JP2003102466A - 温度応答性高分子化合物を用いた培養細胞の選別方法および装置並びに培養容器 - Google Patents

温度応答性高分子化合物を用いた培養細胞の選別方法および装置並びに培養容器

Info

Publication number
JP2003102466A
JP2003102466A JP2001303282A JP2001303282A JP2003102466A JP 2003102466 A JP2003102466 A JP 2003102466A JP 2001303282 A JP2001303282 A JP 2001303282A JP 2001303282 A JP2001303282 A JP 2001303282A JP 2003102466 A JP2003102466 A JP 2003102466A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
polymer compound
cells
responsive polymer
cultured cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001303282A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Takamatsu
洋 高松
Takehisa Matsuda
武久 松田
Hideki Sumimoto
英樹 住本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHIN SANGYO GIJUTSU KENKYUSHO
SHIN SANGYO GIJUTSU KENKYUSHO KK
Original Assignee
SHIN SANGYO GIJUTSU KENKYUSHO
SHIN SANGYO GIJUTSU KENKYUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHIN SANGYO GIJUTSU KENKYUSHO, SHIN SANGYO GIJUTSU KENKYUSHO KK filed Critical SHIN SANGYO GIJUTSU KENKYUSHO
Priority to JP2001303282A priority Critical patent/JP2003102466A/ja
Publication of JP2003102466A publication Critical patent/JP2003102466A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 顕微鏡下で細胞または細胞塊の選別回収を確
実に効率的に行なう技術を提供する。 【解決手段】 培地に温度応答性高分子化合物を用いて
細胞を培養した培養容器8を銅板の薄板1に載置させそ
の底面を加熱する箔状のヒータ2と、薄板1とヒータ2
の中心部に開設した小範囲透光用の孔3と、孔3に臨む
培養容器の底面に向けて冷却用空気を吹き付ける空気噴
出用穴5とを備え、薄板1とヒータ2は顕微鏡のステー
ジに設置して使用可能な薄板状に形成され、培養容器が
0.1〜0.2mm厚の平坦な底部を有している構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、培養した各種動物
細胞やヒト細胞から、所望の細胞または細胞群のみを顕
微鏡作業下で選別操作可能とした温度応答性高分子化合
物を用いた培養細胞の選別方法および装置並びにその装
置に適した培養容器に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの細胞はガラスやプラスチックの培
養容器、またはその表面にゼラチンなどの細胞培養基材
をコーティングした培養容器で培養される。種々の細胞
が混じった培養細胞の中から、ある種の細胞または細胞
群のみを選別するには、一旦、全部の細胞を培養容器か
ら分離した後、液体中に浮遊または液体とともに流動す
る細胞から必要な細胞だけを識別し回収する必要があっ
た。この場合、培養細胞を培養容器から分離回収するた
めには、細胞と培養容器表面との生物的な結合を切断す
る酵素であるトリプシンや、ゼラチンを分解する酵素で
あるコラゲナーゼなどの剥離材を用いるのが一般的であ
る。この方法では、酵素が細胞表面に作用するため細胞
機能に障害を与えるという欠点がある。また、酵素が細
胞と基材の間だけでなく細胞間の接着にも作用するた
め、目的とする細胞層や細胞塊のまま回収することは不
可能であった。
【0003】一方、特開平11−349643号公報に
は、培養細胞の分離回収に酵素を用いない方法として、
温度応答性の高分子化合物を培養基材として用いる方法
が開示されている。この方法は、臨界点以下では水溶性
を示し、その温度以上では水中に析出するという温度応
答性の相分離特性を有する高分子化合物、例えば、ゼラ
チンにN−イソプロピルアクリルアミドポリマーがグラ
フト重合されてなる高分子化合物を培養基材として細胞
の培養と離脱を行う方法である。この温度応答性高分子
化合物を塗布した培養皿で細胞を培養し、それを臨界点
温度(約31℃)以下に下げると細胞が培養皿から離脱
すると説明されている。また、前記培養皿の底面に、低
温に冷却されたガラス棒などの冷却体を接触させ、接触
箇所付近の低温部から一つの細胞コロニー(集団)だけ
を離脱する方法も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記公報に開示してあ
る方法を用いると、細胞機能の障害を生じる可能性があ
る、または細胞塊の離脱が不可能である、という酵素を
用いる一般的手法が有する前記の欠点を克服できる。し
かしながら、冷却体を接触させて任意の細胞またはコロ
ニーを離脱する方法は、実際の顕微鏡下での作業の場
合、明視野や位相差などの透過光を用いた顕微鏡観察の
場合には適用できない、動作距離の短い対物レンズやコ
ンデンサの場合には適用できない、液体窒素などの冷却
源が必要となるし手作業でしか冷却できないから効率が
悪い、狭い範囲のみを冷却するのが困難であるし精度が
悪くなる、などの欠点を有する。
【0005】本発明は、これらの欠点を克服し、顕微鏡
下で細胞または細胞塊の選別回収を確実に効率的に行な
う方法およびその装置並びにこの装置に適した培養容器
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明請求項1記載の温度応答性高分子化合物を用い
た培養細胞の選別方法にあっては、温度応答性高分子化
合物を細胞培養基材とする培養容器に培養した細胞を、
前記温度応答性高分子化合物が水中から析出し始める臨
界点より高い温度にして顕微鏡で観測しながら、透過光
の透過面積の範囲内において、かつ光路を遮断せずに前
記培養容器底面を温度応答性高分子化合物が臨界点より
低い温度となるまで冷却を行なうことにより、所望の細
胞または細胞塊のみを選別し、容器から離脱回収するこ
とを特徴とする。
【0007】具体的には以下に説明する。細胞培養基材
として底面に温度応答性高分子化合物を塗布した培養容
器(ペトリ皿、シャーレなど)に細胞を比較的疎に培養
する。その培養容器を、高分子化合物の接着性を呈する
臨界点温度より高く、例えば、恒温動物の細胞の場合、
望ましくは生理的温度の37℃に保たれた顕微鏡ステー
ジに置く。このステージの中心部分、すなわち観察視野
の中心部分が臨界点温度以下に冷却できるようにする。
ステージに取付けられたX−Yステージにより、培養容
器の所望の位置をその中心部に精確に移動する。そし
て、中心部を冷却しながらマイクロピペットを用いて中
心部の細胞を吸引し、目的の細胞または細胞塊のみを回
収する。回収は、ピペットの先端に吸い付けたまま別の
回収部分まで移動させた後、陽圧を印加して細胞を離脱
する方法、または、細胞より大きなピペット内に吸引し
てしまう方法のいずれでもよい。細胞の識別は、位相差
観察や微分干渉観察を用いて細胞の形態に基づいて判定
する方法、または、蛍光色素でラベルした細胞を蛍光観
察を用いて判定する方法などにより行なう。前記の方法
を実現するには、(1)冷却箇所すなわち観察箇所が透
明である、(2)ステージ中央部分の厚さが可能な限り
薄く、顕微鏡の対物レンズおよびコンデンサの動作距離
以下である、(3)培養容器底面のできるだけ狭い部分
のみの温度を下げることができる、(4)培養容器底面
の低温部分とその周辺の部分との温度勾配ができるだけ
急峻である、などの条件を満足する程、確実で効率的な
作業が達成できる。
【0008】本発明請求項2〜請求項5の方法および装
置は、前記(1)〜(4)の条件をを解決する。請求項
2に記載の培養細胞の選別方法では、前記光路を介し培
養容器底面側に冷却用流体を吹き付けて前記温度応答性
高分子化合物を局所冷却することを特徴としている。請
求項3に記載の温度応答性高分子化合物を用いた培養細
胞の選別装置では、請求項1または請求項2に記載の温
度応答性高分子化合物を用いた培養細胞の選別方法に使
用する装置であって、培養容器を載置させその底面を加
熱する加熱面と、加熱面の中心部に開設した小範囲透光
用の孔と、該孔に臨む前記培養容器の底面に向けて冷却
流体を吹き付ける吐出口と、を備えていることを特徴と
する。請求項4に記載の温度応答性高分子化合物を用い
た培養細胞の選別装置では、請求項3に記載の温度応答
性高分子化合物を用いた培養細胞の選別装置において、
顕微鏡のステージに設置して使用可能な薄板状に形成さ
れていることを特徴としている。請求項5に記載の培養
容器では、請求項1ないし請求項4の内いずれかの項に
記載の培養容器が0.1〜0.2mm厚の平坦な底部を
有していることを特徴としている。
【0009】具体的には以下に説明する。まず、温度を
臨界点温度以上に維持しておくためには、熱伝導性の高
い銅板に箔状のヒータを張り付ける、表面に電気絶縁処
理を施した金属やガラス表面に発熱パターンを形成す
る、導電性ガラスを用いる、などの方法で厚さが薄く熱
伝導性の良好なステージを作製し、その上に培養容器を
のせる。そして、そのステージ中央に小さな孔を設けて
おき、その孔を通して空気などの気体を培養容器底面に
吹き付けて冷却する。冷却気体を孔の直下ではなく斜め
下方から噴出すれば顕微鏡の光路を遮ることがないた
め、透過光による観察が可能である。ステージ下方から
の冷却気体の供給は、ステージ内部に設けた流路または
ステージ下面に沿って設けた直径の小さな管を用いて行
なう。
【0010】できるだけ狭い範囲のみを冷却するために
は、孔の直径を小さくする必要がある。しかし、細胞が
付着している培養容器底面の高分子化合物層の温度を下
げるために冷却できるのはその下側裏面であるため、細
胞付着面の温度は培養容器の底板の熱伝導に支配され
る。従って、冷却箇所が小さく、そして冷却箇所とその
周囲の部分の間の温度勾配が急峻であっても、底板が厚
かったり底板材質の熱伝導性が悪い場合には、細胞付着
面の温度分布はなめらかになり、低温になる部分が広が
ってしまう。これを防ぐためには、底板をできるだけ薄
く、そして熱伝導性の比較的良い材質にすることが重要
である。また、臨界点温度以上に保つのは、温度を調節
されたステージ上に培養容器を置くことで達成されるの
であるから、ステージと容器底面とがしっかりと接触し
ていることが不可欠である。細胞培養容器はこのような
条件を満足するものでなければならない。
【0011】一般の培養容器の場合、底面が縁よりやや
底上げされているので、底面とステージとの接触が保て
ずこれを本発明の方法に用いるのは不適切である。ま
た、培養容器に適する素材はガラスやプラスチック等が
あるが、プラスチックに比べて熱伝導率が約10倍であ
るガラスのほうが好ましい。従って、培養容器の底面が
ステージとの接触を保たれる形状で、しかも底板の厚さ
がカバーガラス程度(0.1〜0.2mm)のガラス製
の培養容器が本発明の方法に最も適している。しかし、
用途によっては厚さが好ましくは1mm以下のプラスチ
ック容器であっても、底面がステージとの接触を保持で
きる形状であれば使用することができる。
【0012】本発明の方法を用いると、顕微鏡を用いた
目視観察により細胞の選別、回収を一つずつ行なうこと
ができる。しかし、これは、必ずしも人が全ての操作を
行なわなければならないことを意味していない。ある細
胞集団から目的の細胞を識別する基準がはっきりし、そ
の後の回収操作も決まっている場合には、細胞の選別か
ら回収まで全ての操作を自動で行なうことも可能であ
る。
【0013】
【発明の作用および効果】本発明は、いくつかの種類の
細胞から欲しい細胞のみを選別し、酵素などにより細胞
に障害を与えることなく細胞機能を完全に維持したまま
回収しようとするものである。しかも、観察しながらそ
の場で回収できるため、確実であり、かつ効率的であ
る。多種の細胞群からある種の細胞を選別回収する例と
しては、動物やヒトの細胞から幹細胞を見つけ出す場
合、それらの細胞を必要な数だけ回収して新たに培養す
る場合などがある。これらの幹細胞を用いた医療に関す
る研究は盛んになってきており、幹細胞の識別、回収、
増殖が効率的にできるようになると、ますます進歩する
と考えられる。また、幹細胞だけでなく、必要な細胞ま
たは細胞群のみを回収するのは、医学研究上重要な操作
である。例えば、数個の細胞がくっついたコロニーのみ
を回収し実験に用いることもできる。以上、要するに本
発明の方法、装置は、今後の医学研究、生物研究、医工
学研究および医療の発展に多大に寄与することが可能で
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態1を説
明する。図1は培養容器を上に載せてその底面を面状に
加熱した中で、その底面を局所的に冷やすことができる
ステージを示しており、(イ)は平面図、(ロ)は縦断
面図、(ハ)は底面図を示す。
【0015】前記ステージは、銅製の薄板1の裏面に箔
状のヒータ2が貼り付けられ全体の中心に透過光用の孔
3が上下貫通して設けてある。そのヒータ2の下で孔3
をちょうど挟むように2本のステンレス細管4が通って
おり、これらは全てステンレス製の支持板7に薄板1の
上面を一致させてその他は板厚内に埋め込むように取付
けてある。
【0016】前記2本の細管4の一端は、支持板7の端
部に立設した空気導入管6につながれ一端は閉じてあ
る。そして、この細管4同士には、前記透過光用の孔3
の下側位置であって約45度上向きの方向に冷却用の吐
出口5がそれぞれ一つずつ設けてある。
【0017】次に、本実施の形態の作用を説明する。前
記ヒータ2は、図外の直流電源を用いて加熱される。そ
して、ヒータ裏面に貼り付けられた図示しない微小温度
センサと温度調節計により、銅板1を所望の温度に保つ
ことができる。前記空気導入管6へは、図外の空気ボン
ベから流量調節弁を介して空気が供給できるようになっ
ている。その空気は、細管4を通って冷却用の吐出口5
から噴出し、透過光用の孔3を介して銅板の孔3の上に
ある培養容器8の底面を吐出口5の大きさの範囲で局所
的に冷却する。
【0018】このステージを顕微鏡ステージに載せる
と、孔3の部分は光を透過するのでその部分は透過光に
よる顕微鏡観察が可能である。また、このステージの中
央部分は厚さが全体で約3ミリ程度に製作されているの
で、倒立顕微鏡で高倍率の対物レンズを用いても細胞付
着面が観察できる。また、正立顕微鏡を用いる場合でも
細胞付着面はコンデンサの動作範囲内にある。培養細胞
の選別時においては、前記ヒータ2でステージを高分子
化合物、例えば、ゼラチンにN−イソプロピルアクリル
アミドポリマーがグラフト重合されてなる高分子化合物
の臨界点温度31℃より高く保持する。また、前記高分
子化合物をコーティングして細胞を培養した培養容器8
の所望の位置を、前記ステージに取付けられたX−Yス
テージにより、透過光用の孔3の中心部に精確に移動す
る。この後、前記細管4の吐出口5から冷風を孔3内に
吹き付けてステージの中心部分、すなわち、透過光用の
孔3に臨む培養容器の底面を介して、観察視野の中心部
分を冷却する。このようにして培養容器8の内底面中心
部のみの高分子化合物温度が臨界点温度31℃より低く
なり接着力がなくなった状態となったとき、マイクロピ
ペットを用いて中心部の細胞を吸引することにより、目
的の細胞または細胞塊のみを回収することができる。
【0019】以下は、前記ステージの性能試験要領と結
果を示す。図1のステージ上に、片面に黒体塗料を塗布
したカバーガラス(厚さ0.1〜0.2mm)を載せ、
赤外線温度計を用いて表面の温度分布を測定した。図2
は中心線に沿った温度分布を示す。表面の大部分はほぼ
一様な温度に保たれており、中心部分のみ最大で約3℃
の温度低下が観察される。周囲より2℃以上温度が低い
部分の直径は1mmである。この例の場合、ステージ中
心の透過光用の孔3の直径は1mmであるので、その孔
の直径に相当する部分だけが2℃以上低温になったこと
になる。2℃〜3℃の温度差があれば、周囲を温度応答
性高分子化合物の臨界点温度以上に、中心部のみを臨界
点温度以下にすることは十分可能である。また、温度降
下部と周囲の間の温度勾配は急峻であり、極めて良好な
温度分布が実現できている。この例示した図では、空気
の流量を1L/minとした場合の結果であるが、空気
流量を0.5〜1.5L/minの間で変化させると最
大の温度変化を与えることができる。
【0020】次に、図3は本発明実施の形態2の培養細
胞の選別装置に適した培養容器9を示しており、底面1
0がステージとの接触を保たれる平坦な形状で、しかも
底板11の厚さ12がカバーガラス程度(0.1〜0.
2mm)のガラス製であり、高分子化合物のできるだけ
狭い部分のみの温度を下げることができる、低温部分と
その周辺の部分との温度勾配を急峻にできる、など確実
で効率的な作業を行なう効果が得られる。
【0021】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
具体的な構成は前記実施の形態に限定されるものではな
く、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっ
ても本発明に含まれる。例えば、実施の形態では、透過
光の光路を介し培養容器の底面側に冷却用空気を吹き付
けるとしたが、これに限らず、条件が許せば培養容器の
上面側から観測視野内に冷却用空気を吹き付けるように
してもよい。細管4の代わりに支持板7に細い穴を穿設
し透過光用の孔3の内周面に吐出口を設けてもよい。支
持板7の材質、形状は任意に設定できるものであり、ス
テンレスの他、アルミニウム、銅、真鍮などの金属、あ
るいは耐熱性の樹脂、ガラス、それらを混用したもので
も良い。培養容器9はガラス製で説明したが、プラスチ
ック、あるいはその混用したものでも良い。底部の厚さ
も孔3の大きさ、冷却用流体の温度などの条件を考慮し
局所冷却が可能な範囲で任意に設定することができる。
冷却用流体は空気にて説明したが、氷やドライアイスに
接した空気、水などでも良い。ペルチェ素子などを組み
合わせて冷却や加熱などを行なうこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態1の培養容器を載置してその
底面の一部のみを冷やすことができるステージを示して
おり、(イ)は平面図、(ロ)は横断面図、(ハ)は底
面図である。
【図2】実施の形態1の片面に黒体塗料を塗布してステ
ージに載置したカバーガラスのステージ中心線に沿った
温度分布を示すグラフである。
【図3】実施の形態2の培養容器を示す断面図である。
【符号の説明】
1 銅板の薄板 2 銅板の薄板裏面に貼り付けた箔状のヒータ 3 銅板に設けた孔 4 細管 5 細管の空気噴出用孔 6 空気導入管 7 支持板 8 培養容器
フロントページの続き (72)発明者 住本 英樹 福岡市早良区百道浜3丁目5−3−902 Fターム(参考) 4B029 AA02 CC01 DB11 DD06 DF01 DG08 4B065 AA90X BA30 BC03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度応答性高分子化合物を細胞培養基材
    とする培養容器に培養した細胞を、前記温度応答性高分
    子化合物が水中から析出し始める臨界点より高い温度に
    して顕微鏡で観測しながら、透過光の光路を遮断せずに
    前記観測視野の温度応答性高分子化合物が臨界点より低
    い温度となるまで冷却用流体を吹き付けて冷却を行なう
    ことにより、所望の細胞または細胞塊のみを選別し、容
    器から離脱回収することを特徴とする温度応答性高分子
    化合物を用いた培養細胞の選別方法。
  2. 【請求項2】 前記光路を介し培養容器底面側に冷却用
    流体を吹き付けて前記温度応答性高分子化合物を局所冷
    却することを特徴とする請求項1に記載の温度応答性高
    分子化合物を用いた培養細胞の選別方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の温度応
    答性高分子化合物を用いた培養細胞の選別方法に使用す
    る装置であって、培養容器を載置させその底面を加熱す
    る加熱面と、加熱面の中心部に開設した小範囲透光用の
    孔と、該孔に臨む前記培養容器の底面に向けて冷却流体
    を吹き付ける吐出口と、を備えていることを特徴とする
    温度応答性高分子化合物を用いた培養細胞の選別装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の温度応答性高分子化合
    物を用いた培養細胞の選別装置が、顕微鏡のステージに
    設置して使用可能な薄板状に形成されていることを特徴
    とする温度応答性高分子化合物を用いた培養細胞の選別
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4の内いずれかの
    項に記載した培養容器が0.1〜0.2mm厚の平坦な
    底部を有していることを特徴とする培養容器。
JP2001303282A 2001-09-28 2001-09-28 温度応答性高分子化合物を用いた培養細胞の選別方法および装置並びに培養容器 Pending JP2003102466A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001303282A JP2003102466A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 温度応答性高分子化合物を用いた培養細胞の選別方法および装置並びに培養容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001303282A JP2003102466A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 温度応答性高分子化合物を用いた培養細胞の選別方法および装置並びに培養容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003102466A true JP2003102466A (ja) 2003-04-08

Family

ID=19123391

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001303282A Pending JP2003102466A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 温度応答性高分子化合物を用いた培養細胞の選別方法および装置並びに培養容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003102466A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005095510A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-13 Toyama Prefecture 感熱応答性ポリマー組成物及びその用途
JP2006238707A (ja) * 2005-02-28 2006-09-14 Terumo Corp 細胞培養装置、器具及びそのシステム
WO2007074730A1 (ja) * 2005-12-27 2007-07-05 Tohoku Electronic Industrial Co., Ltd. 癌罹病検定用データの収集方法及び該方法に使用される癌罹病検定用装置
WO2007114317A1 (ja) * 2006-03-31 2007-10-11 Kitakyushu Foundation For The Advancement Of Industry, Science And Technology ペルチェ素子及びそれを備えた温調容器
KR101325856B1 (ko) 2005-09-30 2013-11-05 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 감열 응답성 고분자를 이용한 구멍 패턴 첨부막을 가지는칩 및 그 제조 방법
JP2015000017A (ja) * 2013-06-13 2015-01-05 学校法人立命館 細胞塊取得装置
JP2019129797A (ja) * 2018-02-02 2019-08-08 大日本印刷株式会社 細胞構造体を剥離するための治具、並びに細胞構造体の作製装置及び細胞構造体の作製方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005095510A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-13 Toyama Prefecture 感熱応答性ポリマー組成物及びその用途
JP2006238707A (ja) * 2005-02-28 2006-09-14 Terumo Corp 細胞培養装置、器具及びそのシステム
JP4638255B2 (ja) * 2005-02-28 2011-02-23 テルモ株式会社 細胞培養装置、器具及びそのシステム
KR101325856B1 (ko) 2005-09-30 2013-11-05 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 감열 응답성 고분자를 이용한 구멍 패턴 첨부막을 가지는칩 및 그 제조 방법
US8664003B2 (en) 2005-09-30 2014-03-04 Toyama Prefecture Chip provided with film having hole pattern with the use of thermoresponsive polymer and method of producing the same
WO2007074730A1 (ja) * 2005-12-27 2007-07-05 Tohoku Electronic Industrial Co., Ltd. 癌罹病検定用データの収集方法及び該方法に使用される癌罹病検定用装置
JP2007178237A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Tohoku Denshi Sangyo Kk 癌罹病検定用データの収集方法及び該方法に使用される癌罹病検定用装置
JP4509927B2 (ja) * 2005-12-27 2010-07-21 東北電子産業株式会社 癌罹病検定用データの収集方法及び該方法に使用される癌罹病検定用装置
WO2007114317A1 (ja) * 2006-03-31 2007-10-11 Kitakyushu Foundation For The Advancement Of Industry, Science And Technology ペルチェ素子及びそれを備えた温調容器
JP2015000017A (ja) * 2013-06-13 2015-01-05 学校法人立命館 細胞塊取得装置
JP2019129797A (ja) * 2018-02-02 2019-08-08 大日本印刷株式会社 細胞構造体を剥離するための治具、並びに細胞構造体の作製装置及び細胞構造体の作製方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103249829B (zh) 用于自动化精子操作的系统和方法
US9895690B2 (en) Microfluidic chip and application thereof
EP2327975B1 (en) Carrier holder for laser capture microdissection analysis
AU673397B2 (en) In situ PCR amplification system
US20190133113A1 (en) Micromanipulation apparatus and method
US6037168A (en) Microbiological assembly comprising resealable closure means
WO1998035215A9 (en) Laser capture microdissection analysis vessel
WO2010113990A1 (ja) 液体還流型高速遺伝子増幅装置
JPH07506258A (ja) 微細加工装置を用いたポリヌクレオチド増幅分析
US20220250075A1 (en) System and method for isolating and analyzing cells
JP2002153260A (ja) 一細胞長期培養顕微観察装置
EP2546628A1 (en) Filter support with a phase-changing medium
US20210283601A1 (en) Array Type Paper Chip for 2019-nCoV Virus High-throughput Detection and Manufacturing Method of Array Type Paper Chip
JP2003102466A (ja) 温度応答性高分子化合物を用いた培養細胞の選別方法および装置並びに培養容器
WO2019015674A1 (zh) 一种高通量微生物单细胞自动化分选及接收系统
US20040077073A1 (en) Methods and apparatus for interactive micromanipulation of biological materials
CN111879922A (zh) 适用于核酸及免疫同步检测集成纸基芯片结构及制造方法
CA2476286C (en) Method of recovering micromaterial and device
EP3693452A1 (en) Cell culture container, method for acquiring cells, and method for culturing cells
Johnstone Chapter XII The Isolation and Cultivation of Single Organisms
US6908766B2 (en) Device and method for capturing biological tissues
Takeuchi et al. Soft handling probe using thermal gel for single cells
WO2019083212A1 (ko) 생물학적 물질 분리장치
CN117848959A (zh) 用于显微成像的超大成像视野易拆卸的灌流样品槽
Dalmay et al. Positioning and orientation of adherent cells in a microfluidic chip using the micro patterning of a parylen-C-film