JP2003100306A - 固体高分子型燃料電池用電極の製造方法及び固体高分子型燃料電池用電極 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用電極の製造方法及び固体高分子型燃料電池用電極

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JP2003100306A
JP2003100306A JP2001295907A JP2001295907A JP2003100306A JP 2003100306 A JP2003100306 A JP 2003100306A JP 2001295907 A JP2001295907 A JP 2001295907A JP 2001295907 A JP2001295907 A JP 2001295907A JP 2003100306 A JP2003100306 A JP 2003100306A
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electrode
catalyst
fuel cell
carbon
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Satoru Watanabe
渡辺  悟
Satonobu Yasutake
聡信 安武
Shigeru Nojima
野島  繁
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体高分子型燃料電池用の電極触媒における
白金の利用効率を上昇させ、従来よりも少ない量の白金
で、従来と同じ出力を達成すること。 【解決手段】 陽イオン交換性高分子により安定化され
た白金とカーボンとを含んでなるスラリー状の触媒を製
造するステップと、該スラリー状の触媒を湿式塗布して
触媒反応層を形成するステップとを含む固体高分子型燃
料電池用電極の製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体高分子型燃料電池
に用いられる電極の製造方法及び該固体高分子型燃料電
池に用いられる電極の製造方法により製造された固体高
分子型燃料電池用電極に関する。特には、本発明は、触
媒における白金(Pt)利用効率が向上した触媒反応層
を形成した電極の製造方法及び固体高分子型燃料電池用
電極に関する。
【0002】
【従来技術】車載用あるいは家庭用の分散電源として使
用される固体高分子型燃料電池装置(PEFC:Pol
ymer Electrolyte Fuel Cel
l)は、主にメタノール等を原燃料とし、水素と酸素か
ら水を得る電池反応によって起電力を得ている。かかる
装置によると、従来のように電力を得るためにCO2
NOxなどの排ガスの生成を伴わないため、環境問題が
重視される今後において、非常に有望な電源である。
【0003】固体高分子型燃料電池装置においては、改
質器において原燃料のメタノール等が改質され、電池反
応に使用される水素を生成する。固体高分子型燃料電池
では、イオン交換膜の両面にガス拡散性の電極層を形成
してこの電極層に触媒層を設け、改質器からの水素を原
料として、電極反応を起こしている。
【0004】固体高分子型燃料電池においては、アノー
ド電極(燃料極)触媒で、以下の電極反応が起こる。 H2 → 2H+ + 2e- (1) この反応(1)によって生じるH+が拡散する。一方、
カソード電極においてカソード電極(空気極)触媒によ
り、以下の電極反応が起こる。 2H+ + 2e― + 1/2O2 → H2O (2) これらの反応(1)と(2)を合わせて電池反応が構成
され、起電力を得ている。
【0005】従来から、このような電極反応の触媒とし
ては、カーボンに白金若しくは白金合金を担持させた粉
末が用いられ、イオン交換膜にこれを塗布することによ
り電極を作製していた。
【0006】特開2001-93531号公報には、白金錯イオン
を含む溶液に、−SO3H等を有する有機化合物を加え
て白金コロイド粒子又は白金合金コロイド粒子の安定ゾ
ルを生成した後、カーボン担体と混合して得られる電極
触媒を用いた固体高分子型燃料電池が記載されている。
しかし、上記公報に記載された方法で電池セルを作製す
る場合、電極触媒作製時の乾燥工程と、その電極触媒を
電極反応層を作製するためにスラリーとした後、それを
乾燥する工程と2回の乾燥工程があるため、製造工程が
多くなる。更に、製造工程上のロスのためコロイド安定
化剤に高価な有機化合物を使用した場合、コスト的にも
十分なものでなかった。また、有機化合物を成分に含む
いったん乾燥させた電極触媒を再度溶解して電極反応層
作製用スラリーを調製する場合、電極触媒が高度に分散
したスラリーができず、そのため、三相界面が拡大した
触媒反応層ができず、Pt利用効率の高い膜−電極接合
体を得ることができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記事情に対して、本
発明は、触媒における白金の利用効率を上昇させ、従来
よりも少ない量の白金で従来と同じ出力を達成すること
ができる固体高分子型燃料電池用電極の製造方法および
固体高分子型燃料電池用電極を提供することを目的とす
る。本発明によれば、膜−電極接合体の製造工程の簡略
化、低コスト化を図ることが可能となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る固体高分子型燃料電池用電極の製造方
法は、陽イオン交換性高分子により安定化された白金コ
ロイドとカーボンとを含んでなるスラリー状の触媒を製
造するステップと、該スラリー状の触媒を湿式塗布して
触媒反応層を形成するステップとを含む。また、本発明
に係る固体高分子型燃料電池用電極の製造方法は、別の
形態において、陽イオン交換性高分子により安定化され
た白金ルテニウム合金コロイドとカーボンとを含んでな
るスラリー状の触媒を製造するステップと、該スラリー
状の触媒を湿式塗布して触媒反応層を形成するステップ
とを含む。前記スラリー状の触媒を製造するステップ
は、陽イオン交換性高分子を含む溶液にカーボンを分散
させて分散液を得た後に、該分散液に白金イオンあるい
は白金イオンとルテニウムイオンとの混合物を加えて白
金コロイドあるいは白金ルテニウム合金コロイドを生成
することが好ましい。または、前記スラリー状の触媒を
製造するステップは、陽イオン交換性高分子を含む溶液
中に白金イオンあるいは白金イオンとルテニウムイオン
との混合物を加えて白金コロイドあるいは白金ルテニウ
ム合金コロイドを生成した後に、上記溶液にカーボンを
分散させることが好ましい。本発明に係る固体高分子型
燃料電池用電極の製造方法により製造された電極は、陽
イオン交換性高分子と白金とが必ず接触して三相界面が
拡大した触媒反応層を有するため、より反応活性点が多
くなり、同じ白金量でより高い出力を得ることが可能と
なる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る固体高分子型
燃料電池用電極の製造方法を、好適な実施の形態を挙げ
てさらに詳細に説明する。以下の説明は、本発明を限定
するものではない。本発明で得られる電極は、陽イオン
交換膜を挟んでその両面に、アノード電極触媒としての
触媒反応層と、カソード電極触媒としての触媒反応層と
が各々形成される。アノード電極触媒としての触媒反応
層は、陽イオン交換性高分子で安定化された白金ルテニ
ウム合金担持カーボンを主成分とする。また、カソード
電極触媒としての触媒反応層は、陽イオン性高交換分子
で安定化された白金担持カーボンを主成分とする。
【0010】燃料電池の電極反応は、電極の触媒反応層
上で起こる。特に、カソード電極に白金担持カーボン、
アノード電極触媒に白金ルテニウム合金担持カーボンを
用いた場合には、カソード電極では白金上、アノード電
極では白金ルテニウム合金上で反応が起こる。従って、
白金または白金合金と水素や酸素などの燃料ガスとの界
面を多く有するように、つまり、反応に利用できる白金
または白金合金の表面積が大きくなるように、高度に微
粒子化した白金を高分散状態で用いる必要がある。
【0011】一方、アノード電極では電極反応(1)に
より生じたプロトンを有効に拡散させるために、白金と
接する陽イオン交換性高分子によりプロトン導電性を確
保する必要がある。カソード電極でもまた、電極反応
(1)からの反応物であるプロトンが触媒表面に効率的
に到達できるようにプロトン導電性を確保する必要があ
る。従って、白金または白金合金上で効率よく反応を進
行するためには、白金と陽イオン交換性高分子を必ず接
触させることにより、プロトン導電性を向上するように
触媒を設計する必要がある。
【0012】これらの要件を満たすためには、白金と陽
イオン交換性高分子とが必ず接しており、反応ガスと白
金と陽イオン交換性高分子との三相界面が十分に拡大さ
れた触媒を設計し、かかる触媒反応層を電極に用いるこ
とが望ましい。
【0013】そのために、本発明に係る固体高分子型燃
料電池用電極の製造方法においては、白金を超微粒子化
してコロイドとして、高度に分散させる。さらにこれら
の微粒子化された白金コロイド間では凝集が起こりやす
いため、凝集により表面積が減少するのを防止するため
の凝集防止剤として、陽イオン交換性高分子を添加する
ことができる。陽イオン交換性高分子は、コロイド溶液
中にマトリックス状に存在することにより白金コロイド
間に行き渡って白金コロイドの凝集を防ぎ、白金微粒子
を高度に分散化する。すなわち陽イオン交換性高分子
は、白金コロイドを安定化させることが可能である。さ
らに、白金コロイド間に陽イオン交換性高分子が位置す
ることにより、白金と陽イオン交換性高分子とが必ず接
触する。このため、プロトン導電性が確保されて反応に
利用できない白金がなくなり、白金の触媒利用効率を上
げることが可能である。
【0014】このように微粒子化された白金が高分散で
存在し、かつ、白金コロイドと陽イオン交換性高分子と
の接触が十分な状態で、さらに導電性を確保するために
炭素を加えて白金・カーボン・陽イオン交換性高分子の
混合溶液であるスラリー状の触媒を作製する。このスラ
リー状の触媒を、溶媒除去することなく湿式塗布・乾燥
することにより触媒反応層を形成する。
【0015】本発明に係る固体高分子型燃料電池用電極
の製造方法は、スラリー状の触媒を調製した後、一旦乾
燥させることなく、直接、触媒反応層を湿式塗布するこ
とにより、作製する。これによって、白金および白金合
金が高度に分散化され、かつ白金および白金合金と陽イ
オン交換性高分子とがプロトン導電性を確保するのに十
分な接触状態を保ったまま炭素に担持させた触媒反応層
を形成することが可能となる。従来技術(特開2001-935
31号公報)では、白金コロイドと有機化合物とカーボン
を混合した状態で一旦乾燥し、その後に電極反応層を作
製していた。この場合、乾燥した電極触媒は、その成分
に含まれる有機化合物によって高分散なスラリーになら
ず、三相界面の増大が図れないことがある。本発明は、
これに比べ、陽イオン交換体で安定化したカーボンの高
分散混合液から直接に電極反応層を作製するため、より
三相界面を拡大し、白金利用効率が上昇した触媒層を有
する電極の製造が可能となる。
【0016】以下に、本発明に係る固体高分子型燃料電
池用電極の製造方法につき、一実施の形態をその手順と
調製条件等を挙げてさらに詳しく説明する。
【0017】本発明の触媒に使用する白金は、白金コロ
イド溶液を調製するのに適した化合物が好適である。例
えば、H2PtCl6、Pt(NO22(NH32、Pt
(NH34Cl2などを用いることができるが、これら
に限定されるものではない。これらを、純水に溶解して
白金イオンを含む溶液を調製する。
【0018】水素が原料ガスとして反応するアノード側
の電極触媒は、この一酸化炭素に被毒されない機能を有
する耐一酸化炭素被毒性電極触媒を用いる。固体高分子
型燃料電池が用いられる装置では、通常、原料となる水
素ガスは、装置内に構成される改質器などによってメタ
ノール等を改質して製造され、CO変性器、CO除去器
により、CO濃度を低減している。しかし、メタノール
改質反応により製造し、COを低減した水素ガスには、
約1000ppm〜1ppmの一酸化炭素を含む場合が
ある。この一酸化炭素が存在すると、白金触媒に吸着
し、反応部位を占有してしまうという弊害がある。これ
を一酸化炭素による被毒という。
【0019】耐一酸化炭素被毒性の触媒には白金の合金
が用いられる。白金と共にかかる合金を構成する金属に
は、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、タング
ステン(W)、スズ(Sn)などが用いられる。中で
も、白金表面上に吸着されたCOを分解除去するのに最
適であるという理由から、白金とルテニウムとの合金を
用いることが好ましい。しかし、これには限定されず、
耐一酸化炭素被毒性を有するその他の金属を含んでいて
もよい。合金を構成する金属としてルテニウムを使用す
る場合は、ルテニウム合金コロイド溶液を調製するため
に、例えば、H2RuCl6、RuCl3などを用いるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。かか
る場合には、アノード電極用触媒として白金化合物およ
びルテニウム化合物は、モル比が約7:3〜3:7とな
るように、溶液状態で調製する。
【0020】カーボンは、白金を担持する担体として用
いる。白金だけでは導電性が十分でないためである。従
って、高度に分散された白金を担持するのに適した大き
い比表面積を有することが好ましい。詳しくは、比表面
積が100〜1000m2/gといった規格のものが好
ましく、300〜900m2/gのものがさらに好まし
い。使用できるカーボンの種類としては、カーボンブラ
ック(アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャ
ンネルブラック、サーマルブラック)、導電性を有する
活性炭などを用いることができるが、これらには限定さ
れない。カーボンは粉末状で準備する。
【0021】陽イオン交換性高分子としては、プロトン
導電性を確保することができる化合物、例えばパーフル
オロスルホン酸などを用いることができる。本発明にお
いて、陽イオン交換性高分子とは、SO3基やPO3基等
を有する分子量が約1万〜10万の高分子をいう。これら
の高分子は、溶液状態で調製する。陽イオン交換性高分
子の溶液は、陽イオン交換性高分子を3重量%〜10重
量%で含むことが好ましい。陽イオン交換性高分子溶液
の溶媒としては、エタノール、プロパノール等のアルコ
ール系溶媒を用いることができる。
【0022】次に、これらの触媒成分を用いた触媒反応
層作製スラリーの調製の手順について説明する。まず、
陽イオン交換性高分子溶液と、エタノール、水などから
なる溶媒とに、カーボン粉を分散する。カーボンは、超
音波処理を約1〜10分行うことによって分散させるこ
とが好ましい。このとき、陽イオン交換性高分子とカー
ボンとの重量比は、約1:2〜2:1であり、溶液中の
固形分が約0.1〜3g/L程度となるようにする。
【0023】次に、この溶液を沸騰状態にする。これは
還元反応を速やかにおこすためである。沸騰させたカー
ボン分散液に、カソード用触媒であれば調製した白金イ
オン溶液を、アノード用触媒であれば調製した白金イオ
ン溶液と調製したルテニウムイオン溶液とを混合する。
白金とルテニウムの総重量が、カーボンに対し、約30
〜70重量%、好ましくは、40〜65重量%となるよ
うに調製する。
【0024】全ての触媒成分を混合した状態で、約10
分〜12時間反応させる。これにより、コロイドを生成
させ、白金の微粒子化および高分散化が可能となる。こ
のときの反応条件については、約40〜200℃で反応
させることが好ましい。ただし、かかる反応は陽イオン
交換性高分子の分解温度以下で行う。反応時の圧力は、
約0.1MPa〜5MPaとなるようにすることが好ま
しい。もっとも、圧力条件は使用する導電性高分子等が
分解しない範囲で決定することができる。加圧する場合
は不活性ガスにより行ってもよいし、蒸気により行って
もよい。
【0025】このようにして調製してできた組成物はス
ラリー状の触媒である。スラリー中で、白金はコロイド
化しており、白金コロイドの凝集を防止するように陽イ
オン交換性高分子が白金コロイド間に存在している。
【0026】前述の方法のように、予めカーボン粉を陽
イオン交換性高分子溶液に分散させて分散液を得て、後
から白金イオンを含む溶液を加え、白金イオンを還元し
て白金コロイドを生成してもよい。あるいは、陽イオン
交換性高分子溶液に白金イオンを含む溶液を加え、白金
イオンを還元してコロイド生成を行った後にカーボンを
添加して分散させてもよい。いずれの方法で調製して
も、同様に微粒子化した白金を高度に分散させる効果を
得ることができる。
【0027】また、白金とルテニウムの合金を触媒とす
るアノード電極反応層を調製する場合には、上記方法と
同様に、白金イオンとルテニウムイオンを同時に還元反
応に供する。この際、40℃〜100℃で、10分〜1
2時間の加熱処理を行うことにより、白金ルテニウム合
金コロイドが生成する。このようにして、白金ルテニウ
ム合金コロイドを含むスラリー状の触媒を調製すること
ができる。このとき、スラリー状の触媒を塗布・乾燥し
て得られる触媒反応層では、白金とルテニウムの合金が
カーボンに担持された状態となっている。
【0028】このようにして調製したスラリー状の触媒
を、湿式塗布することにより、触媒反応層を形成する。
このとき、白金が、0.3〜1.0mg/cm2、好ま
しくは0.4〜0.7mg/cm2で含まれるようにテ
フロン(登録商標)板などに塗布し、乾燥する。塗布は
テフロン板上に作製したい触媒反応層の形の型枠を作成
し、その中に、スラリーを流し込む方法、あるいは、そ
の中にスラリーをスプレーコートする方法等により行う
ことができる。乾燥は、室温から60℃の温度で、1時
間〜12時間行うことが好ましい。
【0029】このようにして、アノード電極触媒反応層
とカソード電極触媒反応層を形成したら、陽イオン交換
膜の両側にそれぞれの触媒反応層をホットプレスにより
転写する。陽イオン交換膜は、フッ素樹脂系パーフルオ
ロスルホン酸膜(ナフィオン(商品名))などを用いる
ことができる。しかし、陽イオン交換膜はこれらに限定
されるものではない。ホットプレスは、好ましくは12
0℃〜180℃で、陽イオン交換膜が分解しない条件で
行う。また、陽イオン交換膜に直接スプレーコートし、
乾燥することによって、触媒反応層を作製することもで
きる。この場合、ホットプレスの必要はない。
【0030】上述のような方法で電極を完成することが
できる。本発明の方法によって製造された電極は、微粒
子状の白金または白金合金が高度に分散化され、陽イオ
ン交換性高分子と白金とが必ず接触していることによっ
て、利用されない白金がなくなり、触媒利用効率が改良
されたものとなっている。
【0031】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。なお、以下の実施例は本発明を限定するものではな
い。
【0032】[実施例]本発明の電極製造方法により、
固体高分子型燃料電池用の電極を製造した。まず、カソ
ード電極反応層の調製を行った。触媒成分の白金(P
t)の原料としてはH2PtCl6を用い、白金のモル量
が0.6mmolになるように調製した。具体的には、
2PtCl6溶液(白金含有量100g/L)を金属が
1g/Lとなるように希釈した。カーボン粉末は比表面
積が800m2/gのケッチェンカーボンを用いた。陽
イオン交換性高分子には、フッ素樹脂系でスルホン酸基
を有し、分子量が約10万であるナフィオン(商品名)
を使用し、5重量%のナフィオン溶液を調製した。
【0033】1440gのイオン交換水、1140gの
エタノール、3.0gの調製したナフィオン溶液を混合
した。この混合溶液に、120mgのカーボン粉末を添
加し、超音波処理を行うことで分散し、沸騰させてカー
ボン分散液を調製した。この沸騰したナフィオンのカー
ボン分散液に、先に調製した白金イオン溶液を添加し、
10分〜12時間反応させ、白金イオンを還元して、白
金コロイドを生成した。この反応で得られた溶液はスラ
リー状の触媒であり、ナフィオンによりコロイドの凝縮
を防止して安定化された白金コロイド・カーボン分散液
となっていた。
【0034】このスラリー状の触媒をテフロン板上に、
白金が0.5mg/cm2となるように塗布した後、約
6時間乾燥した。これを、陽イオン交換膜に140℃で
ホットプレスし、カソード電極反応層を陽イオン交換膜
に転写した。陽イオン交換膜はナフィオン(商品名)を
用いた。
【0035】次に、アノード電極反応層の調製を行っ
た。金属担持率が50重量%である1gの白金とルテニ
ウムとの合金を担持したカーボン粉末を、20gの水と
20gのエタノール、10gの5%ナフィオン溶液とを
混合して、スラリー状の触媒を調製した。これを、テフ
ロン板上に白金が0.5mg/cm2となるように塗布
した後、約6時間乾燥した。先に転写した陽イオン交換
膜の反対の面に140℃でホットプレスし、アノード反
応層を転写し、陽イオン交換膜電極を得た。
【0036】[比較例]次に、従来の方法による電極製
造の例を示す。この方法では、白金は予めカーボンに担
持され、その成分に陽イオン交換高分子を含んでいない
状態で市販されているものを用いた。白金担持率が50
重量%の白金担持カーボンを1gと、20gの水と、2
0gのエタノールと、5%のナフィオン溶液10gとを
混合し、カソード電極用のスラリー状の触媒を調製し
た。また、金属担持率50重量%の白金ルテニウム担持
カーボンを1gと、20gの水と、20gのエタノール
と、5%のナフィオン溶液10gとを混合し、アノード
電極用のスラリー状の触媒を調製した。これらのスラリ
ー状の触媒をそれぞれ、テフロン板上に白金が0.5m
g/cm2となるように塗布・乾燥し、アノード反応層
およびカソード反応層を作製した。次に、このカソード
反応層を陽イオン交換膜に140℃でホットプレスによ
り転写した。同様に、アノード反応層を、カソード反応
層を転写した面と反対側の面に140℃でホットプレス
により転写し、陽イオン交換膜電極を得た。
【0037】本発明の実施例の電極と比較例の電極とを
使用して電池反応を行った。電流密度を一定としたとき
の電位を、実施例の電極と比較例の電極とのそれぞれに
おいて測定した結果を表1に示す。同じ白金重量の触媒
を用いて比較したとき、本発明の実施例の電極は、同じ
電流密度でより大きな電位を得ることができた。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明の固体高分子型燃料電池用電極の
製造方法によれば、微粒子化した白金を高度に分散化
し、かつ当該白金と陽イオン交換性高分子とが接触して
いるスラリー状の触媒を湿式塗布して触媒反応層を形成
するため、プロトン導電性が確保されて、三相界面が拡
大され、触媒利用の効率化を達成することができる。か
かる触媒の製造方法により、同じ白金量でより大きな出
力を得ることができるため、高価な白金使用量を削減
し、コストダウンが可能となる。更に、膜−電極接合体
の製造工程を簡略化でき、経済的にも大きな効果を有す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野島 繁 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 Fターム(参考) 5H018 AA06 BB01 BB03 BB08 BB12 CC06 DD08 EE03 EE08 EE10 EE18 5H026 AA06 BB04 BB08 EE02 EE05 EE08 EE18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽イオン交換性高分子により安定化され
    た白金コロイドとカーボンとを含んでなるスラリー状の
    触媒を製造するステップと、 該スラリー状の触媒を湿式塗布して触媒反応層を形成す
    るステップとを含む固体高分子型燃料電池用電極の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 陽イオン交換性高分子により安定化され
    た白金ルテニウム合金コロイドとカーボンとを含んでな
    るスラリー状の触媒を製造するステップと、 該スラリー状の触媒を湿式塗布して触媒反応層を形成す
    るステップとを含む固体高分子型燃料電池用電極の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記スラリー状の触媒を製造するステッ
    プが、 陽イオン交換性高分子を含む溶液にカーボンを分散させ
    て分散液を得た後に、 該分散液に白金イオンあるいは白金イオンとルテニウム
    イオンとの混合物を加えて白金コロイドあるいは白金ル
    テニウム合金コロイドを生成することを含む請求項1ま
    たは2に記載の固体高分子型燃料電池用電極の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記スラリー状の触媒を製造するステッ
    プが、 陽イオン交換性高分子を含む溶液中に白金イオンあるい
    は白金イオンとルテニウムイオンとの混合物を加えて白
    金コロイドあるいは白金ルテニウム合金コロイドを生成
    した後に、 上記溶液にカーボンを分散させることを含む請求項1ま
    たは2に記載の固体高分子型燃料電池用電極の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の方法に
    より製造された固体高分子型燃料電池用電極。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008059826A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Dainippon Printing Co Ltd 触媒層転写フィルム及び触媒層−電解質膜積層体
WO2011045869A1 (en) 2009-10-16 2011-04-21 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method for producing electrode catalyst for fuel cell

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