JP2003102429A - レモン発酵物及びその製造方法 - Google Patents

レモン発酵物及びその製造方法

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JP2003102429A JP2001297364A JP2001297364A JP2003102429A JP 2003102429 A JP2003102429 A JP 2003102429A JP 2001297364 A JP2001297364 A JP 2001297364A JP 2001297364 A JP2001297364 A JP 2001297364A JP 2003102429 A JP2003102429 A JP 2003102429A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 健康機能の向上作用を増大させてその付加価
値を高めることができるレモン発酵物及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 レモン発酵物は、アスペルギルス・ニガ
ー又はアスペルギルス・アワモリを用いて、レモン果実
又はその一部からなる発酵原料を微生物発酵処理するこ
とにより得られる。このレモン発酵物には、下記化1に
示される構造を有する8−ヒドロキシヘスペレチン(8-
hydroxyhesperetin)が含有されている。このレモン発
酵物は、アスペルギルス・ニガー又はアスペルギルス・
アワモリを含む培地を好気的条件下で振盪培養する予備
培養処理を行った後、その培地を発酵原料に接種して微
生物発酵処理を行うことにより製造される。微生物発酵
処理における発酵期間は2〜14日間であるのが好まし
い。発酵原料としては、レモン果実から果汁を搾汁した
後の搾汁残渣が好適に使用される。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、健康機能の向上
作用を増大させて付加価値を高め、飲料品や医薬品等に
利用することができるように構成されたレモン発酵物及
びその製造方法に関するものである。より詳しくは、発
酵原料としてのレモン果実又はその一部を微生物発酵処
理することにより、その発酵原料中のフラバノン配糖体
を微生物変換し、より健康機能向上作用の高い成分を生
成させるように構成されたレモン発酵物及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レモン果実は、果汁、果皮、じょうのう
膜及びさのうから構成されており、エリオシトリンやヘ
スペリジン等のフラバノン配糖体が多量に含有されてい
る。前記エリオシトリンは高い抗酸化性を有しており、
前記ヘスペリジンはビタミンPとして知られ、抗アレル
ギー作用、抗ウィルス作用及び抗炎症作用があることが
確認されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、本発明者
らの鋭意研究の結果、レモン果実又はその一部を用いて
前記フラバノン配糖体よりもさらに健康機能の向上効果
が高い成分を効率よく得ることができたという知見に基
づいてなされたものである。その目的とするところは、
健康機能の向上作用を増大させてその付加価値を高める
ことができるように構成されたレモン発酵物及びその製
造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明のレモン発酵物は、アスペ
ルギルス・ニガー(Aspergillus niger)又はアスペル
ギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)を用いて、
レモン果実又はその一部からなる発酵原料を微生物発酵
処理することによって得られるとともに、8−ヒドロキ
シヘスペレチンを含有することを特徴とするものであ
る。
【0005】請求項2に記載の発明のレモン発酵物は、
請求項1に記載の発明において、前記発酵原料中よりも
高濃度のフラバノンアグリコンを含有することを特徴と
するものである。
【0006】請求項3に記載の発明のレモン発酵物は、
アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)又はア
スペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)を用
いて、レモン果実又はその一部からなる発酵原料を微生
物発酵処理することによって得られるとともに、前記発
酵原料中よりも高濃度のフラバノンアグリコンを含有す
ることを特徴とするものである。
【0007】請求項4に記載の発明のレモン発酵物は、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明におい
て、前記発酵原料をレモン果実から果汁を搾汁した後の
搾汁残渣とすることを特徴とするものである。
【0008】請求項5に記載の発明のレモン発酵物は、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明におい
て、抗酸化作用を有することを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明のレモン発酵物の製造方法は、請
求項1から請求項5のいずれかに記載のレモン発酵物の
製造方法であって、アスペルギルス・ニガー又はアスペ
ルギルス・アワモリを用いて、前記発酵原料を微生物発
酵処理することを特徴とするものである。
【0009】請求項7に記載の発明のレモン発酵物の製
造方法は、請求項6に記載の発明において、前記微生物
発酵処理に先立って、アスペルギルス・ニガー又はアス
ペルギルス・アワモリを含む培地を好気的条件下で振盪
培養する予備培養処理を行った後、その予備培養処理後
の培地を前記発酵原料に付着させて微生物発酵処理を行
うようにしたことを特徴とするものである。
【0010】請求項8に記載の発明のレモン発酵物の製
造方法は、請求項6又は請求項7に記載の発明におい
て、前記微生物発酵処理を2〜14日間行うことを特徴
とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した実施
形態を詳細に説明する。レモン発酵物は、アスペルギル
ス・ニガー(Aspergillus niger)又はアスペルギルス
・アワモリ(Aspergillus awamori)に分類される黒麹
菌を用いて、レモン果実又はその一部からなる発酵原料
を微生物発酵処理することによって得られるものであ
る。このレモン発酵物には、有効成分として高い抗酸化
作用を有する8−ヒドロキシヘスペレチン(8-hydroxyh
esperetin)が含有されており、例えば飲料品、食品、
医薬品等の素材に添加して健康増進活性を有する健康食
品や健康ドリンク等に利用される。また、このレモン発
酵物には、前記発酵原料中よりも高濃度のフラバノンア
グリコン(エリオディクティオール、ナリンゲニン、ヘ
スペレチン等)も含有されており、健康機能の向上に寄
与している。
【0012】発酵原料としては、収穫後のレモン果実又
はそのレモン果実の構成成分が用いられる。なお、これ
ら発酵原料は、冷蔵保存又は冷凍保存されたものであっ
ても構わない。前記レモン果実の構成成分としては、レ
モン果実から剥離、分離若しくは単離されたレモンの果
皮(アルベド及びフラベド)、じょうのう膜並びにさの
うから選ばれる少なくとも1種が使用される。さらに、
この発酵原料としては、レモン果実から分離された部分
を用いることもできるが、製造に要する手間を省くとと
もにレモン果実の有効利用を容易に図ることができるこ
とから、レモン果実から果汁を搾汁した後の搾汁残渣を
使用するのが最も好ましい。この搾汁残渣には、レモン
の果皮(アルベド及びフラベド)と、じょうのう膜と、
さのうの一部と、搾汁しきれなかった極少量のレモン果
汁とが含まれている。
【0013】この発酵原料中には、エリオディクティオ
ール(eriodictyol)とルチノース(L−ラムノシル−
D−グルコース)との配糖体であるエリオシトリン(er
iocitrin)、ヘスペレチン(hesperetin;3',5,7-trihy
droxy-4'-methoxyflavanone;C16146)とルチノー
スとの配糖体であるヘスペリジン(hesperidin)(ビタ
ミンP)、ナリンゲニン(naringenin;4',5,7-trihydr
oxyflavanone)とネオヘスペリジオース(neohesheridi
ose)との配糖体であるナリンジン(naringin)等のフ
ラバノン配糖体が含有されている。これらのフラバノン
配糖体は、レモン果実の構成成分のうち、レモン果汁以
外の構成成分に高い濃度で含まれている。また、これら
のフラバノン配糖体のうちエリオシトリンは、他の柑橘
類と比較してレモン中に多量に含まれている。
【0014】微生物発酵処理は、前記黒麹菌を発酵原料
に接種した後、所定の発酵条件下で前記黒麹菌に発酵原
料中のフラバノン配糖体を微生物変換させる処理であ
る。この微生物変換は、主として黒麹菌の栄養菌糸が生
産するグルコシダーゼ(β−グルコシダーゼ)によりフ
ラバノン配糖体からフラバノンアグリコンを遊離させる
アグリコン生成過程と、その生成されたフラバノンアグ
リコンを、主として胞子形成期にある黒麹菌から生産さ
れるヒドロキシラーゼによってヒドロキシ化するヒドロ
キシ化過程とを備えている。そして、これら両過程によ
り、前記発酵原料が微生物変換されたレモン発酵物中に
は、エリオディクティオールやヘスペレチン等のフラバ
ノンアグリコンと、前記ヘスペレチンがヒドロキシ化さ
れた8−ヒドロキシヘスペレチンとが共存している。
【0015】前記8−ヒドロキシヘスペレチンは、下記
化1で示される構造を有している。
【0016】
【化1】 この8‐ヒドロキシヘスペレチンは、化学式がC1614
7で、分子量が約319のフラボノイド化合物(3',5,
7,8-tetrahydroxy-4'-methoxyflavanone 又は2,3-dihyd
ro-5,7,8-trihydroxy-2-(3-hydroxy-4-methoxyphenyl)-
4H-1-benzopyran-4-one)であり、ヘスペレチンの8位
に水酸基を備えた有機化合物である。この8−ヒドロキ
シヘスペレチンは、メタノール、エタノール及びジメチ
ルスルフォキシド(DMSO)に可溶で、若干溶解性は
悪いが水にも可溶である。さらに、前記ヘスペレチンに
は抗酸化作用がほとんど見られないのに対し、この8−
ヒドロキシヘスペレチンはα−トコフェロール(ビタミ
ンE)とほぼ同等又はそれ以上の抗酸化活性を有してい
る。
【0017】前記黒麹菌を発酵原料に接種する方法とし
ては、それら黒麹菌の胞子を発酵原料に直接振りかけて
付着させることができる。また、予め前記黒麹菌を含む
培地を好気的条件で振盪培養する予備培養処理を行った
後、その予備培養処理後の培地を発酵原料全体に行き渡
るように振りかけて付着させたり、前記予備培養後の培
地中に発酵原料を浸漬させることによって接種すること
も可能である。これらの接種方法のうち、発酵原料の微
生物発酵処理が比較的均一に進むことから、予備培養処
理後の培地を発酵原料に振りかけて付着させるのが最も
好ましい。
【0018】前記予備培養処理は、微生物発酵処理に用
いられる黒麹菌を予め十分に増殖させるとともに活性化
させることによって、微生物発酵処理を迅速かつ円滑に
進行させるために行われる。この予備培養処理は、20
〜40℃の好気的条件下で最低5日以上行われ、好まし
くは前記黒麹菌の菌糸体が培地表面を3分の1程度覆う
状態となるまで行われる。
【0019】前記培地としては、ポテトデキストロース
含有培地やツァペック培地等の糸状菌用培地又はオカラ
等の有機物を含有する種々の液体培地が好適に使用され
る。さらに、この予備培養処理では、前記黒麹菌の生育
を良好にするために、培養開始時点における培地のpH
を3〜7に調整するのが好ましい。また、前記振盪培養
する際の振盪速度としては、好ましくは50rpm/分
以上、より好ましくは50〜200rpm/分である。
この振盪速度が50rpm/分未満の場合には、前記黒
麹菌を含有した培地全体が好気的でないため、菌糸の増
殖が十分にできない。また、振盪速度が200rpm/
分を越える場合には、培地の揺れが激しく、前記黒麹菌
の菌体形成が抑制されるおそれがある。
【0020】上記予備培養処理により活性化された黒麹
菌を発酵原料に接種する場合の微生物発酵処理条件とし
ては、微生物発酵処理を好気的条件で行うことが容易で
あることから、例えば有底筒状に形成された培養皿等の
底部が広く深さが浅い培養容器が好適に用いられる。さ
らに、この培養容器の底面に万遍なく発酵原料を広げる
ように載置するとよい。また、発酵温度としては、前記
黒麹菌の生育に好適な条件として、好ましくは10〜4
0℃、より好ましくは20〜40℃で行われる。加え
て、前記黒麹菌の生育に好適な条件として、暗所で微生
物発酵処理を行うのが好ましい。
【0021】8−ヒドロキシヘスペレチンを多量に得る
ための微生物発酵処理の発酵期間としては、好ましくは
2〜14日、より好ましくは2〜10日、さらに好まし
くは3〜8日である。この発酵期間が2日未満の場合に
は、前記黒麹菌による微生物発酵がほとんど進行してい
ないことから十分な量の8−ヒドロキシヘスペレチンが
生成されていない。逆に14日を越える場合には、微生
物変換により生成された8−ヒドロキシヘスペレチンの
分解が進み、抗酸化作用が低下する。
【0022】また、フラバノンアグリコン(エリオディ
クティオール、ヘスペレチン、ナリンゲニン等)を多量
に得るための発酵期間としては、前記8‐ヒドロキシヘ
スペレチンの場合よりも若干短く、好ましくは2〜12
日、より好ましくは2〜8日、さらに好ましくは3〜7
日である。この発酵期間が2日未満の場合には、前記黒
麹菌による微生物発酵がほとんど進行していないことか
ら十分な量のフラバノンアグリコンが生成されていな
い。逆に12日を越える場合には、微生物変換により生
成されたフラバノンアグリコンの分解が進むおそれがあ
る。
【0023】上記微生物発酵処理により得られるレモン
発酵物は、発酵により繊維質の分解が進み非常にもろく
て崩れやすい状態となる。このレモン発酵物中には、発
酵途中で繊維質の分解が不十分な発酵原料や発酵中に形
成された接種菌株の菌糸体等の固形分が存在しており、
その固形分は微生物発酵処理前の発酵原料と比較し、体
積で約10分の1程度となる。このレモン発酵物は、そ
のまま飲料品、食品、医薬品等の素材に添加するか、或
いはミキサーやホモジナイズ処理した後に前記素材に添
加して利用することが可能である。また、前記レモン発
酵物中に生成された抗酸化作用等を有する有効成分を精
製した後、前記素材中に添加するように構成してもよ
い。
【0024】このレモン発酵物中の有効成分を精製する
際には、まず、接種菌体及び未発酵原料を主体とする固
形分を取り除く固形分除去処理が行われる。この固形分
除去処理は、前記固形分を含有するレモン発酵物を極性
溶媒中に浸漬させ、有効成分を溶媒中に移行させて抽出
した後、ガーゼや粗メッシュ等で濾過又は2000×
g、30分間程度の軽い遠心分離を行って固形分を取り
除く処理である。なお、前記レモン発酵物を極性溶媒中
で抽出する際の抽出条件としては、常温で2時間以上抽
出するのが抽出効率の面からも好ましい。
【0025】前記極性溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、それらの水溶液又は水が好適に用いられる。ま
た、ブタノールやイソプロパノール等の低級アルコール
又はそれらの水溶液も使用可能である。さらに、この極
性溶媒としては、大量のレモン発酵物を処理する場合の
経済的な観点から、好ましくはメタノール、その水溶液
又は水が用いられ、精製コスト面から最も好ましくは水
が用いられる。また、飲料品、食品、医薬品等の素材に
そのまま添加する場合には、エタノール、その水溶液又
は水を用いるのが好ましい。また、前記黒麹菌を死滅さ
せて微生物発酵を停止させるためには、メタノール、エ
タノール又はその高濃度(例えば20容量%以上)の水
溶液を用いるのが好ましい。
【0026】さらに、前記固形分除去処理後のレモン発
酵物中に含まれるペクチンを主体とする水溶性繊維成分
を分離除去するための繊維分除去処理を行うことも可能
である。この繊維分除去処理は、前記固形分除去処理後
のレモン発酵物を遠心分離して、水溶性繊維成分を(遠
心管等の底部に)沈澱させることによって除去する処理
である。なお、この繊維分除去処理は、前記極性溶媒と
してメタノール又はエタノールを用いた場合には110
00×g、20分間程度の遠心力で遠心分離すればよ
く、前記極性溶媒として水又は水溶液を用いた場合には
それよりも強い遠心力で遠心分離される。
【0027】上記実施形態によって発揮される効果につ
いて、以下に記載する。 ・ レモン発酵物は、アスペルギルス・ニガー(Asperg
illus niger)又はアスペルギルス・アワモリ(Aspergi
llus awamori)に分類される黒麹菌を用いて、レモンの
果実又はその一部からなる発酵原料を微生物発酵処理す
ることによって得られるものである。このため、このレ
モン発酵物は、発酵原料中に含まれるフラバノン配糖体
(ヘスペリジン)が前記黒麹菌により微生物変換された
8−ヒドロキシヘスペレチンを含有しており、微生物発
酵処理前の発酵原料と比較して極めて高い抗酸化作用を
発揮することができる。また、このレモン発酵物は、発
酵原料中に含まれるフラバノン配糖体(エリオシトリ
ン)が前記黒麹菌により微生物変換されたエリオディク
ティオールを含有しており、微生物発酵処理前の発酵原
料と比較して極めて高い健康機能向上作用を発揮するこ
とができ、その付加価値を容易に高めることができる。
【0028】そして、このレモン発酵物は、前記8−ヒ
ドロキシヘスペレチンにより生体内で活性酸素を消去し
て過酸化脂質の生成を抑制し、酸化ストレスに起因する
癌、動脈硬化、糖尿病の合併症等の生活習慣病の予防に
役立てることができるうえ、酸化ストレスを低減させる
ことができる。さらに、前記8−ヒドロキシヘスペレチ
ン及びエリオディクティオールにより、健康の維持や疲
労の回復等に役立てることができる。また、ヘスペレチ
ン及びナリンゲニンも前記エリオディクティオールと同
様に、発酵原料よりも高濃度で含有されていることか
ら、健康機能の向上効果を高めることができる。さら
に、このレモン発酵物は、飲料品、食品、医薬品等の素
材に添加することによって健康食品や健康ドリンク等の
様々な製品に利用することが可能であることから、レモ
ンの利用拡大を容易に図ることができる。
【0029】・ 発酵原料としてレモン果実から果汁を
搾汁した後の残渣を用いることによって、レモン果汁よ
りも高い濃度でフラバノン配糖体が含有されていること
から、フラバノンアグリコン及び8−ヒドロキシヘスペ
レチンの製造効率を容易に高めることができる。さら
に、前記の搾汁残渣は、これまでほとんど利用されるこ
とがなく廃棄処分されていたものであることから、本実
施形態のレモン発酵物を製造するための原料として用い
ることにより、その有効利用を図ることができるととも
に製造コストを容易に低減させることができる。加え
て、このレモン発酵物の製造後には、前記発酵原料の1
0分の1程度の固形分が廃棄処分されるにとどまり、廃
棄物の体積を顕著に減量させることができる。このた
め、廃棄にかかる運搬コストを容易に低減させることが
できるうえ、食品リサイクル法を遵守するのが極めて容
易となる。
【0030】・ レモン発酵物は、アスペルギルス・ニ
ガー(Aspergillus niger)又はアスペルギルス・アワ
モリ(Aspergillus awamori)に分類される黒麹菌を用
いて、レモンの果実又はその一部からなる発酵原料を微
生物発酵処理することにより、前記発酵原料中に含まれ
るフラバノン配糖体を微生物変換してフラバノンアグリ
コン及び8−ヒドロキシヘスペレチンを生成させること
によって製造される。このため、高い健康機能向上効果
を発揮するとともにその付加価値を高めることができる
レモン発酵物を極めて容易に製造することができる。
【0031】さらに、前記微生物発酵処理に先立って前
記黒麹菌の予備培養処理を行うことにより、微生物発酵
処理に用いる黒麹菌を予め十分に増殖させるとともに活
性化させ、微生物発酵処理を迅速かつ円滑に進行させる
ことができる。加えて、微生物発酵処理を2〜14日間
行うことによって、多量のフラバノンアグリコン及び8
−ヒドロキシヘスペレチンを含有するレモン発酵物を容
易に製造することができる。
【0032】また、固形分除去処理によりレモン発酵物
中の固形分を取り除くことによって、取り扱い性や機能
成分の濃度を容易に向上させたレモン発酵物を容易に製
造することができる。さらに、この取り除かれた固形分
は、次の微生物発酵処理における発酵スターターとして
も再利用することが可能であり、この場合には廃棄物を
より一層減量させることができる。
【0033】前記固形分除去処理に続いて、繊維分除去
処理によりレモン発酵物中の水溶性繊維成分を取り除く
ことによって、抗酸化作用をより一層増強させたレモン
発酵物を容易に製造することができる。さらに、この取
り除かれた水溶性繊維成分は、整腸作用を有する機能性
食品や飲料品等に添加して再利用することが可能であ
り、レモンの利用拡大及び有効利用をさらに効果的に図
ることができる。
【0034】
【実施例】以下、前記実施形態を具体化した実施例及び
比較例について説明する。 <レモン発酵物の製造>本実験では、微生物発酵処理に
以下の菌株を使用した。なお、ATCCはAmerican Typ
e Culture Collection、RIBは国税局醸造研究所、I
AMは(財)応用微生物学研究奨励会より分譲を受けた菌
株を示す。 アスペルギルス・ニガー属 ・Aspergillus niger ATCC−10549、38857 アスペルギルス・アワモリ属(ニガー属と分けない分類もある) ・Aspergillus awamori RIB−2804 ・Aspergillus shirousami IAM−2414、RIB−2503 ・Aspergillus usami IAM−2185、RIB−2001 ・Aspergillus japonicus ATCC−20236 また、上記2足菌株との比較としてアスペルギルス・サ
イトイ菌株(IAM−2210)を使用した。これら菌
株の予備培養処理は、pHを5.0に調整し、121
℃、15分間オートクレーブ滅菌したポテトデキストロ
ース−ブロス培地(DIFCO社製)をフラスコ内に5
00ml用意し、培地が十分に冷めた後に分譲菌株を接
種し、100rpmの好気的条件下で振盪培養すること
により行った。そして、培地に菌を接種して7日経過
し、フラスコ内で菌体が十分に育成された予備培養処理
後の培地液を微生物発酵処理に用いる接種用菌とした。
【0035】発酵原料としては、レモン果実と、レモン
果実から果汁を搾汁した後に残った搾汁残渣との2種類
を用いた。レモン果実は果実を8等分にカットしたもの
で、搾汁残渣は、レモン果実のうち、果皮とじょうのう
膜、及びさのうの一部が残ったもの(極僅かながら果汁
も含まれている)である。本実験では、前記発酵原料を
通気性が良くなるように予めオートクレーブ滅菌した底
部の広い容器(有底円筒状の容器)に万遍なく広げて置
き、上記接種用菌をその発酵原料全体に行き渡るように
振りかけることにより接種を行った。菌を接種した後の
果実及び搾汁残渣は、30℃の恒温室内で暗黒条件下に
て微生物発酵処理を行った。
【0036】そして、上記菌株接種後所定日数経過後の
各レモン発酵物をサンプリングし、それらサンプル(固
形分を含むレモン発酵物)を100gあたり500ml
のエタノールに浸漬させ、37℃の暗黒条件下で2日
間、有効成分の抽出操作を行った。抽出後の液を110
00×gで30分間遠心分離し、得られた上澄み液を以
下の分析に使用した。また、比較例(コントロール)と
して、レモン果実及び搾汁残渣100g(未発酵)を5
00mlのエタノールに浸漬させ、37℃の暗黒条件下
で2日間、有効成分の抽出操作を行った後、抽出後の液
を11000×gで30分間遠心分離して得られた上澄
み液を以下の分析に使用した。
【0037】<抗酸化活性の測定>上記レモン発酵物
(レモン果実及び搾汁残渣発酵物抽出液)と、コントロ
ールの未発酵物抽出液とを用いて、DPPH(1,1-Diph
enyl-2-picrylhydrazy)によるラジカル捕捉能の測定を
実施した。
【0038】本試験に使用する試薬の準備として、DP
PH20mgをエタノール100mlに溶解させた後
0.80μmのミリポアフィルターで濾過することによ
り、500μMのDPPH溶液を作製した。また、バッ
ファーにはTris緩衝液(0.2M、pH7.4)を
用いた。
【0039】まず、前記DPPH溶液2mlとTris
緩衝液0.8mlとを混合した混合液に、各サンプル液
を0.2ml加えて合計3mlの反応液を調製し、ボル
テックスでよく攪拌した後に室温暗所に置き20分間反
応させた。なお、コントロール(ブランクテスト)とし
ては、前記サンプル液の代わりに水0.2mlを使用し
て同様に反応を行った。また、比較のため、前記サンプ
ル液の代わりに50〜100μMの範囲内の各種濃度の
α−トコフェロール標準液0.2mlを加えた区分も用
意し、同様に反応を行った。
【0040】次に、各反応液を再度攪拌した後、マイク
ロシリンジにて各反応液10μlを高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)(島津製作所製のLC−10A)
にインジェクトした。このHPLCの溶媒には、十分に
脱気したメタノール/蒸留水=70/30を使用し、流
速1ml/分の条件で測定を行った。測定用のカラムに
はTSK−GEL OCTYL−80TS(150×
4.6mm I.D.)、カラム温度35℃、UV検出
器の波長は517nmで測定を行った。
【0041】溶出開始からおよそ9分後にDPPHのピ
ークが出現することから、そのピーク高さ(HEIGHT)を
測定し、下記数1により各サンプルのDPPHラジカル
捕捉能(%)を求めた。結果を表1に示す。
【0042】
【数1】
【0043】
【表1】 その結果、発酵菌種による差異として、アスペルギルス
・ニガーは抗酸化能の上昇が見られるのが早く、アスペ
ルギルス・サイトイでは逆に抗酸化能の上昇がやや遅く
なる傾向が見られた。また、レモン果実発酵物と搾汁残
渣発酵物との比較では最も高い値を示した発酵菌種が違
っていたものの、これら両発酵物はすべての区で発酵前
と比較し抗酸化能の向上が確認された。なお、上記α−
トコフェロール標準液50,75,100,125μM
を加えた区分のラジカル捕捉能はそれぞれ18.2,4
0.6,52.9,69.5%であった。従って、レモ
ン果実及び搾汁残渣(果皮、じょうのう膜及びさのう)
を、アスペルギルス・ニガーやアスペルギルス・アワモ
リ等に分類される黒麹菌を用いて2〜14日間微生物発
酵処理することにより、極めて高い抗酸化能を持つレモ
ン発酵物が得られることが確認された。以下にレモン果
実及び搾汁残渣それぞれの結果について詳細を記す。
【0044】レモン果実発酵物の中では、Aspergillus
awamori RIB-2804 で5日間微生物発酵処理した区分が
最も高い抗酸化活性を示し、未発酵果実と比較し2倍以
上抗酸化能が向上していることが確認された。Aspergil
lus shirousami 、Aspergillus niger及び Aspergillus
saitoi でも微生物発酵処理前と比較し抗酸化能の向上
が確認された。なお、Aspergillus shirousami 、Asper
gillus awamori 及びAspergillus niger で微生物発酵
処理を行った場合、Aspergillus saitoi を上回る抗酸
化性を有する発酵物が得られることが確認された。ま
た、発酵期間は5〜10日が最適との結果となった。
【0045】レモン搾汁残渣発酵物の中では、Aspergil
lus niger ATCC-10549 で7日間微生物発酵処理した区
分が最も高い抗酸化活性を示し、未発酵搾汁残渣と比較
し2倍近くまで抗酸化能が向上していることが確認され
た。Aspergillus awamori、Aspergillus shirousami 、
Aspergillus usami 、Aspergillus japonicus 及び Asp
ergillus saitoi でも微生物発酵処理前と比較し抗酸化
能の向上が確認された。なお、Aspergillus shirousami
、Aspergillus awamori、Aspergillus usami、Aspergi
llus japonicus 及び Aspergillus niger で微生物発酵
処理を行った場合、Aspergillus saitoi を上回る抗酸
化性を有する発酵物が得られることが確認された。ま
た、発酵期間は、Aspergillus niger を除き5〜10日
が最適との結果となった。
【0046】以上の結果から、アスペルギルス・サイト
イ(フェニシス)以外のアスペルギルス属黒麹菌、具体
的にはアスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・アワ
モリ、アスペルギルス・シロウサミ、アスペルギルス・
ウサミ及びアスペルギルス・ジャポニクスを用いて微生
物発酵処理を行うことにより、より高い抗酸化能を有す
るレモン果実及び搾汁残渣発酵物を得ることができるこ
とが確認された。
【0047】<レモン発酵物中の成分の確認>上記レモ
ン発酵物中に含まれる有効成分(代表的なフラバノン配
糖体、フラバノンアグリコン及び8−ヒドロキシヘスペ
レチン(8OH−HE))の含有量を以下の方法で確認
した。なお、前記含有量は、発酵原料の湿重量(Fresh
Weight)100gから生成された重量(mg)を示す
(以下、便宜的にmg/100gFWと記載する)。す
なわち、上記レモン発酵物(レモン果実及び搾汁残渣発
酵物抽出液)と、コントロールの未発酵物抽出液とをそ
れぞれ高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製LC
10A)を用いて、下記分析条件にて成分の分析を行
い、レモン果実及び搾汁残渣の微生物発酵処理前後にお
ける各有効成分の変動について確認を実施した。 Column : YMC-Pack ODS-A A303 (250x4.6mmI.D.) Mobile phase : 40%methanol-water Flow rate : 1ml/min Injection volume : 10μl Column Temperature: 40℃ 紫外吸光度 : λ=280nm なお、この試験では、先に我々が単離した8−ヒドロキ
シヘスペレチン(特願2001−73577の<ヘスペ
リジン変換物の製造>)及びエリオシトリンをそれぞれ
100ppm濃度でエタノール中に溶解させた標準サン
プルと、市販のフラバノン配糖体(ナリンジン、ナリル
チン、ネオエリオシトリン、ヘスペリジン、ネオヘスペ
リジン)、及び市販のアグリコン(ナリンゲニン、エリ
オディクティオール、ヘスペレチン)をそれぞれ100
ppmの濃度でエタノール又はジメチルスルフォキシド
(DMSO)中に溶解させた標準サンプルを作成し、こ
れら標準品を前記抽出液と同条件にて分析し、各抽出液
中における含有量(mg/100gFW)を定量した。
結果を上記表1に示す。
【0048】その結果、微生物発酵処理前の段階で各発
酵原料中にフラバノン配糖体は非常に多量に含まれてい
たものの、フラバノンアグリコン及び8−ヒドロキシヘ
スペレチンはほとんど存在していないことが確認され
た。さらに、同じ重量で比較すると果実よりも搾汁残渣
のほうがフラバノン配糖体をより高濃度で含んでいるこ
とから、フラボノイド変換を目的とする処理を行う場
合、搾汁残渣は非常に好適な発酵原料であるといえる。
【0049】この結果は、レモンの果実及び搾汁残渣に
アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・アワモリ等
の黒麹菌を接種し微生物発酵処理を進めていくことで、
レモン果実及び搾汁残渣(果皮、じょうのう膜及びさの
う)中に大量に存在するフラバノン配糖体が減少し、そ
の代わりにフラバノンアグリコンや8−ヒドロキシヘス
ペレチンの生成が見られたものと理解される。このフラ
バノン配糖体からフラバノンアグリコン、8−ヒドロキ
シヘスペレチンへの変換は、黒麹菌由来の酵素作用によ
りフラバノン配糖体(ヘスペリジン)についている糖が
切断されてフラバノンアグリコン(ヘスペレチン)にな
り、さらに生成されたフラバノンアグリコンの一部に黒
麹菌由来の酵素が働き水酸基が付加されて8−ヒドロキ
シヘスペレチンが生成されたものであると考えられる。
【0050】上記のように黒麹菌由来の酵素の働きによ
り、フラバノン配糖体から変換されたフラバノンアグリ
コン(エリオディクティオール)は、レモン発酵物の抗
酸化能を高め、かつ、体内への吸収性を向上させるとい
うメリットがあり、健康機能の向上に大きく寄与する。
さらにフラバノンアグリコン(ヘスペレチン)に水酸基
が付加された8−ヒドロキシヘスペレチンは、α−トコ
フェロール(ビタミンE)と同等以上の抗酸化能を有
し、レモン発酵物の抗酸化能をより一層高めることに寄
与する。
【0051】また、上記結果から、フラバノンアグリコ
ン及び8−ヒドロキシヘスペレチンの生成量が多いサン
プルでは、DPPHラジカル捕捉能もほぼ比例しつつ高
まる傾向が見られ、微生物発酵処理により生成されたフ
ラバノンアグリコン及び8−ヒドロキシヘスペレチン
は、レモン発酵物全体の抗酸化能にとって大きく寄与し
ていることが確認された。一部、合致しないデータもあ
るが、微生物を用いた発酵のため各サンプルで多少のバ
ラツキがある点を差し引けば、フラバノンアグリコン、
8−ヒドロキシヘスペレチンの変換効率の優れている菌
株(アスペルギルス・ニガー及びアスペルギルス・アワ
モリ)は、抗酸化能の評価とほぼ相関した結果が得られ
たといえる。
【0052】以上の結果から、抗酸化能の比較的低かっ
たフラバノン配糖体が、黒麹菌を用いて微生物発酵処理
することにより抗酸化能が高く体内吸収性に優れたフラ
バノンアグリコン及び8−ヒドロキシヘスペレチンに変
換されたことが確認された。さらに、その変換物を含有
するレモン発酵物は、非常に高い抗酸化作用を発揮し、
健康機能を著しく向上させる働きを有することが強く示
唆される。また、フラバノンアグリコンへの微生物変換
は、アスペルギルス・サイトイより、アスペルギルス・
ニガーやアスペルギルス・アワモリのほうが効率良く変
換されることも明らかとなった。
【0053】なお、本実施形態は、次のように変更して
具体化することも可能である。 ・ 発酵原料としてレモン果実から搾汁したレモン果汁
を用いてもよい。 ・ レモン発酵物中に、好ましくは1.5mg/100
gFW以上、より好ましくは3〜100mg/100g
FW、より一層好ましくは10〜50mg/100gF
W、さらに好ましくは10〜30mg/100gFWの
エリオディクティオールを含有するとよい。
【0054】・ レモン発酵物中に、好ましくは0.4
mg/100gFW以上、より好ましくは0.5〜10
0mg/100gFW、より一層好ましくは0.6〜3
0mg/100gFW、さらに好ましくは1.0〜20
mg/100gFWのヘスペレチンを含有するとよい。
【0055】・ レモン発酵物中に、好ましくは0.3
mg/100gFW以上、より好ましくは0.8〜20
mg/100gFW、さらに好ましくは1.0〜10m
g/100gFWの8−ヒドロキシヘスペレチンを含有
するとよい。
【0056】さらに、前記実施形態より把握できる技術
的思想について以下に記載する。 ・ 前記発酵原料よりも高い抗酸化活性を有することを
特徴とする請求項5に記載のレモン発酵物。
【0057】・ 前記発酵原料をレモン果実とすること
を特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の
レモン発酵物。 ・ 前記フラバノンアグリコンは、エリオディクティオ
ール、ヘスペレチン及びナリンゲニンから選ばれる少な
くとも1種であることを特徴とする請求項2から請求項
5のいずれかに記載のレモン発酵物。前記フラバノンア
グリコンは、エリオディクティオール及びヘスペレチン
であることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれ
かに記載のレモン発酵物。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような効果を奏する。本発明のレモン発酵物に
よれば、健康機能の向上作用を増大させてその付加価値
を高めることができる。また、本発明のレモン発酵物の
製造方法によれば、健康機能の向上作用を増大させてそ
の付加価値を高めることができるレモン発酵物を容易に
製造することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスペルギルス・ニガー(Aspergillus
    niger)又はアスペルギルス・アワモリ(Aspergillus a
    wamori)を用いて、レモン果実又はその一部からなる発
    酵原料を微生物発酵処理することによって得られるとと
    もに、8−ヒドロキシヘスペレチンを含有することを特
    徴とするレモン発酵物。
  2. 【請求項2】 前記発酵原料中よりも高濃度のフラバノ
    ンアグリコンを含有することを特徴とする請求項1に記
    載のレモン発酵物。
  3. 【請求項3】 アスペルギルス・ニガー(Aspergillus
    niger)又はアスペルギルス・アワモリ(Aspergillus a
    wamori)を用いて、レモン果実又はその一部からなる発
    酵原料を微生物発酵処理することによって得られるとと
    もに、前記発酵原料中よりも高濃度のフラバノンアグリ
    コンを含有することを特徴とするレモン発酵物。
  4. 【請求項4】 前記発酵原料をレモン果実から果汁を搾
    汁した後の搾汁残渣とすることを特徴とする請求項1か
    ら請求項3のいずれかに記載のレモン発酵物。
  5. 【請求項5】 抗酸化作用を有することを特徴とする請
    求項1から請求項4のいずれかに記載のレモン発酵物。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    のレモン発酵物の製造方法であって、 アスペルギルス・ニガー又はアスペルギルス・アワモリ
    を用いて、前記発酵原料を微生物発酵処理することを特
    徴とするレモン発酵物の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記微生物発酵処理に先立って、アスペ
    ルギルス・ニガー又はアスペルギルス・アワモリを含む
    培地を好気的条件下で振盪培養する予備培養処理を行っ
    た後、その予備培養処理後の培地を前記発酵原料に付着
    させて微生物発酵処理を行うようにしたことを特徴とす
    る請求項6に記載のレモン発酵物の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記微生物発酵処理を2〜14日間行う
    ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のレモン
    発酵物の製造方法。
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