JP2003101725A - スキャナ及びカラー画像形成装置 - Google Patents

スキャナ及びカラー画像形成装置

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JP2003101725A
JP2003101725A JP2001286721A JP2001286721A JP2003101725A JP 2003101725 A JP2003101725 A JP 2003101725A JP 2001286721 A JP2001286721 A JP 2001286721A JP 2001286721 A JP2001286721 A JP 2001286721A JP 2003101725 A JP2003101725 A JP 2003101725A
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JP2001286721A
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English (en)
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Tokuo Iriyama
徳夫 入山
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のラインセンサを備えるスキャナにて、
モノクロ原稿の読み取り動作に必要な所要時間を短縮し
たスキャナを提供することを目的とする。 【解決手段】 画素サイズのM倍のライン間隔で配置し
たN本のイメージセンサを備え、カラー画像読み取り動
作時に所定の副走査速度によって前記イメージセンサと
原稿とが相対的に移動し、各イメージセンサが対応する
副走査位置の画像を読み取るスキャナで、モノクロ画像
読み取り動作での副走査速度をカラー画像読み取り動作
での副走査速度のN倍に切り換える。但しNとMはそれ
ぞれ互いに素の整数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数ラインを備え
るカラーイメージセンサを用いて原稿画像データの読み
取りを行うスキャナ、及び当該スキャナを備えていてデ
ジタル方式によってカラー画像形成を行うカラー画像形
成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】3ラインカラーイメージセンサを搭載し
たカラースキャナが知られている。3ラインカラーイメ
ージセンサでは3本の一次元イメージセンサ(ラインセ
ンサ)が平行に配置され、それぞれのセンサにはRed
(R)、Blue(B)、Green(G)のフィルタ
が設けられていて、読み取った画像の色分解を行ってい
る。
【0003】各ラインとも、フィルタで隠された部分に
光電変換素子が一列に配列されている。当該配列の向き
が主走査方向である。
【0004】そしてカラースキャナは、読み取り光学系
を移動したり、原稿を移動したりすることで副走査を実
行し、ラインセンサ上に結像した像を光電変換素子で光
電変換して、所定タイミング毎に主走査方向の一列分の
各画素毎のアナログ電気信号を得て順次出力する。画素
毎のアナログ電気信号はA/Dコンバータでデジタルデ
ータに変換される。
【0005】そして、読み取りライン毎に斯様な動作を
繰り返して、ページ毎のデジタル画像データを得る。
【0006】原稿画像データを読み取ってデジタル処理
を行い、転写紙上にカラー画像を形成するようにしたカ
ラー画像形成装置では、装置の上面側に実質的にカラー
スキャナと同等なカラー画像読取装置を設けて、原稿画
像の読み取りを行っている。読み取られたデジタル画像
データは、一旦メモリに記憶され、カラー画像形成装置
はメモリからデジタル画像データを呼び出して電子写真
法などの方式で出力することにより画像形成を実行す
る。
【0007】斯様なカラースキャナでモノクロ原稿を読
み取る場合には、各ラインセンサが黒色を分解して、色
毎の画像データを得た上で、ページ分のデジタル画像デ
ータを各色毎の画素毎の階調値に基づいて、黒色の階調
データに変換して、これを出力して黒の画像を再現す
る。
【0008】一旦、色毎に分解して得た画像データから
黒色の画像を再現する場合、色材のごくわずかな位置ズ
レなどが原因となって、色のにじみが観察されることが
ある。従って、モノクロ原稿の複写を実行する場合に
は、ユーザが設定ボタンを切り換えて、Kのトナーを用
いる画像形成だけを実行して、色のにじみの問題を避け
る構成のカラー複写機が知られている。
【0009】又、Y、M、C、Kの4色のトナーを用い
てカラー画像を形成するカラー画像形成装置であって、
4色同時に画像を形成しないで、各色の画像を個別に形
成する形式のカラー画像形成装置がある。斯様なカラー
画像形成装置の例としては、モノクロ画像の形成時には
Kのトナーを用いる画像形成だけを実行することで、画
像形成の所要時間を約1/4に短縮する構成のカラー複
写機が知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述のようにKのトナ
ーを用いる画像形成だけを実行するカラー画像形成装置
では、更に、スキャナの読み取りに必要な動作時間の短
縮により、全体の制御負荷を軽減することが望まれてい
る。
【0011】例えば、読み取ったN枚の原稿を縮小コピ
ーして、1枚の記録紙に纏めて納めるいわゆるNin1
の合成出力を実行する機能を備えている画像形成装置で
は、スキャナ側の読取速度とプリンタ側の記録速度が同
一の場合に、プリンタ側が、スキャナ側でのN枚の読み
込みが完了するまで待機することになるとの問題があ
る。この問題も、スキャナの読み取りに必要な動作時間
の短縮により解決が見込まれる例である。
【0012】そこで本発明は、複数のラインセンサを備
えるスキャナにて、モノクロ原稿の読み取り動作に必要
な所要時間を短縮したスキャナを提供することを目的と
する。
【0013】又、複数のラインセンサを備えるスキャナ
を備えたカラー画像形成装置にて、モノクロ原稿の読み
取り動作に必要な所要時間を短縮したカラー画像形成装
置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は請求項1
に記載の画像形成装置によって解決できる。即ち、請求
項1に記載のスキャナは、画素サイズのM倍のライン間
隔で配置したN本のイメージセンサを備え、カラー画像
読み取り動作時に所定の副走査速度によって前記イメー
ジセンサと原稿とが相対的に移動し、各イメージセンサ
が対応する副走査位置の画像を読み取るスキャナであっ
て、モノクロ画像読み取り動作とカラー画像読み取り動
作とを切り換える切換手段と、モノクロ画像読み取り動
作での副走査速度をカラー画像読み取り動作での副走査
速度のN倍に切り換える駆動制御手段と、各イメージセ
ンサの出力タイミングを補正して副走査方向の時間ズレ
を補正するタイミング補正手段と、読み取られた画像デ
ータを記憶する画像データ記憶手段と、各イメージセン
サの出力の順に基づき、前記画像データ記憶手段への画
像データの格納順又は前記画像データ記憶手段からの画
像データの出力順を変更するメモリアクセス制御手段と
を備えることを特徴とする。(但し、NとMはそれぞれ
互いに素の整数である。)請求項1に記載のスキャナに
よれば、モノクロ原稿の読み取り動作に必要な所要時間
を短縮できた。
【0015】又、本発明の課題は請求項4に記載の画像
形成装置によって解決できる。即ち、請求項4に記載の
スキャナは、画素サイズのM倍のライン間隔で配置した
N本の一次元イメージセンサを備え、カラー画像読み取
り動作時に所定の副走査速度によって前記イメージセン
サと原稿とが相対的に移動し、各イメージセンサが対応
する副走査位置の画像を読み取るスキャナ部を備えたカ
ラー画像形成装置であって、モノクロ画像読み取り動作
とカラー画像読み取り動作とを切り換える切換手段と、
モノクロ画像読み取り動作での副走査速度をカラー画像
読み取り動作での副走査速度のN倍に切り換える駆動制
御手段と、各イメージセンサの出力タイミングを補正し
て副走査方向の時間ズレを補正するタイミング補正手段
と、読み取られた画像データを記憶する画像データ記憶
手段と、各イメージセンサの出力の順に基づき、前記画
像データ記憶手段への画像データの格納順又は前記画像
データ記憶手段からの画像データの出力順を変更するメ
モリアクセス制御手段とを備えることを特徴とする。
(但し、NとMはそれぞれ互いに素の整数である。)請
求項4に記載のカラー画像形成装置によれば、モノクロ
原稿の読み取り動作に必要な所要時間を短縮できた。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形
態に係るスキャナ(画像読取装置)を使用した画像形成
装置の一例であるカラー複写機の構成を説明するための
正面図である。
【0017】画像形成装置本体GHは、タンデム型カラ
ー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成
部10Y、10M、10C、10Kと、ベルト状の中間
転写体6と給紙搬送手段及び定着装置24とを有する。
【0018】イエロー色の画像を形成する画像形成部1
0Yは、像形成体としての感光体1Yの周囲に配置され
た帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y及びクリ
ーニング手段8Yを有する。マゼンタ色の画像を形成す
る画像形成部10Mは、像形成体としての感光体1M、
帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M及びクリー
ニング手段8Mを有する。シアン色の画像を形成する画
像形成部10Cは、像形成体としての感光体1C、帯電
手段2C、露光手段3C、現像装置4C及びクリーニン
グ手段8Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部1
0Kは、像形成体としての感光体1K、帯電手段2K、
露光手段3K、現像装置4K及びクリーニング手段8K
を有する。帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2M
と露光手段3M、帯電手段2Cと露光装置3C及び帯電
手段2Kと露光装置3Kとは、潜像形成手段を構成す
る。
【0019】中間転写体6は、無端状のベルトであり、
複数のローラにより張架され、回動可能に支持されてい
る。
【0020】画像形成部10Y、10M、10C及び1
0Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写体
6上に転写手段7Y、7M、7C及び7Kにより逐次転
写されて(1次転写)、合成されたカラー画像が形成さ
れる。給紙カセット20内に収容された用紙Pは、給紙
手段21により給紙され、給紙ローラ22A、22B、
22C、レジストローラ23等を経て、転写手段7Aに
搬送され、用紙P上にカラー画像が転写される(2次転
写)。カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置24
により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外
の排紙トレイ26上に載置される。
【0021】一方、転写手段7Aにより用紙Pにカラー
画像を転写した後、用紙Pを分離した中間転写体6は、
クリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
【0022】5Y、5M、5C、5Kは、現像装置4
Y、4M、4C、4Kにそれぞれ新規トナーを補給する
トナー補給手段である。
【0023】画像形成装置本体GHの上部には、自動原
稿送り装置201と原稿画像走査露光装置202からな
る画像読取装置YSが設置されている。画像読取装置Y
Sは本発明のスキャナの一例である。自動原稿送り装置
201の原稿台上に載置された原稿Fは搬送手段により
搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により
原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメ
ージセンサCCDに読み込まれる。
【0024】ラインイメージセンサCCDにより光電変
換されたアナログ信号は、画像処理部において、アナロ
グ処理、A/D変換、空間フィルタによる画像処理、画
像圧縮処理等を施され、画像書き込み部(露光手段)3
Y、3M、3C、3Kは処理された画像データに基づい
て色毎に走査露光を実行する。
【0025】自動原稿送り装置201は自動両面原稿搬
送手段を備えている。この自動原稿送り装置201は原
稿載置台上から給送される多数枚の原稿dの内容を、連
続して一挙に読み取り、記憶手段に蓄積することが可能
であるから(電子RDH機能)、複写機能により多数枚
の原稿内容を複写する場合、或いはファクシミリ機能に
より多数枚の原稿dを送信する場合等に便利に使用され
る。
【0026】まず、自動原稿送り装置201によって搬
送された原稿の読み取りについて概略の説明を行う。原
稿載置台21上に原稿を載置して、ユーザが画像読取装
置本体10の前面に設けられた操作パネルの読み取り開
始ボタン(図示せず)を押圧することにより、読み取り
開始を指示する。
【0027】読み取り開始の指示を受けると、搬送手段
が原稿載置台21に載置された原稿を原稿台11へと搬
送する。即ち、原稿載置台21に載置された原稿は送出
ローラ群23によって1枚ずつ分離されて送り出され、
読取ドラム24によって搬送され、原稿台11上の読取
位置まで原稿は搬送されて停止する。
【0028】原稿台11上の読取位置に原稿が停止する
と、原稿に対して主走査方向(図1において紙面垂直方
向)に伸びる線状光源であるランプ14によって原稿面
への光照射が行われる。原稿から反射した光は、光路形
成用ミラーである第1ミラー15、Vミラー16を介し
て結像手段であるレンズ17によって原稿画像の撮像手
段である3ラインカラーイメージセンサ18上に結像す
る。3ラインカラーイメージセンサ18は主走査方向に
伸びる1ライン単位での原稿画像の読み取りを実行し
て、色毎にアナログ電気信号を出力する。
【0029】又、原稿画像の読み取りに当ってはランプ
14及び第1ミラー15は一体となって主走査方向と直
交する副走査方向(図1において右方向)に移動すると
共に、Vミラー16はランプ14及び第1ミラー15の
移動速度の1/2の移動速度で同方向に移動するよう構
成されている。従って、原稿台11上の原稿に対して、
ランプ14と光路形成用ミラー群が副走査方向に移動す
ることにより原稿の全面を走査することができ、原稿か
ら反射した光は同一光路長が維持されながら3ラインカ
ラーイメージセンサ18によって原稿の1枚分の読み取
りが行われる。
【0030】図2は3ラインカラーイメージセンサ18
の上面図である。3ラインカラーイメージセンサ18は
いわゆるCCDリニアイメージセンサであり、カラース
キャニング用途向けとして、赤色の光学フィルタに覆わ
れたイメージセンサ18Rと、緑色の光学フィルタに覆
われたイメージセンサ18Gと、青色の光学フィルタに
覆われたイメージセンサ18Bとの合計3チャンネルの
センサを備えている。
【0031】イメージセンサ18R、イメージセンサ1
8G、イメージセンサ18Bの感光部には、それぞれ、
10μm角前後のサイズの数千個のフォトセンサが一列
に配置してあり、斯様な列の長手方向が原稿読み取りの
主走査方向となる。図にはイメージセンサ18B、18
G、18Rの両端近くのフォトセンサ(符号無し)を表
示し、大半は又、イメージセンサ18R、イメージセン
サ18G、イメージセンサ18Bは互いに平行で、イメ
ージセンサ18Rとイメージセンサ18Gとの間隔、及
びイメージセンサ18Gとイメージセンサ18Bとの間
隔は等間隔(約40μm)である。なお、イメージセン
サの間隔(ライン間隔)dは、フォトセンサの画素の中
心から、隣のイメージセンサの備えるフォトセンサの画
素の中心までの距離である。イメージセンサの幅wと前
記間隔dとの比は正確に、w:d=1:4である。従っ
て、図3に示すように、3ラインカラーイメージセンサ
18は、その表面に結像した像を4ライン毎に読み取る
ように動作する。
【0032】図3は、3ラインカラーイメージセンサ1
8に、仮想的に読み取りラインを重ねて示した模式図で
ある。読み取りラインL0からL8と3ラインカラーイ
メージセンサ18との相対的な移動は、3ラインカラー
イメージセンサ18を図中で固定とした時に、各読み取
りラインが副走査方向を向いた矢印Aの向きに移動する
状態となる。
【0033】図2、図3では3ラインカラーイメージセ
ンサ18の各端子(制御パルスの入力端子や、画像信号
の出力端子など)は省略しているが、3ラインカラーイ
メージセンサ18は一般的に良く知られたCCDリニア
イメージセンサの動作の通り、主走査方向に並んだフォ
トセンサの順に、画素に対応するアナログ信号を出力す
る。
【0034】次に本実施の形態のカラー複写機で、原稿
の読み取りから露光までを処理する制御ブロックについ
て図4から図6を用いて説明する。
【0035】図4は、原稿の読み取りから、画像の書き
込みまでの電気的な制御を説明する制御ブロック図であ
る。
【0036】制御部40はR、G、Bに分解して読み取
った画像信号を処理する前段と、Y、M、C、Kの画像
信号に変換した後の後段に分かれており、前段は3チャ
ンネルの処理系を備え、後段は4チャンネルの処理系を
備えている。前段のチャンネルChRは赤色信号を処理
する系、ChGは緑色信号を処理する系、ChBは青色
信号を処理する系である。又、後段のチャンネルChY
はイエロー信号を処理する系、チャンネルChMはマゼ
ンタ信号を処理する系、チャンネルChCはシアン信号
を処理する系、チャンネルChKはブラック信号を処理
する系である。
【0037】まず、前段の処理を説明する。3ラインカ
ラーイメージセンサ18は一般的に良く知られたCCD
リニアイメージセンサの動作の通り、読み取りパルスを
受けとると、各イメージセンサでそれぞれ同時に、各フ
ォトセンサのアナログ的な出力信号をシフトゲート(不
図示)でホールドし、続いて読み出しパルスに応じてC
CDアナログシフトレジスタ(不図示)で順次、出力端
子(不図示)から送り出す。3ラインカラーイメージセ
ンサ18は3系統の出力端子を備えていて、赤色アナロ
グ信号を出力する出力端子はチャンネルChR、緑色ア
ナログ信号を出力する出力端子はチャンネルChG、青
色アナログ信号を出力する出力端子はチャンネルChB
に接続されている。
【0038】各チャンネルChR、ChG、ChBは同
等の処理を実行するので、チャンネルChRの例を代表
として説明する。
【0039】チャンネルChRは、アナログ信号処理ブ
ロック41R、補正処理ブロック42R、メモリアクセ
ス制御ブロック43Rを備えている。
【0040】アナログ信号処理ブロック41Rは、赤色
アナログ信号をA/D変換して、対応するデジタル画像
信号を出力し、補正処理ブロック42Rへ送る。
【0041】補正処理ブロック42Rは、シェーディン
グ補正部、タイミング補正部、γ補正部、変倍処理部、
空間フィルタ処理部を備え、アナログ信号処理ブロック
41Rから入力されたデジタル画像信号に対して、シェ
ーディング補正、タイミング補正、γ補正、変倍処理、
空間フィルタ処理などの処理を、順次実行する。
【0042】シェーディング補正部で実行するシェーデ
ィング補正は露光光源と光学系のムラや、各フォトセン
サのバラツキを補正するための良く知られた処理である
ので、詳細な説明は省略する。
【0043】タイミング補正部は本発明のタイミング補
正手段の一例であり、各ラインセンサが同一のラインを
別のタイミングで読み取ることで発生する幅走査方向の
時間ズレを補正する制御である。本実施の形態のカラー
複写機でカラー画像を出力する場合のタイミング制御の
概念を表1と表2を用いて説明し、モノクロ画像を出力
する場合のタイミング制御の概念を表3と表4を用いて
説明する。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】表1はカラー画像を出力する際における、
タイミング補正前のデジタル画像信号の概念を説明する
ものであり、表2はカラー画像を出力する際における、
タイミング補正後のデジタル画像データの概念を説明す
るものである。
【0047】表1で縦にとったL0、L1・・・L1
3、L14は、読み取りラインに0から始まる番号を付
けて示したものである。副走査方向の先頭側のラインか
ら順に、番号をふってある。図1で横にとったT1、T
2・・・T10、T11は、前述の読み取りパルス(各
フォトセンサのアナログ的な出力信号をシフトゲートで
ホールドするタイミングを決めるパルス)を、時間順に
並べたものである。当該読み取りパルスに対応して読み
取られるラインには、読み取りパルスTmとラインLn
との交点にR、G、Bと示してある。Rと記入されてい
れば、イメージセンサ18Rで読み取りが実行され、G
と記入されていればイメージセンサ18Gで読み取りが
実行され、Bと記入されていればイメージセンサ18B
で読み取りが実行される。
【0048】即ち、読み取りパルスT1に対応して、イ
メージセンサ18RはラインL0を、イメージセンサ1
8GはラインL4を、イメージセンサ18BはラインL
8を読み取り、読み取りパルスT2に対応して、イメー
ジセンサ18RはラインL1を、イメージセンサ18G
はラインL5を、イメージセンサ18BはラインL9を
読み取る。一般化すれば、ラインLnと読み取りパルス
Tm(m、nは自然数)との関係について、パルスTm
の時にイメージセンサ18Rが読み取るラインLnは、
n=m−1、イメージセンサ18Gが読み取るラインL
nは、n=m+3、イメージセンサ18Bが読み取るラ
インLnは、n=m+7となる。斯様な関係のラインL
nは読み取りパルスTmに対する副走査位置にある。
【0049】同一のパルスTmに対して読み取るライン
Lnが4ラインずつずれているのは、イメージセンサの
幅wと前記間隔dとの比が、w:d=1:4であること
に起因する。
【0050】次に各チャンネルのデジタル画像データの
時間ズレとタイミング補正について説明する。
【0051】カラー画像を再現するには、ラインLnに
ついての、イメージセンサ18R、イメージセンサ18
G、イメージセンサ18Bのデジタル画像データが揃う
必要がある。ところが、表1で説明したように、ライン
L0からラインL3はイメージセンサ18Rが読み取る
だけでイメージセンサ18G、イメージセンサ18Bの
デジタル画像データは得られなし、ラインL4からライ
ンL7はイメージセンサ18Rとイメージセンサ18G
とが読み取るもののイメージセンサ18Bのデジタル画
像データは得られない。従って、本実施の形態では、L
8以降のラインについて、カラー画像の再現が可能とな
る。
【0052】又、ラインL8に着目すると、読み取りパ
ルスT1に対応してイメージセンサ18Bの読み取りが
実行され、読み取りパルスT5に対応してイメージセン
サ18Gの読み取りが実行され、読み取りパルスT9に
対応してイメージセンサ18Rの読み取りが実行される
ので、各色毎のデジタル画像データ同士に4パルス分の
タイミングのズレ(以下、時間ズレという)が発生して
いることが判る。
【0053】従って、表2に示すようにイメージセンサ
18Bの出力とイメージセンサ18Gの出力とを遅延さ
せて、イメージセンサ18Rの出力のタイミングと合わ
せる必要がある。
【0054】出力のタイミングを合わせるには、イメー
ジセンサ18Bとイメージセンサ18Gの出力を遅延す
れば良く、チャンネルChB、チャンネルChGのデジ
タル画像データを不図示のバッファに一旦蓄積して、表
2に示すように、チャンネルChBは読み取りパルスT
1から8パルスを遅延させ、チャンネルChGは読み取
りパルスT5から4パルス分を遅延させて、チャンネル
ChR(読み取りパルスT9)とのタイミングを揃え
る。
【0055】斯様なタイミング補正を実行することで、
ライン状のイメージセンサ同士の副走査方向の時間ズレ
が補正される。
【0056】そして、図4に示す補正処理ブロック42
Bでは、デジタル画像データに対して前述の通り読み取
りパルス基準で8パルス分の遅延を実行し、補正処理ブ
ロック42Gでは、デジタル画像データに対して前述の
通り読み取りパルス基準で4パルス分の遅延を実行し、
補正処理ブロック42Rでは、デジタル画像データに対
して遅延を実行しないようにすることが、カラー画像形
成の場合のタイミング補正処理となる。
【0057】表3はモノクロ画像を出力する際におけ
る、タイミング補正前のデジタル画像信号の概念を説明
するものであり、表4はモノクロ画像を出力する際にお
ける、タイミング補正後のデジタル画像データの概念を
説明するものである。
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】読み取りラインのラインL0、L1・・・
L16、L17と、読み取りパルスT1、T2・・・T
5、T6と、読み取りパルスTmとラインLnの交点に
記入したR、G、Bとの記載とは、表1、表2と同様で
ある。
【0061】本実施の形態では、モノクロ画像読み取り
動作時には、カラー画像読み取り動作での副走査速度を
3倍に速度を上げて読み取りを実行し、その一方で、読
み取りパルスTmの間隔は変更しない。
【0062】即ち、読み取りパルスT1に対応して、イ
メージセンサ18RはラインL0を、イメージセンサ1
8GはラインL4を、イメージセンサ18BはラインL
8を読み取り、読み取りパルスT2に対応して、イメー
ジセンサ18RはラインL3を、イメージセンサ18G
はラインL7を、イメージセンサ18BはラインL11
を読み取る。一般化すれば、ラインLnと読み取りパル
スTm(m、nは自然数)との関係について、パルスT
mの時にイメージセンサ18Rが読み取るラインLn
は、n=3m−3、イメージセンサ18Gが読み取るラ
インLnは、n=3m+1、イメージセンサ18Bが読
み取るラインLnは、n=3m+5となる。
【0063】同一のパルスTmに対して各イメージセン
サ18R、18G、18Bが読み取るラインが4ライン
ずつずれているのは、イメージセンサの幅wと前記間隔
dとの比が、w:d=1:4であることに起因する。
又、1本のイメージセンサに着目した時に、パルスTm
毎に3ライン幅を1ラインとして読み取るのは、カラー
画像読み取りの条件に対してモノクロ画像読み取りの条
件では、副走査速度が3倍であることに起因する。
【0064】次に各チャンネルのデジタル画像データの
時間ズレとタイミング補正について説明する。
【0065】モノクロ画像の読み取り時には、各チャン
ネルChR、ChG、ChBでは、3ラインカラーイメ
ージセンサ18が備える各イメージセンサ18R、18
G、18Bからの出力をモノクロ画像データ、即ち同じ
色を再現すべきデジタル画像データと見なして処理を実
行する。ところが、表3で示すように、ラインL1、ラ
インL2、ラインL5は全く読み取られないので、本実
施の形態では、L6以降のラインについて、モノクロ画
像の再現が可能となる。
【0066】表3で、ラインL6、L7、L8に着目す
ると、読み取りパルスT1に対応してイメージセンサ1
8BによるL8の読み取りが実行され、読み取りパルス
T2に対応してイメージセンサ18GによるL7の読み
取りが実行され、読み取りパルスT3に対応してイメー
ジセンサ18RによるL6の読み取りが実行される。こ
のことから、原稿上の副走査方向のラインの並び順に対
して、読み取られる際の時間的な順番が逆転してライン
L8、L7、L6となっていることが判る。
【0067】詳しくは、ラインL6に対してラインL7
は1パルス分、ラインL6に対してラインL8は2パル
ス分先行して読み取られているので、タイミングのズレ
(以下、時間ズレという)が発生していることが判る。
【0068】従って、表4に示すようにイメージセンサ
18Bの出力とイメージセンサ18Gの出力とを遅延さ
せて、イメージセンサ18Rの出力のタイミングと合わ
せる必要がある。
【0069】出力のタイミングを合わせるには、イメー
ジセンサ18Bとイメージセンサ18Gの出力を遅延す
れば良く、チャンネルChR、チャンネルChGのデジ
タル画像データを不図示のバッファに一旦蓄積して、表
4に示すように、チャンネルChBは読み取りパルスT
mから2パルスを遅延させ、チャンネルChGは読み取
りパルスT5から1パルス分を遅延させて、チャンネル
ChRとのタイミングを揃える。すると、L6以下、L
7、L8、L9、L10、L11・・・という並びの順
が復元される。
【0070】斯様なタイミング補正を実行することで、
ライン状のイメージセンサ同士の副走査方向の時間ズレ
が補正され、副走査方向のラインの並び順が復元され
る。
【0071】そして、図4に示す補正処理ブロック42
Bでは、デジタル画像データに対して前述の通り読み取
りパルス基準で2パルス分の遅延を実行し、補正処理ブ
ロック42Gでは、デジタル画像データに対して前述の
通り読み取りパルス基準で1パルス分の遅延を実行し、
補正処理ブロック42Rでは、デジタル画像データに対
して遅延を実行しないようにすることが、モノクロ画像
形成の場合のタイミング補正処理となる。
【0072】又、本実施の形態では、イメージセンサの
幅wと前記間隔dとの比が、w:d=1:4であるか
ら、ライン間隔が画素サイズの4倍となっている。更
に、3ラインカラーイメージセンサ18は3本のイメー
ジセンサを備えており、ライン間隔を示す数値である4
とイメージセンサの本数を示す数値である3とは互いに
素の整数である。斯様な条件では、カラー画像の読み取
り時に対して、モノクロ画像の読み取り時にはイメージ
センサの本数を示す数値である3に基づき、3倍の副走
査速度で読み取りを実行しても、幅走査方向の読み取り
密度を維持できるので、3倍の速度での読み取りが可能
となる。
【0073】この関係を一般化すると、値Mについて、
ライン間隔が画素サイズのM倍として、値Nについて、
複数ラインのイメージセンサを備えるカラーイメージセ
ンサでのイメージセンサの本数をN本とした場合に、幅
走査速度をN倍として読み取りが実行できる。
【0074】再び図4に戻って説明する。補正処理ブロ
ック42Rで、γ補正は読み取る原稿の濃度に対する読
み取り系の出力濃度が非線形に変化する関係を逆補正す
るための良く知られた処理であるので、詳細な説明は省
略する。
【0075】なお、本実施の形態ではカラー画像形成時
に、3ラインカラーイメージセンサ18の備えるイメー
ジセンサ18R、イメージセンサ18G、イメージセン
サ18Bにより読み取ったデジタル画像データをモノク
ロ画像データとして見なす。その際、イメージセンサ1
8R、18G、18Bの備える光学フィルタや、原稿面
への光照射を行うランプ14の特性により、同一の原稿
を読み取った場合でも出力値がばらつく可能性があるの
で、シェーディング補正及びγ補正により、斯様なバラ
ツキを押さえるように補正を行うことが望ましい。即
ち、補正処理ブロック42R、42G、42Bは本発明
の光学特性補正手段の一例であり、スキャナの光学特性
を補正して、同一の原稿に係る各イメージセンサ18
R、18G、18Bからの出力特性を等しくするもので
ある。斯様に光学特性を補正するので、モノクロ画像形
成時にライン毎のバラツキを抑える事が可能となる。
【0076】変倍は縮小・拡大処理するための良く知ら
れた処理であるので、詳細な説明は省略する。拡大縮小
処理は、原稿と記録紙のサイズを自動調整する場合、N
in1の合成出力をする場合などには自動的に実行し、
他にはユーザが明示した場合に実行するものであり、縮
小・拡大処理は実行しない場合もある。
【0077】空間フィルタ処理は着目画素周辺の画素の
情報を参酌してスムージングやエッジ強調処理などの良
く知られた画像処理を実行するものである。
【0078】本実施の形態では、モノクロ画像を出力す
る際に、次のようなエッジ強調処理を実行する。
【0079】図5は空間フィルタによるエッジ強調処理
を説明する概念図である。本実施の形態では副走査方向
の同一画素に着目して、モノクロ画像の読み取り時に
は、次のような空間フィルタ処理を実行する。
【0080】表3、表4の説明に従って並び順を復元し
たモノクロのデジタル画像データは、副走査速度を3倍
に上げて読み取ったものであるから、あたかもカメラで
流し撮りを行ったかの如く、副走査方向に画像のボケが
発生して画像が劣化している。
【0081】このボケは、元信号に後述の数2の空間フ
ィルタにより平滑化処理する形により近似可能である。
そこで本実施の形態では、斯様な画像のボケを数1のよ
うな空間フィルタによるエッジ強調処理によって補正す
る。
【0082】
【数1】
【0083】
【数2】
【0084】数2の空間フィルタによる平滑化の後で数
1の空間フィルタによるエッジ強調を実行した結果とし
ては、数3のようになってXn≡Xnとはならない。即
ち、元信号をすっかりそのまま復元することはできない
が、数1の空間フィルタを用いることで画像の劣化分を
緩和することができるから、副走査速度を3倍に上げた
読み取りを実行可能としたものである。
【0085】
【数3】
【0086】網点画像の疑似中間調表現としては、モア
レの発生防止の為に、わざと元信号をぼかすような係数
を設定した空間フィルタ処理を実行する事がある。逆に
文字領域ではかすれや文字のつぶれを防止するために、
エッジ強調処理を実行するように係数を設定した空間フ
ィルタで処理を実行する事がある。
【0087】空間フィルタの係数に関して、領域に適合
するような係数を選択して画像領域判別の技術と組み合
わせて用いることが知られている。画像領域判別の技術
は例えば、網点の有無による領域、コントラストが大き
い場合にはエッジ強調をさせたい領域、コントラストが
穏やかな場合はハーフトーンの濃淡の階調を表現したい
領域といった具合に、網点領域、文字領域、写真領域を
判別する技術である。
【0088】既に画像読み取りの段階で図5(c)のよ
うな幅走査方向にぼけた画像が入力されてくることに配
慮して、後段における領域判別処理でのフィルタ係数の
かけ方を、調整しておくと良い。
【0089】空間フィルタの動作例については良く知ら
れているが、以下に具体的に示す。数1、数2、数3の
空間フィルタは副走査方向に隣接した画素に着目してコ
ンボリューションを実行する。ここで副走査方向に隣接
した画素とは、1ラインに属する有効画素について最初
の有効画素から順に番号を与えた時、同じ番号が与えら
れた有効画素同士のことである。
【0090】又、Xnは(nは自然数)、ラインLn上
の画素である。Xn-1、Xn-1、Xn-3は互いに隣接した
ラインLn-1、Ln-1、Ln-3上の画素であり、互いに副
走査方向に隣接した画素である。
【0091】数1はエッジ強調処理を実行する空間フィ
ルタであり、数2は平滑化処理を実行する空間フィルタ
である。本実施の形態では数1の空間フィルタを準備し
て使用しており、結果的には数1の空間フィルタと、副
走査速度を3倍に速度を上げて読み取った場合を近似す
る数2の空間フィルタとを組み合わせた処理を実行して
いるのと同様に動作するので、これら2種類の空間フィ
ルタによる処理結果を図5で説明する。
【0092】図5では、図中で横軸上に左から画素X
0、X1・・X19と並べてあり、各画素Xnの濃度に
対応するデジタル化したデータの値(データ値)を縦軸
にとってある。
【0093】図5(A)に示す元信号は、空間フィルタ
に与える値、即ち、副走査速度は1倍速で読み取りを実
行して図4で説明したγ補正処理が完了した(場合によ
っては変倍処理も完了している)デジタル画像データの
値であり、前述の副走査方向に隣接した各画素の位置と
濃度との関係を示している。各画素Xnのデータ値は、 X0=0 X1=1 X2=1 X3=3 X4=1 X5=3 X6=1 X7=3 X8=1 X9=1 X10=2 X11=3 X12=4 X13=5 X14=1 X15=1 X16=1 X17=1 X18=1 X19=0 と、なっている。
【0094】図5(B)に示すエッジ強調処理の結果
は、元信号に対し、数1で示した空間フィルタでエッジ
強調処理を施した結果として得られたデジタルデータの
値を縦軸にとったものである。数1に従って演算した結
果、各画素X′nの値は、 X1=2 X2=−1 X3=7 X4=−3 X5=7 X6=−3 X7=7 X8=−1 X9=0 X10=2 X11=3 X12=4 X13=10 X14=−3 X15=1 X16=1 X17=1 X18=2 と、なっている。両端のX0とX19は省いている。
【0095】図5(C)に示す処理の結果は、副走査速
度を3倍に速度を上げて読み取りを実行した結果を近似
する例として、元信号に対して数2で示した空間フィル
タで平滑化処理を施した結果として得られたデジタルデ
ータの値を縦軸にとったものである。数2に従って演算
した結果、各画素X′nの値は、 X1=0 X2=1 X3=1 X4=2 X5=1 X6=2 X7=1 X8=1 X9=1 X10=2 X11=3 X12=4 X13=3 X14=2 X15=1 X16=1 X17=1 X18=0 と、なっている。両端のX0とX19は省いている。
【0096】以上の数1、数2で示される空間フィルタ
処理により、副走査速度を上げて読み取ったことが原因
で発生する副走査方向の画像のボケを補正している。
【0097】空間フィルタは本実施の形態に限定される
ものではなく、分母やXnに掛ける係数を調整して、最
適な条件を得ることができるものであり、例えば副走査
速度の倍率に応じて空間フィルタに斯様な変更を加える
と良い。
【0098】再び図4に戻って制御部40を説明する。
補正処理ブロック42Rの処理が終了すると、続いてメ
モリアクセス制御ブロック43にて以下の処理が実行さ
れる。
【0099】メモリアクセス制御は各チャンネルの画像
データを、画像メモリ48の所定アドレスに記憶する制
御である。各チャンネルの内部では、カラー画像の読み
取りの際には色毎のデジタル画像データの処理が実行さ
れていて、モノクロ画像の読み取りの際には3ライン毎
のモノクロのデジタル画像データの処理が実行されてい
る。
【0100】カラー画像の読み取りの場合には、画像メ
モリ48の所定領域にチャンネルChR、他の所定領域
にチャンネルChG、更に他の所定領域にチャンネルC
hBのデジタル画像データを記憶させる。つまり、メモ
リアクセス制御は、各ラインLnに対応するデジタル画
像データを書き込む際と、読み出す際のアドレス指定を
実行する。
【0101】モノクロ画像の読み取りの場合には、メモ
リアクセス制御の画像メモリ48の所定領域に各チャン
ネルChR、ChG、ChBの出力するラインが連続し
て1ページの画像を再現する順番に並べ替えて書き込む
ようにする。
【0102】図6を用いて、モノクロ画像データの読み
取りの際に実行するメモリアクセス制御を説明する。図
6は、メモリアクセス制御により各ラインのデジタル画
像データの書き込みの順序と読み出しの順序を説明する
概念図である。
【0103】図6で、幾つかのラインLnを用いて示す
ように、本発明の画像データ記憶手段の一例である画像
メモリ48に、チャンネルChRから出力されたL6に
続いて、チャンネルChGから出力されたL7、チャン
ネルChBから出力されたL8との順に並べて書き込
み、次に、L8に続けて、チャンネルChRから出力さ
れたL9、チャンネルChGから出力されたL10、チ
ャンネルChBから出力されたL11との順に並べて書
き込む。
【0104】斯様にラインの順を並べ替えて記憶済みの
画像メモリ48から出力すれば、後段のチャンネルCh
Kに画像メモリ48の出力を与えて、1ページ分のモノ
クロ画像を形成することが可能である。
【0105】図4を用いて説明する。圧縮伸長制御は、
画像データを画像メモリ48(図6参照)に対して読み
書きする際に、メモリ資源の有効活用のために圧縮処理
を施し、圧縮されたデータを読み出す際には相補的な伸
長処理を施すという、良く知られたデータ処理を実行す
るので、詳細な説明は省略する。
【0106】色変換処理ブロック44は、カラー画像の
読み取りの際に動作するブロックで、R、G、B系で示
したデジタル画像データをY、M、C、K系のデジタル
画像データへと変換する。色変換処理ブロック44は
Y、M、C、K系のデジタル画像データを対応する後段
の各チャンネルへと出力する。
【0107】次に図4を用いて制御部40の後段を説明
する。制御部40の後段には、Y、M、C、Kのデジタ
ル画像データに対応してチャンネルChY、チャンネル
ChM、チャンネルChC、チャンネルChKが備えら
れていているが、各チャンネルは同等の処理を実行する
ので、チャンネルChYの例を代表として説明する。
【0108】チャンネルChYは、書き込み制御ブロッ
ク45Y、LDドライバ46Yを備えている。
【0109】書き込み制御ブロック45Yは、タイミン
グ制御部、PWMγ補正部、周波数変換部、インデック
ス制御部、PWM変換部を備える。
【0110】タイミング制御は、画像メモリ48からデ
ジタル画像データを読み出すタイミングを揃える制御で
ある。
【0111】PWMγ補正制御は、デジタル画像データ
の示す濃度値に対する書き込み系の出力濃度が非線形に
変化する関係を逆補正するための良く知られた処理であ
るので、詳細な説明は省略する。
【0112】周波数変換処理は、読み取り系と書き込み
系とのクロック周波数の差異を吸収する良く知られた処
理である。デジタル複写機などの画像形成装置では、一
般に読み取り系と書き込み系をモジュール化して、それ
ぞれ異なる周波数の動作クロックによって制御してい
る。そこで、デジタル画像データの流れに対して画像メ
モリ48(図6参照)よりも上流側の動作クロック周波
数で一旦デジタル画像データをバッファリングし、バッ
ファリングしたデジタル画像データを下流側の書き込み
系の動作クロック周波数に合わせて出力するものであ
る。
【0113】インデックス同期は、感光体1K、1Y、
1M、1Cの表面への各ラインの書き込みの開始タイミ
ングを揃えるために、露光光が光学センサを通過した時
点からカウントしたクロック数で、書き込み開始のタイ
ミングを決定するもので、良く知られた制御である。
【0114】PWM制御は、パルス幅変換であり、露光
光のドット径を調整して、記録画素の濃度の多値化を実
行する、良く知られた制御である。
【0115】LDドライバ46Yは、PWM制御によっ
て得られた書き込みパルス信号に基づいて、発光素子に
供給する駆動電流の制御を実行する。そして、不図示の
LD(レーザダイオード)からの像露光により、感光体
表面に潜像が形成される。
【0116】潜像が形成されると、例えばモノクロコピ
ーの場合には、画像形成部10Kにて1ページに再現さ
れた黒色のトナー画像が形成され、形成されたトナー画
像は、回動する中間転写体6上に転写手段7Kにより転
写されて(1次転写)、そして、中間転写体6に合成さ
れたモノクロ画像は転写手段7Aの作用により用紙P上
に転写される(2次転写)。モノクロ画像が転写された
用紙Pは、定着装置24により定着処理され、排紙ロー
ラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置され
る。
【0117】又、単色コピーの場合には、画像形成部1
0Y、10M、10C及び10Kから色再現に必要な画
像形成部が選択的に使用されて、適宜各色のトナー画像
が形成され、形成された各色のトナー画像は、回動する
中間転写体6上に転写手段7Y、7M、7C及び7Kに
より逐次転写されて(1次転写)、合成された単色画像
が形成される。そして、中間転写体6に合成された単色
画像は転写手段7Aの作用により用紙P上に転写される
(2次転写)。単色画像が転写された用紙Pは、定着装
置24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持され
て機外の排紙トレイ26上に載置される。
【0118】又、カラーコピーの場合には、メモリアク
セス制御による画像メモリ48への書き込み時のライン
の並べ替えや、画像メモリ48からの読み出し時のライ
ンの並べ替えは実行せずに、画像形成に必要なY、M、
C、Kの画像データへの変換を実行した後に、前述の通
り、画像形成部10Y、10M、10C及び10Kにて
各色のトナー画像が形成され、形成された各色のトナー
画像は、回動する中間転写体6上に転写手段7Y、7
M、7C及び7Kにより逐次転写されて(1次転写)、
合成されたカラー画像が形成される。そして、中間転写
体6に合成されたカラー画像は転写手段7Aの作用によ
り用紙P上に転写される(2次転写)。カラー画像が転
写された用紙Pは、定着装置24により定着処理され、
排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に
載置される。
【0119】次に図7を用いてユーザがカラー画像形成
とモノクロ画像形成を切り換えた場合の制御を説明す
る。図7はカラー画像形成とモノクロ画像形成を切り換
えた際の動作を説明する制御ブロック図である。
【0120】カラー/モノクロ切り換えスイッチ101
は、本発明の切換手段の一例であり、カラー複写機の外
装正面に設けたコンソールに設けてあり、ユーザが直接
操作して、カラー複写又はモノクロ複写の切り換えを実
行する。
【0121】主制御部100は、本発明の駆動制御手段
の一例であり、CPU、RAM、ROM等を備えてい
て、ROMから読み出した制御プログラムをCPUが実
行し、副走査駆動の駆動制御による副走査速度の切換な
どを制御する。この際、RAMは制御プログラムに必要
なメモリ空間を構成する。
【0122】副走査光学系(符号無し)は、ランプ1
4、第1ミラー15、Vミラー16を含む光学部材であ
り、副走査駆動モータM1の駆動が分配されていて走査
露光時の駆動がなされる。従って、主制御部100が副
走査駆動モータM1の回転数制御を実行することで、副
走査速度を数倍に上げることが可能である。
【0123】ユーザがカラー/モノクロ切り換えスイッ
チ101を操作してカラー画像形成を実行する場合に
は、主制御部100は、制御部40にたいしては、空間
フィルタを用いたエッジ強調処理を省き、更に、メモリ
制御部による時間ズレの補正制御も省くように指令す
る。又、副走査駆動モータM1の回転数制御は1倍とな
るように指令する。
【0124】ユーザがカラー/モノクロ切り換えスイッ
チ101を操作してモノクロ画像形成を実行する場合に
は、主制御部100は、制御部40にたいしては、空間
フィルタを用いたエッジ強調処理とメモリアクセス制御
ブロック43Rによる時間ズレの補正制御を実行するよ
うに、一方、BGRからY、M、C、Kへの色変換は省
くように指令する。又、副走査駆動モータM1の回転数
制御は3倍となるように指令する。
【0125】斯様な構成により、本実施の形態のカラー
画像形成装置によれば、モノクロ原稿の読み取り動作に
必要な所要時間を短縮できた。
【0126】又、本実施の形態のカラー画像形成装置の
備える画像読取装置YSによれば、モノクロ原稿の読み
取り動作に必要な所要時間を短縮できた。
【0127】更に具体的には、何れの場合も、副走査速
度が3倍に上がっているので、読み取り時間が1/3に
短縮できている。
【0128】また、モノクロ画像形成時の副走査速度を
3倍に上げたにもかかわらずエッジ強調を行う空間フィ
ルタ処理を実行するので、幅走査方向の画像のボケを防
止できる。
【0129】また、スキャナの光学特性に起因する光学
特性を補正して、各イメージセンサ18R、18G、1
8Bからの出力特性を等しくするので、モノクロ画像形
成時にライン毎のバラツキを抑える事が可能となる。
【0130】次に本発明の第2の実施の形態について、
図8から図11を用いて説明する。第2の実施の形態
は、4ラインカラーイメージセンサ18Aを備える点
と、制御ブロック中の前段に、チャンネルChIを備え
る点と、モノクロ画像形成時の副走査速度がカラー画像
形成時の4倍である点と、メモリアクセス制御の点で第
1の実施の形態と相違しており、他の点は同様であるの
で、相違する点に関して詳細に説明する。
【0131】図8は、4ラインカラーイメージセンサ1
8Aの上面図である。個々のイメージセンサ18R、イ
メージセンサ18G、イメージセンサ18Bは第1の実
施の形態で説明した3ラインカラーイメージセンサ18
と同様であり、加えて輝度信号を出力するイメージセン
サ18Iとの合計4チャンネルのセンサを備えている。
【0132】イメージセンサの幅wと前記間隔dとの比
は正確に、w:d=1:5である。従って、図8に示す
ように、4ラインカラーイメージセンサ18Aは、その
表面に結像した像を5ライン毎に読み取るように動作す
る。
【0133】図9は、4ラインカラーイメージセンサ1
8Aに、仮想的に読み取りラインを重ねて示した模式図
である。読み取りラインL0からL16と4ラインカラ
ーイメージセンサ18Aとの相対的な移動は、4ライン
カラーイメージセンサ18Aを図中で固定とした時に、
各読み取りラインが副走査方向を向いた矢印Aの向きに
移動する状態となる。
【0134】図8、図9では4ラインカラーイメージセ
ンサ18Aの各端子(制御パルスの入力端子や、画像信
号の出力端子など)は省略しているが、4ラインカラー
イメージセンサ18Aは一般的に良く知られたCCDリ
ニアイメージセンサの動作の通り、主走査方向に並んだ
フォトセンサの順に、画素に対応するアナログ信号を出
力する。
【0135】図10は、第2の実施の形態の原稿の読み
取りから、画像の書き込みまでの電気的な制御を説明す
る制御ブロック図である。
【0136】4ラインカラーイメージセンサ18Aは4
系統の出力端子(不図示)を備えていて、赤色アナログ
信号を出力する出力端子はチャンネルChR、緑色アナ
ログ信号を出力する出力端子はチャンネルChG、青色
アナログ信号を出力する出力端子はチャンネルChB、
輝度信号を出力する出力端子はチャンネルChIに接続
されている。
【0137】各チャンネルChR、ChG、ChB、チ
ャンネルChIは第1の実施の形態で詳細に説明したチ
ャンネルChRと略同等の処理を実行するので詳細な説
明は省略する。
【0138】表5から表8は、第2の実施の形態のタイ
ミング制御の一例であり、各ラインセンサの出力を画素
の順に並べ替えるためのタイミング制御である。カラー
複写機でカラー画像を出力する場合のタイミング制御の
概念を表5、表6を用いて説明し、モノクロ画像を出力
する場合のタイミング制御の概念を表7と表8を用いて
説明する。
【0139】
【表5】
【0140】
【表6】
【0141】表5はカラー画像を出力する際における、
タイミング補正前のデジタル画像信号の概念を説明する
ものであり、表6はカラー画像を出力する際における、
タイミング補正後のデジタル画像データの概念を説明す
るものである。
【0142】表5で縦にとったラインLn(L0〜L1
6)、横にとった読み取りパルスTm(T1〜T1
7)、読み取りパルスTmとラインLnとの交点にR、
G、Bは図5と同様である。又、読み取りパルスTmと
ラインLnとの交点にIと記入されていればイメージセ
ンサ18Iで読み取りが実行されるものである。
【0143】即ち、読み取りパルスT1に対応して、イ
メージセンサ18RはラインL0を、イメージセンサ1
8GはラインL5を、イメージセンサ18BはラインL
10を、イメージセンサ18IはラインL15を読み取
り、読み取りパルスT2に対応して、イメージセンサ1
8RはラインL1を、イメージセンサ18GはラインL
6を、イメージセンサ18BはラインL11を、イメー
ジセンサ18IはラインL16を読み取る。一般化すれ
ば、ラインLnと読み取りパルスTm(m、nは自然
数)との関係について、パルスTmの時にイメージセン
サ18Rが読み取るラインLnは、n=m−1、イメー
ジセンサ18Gが読み取るラインLnは、n=m+4、
イメージセンサ18Bが読み取るラインLnは、n=m
+9となる。
【0144】同一のパルスTmに対して読み取るライン
Lnが5ラインずつずれているのは、イメージセンサの
幅wと前記間隔dとの比が、w:d=1:5であること
に起因する。
【0145】次に各チャンネルのデジタル画像データの
時間ズレとタイミング補正について説明する。
【0146】カラー画像を再現するには、ラインLnに
ついての、イメージセンサ18R、イメージセンサ18
G、イメージセンサ18B、イメージセンサ18Iのデ
ジタル画像データが揃う必要がある。ところが、表5で
説明したように、ラインL0からラインL14は、イメ
ージセンサ18G、18B、18Iの何れか一つのデジ
タル画像データが欠けることになるので、カラー画像の
再現ができない。従って、本実施の形態では、L15以
降のラインについて、カラー画像の再現が可能となる。
【0147】又、ラインL15に着目すると、読み取り
パルスT1に対応してイメージセンサ18Iの読み取り
が実行され、読み取りパルスT6に対応してイメージセ
ンサ18Bの読み取りが実行され、読み取りパルスT1
1に対応してイメージセンサ18Gの読み取りが実行さ
れ、読み取りパルスT16に対応してイメージセンサ1
8Rの読み取りが実行されるので、各色毎のデジタル画
像データ同士に5パルス分のタイミングのズレ(以下、
時間ズレという)が発生していることが判る。
【0148】従って、表6に示すように、イメージセン
サ18I、18B、18Gの出力を遅延させて、イメー
ジセンサ18Rの出力のタイミングと合わせる必要があ
る。
【0149】出力のタイミングを合わせるには、イメー
ジセンサ18I、イメージセンサ18B、イメージセン
サ18Gの出力を遅延すれば良く、チャンネルChI、
チャンネルChB、チャンネルChGのデジタル画像デ
ータを不図示のバッファに一旦蓄積して、表6に示すよ
うに、チャンネルChIは読み取りパルスT1から15
パルスを遅延させ、チャンネルChBは読み取りパルス
T1から10パルスを遅延させ、チャンネルChGは読
み取りパルスT5から5パルス分を遅延させて、チャン
ネルChRとのタイミングを揃える。
【0150】斯様なタイミング補正を実行することで、
カラー画像形成時に発生する、ライン状のイメージセン
サ同士の副走査方向の時間ズレが補正される。
【0151】そして、図10に示す補正処理ブロック4
2Iでは、デジタル画像データに対して前述の通り読み
取りパルス基準で15パルス分の遅延を実行し、補正処
理ブロック42Bでは、デジタル画像データに対して前
述の通り読み取りパルス基準で10パルス分の遅延を実
行し、補正処理ブロック42Gでは、デジタル画像デー
タに対して前述の通り読み取りパルス基準で5パルス分
の遅延を実行し、補正処理ブロック42Rでは、デジタ
ル画像データに対して前述の通り遅延を実行しないよう
に、それぞれがタイミング補正処理を実行する。
【0152】表7はモノクロ画像を出力する際におけ
る、タイミング補正前のデジタル画像信号の概念を説明
するものであり、表8はモノクロ画像を出力する際にお
ける、タイミング補正後のデジタル画像データの概念を
説明するものである。
【0153】
【表7】
【0154】
【表8】
【0155】読み取りラインのラインLn(L0〜L1
9)と、読み取りパルスTm(T1〜T5)と、読み取
りパルスTmとラインLnの交点に記入したR、G、
B、Iとの記載とは、表5、表6と同様である。
【0156】本実施の形態では、モノクロ画像読み取り
動作時には、カラー画像読み取り動作での副走査速度の
4倍に速度を上げて、読み取りを実行し、その一方で、
読み取りパルスTmの間隔は変更しない。
【0157】即ち、読み取りパルスT1に対応して、イ
メージセンサ18RはラインL0を、イメージセンサ1
8GはラインL5を、イメージセンサ18BはラインL
10を、イメージセンサ18IはラインL15を読み取
り、読み取りパルスT2に対応して、イメージセンサ1
8RはラインL4を、イメージセンサ18GはラインL
9を、イメージセンサ18BはラインL14、イメージ
センサ18IはラインL19を読み取る。一般化すれ
ば、ラインLnと読み取りパルスTm(m、nは自然
数)との関係について、パルスTmの時にイメージセン
サ18Rが読み取るラインLnは、n=4m−4、イメ
ージセンサ18Gが読み取るラインLnは、n=4m+
1、イメージセンサ18Bが読み取るラインLnは、n
=4m+6、イメージセンサ18Iが読み取るラインL
nは、n=4m+11となる。
【0158】同一の読み取りパルスTmに対して各イメ
ージセンサ18R、18G、18B、18Iが読み取る
ラインが5ラインずつずれているのは、イメージセンサ
の幅wと前記間隔dとの比が、w:d=1:5であるこ
とに起因する。又、1本のイメージセンサに着目した時
に、読み取りパルスTm毎に4ラインずつ飛ばして読み
取るのは、カラー画像読み取りの条件に対してモノクロ
画像読み取りの条件では、副走査速度が4倍であること
に起因する。
【0159】次に各チャンネルのデジタル画像データの
時間ズレとタイミング補正について説明する。
【0160】モノクロ画像の読み取り時には、4ライン
カラーイメージセンサ18Aが備える各イメージセンサ
18R、18G、18B、18Iからの出力を、各チャ
ンネルChR、ChG、ChB、ChIでは、モノクロ
画像データと見なして処理を実行する。ところが、表7
で示すように、ラインL1からラインL3、ラインL
6、L7、ラインL11は全く読み取られないので、本
実施の形態では、L12以降のラインについて、モノク
ロ画像の再現が可能となる。
【0161】表7で、ラインL12、L13、L14、
L15に着目すると、読み取りパルスT1に対応してイ
メージセンサ18IによるL15の読み取りが実行さ
れ、読み取りパルスT2に対応してイメージセンサ18
BによるL14の読み取りが実行され、読み取りパルス
T3に対応してイメージセンサ18GによるL13の読
み取りが実行され、読み取りパルスT4に対応してイメ
ージセンサ18RによるL12の読み取りが実行され
る。このことから、原稿上の副走査方向のラインの並び
順に対して、読み取られる際の時間的な順番が逆転して
いることが判る。
【0162】詳しくは、ラインL12に対してラインL
13は1パルス分、ラインL12に対してラインL14
は2パルス分、ラインL12に対してラインL15は3
パルス分先行して読み取られているので、タイミングの
ズレ(以下、時間ズレという)が発生していることが判
る。
【0163】従って、表8に示すようにイメージセンサ
18B、18G、18Iの出力とを遅延させて、イメー
ジセンサ18Rの出力のタイミングと合わせる必要があ
る。
【0164】出力のタイミングを合わせるには、イメー
ジセンサ18I、18B、18Gの出力を遅延すれば良
く、チャンネルChI、ChB、ChG、ChRのデジ
タル画像データを不図示のバッファに一旦蓄積して、表
8に示すように、チャンネルChIは読み取りパルスT
mから3パルスを遅延させ、チャンネルChBは読み取
りパルスTmから2パルスを遅延させ、チャンネルCh
Gは読み取りパルスT5から1パルス分を遅延させて、
チャンネルChRとのタイミングを揃える。すると、L
6以下、L7、L8、L9、L10、L11・・・とい
う並びの順が復元される。
【0165】斯様なタイミング補正を実行することで、
ライン状のイメージセンサ同士の副走査方向の時間ズレ
が補正され、副走査方向のラインの並び順が復元され
る。
【0166】そして、図10に示す補正処理ブロック4
2Iでは、デジタル画像データに対して前述の通り読み
取りパルス基準で3パルス分の遅延を実行し、補正処理
ブロック42Bでは、デジタル画像データに対して前述
の通り読み取りパルス基準で2パルス分の遅延を実行
し、補正処理ブロック42Gでは、デジタル画像データ
に対して前述の通り読み取りパルス基準で1パルス分の
遅延を実行し、補正処理ブロック42Rでは、デジタル
画像データに対して遅延を実行しないようにすること
が、モノクロ画像形成の場合のタイミング補正処理とな
る。
【0167】又、本実施の形態では、イメージセンサの
幅wと前記間隔dとの比が、w:d=1:5であるか
ら、ライン間隔が画素サイズの5倍となっている。更
に、4ラインカラーイメージセンサ18Aは4本のイメ
ージセンサを備えており、ライン間隔を示す数値である
5とイメージセンサの本数を示す数値である4とは互い
に素の整数である。斯様な条件では、カラー画像の読み
取り時に対して、モノクロ画像の読み取り時にはイメー
ジセンサの本数を示す数値である4に基づき、4倍の副
走査速度で読み取りを実行しても、幅走査方向の読み取
り密度を維持できるので、4倍の速度での読み取りが可
能となる。
【0168】この関係を一般化すると、第1の実施の形
態と同様に、値Mについて、ライン間隔が画素サイズの
M倍として、値Nについて、複数ラインのイメージセン
サを備えるカラーイメージセンサでのイメージセンサの
本数をN本とした場合に、幅走査速度をN倍として読み
取りが実行できる。
【0169】そして、第1の実施の形態と同様の空間フ
ィルタ処理等を施して、画像メモリ48Aに各ラインL
nのデジタル画像データが書き込まれる。
【0170】モノクロ画像の読み取りの場合には、チャ
ンネルChR、ChG、ChBの出力するラインを、ラ
イン毎に割り当てられた領域に書き込むようにする。
【0171】図11を用いて、モノクロ画像データの読
み取りの際に実行するメモリアクセス制御を説明する。
図11は、メモリアクセス制御により各ラインのデジタ
ル画像データの書き込みの順序と読み出しの順序を説明
する概念図である。
【0172】図11で、幾つかのラインLnを用いて示
すように、画像メモリ48Aには、チャンネルChRの
画像データを書き込む領域、チャンネルChGの画像デ
ータを書き込む領域、チャンネルChBの画像データを
書き込む領域、チャンネルChIの画像データを書き込
む領域の4つの領域が確保されている。各チャンネルか
ら出力されたデジタル画像データは、対応する領域に順
次書き込まれる。
【0173】画像メモリ48Aからの読み出しに際して
は、チャンネルChRに対応するラインを1ライン、チ
ャンネルChGに対応するラインを1ライン、チャンネ
ルChBに対応するラインを1ライン、チャンネルCh
Iに対応するラインを1ラインと、順に読み出して、再
度、同じ順に読み出しを繰り返し続ける。しかも、各領
域の先頭のラインから読み出すようにする。
【0174】斯様に、画像メモリ48Aから、ラインの
順を並べ替えながら読み出せば、後段のチャンネルCh
Kに画像メモリ48Aの出力を与えて、1ページ分のモ
ノクロ画像を形成することが可能である。
【0175】カラー画像形成とモノクロ画像形成の切り
換えによる副走査光学系の駆動制御などは第1の実施の
形態と同様である。
【0176】斯様な構成により、第2の実施の形態のカ
ラー画像形成装置によれば、モノクロ原稿の読み取り動
作に必要な所要時間を短縮できた。
【0177】又、第2の実施の形態のカラー画像形成装
置の備える画像読取装置YSによれば、モノクロ原稿の
読み取り動作に必要な所要時間を短縮できた。
【0178】更に具体的には、何れの場合も、副走査速
度が4倍に上がっているので、読み取り時間が1/4に
短縮できている。
【0179】また、モノクロ画像形成時の副走査速度を
4倍に上げたにもかかわらずエッジ強調を行う空間フィ
ルタ処理を実行するので、幅走査方向の画像のボケを防
止できる。
【0180】また、スキャナの光学特性に起因する光学
特性を補正して、各イメージセンサ18R、18G、1
8Bからの出力特性を等しくするので、モノクロ画像形
成時にライン毎のバラツキを抑える事が可能となる。
【0181】
【発明の効果】本発明のスキャナによれば、モノクロ原
稿の読み取り動作に必要な所要時間を短縮できた。
【0182】又、本発明のカラー画像形成装置によれ
ば、モノクロ原稿の読み取り動作に必要な所要時間を短
縮できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るスキャナを使用した
画像形成装置の一例であるカラー複写機の構成を説明す
るための正面図である。
【図2】図2は3ラインカラーイメージセンサの上面図
である。
【図3】3ラインカラーイメージセンサに、仮想的に読
み取りラインを重ねて示した模式図である。
【図4】原稿の読み取りから、画像の書き込みまでの電
気的な制御を説明する制御ブロック図である。
【図5】空間フィルタによるエッジ強調処理を説明する
概念図である。
【図6】メモリアクセス制御により各ラインのデジタル
画像データの書き込みの順序と読み出しの順序を説明す
る概念図である。
【図7】カラー画像形成とモノクロ画像形成を切り換え
た際の動作を説明する制御ブロック図である。
【図8】4ラインカラーイメージセンサの上面図であ
る。
【図9】4ラインカラーイメージセンサに、仮想的に読
み取りラインを重ねて示した模式図である。
【図10】第2の実施の形態の原稿の読み取りから、画
像の書き込みまでの電気的な制御を説明する制御ブロッ
ク図である。
【図11】メモリアクセス制御により各ラインのデジタ
ル画像データの書き込みの順序と読み出しの順序を説明
する概念図である。
【符号の説明】
18 3ラインカラーイメージセンサ 18R、18G、18B、18I イメージセンサ 18A 4ラインカラーイメージセンサ 40 制御部 41R、41G、41B、41I アナログ信号処理ブ
ロック 42R、42G、42B、42I 補正処理ブロック 43R、43G、43B、43I メモリアクセス制御
ブロック 44 色変換処理ブロック 45Y、45M、45C、45K 書き込み制御ブロッ
ク 46Y、46M、46C、46K LDドライバ 48、48A 画像メモリ ChR、ChG、ChB、ChI、ChY、ChM、C
hC、ChK チャンネル 100 主制御部 101 カラー/モノクロ切り換えスイッチ M1 副走査駆動モータ GH 画像形成装置本体 YS 画像読取装置 Ln ライン Tm 読み取りパルス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/46 H04N 1/46 C 1/60 1/40 D Fターム(参考) 5B047 AA01 AB04 BB03 BC01 CA07 CA08 CA17 CA23 CB25 DA04 DB01 EA02 EB02 5B057 BA02 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB02 CB08 CB12 CB16 CC01 CE03 CH09 5C072 AA01 BA03 DA23 EA05 FA07 FB04 FB12 LA18 MB02 QA10 QA14 QA17 SA03 UA02 UA06 UA12 WA07 XA01 5C077 LL08 LL09 MP01 MP08 PP03 PP32 PP62 PQ12 PQ24 SS01 TT06 5C079 HA13 HB01 JA02 JA03 JA13 JA23 LA12 LA19 MA03 NA11 PA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画素サイズのM倍のライン間隔で配置し
    たN本のイメージセンサを備え、カラー画像読み取り動
    作時に所定の副走査速度によって前記イメージセンサと
    原稿とが相対的に移動し、各イメージセンサが対応する
    副走査位置の画像を読み取るスキャナであって、モノク
    ロ画像読み取り動作とカラー画像読み取り動作とを切り
    換える切換手段と、モノクロ画像読み取り動作での副走
    査速度をカラー画像読み取り動作での副走査速度のN倍
    に切り換える駆動制御手段と、各イメージセンサの出力
    タイミングを補正して副走査方向の時間ズレを補正する
    タイミング補正手段と、読み取られた画像データを記憶
    する画像データ記憶手段と、各イメージセンサの出力の
    順に基づき、前記画像データ記憶手段への画像データの
    格納順又は前記画像データ記憶手段からの画像データの
    出力順を変更するメモリアクセス制御手段とを備えるこ
    とを特徴とするスキャナ。(但し、NとMはそれぞれ互
    いに素の整数である。)
  2. 【請求項2】 副走査方向のエッジ強調特性を変更する
    空間フィルタを備え、モノクロ画像読み取り動作時にエ
    ッジを強調する処理を実行することを特徴とする請求項
    1に記載のスキャナ。
  3. 【請求項3】 前記イメージセンサはそれぞれ赤色、緑
    色、青色に対応する出力を行うイメージセンサを1本ず
    つ備え、前記モノクロ画像読み取り動作時には、各イメ
    ージセンサの出力特性が等しくなるように出力特性を変
    更する光学特性補正手段を備えることを特徴とする請求
    項1又は2に記載のスキャナ。
  4. 【請求項4】 画素サイズのM倍のライン間隔で配置し
    たN本の一次元イメージセンサを備え、カラー画像読み
    取り動作時に所定の副走査速度によって前記イメージセ
    ンサと原稿とが相対的に移動し、各イメージセンサが対
    応する副走査位置の画像を読み取るスキャナ部を備えた
    カラー画像形成装置であって、モノクロ画像読み取り動
    作とカラー画像読み取り動作とを切り換える切換手段
    と、モノクロ画像読み取り動作での副走査速度をカラー
    画像読み取り動作での副走査速度のN倍に切り換える駆
    動制御手段と、各イメージセンサの出力タイミングを補
    正して副走査方向の時間ズレを補正するタイミング補正
    手段と、読み取られた画像データを記憶する画像データ
    記憶手段と、各イメージセンサの出力の順に基づき、前
    記画像データ記憶手段への画像データの格納順又は前記
    画像データ記憶手段からの画像データの出力順を変更す
    るメモリアクセス制御手段とを備えることを特徴とする
    カラー画像形成装置。(但し、NとMはそれぞれ互いに
    素の整数である。)
  5. 【請求項5】 副走査方向のエッジ強調特性を変更する
    空間フィルタを備え、モノクロ画像読み取り動作時にエ
    ッジを強調する処理を実行することを特徴とする請求項
    4に記載のカラー画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記イメージセンサはそれぞれ赤色、緑
    色、青色に対応する出力を行うイメージセンサを1本ず
    つ備え、前記モノクロ画像読み取り動作時には、各イメ
    ージセンサの出力特性が等しくなるように出力特性を変
    更する光学特性補正手段を備えることを特徴とする請求
    項4又は5に記載のカラー画像形成装置。
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