JP2003100255A - 高圧放電灯用の電極保持構造、高圧放電灯の端部構造および高圧放電灯 - Google Patents
高圧放電灯用の電極保持構造、高圧放電灯の端部構造および高圧放電灯Info
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- JP2003100255A JP2003100255A JP2001293995A JP2001293995A JP2003100255A JP 2003100255 A JP2003100255 A JP 2003100255A JP 2001293995 A JP2001293995 A JP 2001293995A JP 2001293995 A JP2001293995 A JP 2001293995A JP 2003100255 A JP2003100255 A JP 2003100255A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】セラミック放電管の開口部に金属製の管状本体
を取り付け、この管状本体に対して電極保持材を接合し
た場合に、バックアークに起因する光束の低下を抑制す
る。 【解決手段】イオン化発光物質および始動ガスが充填さ
れているセラミック放電管を備えている高圧放電灯用の
電極保持構造12を提供する。本構造12は、セラミッ
ク放電管1の開口部1bに取り付けられるべき金属製の
管状本体5A、管状本体5Aに対して接合されており、
管状本体5Aの内部空間7に少なくとも一部が設けられ
ている電極保持材8A、電極保持材8Aに取り付けられ
ている電極9、および管状本体5Aの内周面5bに形成
されている被膜6を備えている。被膜6が、少なくとも
タングステンを含む金属、または少なくともタングステ
ンを含む金属とセラミックスとの複合材料からなる。
を取り付け、この管状本体に対して電極保持材を接合し
た場合に、バックアークに起因する光束の低下を抑制す
る。 【解決手段】イオン化発光物質および始動ガスが充填さ
れているセラミック放電管を備えている高圧放電灯用の
電極保持構造12を提供する。本構造12は、セラミッ
ク放電管1の開口部1bに取り付けられるべき金属製の
管状本体5A、管状本体5Aに対して接合されており、
管状本体5Aの内部空間7に少なくとも一部が設けられ
ている電極保持材8A、電極保持材8Aに取り付けられ
ている電極9、および管状本体5Aの内周面5bに形成
されている被膜6を備えている。被膜6が、少なくとも
タングステンを含む金属、または少なくともタングステ
ンを含む金属とセラミックスとの複合材料からなる。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧放電灯用の電
極保持構造、高圧放電灯の端部構造および高圧放電灯に
関するものである。
極保持構造、高圧放電灯の端部構造および高圧放電灯に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】高圧放電灯においては、セラミック放電
管の両方の開口部の内側に閉塞材(通常、セラミックプ
ラグと呼ばれている)を挿通させ、各開口部を閉塞し、
各閉塞材に貫通孔を設け、この貫通孔には、所定の電極
システムを固着した電極保持材を挿通する。セラミック
放電管の内部空間にはイオン化発光物質および始動ガス
を封入する。このような高圧放電灯としては、高圧ナト
リウム発光ランプ、メタルハライドランプが知られてお
り、特に、メタルハライドランプは、良好な演色性を備
えている。放電管の材質としてセラミックを使用するこ
とによって、高温での使用が可能となった。
管の両方の開口部の内側に閉塞材(通常、セラミックプ
ラグと呼ばれている)を挿通させ、各開口部を閉塞し、
各閉塞材に貫通孔を設け、この貫通孔には、所定の電極
システムを固着した電極保持材を挿通する。セラミック
放電管の内部空間にはイオン化発光物質および始動ガス
を封入する。このような高圧放電灯としては、高圧ナト
リウム発光ランプ、メタルハライドランプが知られてお
り、特に、メタルハライドランプは、良好な演色性を備
えている。放電管の材質としてセラミックを使用するこ
とによって、高温での使用が可能となった。
【0003】特開昭62−176043号公報に記載の
金属蒸気放電灯においては、セラミック放電管の開口部
の閉塞材を作製する際に、2つのセラミックシートの間
に導電性金属薄膜を形成し、電極保持材の末端を金属薄
膜に対して接触させている。実開昭60−183357
号公報(特公平4−29482号公報)にも、セラミッ
ク放電管の端部構造が開示されている。この開口部に
は、例えばアルミナ粉末と金属タングステン粉末との焼
成によって得られたサーメットからなる導電性ディスク
を設置し、導電性ディスクの内側にタングステン電極を
設置し、導電性ディスクの外側にはリード部材を固定す
る。そして、このような放電灯の始動時に、導電性サー
メットからバックアークが発生し、サーメット内の耐熱
性金属成分が発光管の内壁に付着して黒化し、光束の低
下を招いた。そして、始動時のバックアークを防止する
ために、導電性ディスクの放電面側に、アルミナ等の絶
縁性セラミックスからなる絶縁層を形成している。
金属蒸気放電灯においては、セラミック放電管の開口部
の閉塞材を作製する際に、2つのセラミックシートの間
に導電性金属薄膜を形成し、電極保持材の末端を金属薄
膜に対して接触させている。実開昭60−183357
号公報(特公平4−29482号公報)にも、セラミッ
ク放電管の端部構造が開示されている。この開口部に
は、例えばアルミナ粉末と金属タングステン粉末との焼
成によって得られたサーメットからなる導電性ディスク
を設置し、導電性ディスクの内側にタングステン電極を
設置し、導電性ディスクの外側にはリード部材を固定す
る。そして、このような放電灯の始動時に、導電性サー
メットからバックアークが発生し、サーメット内の耐熱
性金属成分が発光管の内壁に付着して黒化し、光束の低
下を招いた。そして、始動時のバックアークを防止する
ために、導電性ディスクの放電面側に、アルミナ等の絶
縁性セラミックスからなる絶縁層を形成している。
【0004】一方、本出願人の特開2001−5888
2号公報においては、耐熱金属製の管状部材をセラミッ
ク放電管の開口部の閉塞材の内側に挿入し、電極部材保
持棒を管状部材の内部に挿入し、電極部材保持棒と管状
部材との末端部分を溶接して封止することが記載されて
いる。
2号公報においては、耐熱金属製の管状部材をセラミッ
ク放電管の開口部の閉塞材の内側に挿入し、電極部材保
持棒を管状部材の内部に挿入し、電極部材保持棒と管状
部材との末端部分を溶接して封止することが記載されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、特開20
01−58882号公報記載の高圧放電灯の改良を検討
していた。この過程において、金属製の管状部材をモリ
ブデンによって形成し、管状部材の内部にイオン性発光
物質および始動ガスを封入し、管状部材にタングステン
製の電極保持棒を溶接し、発光させてみたところ、長時
間経過するのにつれて放電管が黒化し、光束が低下する
ことを見いだした。このため、実開昭60−18335
7号公報に記載されているように、絶縁性セラミックス
であるアルミナ被膜をモリブデン製管状部材の内周面に
被覆し、バックアークを抑制することを試みた。しか
し、細長い管状部材の内周面に均一なアルミナ被膜を形
成する適当な技術が見当たらなかった。これは、アルミ
ナとモリブデンとの熱膨張差が大きいため、アルミナ膜
が容易に剥離するためである。また、管状部材の内周面
にアルミナ被膜を形成できたとすると、次にタングステ
ン製の電極保持棒を管状部材の内周面側に溶接する際
に、溶接用の金属溶融物の管状部材内周面に対する濡れ
が悪くなり、溶接が困難になる。
01−58882号公報記載の高圧放電灯の改良を検討
していた。この過程において、金属製の管状部材をモリ
ブデンによって形成し、管状部材の内部にイオン性発光
物質および始動ガスを封入し、管状部材にタングステン
製の電極保持棒を溶接し、発光させてみたところ、長時
間経過するのにつれて放電管が黒化し、光束が低下する
ことを見いだした。このため、実開昭60−18335
7号公報に記載されているように、絶縁性セラミックス
であるアルミナ被膜をモリブデン製管状部材の内周面に
被覆し、バックアークを抑制することを試みた。しか
し、細長い管状部材の内周面に均一なアルミナ被膜を形
成する適当な技術が見当たらなかった。これは、アルミ
ナとモリブデンとの熱膨張差が大きいため、アルミナ膜
が容易に剥離するためである。また、管状部材の内周面
にアルミナ被膜を形成できたとすると、次にタングステ
ン製の電極保持棒を管状部材の内周面側に溶接する際
に、溶接用の金属溶融物の管状部材内周面に対する濡れ
が悪くなり、溶接が困難になる。
【0006】本発明の課題は、セラミック放電管の開口
部に金属製の管状本体を取り付け、この管状本体に対し
て電極保持材を接合した場合に、バックアークに起因す
る光束の低下を抑制できるようにすることである。
部に金属製の管状本体を取り付け、この管状本体に対し
て電極保持材を接合した場合に、バックアークに起因す
る光束の低下を抑制できるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、イオン化発光
物質および始動ガスが充填されているセラミック放電管
を備えている高圧放電灯用の電極保持構造であって、セ
ラミック放電管の開口部に固定されるべき金属製の管状
本体、この管状本体に対して接合されており、管状本体
の内部空間に少なくとも一部が設けられている電極保持
材、この電極保持材に取り付けられている電極、および
管状本体の内周面に形成されている被膜を備えており、
この被膜が、少なくともタングステンを含む金属、また
は少なくともタングステンを含む金属とセラミックスと
の複合材料からなることを特徴とする。
物質および始動ガスが充填されているセラミック放電管
を備えている高圧放電灯用の電極保持構造であって、セ
ラミック放電管の開口部に固定されるべき金属製の管状
本体、この管状本体に対して接合されており、管状本体
の内部空間に少なくとも一部が設けられている電極保持
材、この電極保持材に取り付けられている電極、および
管状本体の内周面に形成されている被膜を備えており、
この被膜が、少なくともタングステンを含む金属、また
は少なくともタングステンを含む金属とセラミックスと
の複合材料からなることを特徴とする。
【0008】また、本発明は、前記電極保持構造がセラ
ミック放電管の開口部に設けられていることを特徴とす
る、高圧放電灯の端部構造に係るものである。
ミック放電管の開口部に設けられていることを特徴とす
る、高圧放電灯の端部構造に係るものである。
【0009】また、本発明は、高圧放電灯であって、イ
オン化発光物質および始動ガスが充填されており、開口
部が設けられているセラミック放電管、前記開口部に固
定されている金属製の管状本体、管状本体に対して接合
されており、管状本体の内部空間に少なくとも一部が設
けられている電極保持材、電極保持材に取り付けられて
いる電極、および管状本体の内周面に形成されている被
膜を備えており、被膜が、少なくともタングステンを含
む金属、または少なくともタングステンを含む金属とセ
ラミックスとの複合材料からなることを特徴とする。
オン化発光物質および始動ガスが充填されており、開口
部が設けられているセラミック放電管、前記開口部に固
定されている金属製の管状本体、管状本体に対して接合
されており、管状本体の内部空間に少なくとも一部が設
けられている電極保持材、電極保持材に取り付けられて
いる電極、および管状本体の内周面に形成されている被
膜を備えており、被膜が、少なくともタングステンを含
む金属、または少なくともタングステンを含む金属とセ
ラミックスとの複合材料からなることを特徴とする。
【0010】本発明者は、電極保持材に対して接合され
るべき管状本体の内周面側に、少なくともタングステン
を含む金属からなる被膜、または少なくともタングステ
ンを含む金属とセラミックスとの複合材料からなる被膜
を形成することを想到した。そして、こうして得られた
高圧放電灯を長時間点灯させたときの光束の変化を測定
したところ、光束の低下が著しく抑制されることを見い
だし、本発明に到達した。
るべき管状本体の内周面側に、少なくともタングステン
を含む金属からなる被膜、または少なくともタングステ
ンを含む金属とセラミックスとの複合材料からなる被膜
を形成することを想到した。そして、こうして得られた
高圧放電灯を長時間点灯させたときの光束の変化を測定
したところ、光束の低下が著しく抑制されることを見い
だし、本発明に到達した。
【0011】即ち、少なくともタングステンを含む金属
からなる被膜、または少なくともタングステンを含む金
属とセラミックスとの複合材料からなる被膜を、管状本
体の内周面に形成するという、被膜材質と形状との組み
合わせによって、光束の低下抑制をもたらすようなバッ
クアークの抑制を達成できた。
からなる被膜、または少なくともタングステンを含む金
属とセラミックスとの複合材料からなる被膜を、管状本
体の内周面に形成するという、被膜材質と形状との組み
合わせによって、光束の低下抑制をもたらすようなバッ
クアークの抑制を達成できた。
【0012】実開昭60−183357号公報において
は、導電性サーメットからなる閉塞材の内側(放電管の
内部空間側)にアルミナ膜を形成することによって、導
電性サーメットからのバックアークを防止している。し
かし、前述した理由から、例えばモリブデンからなる管
状本体の内周面にアルミナ膜を形成することは難しい。
実開昭60−183357号公報においては、バックア
ークを防止するための被膜の材質を絶縁性セラミックス
に限定しており、他の材質の使用は、中間接着層の使用
も含めて否定している。これは、薄い被膜によってバッ
クアークに伴う放電管の黒化を長期間にわたって防止す
るためには、被膜に高度の絶縁性と耐熱性とが必要であ
り、アルミナなどの絶縁性セラミックスがこうした条件
を満足するからであった。
は、導電性サーメットからなる閉塞材の内側(放電管の
内部空間側)にアルミナ膜を形成することによって、導
電性サーメットからのバックアークを防止している。し
かし、前述した理由から、例えばモリブデンからなる管
状本体の内周面にアルミナ膜を形成することは難しい。
実開昭60−183357号公報においては、バックア
ークを防止するための被膜の材質を絶縁性セラミックス
に限定しており、他の材質の使用は、中間接着層の使用
も含めて否定している。これは、薄い被膜によってバッ
クアークに伴う放電管の黒化を長期間にわたって防止す
るためには、被膜に高度の絶縁性と耐熱性とが必要であ
り、アルミナなどの絶縁性セラミックスがこうした条件
を満足するからであった。
【0013】これに対して、タングステン膜やタングス
テン−セラミックスサーメット膜は、下地の管状本体と
同様の導電性を有しているため、バックアークを抑制す
る作用は少ない。従って、バックアークによって被膜が
破壊し、下地である管状本体が露出し、金属成分が蒸発
揮散するものと考えられた。しかし、実際には、管状本
体の内側空間の全体にわたってバックアークが拡散し、
電極保持材の付け根近辺に集中しにくく、このために被
膜の一点へのバックアークおよび電流の集中が起きにく
いために、被膜が長期間にわたって破損なしに保持され
得ることを見いだした。この結果、管状本体の内周面に
前記被膜を形成することで、バックアークに起因する放
電管の黒化を長期間にわたって抑制できるものと考えら
れる。
テン−セラミックスサーメット膜は、下地の管状本体と
同様の導電性を有しているため、バックアークを抑制す
る作用は少ない。従って、バックアークによって被膜が
破壊し、下地である管状本体が露出し、金属成分が蒸発
揮散するものと考えられた。しかし、実際には、管状本
体の内側空間の全体にわたってバックアークが拡散し、
電極保持材の付け根近辺に集中しにくく、このために被
膜の一点へのバックアークおよび電流の集中が起きにく
いために、被膜が長期間にわたって破損なしに保持され
得ることを見いだした。この結果、管状本体の内周面に
前記被膜を形成することで、バックアークに起因する放
電管の黒化を長期間にわたって抑制できるものと考えら
れる。
【0014】実開昭60−183357号公報において
は、導電性サーメットの放電面が平坦であるので、かり
にタングステン被膜によって被覆した場合には、バック
アークを抑制できないというだけでなく、電極保持材の
付け根にバックアークが集中しやすく、黒化が進行しや
すいものと考えられる。また、本公報においては、例え
ばタングステン−アルミナサーメットからなる導電性デ
ィスクを、バックアークを生ずるものとして否定してい
る。
は、導電性サーメットの放電面が平坦であるので、かり
にタングステン被膜によって被覆した場合には、バック
アークを抑制できないというだけでなく、電極保持材の
付け根にバックアークが集中しやすく、黒化が進行しや
すいものと考えられる。また、本公報においては、例え
ばタングステン−アルミナサーメットからなる導電性デ
ィスクを、バックアークを生ずるものとして否定してい
る。
【0015】
【発明の実施の形態】被膜を構成する金属は少なくとも
タングステンを含むが、具体的には、純タングステンと
タングステン合金とを含む。純タングステンは、不可避
的不純物は許容する。タングステンと合金化される金属
は限定されないが、モリブデン、レニウム、ニオブ、タ
ンタルを例示できる。タングステン合金の場合には、タ
ングステンの比率は20vol%以上が好ましく、40vol%以
上が更に好ましい。
タングステンを含むが、具体的には、純タングステンと
タングステン合金とを含む。純タングステンは、不可避
的不純物は許容する。タングステンと合金化される金属
は限定されないが、モリブデン、レニウム、ニオブ、タ
ンタルを例示できる。タングステン合金の場合には、タ
ングステンの比率は20vol%以上が好ましく、40vol%以
上が更に好ましい。
【0016】被膜を構成する複合材料は、サーメットで
あることが好ましいが、サーメットには限定されず、多
種の複合材料であってよい。この複合材料は、上述のよ
うな金属とセラミックスとからなる。このセラミックス
は限定されないが、アルミナ、マグネシア、イットリ
ア、ランタニアおよびジルコニアからなる群より選ばれ
たセラミックスが好ましい。また、アルミナ、マグネシ
ア、イットリア、ランタニアおよびジルコニアからなる
群より選ばれた二種以上のセラミックスの混合物が好ま
しい。また、このセラミックスは、セラミック放電管の
材質と同種のセラミックスとすることが好ましい。この
観点から、セラミック放電管とサーメットのセラミック
ス成分とを、共にアルミナセラミックスとすることが更
に好ましい。
あることが好ましいが、サーメットには限定されず、多
種の複合材料であってよい。この複合材料は、上述のよ
うな金属とセラミックスとからなる。このセラミックス
は限定されないが、アルミナ、マグネシア、イットリ
ア、ランタニアおよびジルコニアからなる群より選ばれ
たセラミックスが好ましい。また、アルミナ、マグネシ
ア、イットリア、ランタニアおよびジルコニアからなる
群より選ばれた二種以上のセラミックスの混合物が好ま
しい。また、このセラミックスは、セラミック放電管の
材質と同種のセラミックスとすることが好ましい。この
観点から、セラミック放電管とサーメットのセラミック
ス成分とを、共にアルミナセラミックスとすることが更
に好ましい。
【0017】複合材料においては、耐蝕性を付与すると
いう観点からは、セラミックス成分の比率は50vol%以
上とすることが好ましく、70vol%以上とすることが更
に好ましい(金属成分の比率は残部である)。また、管
状本体との間の熱膨張差を緩和するという観点からは、
セラミックス成分の比率は40vol%以下とすることが好
ましく、30vol%以下とすることが更に好ましい。
いう観点からは、セラミックス成分の比率は50vol%以
上とすることが好ましく、70vol%以上とすることが更
に好ましい(金属成分の比率は残部である)。また、管
状本体との間の熱膨張差を緩和するという観点からは、
セラミックス成分の比率は40vol%以下とすることが好
ましく、30vol%以下とすることが更に好ましい。
【0018】管状本体の材質は限定されないが、ハロゲ
ン性のイオン化発光物質に対する耐蝕性や、閉塞材およ
びセラミック放電管との熱膨張差の観点からは、モリブ
デン、モリブデン合金が好ましい。純モリブデンは、不
可避的不純物は許容する。モリブデン合金の場合には、
モリブデンと合金化される他の金属は限定されないが、
タングステン、レニウム、ニオブ、タンタルを例示でき
る。モリブデン合金の場合には、モリブデンの比率は40
vol%以上が好ましく、60vol%以上が更に好ましい。
ン性のイオン化発光物質に対する耐蝕性や、閉塞材およ
びセラミック放電管との熱膨張差の観点からは、モリブ
デン、モリブデン合金が好ましい。純モリブデンは、不
可避的不純物は許容する。モリブデン合金の場合には、
モリブデンと合金化される他の金属は限定されないが、
タングステン、レニウム、ニオブ、タンタルを例示でき
る。モリブデン合金の場合には、モリブデンの比率は40
vol%以上が好ましく、60vol%以上が更に好ましい。
【0019】長期間使用時の光束低下を抑制するという
観点からは、前記被膜の塗布厚さを3μm以上とするこ
とが好ましく、5μm以上とすることが一層好ましい。
観点からは、前記被膜の塗布厚さを3μm以上とするこ
とが好ましく、5μm以上とすることが一層好ましい。
【0020】被膜の塗布厚さの上限値は特にない。しか
し、被膜の塗布厚さが、電極保持材と管状本体とのクリ
アランスに比べて大きすぎると、被膜形成後に、電極保
持材と被膜表面とのクリアランスが小さくなる。この結
果、バックアークが拡散するべき空間が小さくなり、黒
化が生じやすくなる傾向がある。この観点から、被膜の
塗布厚さが、電極保持材と管状本体とのクリアランスの
半分以下であることが好ましい。また、同様の観点から
具体的数値の一例をあげると、被膜の塗布厚さは20μm
以下であることが好ましい。
し、被膜の塗布厚さが、電極保持材と管状本体とのクリ
アランスに比べて大きすぎると、被膜形成後に、電極保
持材と被膜表面とのクリアランスが小さくなる。この結
果、バックアークが拡散するべき空間が小さくなり、黒
化が生じやすくなる傾向がある。この観点から、被膜の
塗布厚さが、電極保持材と管状本体とのクリアランスの
半分以下であることが好ましい。また、同様の観点から
具体的数値の一例をあげると、被膜の塗布厚さは20μm
以下であることが好ましい。
【0021】以下、図面を参照しつつ、本発明を更に詳
細に説明する。図1は、セラミック放電管1の開口部1
b内に管状部材4を挿入した状態を示す断面図であり、
図2は、管状部材4内に電極保持材8を挿入した状態を
示す断面図であり、図3は、電極保持材8Aと管状部材
4Aとを接合して得られた本発明の端部構造21を示す
断面図である。図4は、高圧放電灯の全体を概略的に示
す図である。
細に説明する。図1は、セラミック放電管1の開口部1
b内に管状部材4を挿入した状態を示す断面図であり、
図2は、管状部材4内に電極保持材8を挿入した状態を
示す断面図であり、図3は、電極保持材8Aと管状部材
4Aとを接合して得られた本発明の端部構造21を示す
断面図である。図4は、高圧放電灯の全体を概略的に示
す図である。
【0022】図1、図4に示すように、セラミック放電
管1は、本管部分1aと一対の開口部1bとを備えてい
る。2はセラミック放電管1の内部空間である。開口部
1bの内周面1cには閉塞材3が挿入され、固定されて
いる。閉塞材3の外周面3aは開口部1cの内周面1c
に当接している。閉塞材3の貫通孔3b側に管状部材4
を挿入し、固定する。管状部材4は、管状本体5と、管
状本体5の内周面5bを被覆する被膜6とを備えてい
る。管状本体5の外周面5aは、閉塞材3の内周面3b
に当接している。7は管状部材4の内部空間である。管
状本体5、被膜6の材質は前述した。
管1は、本管部分1aと一対の開口部1bとを備えてい
る。2はセラミック放電管1の内部空間である。開口部
1bの内周面1cには閉塞材3が挿入され、固定されて
いる。閉塞材3の外周面3aは開口部1cの内周面1c
に当接している。閉塞材3の貫通孔3b側に管状部材4
を挿入し、固定する。管状部材4は、管状本体5と、管
状本体5の内周面5bを被覆する被膜6とを備えてい
る。管状本体5の外周面5aは、閉塞材3の内周面3b
に当接している。7は管状部材4の内部空間である。管
状本体5、被膜6の材質は前述した。
【0023】次いで、管状部材4の内部空間7を通して
イオン化発光物質、始動ガスを内部空間2へと注入す
る。メタルハライド高圧放電灯の場合には、セラミック
放電管の内部空間に、アルゴン等の不活性ガスとメタル
ハライドとを封入し、更に必要に応じて水銀を封入す
る。
イオン化発光物質、始動ガスを内部空間2へと注入す
る。メタルハライド高圧放電灯の場合には、セラミック
放電管の内部空間に、アルゴン等の不活性ガスとメタル
ハライドとを封入し、更に必要に応じて水銀を封入す
る。
【0024】次いで、図2に示すように、電極9の設け
られた電極保持材8を、管状部材4の内部空間7に挿通
する。電極保持材8の付け根には、接合の便宜のために
拡張部分10が設けられている。
られた電極保持材8を、管状部材4の内部空間7に挿通
する。電極保持材8の付け根には、接合の便宜のために
拡張部分10が設けられている。
【0025】電極保持材8は導電性材料からなり、その
種類は特に限定はされない。しかし、バックアークによ
る電極保持材8の材質の蒸発揮散を抑制するという観点
からは、タングステン、前述したタングステン合金、前
述したタングステンとセラミックスとの複合材料、前述
したタングステン合金とセラミックスとの複合材料が好
ましい。
種類は特に限定はされない。しかし、バックアークによ
る電極保持材8の材質の蒸発揮散を抑制するという観点
からは、タングステン、前述したタングステン合金、前
述したタングステンとセラミックスとの複合材料、前述
したタングステン合金とセラミックスとの複合材料が好
ましい。
【0026】次いで、図3に示すように、電極保持材8
Aの拡張部分10Aを、管状本体5Aの末端部分に対し
て接合する。11は接合部である。これによって、本発
明の一実施形態に係る端部構造21および電極保持構造
12が構成される。管状部材4Aの末端が拡張部分10
Aによって封止され、イオン化発光物質の外部への漏出
が防止される。mは、電極保持材8Aと管状本体5Aと
のクリアランスである。
Aの拡張部分10Aを、管状本体5Aの末端部分に対し
て接合する。11は接合部である。これによって、本発
明の一実施形態に係る端部構造21および電極保持構造
12が構成される。管状部材4Aの末端が拡張部分10
Aによって封止され、イオン化発光物質の外部への漏出
が防止される。mは、電極保持材8Aと管状本体5Aと
のクリアランスである。
【0027】電極保持材8Aと管状本体4Aとの接合法
は限定されず、下記の方法を例示できる。レーザー溶接
法(例えばNd/YAGレーザー)やTIG溶接法を使用
する。
は限定されず、下記の方法を例示できる。レーザー溶接
法(例えばNd/YAGレーザー)やTIG溶接法を使用
する。
【0028】図4に示すように、高圧放電灯装置は、一
般に硬質ガラスからなる外管14を備えており、外管1
4内にセラミック放電管1が収容されている。外管14
の両端はセラミック口金16によって閉塞されている。
セラミック放電管1の開口部1bには、前述のような電
極保持構造12および端部構造21が構成されている。
外部リード線15は、電極保持構造12の拡張部10A
に対して接続されている。
般に硬質ガラスからなる外管14を備えており、外管1
4内にセラミック放電管1が収容されている。外管14
の両端はセラミック口金16によって閉塞されている。
セラミック放電管1の開口部1bには、前述のような電
極保持構造12および端部構造21が構成されている。
外部リード線15は、電極保持構造12の拡張部10A
に対して接続されている。
【0029】本発明の端部構造によれば、管状本体5A
の内側空間7の全体にわたってバックアークが拡散し、
電極保持材8Aの付け根近辺に集中しにくく、このため
に被膜6の一点へのバックアークおよび電流の集中が起
きにくいために、被膜6が長期間にわたって破損なしに
保持され得るものと思われる。この結果、バックアーク
に起因する放電管1の黒化を長期間にわたって抑制でき
るものと考えられる。
の内側空間7の全体にわたってバックアークが拡散し、
電極保持材8Aの付け根近辺に集中しにくく、このため
に被膜6の一点へのバックアークおよび電流の集中が起
きにくいために、被膜6が長期間にわたって破損なしに
保持され得るものと思われる。この結果、バックアーク
に起因する放電管1の黒化を長期間にわたって抑制でき
るものと考えられる。
【0030】セラミック放電管の形状は、一般的には、
管状(例えば円筒状、樽状)とすることができ、特に限
定されない。
管状(例えば円筒状、樽状)とすることができ、特に限
定されない。
【0031】閉塞材3の材質は限定されないが、セラミ
ックスまたはサーメットが好ましい。このセラミックス
は、アルミナ、マグネシア、イットリア、ランタニアお
よびジルコニアからなる群より選ばれたセラミックス、
あるいは、アルミナ、マグネシア、イットリア、ランタ
ニアおよびジルコニアからなる群より選ばれた複数種の
セラミックスの混合物であることが好ましい。
ックスまたはサーメットが好ましい。このセラミックス
は、アルミナ、マグネシア、イットリア、ランタニアお
よびジルコニアからなる群より選ばれたセラミックス、
あるいは、アルミナ、マグネシア、イットリア、ランタ
ニアおよびジルコニアからなる群より選ばれた複数種の
セラミックスの混合物であることが好ましい。
【0032】閉塞材3をサーメットによって形成した場
合には、サーメットを構成するセラミックスとしては、
アルミナ、マグネシア、イットリア、ランタニアおよび
ジルコニアからなる群より選ばれた一種以上のセラミッ
クス単独またはその混合物を例示できる。
合には、サーメットを構成するセラミックスとしては、
アルミナ、マグネシア、イットリア、ランタニアおよび
ジルコニアからなる群より選ばれた一種以上のセラミッ
クス単独またはその混合物を例示できる。
【0033】このサーメットの金属成分は、タングステ
ン、モリブデン、レニウム、またはタングステン、モリ
ブデンおよびレニウムからなる群より選ばれた二種以上
の金属の合金が好ましい。これによって、メタルハライ
ドに対する高い耐食性を閉塞材に対して付与することが
できる。このサーメットにおいては、セラミックス成分
の比率は55重量%以上、更には60重量%以上とする
ことが好ましい(金属成分の比率は残部である)。
ン、モリブデン、レニウム、またはタングステン、モリ
ブデンおよびレニウムからなる群より選ばれた二種以上
の金属の合金が好ましい。これによって、メタルハライ
ドに対する高い耐食性を閉塞材に対して付与することが
できる。このサーメットにおいては、セラミックス成分
の比率は55重量%以上、更には60重量%以上とする
ことが好ましい(金属成分の比率は残部である)。
【0034】次に、本発明に係る高圧放電灯を製造する
ための最も好適なプロセスについて述べる。
ための最も好適なプロセスについて述べる。
【0035】閉塞材を使用する場合には、閉塞材の材料
粉末(好ましくはアルミナ粉末)を成形し、リング状の
閉塞材の成形体を得る。この段階では、スプレードライ
ヤー等で造粒した粉末を、2000〜3000kgf/
cm2 の圧力でプレス成形することが好ましい。得られ
た成形体を、好ましくは脱脂および仮焼して仮焼体を得
る。
粉末(好ましくはアルミナ粉末)を成形し、リング状の
閉塞材の成形体を得る。この段階では、スプレードライ
ヤー等で造粒した粉末を、2000〜3000kgf/
cm2 の圧力でプレス成形することが好ましい。得られ
た成形体を、好ましくは脱脂および仮焼して仮焼体を得
る。
【0036】この際、閉塞材の成形体の脱脂処理は、6
00〜800℃の温度での加熱によって行うことが好ま
しい。この成形体の仮焼処理は、1200〜1400℃
の温度、水素還元雰囲気下での加熱によって行うことが
好ましい。この仮焼処理によって、閉塞材の成形体に対
して、ある程度の強度を与えることができる。
00〜800℃の温度での加熱によって行うことが好ま
しい。この成形体の仮焼処理は、1200〜1400℃
の温度、水素還元雰囲気下での加熱によって行うことが
好ましい。この仮焼処理によって、閉塞材の成形体に対
して、ある程度の強度を与えることができる。
【0037】一方、管状本体5を準備し、その内周面5
b上に被膜6を形成する。被膜6の形成方法は限定され
ないが、以下の方法が好ましい。
b上に被膜6を形成する。被膜6の形成方法は限定され
ないが、以下の方法が好ましい。
【0038】被膜6を構成する金属粉末、あるいは金属
粉末とセラミックス粉末との混合粉末を溶媒に分散し、
バインダーを添加してペーストを製造する。このような
溶媒としてはブチル/エチルカルビトールアセテートを
例示できる。バインダーとしては、エチルセルロースを
例示できる。
粉末とセラミックス粉末との混合粉末を溶媒に分散し、
バインダーを添加してペーストを製造する。このような
溶媒としてはブチル/エチルカルビトールアセテートを
例示できる。バインダーとしては、エチルセルロースを
例示できる。
【0039】このペーストを管状本体5の内周面5b上
に例えばスルーホール印刷法によって印刷する。印刷
後、被膜を乾燥し、非酸化性雰囲気中で、加湿条件下で
焼き付ける。この焼き付けは、管状部材4を閉塞材3の
内側に取り付ける前に行うことができる。この焼き付け
温度は1600−1900℃とすることが好ましい。あるいは、
管状部材4を閉塞材3の内側に取り付けた後、後述する
セラミック放電管の本焼成と同時に焼き付けることがで
きる。この非酸化性雰囲気としては水素・水素+不活性
ガス・希ガス・真空を例示できる。また、真空以外の雰
囲気の露点は−5−+15℃とすることが好ましい。
に例えばスルーホール印刷法によって印刷する。印刷
後、被膜を乾燥し、非酸化性雰囲気中で、加湿条件下で
焼き付ける。この焼き付けは、管状部材4を閉塞材3の
内側に取り付ける前に行うことができる。この焼き付け
温度は1600−1900℃とすることが好ましい。あるいは、
管状部材4を閉塞材3の内側に取り付けた後、後述する
セラミック放電管の本焼成と同時に焼き付けることがで
きる。この非酸化性雰囲気としては水素・水素+不活性
ガス・希ガス・真空を例示できる。また、真空以外の雰
囲気の露点は−5−+15℃とすることが好ましい。
【0040】一方、セラミック放電管を成形し、成形体
を脱脂し、仮焼してセラミック放電管の仮焼体を得る。
また、管状部材4を閉塞材3の仮焼体の内側に固定す
る。セラミック放電管の仮焼体の開口部に、閉塞材の仮
焼体を挿入し、所定の位置にセットし、露点−15〜1
5℃の還元雰囲気下で、1600〜1900℃の温度で
本焼成する。これによって、セラミック放電管1および
閉塞材3を得る。この段階において被膜6を焼き付ける
こともできる。
を脱脂し、仮焼してセラミック放電管の仮焼体を得る。
また、管状部材4を閉塞材3の仮焼体の内側に固定す
る。セラミック放電管の仮焼体の開口部に、閉塞材の仮
焼体を挿入し、所定の位置にセットし、露点−15〜1
5℃の還元雰囲気下で、1600〜1900℃の温度で
本焼成する。これによって、セラミック放電管1および
閉塞材3を得る。この段階において被膜6を焼き付ける
こともできる。
【0041】
【実施例】上述した製造プロセスに従って、図1〜図4
を参照しつつ説明した高圧放電灯を作製した。ただし、
セラミック放電管および閉塞材をアルミナ磁器によって
形成した。管状本体5の材質は純モリブデンとし、管状
本体5の外径は1.0mmとし、内径は0.7mmとした。被
膜6の材質は、純タングステンまたは純タングステン−
アルミナサーメットとした。純タングステンの場合に
は、純タングステン粉末をエチルセルロースおよびブチ
ルカルビトールアセテートを添加して混練し、ペースト
を製造した。タングステン−アルミナサーメットの場合
には、純タングステン粉末およびアルミナ粉末をエチル
セルロースおよびブチルカルビトールアセテートを添加
して混練し、ペーストを製造した。この際、タングステ
ン粉末とアルミナ粉末との体積比は60:40とした。
を参照しつつ説明した高圧放電灯を作製した。ただし、
セラミック放電管および閉塞材をアルミナ磁器によって
形成した。管状本体5の材質は純モリブデンとし、管状
本体5の外径は1.0mmとし、内径は0.7mmとした。被
膜6の材質は、純タングステンまたは純タングステン−
アルミナサーメットとした。純タングステンの場合に
は、純タングステン粉末をエチルセルロースおよびブチ
ルカルビトールアセテートを添加して混練し、ペースト
を製造した。タングステン−アルミナサーメットの場合
には、純タングステン粉末およびアルミナ粉末をエチル
セルロースおよびブチルカルビトールアセテートを添加
して混練し、ペーストを製造した。この際、タングステ
ン粉末とアルミナ粉末との体積比は60:40とした。
【0042】このペーストを管状本体5の内周面5b上
にスルーホール印刷法によって印刷した。塗布厚さは、
表1に示すように変更した。次いで、このペーストを大
気中80℃で乾燥し、水素雰囲気中(露点0℃)で1800℃
で加熱し、焼き付けた。
にスルーホール印刷法によって印刷した。塗布厚さは、
表1に示すように変更した。次いで、このペーストを大
気中80℃で乾燥し、水素雰囲気中(露点0℃)で1800℃
で加熱し、焼き付けた。
【0043】この管状部材4を閉塞材の仮焼体内に固定
し、閉塞材の仮焼体をセラミック放電管の仮焼体の開口
部に挿入固定し、露点−15〜15℃の還元雰囲気下
で、1600〜1900℃の温度で本焼成した(図1参
照)。
し、閉塞材の仮焼体をセラミック放電管の仮焼体の開口
部に挿入固定し、露点−15〜15℃の還元雰囲気下
で、1600〜1900℃の温度で本焼成した(図1参
照)。
【0044】次いで、セラミック放電管1の内部空間2
に、管状部材4を通してアルゴンガスとメタルハライド
とを封入した。次いで、図2に示すように、タングステ
ン製の電極保持材8を管状部材4内に挿入した。Nd/
YAGレーザーを照射し、図3に示す電極保持構造12
を製造した。
に、管状部材4を通してアルゴンガスとメタルハライド
とを封入した。次いで、図2に示すように、タングステ
ン製の電極保持材8を管状部材4内に挿入した。Nd/
YAGレーザーを照射し、図3に示す電極保持構造12
を製造した。
【0045】この高圧放電灯に150Wの電力を供給し、
点灯させた。そして点灯初期の光束を測定した。また、
表1に示す比較例、実施例1−3の各高圧放電灯につい
て、100時間、3000時間、6000時間、800
0時間経過後の光束を測定した。初期の光束と、所定時
間経過後の光束とを比較し、評価結果を表1に示す。
点灯させた。そして点灯初期の光束を測定した。また、
表1に示す比較例、実施例1−3の各高圧放電灯につい
て、100時間、3000時間、6000時間、800
0時間経過後の光束を測定した。初期の光束と、所定時
間経過後の光束とを比較し、評価結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】なお、表1において、光束維持率の評価は
以下の基準による。 「きわめて良好」:初期の光束を100としたとき、9
3−100 「非常に良好」:初期の光束を100としたとき、85
−93 「良好」:初期の光束を100としたとき、75−85 「普通」:初期の光束を100としたとき、70−75
以下の基準による。 「きわめて良好」:初期の光束を100としたとき、9
3−100 「非常に良好」:初期の光束を100としたとき、85
−93 「良好」:初期の光束を100としたとき、75−85 「普通」:初期の光束を100としたとき、70−75
【0048】表1に示すように、実施例1においては、
厚さ3μmのタングステン膜を形成することによって、
100時間経過後において光束維持率が非常に良好であ
り、6000時間経過後においても良好であった。実施
例2では、厚さ5μmのタングステン膜を形成すること
によって、8000時間経過後においても光束維持率が
良好となった。更に、実施例3においては、厚さ5μm
のタングステン−アルミナサーメット膜を形成したが、
実施例2よりも更に優れた光束維持率を示した。
厚さ3μmのタングステン膜を形成することによって、
100時間経過後において光束維持率が非常に良好であ
り、6000時間経過後においても良好であった。実施
例2では、厚さ5μmのタングステン膜を形成すること
によって、8000時間経過後においても光束維持率が
良好となった。更に、実施例3においては、厚さ5μm
のタングステン−アルミナサーメット膜を形成したが、
実施例2よりも更に優れた光束維持率を示した。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、セ
ラミック放電管の開口部に金属製の管状本体を取り付
け、この管状本体に対して電極保持材を接合した場合
に、バックアークに起因する光束の低下を抑制できる。
ラミック放電管の開口部に金属製の管状本体を取り付
け、この管状本体に対して電極保持材を接合した場合
に、バックアークに起因する光束の低下を抑制できる。
【図1】セラミック放電管1の開口部1b内に管状部材
4を挿入した状態を示す断面図である。
4を挿入した状態を示す断面図である。
【図2】管状部材4内に電極保持材8を挿入した状態を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図3】電極保持材と管状部材とを接合して得られた本
発明の端部構造21を示す断面図である。
発明の端部構造21を示す断面図である。
【図4】高圧放電灯の全体を概略的に示す図である。
1 セラミック放電管 1a セラミック放電管
1の本管部分 1b セラミック放電管1の開口
部 1c 開口部1bの内周面 2 セラ
ミック放電管の内部空間 3 閉塞材
4、4A 管状部材 5、5A 管状本体
5a 管状本体の外周面5b 管状本体の内周面
6 被膜 7 管状部材の内部空間
8、8A 電極保持材 9 電極 10、
10A 拡張部 11 接合部 12 電
極保持構造 21 端部構造m 電極保持材と管
状本体とのクリアランス
1の本管部分 1b セラミック放電管1の開口
部 1c 開口部1bの内周面 2 セラ
ミック放電管の内部空間 3 閉塞材
4、4A 管状部材 5、5A 管状本体
5a 管状本体の外周面5b 管状本体の内周面
6 被膜 7 管状部材の内部空間
8、8A 電極保持材 9 電極 10、
10A 拡張部 11 接合部 12 電
極保持構造 21 端部構造m 電極保持材と管
状本体とのクリアランス
Claims (10)
- 【請求項1】イオン化発光物質および始動ガスが充填さ
れているセラミック放電管を備えている高圧放電灯用の
電極保持構造であって、 前記セラミック放電管の開口部に固定されるべき金属製
の管状本体、この管状本体に対して接合されており、前
記管状本体の内部空間に少なくとも一部が設けられてい
る電極保持材、この電極保持材に取り付けられている電
極、および前記管状本体の内周面に形成されている被膜
を備えており、この被膜が、少なくともタングステンを
含む金属、または少なくともタングステンを含む金属と
セラミックスとの複合材料からなることを特徴とする、
高圧放電灯用の電極保持構造。 - 【請求項2】前記管状本体がモリブデンまたはモリブデ
ン合金からなることを特徴とする、請求項1記載の構
造。 - 【請求項3】前記被膜の塗布厚さが3μm以上であるこ
とを特徴とする、請求項1または2記載の構造。 - 【請求項4】前記被膜の塗布厚さが、前記電極保持材と
前記管状本体とのクリアランスの半分以下であることを
特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記
載の構造。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記
載の電極保持構造が前記セラミック放電管の前記開口部
に設けられていることを特徴とする、高圧放電灯の端部
構造。 - 【請求項6】イオン化発光物質および始動ガスが充填さ
れており、開口部が設けられているセラミック放電管、
前記開口部に固定されている金属製の管状本体、この管
状本体に対して接合されており、前記管状本体の内部空
間に少なくとも一部が設けられている電極保持材、この
電極保持材に取り付けられている電極、および前記管状
本体の内周面に形成されている被膜を備えており、この
被膜が、少なくともタングステンを含む金属、または少
なくともタングステンを含む金属とセラミックスとの複
合材料からなることを特徴とする、高圧放電灯。 - 【請求項7】前記管状本体がモリブデンまたはモリブデ
ン合金からなることを特徴とする、請求項6記載の高圧
放電灯。 - 【請求項8】前記被膜の塗布厚さが3μm以上であるこ
とを特徴とする、請求項6または7記載の高圧放電灯。 - 【請求項9】前記被膜の塗布厚さが、前記電極保持材と
前記管状本体とのクリアランスの半分以下であることを
特徴とする、請求項6〜8のいずれか一つの請求項に記
載の高圧放電灯。 - 【請求項10】前記管状本体の少なくとも一部が前記セ
ラミック放電管の前記開口部の内側に固定されているこ
とを特徴とする、請求項6〜9のいずれか一つの請求項
に記載の高圧放電灯。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001293995A JP2003100255A (ja) | 2001-09-26 | 2001-09-26 | 高圧放電灯用の電極保持構造、高圧放電灯の端部構造および高圧放電灯 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001293995A JP2003100255A (ja) | 2001-09-26 | 2001-09-26 | 高圧放電灯用の電極保持構造、高圧放電灯の端部構造および高圧放電灯 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003100255A true JP2003100255A (ja) | 2003-04-04 |
Family
ID=19115671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001293995A Pending JP2003100255A (ja) | 2001-09-26 | 2001-09-26 | 高圧放電灯用の電極保持構造、高圧放電灯の端部構造および高圧放電灯 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003100255A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008527677A (ja) * | 2005-01-19 | 2008-07-24 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 高圧放電ランプ |
-
2001
- 2001-09-26 JP JP2001293995A patent/JP2003100255A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008527677A (ja) * | 2005-01-19 | 2008-07-24 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 高圧放電ランプ |
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