JP2003100359A - 機能性膜及びその製造方法、並びに、それを用いた光半導体電極、光電変換素子 - Google Patents

機能性膜及びその製造方法、並びに、それを用いた光半導体電極、光電変換素子

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JP2003100359A JP2001292196A JP2001292196A JP2003100359A JP 2003100359 A JP2003100359 A JP 2003100359A JP 2001292196 A JP2001292196 A JP 2001292196A JP 2001292196 A JP2001292196 A JP 2001292196A JP 2003100359 A JP2003100359 A JP 2003100359A
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Yoshiyuki Ono
好之 小野
Hokuto Takada
北斗 高田
Tomozumi Kamisaka
友純 上坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機能性膜及びその製造方法を提供し、更に前
記機能性膜を用いた光電変換効率の高い光半導体電極
と、光電変換素子とを簡便に効率よく提供する。 【解決手段】 微粒子と搬送ガスとが混合されたエアロ
ゾルを支持基板表面に吹き付け、前記微粒子を前記支持
基板表面に堆積させる堆積工程を含む機能性膜の製造方
法であって、前記微粒子が、機能性分子を担持させた無
機微粒子であることを特徴とする機能性膜の製造方法、
及び、該製造方法により得られた機能性膜、並びに、そ
れを用いた光半導体電極、光電変換素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽電池、光センサ
ー等に用いられる機能性膜、その製造方法、及びそれを
用いた光半導体電極、並びにそれを用いた光電変換素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、太陽電池は材料の特性上、高い変
換効率が得られる等の利点から材料としてシリコンが用
いられ実用化されている。しかし、シリコンは現在集積
回路などの基板等にも使用され材料としての絶対量が不
足する傾向にある。近年、この問題を解決し得る太陽電
池の開発が進められ、シリコン太陽電池以外に色素増感
型太陽電池も候補として検討されるようになった。色素
増感型太陽電池は、古くから非常に低コストで製作でき
ることが知られていたが、変換効率が低いために実用化
が困難とされてきた。ところが、色素増感型太陽電池は
近年研究が進められ、半導体膜を多孔質化し、その表面
に光を吸収する色素を吸着させることにより、シリコン
を中心とした接合型太陽電池と同程度の変換効率が得ら
れるという報告があり、実用化を視野に入れた研究開発
がなされるようになった(特開平9−237641号公
報、特開平10−92477号公報)。
【0003】高性能な色素増感型太陽電池の実現には、
色素の担持能力に優れ、半導体としての特性にも優れた
多孔質半導体電極の開発が不可欠である。多孔質半導体
電極の半導体材料としては、典型的なn型のワイドバン
ドギャップの半導体である酸化チタンが一般的に用いら
れている。色素増感型太陽電池に適した酸化チタン多孔
質電極の作製法については、多くの研究者らにより精力
的に検討されており、さまざまな方法が提案されてい
る。典型的な方法を列挙すると、チタンアルコキシドを
原料としてそれを加水分解させて酸化チタン微粒子を生
成・分散させて得られたコロイド溶液を基板に塗布し焼
結する方法(特開平1−220380号公報)、チタン
基板を陽極酸化させたのち水熱処理を施して酸化チタン
膜を得る方法(特開平10−112337号公報)、チ
タンアルコキシドを含む溶液を加熱させた基板に吹き付
けて熱分解させ酸化チタン膜を得る方法(PCPM20
00予稿集P−67)などが挙げられる。なかでも酸化
チタン微粒子分散コロイドを塗布し焼結する方法は、も
っとも一般的に用いられている方法である。
【0004】一方、林、賀集らは、金属またはセラミッ
クス膜を形成する手法として、金属またはセラミックス
の微粒子をエアロゾル化させて基板に吹き付けることに
よって当該膜を形成するという手法を提案している(応
用物理 54(1985)687(応用物理学会)、特
開平6−128728号公報)。この手法では、予め調
製した金属あるいはセラミックスの微粒子と搬送ガスと
がガス/微粒子混合室内で混合してエアロゾル化され、
このエアロゾルがガス/微粒子混合室から搬送管及びノ
ズルを経由して膜形成室内に配置された基板に対して吹
き付けられる。彼らはこの方法をエアロゾル式ジェット
プリンティング法と呼んでいる。微粒子に直径1μm以
下の超微粒子を用いるとガスと混合した場合、重力の影
響を受けず安定に存在したエアロゾルとなり、均一な気
流として扱うことができる。そして、ガス/微粒子混合
室と膜形成室との間に圧力差を設けて搬送管でつなぎ、
膜形成室内に基板と対向させて搬送管に接続されたノズ
ルを配置させると、エアロゾルは高速の気流として基板
表面に吹き付けられる。直径1μm以下の超微粒子が基
板表面に衝突すると運動エネルギーが非常に小さな領域
で放出されるため、その領域だけ局所的に加熱される効
果が生じて、微粒子と基板の、さらには微粒子同士の固
着がおこり膜が形成されるとされている。この手法は、
簡便な装置で効率よく厚膜化が可能である、分散などの
付加的な工程が不要である、溶媒や分散助剤、バインダ
ーなどが不要である、複数種の微粒子を用いることで均
一な混合膜が得られる、常温で成膜が可能であるなどの
優れた点を有している。エアロゾル式ジェットプリンテ
ィング法は、エアロゾル化しやすくハンドリングが困難
であるという超微粒子の本来的な欠点とされていたこと
を、逆に利用した巧妙な成膜手法である。
【0005】エアロゾル式ジェットプリンティング法の
機能性膜形成への試みとしては、圧電アクチュエーター
などへの応用をねらった強誘電体膜の形成(信学技報
US96−20)や、酸化物超伝導膜の形成(粉体およ
び粉末冶金 37 684)などがあるが、光電気化学
特性についての報告はなく、光電変換素子への応用可能
性については不明であった。またこれまでの応用の試み
では、バルク体としての機能を利用しており、膜として
はより緻密なものを形成することを主眼としており、多
孔質膜の形成については検討されていなかった。
【0006】これらの方法で作製された酸化チタン多孔
質電極を、増感色素が溶解した溶液中に浸漬して表面に
自然吸着させることで色素増感型太陽電池用光電極が得
られる。この増感色素の自然吸着の工程は、多孔質体へ
の溶液の浸透や吸着反応に時間がかかり、通常2時間か
ら一昼夜を要していた。結果、全体の生産性を大きく下
げていた。色素増感太陽電池の変換効率は、理論値では
30%と高い値が予測されているが、実際にはその10
%以下と現状では不十分である。この原因としては、増
感色素の吸収波長域が狭く、太陽光を十分に活用できて
いないことが指摘されている。吸収波長の広い増感色素
の開発は、その解決の1手段であるが、現実には容易で
ない。一方、アモルファスSiや多結晶Siの太陽電池
では、吸収波長域が異なる複数の活性層を積層させ、パ
ンクロマティックな特性を実現したタンデム型太陽電池
が開発されている。この方法を色素増感型太陽電池に適
用するのも難しい。前述の酸化チタン多孔質電極の作製
法は、いずれも最低でも450℃の温度での熱処理が必
要であり、耐熱性が十分でない増感色素が担持された後
での酸化チタン多孔質電極の積層は不可能であったから
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解決しうる、機能性膜及びその製造方法を提供し、更
に前記機能性膜を用いた光電変換効率の高い光半導体電
極と、光電変換素子とを簡便に効率よく提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、エアロゾ
ル式ジェットプリンティング法が、超微粒子を用いてそ
れを直接堆積させる方法であり、本来的に緻密な膜だけ
でなく多孔質膜の形成に好適であるとの予測にたち、ま
た常温で成膜できることに注目し、前記課題を解決する
ため鋭意検討を重ねた結果、あらかじめ増感色素等の機
能性分子が担持された半導体微粒子等の無機微粒子と不
活性ガスとが混合されたエアロゾルを基板に吹き付ける
ことにより、光電変換効率が高い光半導体電極を簡便に
効率よく作製できることを見出し、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、
【0009】<1> 微粒子と搬送ガスとが混合された
エアロゾルを支持基板表面に吹き付け、前記微粒子を前
記支持基板表面に堆積させる堆積工程を含む機能性膜の
製造方法であって、前記微粒子が、機能性分子を担持さ
せた無機微粒子であることを特徴とする機能性膜の製造
方法である。
【0010】<2> 前記無機微粒子が、半導体微粒子
であることを特徴とする<1>に記載の機能性膜の製造
方法である。 <3> 前期無機微粒子が、金属酸化物微粒子であるこ
とを特徴とする<1>又は<2>に記載の機能性膜の製
造方法である。
【0011】<4> 前記金属酸化物微粒子が、酸化亜
鉛、酸化錫、酸化ニオブ、及び酸化ルテニウムから選ば
れる少なくとも1種を含むことを特徴とする<3>に記
載の機能性膜の製造方法である。 <5> 前記微粒子が、担持される機能性分子の種類が
異なる、少なくとも2種類の微粒子であることを特徴と
する<1>〜<4>の何れかに記載の機能性膜の製造方
法である。
【0012】<6> 担持される機能性分子が、増感色
素であることを特徴とする<1>〜<5>の何れかに記
載の機能性膜の製造方法である。 <7> 前記微粒子が、担持される増感色素の吸収波長
が異なる、少なくとも2種類の微粒子からなることを特
徴とする<6>に記載の機能性膜の製造方法である。
【0013】<8> 前記少なくとも2種類の微粒子を
順次堆積させることを特徴とする<5>又は<7>に記
載の機能性膜の製造方法である。 <9> 前記少なくとも2種類の微粒子を傾斜的に堆積
させることを特徴とする<8>に記載の機能性膜の製造
方法である。
【0014】<10> <1>〜<9>に記載の機能性
膜の製造方法により製造されることを特徴とする機能性
膜である。 <11> <10>に記載の機能性膜と支持基板とから
構成されることを特徴とする光半導体電極である。 <12> <10>に記載の機能性膜と支持基板とから
構成される光半導体電極を用いたとする光電変換素子で
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明に
おいて同一の要素には同一符号を付し、重複する説明を
省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ず
しも一致していない。
【0016】[光電変換素子の構成]本発明の光電変換
素子の基本的な構成は、一対の電極間に電解質溶液層が
位置し、この電解質溶液によって該一対の電極が、電気
的に接続されているという構成である。一対の電極のう
ちの少なくとも一方が、本発明による機能性膜と支持基
板とから構成される光半導体電極である。
【0017】図1は、本発明の光電変換素子の一実施形
態の構成を模式的に示す断面図である。本実施形態の光
電変換素子1は、光半導体電極20と対向電極30とを
備えている。光半導体電極20は、ガラス基板等の透明
基板(絶縁性基板)2a表面に透明導電性膜2bが形成
された支持基板2と、その透明導電性膜2bが形成され
た表面に積層された機能性膜としての感光層3とからな
り、対向電極30は、基板4と、その表面に形成された
導電性膜5とからなる。光半導体電極20と対向電極3
0とは、感光層3と導電性膜5とが対向した状態で、そ
れらの間に位置するスペサー粒子6によって互いに直接
接触することなく配設されている。スペサー粒子6は、
光半導体電極20と対向電極30との間の空間内であっ
て、その外周部近傍のみに位置し、スペサー粒子6の周
囲には封止剤層8が形成されており、光半導体電極20
と対向電極30との間の空間の略中央部は密閉空間とな
っている。この密閉空間には、電解質溶液が満たされ電
解質溶液層7が形成されている。この電解質溶液層7に
よって、光半導体電極20と対向電極30とが電気的に
接続されている。また、透明導電性膜2b及び導電性膜
5には、それぞれ導線9、9’が接続されている。
【0018】以上の構成の光電変換素子1において、光
は透明基板2a側から照射される。光電変換素子1に光
が照射されると、光は支持基板2を透過し感光層3に到
達し、感光層3で光電変換される。つまり、照射された
光は感光層3で電子に変換され、変換された電子は、透
明導電性膜2b及び導電性膜5に接続された導線9、
9’を介して電流として取り出すことができる。
【0019】本実施形態の光電変換素子1において、透
明基板2aの材料としては、セラミックス、ガラス、プ
ラスチック等の任意の透明材料を利用することができ
る。また、透明基板2a上に形成される透明導電性膜2
bの材料としては、金属酸化物から構成される公知の透
明導電性材料を使用することができる。例えば、ZnO
(酸化亜鉛)、SnO2(酸化スズ)、In23(酸化
インジウム)、SnO2−In23(酸化スズと酸化イ
ンジウムの固溶体。略称ITO)などが好適なものとし
て挙げられる。透明導電性膜2bの材料は抵抗の制御を
行うための不純物を含んでもよい。透明導電性膜2bの
膜厚は、充分な導電性が確保できれば特に制限はない
が、一般的に50nm〜5μm程度で用いられる。これ
らの中でも特に、透明基板2aとしてはガラスや樹脂製
のものを使用することが好ましく、透明導電性膜2bに
使用する金属酸化物は可視光の透過性が高いものが好ま
しい。
【0020】透明基板2aと透明導電性膜2bとで構成
される支持基板2の抵抗は低い程好ましい。好ましい表
面抵抗値は100Ω/cm2以下であり、さらに好まし
くは50Ω/cm2以下である。また、支持基板2は実
質的に透明であることが好ましい。実質的に透明である
とは、光の透過率が10%以上であることを意味し、5
0%以上であることが好ましく、75%以上であること
が特に好ましい。
【0021】感光層3は半導体微粒子等の無機微粒子と
その表面に担持された機能性分子とから構成される。感
光層3を構成する機能性膜の材料としては、Si、Ge
などのIV族の半導体や、金属酸化物、金属硫化物、金
属セレン化物等の金属カルコゲナイド、ペロブスカイト
類、等の無機化合物の微粒子(無機微粒子)を使用する
ことができる。金属酸化物としては好ましくはチタン、
スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ハフニウ
ム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリ
ウム、ランタン、ルテニウム、バナジウム、ニオブ、ま
たはタンタル等の酸化物、金属カルコゲナイドとして
は、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、等が挙げら
れる。ペロブスカイト類としては、好ましくはチタン酸
ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウ
ム等が挙げられる。これらの中でも、酸化チタン、酸化
亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化
バナジウム、酸化ルテニウム及びチタン酸ストロンチウ
ム等から選ばれる少なくとも1種を含有するものが好ま
しい材料として挙げられる。中でも、金属酸化物類は、
化学的に安定であり、耐久性に優れる、安全性が高いと
いう点で好ましい。特に酸化チタンはn型の酸化物半導
体であり、化学的、電気化学的に安定で好ましい。また
キャリア濃度等の制御を行うため不純物をドープして用
いることもできる。
【0022】また、感光層3の好ましい形態として、多
孔質化された感光層を用いることができる。半導体と電
解質溶液との間での光電気化学反応を利用した光電変換
素子においては、半導体と電解質溶液界面での酸化還元
反応を効果的に行わせることが重要である。この酸化還
元の反応部位は、感光層を多孔質化することにより増大
させることができる。このことにより、感光層を多孔質
化すると、例えば、太陽電池においては変換効率の向上
を図ることができ、光センサーにおいては感度の向上を
図ることができる。また、このような多孔質構造により
光が入射する際に生じる光の散乱の効果についても増大
され、これによって非多孔質構造のように平坦な場合に
比べて、その光の利用効率も向上する。
【0023】感光層3を構成する本発明の機能性膜は、
増感色素等の機能性分子を担持させた、それ自体は可視
光に対して吸収を持たない、いわゆる可視光に対して透
明な半導体材料等の無機微粒子を、前記支持基板表面に
堆積させることによって得られることを特徴とする。前
記無機微粒子として酸化チタン微粒子を用いる場合、感
光層3として、酸化チタンの微粒子膜の上に増感色素を
担持させたものを用いることが特に有効な形態として挙
げられる。
【0024】本発明において有効に利用し得る増感色素
としては、使用する光の波長域に対して吸収を持ち、増
感作用をもたらすものであれば如何なるものでも使用で
きるが、その吸収波長が半導体の吸収端以上に伸びてお
り、半導体の吸収しない波長域にて増感作用が得られる
ものであることが好ましい。具体的には、ローダミン
B、ローズベンガル、エオシン、エリスロシン等のキサ
ンテン系色素;キノシアニン、クリプトシアニン等のシ
アニン系色素;フェノサフラニン、チオシン、メチレン
ブルー等の塩基性染料;クロロフィル、亜鉛ポルフィリ
ン、マグネシウムポルフィリン等のポリフィリン化合
物;アゾ染料、フタロシアニン化合物、Ruトリスビピ
リジル等の錯化合物;アントラキノン系色素;多環キノ
ン系色素;チオニン系色素等が挙げられる。中でもR
u、Os、Pt、Ni、Eu、Nd等の金属キレート錯
体;ポルフィリン及びその誘導体;フタロシアニンおよ
びその誘導体、キナクリドン、ピロロピロール等のイン
ジゴ系化合物、等が好適なものとして挙げられる。金属
キレート錯体の具体例としては、米国特許492772
1号明細書、“次世代色素増感型太陽電池とその技術動
向”(平成10年度新素材技術部会調査報告書,新化学
発展協会)等に記載のRuビピリジル系錯体が挙げられ
る。
【0025】感光層3に用いる機能性分子としては、増
感色素以外にも半導体層と電解質層との間の電子の授受
を制御する役割を果たす分子や、感光層の光溶出を防止
する分子など目的により適宜使用できる。
【0026】感光層3を構成する本発明の機能性膜は、
あらかじめ表面に機能性分子が担持された半導体微粒子
等の無機微粒子(以下、「複合微粒子」と呼ぶ場合があ
る。)と搬送ガスとが混合されたエアロゾルを支持基板
表面に吹き付け、該複合微粒子を該基板上に堆積するこ
とにより形成される。その具体的な製造方法を以下に示
す。
【0027】[機能性膜の製造方法]図2に、本発明の機
能性膜を形成するための成膜装置の模式図を示す。この
成膜装置は、混合室10と成膜室11とを備えている。
混合室10には、機能性膜の原材料となる原料微粒子
(機能性分子を担持させた無機微粒子)12が収容され
ており、この原料微粒子12内には、外部に位置する不
図示のキャリアガスボンベからのキャリアガス(搬送ガ
ス)を混合室10内に導く導入管13の一端が埋入して
いる。混合室10の外部であって、導入管13の途中に
はキャリアガス導入バルブ14が設けられており、この
キャリアガス導入バルブ14が開状態か閉状態かによっ
てキャリアガスを混合室10内へ導入するか否かを切り
換えることができる。
【0028】混合室10は搬送管15を介して成膜室1
1と接続されている。搬送管15の成膜室11内に位置
する端部にはスリット状、もしくはピンホール状のノズ
ル16が設けられており、このノズル16の噴射口に対
向する位置には支持基板17が配されている。支持基板
17は、ノズル16の先端と1〜50mmの範囲で離間
した状態で、加熱ステージを内蔵した基板ホルダ18上
に載置されている。基板ホルダ18は、基板加熱用電源
19に接続されており、また、不図示の駆動手段によっ
てX方向及びY方向に任意に移動することが可能に設け
られている。また、成膜室11は排気管21を介して真
空ポンプ22に接続されており、真空ポンプ22を稼動
させることにより成膜室11は排気される。
【0029】以上の構成の成膜装置において、真空ポン
プ22を稼動させた状態で混合室10のキャリアガス導
入バルブ14を開状態にすると、キャリアガスが混合室
10内に勢いよく吸い込まれて、原料微粒子12とキャ
リアガスが混合されてエアロゾル状態となる。混合室1
0と成膜室11の圧力差によってエアロゾルは、搬送管
15を経て、ノズル16から支持基板17に向けて噴射
され、支持基板17表面に機能性分子を担持させた無機
微粒子が堆積する。支持基板17をX、Y方向に移動さ
せることにより任意のパターンの膜を形成することがで
きる。
【0030】混合室10に収容する原料微粒子12を構
成する無機微粒子としては、前述の無機微粒子の材料、
すなわちSi、GeなどのIV族の半導体や、GaA
s,GaP、CuInS2,CuInSe2などの化合物
半導体、ZnO、TiO2などの金属酸化物半導体など
の無機微粒子を単独、もしくは複数種混合して用いるこ
とができる。これらの無機微粒子は平均粒径で5nm〜
20μmであることが好ましく、特に10nm〜1μm
であることが好ましい。成膜時の基板の温度は室温から
600℃の範囲で任意に設定できるが、必ずしも基板の
加熱は必要なく常温でも膜の形成は可能である。目標と
する結晶形や膜の強度などの特性により適宜加熱するこ
とができる。
【0031】増感色素等の機能性分子を担持させた無機
微粒子からなる本発明の機能性膜は、高い比表面積を有
する為、たとえ増感色素等の機能性分子が単分子吸着さ
れた場合であっても高い光吸収量が実現される。無機微
粒子の表面に、増感色素等の機能性分子を担持させる方
法は、特に制限されるものではなく公知の技術を使用で
きる。例えば、担持させる化合物の溶液に浸す自然吸着
法、半導体表面に増感色素を化学的に固定する化学吸着
法などの方法を適宜選ぶことができる。担持方法に関し
ては、耐久性、電荷分離効率等の点で、単分子層にて化
学吸着させることが好ましい。他に、増感色素等の機能
性分子を多層吸着させる方法や、顔料粒子を用いそれを
細孔内に埋め込む方法、等も有効である。化学吸着させ
る場合、一般式(1)で示される連結剤を用いそれを介
して色素を化学固定する方法が、高い吸着強度、吸着密
度を容易に実現できるという点で、好ましい。 An(3-n)Si−L−X … 一般式(1) (式中、Aはハロゲン原子、置換または未置換のアルコ
キシ基、あるいは、置換または未置換のアリールオキシ
基;Rは置換または未置換のアルキル基、あるいは、置
換または未置換のアリール基;Lは炭素数1〜20の2
価の炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基;Xは
ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシ
ル基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基、
または、置換または未置換のビニル基を表し、nは1〜
3の整数を意味する)
【0032】一般式(1)で示される化合物において
は、結合性基が2種(X基とAnSi基)あり、どちら
の基が半導体に結合するかは、X基とAnSi基の組み
合わせと、半導体種ならびにその表面構造によって異な
り一概には云えないが、一般にAnSi基で結合する場
合が多い。また、X基とAnSi基の組み合わせ、なら
びに吸着時の処理条件によっては、両基共に半導体に化
学吸着してしまい、もはや色素を連結できなくなる場合
があるので注意を要する。半導体微粒子として酸化物を
用いる場合、X基とAnSi基の特に好ましい組み合わ
せは、Br基と、ClnSiまたは(R’O)nSiとの
組み合わせである。尚、R’はアルキル基またはアリー
ル基を意味し、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
ClnSi及び(R’O)nSiは酸化物半導体表面への
反応性が高く容易に強固な化学吸着をするのに対し、酸
化物半表面へのBr基の吸着性は殆どない。よって、フ
リーのBr基が残り、該Br基と反応置換し得る基を有
する増感色素等の機能性分子を用いることで、容易に増
感色素等の機能性分子を化学固定することができる。
【0033】一般式(1)で示される増感色素等の機能
性分子を、無機微粒子の表面に担持させる手法として
は、一般式(1)で示される化合物あるいは色素を適当
な溶剤中に溶解または分散させ染色液を作製し、該染色
液中に半導体微粒子を浸漬し静置する方法;ボールミル
中に染色液と半導体微粒子を入れ粉砕・攪拌しながら吸
着させる方法;溶媒を使用せず半導体微粒子と増感色素
をボールミルに入れ乾式で粉砕・攪拌する方法等が利用
できる。
【0034】これらの中でも染色液中に無機微粒子を浸
漬する浸漬染色法は、量産性が高く、且つ染色液の無駄
も少なく、特に好ましい。また、浸漬染色法は、染色液
を加熱したり、超音波を発生させることで、吸着反応を
加速することが可能であると云う利点をも有する。尚、
未吸着の増感色素等の機能性分子は後洗浄によって除去
することが望ましい。吸着する増感色素等の機能性分子
は1種類でもよいし、数種混合して用いてもよい。得ら
れる機能性膜の用途が光再生型光電気化学電池である場
合、光電変換の波長域をできるだけ、利用する光源の発
光域に亘って広くすることが望ましく、増感色素等の機
能性分子を混合することで容易に波長域の拡大を図るこ
とができる。但し、増感色素等の機能性分子の組合せに
は好ましいものがあり、個々には増感効果を有するもの
でも、組合せを誤ると増感効果が著しく低減してしまう
ことがある。また、単純に共吸着させただけでは著しく
増感効果が低減してしまう組み合せでも、適当な順序で
積層吸着させたり、適当な第3の吸着剤を共吸着させ
る、等の方策により増感効果の低減を抑制することがで
きる場合がある。
【0035】本発明の機能性膜は、無機微粒子に異なる
増感波長域をもつ増感色素を担持させるのも効果的であ
る。従来法では作製が不可能であった膜厚方向に異なる
増感色素が担持されたいわゆるタンデム型の色素増感太
陽電池も、本発明に由れば、容易に実現できる。図3に
その作製プロセスを示す。図3は、異なる増感波長域を
もつ増感色素を担持させ3種の原料微粒子からなる機能
性膜を形成するための成膜装置の模式図である。この成
膜装置は、第一混合室31、第二混合室41、第三混合
室51(以下、単に「混合室31、41、51」という
場合がある。)及び成膜室11を備えている。混合室3
1、41、51には、それぞれ異なる増感波長域をもつ
増感色素を担持した第一原料微粒子32、第二原料微粒
子42、第三原料微粒子52(以下、単に「原料微粒子
32、42、52」という場合がある。)が収容されて
おり、この原料微粒子32、42、52内には、外部に
位置する不図示のキャリアガスボンベからのキャリアガ
ス(搬送ガス)を混合室31、41、51内に導く第一
導入管33、第二導入管43、第三導入管53(以下、
単に「導入管33、43、53」という場合がある。)
の一端が埋入している。混合室31、41、51内の外
部であって、導入管33、43、53の途中には第一キ
ャリアガス導入バルブ34、第二キャリアガス導入バル
ブ44、第三キャリアガス導入バルブ54(以下、単に
「キャリアガス導入バルブ34、44、54」という場
合がある。)が設けられており、キャリアガス導入バル
ブ34、44、54が開状態か閉状態かによってキャリ
アガスを混合室31、41、51内へ導入するか否かを
切り換えることができる。
【0036】混合室31、41、51は搬送管15を介
して成膜室11と接続されている。搬送管15の成膜室
11内に位置する端部には、スリット状、もしくはピン
ホール状のノズル16が設けられており、このノズル1
6の噴射口に対向する位置には支持基板17が配されて
いる。支持基板17は、ノズル16の先端と1〜50m
mの範囲で離間した状態で、加熱ステージを内蔵した基
板ホルダ18上に載置されている。基板ホルダ18は、
基板加熱用電源19に接続されており、また、不図示の
駆動手段によってX方向及びY方向に任意に移動するこ
とが可能に設けられている。また、成膜室11は排気管
21を介して真空ポンプ22に接続されており、真空ポ
ンプ22を稼動させることにより成膜室11は排気され
る。
【0037】以上の構成の成膜装置において、真空ポン
プ22を稼動させた状態で混合室31、41、51のキ
ャリアガス導入バルブ34、44、54を開状態にする
と、キャリアガスが混合室31、41、51内に勢いよ
く吸い込まれて、原料微粒子32、42、52とキャリ
アガスが混合されてエアロゾル状態となる。混合室3
1、41、51と成膜室11との圧力差によってエアロ
ゾルは、搬送管15を経て、ノズル16から支持基板1
7に向けて噴射され、支持基板17表面に機能性分子を
担持させた無機微粒子が堆積する。支持基板17をX、
Y方向に移動させることにより、異なる増感波長域をも
つ増感色素を担持した無機微粒子を順次基板上に搬送し
積層化された膜が形成される。
【0038】更に、可変流量バルブを設けることで、そ
れぞれ任意の割合で供給でき、配合比を連続的に変化さ
せることで傾斜材料化も可能である。光の進入深さを考
慮し、入射側から短波長を吸収する増感色素が吸着され
た無機微粒子(A)、中波長を吸収する増感色素が吸着
された無機微粒子(B)、長波長を吸収する増感色素が
吸着された無機微粒子(C)と積層すると幅広い波長域
で有効に光を吸収でき変換効率を大幅に向上させること
ができる。
【0039】また、増感色素同士の会合により増感効果
が低減してしまう場合が有り、この様な有害な相互作用
を低減する目的で無色の化合物を共吸着させてもよい。
この目的に有効な化合物としては、カルボキシル基を有
するステロイド化合物(例えばコール酸)等が挙げられ
る。増感色素を吸着させた後に、未吸着サイトの封止等
の目的で、アルコキシシラン化合物、クロロシラン化合
物、アミン類、チオール類、等を用いて無機微粒子を処
理してもよい。これらの例としては、ヘキシルトリメト
キシシラン、シクロヘキシルジメチルメトキシシラン、
ベンジルトリクロロシラン、4−tert−ブチルフェ
ニルジメチルクロロシラン、ピリジン、4−tert−
ブチルピリジン、ポリビニルピリジン、αメルカプトデ
カン、等が挙げられる。これらが液体の場合はそのまま
用いてもよいし、有機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0040】これらの機能性分子は、その分子中に、無
機微粒子表面または一般式(1)で示される化合物にお
ける増感色素等との連結基と、化学結合できる基を有
し、無機微粒子表面に化学吸着ができるものであること
が好ましい。前記基の好ましい例としては、ハロゲン原
子、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポ
キシ基、イソシアネート基、メルカプト基、ピリジル
基、スルフォン酸基、燐酸基、4級アンモニウム塩基、
並びに、置換または未置換のビニル基等が挙げられる。
また、化学結合としては、共有結合、配位結合、水素結
合、イオン結合が挙げられるが、結合強度の点で、共有
結合、配位結合が望ましい。
【0041】本発明の機能性膜から構成される光半導体
電極は、多くの機能性分子を担持することができるよう
に表面積の大きいものが好ましい。このため機能性分子
を担持させる前の無機微粒子の表面積は、投影面積に対
して10倍以上であることが好ましく、100倍以上で
あることがより好ましく、さらに500倍以上であるこ
とが好ましい。この上限に関しては、吸光の観点からは
特に制限はないが、上述の様に表面積を上げることは細
孔を小さくすることに繋がるため、細孔中に電解質等を
拡散させ用いる用途においては、通常5000倍程が上
限となる場合がある。また、光半導体電極の厚みが増大
するほど比表面積は増えるため光の捕獲率は高くなる
が、機能性分子から注入された電荷の移動距離が増すた
め再結合によるロスも大きくなる。したがって、光半導
体電極には好ましい厚さが存在し、一般的には0.1〜
500μmで用いられる。光再生型光電気化学電池とし
て用いる場合は1〜100μmであることが好ましく、
5〜50μmであることがより好ましい。
【0042】本発明では前記支持基板の表面に本発明の
機能性膜を形成し電極とするが、両者の接着性を改善さ
せる等の目的で、前記支持基板と機能性膜との間に別途
中間層を設けたり、あるいは前記支持基板表面に電解酸
化処理、化学処理、機械的粗面化処理、等の任意の処理
を施すこともできる。中間層としては、前記支持基板と
機能性膜との格子不整合を緩和するもの;前記支持基板
及び機能性膜の両者と密着性の高いもの;支持基板から
機能性膜への、あるいは機能性膜から支持基板への望ま
しくない物質移動をブロックするもの等が挙げられる。
【0043】本発明の光電変換素子に用いる電解質とし
ては、電気化学の分野で公知の任意の物が利用可能であ
るが、再生型の光電池として動作し得ると云う点で、安
定な酸化還元対を用いる事が好ましい。また、高い電導
性が得られ、半導体細孔に浸透し易い、等の利点で、前
記電解質あるいは酸化還元対は、適当な溶媒中に溶解さ
せた状態で用いる事が好ましい。
【0044】前記酸化還元対としては、ヨウ素と、Li
I、NaI、KI、CsI、CaI 2などの金属ヨウ化
物、4級イミダゾリウム化合物のヨウ素塩、4級ピリジ
ニウム化合物のヨウ化物塩、テトラアルキルアンモニウ
ム化合物のヨウ化物塩;臭素と、LiBr、NaBr、
KBr、CsBr、CaBr2などの金属臭化物;4級
イミダゾリウム化合物の臭化物塩、4級ピリジニウム化
合物の臭化物塩、テトラアルキルアンモニウム化合物の
臭化物塩、フェロシアン酸塩とフェリシアン酸塩;フェ
ロセンとフェロシニウムイオン塩、アルキルチオールと
アルキルジスルフィド;ヒドロキノンとキノン;等を用
いることができる。これらの中でも本発明における酸化
還元対しては、ヨウ素とヨウ化物塩の系が特に好まし
い。好ましい電解質濃度は0.01mol/L〜2mo
l/Lである。特に0.1mol/L〜1mol/Lの
範囲内が好ましい。また、電池作製時には、電解質とし
ては、酸化体または還元体の一方のみを添加してもよい
が、酸化体と還元体の両者を同時に添加してもよい。
尚、電解質濃度が少なすぎると、電解質液の電導性が不
充分となり、逆に電解質濃度が大きすぎると、電導性の
向上がさほどでなく材料が無駄となる。
【0045】電解質を溶液として用いる場合の溶剤とし
ては、電気化学の分野で公知の溶剤が利用可能である
が、特にリチウムイオン電池で用いられる非水系有機溶
剤が好適に流用できる。一般に、粘度が低く溶質の易動
度を向上させたり、または誘電率が高く塩の解離性を向
上させたりして、優れたイオン伝導性を発現できるもの
であることが望ましい。また、光電気化学反応に対して
安定である事が望ましい。このような溶媒としては、エ
チレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレ
ンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボ
ネート等の非環状カーボネート類;ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、エチレ
ングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコー
ルジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアル
キルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエ
ーテルなどのエーテル類;アセトニトリル、グルタロジ
ニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリ
ル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルフ
ォキシド、スルフォランなどのスルフォキシド類;γブ
チロラクトン等のエステル類;ジメチルフォルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の
アミド類;3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複
素環類;等を用いることができる。これらの溶剤は単独
で用いる事もできるが、適当な複数の溶剤を混合して用
いる事が好ましい。好ましい組み合せとしては、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルス
ルフォキシド、スルフォラン等の高粘度、高誘電率溶剤
と、アセトニトリル、エチレングリコールジメトキシエ
ーテル、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルカー
ボネート等の低粘度、高誘電率溶剤との組み合せが挙げ
られる。
【0046】前記電解質液にはさらに、イオン電導性等
を向上させる為の塩、液の扱い易さを向上させるための
粘度調整剤、液を擬固体化させる為のゲル化剤、半導体
細孔への浸透性を改善させる為の濡れ性改善剤等を添加
する事もできる。尚、ゲルとはコロイド粒子または高分
子溶質が相互作用のために独立した運動性を失って、集
合して構造を持ち固化した状態を言う。本発明では、高
分子ゲル化剤も低分子ゲル化剤も利用可能であるが、
J.Chem.Soc.Japan,Ind.Che
m.Soc.,Vol.46,p.779,1943;
J.Am.Chem.Soc.,Vol.111,p.
5542,1989;J.Chem.Soc.,Che
m.Commun.,p.390,1993;Ange
w.Chem.Int.Ed.Engl.,Vol.3
5,p.1949,1996;Chem.Lett.,
p.885,1996;J.Chem.Soc.,Ch
em.Commun.,p.545,1997等に記載
のジベンジリデン−D−ソルビトール、コレステロール
誘導体、アミノ酸誘導体、trans−(1R,2R)
−1,2−シクロヘキサンジアミンのアルキルアミド誘
導体、アルキル尿素誘導体、N−オクチル−D−グルコ
ンアミドベンゾエート、双頭型アミノ酸誘導体などの低
分子ゲル化剤が好ましい。これらの低分子ゲル化剤を添
加した溶液は高温では流動性を有し、低温でゲル化する
ため、用いるゲル化剤の種類、溶剤の種類、濃度を適当
に選定する事によりゲル化温度を制御し、電池作製時に
は加熱流動状態での液としての注液特性が確保でき、且
つ電池使用時にはゲル化固体としての電解液の漏洩の問
題が解消される。
【0047】前記電解質液は、半導体電極と対向電極と
の間に適当なギャップを設け、その中に注入される。ギ
ャップを形成する方法としては、液晶ディスプレーの分
野でよく用いられているシリカ等の絶縁性無機粉体を粗
に塗したり、電極形状の開口部を切ったテフロン(R)
シート等の絶縁性樹脂フィルムをスペーサーとして介在
させる方法や、リチウムイオン電池の分野でセパレータ
ーと称してよく用いられているサブミクロンオーダーの
貫通微空孔を多数有するポリプロピレン、ポリエチレン
等の絶縁性樹脂フィルムを用いる方法等が利用できる。
本発明における対向電極の導電性膜5としては、白金、
金、銀、アルミニウムなどの金属膜やカーボン膜、酸化
すず、酸化インジウム、酸化錫と酸化インジウムの固溶
体などの透明導電性酸化物膜などの公知の材料が使用で
きる。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづき、さらに具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定
されるものではない。実施例1〜3および比較例1、2
で作製した光電変換素子の断面形状は図1で示す通りで
あり、実施例1〜2での成膜は図2に示す成膜装置を使
用した。実施例3での成膜は図3に示す成膜装置を使用
した。
【0049】(実施例1) <光半導体電極の作製>金属酸化物微粒子(無機微粒
子)として、市販の酸化チタン超微粒子(TIO−05
−1、真空冶金製、アナターゼ型、平均粒径30nm)
20gと、下記構造式(1)に示すRu錯体(増感色
素)のエタノール溶液(濃度10-3mol/l)100
mlとをガラスビンにいれ、1晩ウェーブローターで攪
拌しながら増感色素を担持させる処理を行った。その
後、この液をろ過し増感色素が担持された粉体を取り出
した。この粉体をさらにエタノールによるリンス/ろ過
を2回繰り返し、余分に付着している増感色素を取り除
いた。得られた粉体を真空乾燥したのち、めのう製の容
器にめのうボールとともに入れ、遊星型ボールミルを用
いて3時間乾式粉砕した。
【0050】こうして得られた増感色素が担持された酸
化チタン微粒子を図2の混合室10に入れ、キャリアガ
ス導入バルブ14を開け空気を導入し真空排気系22を
動作させて混合室10と成膜室11との差圧が4052
hPa(4気圧)になるように調整し、ノズル16から
成膜室11の基板ホルダ18に置かれた基板4へ増感色
素が担持された酸化チタン微粒子のエアロゾルを吹き付
けた。ノズル16には開口部が5mm×0.3mmのス
リット状のものを用いた。基板4にはフッ素ドープ酸化
すず付きガラス(表面抵抗:10Ω/Sq. 基板サイ
ズ20mm×24mm×1mm)を用い、基板ホルダ1
8をX−Y方向に移動させ10mm×20mmの範囲に
酸化チタン超微粒子の堆積膜(機能性膜)を作製した。
成膜に要した時間は3分であり、材料の仕込みから取り
出しまで含めても30分であった。得られた堆積膜の厚
さは10μmであった。このようにして光半導体電極A
を作製した。
【0051】
【化1】
【0052】<光電変換素子の作製>ガラス基板(20
mm×20mm)上に白金をrfスパッタリング法によ
り500nmの厚さで堆積させた電極を対向電極30と
して使用した。この対向電極30と前記光半導体電極A
とを、堆積させた白金と機能性膜(半導体層)とが対向
するように重ね、この2枚の電極間に、直径10μmの
スペーサー粒子6を、2枚の電極の外縁部から5mmま
での領域に配置することによって、スペーサー粒子6の
直径分だけ2枚の電極を離間させた。続いて、2枚の電
極間のスペーサー粒子6が位置する領域に封止剤層8を
形成した。ただし、封止剤層8は、一部分においては形
成せず、未形成部分を、封止剤層8及び2枚の電極に囲
まれた内部空間と、外部とを連通させるための連通孔と
した。この連通孔から、前記内部空間に電解質溶液を注
入し、最後に連通孔に封止剤層8を形成して連通孔を封
止し光電変換素子1を作製した。封止剤層8としては、
エポキシ樹脂を使用した。また、電解質溶液としては、
エチレンカーボネートとアセトニトリルとの混合溶液
(体積比で4:1の割合)10ml中にテトラプロピル
アンモニウムアイオダイド1.44gとヨウ素0.07
6gを溶解させたものを使用した。
【0053】<光電変換特性の評価>上記の光電変換素
子の光半導体電極Aの支持基板2側から、照度100m
W/cm2の疑似太陽光(AM1.5)を照射し、短絡
電流、開放電圧、フィルファクター、変換効率を測定し
た。測定結果を表1に示す。
【0054】(実施例2) <光半導体電極の作製>金属酸化物微粒子(無機微粒
子)として、市販の酸化チタン超微粒子(TIO−05
−1、真空冶金製、アナターゼ型、平均粒径30nm)
20gと、下記構造式(2)に示すテトラキス(4−カ
ルボキシフェニル)ポルフィンのエタノール溶液(濃度
10-3mol/l)100mlとをガラスビンにいれ、
1晩ウェーブローターで攪拌しながら増感色素を担持さ
せる処理をおこなった。その後、この液をろ過し増感色
素が担持された粉体を取り出した。この粉体をさらにエ
タノールによるリンス/ろ過を2回繰り返し、余分に付
着している増感色素を取りのぞいた。得られた粉体を真
空乾燥したのち、めのう製の容器にめのうボールととも
に入れ、遊星型ボールミルを用いて3時間乾式粉砕し
た。
【0055】こうして得られた増感色素が担持された酸
化チタン微粒子を図2の混合室10に入れ、キャリアガ
ス導入バルブ14を開け空気を導入し真空排気系22を
動作させて混合室10と成膜室11との差圧が4052
hPa(4気圧)になるように調整し、ノズル16から
成膜室11の基板ホルダ18に置かれた基板4へ酸化チ
タン超微粒子のエアロゾルを吹き付けた。ノズル16に
は開口部が5mm×0.3mmのスリット状のものを用
いた。基板4にはフッ素ドープ酸化すず付きガラス(表
面抵抗:10Ω/Sq. 基板サイズ20mm×24m
m×1mm)を用い、基板ホルダ18をX−Y方向に移
動させ10mm×20mmの範囲に酸化チタン微粒子の
堆積膜を作製した。成膜に要した時間は3分であり、材
料の仕込みから取り出しまで含めても30分であった。
得られた堆積膜の厚さは10μmであった。このように
して光半導体電極Bを作製した。
【0056】
【化2】
【0057】<光電変換素子の作製>光半導体電極Aの
代わりに光半導体電極Bを用いた以外、実施例1と同様
にして光電変換素子を作製した。
【0058】<光電変換特性の評価>上記の光電変換素
子について、実施例1と同様の測定を行った。測定結果
を表1に示す。
【0059】(実施例3) <増感色素が担持された無機微粒子の作製> [短波長増感色素が担持された無機微粒子]市販の酸化
チタン超微粒子(TIO−05−1、真空冶金製、アナ
ターゼ型、平均粒径30nm)20gと、前記構造式
(2)に示したテトラキス(4−カルボキシフェニル)
ポルフィンのエタノール溶液(濃度10-3mol/l)
100mlとをガラスビンにいれ、1晩ウェーブロータ
ーで攪拌しながら増感色素を担持させる処理をおこなっ
た。その後、この液をろ過し増感色素が担持された粉体
を取り出した。この粉体をさらにエタノールによるリン
ス/ろ過を2回繰り返し、余分に付着している増感色素
を取りのぞいた。得られた粉体を真空乾燥したのち、め
のう製の容器にめのうボールとともに入れ、遊星型ボー
ルミルを用いて3時間乾式粉砕し、短波長増感色素が担
持された微粒子を得た。
【0060】[中波長増感色素が担持された無機微粒
子]市販の酸化チタン超微粒子(TIO−05−1、真
空冶金製、アナターゼ型、平均粒径30nm)20g
と、前記構造式(1)に示したRu錯体のエタノール溶
液(濃度10-3mol/l)100mlとをガラスビン
にいれ、1晩ウェーブローターで攪拌しながら増感色素
を担持させる処理をおこなった。その後、この液をろ過
し増感色素が吸着された粉体を取り出した。この粉体を
さらにエタノールによるリンス/ろ過を2回繰り返し余
分に付着している増感色素を取りのぞいた。得られた粉
体を真空乾燥したのち、めのう製の容器にめのうボール
とともに入れ、遊星型ボールミルを用いて3時間乾式粉
砕し、中波長増感色素が担持された微粒子を得た。
【0061】[長波長増感色素が担持された無機微粒
子]市販の酸化チタン超微粒子(TIO−05−1、真
空冶金製、アナターゼ型、平均粒径30nm)20g
と、下記構造式(3)に示すマグネシウムフタロシアニ
ン1gをめのう製の容器にめのうボールとともに入れ、
遊星型ボールミルを用いて3時間乾式粉砕し、長波長増
感色素が担持された微粒子を得た。
【0062】
【化3】
【0063】<光半導体電極の作製>前述の短波長増感
色素が担持された無機微粒子、中波長増感色素が担持さ
れた無機微粒子、長波長増感色素が担持された無機微粒
子各10gをそれぞれ図3の混合室31、41、混合室
51に入れる。キャリアガス導入バルブ34、44、5
4を開け空気を導入し真空排気系22を動作させて混合
室31、41、51と成膜室11との差圧が4052h
Pa(4気圧)になるように調整し、ノズル16から成
膜室11の基板ホルダ18に置かれた基板4へ短波長増
感色素が担持された微粒子のエアロゾルを吹き付けた。
ノズル16には開口部が5mm×0.3mmのスリット
状のものを用いた。基板4にはフッ素ドープ酸化すず付
きガラス(表面抵抗:10Ω/Sq. 基板サイズ20
mm×24mm×1mm)を用い、基板ホルダ4をX−
Y方向に移動させ10mm×20mmの範囲に短波長増
感色素が担持された微粒子の堆積膜を作製した。2分間
の吹き付けの後、バルブを切り替えて中波長増感色素が
担持された微粒子のエアロゾルを、さらに長波長増感色
素が担持された微粒子のエアロゾルをそれぞれ2分間吹
き付けた。得られた膜の膜厚は12μmであった。なお
成膜中基板4は特に加熱しなかった。このようにして光
半導体電極Cを作製した
【0064】<光電変換素子の作製>光半導体電極Aの
代わりに光半導体電極Cを用いた以外、実施例1と同様
にして光電変換素子を作製した。 <光電変換特性の評価>上記の光電変換素子について、
実施例1と同様の測定を行った。測定結果を表1に示
す。
【0065】(比較例1) <光半導体電極の作製>金属酸化物微粒子として、市販
の酸化チタン超微粒子(TIO−05−1、真空冶金
製、アナターゼ型、平均粒径30nm)15gを純水4
0g、N−メチルピロリドン10g、ポリエチレングリ
コール モノ4−オクチルフェニルエーテル(アルドリ
ッチ製、C81764(OCH2CH2)nOH、n≒
10)をガラスビーズ20gとともにペイントシェーカ
ーで5時間激しく振とうし、酸化チタン微粒子分散コロ
イドペーストを作製した。このペーストを使用しスキー
ジ法により基板上に塗布したのち、室温で12時間風乾
し、その後450℃で30分加熱処理を施した。基板に
はフッ素ドープ酸化すず付きガラス(表面抵抗:10Ω
/Sq. 基板サイズ20mm×24mm×1mm)を
用いた。得られた膜の厚さは10μmであった。得られ
た膜の結晶構造をX線回折により調べた結果、アナター
ゼ型の酸化チタンであることが確認された。得られた膜
を、前記構造式(1)に示したRu錯体のエタノール溶
液(濃度10-3mol/l)に浸せきし、増感色素吸着
処理を行い光半導体電極電極Dを得た。
【0066】<光電変換素子の作製> 光半導体電極Aの代わりに光半導体電極Dを用いた以
外、実施例1と同様にして光電変換素子を作製した。 <光電変換特性の評価>上記の光電変換素子について、
実施例1と同様の測定を行った。測定結果を表1に示
す。
【0067】(比較例2)比較例1で作製したペースト
を使用しスキージ法により基板4表面に塗布したのち、
室温で12時間風乾し、そののち200℃で60分加熱
処理を施した。基板4にはフッ素ドープ酸化すず付きガ
ラス(表面抵抗:10Ω/Sq. 基板サイズ20mm
×24mm×1mm)を用いた。得られた膜の膜厚は1
2μmであった。得られた膜を構造式(1)に示したR
u錯体のエタノール溶液(濃度10 -3mol/l)に浸
せきし、増感色素吸着処理を行い光半導体電極Eを得
た。
【0068】<光電変換素子の作製>光半導体電極Aの
代わりに光半導体電極Eを用いた以外、実施例1と同様
にして光電変換素子を作製した。 <光電変換特性の評価>上記の光電変換素子について、
実施例1と同様の測定を行った。測定結果を表1に示
す。
【0069】
【表1】
【0070】以上、説明したように本発明記載の光半導
体電極の製造方法によれば、高い生産性で光半導体電極
を製造することができる。また加熱処理をすることなく
常温で製造できるため、耐熱性の低い機能性分子が担持
された無機微粒子からなる膜の上にさらに重ねて、異な
る機能性性分子が担持された無機微粒子の積層化が可能
になり高機能化がはかられる。特に感光波長域の異なる
増感色素が担持された無機微粒子をタンデムに積層する
ことで、変換効率の高い光電変換素子の製造が可能とな
る。
【0071】
【発明の効果】本発明は、機能性膜及びその製造方法を
提供し、更に前記機能性膜を用いた光電変換効率の高い
光半導体電極と、光電変換素子とを簡便に効率よく提供
することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光電変換素子の一実施形態の構成を
模式的に示す断面図である。
【図2】 本発明の機能性膜を形成するための成膜装置
の模式図である。
【図3】 異なる増感波長域をもつ増感色素を担持した
3種の原料微粒子からなる機能性膜を形成するための成
膜装置の模式図である。
【符号の説明】 1 光電変換素子 2 支持基板 2a 透明基板 2b 透明導電性膜 3 半導体層 4 基板 5 導電性膜 6 スペサー粒子 7 電解質溶液層 8 封止剤層 9 9’ 導線 10 混合室 11 成膜室 12 原料微粒子(半導体粒子) 13 導入管 14 キャリアガス導入バルブ 15 搬送管 16 ノズル 17 支持基板 18 基板ホルダ 19 基板加熱用電源 20 光半導体電極 21 排気管 22 真空ポンプ(真空排気系) 30 対向電極 31 第一混合室 32 第一原料微粒子 33 第一導入管 34 第一キャリアガス導入バルブ 41 第二混合室 42 第二原料微粒子 43 第二導入管 44 第二キャリアガス導入バルブ 51 第三混合室 52 第三原料微粒子 53 第三導入管 54 第三キャリアガス導入バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上坂 友純 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA14 CB13 FA03 FA06 5H032 AA06 AS16 EE02 EE16 HH07

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粒子と搬送ガスとが混合されたエアロ
    ゾルを支持基板表面に吹き付け、前記微粒子を前記支持
    基板表面に堆積させる堆積工程を含む機能性膜の製造方
    法であって、 前記微粒子が、機能性分子を担持させた無機微粒子であ
    ることを特徴とする機能性膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記無機微粒子が、半導体微粒子である
    ことを特徴とする請求項1に記載の機能性膜の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記無機微粒子が、金属酸化物微粒子で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の機能性膜
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記金属酸化物微粒子が、酸化亜鉛、酸
    化錫、酸化ニオブ、及び酸化ルテニウムから選ばれる少
    なくとも1種を含むことを特徴とする請求項3に記載の
    機能性膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記微粒子が、担持される機能性分子の
    種類が異なる、少なくとも2種類の微粒子であることを
    特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の機能性膜の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 担持される機能性分子が、増感色素であ
    ることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の機能
    性膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記微粒子が、担持される増感色素の吸
    収波長が異なる、少なくとも2種類の微粒子からなるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の機能性膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記少なくとも2種類の微粒子を順次堆
    積させることを特徴とする請求項5又は7に記載の機能
    性膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記少なくとも2種類の微粒子を傾斜的
    に堆積させることを特徴とする請求項8に記載の機能性
    膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9に記載の機能性膜の製造
    方法により製造されることを特徴とする機能性膜。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の機能性膜と支持基
    板とから構成されることを特徴とする光半導体電極。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の機能性膜と支持基
    板とから構成される光半導体電極を用いたことを特徴と
    する光電変換素子。
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