JP2003103443A - 研磨用治具及び搬送用トレー - Google Patents

研磨用治具及び搬送用トレー

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JP2003103443A
JP2003103443A JP2002203014A JP2002203014A JP2003103443A JP 2003103443 A JP2003103443 A JP 2003103443A JP 2002203014 A JP2002203014 A JP 2002203014A JP 2002203014 A JP2002203014 A JP 2002203014A JP 2003103443 A JP2003103443 A JP 2003103443A
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polishing
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polishing jig
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Makoto Miyazawa
信 宮沢
Isao Karasawa
勲 唐沢
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Seiko Epson Corp
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 数値制御研磨装置に適した研磨用治具、及び
この研磨用治具を搬送するための搬送用トレーを提供す
る。 【解決手段】 被加工レンズ10の凹面12の形状を創
成する研磨装置のチャックに装着される装着部2と、被
加工レンズ10の凸面11に密着するリング状の密着部
3と、密着部3を開口部とし、密着部3に密着された被
加工レンズ10の凸面11に接着して被加工レンズ10
を保持する接着物質7が充填される充填空隙部4とを備
える研磨用治具1とする。また、搬送用トレー100
は、研磨用治具1を載置する収納部112と、研磨用治
具1を昇降させる治具を通す通し孔113と、研磨用治
具1の切欠部54と係合する突起部115とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研磨用治具及び搬
送用トレーに関し、特に、被加工レンズの凹面の形状を
創成する研磨装置に被加工レンズを装着するための研磨
用治具及びその研磨用治具を搬送するための専用の搬送
用トレーに関する。
【0002】なお、本明細書において、研磨とは、切
削、研削、鏡面研磨などレンズの表面を削って光学面を
形成する加工をいう。
【0003】
【従来の技術】近年、眼鏡レンズの凹面側(内面側)に
累進面を設けたいわゆる内面累進多焦点レンズが開発さ
れている。この内面累進多焦点レンズは、凸面側に累進
面を設けた累進多焦点レンズの欠点であるゆれや歪みを
軽減でき、光学性能を飛躍的に向上させることができ
る。
【0004】このような内面累進多焦点レンズの凹面の
光学面を創成する研磨装置としては、図5に示すような
数値制御切削装置が開発されている。
【0005】この数値制御切削装置300には、入力手
段から入力された眼鏡レンズの処方データに基づき計算
用コンピュータが計算した数値制御用加工データがホス
トコンピュータを介して伝送され、内部の記憶装置に格
納されている。
【0006】数値制御切削装置300は、ベッド301
上にX軸位置決め手段310とY軸位置決め手段320
が備えられている。X軸位置決め手段310はX軸駆動
用モータ及びエンコーダ311によってほぼ水平方向の
X軸方向に駆動される。X軸方向の位置はエンコーダ3
11によって割り出される。X軸位置決め手段310の
上に、Y軸を回転軸とするワーク軸回転手段312が固
定されている。ワーク軸回転手段312にチャック31
3が取り付けられ、ワーク回転軸駆動用モータ及びエン
コーダ314によって回転駆動される。チャック313
の回転位置はエンコーダ314によって割り出される。
チャック313に被加工レンズ(ワーク)10がブロッ
ク治具を介して取り付けられる。Y軸位置決め手段32
0はX軸と直交するほぼ水平方向のY軸方向にY軸駆動
用モータ及びエンコーダ321によって駆動される。Y
軸方向の位置はエンコーダ321によって割り出され
る。Y軸位置決め手段320の上に、2台の第1刃物台
322と第2刃物台323が固定され、第1の刃物台3
22には粗削り用バイト324が固定され、第2刃物台
323には仕上げ用バイト325が固定されている。
【0007】制御方法は、X軸位置決め手段310、Y
軸位置決め手段320、ワーク軸回転手段312の3軸
を使ってワーク10の加工点に立てた法線方向にバイト
324又はバイト325の先端の中心座標を位置決めす
る。この加工点に対応したバイトの先端の中心座標の位
置決めを連続して行うことでレンズ設計形状に基づいた
形状創成を行う。この際、ワーク10はワークの形状や
粗、仕上げ加工別に100〜3000rpmの間の回転
数でワーク軸回転手段312により回転される。この回
転位置をエンコーダ314で割り出し、Y軸位置決め手
段320とX軸位置決め手段310とをワーク10の回
転に同期させて位置決めさせる。即ち、ワーク10を回
転させながら、ワーク10の回転軸であるY軸方向のバ
イト324,325とワーク10の相対的な位置及びX
軸方向のバイト324,325とワーク10の相対的な
位置をワーク10の回転に同期させるものである。
【0008】この数値制御切削装置300は、粗削り用
バイト324と仕上げ用バイト325を切り替えて削り
出し加工を行う。
【0009】このような数値制御切削装置300は、あ
らゆる面形状が創成可能であり、内面累進多焦点レンズ
の形状創成を行うことができる。
【0010】この数値制御切削装置300のチャック3
13に被加工レンズ10を装着するためのブロック治具
としては、従来、図6に示すようなブロック治具が用い
られている。
【0011】このブロック治具400は、切削装置30
0のチャック313に装着するための装着部410とこ
の装着部410と被加工レンズ10とを結合する低融点
金属部420とで構成されている。低融点金属部420
は、装着部410と被加工レンズ10との間に図示しな
いリング状治具を介在させ、リング状治具の空隙に溶か
した低融点金属を充填し、低融点金属を固化させ、リン
グ状治具を取り外すことにより、リング状治具を鋳型と
して形成されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなブロック治具400は、従来の摺り合わせによる研
磨装置に用いられていたものをそのまま数値制御切削装
置に用いたもので、必ずしも数値制御切削装置に適した
ものではなかった。
【0013】例えば、数値制御切削装置300のチャッ
ク313に装着部410を装着してセットしたときに、
切削加工の基準となるのは、装着部410とリング状治
具を鋳型とする低融点金属部420とが直交するコーナ
ー部430の直角度である。ところが、低融点金属部4
20に生じる巣の発生や収縮などによって、装着部41
0と低融点金属部420との間に隙間が生じたりしてこ
のコーナー部430の直角度が正確に形成できず、精度
の良い数値制御切削加工が困難であるという問題があっ
た。
【0014】また、数値制御切削装置300を用いる
と、搬送装置を組み込んで、被加工レンズを保持した研
磨用治具を搬入してチャックに装着し、研磨を行い、加
工したレンズを保持した研磨用治具を搬出することを自
動的に行うことができる。
【0015】しかしながら、従来のブロック治具400
ではこのような自動搬送に対応できなかった。
【0016】そのため、内面累進多焦点レンズの凹面の
形状創成を行う数値制御切削装置300に適した新しい
研磨用治具の開発が要望されている。
【0017】また、被加工レンズを保持したこのような
研磨用治具を収納して保護できると共に、数値制御切削
装置の自動化に対応できる専用の搬送用トレーも必要で
ある。
【0018】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、数値制御切削装置に適した研磨用治具を提供するこ
とを目的とする。
【0019】また、かかる研磨用治具を搬送するための
専用の搬送用トレーを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の研磨用治具は、従来のブロック治具のリン
グ状治具を装着部と一体化させたような構造としてい
る。即ち、従来のブロック治具でリング状治具を用いる
理由の一つが、従来の摺り合わせによる研磨装置で偏心
加工やプリズムの付加を行うためであり、これらに対応
したリング状治具を多数用意する必要があった。しか
し、数値制御切削装置では、プログラムで偏心加工やプ
リズムの付加を行えるため、このような目的でリング状
治具を多数用意する必要がない。また、内面累進多焦点
レンズの凸面側は球面か回転対称非球面であるため、こ
の凸面を保持するには数種類のリング状治具で足りる。
このため、リング状治具を装着部と一体化させることが
可能となった。
【0021】これにより、研磨加工基準となるコーナー
部を研磨用治具の一部として形成できるため、加工精度
が良好である。
【0022】また、装着部の回転中心軸とほぼ直交する
方向に被加工レンズより外方に突出する把持部を設ける
ことによって、この把持部をロボットハンドで掴んで搬
送することが容易にでき、自動搬送することができる。
【0023】また、この把持部に位置決め用の第1係合
部を設けることによって、第1係合部を位置決めの基準
位置として研磨用治具の回転方向の位置を正確に決める
ことが可能となり、自動化に寄与できる。
【0024】更に、充填空隙部を構成する壁面に回り止
め用の凸部又は凹部を設けることによって、充填された
接着物質が充填空隙部の壁面から剥離してしまったとき
に、回転方向への動きを抑制し、正確な加工を可能とし
ている。
【0025】同様に、充填空隙部を構成する壁面に抜け
止め用の逆テーパーを形成することによって、充填され
た接着物質が充填空隙部の壁面から剥離してしまったと
きに、接着物質が充填空隙部より抜けてしまうことを防
止している。
【0026】また、本発明の搬送用トレーは、このよう
な研磨用治具を収納するために、研磨用治具の把持部の
外周部を載置する収納部を設け、ロボットハンドで把持
部を把持するために、収納部に載置された研磨用治具を
載せて昇降する突き出し用治具を通す通し孔を設け、更
に、研磨用治具を正確に位置決めして収納することがで
きるように、把持部の第1係合部と係合する第2係合部
を設けている。
【0027】また、眼鏡レンズは左右のペアで研磨され
ることが大部分であるため、左右のペアで流動できるよ
うに、搬送用トレーは、2個の研磨用治具を収納するよ
うに構成することが好ましい。
【0028】従って、請求項1記載の発明は、被加工レ
ンズの凹面の形状を創成する研磨装置のチャックに装着
される装着部と、前記被加工レンズの凸面に密着するリ
ング状の密着部と、前記密着部を開口部とし、前記密着
部に密着された前記被加工レンズの前記密着部で囲まれ
た凸面に接着して前記被加工レンズを保持する接着物質
が充填される充填空隙部とを備えることを特徴とする研
磨用治具を提供する。
【0029】請求項2記載の発明は、請求項1記載の研
磨用治具において、前記装着部の回転中心軸とほぼ直交
する方向に前記被加工レンズより外方に突出している把
持部を有することを特徴とする研磨用治具を提供する。
【0030】請求項3記載の発明は、請求項2記載の研
磨用治具において、前記把持部に位置決め用の第1係合
部が設けられていることを特徴とする研磨用治具を提供
する。
【0031】請求項4記載の発明は、請求項1記載の研
磨用治具において、前記充填空隙部を構成する壁面に回
り止め用凸部又は凹部が設けられていることを特徴とす
る研磨用治具を提供する。
【0032】請求項5記載の発明は、請求項1記載の研
磨用治具において、前記充填空隙部を構成する壁面に、
前記密着部の開口部から遠ざかるに従って幅広になって
いる抜け止め部が設けられていることを特徴とする研磨
用治具を提供する。
【0033】請求項6記載の発明は、研磨装置のチャッ
クに装着される装着部と、被加工レンズに密着するリン
グ状の密着部と、前記密着部を開口部とし、前記密着部
に密着された前記被加工レンズの前記密着部で囲まれた
レンズ面に接着して前記被加工レンズを保持する接着物
質が充填される充填空隙部と、前記装着部の回転中心軸
とほぼ直交する方向に前記被加工レンズより外方に突出
している把持部と、前記把持部に設けられている位置決
め用の第1係合部とを備え、前記充填空隙部に充填され
た前記接着物質で被加工レンズを保持している研磨用治
具、を収納する天面側が開口した箱状の搬送用トレーで
あって、前記研磨用治具の前記把持部の外周部を載置す
る収納部と、前記収納部に載置された前記研磨用治具を
載せて昇降する突き出し用治具を通す通し孔と、前記第
1係合部と係合する第2係合部とが設けられていること
を特徴とする搬送用トレーを提供する。
【0034】請求項7記載の発明は、請求項6記載の搬
送用トレーにおいて、2個の前記研磨用治具を収納する
ことを特徴とする搬送用トレーを提供する。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の研磨用治具と搬送
用トレーの実施の形態について図面を参照しながら説明
する。
【0036】図1は、本発明の研磨用治具の一実施形態
を示すもので、(a)は上面図、(b)は(a)のA−
A’線に沿った断面図、(c)は底面図である。
【0037】この研磨用治具1は、図5に示したような
数値制御切削装置300のような研磨装置のチャック3
13に装着される装着部2と、被加工レンズの凸面に密
着する短軸円筒型の形状の密着部3と、密着部3と装着
部2とを連結すると共に、密着部3を開口部とする接着
物質が充填される充填空隙部4を形成するリング状部5
とを備える。
【0038】研磨用治具1は、アルミニウム等の金属製
で、基本的に装着部2の回転中心軸21を中心とした回
転対称に形成されている。
【0039】装着部2は、回転中心軸21に沿った中空
部22を有し、厚手の円筒状に形成されている円筒部2
3から下側は、下方に行くに従って厚みが減少するテー
パー部24が設けられている。テーパー部24の底面に
は中心軸21を通る直径方向に切欠き25が形成されて
いる。円筒部23の上は回転中心軸21と直交する方向
にやや拡径した円盤部26になっている。円筒部23の
外面と円盤部26の下面とは直交するように設けられて
いる。
【0040】円筒部23と円盤部26との互いに直角に
交差する面が研磨装置のチャックに装着して研磨すると
きにチャックが当接する加工基準となる。特に、円盤部
26の下面の平行度が加工精度に影響する。本実施形態
の研磨用治具1では、このように加工基準となる面が予
め精密加工で形成されているため、研磨装置での位置決
めが正確にでき、高精度な研磨加工が可能となってい
る。
【0041】リング状部5の外面には中心軸21とほぼ
直交する方向に円盤状の把持部53が突出している。こ
の把持部53は、被加工レンズよりも大きい外径を有
し、被加工レンズを密着部3に密着させて保持したとき
に、被加工レンズよりも外方に突出するようになってい
る。把持部53は、研磨用治具1をロボットハンドで搬
送するときに、ロボットハンドで把持される機能を有す
る。
【0042】円盤状の把持部53の外周部に第1係合部
の一実施形態として切欠部54が設けられている。この
切欠部54は、研磨用治具1の回転方向の位置決め用に
用いられる。後述する搬送用トレーには研磨用治具1を
収納するときにこの切欠部54と係合する第2係合部の
一実施形態としての突起部が設けられ、研磨用治具1を
搬送用トレーの所定の方向に正確に収納できるようにな
っている。これによって、ロボットハンドで把持部53
を掴むときに所定の方向に向き、研磨装置のチャックに
研磨用治具1が所定の方向に正確に向いて装着されるよ
うになっている。従って、第1係合部と第2係合部の形
状は、互いに係合する形状であればよく、例えば第1係
合部が突起部で、第2係合部が突起部と係合する切欠部
とすることが可能であり、更に、穿孔とこの穿孔に嵌る
突起でもよい。
【0043】また、円盤状の把持部53の上面には、位
置決め用の目印55が、回転中心軸21を中心とした放
射線状に90°毎に切欠部54から反時計回りの3箇所
に設けられている。
【0044】密着部3は、リング状部5の把持部53よ
り上方に突出した短軸円筒状である。密着部3の拡大断
面図を図2に示す。把持部53より突出している密着部
3の断面はほぼ矩形であるが、内壁面31の上方が回転
中心軸21に平行な方向(図中、破線で示した)から中
心軸21側にやや傾斜している。密着部3の内壁面31
は充填空隙部4を構成している。そのため、接着物質が
充填空隙部4に充填されたときに、密着部3の内壁面3
1が、密着部3の開口部から遠ざかるに従って幅広にな
っているいわば逆テーパー状の抜け止め部になってい
る。このため、固化した接着物質が例えば充填空隙部4
の壁面から剥離した場合でも、充填空隙部4から抜け出
すおそれがないようになっている。密着部3の上面が被
加工レンズの凸面に密着する部分であり、線接触するた
めに、断面が三角形状の突起32が設けられている。
【0045】図1に示すように、リング状の密着部3の
上面には、小さい切欠き凹部33が設けられている。こ
の切欠き凹部33は、接着物質を充填空隙部4に注入し
たときに、充填空隙部4から排出される空気の空気抜け
として機能する。そのため、接着物質を充填するときに
は、切欠き凹部33を上にして下側から液状の接着物質
を充填し、最後に接着物質がこの切欠き凹部33から漏
れたときに、接着物質の充填を終了する。
【0046】図1に示すように、リング状部5の内壁面
56は、密着部3を開口部として逆円錐状に形成され、
密着部3の内壁面31より下方に行くに従って径が小さ
くなり、装着部2の中空部22と一体化している。従っ
て、装着部2の中空部22と充填空隙部4は連通してい
る。
【0047】リング状部5の傾斜している内壁面56に
は、直径方向に延びる回り止め用溝部57が設けられて
いる。この回り止め用溝部57は、装着部2の中空部2
2と連通している。回り止め用溝部57の底面は上部よ
り幅が広がっているテーパー状に形成されている。回り
止め用溝部57は、リング状部5の内壁面56が逆円錐
状に形成されているため、固化した接着物質が内壁面5
6から剥離したときに、固化した接着物質が充填空隙部
4の中で回転することを防止して正確な研磨加工を可能
にするためのものである。従って、回り止めとして機能
すれば、凹部に限らず、内壁面56から突出した凸部で
も良い。あるいは、密着部3の内壁面31に凹凸を設け
るようなことでもよい。
【0048】図1に示す研磨用治具1においては、接着
物質が充填される充填空隙部4は、被加工レンズの凸面
が密着部3の突起32に密着されたときに、被加工レン
ズの凸面、密着部3の内壁面31、リング状部5の内壁
面56、回り止め用溝部57及び装着部2の中空部22
の内壁面の一部で囲まれている部分で構成されている。
【0049】本実施形態の研磨用治具1で被加工レンズ
を保持するには、研磨用治具1を密着部3の切欠き凹部
33が充填空隙部4の中で最も上になるように斜めに配
置する。次に、図3に示すように、被加工レンズ10の
凸面11を被加工レンズの中心を回転中心軸21と一致
させてリング状の密着部3に強く押し当てる。そして、
装着部2の中空部22から液状の接着物質として溶融し
た低融点金属7を注入し、充填空隙部4に低融点金属7
を充填する。その後、低融点金属7を固化させると、固
化した低融点金属7が被加工レンズ10のリング状の密
着部3で囲まれた凸面11及び充填空隙部を構成する壁
面に接着することによって、被加工レンズ10を密着部
3に保持することができる。
【0050】図3に示したように、研磨用治具1に被加
工レンズ10を保持させ、例えば図5に示したような数
値制御切削装置300のチャック313に装着部2をセ
ットし、切削装置300で回転中心軸21を中心として
回転させながら被加工レンズ10の凹面12を例えば累
進面のような所定のレンズ面形状に創成することができ
る。
【0051】本実施形態の研磨用治具1は、研磨加工基
準となる面を正確に形成できると共に、回り止め用溝部
57と抜け止め部31を設けているため、接着物質が固
化したときのガタが少なく、正確な研磨加工が可能とな
っている。
【0052】また、円盤状の把持部53を設けたことに
より、ロボットハンドによる自動搬送が可能となってお
り、自動化に対応した構造となっている。更に、位置決
め用の切欠部54を設けているため、回転方向の位置決
めを自動的に行うことが可能であり、自動化に寄与でき
る。
【0053】このような研磨用治具1は、被加工レンズ
10にプリズムを与えるために被加工レンズ10を斜め
に保持したり、偏心加工するために被加工レンズを中心
を偏心させてずれて保持することは困難であり、数値制
御切削装置300のプログラムでこれらの加工を行うよ
うにすることが好ましい。但し、数値制御研磨装置は、
図5に示した数値制御切削装置300に限られるもので
はなく、どのような数値制御研磨装置であってもよい。
例えば鏡面加工するための数値制御研磨装置でもよい。
【0054】次に、図1に示したような本発明の研磨用
治具1を収納して搬送する用途に用いられる本発明の搬
送用トレーについて説明する。
【0055】図4は、本発明の搬送用トレーの一実施形
態を示すもので、図4(a)は平面図、図4(b)は研
磨用治具を収納した状態を示す断面図である。
【0056】この搬送用トレー100は、被加工レンズ
10を保持した研磨用治具1を収納して搬送する道具で
ある。被加工レンズ10を低融点金属7を介して密着部
3に保持している状態で、被加工レンズ10や研磨用治
具1に衝撃を与えると、被加工レンズ10が低融点金属
7から分離してしまうことがある。搬送用トレー100
は、被加工レンズ10に衝撃を与えないように保護しな
がら搬送する機能を有する。
【0057】搬送用トレー100は、一つの研磨用治具
1を収納する略四角筒状のトレーを2連装にしたような
形状で、上面及び下面が開口した直方体形状の筐体を備
える。長さ方向の中央部に搬送用トレー100を中央で
左右の収納箱101、101に分ける仕切102が設け
られている。それぞれの収納箱101は同じ構造を有す
る。収納箱101には、その内側面の高さの中間部で周
囲の内側面と接合して一体化している四辺形板110が
設けられている。その四辺形板110の中央には研磨用
治具1の円盤状の把持部53の外径よりごくわずか大き
な内径を有する円形の窪み111が設けられ、その円形
の窪み111の外周部に窪みより盛り上がったリング状
の段差として収納部112が設けられている。この段差
としての収納部112は、研磨用治具1の把持部53の
外周部下面が載置され、円盤状の把持部53の外周面が
窪み111の外周面によって位置決めがなされる。窪み
111の中央部には、研磨用治具1の円盤部26より大
きな径を有する通し孔113が穿設されている。通し孔
113は、研磨用治具1の円筒部23の外径よりごくわ
ずか大きい内径を有する円筒状の突き出し用治具200
を通すことができるようになっている。
【0058】また、収納部112の上面に研磨用治具1
の把持部53の切欠部54と係合する第2係合部として
の突起部115が設けられ、研磨用治具1の把持部53
を収納部112に収納したときに、切欠部54を突起部
115に嵌め込む必要がある。これによって、研磨用治
具1を基準方向に正確に向けて収納することができるよ
うになっている。
【0059】四辺形板110には、4箇所の凹み部11
6が収納部112を分断して設けられている。この凹み
部116で研磨用治具1の把持部53を指で掴んで収納
部112に収納する作業ができるようになっている。
【0060】また、搬送用トレー100の外側面には、
バーコードを記載した紙その他製造上必要な用紙を挟む
ことができるクリップ部120が設けられている。
【0061】このような搬送用トレー100は、それぞ
れの収納部112に切欠部54と突起部115を係合さ
せて被加工レンズ10を保持した研磨用治具1の把持部
53を載置し、被加工レンズを保持した研磨用治具1の
被加工レンズに物が当たらないように安全に保存、搬送
をすることができる。例えば、被加工レンズ10を研磨
用治具1に取り付ける作業場で、被加工レンズ10を保
持した研磨用治具1を搬送用トレー100にストックす
ることができる。また、この作業場から研磨装置の近傍
までコンベヤで搬送し、研磨装置で研磨加工した後、加
工レンズを保持した研磨用治具を再度収納し、そのまま
鏡面研磨装置まで搬送して鏡面研磨加工まで行う用途に
用いることができる。
【0062】搬送用トレー100から研磨装置に研磨用
治具1を搬送して装着する作業は、図4(b)に示すよ
うに、例えばロボットハンドのフィンガー部210で行
うことができる。図4(b)に示すように、常時は下方
に下降しており、必要なときに上昇する突き出し用治具
200の直上に、コンベヤなどで搬送した搬送用トレー
100の加工すべき被加工レンズ10を保持した研磨用
治具1を停止させる。次に、突き出し用治具200を上
昇させ、突き出し用治具200が通し孔113を通って
研磨用治具1の円盤部26の下面を載せて上昇したとき
に、ロボットハンドのフィンガー部210が把持部53
を把持し、研磨装置まで搬送するようにする動作を行う
ことができる。
【0063】研磨加工が終了した後、図4(b)に示す
ように、ロボットハンドのフィンガー部210で研磨装
置から搬送されてくる研磨用治具1を上昇した突き出し
用治具200で受け、ロボットハンドのフィンガー部2
10で研磨用治具1を放したことを受けて突き出し用治
具200を降下させると、研磨用治具1の把持部53が
搬送用トレー100の収納部112に載置され、再収納
することができる。
【0064】そのため、本実施形態の搬送用トレー10
0は、自動搬送に適した構造となっている。
【0065】この搬送用トレー100は、一対の研磨用
治具1を収納できるようになっている。つまり、左右の
眼鏡レンズをペアで搬送することができる。左右の眼鏡
レンズの一方だけの加工のときには、一方のレンズだけ
を収納する。一対のレンズをペアで流動することができ
るため、例えばペアでないと不都合な検査工程等にペア
で流動できる利点がある。
【0066】本発明の研磨用治具及び搬送用トレーは、
上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、
把持部は円盤状としているが、ロボットハンドで掴みや
すい形状であれば、円盤状に限られるものではない。ま
た、装着部の形状は装着される研磨装置のチャックに応
じた形状となるのは勿論である。密着部の形状なども適
宜変更可能である。更に、搬送用トレーの形状は、例え
ば、搬送用トレー自体をロボットハンドで掴むための凹
部など適宜設けることができ、収納部の形状なども適宜
変更可能である。搬送用トレーは、2個入りに限られ
ず、1個又は3個以上の研磨用治具を収納できるように
してもよい。
【0067】
【発明の効果】本発明の研磨用治具は、被加工レンズの
凸面側を保持して研磨装置で加工精度良く被加工レンズ
の凹面の研磨をすることができる。
【0068】また、本発明の搬送用トレーは、かかる研
磨用治具を収納して搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の研磨用治具の一実施形態を示すもの
で、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’線に沿
った断面図、(c)は底面図である。
【図2】 本発明の研磨用治具の密着部の一実施形態を
拡大表示する断面図である。
【図3】 本発明の研磨用治具で被加工レンズを保持し
た状態を示す断面図である。
【図4】 本発明の搬送用トレーの一実施形態を示すも
ので、(a)は平面図、(b)は平面と直交する方向の
断面図である。
【図5】 数値制御切削装置の一実施形態を示す概略構
成図である。
【図6】 従来のブロック治具を示す断面図である。
【符号の説明】
1 研磨用治具 2 装着部 22 空隙部 3 密着部 31 内壁面(抜け止め部) 4 充填空隙部 5 リング状部 53 把持部 54 切欠部 57 回り止め用溝部 100 搬送用トレー 112 収納部 113 通し孔 115 突起部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工レンズの凹面の形状を創成する研
    磨装置のチャックに装着される装着部と、前記被加工レ
    ンズの凸面に密着するリング状の密着部と、前記密着部
    を開口部とし、前記密着部に密着された前記被加工レン
    ズの前記密着部で囲まれた凸面に接着して前記被加工レ
    ンズを保持する接着物質が充填される充填空隙部とを備
    えることを特徴とする研磨用治具。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の研磨用治具において、 前記装着部の回転中心軸とほぼ直交する方向に前記被加
    工レンズより外方に突出している把持部を有することを
    特徴とする研磨用治具。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の研磨用治具において、 前記把持部に位置決め用の第1係合部が設けられている
    ことを特徴とする研磨用治具。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の研磨用治具において、 前記充填空隙部を構成する壁面に回り止め用凸部又は凹
    部が設けられていることを特徴とする研磨用治具。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の研磨用治具において、 前記充填空隙部を構成する壁面に、前記密着部の開口部
    から遠ざかるに従って幅広になっている抜け止め部が設
    けられていることを特徴とする研磨用治具。
  6. 【請求項6】 研磨装置のチャックに装着される装着部
    と、被加工レンズに密着するリング状の密着部と、前記
    密着部を開口部とし、前記密着部に密着された前記被加
    工レンズの前記密着部で囲まれたレンズ面に接着して前
    記被加工レンズを保持する接着物質が充填される充填空
    隙部と、前記装着部の回転中心軸とほぼ直交する方向に
    前記被加工レンズより外方に突出している把持部と、前
    記把持部に設けられている位置決め用の第1係合部とを
    備え、前記充填空隙部に充填された前記接着物質で被加
    工レンズを保持している研磨用治具、を収納する天面側
    が開口した箱状の搬送用トレーであって、 前記研磨用治具の前記把持部の外周部を載置する収納部
    と、前記収納部に載置された前記研磨用治具を載せて昇
    降する突き出し用治具を通す通し孔と、前記第1係合部
    と係合する第2係合部とが設けられていることを特徴と
    する搬送用トレー。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の搬送用トレーにおいて、 2個の前記研磨用治具を収納することを特徴とする搬送
    用トレー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1546281B (zh) * 2003-12-11 2010-04-28 奥普梯玛公司 镜片保护系统、镜片保护装置和保护镜片的方法
WO2020090237A1 (ja) * 2018-10-31 2020-05-07 キヤノン株式会社 保持方法、加工方法及び保持装置

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