JP2003100707A - 中性ビーム処理装置及びその方法 - Google Patents

中性ビーム処理装置及びその方法

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JP2003100707A
JP2003100707A JP2001295349A JP2001295349A JP2003100707A JP 2003100707 A JP2003100707 A JP 2003100707A JP 2001295349 A JP2001295349 A JP 2001295349A JP 2001295349 A JP2001295349 A JP 2001295349A JP 2003100707 A JP2003100707 A JP 2003100707A
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Satoshi Ichimura
智 市村
Kazutoshi Tsuchiya
一俊 土屋
Tadashi Sato
忠 佐藤
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】中性ビーム処理において、荷電粒子を分離する
ための複数の電極間で異常放電等が生じた場合でも、被
処理物への帯電を抑えることである。 【解決手段】イオン源を画成するプラズマ生成室壁と、
中性化室を画成する中性化室壁と、処理室を画成する処
理室壁とが何れも導電性を有すると共に、処理室壁及び
プラズマ生成室に対して中性化室壁が負電位になるよう
に各電位を設定する。また、イオン源からイオンビーム
を引き出すイオン引出し電極と、中性化室内のビームか
ら荷電粒子を分離して中性ビームを通過させるリターデ
ィング電極とが、それぞれ複数の多孔電極からなり、こ
れら複数の多孔電極,プラズマ生成室壁及び中性化室壁
が、処理室壁と接続されており、この処理室壁から流れ
る荷電粒子の電流値を計測し、その電流値に基づいて、
各壁及び各多孔電極の電位のいずれかを変化させるよう
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中性ビームを被処
理物に照射してエッチング処理などを行う中性ビーム処
理装置及びその方法に係り、特に、被処理物の帯電を抑
制するのに好適な中性ビーム処理装置及びその方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】基板などの被処理物にビームを照射して
エッチングなどを施す処理装置として、従来から中性ビ
ームを利用したものが知られている。例えば、特開平7
−273090号公報に記載の発明では、正電位を印加
したイオン源から引き出したイオンビームを荷電交換室
に導入し、不活性ガスとの荷電交換により中性ビームに
変換して処理室内の基板に照射すると共に、正電位を印
加した電極を用いて、中性ビームに変換されずに残った
イオンビームや荷電交換によって生じた低速イオンを反
発除去すること、或いは、負電位を印加した電極を用い
て、電子を反発除去することが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、正イオ
ンを除去するために正電位を印加したイオン除去電極
と、それに隣接する他の電極との間で異常放電が発生す
るなどして、イオン除去電極に正電位が印加されなくな
ると、イオン除去電極を含む複数の電極(本発明では、
総称してリターディング電極と称している)をイオンビ
ームが通過してしまう。すると、イオンビームが処理室
内にある基板表面に照射され、基板が大きく正電位に帯
電するという問題があった。
【0004】例えば、イオンビームの中性化室における
エネルギーが600eVである場合、リターディング電
極を通過したイオンビームは処理室においても同じく6
00eVのエネルギーを有していて、このイオンビーム
が基板に照射されることにより、基板表面が最大600
V(通常は、半分程度の200〜400V)に帯電し、
基板にダメージを与えることがあった。
【0005】また、中性ビームやイオンビームが電極に
衝突すると、熱変形により、イオン除去電極を含む複数
の電極が接近し、空間電位が変化する場合がある。これ
により、処理室に洩れる荷電粒子の量が変化し、基板へ
の帯電量も変化してしまう恐れがある。
【0006】したがって本発明の第1の目的は、イオン
除去電極を含む複数の電極間で異常放電が発生した場合
でも、イオンビームの照射によって被処理物が大きく正
電位に帯電するのを防止できる中性ビーム処理装置及び
その方法を提供することにある。
【0007】また本発明の第2の目的は、処理室へ洩れ
る荷電粒子の量が変化しても、被処理物への帯電を抑え
ることのできる中性ビーム装置及びその方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の中性ビーム処理装置は、内部にプラ
ズマを生成するプラズマ生成室と、該プラズマ生成室か
らイオンを引き出してイオンビームとするイオン引出し
電極と、該イオン引出し電極により引き出されたイオン
ビームを中性化して中性ビームに変換する中性化室と、
該中性化室内のビームから荷電粒子を分離して中性ビー
ムを通過させるリターディング電極と、該リターディン
グ電極を通過した中性ビームの伝播路上に被処理物を収
納する処理室とを備えてなり、前記プラズマ生成室を画
成するプラズマ生成室壁と、前記中性化室を画成する中
性化室壁と、前記処理室を画成する処理室壁とが何れも
導電性を有すると共に、前記処理室壁及び前記プラズマ
生成室壁に対して前記中性化室壁が負電位になるように
各電位を設定したものである。
【0009】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明の中性ビーム処理装置は、内部にプラズマを生成
するプラズマ生成室と、該プラズマ生成室からイオンを
引き出してイオンビームとするイオン引出し電極と、該
イオン引出し電極により引き出されたイオンビームを中
性化して中性ビームに変換する中性化室と、該中性化室
内のビームから荷電粒子を分離して中性ビームを通過さ
せるリターディング電極と、該リターディング電極を通
過した中性ビームの伝播路上に被処理物を収納する処理
室とを備え、前記イオン引出し電極及びリターディング
電極は、それぞれ複数の多孔電極からなり、前記プラズ
マ生成室を画成する導電性のプラズマ生成室壁、前記中
性化室を画成する導電性の中性化室壁及び前記複数の多
孔電極が、前記処理室を画成する導電性の処理室壁と接
続されており、該処理室壁から流れる荷電粒子の電流値
を計測し、該電流値に基づいて、前記各壁及び各多孔電
極の電位のいずれかを変化させるようにしたものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例につき、図
面を用いて説明する。
【0011】図1は、本発明の第1の実施例を示す中性
ビーム処理装置の全体構成図である。図1に示す通り、
本実施例の中性ビーム処理装置は、主にプラズマ生成室
1,中性化室11,処理室23の3つの部屋で構成され
ている。
【0012】まず、プラズマ生成室1の構成について説
明する。プラズマ生成室1は、図1において縦方向であ
る内径がφ350mm、横方向である奥行きが150mmの
大きさを成しており、例えば、ステンレスのような非磁
性の導電性材を用いた生成室壁2によりほぼ碗形状に形
成され、右側が開口されている。また、生成室壁2の左
側中央部には導波管4が接続されており、この導波管4
内にはプラズマ生成室1内の気密を保つためにマイクロ
波導入窓6が取付けられている。この導波管4にはマイ
クロ波発生器(図示省略)が接続されており、マイクロ
波発生器から周波数2.45GHz のマイクロ波が導波
管4,マイクロ波導入窓6を介してプラズマ生成室1内
に導入されるようになっている。導波管4よりも下側の
生成室壁2にはガス導入管47が設けられており、プラ
ズマ生成室1には、プラズマ生成に必要な特定のガス、
例えば、アルゴンなどのガスがガス導入管47を介して
導入されるようになっている。
【0013】また生成室壁2の外周側には、永久磁石列
5が配列されており、永久磁石列5は、プラズマ生成室
1内に電子サイクロトロン共鳴磁場を有する静磁場を発
生し得るようになっている。更に、生成室壁2の右側開
口端には、フラン時が形成され、処理室壁15に連結さ
れている。
【0014】そして、生成室壁2の右側開口部には、プ
ラズマ生成室1内のイオンを引出してイオンビームとす
るイオン引出電極が取付けられている。このイオン引出
電極はスクリーン電極3a,加速電極3b,減速電極3
cから構成されており、スクリーン電極3aがプラズマ
生成室1側に配置され、その右側に加速電極3bが配置
され、加速電極3bの右側に減速電極3cが配置されて
いる。そして各スクリーン電極3a,加速電極3bおよ
び減速電極3cには互いに所定の間隔を持つとともに所
定の大きさの孔が複数個形成されている。なお、本実施
形態において、イオン引出電極の複数の孔が分布してい
る領域はφ300mmの大きさを成している。
【0015】次に、中性化室11について説明する。中
性化室11は、上述のイオン引出し電極の右側に接続さ
れており、処理室壁15の内部においてほぼ筒状に形成
され、周囲が中性化室壁8によって画成されている。こ
の中性化室壁8は、例えば、内径が400mm,奥行きが
300mmの筒体として、ステンレスのような非磁性の導
電性材を用いて構成されており、図示されていない絶縁
部材によって処理室壁15の内部に配設されている。ま
た、この中性化室壁8にはアルゴンやハロゲンガスなど
特定のガスを中性化室11に導入するためのガス導入管
48が接続されている。
【0016】そして、中性化室壁8の右側開口部には、
荷電粒子を分離する手段としてリターディング電極が配
設されている。リターディング電極は、イオン除去電極
32a,電子除去電極32b及び多孔電極32cから構成
されており、イオン除去電極32aが処理室23側に配
置され、その左側に電子除去電極32b、更に左側に多
孔電極32cが配置されている。そしてこれらリターデ
ィング電極を構成する各電極には、互いに所定の間隔を
持つとともに所定の大きさの孔が各々複数個形成されて
いる。尚、本実施形態において、リターディング電極の
複数の孔が分布している領域はφ350mmの大きさを成
している。
【0017】更に、処理室壁15について、以下説明す
る。処理室壁15は、生成室壁2の右側開口端に接続さ
れ、中性化室11を囲むように構成されている。処理室
23を画成する処理室壁15は、例えば、ステンレスの
ような導電性材から成っている。処理室壁15には、ア
ルゴンやハロゲンガスなど特定のガスを処理室23に導
入するためのガス導入管49が接続されている。また被
処理物17がリターディング電極を通過した中性ビーム
の伝播路上に、中性ビームとほぼ直交するように配置さ
れ、支持台16上に支持されている。この支持台16は
処理室壁15と同様に接地されている。
【0018】上述した3つの部屋から主に構成される中
性ビーム処理装置には、複数の電源が用いられており、
以下この電源について説明する。まず、処理室壁15
に、直流電源33の+極,直流電源34の+極、及び直
流電源37の+極が接続されている。そして、直流電源
33の−極はスクリーン電極3aに接続されている。ま
た、直流電源34の−極には中性化室壁8,直流電源3
5の+極、及び直流電源36の+極が接続されている。
直流電源35の−極は加速電極3bに接続されている。
また、直流電源36の−極は電子除去電極32bに接続
されている。そして、直流電源37の−極はイオン除去
電極32aに接続されている。更に、直流電源37の両
端には保護回路としてダイオード38が図示の方向で付
加されている。尚、減速電極3c及び多孔電極32cは
中性化室壁8に接続され、中性化室壁と同電位となって
いる。また、生成室壁2は、接地された処理室壁15と
同電位である。
【0019】例えば、本実施例では、直流電源33の出
力電圧を50V,直流電源34の出力電圧を600V,
直流電源35の出力電圧を300V,直流電源36の出
力電圧を300V,直流電源36の出力電圧を5Vに、
各々設定する。これにより、処理室壁15を接地電位と
したときの各装置部位の電位は、生成室壁2が0V,ス
クリーン電極3aが−50V,加速電極3bが−900
V,減速電極3c,中性化室壁8及び多孔電極32cが
−600V、電子除去電極32bが−900V,イオン
除去電極32aが+5Vに設定される。尚、本実施例で
は600eVの中性ビームを被処理物に照射するもので
あるが、一般の中性ビーム処理装置に使用する中性ビー
ムのエネルギーとしては、200〜800eVであり、
それに伴って、中性化室壁8と接地電位である処理室壁
15との電位差は、200〜1000V程度となる。
【0020】更に、本実施例の中性ビーム処理装置で
は、各部屋の圧力を、例えば以下のように設定する。ま
ず、処理室23に対しては、真空ポンプ(図示省略)を
用いて、矢印にて示すように、処理室23内を排気する
ことにより、処理室23内の圧力を1×10-4Pa以下
にする。次いで、プラズマ生成室1内にガス導入管4
7,48または49から、アルゴンなどのガスを供給
し、プラズマ生成室1内の圧力を3×10-2Pa〜3×
10-1Pa程度に設定する。
【0021】以下、本実施例による作用につき、詳細に
説明する。まず、プラズマ生成室1内では、導波管4か
ら2.45GHz のマイクロ波が導入されると、供給さ
れたガスがマイクロ波によりプラズマ化される。更に、
プラズマ中の電子のサイクロトロン共鳴周波数とマイク
ロ波の周波数とが一致する磁場強度、例えば、約87.5m
Tの領域においては、マイクロ波が効率的にプラズマ中
の電子に吸収されるので、そのために生じた高エネルギ
ー電子がガスを電離することにより、高密度のプラズマ
が生成される。
【0022】そして上述の如く、生成室1を取囲んでい
る生成室壁2とスクリーン電極がそれぞれ0V,−50
Vに電位が設定されていることにより、生成室1におけ
る空間電位は図2に示す如く広い範囲で、相対的に正電
位となっている生成室壁2と概略同電位となり、相対的
に負電位となっているスクリーン電極3aの前面の狭い
イオンシースの範囲でスクリーン電極3aに向かって降
下したものとなる。
【0023】またこのように形成さた空間電位により、
生成室1で生成されたプラズマ中のイオンはスクリーン
電極3aに向かって若干加速され、また、前述の如く加
速電極3bと減速電極3cがそれぞれ−900V,−6
00Vに電位が設定されていることにより、スクリーン
電極3aを通過したイオンは、加速電極に向かって加速
され、更に減速電極に向かう間に減速された後、中性化
室11にイオンビームとして引き出される。これにより
イオンビームは最終的に、生成室1と中性化室11にお
ける空間電位の差(直流電源34の両端電圧600Vに
概略等しい)で加速されることとなり、中性化室11に
おいて概略600eVのエネルギーを持ったものとな
る。
【0024】次に、本実施例の中性化室11におけるイ
オンビームの中性化作用について説明する。ガス導入管
48からアルゴンなどの特定ガスを中性化室11に供給
することにより、中性化室11内の圧力を3×10-2
a〜3×10-1Paとしたところで、中性化室11内に
イオンビームが導入されると、イオンビームの一部が中
性ガス(特定ガスによる中性の粒子)と荷電交換反応す
ることにより、中性ビームに変換される。その際、上述
の如く中性化室11を取囲んでいる中性化室壁8,減速
電極3c、及び多孔電極32cの電位が−600Vに設
定されていることにより、中性化室11における空間電
位は、図2に示すように中性化室壁8と概略同電位とな
る。この様に中性化室11の広い範囲で空間電位が平坦
化されているので、ここを通過するイオンビームは発散
せず、また、運動エネルギーを減少することもなく、こ
れらイオンビームが中性化されてなる中性ビームを、発
散が小さく、かつ、エネルギーのばらつきが小さいもの
とすることができる。
【0025】更に、本実施例のリターディング電極の荷
電粒子分離作用について説明する。イオン除去電極32
a,電子除去手段32b及び多孔電極32cからなるリ
ターディング電極の各電極を、上述の如く設定すること
により、図2に示すような空間電位が形成される。電子
除去電極32bに中性化室壁8よりも負電位を与えてい
るので、この電子除去電極32bによって、イオンビー
ムや中性ビームが多孔電極32c等に衝突して生じる2
次電子を跳ね返し、この電子がリターディング電極を通
過し処理室23に進入し、被処理物17の表面に照射さ
れることを防止している。
【0026】そして、イオン除去電極32aに生成室壁
2よりも正電位を与えているので、イオン源から引き出
されたイオンビームのうち中性化室11において中性化
されずに残ったイオンビームや、イオンビームと中性粒
子との荷電交換により発生した低速イオンは、電子除去
電極32bとイオン除去電極32aの間に形成された空
間電位によるポテンシャル壁によってイオン除去電極3
2aに到達する前に跳ね返され、イオン除去電極32a
を通過して処理室23に入射することが防止される。
【0027】一方、前記の電子やイオンといった荷電粒
子と異なり、中性ビームは空間電位によって軌道を曲げ
られることはなく、確率的にリターディング電極の孔を
通過して処理室23内に導入される。
【0028】本実施例の処理室23では、上述した荷電
粒子分離作用によって、混在する電子及びイオンを除去
された中性ビームが導入され、支持台16上の被処理物
17に照射されることにより、中性ビームエッチング処
理など、被処理物17に対して所望の中性ビーム処理を
行うことができる。その際、ガス導入管49からは、所
望の中性ビーム処理に応じて、例えば、中性ビームエッ
チング処理であればハロゲンガスなどの特定ガスを導入
することにより処理効果を高めることができる。
【0029】以上説明した本実施例の中性ビーム処理装
置では、以下のような効果がある。いま、イオン除去電
極32aとそれに隣接する電子除去電極32bとの間
に、異物等に起因して異常放電が発生した場合につき説
明する。このとき、異常放電による過電流のため直流電
源37の出力電圧が低下する。尚、保護ダイオード38
の作用によりイオン除去電極32aが負電位となること
は防止される。
【0030】そこで仮に、異常放電が発生してイオン除
去電極32aが0Vになったとする。この場合でも、中
性化室11に対して処理室23は正電位となっており、
正のイオンは反発されることになる。また、プラズマ生
成室1内の空間電位は概略0Vであり、イオン除去電極
32aと概略同電位であるから、たとえ、正イオンがイ
オン除去電極32aを通過して処理室23内へ流入した
としても、そのエネルギーは高々5eV程度であり、こ
れが被処理物表面に照射されても、被処理物の帯電電位
は0〜3V程度に留まる。
【0031】尚、本実施例では、プラズマ生成室壁と処
理室壁とが同電位であるが、処理室壁に対するプラズマ
生成室壁の電位を10V以下に保持すれば、処理室内に
流入するイオンのエネルギーを十分小さくすることがで
き、実用上問題のない程度に被処理物の帯電を抑えるこ
とが可能である。
【0032】このように、本実施例の中性ビーム処理装
置においては、リターディング電極の異常により、この
リターディング電極をイオンビームが通過し、処理室に
おいて被処理物に照射されることが生じても、該被処理
物が大きく正電位に帯電するのを防止することができ
る。
【0033】また、本実施例の中性ビーム処理装置で
は、生成室壁2と処理室壁15を連結して接地電位とし
ているので、生成室壁と処理室壁を直接接続していない
構成と比較し、気密を保つ絶縁スペーサが不用になるな
ど装置構成を簡略化する効果がある。更に、生成室壁2
と処理室壁15を一体として形成すれば、一層装置構成
を簡略化する効果がある。
【0034】次に、図3は本発明の第2の実施例を示す
中性ビーム処理装置の全体構成図である。図3に示す通
り、本実施例の中性ビーム処理装置は、第1の実施例と
同様、主にプラズマ生成室1,中性化室11,処理室2
3の3つの部屋で構成されている。
【0035】まず、プラズマ生成室1の構成は、第1の
実施例と同じ構成である。
【0036】次に、中性化室11についても、第1の実
施例とほぼ同じ構成であるが、中性化室壁8の右側開口
部のリターディング電極がイオン除去電極32a(処理
室側)及び電子除去電極32b(中性化室側)のみから
構成されている点で第1の実施例と異なっている。ま
た、中性化室壁8の生成室側端にはフランジ部を設け、
絶縁スペーサ7を介して生成室壁2と接続されている。
【0037】更に、処理室23は、第1の実施例のよう
に中性化室11を内部に包含する構成ではなく、中性化
室11の右側に並ぶ如く配置されている。中性化室11
とは、絶縁スペーサ14を介して中性化室壁8の処理室
側端に形成されたフランジ部と接続されている。
【0038】また、イオン除去電極32aが電流計50
を介して処理室壁15と接続され、電子除去電極32
b,プラズマ生成室壁2及び中性化室壁8が共通の両極
性電源52を介して電流計50に接続されている。
【0039】具体的には、まず電流計50の一端が処理
室壁15に接続される一方、他端が両極性電源52の一
端及びイオン除去電極32aと接続されている。尚、電
流計50の内部抵抗は十分小さく、電流が流れたときに
両端に発生する電位差は無視できるものである。次に、
両極性電源52の他端には生成室壁2,直流電源33の
+極及び直流電源34の+極が接続されている。直流電
源33の−極は、スクリーン電極3aに接続され、直流
電源34の−極には中性化室壁8,直流電源35の+極
及び直流電源36の+極がされている。減速電極3cは
中性化室壁8に接続され、中性化室壁8と同電位となっ
ている。また、直流電源35の−極は加速電極3bに接
続され、直流電源36の−極は電子除去電極32bに接
続されている。更に、本実施例の中性ビーム装置には、
電流計50に流れる電流を0とするように、両極性電源
52の出力電圧を制御する制御手段51が付加されてい
る。
【0040】各直流電源の出力電圧は、第1の実施例と
同様に、直流電源33が50V、直流電源34が600
V,直流電源35が300V,直流電源36が300V
になるように設定する。また本実施例では、両極性電源
52の出力を、仮に、電流計50に接続されている極を
基準として他端を−5Vに設定する。
【0041】これにより、処理室壁15を接地電位とし
たときの各装置部位の電位は、生成室壁2が−5V,ス
クリーン電極3aが−55V,加速電極3bが−905
V,減速電極3c及び中性化室壁8が−605V,電子
除去電極32bが−905Vに設定される。尚、イオン
除去電極32aは両端の電位差が無視できる電流計50
を介して処理室壁15に接続されており、処理室壁15
と同じく接地電位0Vとなっている。
【0042】各部屋の圧力は、第1の実施例と同様の値
に設定するものとする。
【0043】以下、本実施例による作用・効果につき、
詳細に説明する。まず、プラズマ生成室1内での作用、
中性化室11におけるイオンビームの中性化作用及びリ
ターディング電極の荷電粒子分離作用については、第1
の実施例とほぼ同様である。
【0044】一方、本実施例のリターディング電極は、
イオン除去電極32aと電子除去電極32bのみで構成
されているため、3枚の電極の場合に比べて、中性ビー
ムが電極に衝突する確率が小さく、リターディング電極
を通過して被処理物に照射される中性ビームの減少量を
抑えることができる。すなわち、中性ビームの透過率の
向上を図ることが出来る。
【0045】また本実施例によれば、プラズマ生成室,
イオン引出し電極,中性化室及びリターディング電極で
構成される系で発生した正負全ての荷電粒子のうち、リ
ターディング電極で分離除去しきれずに処理室へ流入
し、処理室壁に到達した荷電粒子について、正の荷電粒
子の電荷量と、負の荷電粒子の電荷量との差を、電流計
50に流れる電流値として容易に計測することができ
る。この微量荷電粒子に起因する被処理物の帯電を抑制
する作用につき、以下詳細に説明する。
【0046】いま、電流計50の処理室壁15に接続さ
れた端から他端に向かって流れる電流の向きを正と定義
する。そして、図4の実線に示した空間電位を設定した
状態で、電流計50に負の電流が流れているものと仮定
する。すなわち、処理室23に流出する荷電粒子の電荷
として、電子の有する負電荷の合計の方が多いと仮定す
る。このときに、両極性電源52の出力電圧を+方向に
徐々に変化させると、イオンに対して電子除去電極32
bとイオン除去電極32aの間のポテンシャル壁が低下
することになり、中性化室内のイオンビームや、電子除
去電極32bとイオン除去電極32aの間で中性ビーム
が再イオン化されたものが、イオン除去電極32aに開
口する孔を通過して処理室に洩れる量が増加する。一
方、イオンビームや中性ビームが電子除去電極32bに
衝突することにより、そこから発生する2次電子にとっ
ては、該電子除去電極32bと中性化室壁8との間の電
位差が変化せずに、イオン除去電極との間の電位差が減
少することから、イオン除去電極32aに向かって加速
されて処理室に流入する電子の量が減少する。
【0047】上述の通り、両極性電源52の出力電圧を
+方向に変化させることにより、処理室へ正電荷を有す
るイオンの流入量が増加し、負電荷を有する電子の流入
量が減少する。したがって、両極性電源52の出力電圧
を適切な電位まで+方向に変化させることによって、例
えば、図4の点線に示した空間電位の状態において、電
流計50に流れる電流を0とすること、つまり、処理室
23へ流入する正負の荷電粒子それぞれの合計電荷量を
等量とすることができる。このように、電流計50に流
れる電流の絶対値を小さくすることで、被処理物17の
帯電を抑制することができる。
【0048】また、中性ビーム処理中に、中性ビームや
イオンビームが電子除去電極32bに衝突して、該電子
除去電極32bが加熱されて熱変形を生じてたわみ、イ
オン除去電極32aに接近して、電子除去電極32bに
開口する孔近傍の電界形状が変化し、孔の中心部で空間
電位が上昇することにより中性化室11に存在する電子
が前記孔を通過して処理室壁15に洩れる量が変化する
可能性がある。しかし、実施例においては、制御手段5
1を用いて両極性電源52の出力電圧を制御することに
より、電流計に流れる電流を0、すなわち、処理室23
へ流入する正負荷電粒子の電荷量を等量とすることがで
きるので、中性ビーム処理中に常に被処理物の帯電を抑
制することができる。
【0049】尚、本実施例では、リターディング電極と
して2つの多孔電極からなるものを用いたが、3以上の
ものであっても構わない。また、イオン除去電極やプラ
ズマ生成室壁の電位を単独で変化させることによって、
電流値を0に調節することもできる。
【0050】次に、図5は本発明の第3の実施例を示す
中性ビーム処理装置の全体構成図である。本実施例の中
性ビーム処理装置は、次の3点で、上述した実施例1及
び2における装置と異なっている。 (1)電流計50を用いず、当該個所を短絡している。 (2)両極性電源52を用いず、当該個所を抵抗60に
置換えている。 (3)制御手段51を有しない。
【0051】これらの構成により、本実施例は、微量荷
電粒子に起因する被処理物の帯電を抑制する。
【0052】本実施例では、プラズマ生成室を画成する
プラズマ生成室壁2,イオン引出し電極を構成するスク
リーン電極3a,加速電極3b及び減速電極3c,中性
化室を画成する中性化室11,リターディング電極の一
構成要素である電子除去電極32b、及びそれら相互間
の電位を設定する手段であるところの直流電源33,3
4,35、及び36と、処理室を画成する処理室壁15
との間に抵抗60を備えている。そのため、プラズマ生
成室,イオン引出し電極,中性化室及び電子除去電極で
構成される系で発生した正負全ての荷電粒子のうち、処
理室23へ流出して処理室壁に到達した荷電粒子もしく
はイオン除去電極32aに衝突した荷電粒子について、
正の荷電粒子の電荷量と負の荷電粒子の電荷量との差
が、電流として抵抗60に流れる。
【0053】従って、この抵抗60の抵抗値を十分大き
くすることにより、抵抗60を流れる電流を十分小さ
く、即ち、プラズマ生成室,イオン引出し電極,中性化
室及び電子除去電極で構成される系で発生した正負全て
の荷電粒子のうち、処理室23へ流出して処理室壁に到
達する荷電粒子もしくはイオン除去電極32aに衝突す
る荷電粒子について、正の荷電粒子の電荷量と負の荷電
粒子の電荷量との差を、十分小さくすることができる。
このことは、抵抗60の抵抗値を無限大としたとき、す
なわち、上述した系を浮遊電位とした場合に、系から流
出する正負の電荷量の差が0となることから明らかであ
る。実際には、正負の電荷量の差として所定量を許容す
ることで、装置の安全上、抵抗60の抵抗値は有限値に
選定される。
【0054】上述の如く、本実施例においては、処理室
23に流入もしくはイオン除去電極32aに衝突する正
負の荷電粒子の電荷量を概略等量とすることができるの
で、イオン除去電極32aにおける荷電粒子の授受の影
響が十分小さく許容できる場合において、被処理物17
の帯電を抑制することが可能となる。そして、この様に
所定の正負電荷量の差を許容することで、装置構成を簡
略にすることができる。
【0055】最後に、図6は本発明の第4の実施例を示
す中性ビーム処理装置の全体構成図である。本実施例の
中性ビーム処理装置は、第1の実施例の中性ビーム処理
装置に対して、永久磁石列31をイオン除去電極32a
に隣接して、その処理室側に配設したものである。
【0056】本実施例では、電子除去電極32bと多孔
電極32cとの間に、異物等が原因の異常放電が発生
し、過電流のため直流電源36の出力電圧が低下して、
中性化室に存在する電子が電子除去電極32bを通過し
たとしても、永久磁石列31により、容易に軌道が曲げ
られ、磁力線に巻きつきながら永久磁石列の磁極に吸い
こまれて消失するので、高エネルギー電子が被処理物に
照射されて被処理物が大きく負電位に帯電することを防
止することができる。
【0057】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、中性ビー
ム処理において、イオン除去電極を含む複数の電極間で
異常放電が発生した場合でも、イオンの照射によって被
処理物が大きく正に帯電するのを防止することができ
る。また、処理中にビームが電極に衝突し、熱変形して
しまっても、被処理物への帯電を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す中性ビーム処理装
置の全体構成図である。
【図2】図1のa−b線上における空間電位を示す図で
ある。
【図3】本発明の第2の実施例を示す中性ビーム処理装
置の全体構成図である。
【図4】図3のa−b線上における空間電位を示す図で
ある。
【図5】本発明の第3の実施例を示す中性ビーム処理装
置の全体構成図である。
【図6】本発明の第4の実施例を示す中性ビーム処理装
置の全体構成図である。
【符号の説明】
1…プラズマ生成室、2…プラズマ生成室壁、3a…ス
クリーン電極、3b…加速電極、3c…減速電極、4…
導波管、5…永久磁石列、6…マイクロ波導入窓、7,
14…絶縁スペーサ、8…中性化室壁、11…中性化
室、15…処理室壁、16…支持台、17…被処理物、
23…処理室、31…永久磁石列、32a…イオン除去
電極、32b…電子除去電極、32c…多孔電極、3
3,34,35,36,37…直流電源、38…保護ダ
イオード、47,48,49…ガス導入管、50…電流
計、51…制御手段、52…両極性電源、60…抵抗。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 忠 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 Fターム(参考) 5F004 AA06 BA16 BA20 BB32 CA03

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部にプラズマを生成するプラズマ生成室
    と、 該プラズマ生成室からイオンを引き出してイオンビーム
    とするイオン引出し電極と、 該イオン引出し電極により引き出されたイオンビームを
    中性化して中性ビームに変換する中性化室と、 該中性化室内のビームから荷電粒子を分離して中性ビー
    ムを通過させるリターディング電極と、 該リターディング電極を通過した中性ビームの伝播路上
    に被処理物を収納する処理室とを備えてなり、 前記プラズマ生成室を画成するプラズマ生成室壁と、前
    記中性化室を画成する中性化室壁と、前記処理室を画成
    する処理室壁とが何れも導電性を有すると共に、前記処
    理室壁及び前記プラズマ生成室壁に対して前記中性化室
    壁が負電位であることを特徴とする中性ビーム処理装
    置。
  2. 【請求項2】内部にプラズマを生成するプラズマ生成室
    と、 該プラズマ生成室からイオンを引き出してイオンビーム
    とするイオン引出し電極と、 該イオン引出し電極により引き出されたイオンビームを
    中性化して中性ビームに変換する中性化室と、 該中性化室内のビームから荷電粒子を分離して中性ビー
    ムを通過させるリターディング電極と、 該リターディング電極を通過した中性ビームの伝播路上
    に被処理物を収納する処理室とを備えてなり、 前記プラズマ生成室を画成するプラズマ生成室壁と、前
    記中性化室を画成する中性化室壁と、前記処理室を画成
    する処理室壁とが何れも導電性を有すると共に、前記処
    理室壁及び前記プラズマ生成室に対して前記中性化室壁
    が負電位であり、前記処理室壁に対する前記プラズマ生
    成室壁の電位が10V以下であることを特徴とする中性
    ビーム処理装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2のいずれかにおいて、 前記処理室壁と前記中性化室壁との電位差が200V以
    上であることを特徴とする中性ビーム処理装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかにおいて、 前記リターディング電極は、複数の多孔電極を有し、 該多孔電極のうちの1つが、中性化室壁に対して負電位
    であることを特徴とする中性ビーム処理装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、 前記複数の多孔電極のうち、処理室に面する多孔電極
    が、前記プラズマ生成室壁の電位に対して正電位である
    ことを特徴とする中性ビーム処理装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5において、 プラズマ生成室壁と処理室壁とが一体として形成される
    こと、若しくは連結されることにより同電位としている
    ことを特徴とする中性ビーム処理装置。
  7. 【請求項7】内部にプラズマを生成させるプラズマ生成
    室と、 該プラズマ生成室からイオンを引き出してイオンビーム
    とするイオン引出し電極と、 該イオン引出し電極により引き出されたイオンビームを
    中性化して中性ビームに変換する中性化室と、 該中性化室内のビームから荷電粒子を分離して中性ビー
    ムを通過させるリターディング電極と、 該リターディング電極を通過した中性ビームの伝播路上
    に被処理物を収納する処理室とを備え、 前記イオン引出し電極及びリターディング電極は、それ
    ぞれ複数の多孔電極からなり、 前記プラズマ生成室を画成する導電性のプラズマ生成室
    壁、前記中性化室を画成する導電性の中性化室壁及び前
    記複数の多孔電極が、前記処理室を画成する導電性の処
    理室壁と接続されており、該処理室壁から流れる荷電粒
    子の電流値を計測し、 該電流値に基づいて、前記各壁及び各多孔電極の電位の
    いずれかを変化させることを特徴とする中性ビーム処理
    装置。
  8. 【請求項8】内部にプラズマを生成させるプラズマ生成
    室と、 該プラズマ生成室からイオンを引き出してイオンビーム
    とするイオン引出し電極と、 該イオン引出し電極により引き出されたイオンビームを
    中性化して中性ビームに変換する中性化室と、 該中性化室内のビームから荷電粒子を分離して中性ビー
    ムを通過させるリターディング電極と、 該リターディング電極を通過した中性ビームの伝播路上
    に被処理物を収納する処理室とを備え、 前記イオン引出し電極及びリターディング電極は、それ
    ぞれ複数の多孔電極からなり、 前記プラズマ生成室を画成する導電性のプラズマ生成室
    壁、前記中性化室を画成する導電性の中性化室壁及び前
    記複数の多孔電極が、前記処理室を画成する導電性の処
    理室壁と接続されており、該処理室壁から流れる荷電粒
    子の電流値を計測し、 該電流値の絶対値が小さくなるように、前記各壁及び各
    多孔電極の電位のいずれかを変化させることを特徴とす
    る中性ビーム処理装置。
  9. 【請求項9】内部にプラズマを生成するプラズマ生成室
    と、 該プラズマ生成室からイオンを引き出してイオンビーム
    とするイオン引出し電極と、 該イオン引出し電極により引き出されたイオンビームを
    中性化して中性ビームに変換する中性化室と、 該中性化室内のビームから荷電粒子を分離して中性ビー
    ムを通過させるリターディング電極と、 該リターディング電極を通過した中性ビームの伝播路上
    に被処理物を収納する処理室とを備え、 前記イオン引出し電極及びリターディング電極は、それ
    ぞれ複数の多孔電極からなり、 前記プラズマ生成室を画成する導電性のプラズマ生成室
    壁、前記中性化室を画成する導電性の中性化室壁及び前
    記複数の多孔電極は、共通の電流計を介して、前記処理
    室を画成する導電性の処理室壁と接続されており、 前記電流計の電流値に基づいて、前記各壁及び各多孔電
    極の電位のいずれかを変化させることを特徴とする中性
    ビーム処理装置。
  10. 【請求項10】内部にプラズマを生成させるプラズマ生
    成室と、 該プラズマ生成室からイオンを引き出してイオンビーム
    とするイオン引出し電極と、 該イオン引出し電極により引き出されたイオンビームを
    中性化して中性ビームに変換する中性化室と、 該中性化室内のビームから荷電粒子を分離して中性ビー
    ムを通過させるリターディング電極と、 該リターディング電極を通過した中性ビームの伝播路上
    に被処理物を収納する処理室とを備え、 前記イオン引出し電極及びリターディング電極は、それ
    ぞれ複数の多孔電極からなり、 前記リターディング電極のうち処理室に面する多孔電極
    が、電流計を介して前記処理室を画成する導電性の処理
    室壁と接続され、かつ、前記処理室に面する多孔電極以
    外の各多孔電極、前記プラズマ生成室を画成する導電性
    のプラズマ生成室壁及び前記中性化室を画成する導電性
    の中性化室壁が、共通の電源を介して前記電流計と接続
    されており、 前記電流計の電流値の絶対値が小さくなるように、前記
    電源の出力を変化させる制御手段を更に有することを特
    徴とする中性ビーム処理装置。
  11. 【請求項11】内部にプラズマを生成させるプラズマ生
    成室と、 該プラズマ生成室からイオンを引き出してイオンビーム
    とするイオン引出し電極と、 該イオン引出し電極により引き出されたイオンビームを
    中性化して中性ビームに変換する中性化室と、 該中性化室内のビームから荷電粒子を分離して中性ビー
    ムを通過させるリターディング電極と、 該リターディング電極を通過した中性ビームの伝播路上
    に被処理物を収納する処理室とを備え、 前記イオン引出し電極及びリターディング電極は、それ
    ぞれ複数の多孔電極からなり、 前記リターディング電極のうち処理室に面する多孔電極
    が、前記処理室を画成する導電性の処理室壁と接続さ
    れ、かつ、前記処理室に面する多孔電極以外の各多孔電
    極、前記プラズマ生成室を画成する導電性のプラズマ生
    成室壁及び前記中性化室を画成する導電性の中性化室壁
    が、共通の抵抗を介して前記処理室壁と接続されといる
    ことを特徴とする中性ビーム処理装置。
  12. 【請求項12】請求項1乃至11のいずれかにおいて、 前記リターディング電極の前記処理室側に、磁場発生手
    段を有することを特徴とする中性ビーム処理装置。
  13. 【請求項13】プラズマ生成室内にプラズマを生成し、 前記プラズマ生成室から引出し電極によりイオンビーム
    を引き出し、 該イオンビームを中性化室内の中性ガスにより中性ビー
    ムに変換し、 前記中性化室内のビームからリターディング電極により
    荷電粒子を分離し、 前記リターディング電極を通過した中性ビームを処理室
    内の被処理物に照射して表面処理を行う中性ビーム処理
    方法であって、 前記リターディング電極で分離しきれずに処理室に流入
    し、該処理室を画成する導電性の処理室壁に到達する荷
    電粒子のうち、正の荷電粒子の電荷量と、負の荷電粒子
    の電荷量との差を計測し、 前記引出し電極を構成する複数の多孔電極、前記リター
    ディング電極を構成する複数の多孔電極、前記イオン源
    を画成する導電性のプラズマ生成室壁、前記中性化室を
    画成する導電性の中性化室壁及び前記処理室壁、の電位
    のいずれかを変化させて、前記電荷量の差が小さくなる
    ように制御することを特徴とする中性ビーム処理方法。
  14. 【請求項14】プラズマ生成室内にプラズマを生成し、 前記プラズマ生成室から引出し電極によりイオンビーム
    を引き出し、 該イオンビームを中性化室内の中性ガスにより中性ビー
    ムに変換し、 前記中性化室内のビームからリターディング電極により
    荷電粒子を分離し、 前記リターディング電極を通過した中性ビームを処理室
    内の被処理物に照射して表面処理を行う中性ビーム処理
    方法であって、 前記リターディング電極で分離しきれずに処理室内に流
    入し、該処理室を画成する導電性の処理室壁に到達する
    荷電粒子のうち、正の荷電粒子の電荷量と、負の荷電粒
    子の電荷量との差を計測し、 前記引出し電極を構成する複数の多孔電極、前記リター
    ディング電極を構成する複数の多孔電極のうち前記処理
    室に面する多孔電極以外の多孔電極、前記イオン源を画
    成する導電性のプラズマ生成室壁、前記中性化室を画成
    する導電性の中性化室壁及び前記処理室壁、の電位を共
    通の電源を介して変化させて、前記放電室内へ流入する
    正の荷電粒子の量を調節し、前記電荷量の差を小さくす
    ることを特徴とする中性ビーム処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100676396B1 (ko) 2005-06-09 2007-02-01 주식회사 케이씨텍 중성화빔을 이용한 표면처리장치
CN108064119A (zh) * 2018-01-05 2018-05-22 惠安耐亚节能科技有限公司 一种集成光电子器件制造用蚀刻装置

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