JP2003103106A - 易重合性物質の蒸留方法 - Google Patents

易重合性物質の蒸留方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビニル化合物に代表される易重合性物質の蒸
留を行うに際して、重合物の生成を低減し、蒸留塔の連
続運転を可能にする蒸留方法を提供することである。 【解決手段】 本発明の易重合性物質の蒸留方法は、易
重合性物質を蒸留塔にて蒸留するに際し、易重合性物質
を含む供給液を供給(供給口1aから供給)する供給段
とは別に、蒸留塔内部に液濡れ性のわるい箇所が生じな
いように前記供給段よりも上部に位置する他の供給段に
も前記供給液の一部を供給する(供給口1bから供
給)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子中に二重結合
を有するビニル化合物で代表される易重合性物質の蒸留
方法に関する。
【従来の技術】
【0002】易重合性物質は光や熱等によって重合しや
すい性質を有するため、蒸留工程のような高温下ではき
わめて重合しやすくなる。蒸留塔内で重合が生じると、
ロスにつながるのみならず、連続運転に支障を来し、生
産性が低下する。従って易重合性物質の蒸留精製におい
ては、重合防止は非常に重要な技術であり、従来より重
合禁止剤の種類、量、組み合わせ等に関する数多くの重
合防止方法が提案されている。
【0003】図2は、易重合性物質の蒸留に通常使用さ
れる蒸留装置を示している。この蒸留装置は、内部に充
填物を充填した充填層11、12、…、18を備える蒸
留塔、排出された蒸気を凝縮するためのコンデンサー2
1等からなる。この蒸留塔において供給液は、充填層1
5の上部に設けられた供給口19から塔内に供給され
る。なお、供給口19は、通常、エネルギー的に有利で
効率的であることから蒸留塔内の液組成が供給液の組成
と近いところに設けられる。本発明においては、前記供
給口19が存在する部位を供給段と定義する。一方、下
部の蒸気入口8からは蒸気が導入され、充填層内を流下
する供給液および還流液と向流接触しながら上昇し、上
部の塔頂部6から排出される。
【0004】排出された蒸気は、配管20を通じて、コ
ンデンサー21に送られ、冷却されて凝縮液となる。凝
縮液はポンプ22により送液され、その一部は配管24
を通じて留出液として回収され、残りは配管26を通じ
て還流液入口7から還流液として塔内へ還流される。還
流液と留出液との比率は調整弁23、25により調整さ
れる。なお、9は缶出液を排出する缶出液出口である。
【0005】前記の蒸留装置を用いて易重合性物質の蒸
留を行う際に、充填層内において重合物が生成すること
があった。重合物が充填層内において生成すると、それ
が次第に成長蓄積して、塔内の圧力を上昇させ、遂には
塔内が閉塞されてしまうことになる。これが製品のロス
を増加させるのみならず、蒸留装置の連続運転を妨げ生
産性を低下させる大きな要因になっている。また、生成
した重合物を除去するのは非常に困難であり、除去費用
は多大となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ビニ
ル化合物に代表される易重合性物質の蒸留を行うに際し
て、重合物の生成を低減し、蒸留塔の連続運転を可能に
する蒸留方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、蒸留塔内で易重合
性物質が重合しやすい箇所は、易重合性物質を含む蒸気
が凝縮して、重合禁止剤が存在しない状態で液溜まりを
つくりやすい部位であることを見出した。そして、易重
合性物質を蒸留塔にて蒸留するに際し、易重合性物質を
含む供給液を供給する供給段とは別に、前記供給段より
も上部にも前記供給液の一部を供給することで蒸留塔内
を流下する液量を増加せしめ、これにより、蒸留塔内の
液濡れ性を向上させることにより、蒸留塔内で易重合性
物質が重合しやすい箇所の形成を防止できることを見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明における易重合性物質の
蒸留方法は、易重合性物質を蒸留塔にて蒸留するに際
し、易重合性物質を含む供給液を供給する供給段とは別
に、前記供給段よりも上部にも前記供給液の一部を供給
することを特徴とする。
【0009】重合禁止剤は、通常、還流液に混合して蒸
留塔の塔頂より供給される。重合禁止剤は、実質的に不
揮発性であるため、蒸留塔内で蒸気が凝縮しただけでは
凝縮液中には重合禁止剤が含まれていない。したがっ
て、凝縮液は非常に不安定で重合しやすい。この凝縮液
は、蒸留塔上部より流下する重合禁止剤を含む液と接
触、混合されることによって安定化され、重合防止が図
られる。よって、前記の通り、蒸留塔内で蒸気が凝縮し
て、重合禁止剤が存在しない状態で液溜まりをつくりや
すい部位が易重合性物質が重合しやすい部位となる。
【0010】蒸留装置はトレー塔と充填塔に大別される
が、易重合性物質の蒸留装置としては、トレー塔と充填
塔の両方の装置が提案されている。トレー塔と充填塔は
それぞれ長所と短所があり、目的と用途により使い分け
られている。充填塔は圧力損失が小さく、低温で操作で
きる点が長所であるが、充填物の表面が塔頂より流下し
た重合禁止剤を含む液で濡れていないと、濡れていない
部位で蒸気が凝縮して、重合禁止剤が存在しない状態と
なり、重合しやすくなる点が短所である。この問題を解
決するためには、充填層に重合禁止剤を含む液を均一に
分散させることが非常に重要であるが、供給液および還
流液の偏流や充填層内を流下する液量が少ないことが原
因で、充填物の表面の一部に前記供給液および還流液が
行き渡らず、濡れない箇所(液濡れ性のわるい箇所)が
生じることがある。この箇所には重合禁止剤が存在しな
いため、ここに凝縮による液溜まりが生じると、重合が
生じ易くなる。
【0011】本発明者らは、蒸留塔内で重合が生じる原
因についてさらに鋭意検討した結果、図2に示すような
従来の蒸留装置を用いて蒸留する際には、前記したよう
に、偏流や液量不足により充填物表面に液濡れ性のわる
い箇所が生じ、重合禁止剤を含まない凝縮液の液溜まり
ができ、前記の易重合性物質が重合しやすい部位を形成
することを見出した。供給液および/または還流液は充
填層11、12、…、18内部を流下する際に、徐々に
偏流を生じ、充填層の下部になるほど均一に流下せず、
液の流れが偏ってしまい、液濡れ性の悪い箇所が生じ
る。特に、供給口19よりも上部に位置する充填層1
1、12、13、14を流下する液は、前記還流液のみ
であるため、供給口19よりも下部に位置する充填層1
5、16、17、18と比較して流下する液量が少な
く、液濡れ性のわるい箇所がより生じ易い傾向にある。
本発明においては、易重合性物質を蒸留塔にて蒸留する
に際し、易重合性物質を含む供給液を供給する供給段と
は別に、前記供給段よりも上部にも前記供給液の一部を
供給することで蒸留塔内を流下する液量を増加せしめ、
これにより、蒸留塔内の液濡れ性を向上させることによ
り、蒸留塔内で易重合性物質が重合しやすい箇所の形成
を防止して、蒸留塔内での重合を防止する。
【0012】本発明の易重合性物質の蒸留方法における
前記供給段よりも上部の供給位置は、分離性能を極端に
低下せしめない限り、より上部が好ましく、すなわち、
前記供給液の一部を塔頂に供給するのが最も好ましい。
また、前記供給段よりも上部の供給位置に供給する供給
量は、分離性能の低下が許容できる範囲でより多量であ
ることが好ましい。これにより、蒸留塔内全域において
十分な液量を供給することができ、蒸留塔内の液濡れ性
を向上させ、易重合性物質の重合を防止することができ
る。
【0013】さらに、本発明の易重合性物質の蒸留方法
は、還流液だけでなく、前記供給液にも重合禁止剤を添
加することで、蒸留塔内を流下する液(供給液と還流液
の混合液)に含まれる重合禁止剤濃度をより高濃度でよ
り均一に維持することができるので、易重合性物質の重
合をより確実に防止することができる。
【0014】本発明の易重合性物質の蒸留方法は、前記
蒸留塔として充填塔を用いる場合には、充填層を流下す
る液量の合計が1時間に充填塔の断面積1m2当たり2
3以上となるように前記液量を制御するのが好まし
い。分離性能面から要求される最低液量は充填物の種類
や大きさによって異なるが、工業スケールで使用される
充填物においては、1時間に充填塔の断面積1m2当た
り0.5〜1m3が最低液量である。しかし、この液量
では充填層内に重合禁止剤を十分に分散させて易重合性
物質の重合を防止するには不十分であり、1時間に充填
塔の断面積1m2当たり2m3以上となるように制御する
ことが好ましく、これにより充填塔内部の充填物の液濡
れ性を向上させることができ、易重合性物質の重合を防
止することができる。
【0015】また、本発明の易重合性物質の蒸留方法
は、前記蒸留塔として充填塔を用いる場合には、前記充
填塔の1段当たりの充填層高さを6m以下とするのが好
ましい。工業スケールの蒸留塔では、前記充填層高さは
最大約8〜10mで設計される。前記充填層高さは高い
ほど設備費が安くなり有利であるが、高くなりすぎると
充填層内の特に下部において偏流を起こしやすくなる。
充填塔の1段当たりの充填層高さは6m以下とすること
が好ましく、これにより充填層内部における液の偏流を
防止し、易重合性物質の重合を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態で用いられる
蒸留装置の概略図を図1に示す。
【0017】図1に示すように、本発明で用いられる蒸
留装置は、内部に充填物を充填した充填層11、12、
…、18を備える充填塔、排出された蒸気を凝縮するた
めのコンデンサー21等からなる。前記充填物として
は、例えばラシヒリング、レッシングリング、ポールリ
ング、カスケードミニリング、ベルサドル、インタロッ
クサドル、テラレット等を使用することができる。
【0018】この蒸留塔は原料を供給するための供給口
を2箇所備えている。供給口1aは充填層15の上部に
設けられ、供給口1bは塔頂に設けられている。これら
供給口1a、1bから供給される供給液と還流液入口7
から塔内へ還流される還流液は充填塔内を流下する。一
方、蒸気入口8から導入される蒸気は、充填塔内を前記
供給液および還流液と向流接触しながら上昇し、上部の
塔頂部6から排出される。
【0019】供給口1a、1bから供給される前記供給
液には、還流液と同様に、重合禁止剤を添加することが
好ましく、これにより充填塔内を流下する液中の重合禁
止剤がより高濃度でより均一となるため、易重合性物質
の重合をより確実に防止することができる。
【0020】前記重合禁止剤としては、例えばジブチル
ジチオカルバミン酸金属塩(銅、マンガン等)、フェノチ
アジン、メトキノン、ハイドロキノン等の1種または2
種以上が挙げられる。
【0021】充填層を流下する液量は、1時間に充填塔
の断面積1m2当たり2m3以上となるように制御される
のが好ましい。充填層を流下する液量が1時間に充填塔
の断面積1m2当たり2m3未満となると、液濡れ性が低
下し、充填物表面の一部に前記供給液および還流液で濡
れない箇所が生じやすくなるため好ましくない。
【0022】前記充填塔に備えられている充填層11、
12、…、18は、充填層1段当たりの高さが6m以下
であるのが好ましい。前記高さが6mを越えると、前記
供給液および還流液が充填層内を流下する際に、偏流が
生じて充填層内の液濡れ性が低下し、重合が生じ易くな
るため好ましくない。
【0023】本発明の他の実施形態で用いられる蒸留装
置は、原料の供給口として図1に示す供給口1bのみを
備えている。この場合、供給液の全量が塔頂から供給さ
れる。この実施形態の場合も、前記と同様に、充填層内
を流下する液量は、1時間に充填塔の断面積1m2当た
り2m3以上となるように制御されることが好ましく、
前記充填塔に備えられている充填層11、12、…、1
8は、充填層1段当たりの高さが6m以下であるのが好
ましい。
【0024】以上の実施形態で示したような方法で易重
合性物質の蒸留を行うことにより、充填層内を流下する
液量が増加し、かつ供給液および還流液が充填層内を流
下する際に偏流が生じにくくなり、充填物表面の液濡れ
性を向上させることができる。また、重合禁止剤が還流
液だけでなく供給液にも添加されているので、充填塔内
を流下する液中の重合禁止剤がより高濃度でより均一と
なるため、易重合性物質の重合をより確実に防止するこ
とができる。これにより、易重合性物質の重合を防止す
ることができ、蒸留装置の連続運転が可能となる。
【0025】前記易重合性物質としては、アクリル酸、
メタクリル酸等の共役酸またはそのエステル、アミド、
ニトリル等の誘導体(アクリル酸メチル、メタクリル酸
メチル、アクリルアミド、アクリロニトリル等)、共役
アルデヒドおよびケトン(アクロレイン、メタクロレイ
ン、メチルビニルケトン等)、ハロゲン化ビニル(塩化
ビニル等)、ビニル基置換芳香族化合物(スチレン
等)、カルボン酸ビニル(酢酸ビニル等)、ビニルエー
テル(メチルビニルエーテル等)、1,3―ジオレフィ
ン(ブタジエン、イソプレン等)、エチレンおよびアル
キル置換エチレン(プロピレン等)が挙げられる。
【0026】また、本発明において、供給段としては、
エネルギー的に有利で効率的であることから、蒸留塔内
の液組成が供給液の組成と近いところが選ばれる。この
とき、前記供給段よりも上部に位置する充填層に液濡れ
性のわるい箇所が生じた場合、この液濡れ性のわるい箇
所よりも上部に他の供給位置が設けられる。前記他の供
給位置に供給する供給液量は、特に限定されることはな
く、液濡れ性と分離性能を考慮して決めればよい。
【0027】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0028】実施例1 理論段22段の充填層を備えた蒸留塔を用いて、塔頂圧
力50torr、留出率35%、還流比3の条件でアク
リル酸の蒸留を行った。原料の供給口は上から3段目と
塔頂部の2箇所に設けた。供給液には重合禁止剤として
フェノチアジン(PZ)360ppm、メトキノン(M
Q)120ppmおよびジブチルジチオカルバミン酸銅
(CBSC)60ppmがそれぞれ含まれていた。前記
供給液は、上から3段目の供給口から1時間に充填塔の
断面積1m2当たり1.9m3供給し、塔頂から同様に
1.1m3供給した。また、還流液には、フェノチアジ
ン(PZ)100ppm、メトキノン(MQ)33pp
mおよびジブチルジチオカルバミン酸銅(CBSC)1
7ppmを添加し、還流液量は1時間に充填塔の断面積
1m2当たり3.2m3とした。上記条件で蒸留塔の連続
運転を行い、定期的に蒸留塔の圧力上昇傾向と、蒸留塔
内部の重合物生成状況を調べた。
【0029】比較例1 蒸留塔の上から3段目に原料の供給口を1箇所設け、供
給液を1時間に充填塔の断面積1m2当たり3m3供給し
た他は、実施例1と同様にして蒸留塔の連続運転を行っ
た。その際、定期的に蒸留塔の圧力上昇傾向と、蒸留塔
内部の重合物生成状況を調べた。
【0030】実施例1および比較例1の連続運転結果を
表1に示す。
【表1】
【0031】実施例1について 連続運転の結果、3ヶ月経過時点において蒸留塔の圧力
上昇および重合物の生成は見られず、3ヶ月以上の連続
運転が可能であった。
【0032】比較例1について 連続運転の結果、3週間経過時点において蒸留塔の圧力
上昇が見られ、蒸留塔内に多量の重合物が生成していた
ため、これ以上の連続運転は不可能であった。
【0033】実施例2 理論段12段の充填層を備えた蒸留塔を用いて、塔頂圧
力55torr、留出率50%、還流比1.1の条件で
アクリル酸の蒸留を行った。原料の供給口は上から11
段目と上から6段目の2箇所に設けた。供給液には重合
禁止剤としてフェノチアジン(PZ)500ppm、メ
トキノン(MQ)167ppmおよびジブチルジチオカ
ルバミン酸銅(CBSC)83ppmがそれぞれ含まれ
ていた。前記供給液は、上から11段目の供給段から1
時間に充填塔の断面積1m2当たり2.52m3供給し、
上から6段目の供給段から同様に0.28m3供給し
た。また、還流液には、フェノチアジン(PZ)200
ppm、メトキノン(MQ)50ppmを添加し、還流
液量は1時間に充填塔の断面積1m2当たり2.10m3
とした。上記条件で蒸留塔の連続運転を行い、定期的に
蒸留塔の圧力上昇傾向と、蒸留塔内部の重合物生成状況
を調べた。
【0034】比較例2 蒸留塔の上から11段目に原料の供給口を設け、供給液
を1時間に充填塔の断面積1m2当たり2.4m3供給し
た他は、実施例2と同様にして充填塔の連続運転を行っ
た。その際、定期的に蒸留塔の圧力上昇傾向と、蒸留塔
内部の重合物生成状況を調べた。
【0035】実施例2および比較例2の連続運転結果を
表2に示す。
【表2】
【0036】実施例2について 連続運転の結果、3ヶ月経過時点において蒸留塔の圧力
上昇および重合物の生成は見られず、3ヶ月以上の連続
運転が可能であった。
【0037】比較例2について 連続運転の結果、1.5ヶ月経過時点において蒸留塔の
圧力上昇が見られ、蒸留塔内に多量の重合物が生成して
いたため、これ以上の連続運転は不可能であった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、蒸留塔内を流下する液
量が多くかつ偏流が生じにくいため、蒸留塔内部の充填
物の表面の液濡れ性を向上させることができ、また、重
合禁止剤が還流液だけでなく供給液にも添加されている
ので、蒸留塔内を流下する液(供給液と還流液の混合
液)に含まれる重合禁止剤濃度を高濃度でかつより均一
に維持することができるため、易重合性物質の重合を防
止し、蒸留塔の長期連続運転が可能になるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸留装置を示す概略図である。
【図2】通常の蒸留装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1a 原料供給口 1b 原料供給口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河崎 恭輔 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D076 AA07 AA16 AA22 BB04 BB25 DA03 EA02Y GA03 JA02 JA03 4H006 AA02 AA04 AD11 BD82 BS10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】易重合性物質を蒸留塔にて蒸留するに際
    し、易重合性物質を含む供給液を供給する供給段とは別
    に、前記供給段より上部にも前記供給液の一部を供給す
    ることを特徴とする易重合性物質の蒸留方法。
  2. 【請求項2】前記供給液の一部を塔頂に供給する請求項
    1記載の易重合性物質の蒸留方法。
  3. 【請求項3】易重合性物質を蒸留塔にて蒸留するに際
    し、易重合性物質を含む供給液の全量を塔頂に供給する
    ことを特徴とする易重合性物質の蒸留方法。
  4. 【請求項4】前記供給液に重合禁止剤を添加する請求項
    1〜3のいずれかに記載の易重合性物質の蒸留方法。
  5. 【請求項5】易重合性物質がビニル化合物である請求項
    1〜4のいずれかに記載の易重合性物質の蒸留方法。
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