JP2000504482A - 低圧放電ランプ - Google Patents

低圧放電ランプ

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Abstract

(57)【要約】 本発明による低圧放電ランプは、気密封止した管状ガラスランプ容器(60)を含む。このランプ容器はランプ容器内に希ガスを有するイオン化可能な充填剤を含む。電極(20)は、電子エミッタ(50)を有するランプ容器に配置される。電流導体(30)は、これら電極(20)に接続される。これらの電流導体は、ランプ容器の外側に表面(31)を有する。これら電極(20)のうちの少なくとも1つは、メッシュ部材であり、電子エミッタ(50)は、Ta、Ti、Zr、Sc、Y、Laを含むグループ及びランタノイドから少なくとも1つの金属を有する元素Ba及びSrのうちの少なくとも1つの混合酸化物を含み、Xが0乃至1の範囲にある組成Bax Sr1-x24 の電子エミッタを除外する。このメッシュ部材は、忠実な材料の電極部材よりも点灯温度に早く達することができる。これによりスパッタリングが抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】 低圧放電ランプ 本発明は、気密封止した管状ガラスランプ容器と、ランプ容器中に希ガスを含 むイオン化可能な充填剤と、電子エミッタを有するランプ容器内の電極と、この 電極に接続され且つランプ容器の外側に表面を有する電流導体とを含む低圧放電 ランプに関するものである。 このような低圧放電ランプは、欧州特許出願明細書第0562679号から知 られている。 この既知のランプは、容易に実現できる簡単な構造である。このランプ容器は 、管状の主要部分と、この主要部分の両側で金属管により接続された球状の補助 部分とを有する。これら金属管は、電流導体として作用する。放電容器の主要部 分の内側に突出した端部は、電極を形成する。ランプを製造する場合には、ラン プ容器を清浄し、金属管を介して充填剤を封入することができる。補助部分は、 ガラス管を各金属管に融着し、次に例えば融着によりガラス管の両側の自由端を 封止することにより得られる。 既知のランプの構造は、例えば1.5乃至7mmの比較的小さな内径のランプ 、及び例えば1m以上の比較的長いランプを製造するには容易であった。 イオン化可能な充填剤は、希ガス或いは希ガスの混合物を含むことができ、或 いは、例えば水銀のような蒸着可能な構成要素をも含むことができる。このラン プ容器は蛍光材料を有することができる。このランプは照明目的か或いは例えば 自動車のテイルランプ或いはストップランプのようにネオンの充填剤を有する信 号ランプに使用することができる。後者の用途においては、このランプは、付勢 されたの後に300msではなく、10msで既に完全に光を放射するという、 白熱ランプ以上の利点を有する。 既知のランプに典型的に使用されている軸線形状でエミッタの無い中空電極に よる陰極降下(≒180ボルト)が高いこと及び稼働エネルギーが高いことによ り、これら電極の使用は比較的低いランプ電流に制限される。この比較的低い電 流により、光出力が低くなり(<900lm/m)、陰極降下が高いことにより ランプの効能が低減する。大電流で幅の狭い径(ND)の蛍光灯及びネオンラン プが強く望まれているが、現存するものではない。数ある中でこのようなランプ に必要なものは、例えば80ボルトより低い陰極降下である。それ故に、高電流 且つ高効率NDランプの技術が必要である。このような高電流ND蛍光ランプは 、自動車の内部照明に或いはラップトップコンピュータのバックライトとして使 用することができる。 ランプ内の電極の陰極降下は、電子放出を促進させることによって抑制するこ とができる。従来の大きな径で大電流(>200mA)の蛍光ランプに関しては 、トリプルカーボネイト(例えばバリウム、ストロンチウム、及びカルシウムの 炭化物の混合物)でコーティングされたタングステンのコイルが、電極として使 用される。その結果、これらのランプは、4つの端子、即ち各側の各電極に対し て2つづつのターミナルを有する。ランプの製造中には、別の工程段階において 、タングステンコイルを介して電流を流すことにより、これらの炭化物を酸化物 に熱変換する。このランプの場合には、タングステンコイルを介して熱電流を流 すか或いはイオン衝撃のどちらかにより電極を1000乃至1300℃に加熱す ると、これら酸化物〔(Ba、Sr、Ca)O〕が熱電子放出を介して電子放出 を促進する。製造中に特別なインランプ熱処理工程を必要としない電極が望まし い。この処理工程は不経済な処理時間を必要とするからである。 NDランプは幾何学的な制約により単一のリードの電極を必要とし、従って、 イオン衝撃が陰極加熱の唯一の方法である。コイルが無いので、単一のリードの NDランプに炭化物を使用する場合には、製造中にこれら炭化物を酸化物に変換 するのに外部RF加熱が必要である。これはより割高の工程を更に製造工程に追 加するものである。 本発明の目的は、増大した発光フラックスを実現することができる明細書前文 に記載の種類の低圧放電ランプを提供することにある。 本発明によれば、この目的は、少なくとも1つの電極をメッシュ部材とし、電 子エミッタが、Ta、Ti、Zr、Sc、Y、Laを含むグループ及びランタノ イドから少なくとも1つの金属を有する元素Ba及びSrのうちの少なくとも1 つの混合酸化物を含み、Xが0乃至1の範囲にある組成Bax Sr1-x24 の電子エミッタを除外することにより達成される。 未公開の国際出願IB95/00951には、電極をメッシュ部材とした上述 した種類による径の小さなランプが記載されている。エミッタとしてBax Sr1-x24 によりこのメッシュ部材をコートし、xは例えば0.75とされて いる。 本発明のよるランプにおいては、電極を電子エミッタ材料を支持するメッシュ 部材により形成する。連続的な壁を有する電極と比較して、同じ材料及び幾何学 的な形状を有するメッシュ部材の質量、それ故に熱容量は、かなり小さいのもの である。このようなメッシュ部材は、対応する連続的な壁を有する電極よりも、 所定の温度での周囲に対する熱損失は小さい。或いは又、所定の熱損失に関して は、メッシュ部材は連続的な壁を有する電極よりも著しく高い温度で点灯するこ とができる。このより高い温度により、電子エミッタ材料からのより多量の放出 が促進され、陰極降下がより小さくなる。陰極降下が小さくなればなるほど、ラ ンプ電流はより高くなり、ランプのシール領域の温度が上昇しなくても光出力は より増大する。メッシュ部材の他の利点は、このメッシュ部材が、電極からラン プ容器の壁まで金属の拡散を抑制することができ、その結果ランプ容器の内壁が 黒くなるのを抑制できることである。これにより、メッシュ部材をより少量とす ることによって、点弧段階のイオン衝撃によりメッシュ部材のティップ部分を点 灯温度迄より迅速に加熱し、発光からアークへのより迅速な移行が得られる。又 、抑制されたスパッタリングは、エミッタ材料のメッシュ部材への接着が改良で きたからである。 好適な実施例においては、メッシュ部材を中空且つ円筒状とし、ランプ軸線に 対して少なくともほぼ平行に延在させる。このような形状は、径の小さなランプ に対しては有利である。その理由は、小さな径では十分な量のエミッタ材料を支 持するのに長さを選択することができるからである。このような形状は、円筒状 のジグの回りである長さのメッシュ材料をローリングし、溶接し、及び続いてあ る長さに切断することにより形成することは容易である。 好適には、電子エミッタは、Xが0乃至1の値の範囲にあるBa4 Ta29 、 Ba5 Ta415、BaY24、BaCeO3、Ba2 TiO4、BaZrO3、 Bax SR1-x TiO3 、及びBax SR1-x ZrO3 から成るグループから選 択された1つ以上の混合酸化物を含む。 最も好適には、電子エミッタは、Ba4 Ta29 、BaCeO3 、Ba2 T iO4 、BaZrO3 、Ba.5Sr.5TiO3 、及びBa.5Sr.5ZrO3 から 成るグループから選択された1つ以上の混合酸化物を含む。 一方の電極だけがメッシュ部材を具えるランプは、DCでの点灯に著しく好適 である。このメッシュ部材を有する電極は、この場合には陰極とする。しかしな がら、両電極がこのようなメッシュ部材で固定されている場合には、この電極は 例えばACでの点灯に好適である。 メッシュ部材は、電極用の電流導体として作用する中空円筒フェルールか或い は又他の導電素子に直接固定することができる。しかしながら、電流導体による 熱伝導を更に抑制するためには、導電性の熱アイソレータを電流導体とメッシュ 部材との間に配置するのが望ましい。この熱アイソレータは、上述した実施例中 のようなある長さのワイヤとすることかできる。このワイヤは、電流導体に装着 することができ、例えば抵抗溶接或いはレイザー溶接のような溶接によりメッシ ュ部材に装着することができる。或いは又、導電性の熱アイソレータは2つ以上 のワイヤを有する。この実施例は、点灯中に例えば衝撃或いは振動による加速を 受けるランプには好適である。或いは又、フェルールを電流導体として使用する 場合には、熱アイソレータは、例えば切断、グラインディング、ソウイング等に よりフェルールの内側に突出した端部から材料を切り離すことによって形成した 全体に細長く延在するフェルールとすることができる。 電流導体は、ランプ容器のガラスの拡散係数に対応する拡散係数を有する金属 、例えばライムガラスの場合にはCrが6重量%、Niが42重量%で残りが鉄 であるCrNiFe合金から形成することができる。例えばほう珪化ガラスのよ うなハードガラスランプ容器の場合には、例えばNi/Fe、或いはNiが29 重量%、Coが17重量%で残りが鉄であるNiCoFe合金から形成し且つ径 が1.5mmで壁厚が0.12mmの電流導体を使用することができる。 或いは又、電流導体は例えばCrが18重量%、Niが10重量%で残りが鉄 であるCrNiFe、或いはNiから構成することができる。この場合には、導 電性の熱アイソレータは、例えば0.125或いは0.250mmの径のワイヤ の形態でNi80Cr20(重量%)のNiCrとすることができる。 1例では、電流導体を忠実とする。ランプ容器はチャンバ処理で製造すること ができる。好適な実施例は、メッシュ部材に接続された電流導体が、管であり、 ランプ容器が主要部分と補助部分とを有し、これらの部分を管により互いに接続 することを特徴とする。この実施例では、管はランプを空にするか或いは充填剤 で満たすように使用することができ、製造工程がより簡単になる。 他の実施例では、メッシュ部材をランプ容器の補助部分に配置したことを特徴 とする。この実施例は、ランプの点灯中にメッシュ部材から剥がれた材料がラン プ容器の主要部分のほぼ外側で終端し、その結果この部分自体がクリアな状態に 維持されるという利点を有する。従って、ルーメン出力はランプが寿命に達する までは高く維持される。この実施例は、ランプの充填剤が蒸着可能な構成要素を 含むことが特に重要である。通常の点灯中には放電アークが主にメッシュ部材に 形成されるので、メッシュ部材が収容されるランプ容器の外側の空間は比較的高 温度となると考えられる。従って、蒸着構成要素は比較的高い蒸気圧を有する。 本発明のこれらの及び他の概念について図面を参照して詳細に説明する。ここ で、 図1は本発明による低圧放電ランプの実施例を線図的に示す。 図2は図1のランプの部分をより詳細に示す。 図3は第2の実施例の対応する部分を示す。 図4は第3の実施例の対応する部分を示す。 図1を参照するに、低圧放電ランプは管状のガラスランプ容器60を有する。 このランプ容器は主要部分61と補助部分62とを有する。このランプ容器は、 例えばアルゴン又はネオンのような希ガスから構成される充填材を有し、又はラ ンプの型式に応じて水銀蒸気を含むことができる。発光層2は内側表面を覆い又 は内側表面の少なくとも主要な部分を覆うことができる。ランプ容器は発光層2 で発生した可視放射を透過するガラスから成る。管の形態の電流導体30が各端 部部分Bにおいてランプの主要部分に封入され、この電流導体は主要部分を各補 助部分に接続する。電流導体30はランプ容器の外側に表面31を有する。 図2に詳細に示すメッシュ部材20は、例えばニッケル又はニッケル−クロム のワイヤ40のような熱アイソレータを用いて電流導体30にレーザ融着又は抵 抗融着する。メッシュ部材20を、その表面を少なくとも一部分好ましくは内側 表面で、電子放出性材料50によりコートする。 円筒状のメッシュ部材20は、メッシュ材料のマットをロッドの周囲にラッピ ングし、その対向する端部をオーバラップさせ又はオーバラップすることなく融 着することにより容易に形成される。長いメッシュ円筒体は容易に形成され、そ の後このメッシュ円筒体を切断して所望長の突状体又は電極チィップ20を得る ことができる。次に、このメッシュ突状体を融着によりワイヤ40に接続する。 このメッシュ部材20は、エミッタ材料の懸濁液にメッシュ部材を浸漬すること によりエミッタ材料がコートされる。これは、メッシュ部材とワイヤ40とを一 緒に融着した後容易に行われる。エミッタ材料を乾燥した後、ワイヤ40の他端 をフェルール30に固定する。エミッタ材料は、例えばスプレイのような他の方 法によりスクリーンに被着することもできる。 一例として、0.14mmの開ロサイズ及び約30%の開口面積を有する10 0×100のメッシュ材料を中空チューブに巻き付け、融着し、3mm長に切断 した。このメッシュ部材にNiCrワイヤを融着し、このメッシュ部材を、バイ ンダ(ニトロセルロース)及び適当な溶剤(ブチルアセテート)が混合されたエ ミッタ材料(例えばBa4 Ta29 )で浸漬コートした。次に、コートされた メッシュを1000゜ Cに加熱してバインダを焼き飛ばした。Ni、Moのメッ シュの場合には、バインダをHe−H2 内で焼き飛ばした。一方、Taメッシュ の場合には、バインダをAr雰囲気で焼き飛ばした。 図3は他の実施例を示したものであり、熱アイソレータ40を、長さ「I」及 び幅「w」を有するフェルール30の不可欠な延長部分とし、この部分はソーイ ング、グラインディング等のにより材料をフェルール30から切り離すことによ り得られる。 図1乃至図3において、中空状のフェルール30は、電極をランプ容器の外側 の電位源に接続する電流導体として及びランプ容器を空にし及び満たすコンジッ トとしての両方として作用する。このようなシール構造は、小さな径、例えば5 mmより小さな径を有するランプには有益である。これよりも大きな径を有する ランプの場合には、ランプステムのような他のシール構造が用いられる。ランプ ステムと共にガラス管が使用されてランプ容器を空にし及び満たし、電流導体は この場合にはワイヤとする。図4は、ランプステムを有するランプの電極の実施 例を示したものであり、メッシュ円筒体をワイヤフィードスルーにより形成され た電流導体に直接接続する。ワイヤはランプ軸線により整列されたメッシュ部材 を維持するようなオフセットを有する。 表は、一群のテストランプの陰極降下を示したものであり、これらのランプは 図4で示した幾何学的な形状とメッシュ材料Ni、Mo、或いはTaを有する。 これらのランプは、水銀と、40mbarのアルゴンと、40mAの電流とを含む蛍光 ランプとした。エミッタ材料はBa4 Ta29 とした。その結果は、連続点灯 したランプ及びon/of切替え点灯したランプを含む。 点灯中には、ランプは幾分黒化したが、ランプは安定しており、ひどく暗くな ることはなかった。テストは1500時間後に終了したが、その理由は必ずしも メッシュ材料を使用したからではなく、水銀が枯渇したからである。このメッシ ュの形態により、固体のカップ及び電極の形態を有する先行技術の結果よりも良 好な範囲が得られた。従って、エミッタ材料を支持する電極ティップとしてメッ シュ部材を使用することは、コールドカソードランプ、特には径の小さいランプ のランプの点灯を改良するに際してランプの設計者が使用する他の手段として役 立つものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.気密封止した管状ガラスランプ容器(60)と、ランプ容器中に希ガスを含 むイオン化可能な充填剤と、電子エミッタ(50)を有するランプ容器内の電極 (20)と、この電極(20)に接続され且つランプ容器の外側に表面(31) を有する電流導体(30)とを含む低圧放電ランプにおいて、電極(20)のう ちの少なくとも1つをメッシュ部材とし、電子エミッタ(50)が、Ta、Ti 、Zr、Sc、Y、Laを含むグループ及びランタノイドから少なくとも1つの 金属を有する元素Ba及びSrのうちの少なくとも1つの混合酸化物を含み、X が0乃至1の範囲にある組成Bax Sr1-x24 の電子エミッタを除外する ことを特徴とする低圧放電ランプ。 2.前記電子エミッタ(50)が、Xが0乃至1の値の範囲にあるBa4 Ta29 、Ba5 Ta415、BaY24 、BaCeO3 、Ba2 TiO4 、Ba ZrO3 、Bax Sr1-x TiO3 、及びBax Sr1-x ZrO3 から成るグル ープから選択された1つ以上の混合酸化物含むことを特徴とする請求項1に記載 のランプ。 3.前記電子エミッタ(50)がBa4 Ta29 、BaCeO3 、Ba2 Ti O4 、BaZrO3、Ba.5 Sr.5 TiO3 、及びBa.5 Sr.5 ZrO3 か ら成るグループから選択された1つ以上の混合酸化物を含むことを特徴とする請 求項2に記載のランプ。 4.前記メッシュ部材(20)に接続された電流導体(30)を管状とし、ラン プ容器(60)が主要部分(61)と補助部分(62)とを有し、これら部分を 管により互いに接続したことを特徴とする請求項1、2或いは3に記載の低圧放 電ランプ。 5.前記メッシュ部材(20)をランプ容器(60)の補助部分(62)に配置 したことを特徴とする請求項4に記載の低圧放電ランプ。 6.各電極(20)をメッシュ部材としたことを特徴とする請求項4或いは5に 記載の低圧放電ランプ。
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