JP2003102407A - 食物繊維ジャム及びマーマレード並びにそれらの製造法 - Google Patents

食物繊維ジャム及びマーマレード並びにそれらの製造法

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JP2003102407A JP2002189135A JP2002189135A JP2003102407A JP 2003102407 A JP2003102407 A JP 2003102407A JP 2002189135 A JP2002189135 A JP 2002189135A JP 2002189135 A JP2002189135 A JP 2002189135A JP 2003102407 A JP2003102407 A JP 2003102407A
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信久 川野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多種多様の添加物の使用を排した、低カロリー
の、加えて菓子パンなどに使用したときに加熱による融
解や溶け出しのないジャム及びマーマレードを提供する
こと。 【解決手段】150メッシュ通過の微粉グルコマンナ
ン、グルコマンナンの凝固剤および水の三者から作成し
たグルコマンナンの水和糊を加熱練りして作成したグル
コマンナンの不可逆的ゲルを原料の一部として使用して
作成したことを特徴とする食物繊維ジャム又はマーマレ
ード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グルコマンナンの
特性を活用した食物繊維ジャム及びマーマレード並びに
それらの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジャムに関しては、例えば、「ジャム類
とは、日本農林規格(JAS)によれば、果実、野菜ま
たは花弁を糖類とともにゼリー化するようになるまで加
熱したもの、およびそれにゲル化剤、酸味料、香料等を
加えたもの、となっている。その種類はジャム、マーマ
レード、ゼリー、プレザーブスタイルに分けられてい
る。ジャムはジャム類のうち、マーマレードおよびゼリ
ー以外のもの。マーマレードはジャム類のうち、柑橘類
の果実を原料としたもので、柑橘類の果皮が認められる
もの。ゼリーはジャム類のうち、果実等の搾汁を原料と
したもの。またプレザーブスタイルはジャムのうち、イ
チゴ、その他のベリー類の果実を原料とするものでは全
形の果実、ベリー類以外の果実等を原料とするものでは
5mm以上の厚さの果肉等の片を原料とし、その原形を
保持するようにしたものをいう、と定義されている。果
実等を用いてゼリー化させる必須条件には糖、酸、ペク
チンの3つの因子がある。糖は果実等の原料に含まれて
いる糖分だけではゼリー化のための条件を満たさないの
で糖を加える必要があるが、酸、ペクチンは果実等に含
まれている量が十分であれば添加する必要はない。しか
し、不足する場合は酸味料としてクエン酸、DL−酒石
酸、L−酒石酸及びDL−リンゴ酸を、ゲル化剤として
ペクチンおよびカラギナンが使用される。ジャムは本来
原料としての果実に含まれるペクチンで作られるもので
あったが、最近では果実より抽出したペクチン粉末が使
用できるためペクチン含量の少ない果実、野菜、バラ等
の花弁を利用したジャムが製造されるようになった。ジ
ャム原料には多くの種類の果実、野菜が利用されてい
る。わが国のジャムの生産量はイチゴを原料としたもの
が一番多く、その原料の大部分は冷凍イチゴが使用され
ている。ジャム類の糖濃度は従来のJASでは65%以
上となっていたが、低カロリー、低甘味志向の消費者動
向に合わせ平成2年9月の改正では、可溶性固形分(糖
度)が40%以上であることとなり、現在市販されてい
るものは従来より糖度が低いジャム類が多くなってい
る。」と解説されている(日本食品工業学会編「新版食
品工業総合事典」第603頁(株)光琳 平成5年発
行)。
【0003】また、マーマレードに関しては、例えば、
「ジャム類の1種で、日本農林規格(JAS)によれ
ば、柑橘類の果実を原料としたもので柑橘類の果皮が認
められるものをいう、とされている。マーマレードは最
初に作られた原料がマルメロ(Marumelo)であったこと
が語源とされている。わが国では一般に原料として、夏
ミカン、ダイダイ、キンカン、レモン、オレンジなどが
あるが、外国ではリンゴ、ナシなどのマーマレードもあ
る。しかし、わが国ではJASにより柑橘類に限定され
ている。また製品の糖濃度(可溶性固形分)は40%以
上となっている。原料としての柑橘類の果皮は、オレン
ジ色が濃く、適当に肉厚であまり苦味の著しくないもの
が望まれている。外皮を利用することから十分な洗浄が
必要で、洗浄後果皮を幅3mm前後の短冊形に切って水
煮にする。これを水洗後、内皮から抽出したペクチン液
及び果汁を混合し砂糖を加え濃縮してゼリー化させる。
多少苦味があるのが特徴である。」と解説されている
(同上事典第1210頁)。
【0004】上の引用の解説にあるように、果実を原料
とするジャムのゼリー形成に必須の原料は、砂糖、ペク
チンおよび酸の三成分が一定の割合に混合して成る。
【0005】例えば、イチゴジャムを作る場合、原料の
使用割合は、例えば、砂糖は、ヘタ取り除いた除蔕後の
イチゴ重量に対し、70〜80%、ペクチン0.3%、
クエン酸0.2%とすることができる。イチゴを除蔕し
たのち砂糖(総使用量の1/3)およびペクチンを加え
て果実の原形を保ちながら適当な硬さに加熱して濃縮す
る。濃縮を開始し、沸騰してから残り2/3の砂糖を2
回に分けて加える。最初から濃い糖液にすると果肉が収
縮し、液面に浮き上がる。これを防ぐため薄い糖液から
徐々に濃い糖液として果肉への糖の浸透を容易にする。
加熱時間が長いとアントシアン色素が退色するため加熱
時間は20分程とし、クエン酸は少量の水に溶解し、濃
縮終了と同時に添加し撹拌して均質化を図る。然して、
製品は真空密封し、例えば100℃で30分加熱殺菌す
る。
【0006】叙上のように、使用原料の品質や使用量の
割合等が異なるため、ジャムの製品造りは模造品(モド
キ)となり次第に停滞した。近時では増粘多糖類として
海藻類やガム類を使用し、着色料で色合いを整え香料を
付し、原材料名にはイチゴジャム、またはリンゴジャム
と表示する菓子パンが一部で見かけられるが、本来のジ
ャムとは程遠い製品内容である。
【0007】このようなジャムが内包されたいわゆる菓
子パンが市販されているが、翌日にはジャムから離水
し、これが欠点ともなっている。ジャムは菓子パンに、
またパン食に欠かせないバターにも匹敵する調味食材と
して希求されている。
【0008】従来ジャムは果肉を原形のまま、相当量の
砂糖を加え、濃く煮つめたもので主にパンの味つけとし
て用いられ、果実は原形を保つ必要がなく、混濁した状
態となっているのが普通で、品質にも格段の影響を及ぼ
すことがなく、これを補うため色、香り、食感などにつ
いて食品添加物を多用するに至り、原料コストの低減に
はなったが、見かけジャム風の製品が菓子パンに登場し
ている。
【0009】日本ではジャム製品の規定は前記の通りで
あるが、アメリカでは、果肉50%以上、その他50%
未満とする規定があり、可溶性物質の含量は68%に達
しなければならないとされている。さて、ジャムの原料
には全ての果実が用いられるが、日本ではイチゴ、リン
ゴ、アンズ、イチヂク、小果のブルーベリーなどがあ
る。果実の貯蔵法の一つとして発達したいわゆる粗製ジ
ャムは、パンの普及につれて需要拡大したが、今日の機
械化量産製造では食品添加物多用から、主原料の果実利
用は僅か20〜30%に低下し、澱粉や増粘多糖類のゲ
ル化剤やゼラチン等に置き換え、砂糖を原料の80%を
超えて使用し、着色料、香料等を利用するジャム様の製
品は、加熱する菓子パンには僅かに特殊利用されるのが
現状である。その主な原因はパンの焼成時に、当該ジャ
ムが溶け出しパン質が劣化するためである。それで、中
にはパンの成型時に、上部数箇所を切り分けて成型し、
発酵した後焼成し、焼成後にその切り分け口からジャム
を注入する方法によっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前項記載の従来技術の
背景下に、本発明は、多種多様の添加物の使用を排し
た、低カロリーの、加えて菓子パンなどに使用したとき
に加熱による融解や溶け出しのないジャム及びマーマレ
ードを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前項記載の目的を達成す
べく鋭意研究の結果、本発明者は果実の有効利用にも有
用なジャムの製造法に関し、時代の健康志向にも有意な
新規製造法として、例えば、パンの焼成時においても溶
出しないゼリー状のジャムを、グルコマンナンの活用に
よって作成することが出来るとの知見に基いて本発明を
完成した。
【0012】すなわち、本発明は、150メッシュ通過
の微粉グルコマンナン、グルコマンナンの凝固剤および
水の三者から作成したグルコマンナンの水和糊を加熱練
りして作成したグルコマンナンの不可逆的ゲルを原料の
一部として使用して作成したことを特徴とする食物繊維
ジャム又はマーマレード、および150メッシュ通過の
微粉グルコマンナン、グルコマンナンの凝固剤および水
の三者から作成したグルコマンナンの水和糊を加熱練り
して作成したグルコマンナンの不可逆的ゲルを、砂糖お
よび必要による酸味料ならびに加熱又は未加熱の、主原
料の果実又はこれに加えて果皮とともに混練して加熱す
ることを特徴とする食物繊維ジャム又はマーマレードの
製造法に関する。
【0013】換言すれば、近年のジャムにおける欠点を
改善すべくグルコマンナン(以下、単に「マンナン」と
記載することがある)を主原料とし、これに凝固剤およ
び適宜の副原料を加えて作成したマンナンの水和糊を加
熱練りしたもの(マンナンの不可逆的ゲル)を、果実及
び砂糖、酸味料などを適量添加混練した後、最終的に加
熱(殺菌)して完成する食物繊維ジャムに関する。
【0014】本発明のジャムは、果実を50%、少なく
とも40%以上使用することのできるジャムであって、
例えば砂糖40〜60%(現状では80〜90%)、酸
味料は調味効果目的に適量使用し、食物繊維グルコマン
ナンの不可逆的ゲルを相当量使用して最終的に加熱殺菌
することによりジャム形成を安定する。このジャムは加
熱によるも溶け出しがなく、製パンにも支障なく利用す
ることができる。さらに、ジャム製品として相当期間の
保存も、防腐剤無用で可能となる等、果実の有効利用に
も有用である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】先ず、マンナンの不可逆的ゲル作成につい
て述べる。
【0017】周知のように、水に溶解して得るマンナン
の水和ゲルはCa(OH)などのアルカリ性化合物
(凝固剤)と接触させて加温すると不可逆的凝固を完成
する。すなわち、弾性に富む日本の伝統的食品である蒟
蒻ができる。この蒟蒻は特有の臭(嫌忌臭)を内包する
特殊な食品で、然もpH11.0付近以上の高アルカリ
域は他に類例が無く我が国特有の食品である。今日の食
生活の多様化からこのような蒟蒻は毎年衰微し、異例の
アルカリ性食品は消滅の一途であり、その最たる原因は
一に嫌悪臭の存在と、食品中唯一の高アルカリ域は他に
存在しない欠点を持つ食品ゆえである。
【0018】この現実を直視しながら開発されたのが本
発明者の発明に係る特許第2619743号「即溶解性
グルコマンナン組成物」、及び特許第3023837号
「微粉グルコマンナン組成物並びにその製造法及び使用
方法」に係る微粉精製したマンナンである。
【0019】さて、本発明のジャムの製造方法で、マン
ナンの水和ゲル、延いてはその水和糊、最終的にはその
不可逆的ゲルの作成に使用するマンナンの粒度は、水に
溶解が早く且つ膨潤時間を不要ならしめるなどの見地か
ら150メッシュ通過が適し、好ましくは160メッシ
ュ通過、更に好ましくは180メッシュ通過である(微
粉マンナン)。
【0020】マンナンは、水に撹拌すると水和ゲルとな
り、これに凝固剤を加えると水和糊となり、これを加熱
すると不可逆的に変化してマンナンの不可逆的ゲルとな
る。
【0021】本発明のジャム又はマーマレード(以下、
両者に共通する説明は簡単のため単に「ジャム」として
説明することがある)の製造法において、微粉マンナン
を水に撹拌して水和ゲルを作成する水の量は、マンナン
が容易に溶解し且つ平衡状態になりやすい量であって、
この量はマンナン1重量部当たり約15〜45重量部、
好ましくは約18〜32重量部である。
【0022】水和ゲルを水和糊に変える凝固剤には特別
の制限はなく、従来の食用こんにゃくに使用されている
ものを使用することができる。凝固剤として、Ca(O
H) などのアルカリ性化合物を使用する時は、マンナ
ンに対してそのネトを防止し、且つ凝固するための適量
であって、更に特有の嫌忌臭を解消するなどの見地か
ら、マンナンに対して1〜4%、好ましくは2〜3%の
量で使用する。アルカリ剤は1種を単独に、又は2種以
上を別々に若しくは混合物として使用することもでき
る。
【0023】マンナンの水和糊は、微粉マンナンに凝固
剤および所望による多糖類などの副原料を予め粉体混合
しておき、これを水と混合撹拌して作成することもでき
る。混合撹拌開始の例えば5〜8分後には糊状を呈し、
微粉マンナンはすでに膨潤した状態になっており適正に
水和する。ここに至る過程において、水と接触し撹拌す
る時点の化学的変化により、鎖状のマンナン分子が水素
結合して会合体を生成しコロイド状となる。
【0024】因みに、前記した特許第2619743号
の「即溶解性グルコマンナン組成物」には予じめ凝固剤
を添加調整しておくことができ、また特許第30238
37号の「微粉グルコマンナン組成物」には凝固剤は添
加調整済であり、こられのマンナンが微粉精製されたも
のであることとも相まって、マンナンの水和進行と同時
に、特有の嫌忌臭を気化喪失せしめて解消することがで
き、以後再発はないので、本発明のマンナン水和糊を作
成するのに好ましいマンナンである。また、マンナンに
は、多糖類その他の副原料を併用することもできる(両
特許公報参照)。
【0025】このようにして作成されたマンナン水和糊
は、その後加熱によって不可逆的ゲル化する。かかる特
性を活用して、マンナン水和糊の糊状を解消するため、
例えば90℃付近で加熱練りして特有のネト解消をも図
り、最終的にマンナンの不可逆的ゲルである果肉状のジ
ャム質が生成せしめる。換言すれば、本発明のジャムの
製造において、マンナン水和糊を加熱しながら回し練り
することによりジャム状の不可逆的ゲルが完成する。
【0026】ここに至るマンナン活用においての注意点
は、従来の蒟蒻原料でもある精粉、又は蒟蒻芋から採取
したグルコマンナンは、如何に漂白され精製したもので
あっても、微紛化されていないために水に撹拌して膨潤
時間を凡そ50〜60分以上必要とするものは、次ぐ凝
固剤の添加混練を必須とするため、この時点に発生する
嫌忌臭は水和糊に包抱された状態で残留する。従って、
食材や食品への活用は不都合となる。然しながら、前記
特許に係わるような、マンナン組成物による食材利用で
は、特有の嫌忌臭解消が工程始めの水和と同時であり、
さらにマンナン水和糊の不可逆的凝固が加熱において完
成する。
【0027】次に、上に説明したようにして作成された
マンナンの不可逆的ゲルを使用した食物繊維ジャムの製
造法を説明する。
【0028】本発明の食物繊維ジャムの特徴は、マンナ
ンの不可逆的ゲルを原料の一部として使用することに特
徴があり、このことを除いては、その製造法は、ペクチ
ンが不要となる他は適宜従来のジャムの製造法に準ずる
ことができる。
【0029】従って、主原料の果実にも特別の制限がな
く、従来ジャムの原料に使用されていたものがそのまま
使用されることはもちろんである。ペクチンは、前記の
ように、糖および酸と相俟って主としてゼリー化のため
に使用されているのであるが、本発明のジャムの製造法
ではペクチンを使用しない。しかしながら、本発明のジ
ャムの製造法においても、糖を使用することはもちろん
のこと、酸味料としてクエン酸、酒石酸、リンゴ酸など
を必要に応じて使用することのできることはいうまでも
ない。その他、本発明の効果の妨げとならない範囲でそ
の他の調味料を使用することができる。
【0030】主原料の果実は、通常、喫食に適するよう
に加熱しておき(後掲実施例1および2参照)、これと
別途作成しておいたマンナンの不可逆的ゲルを混合す
る。前記のように、マンナンの不可逆的ゲルは、加熱に
おいて完成する。完成直後のマンナンの不可逆的ゲル
が、そのままの温度では混合相手の果実との均一混合が
困難などの不都合が生ずる場合は適当に冷却してから混
合することができる。
【0031】本発明のジャムの製造法においては、果実
はジュースの形態であってもよく、この場合はジュース
は、喫食に適するように事前に加熱することは不要であ
って(後掲実施例3参照)、別途作成したマンナンの不
可逆的ゲルを混合した後、殺菌を兼ねた加熱を行なうこ
とで充分である。
【0032】その他の原料、例えば酸味料の添加時期
も、製造の具体的場合に応じて適宜選ぶことができる
(後掲各実施例参照のこと)。
【0033】マンナンの不可逆的ゲル、果実、糖、酸味
料などの原料の使用割合については、当業者であれば目
的とする製品ジャムに求める甘さや、硬さなどの物性に
応じて適当な割合を選ぶことは容易である。
【0034】本発明のマーマレードの製造法は、果実だ
けでなく、これに加えて果皮をも使用することを除いて
は、上に説明した本発明のジャムの製造法に準じること
ができる。
【0035】本発明のグルコマンナンの不可逆的ゲルを
原料の一部として使用して作成された食物繊維ジャム又
はマーマレードには、上に説明した製造法とは異なる製
造法によって製造されたものも包含されることはいうま
でもない。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に説明する。
【0037】実施例1:イチゴジャム 160メッシュパスの微粉末に粉砕したマンナン1
0g、デキストリン10gおよびCa(OH) 0.
3g(合計20.3g)に水(20℃)を300g注加
し小型ホイッパーによって分散し、次にハンドミキサー
を使用し、その最小回転速度で4分間撹拌してマンナン
の水和糊320gを得た。次に、この水和糊をステンレ
ス鍋に約300g計取し、90℃付近でかき回しながら
約8分、均等に加熱練りした。始めは連続する糊状であ
ったが、加熱の終盤では特有の糊状を喪失し、コロイド
状のジャム状態(マンナンの不可逆的ゲル)となった
(マンナン部)。
【0038】 一方、除蔕したイチゴ200gおよび
グラニュー糖80gの3分の1量(計227g)をステ
ンレス鍋でアントシアン色素が退色しないよう注意して
約10分間90℃付近で加熱練りして濃縮した。この間
残りの(80gの3分の2量の)砂糖は2回に分けて添
加した。これに、クエン酸3gを水20gに溶解したも
のを濃縮終了と同時に添加した(イチゴ果実部)。
【0039】 次に、で作成したマンナン部とで
作成したイチゴ果実部とを90℃付近で約7〜8分間加
熱混練して目的のイチゴジャムを作成した。このジャム
から約500gを分取し蓋付きガラス瓶に収容した。
【0040】このイチゴジャムは、食物繊維を主体にイ
チゴ風味を活用するジャムで、低カロリーの、食品添加
物不使用の健康志向に応じる原料構成で完成した。
【0041】このイチゴジャムは、好ましいジャム体を
形成し、良好な性状であり、なお凡そ2か月後にこのジ
ャム約50gを瓶から取り出し、室温から冷蔵庫、そし
て冷蔵庫から室温へ移動して性状を調べたが、懸念の離
水は認められなかった。更に、電子レンジで適宜加熱し
たが溶出もなかった。
【0042】実施例2:リンゴジャム 実施例1のイチゴジャムの作成におけると同じ方法
でマンナンの水和糊320gを作成した。次に、この水
和糊約300gを計取し、実施例1における同様に加熱
練りしてマンナン特有のネトを解消したコロイド状のマ
ンナンの不可逆的ゲルを得た(マンナン部)。
【0043】 一方、紅玉リンゴ6個の皮をむき、こ
れらをスライスして1%食塩水に5分浸して褐変防止を
図り、次いで水200gを加え90℃付近で20分間蒸
煮し、これをフードミキサーの最小回転速度で20秒間
破砕し、次に網目の大きさ1.2〜1.8mmの裏漉し
器で裏漉ししてリンゴボイル約400gを得た。
【0044】 このリンゴボイルにその50%のグラ
ニュー糖200g、クエン酸3g、およびで得たマン
ナン部から分取した250gを添加混合して約850g
の混合物を得た。次に、耐熱瓶6本に各140gを充填
密封して、100℃で30分加熱殺菌して目的のリンゴ
ジャムを得た。
【0045】このものは、実施例1のイチゴジャム同様
に好ましいジャム体を形成し、良好な性状であり、なお
凡そ2か月後にこのジャム約50gを瓶から取り出し、
室温から冷蔵庫、そして冷蔵庫から室温へ移動して性状
を調べたが、懸念の離水は認められなかった。更に、電
子レンジで適宜加熱したが溶出もなかった。
【0046】実施例3:オレンジジャム 実施例1のにおけると同じく160メッシュパス
の微粉マンナン10g、デキストリン10gおよびCa
(OH)0.3g(合計20.3g)に水(20℃)
250gを注加し、小型ホイッパーで3分間撹拌してマ
ンナン特有の臭さを解消した水和糊270gを得た。次
に、これを90℃付近で8分間加熱練りして糊状を解消
し、好ましいジャム性状のマンナンの不可逆的ゲルを得
た(マンナン部)。
【0047】 市販のカリフォルニアオレンジ(米国
産)1個約330gを皮むきして内房約240gを取り
出し、内房の薄皮ごとフードミキサーの最小回転速度で
20秒破砕してジュース状とした(オレンジ部)。
【0048】 のオレンジ部240gにグラニュー
糖240gおよびクエン酸3gを添加した後、これに
のマンナン部270gから240gを分取して混練し、
オレンジジャム720g(未加熱品)を得た。次に、耐
熱瓶5本に各140gを充填密封して、100℃で30
分加熱殺菌して目的のオレンジジャムを得た。
【0049】このものは、実施例1のイチゴジャム同様
に好ましいジャム体を形成し、良好な性状であり、なお
凡そ2か月後にこのジャム約50gを瓶から取り出し、
室温から冷蔵庫、そして冷蔵庫から室温へ移動して正常
を調べたが、懸念の離水は見とめられなかった。更に、
電子レンジで適宜加熱したが溶出もなかった。
【0050】実施例4:マーマレード 実施例1のイチゴジャムの作成におけると同じ方法
によって、マンナン水和糊を経由してその不可逆的ゲル
(コロイド状のジャム状態となったもの)約300gを
得た(マンナン部)。
【0051】 一方、洗浄した夏蜜柑2個(約620
g)を各四つ切りし、更に各片を二つに切り分け、実の
小袋を皮から外した。皮は、その内側のあま皮の部分を
1mm程度そぎ取り、これをせん切りにし、ボールで塩
(小さじ1)揉みしてから2回水を取り替えて塩分を洗
い流し水気を切った。あま皮をそぎ取った後の黄色の皮
はこれを短冊状に切り、ボールで塩(小さじ1)揉みし
て柔らかくし、同じく2回水を取り替えて塩分を洗い流
した。次に、クエン酸2gを20gの水に溶いた溶液と
みかんの実の小袋の皮を取り除いたものをフードミキサ
ーに投入して20秒カットして果汁を得た。この果汁と
前記のせん切りにしたあま皮および短冊状に切った黄色
の皮を合体し、これに水100gにクエン酸2gを溶い
た溶液を添加し、次に、中火で約15分煮た後、砂糖3
00gを3回に分けて加え、弱火でアクをすくい取りな
がら約20分加熱して加熱濃縮物を得た(約800
g)。
【0052】 この加熱濃縮物にのジャム状のマン
ナン部300gを添加混練した約1,100gを、耐熱
用広口ビンに内容量180gで6本に充填し、各ビンを
98℃で30分間加熱殺菌処理してマーマレードを作成
した。
【0053】このマーマレードは、従来品と比べて約4
0%低カロリーで、さらには糖分やコロイド性状の調整
が製品構成に悪影響を及ぼさず、健康志向に応える物性
等の調整が可能である。
【0054】
【発明の効果】ジャムは果実を原形のままか、あるいは
果肉だけにしたものに、適当量の砂糖を加え、濃く煮詰
めたもので、果実は必ずしも原形を保つ必要はなく、崩
れて混濁した状態となっているのが普通である。従っ
て、果実の生産に於いて、ジャムによって果実の幅広い
有効利用が提供される。然しながら、果実以外の共用原
料には、ゼリー化したために寒天やクチン、さらには各
種の増粘多糖類が水と例えば1:1の割合で混合して使
用されている。このようなジャムは加熱により溶解して
不安定となり、結果的に離水して製品は劣化する。結果
的には量産製品の分野から消滅し、みかけがジャムもど
きの製品でつくろっている。
【0055】ここに於いて微粉砕したマンナンの活用か
ら、本発明は、ジャム製品の宿命的欠点である離水、特
に加熱によって溶失する不安定な副原料などの欠点をも
解消した。更にまた、多汁液の果実、例えばオレンジ類
(前掲実施例3)、ブドー、延いてはトマトなどもジャ
ムへの活用が可能となった。
【0056】本発明は、原料が加熱により溶失する欠点
を解消した結果、食品添加物(乳化剤、酸化防止剤、防
腐剤、着色料、香料、その他)の使用が不要となった。
さらには、マンナンの食材活用で、アルカリ域pHより
凝固するコロイドを完成し、次に酸性域で安定するに至
った本発明のジャムは、時代の健康志向にも応える低カ
ロリー、添加物フリーの新製品として誕生した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】150メッシュ通過の微粉グルコマンナ
    ン、グルコマンナンの凝固剤および水の三者から作成し
    たグルコマンナンの水和糊を加熱練りして作成したグル
    コマンナンの不可逆的ゲルを原料の一部として使用して
    作成したことを特徴とする食物繊維ジャム又はマーマレ
    ード。
  2. 【請求項2】150メッシュ通過の微粉グルコマンナ
    ン、グルコマンナンの凝固剤および水の三者から作成し
    たグルコマンナンの水和糊を加熱練りして作成したグル
    コマンナンの不可逆的ゲルを、砂糖および必要による酸
    味料ならびに加熱又は未加熱の、主原料の果実又はこれ
    に加えて果皮とともに混練して加熱することを特徴とす
    る食物繊維ジャム又はマーマレードの製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009045032A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Atsushi Kato プレザーブスタイルのヤーコンジャムおよびその製造方法
JP2017042162A (ja) * 2015-08-27 2017-03-02 ▲とう▼ 春燕Chunyan Deng ドリアンミルクジャム、及びその製造方法

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JP2009045032A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Atsushi Kato プレザーブスタイルのヤーコンジャムおよびその製造方法
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