測定することができる。この場合、予め原料
水の貯蔵容器に所定濃度となるように指標物質を入れて
もよいが、ハイドレート生成容器内で所定量の指標物質
を水に溶解または混合してもよい。指標物質の添加量
は、水に対して0.1〜10重量%程度とすることが好
ましく、0.1〜1重量%であればより好ましい。ハイ
ドレートの製造では、水とハイドレート形成物質とが反
応してハイドレートを生成することにより水が消費され
ていくため、前記ハイドレートへの移行性のない物質を
指標物質とした場合は、水相に存在する指標物質の濃度
はハイドレートの生成量に比例して高くなっていく。ま
た、前記ハイドレートへの移行性がある物質を指標物質
とした場合は、水相に存在する指標物質の濃度はハイド
レートの生成量に所定の相関の下で比例して減少してい
く。従って、水相の指標物質濃度を測定すれば、予め実
測した指標物質濃度とハイドレート生成量との相関デー
タに基づき、間接的にハイドレートの生成量を測定する
ことが可能となる。この方法は、特にバッチ式製造方式
において有効であるが、水の供給量を把握することによ
り連続式製造方式においても利用することができる。ま
た、ハイドレート生成容器としてはパイプライン形式の
反応容器なども利用できる。
【0035】指標物質の濃度の測定は、指標物質の種類
や性質に応じて、例えば、ハイドレート生成容器内の水
相中で、あるいは、生成容器に濃度計測用配管を設ける
などして水相から一部の水を抜き出すことによって行う
ことができる。また、直接指標物質の濃度を測定する以
外に、例えば電気伝導度、屈折率、粘度等を計測するこ
とにより間接的に指標物質の濃度を測定することもでき
る。
【0036】(2)ハイドレートの貯蔵においては、指
標物質を添加することによって、貯蔵初期の指標物質の
濃度(初発濃度)を基準に、貯蔵中に解離したハイドレ
ート量を測定することができる。すなわち、ハイドレー
トの貯蔵中には、ハイドレートの生成と解離の主要因で
ある圧力、温度が、ガスの漏洩や外部侵入熱等により変
動することによって、ハイドレートが水とハイドレート
形成物質とに解離する場合があるが、前記ハイドレート
への移行性のない物質を指標物質とした場合は、水相に
存在する指標物質の濃度はハイドレートの解離量に比例
して低くなっていく。また、前記ハイドレートへの移行
性がある物質を指標物質とした場合は、水相に存在する
指標物質の濃度はハイドレートの解離量に所定の相関関
係の下で比例して増加していく。したがって、貯蔵中の
水相の指標物質濃度を測定して初発濃度との差を求める
ことにより、予め実測した指標物質濃度とハイドレート
量との相関データから間接的にハイドレートの解離量を
測定することが可能となる。指標物質の添加方法は、例
えばハイドレートの貯蔵容器内に入れておく方法、貯蔵
容器に移送する途中の配管上で添加する方法、予め原料
水に添加しておく方法などが挙げられる。指標物質はハ
イドレートには移行しないが、水を多く含んだハイドレ
ートスラリーの場合には、原料水へ添加した指標物質は
かなりの割合でハイドレートスラリー中に含まれること
になるので、原料水中への添加でも濃度測定が可能とな
る。指標物質の添加量は上記(1)と同様にすることが
できる。指標物質の濃度の測定は、指標物質の種類や性
質に応じ、例えば、ハイドレート貯蔵容器内の水相中
で、あるいは、貯蔵容器に濃度計測用配管を設けるなど
して水相から一部の水を抜き出して行うことができる。
また、直接指標物質の濃度を測定する以外に、例えば電
気伝導度、屈折率、粘度等を計測することにより間接的
に指標物質の濃度を測定することもできる。
【0037】(3)ハイドレートの利用等においては、
指標物質を添加することにより、充填初期の指標物質の
濃度(初発濃度)を基準に、利用により生成・解離した
ハイドレート量を測定することができる。ハイドレート
の利用技術としては、単にハイドレートを生成し、分解
してハイドレート形成物質を送出する場合、およびハイ
ドレートの生成・解離に伴う相変化、発熱・吸熱などの
温度変化、圧力変化などを利用する技術、例えばハイド
レートの生成や解離により生じる相変化を利用する物質
の分離技術や、温度・圧力変化を利用するアクチュエー
タ、温度差発電、蓄熱システム等の利用形態が開発され
つつあり、ハイドレート濃度を正確に把握することが求
められる。これらの利用形態においてもハイドレート使
用時の指標物質の量を計測して初発濃度との差を求める
ことにより、予め実測した指標物質濃度とハイドレート
量との相関データから間接的にハイドレートの生成・解
離量を測定することが可能となる。指標物質は、例えば
ハイドレートの充填容器内に入れておく方法や、充填容
器に移送する途中の配管上で添加する方法のほか、予め
原料水に添加しておくこともできる。指標物質としてハ
イドレートへの移行性がない物質を使用する場合には、
水を多く含んだハイドレートスラリーにおいては、原料
水へ添加した指標物質は水相に残留するため、原料水中
への添加でも濃度測定が可能となる。指標物質の添加量
は上記(1)と同様にすることができる。指標物質の濃
度の測定は、指標物質の種類や性質に応じ、例えば、ハ
イドレート充填容器内の水相中で、あるいは、充填容器
に濃度計測用配管を設けるなどして水相から一部の水を
抜き出して行うことができる。また、直接指標物質の濃
度を測定する以外に、例えば電気伝導度、屈折率、粘度
等を計測することにより間接的に指標物質の濃度を測定
することもできる。
【0038】上記(1)〜(3)以外にも、例えば、ハ
イドレートスラリーを流送する配管上に指標物質の濃度
計測手段を設けることにより、配管を移送途中ハイドレ
ートスラリーの濃度を監視することなども可能である。
【0039】次に、図面に基づき本発明を更に詳しく説
明する。図1は、本発明の一実施形態であるハイドレー
ト製造・貯蔵装置100の概略を示す図面である。この
ハイドレート製造・貯蔵装置100は、主要な構成とし
て、ガス供給槽41、水供給槽44、三つのハイドレー
ト生成容器11、21、31、およびハイドレート貯蔵
槽48を備えたものである。
【0040】ハイドレート生成容器11、21、31
は、いずれもバッチ式であり、交互にハイドレートを製
造できるように配置されている。三つのハイドレート生
成容器11、21、31の構成は同じであるので、以
下、ハイドレート生成容器11を例に挙げ説明する。
【0041】ハイドレート生成容器11は、耐圧構造の
円筒状容器であり、必要に応じて冷却機能を備えたもの
である。ハイドレート生成容器11の中央部には、ハイ
ドレート原料の水53を攪拌する内部攪拌手段としてモ
ータ16により回転する攪拌機17が配備されている。
また、ハイドレート生成容器11の下部には、水中の指
標物質濃度を測定するための濃度計測器12が配備され
ている。
【0042】ハイドレートの原料となる水53は、弁1
8の開放時に水供給槽53からポンプ45により所定圧
力まで加圧された状態でハイドレート生成容器11に一
定量導入される。同様に、ガス55は、弁19の開放時
にガス供給槽55からポンプ42により所定圧力に加圧
されてハイドレート生成容器11に導入される。水53
とガス55を導入した後、弁18を閉じる一方、弁19
は開放したままハイドレート生成容器11内を一定圧力
に維持する。そして攪拌機17を駆動して水53とガス
55とを混合することによりハイドレートを生成させ
る。このとき、必要に応じて図示しない冷却手段により
ハイドレート生成容器11は所定温度まで冷却される。
生成したハイドレートは、水53よりも比重が軽いた
め、水53の表面にハイドレート層51を形成する。ハ
イドレート生成容器11内のハイドレートが所定量に達
したところで、弁14を開放するとともに、ハイドレー
ト排出用のポンプ13を作動させてハイドレート回収用
配管47により生成ハイドレートをハイドレート貯蔵槽
48に導入して貯留する。
【0043】上記のハイドレート生成容器11では、ハ
イドレート生成中は気相(ガス55)圧力がほぼ一定に
推移するため、容器内の圧力変化からハイドレート濃度
(ハイドレート生成量)を測定することができない。そ
れゆえ本発明では、ハイドレート濃度測定用指標物質を
水53に混合または溶解させておき、水中の指標物質の
濃度を計測手段としての濃度計12をもって計測するこ
とにより、生成容器11内のハイドレート濃度を正確に
把握できるように構成されている。指標物質は、直接ハ
イドレート生成容器11に所定濃度となるように添加し
ても、あるいは、水供給槽53中に所定濃度となるよう
に添加してもよい。濃度計12としては、例えば、電気
伝導度計、屈折率計、粘度計等の計測装置を用いること
ができる。
【0044】また、図1のハイドレート製造・貯蔵装置
100では、濃度計12により計測される指標物質の濃
度が所定量に増加または減少したとき(つまり、ハイド
レートが所定量生成されたとき)、生成容器11からハ
イドレートを自動的に排出する制御機構15(図中、破
線で示す)を備えている。すなわち、指標物質が所定濃
度に達したことを示す濃度計12からの信号は、排出ポ
ンプ13を作動させるとともに、弁14を自動的に開放
するように構成されており、生成容器11でのハイドレ
ート生成状況を監視しつつ、ハイドレートの容易かつ効
率的な排出が行われる。
【0045】さらに、図1のハイドレート製造・貯蔵装
置100では、ハイドレートを充填し貯蔵する貯蔵槽4
8に、水相中に存在する指標物質の濃度を測定する計測
手段としての濃度計52が配備されている。この濃度計
52により、貯蔵初期の指標物質の濃度を計測してお
き、その後、貯蔵期間中にハイドレート濃度を計測して
比較することによってハイドレートの解離状況を容易に
把握することができる。濃度計52としては、上記した
製造装置と同様のものを使用できる。図1では、ハイド
レート貯蔵槽48は固定式であるが、輸送用などに用い
る移動式貯蔵容器においても同様の濃度計測手段を設け
ることにより、ハイドレートの解離状況を把握すること
ができる。
【0046】本発明の別の実施形態として、ハイドレー
トの生成および/または解離に伴う相変化、温度変化ま
たは圧力変化を利用するハイドレート利用装置において
も、ハイドレートの充填容器に図1と同様の濃度計を配
備して、水相中に存在する指標物質の濃度を測定するこ
とにより、容易に充填容器内のハイドレートの量を把握
することができる。
【0047】
【実施例】次に実施例を挙げ本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれによって何ら制約されるものではな
い。なお、以下の実施例において、ハイドレート濃度
は、生成したハイドレート重量を残った水相の重量とハ
イドレート重量との和に対するパーセンテージで表した
ものである。
【0048】実施例1 図1に示したものと同様のバッチ式ハイドレート製造装
置を用いて天然ガスハイドレートの製造を行った。製造
途中で数度にわたり天然ガスハイドレートの濃度を、製
造容器内に流入する天然ガスの流量を測定して、ハイド
レートの平均水和数から計算することにより実測した。
また、ハイドレート濃度測定用指標物質として、D−ソ
ルビトールを予め水供給槽中に1重量%濃度添加してお
き、天然ガスハイドレートの実測と同時に水相の電気伝
導度を計測することにより、水相中のD−ソルビトール
の濃度を測定した。
【0049】以上の結果を図2に示す。同図から明らか
なように、水相中の指標物質の濃度と現実の天然ガスハ
イドレートの濃度との間には高い相関関係が示され、指
標物質の濃度を測定することにより、天然ガスハイドレ
ートの生成量を容易に把握できることが判明した。
【0050】実施例2 図1に示したものと同様のバッチ式ハイドレート製造装
置を用いて、メタンガスを原料ガス、指標物質をテトラ
ヒドロフランとするハイドレートの製造を行った。製造
途中で数度にわたりハイドレートの濃度を、ハイドレー
ト製造に消費されるメタンガス量、メタンとテトラヒド
ロフランの混合ハイドレートの水和数およびハイドレー
トII型構造における小ケージと大ケージの比率から求め
た。また、ハイドレート濃度測定用指標物質として、テ
トラヒドロフランを予め水供給槽中に5重量%濃度添加
しておき、ハイドレート濃度を求めるのと同時に水相の
電気伝導度を計測することにより、水相中のテトラヒド
ロフランの濃度を測定した。
【0051】以上の結果を図3に示す。同図から明らか
なように、水相中の指標物質の濃度とハイドレートの濃
度との間には高い相関が示された。指標物質の濃度を測
定することにより、ハイドレートの生成量を容易に把握
できることが判明した。
【0052】
【発明の効果】本発明のハイドレートの濃度測定用指標
物質によれば、ハイドレート濃度を簡便に、かつ正確に
測定することが可能になるため、ハイドレートの製造、
貯蔵、利用などの場面において、ハイドレート生成量や
解離量を把握しての制御などが可能になる。ハイドレー
トの製造においては、指標物質を用いて生成容器内での
ハイドレートの生成状況を把握することにより、生成時
間や条件の制御を行うことが可能になり、ハイドレート
の生成過多により容器から取り出しができなくなった
り、ハイドレートの生成が不十分で製造効率が低下した
りする問題を未然に回避することができる。ハイドレー
トの貯蔵においては、貯蔵中のハイドレートの損失を正
確に把握できるとともに、最適な貯蔵条件を選定する情
報を入手することもできる。ハイドレートの利用時に
は、ハイドレートの生成量や解離量を把握することがで
きるようになり、ハイドレート量を制御しながら様々な
用途に利用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のハイドレート製造・貯蔵
装置の説明に供される概略図。
【図2】本発明の指標物質と天然ガスハイドレートの生
成濃度との相関関係を示すグラフ図面。
【図3】本発明の指標物質と混合ハイドレートの生成濃
度との相関関係を示すグラフ図面。
【図4】ハイドレートのケージタイプの説明に供する図
面であり、(a)は小ケージ、(b)は中ケージ、
(c)は大ケージを示す。
【図5】ハイドレートの生成、解離における温度・圧力
条件の説明に供する概念図。
【符号の説明】
11、21、31 ハイドレート生成容器 12、22、32 濃度計測器 13、23、33 排出ポンプ 14、24、34 弁 15、25、35 制御機構 16、26、36 モータ 17、27、37 攪拌機 18、28、38 弁(水供給) 19、29、39 弁(ガス供給) 41 ガス供給槽 42 ガス供給ポンプ 43 ガス供給配管 44 水供給槽 45 水供給ポンプ 46 水供給配管 47 ハイドレート回収用配管 48 貯蔵槽 49 ガス循環用配管 51 ハイドレート層 52 濃度計 53 水 55 ガス 100 ハイドレート製造・貯蔵装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 敬 千葉県市原市八幡海岸通1番地 三井造船 株式会社千葉事業所内 (72)発明者 永森 茂 東京都中央区築地5丁目6番4号 三井造 船株式会社内 (72)発明者 小野 純二 東京都中央区築地5丁目6番4号 三井造 船株式会社内 (72)発明者 奥井 智治 東京都港区海岸1丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 (72)発明者 川崎 達治 東京都港区海岸1丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 (72)発明者 横井 泰治 東京都港区海岸1丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AA05 AC10 AD40 BB14 BB16 BB25 BB31 BC11

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハイドレートの濃度を間接的に測定する
    ための指標物質であって、 原料となるハイドレート形成物質との反応性がなく、か
    つ水に溶解または混合可能な性質を有するハイドレート
    の濃度測定用指標物質。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記指標物質が、ハ
    イドレートへの移行性がない物質であることを特徴とす
    る、ハイドレートの濃度測定用指標物質。
  3. 【請求項3】 請求項2において、指標物質が、スラリ
    ー状のハイドレートの流動性を向上させる作用を併せ持
    つ物質であることを特徴とする、ハイドレートの濃度測
    定用指標物質。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記スラリー状のハ
    イドレートの流動性を向上させる作用を併せ持つ物質
    が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ソル
    ビトールおよびセルロース類よりなる群から選ばれるも
    のであることを特徴とする、ハイドレートの濃度測定用
    指標物質。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記ハイドレート形
    成物質が、メタンガスであり、かつ前記指標物質が、メ
    タンガスハイドレートの生成平衡条件を高温、低圧側に
    移行させる作用を併せ持つ物質であることを特徴とす
    る、ハイドレートの濃度測定用指標物質。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記ハイドレートの
    生成平衡条件を高温、低圧側に移行させる作用を併せ持
    つ物質が、テトラヒドロフラン、フラン、シクロペンタ
    ノール、シクロペンタノンおよびエチレンオキサイドよ
    りなる群から選ばれるものであることを特徴とする、ハ
    イドレートの濃度測定用指標物質。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれか1項に
    記載の指標物質を用い、ハイドレート濃度を測定するこ
    とを特徴とする、ハイドレートの濃度測定方法。
  8. 【請求項8】 水とハイドレート形成物質とを加圧下に
    混合してハイドレートを生成させるハイドレートの製造
    方法であって、 ハイドレート形成物質との反応性がなく、かつ水に溶解
    または混合可能な性質を有するハイドレートの濃度測定
    用指標物質を、原料水に添加し、該指標物質の濃度を計
    測することによりハイドレート生成量を間接的に測定
    し、所定のハイドレート生成量に達した時点で、生成容
    器内のハイドレートを排出することを特徴とする、ハイ
    ドレートの製造方法。
  9. 【請求項9】 水とハイドレート形成物質とを加圧下に
    混合してハイドレートを生成させるハイドレート製造装
    置であって、 ハイドレートを生成させるための生成容器に、水相中に
    存在するハイドレート濃度測定用指標物質の濃度を測定
    する計測手段を設けたことを特徴とする、ハイドレート
    製造装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、計測手段により測
    定される指標物質の濃度が所定量に達したとき、生成容
    器からハイドレートを自動的に排出する制御機構を設け
    たことを特徴とする、ハイドレート製造装置。
  11. 【請求項11】 水とハイドレート形成物質とにより形
    成されるハイドレートを貯蔵するための貯蔵装置であっ
    て、 ハイドレートを充填する容器に、水相中に存在するハイ
    ドレート濃度測定用指標物質の濃度を測定するための計
    測手段を設けたことを特徴とする、ハイドレート貯蔵装
    置。
  12. 【請求項12】 水とハイドレート形成物質とにより形
    成されるハイドレートの生成および/もしくは解離に伴
    う相変化、温度変化または圧力変化を利用するハイドレ
    ート利用装置、またはハイドレートを分解してハイドレ
    ート形成物質を送出するハイドレート利用装置におい
    て、 ハイドレートを充填する容器に、水相中に存在するハイ
    ドレート濃度測定用指標物質の濃度を測定するための計
    測手段を設けたことを特徴とする、ハイドレート利用装
    置。
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