JP2001068062A - セラミック放電管の電極構造及びそのセラミック放電管を用いた高圧放電灯 - Google Patents

セラミック放電管の電極構造及びそのセラミック放電管を用いた高圧放電灯

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JP2001068062A
JP2001068062A JP2000019163A JP2000019163A JP2001068062A JP 2001068062 A JP2001068062 A JP 2001068062A JP 2000019163 A JP2000019163 A JP 2000019163A JP 2000019163 A JP2000019163 A JP 2000019163A JP 2001068062 A JP2001068062 A JP 2001068062A
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discharge tube
electrode
alumina
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JP2000019163A
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English (en)
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Tokuichi Niimi
徳一 新見
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力が例えば150ワット以上の大型ランプ
であっても、安定して使用でき、然も簡易な構成のセラ
ミック放電管の電極構造を提供する。 【解決手段】 セラミック放電管1の放電電極4に電力
を供給する円柱形状の電流導体3を導電性を有するサー
メットにより形成し、放電電極4をその電流導体3の先
端にメタライズ接合した。サーメットはモリブデンとア
ルミナの混合物を焼結形成し、双方の混合比を体積比1
対1とした。また、メタライズ接合部7を形成するため
の接合ペーストはモリブデンの粒径が3μmを中心とす
る粉体と0.5μmを中心とする粉体を混合して焼結形
成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧放電灯に使用
されるセラミック放電管に関し、詳しくはその放電電極
に電力を供給する電流導体にサーメットを使用したセラ
ミック放電管の電極構造に関する。
【0002】
【従来の技術】高圧ナトリウムランプやメタルハライド
ランプのような高圧放電灯は、両端に電極を設けた半透
明のセラミック放電管内にイオン化発光物質としてハロ
ゲン化物を封入し更にアルゴンや水銀を封入している。
このような高圧放電灯のうち比較的出力の高いものに特
開平6−196131号公報に開示された構成のものが
ある。これは、図11の断面説明図に示すような電極構
造をとり、放電部20は、電極軸21を介して電流導体
22に接続されている。この電流導体22は、2種類の
棒状導体を連結して形成され、放電部20を有する第1
の電流導体22aは電極軸構成金属であるタングステン
と放電管25を形成するアルミナ等のアルミニウム酸化
物とを一定割合で含有した導電性を有するサーメット
(以下導電サーメットとする)或いはモリブデン製の棒
状導体で形成され、他方の第2の電流導体22bはニオ
ブから成る棒状導体であり、ニオブ製導体の他端は放電
管から露出し、リード線等が接続される。そして、2本
の電流導体22a,22bとセラミック放電管の容器2
5との隙間はガラスフリット等のシール材24により封
止されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の電極構造に
あって、ニオブは耐ハロゲン化物物質ではないため、放
電管内に露出させると内部に封入されているハロゲン化
物により腐食劣化しやすく、放電灯の寿命を長くするこ
とができない。また、耐ハロゲン化物物質であるモリブ
デン単体や同様の特性を有するようにタングステンを混
合して形成した導電サーメットのみを使用すると、ハロ
ゲン化物により劣化することはないが、容器25に対し
て、モリブデン単体の場合は熱膨張係数が大きく異なる
ため、出力を例えば150ワット以上に大きくしようと
すると発光管自体の各寸法も大きくなり、容器25との
接合部の熱膨張係数の差により不具合を生じ、クラック
が発生したりしてやはり劣化を早めてしまう。また、タ
ングステン混合サーメットの場合は、焼結性(緻密性)
がモリブデンサーメットよりも劣り、また弾性特性等も
同様である。そこで、上述するように2種類の電流導体
22a,22bを連結して双方の欠点を補い1つの電流
導体22を形成する複雑な構成を採っていた。そのた
め、結果として製造工程を複雑なものにし、高価なもの
としていた。
【0004】また更に、上述するような2種類の棒状導
体により電流導体22を形成する場合、電極軸21と第
1の電流導体22aとの接合、或いは第1の電流導体と
第2の電流導体との接合等個々の部材の接合が難しく、
電極の製造工程を更に複雑なものとしていた。
【0005】そこで、セラミック放電管の容器25と同
一の素材,例えばアルミナを電流導体の芯材として用
い、熱膨張特性を等しくして、その芯材をメタライズ被
覆等することで導電性を持たせて電流導体を形成するこ
とが考えられる。しかし、電流導体と容器とを接合する
際、通常隙間をガラスフリットを用いて封止する構造が
採用されており、ガラスとアルミナは熱膨張特性が大き
く異なる(ガラスの熱膨張係数=6.0〜7.2 ,ア
ルミナの熱膨張係数=8.1 )ため、この場合ガラス
に応力集中によりクラックが発生し易くなる。
【0006】そこで本発明の課題は、出力が例えば15
0ワット以上と、大型ランプであっても、安定して使用
できる電極を提供することにあり、本発明者はアルミナ
とモリブデンとを混合したサーメットがセラミック放電
管の容器を形成するアルミナと封止材として使用するガ
ラスとの双方に対して良好な熱特性を有していることに
着目して、そのサーメットをセラミック放電管の電流導
体として使用すると共に、放電電極との接合を確実なも
のとしたセラミック放電管の電極構造を提供することに
ある。また、そのセラミック放電管を使用した高圧放電
灯を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明に係るセラミック放電管の電極構造
は、イオン化発光物質及び始動ガスを充填した放電空間
を有し、その放電空間の両端に開口部を設け、先端に放
電電極を有する電流導体を前記開口部に挿入し固定した
セラミック放電管の電極構造であって、前記電流導体を
モリブデンとアルミナとを混合したサーメットにより形
成すると共に、電流導体と放電電極軸とを金属成分を介
して固着連結せしめることを特徴とする。尚、金属成分
を介して固着連結せしめるとは、ろう付、メタライズ接
合或いは溶接により固着連結させることをいう。
【0008】請求項2の発明に係るセラミック放電管の
電極構造は、請求項1の発明に於いて、電流導体を、モ
リブデンとアルミナとを30/70体積%〜70/30
体積%の混合比から成る導電性を有するサーメットで形
成したことを特徴とする。
【0009】請求項3の発明に係るセラミック放電管の
電極構造は、請求項1の発明に於いて、電流導体が、サ
ーメットで形成した芯材の周囲にメタライズ層を設けて
成り、前記サーメットをモリブデンとアルミナとを10
/90体積%〜30/70体積%の混合比で形成したこ
とを特徴とする。
【0010】請求項4の発明に係るセラミック放電管の
電極構造は、請求項1,2又は3のの発明に於いて、電
流導体と放電電極軸との固着連結部がメタライズ接合か
ら成り、該メタライズ接合部及びメタライズ層の組成
が、モリブデン100%か、モリブデンとアルミナの混
合物或いはモリブデンとタングステンとアルミナとの混
合物の何れかであって、アルミナを混合する場合は上記
金属に対するアルミナの混合比を30体積%〜70体積
%として構成される。
【0011】請求項5の発明に係るセラミック放電管の
電極構造は、請求項4の発明に於いて、焼成によりメタ
ライズ接合部を形成する接合ペーストのモリブデン粉体
を、その粒径が3μmを中心とする大粒径体と0.5μ
mを中心とする小粒径体とを混合して形成し、大粒径体
と小粒径体との配合比を20/80体積%〜80/20
体積%として構成される。
【0012】請求項6の発明に係るセラミック放電管の
電極構造は、請求項1乃至5の何れかの発明に於いて、
電流導体の後端部に、モリブデン又はタングステン或い
はモリブデンとタングステンの合金の何れかから成る接
続導体をメタライズ接合してなる。
【0013】請求項7の発明に係るセラミック放電管の
電極構造は、請求項4乃至6の何れかの発明に於いて、
放電電極と電流導体とのメタライズ接合部にタングステ
ン被膜を設けて構成される。
【0014】請求項8の発明は、請求項1乃至3の何れ
かの発明において、電流導体と放電電極軸との固着連結
部がろう付け接合であって、そのろう材がルテニウム−
モリブデンの共晶金属に硼素を1.4%〜3.0%添加
されてなることを特徴とする。請求項9の発明に係る高
圧放電灯は、請求項1記載のセラミック放電管を用いた
ことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施の
形態の1例を図面を基に詳細に説明する。図1は本発明
に係るセラミック放電管の断面説明図であり、図2は図
1の一方の電極部を拡大した図である。図示するように
セラミック放電管1は、容器15が中央に膨らみを有す
る略円筒形で、上下端部の対称位置には窄めて細く形成
された筒状の貫通孔15aが双方の端部を通る放電管1
の中心軸上に形成されている。そして、その貫通孔15
a内に夫々電極2が設けられ、電極2は円柱状に形成さ
れた電流導体3の先端に、タングステンコイルから成る
放電部4aとタングステン或いはモリブデンから成る電
極軸6とから形成された放電電極4を有し、後端部には
外部リード線を接続する接続導体5が設けられて形成さ
れている。そして、放電電極4を有する先端部を貫通孔
15aに挿入すると共に後端部を露出させて、双方の電
極2が対向する状態で固定されている。尚、電流導体3
と貫通孔15a内面との隙間は公知のガラスフリット8
によりシールされ、隙間は完全に封止されている。
【0016】容器15はアルミナ焼結体から成る半透明
のセラミック管であり、中央部の膨らみは発光空間を形
成し、例えば沃化ナトリウム,沃化タリウム,沃化ジス
プロシウム等のハロゲン化物が封入され、更にアルゴン
や水銀が封入されている。
【0017】電流導体3は、モリブデンにアルミナを混
合して焼結形成した導電サーメットで形成され、モリブ
デンとアルミナの混合比を例えば50/50体積%で形
成してある。モリブデンとアルミナとの混合比は、70
/30体積%〜30/70体積%の間であれば電流導体
として使用可能であると共に、熱膨張特性もモリブデン
単体に比較して、アルミナとガラスフリットの双方に対
してバランスの取れた特性を持たせることができる。
【0018】電流導体3と電極軸6、また電流導体3と
接続導体5とはメタライズ接合により互いに連結されて
いる。メタライズ接合部7は、その組成がモリブデン1
00%が好適であるが、接合する電流導体の含有物であ
るアルミナを混合しても良く、その場合、モリブデンと
アルミナの混合比は70/30体積%〜30/70体積
%の間とすると良い。また、更にタングステンを加えて
も良くモリブデン+タングステンとアルミナとの混合比
を70/30体積%〜30/70体積%としても良い。
タングステンの添加は、電極軸がタングステンで形成さ
れている場合に有効である。
【0019】また、焼成によりメタライズ接合部を形成
するための接合ペーストは、モリブデンの粒径が小さい
方(例えば0.3 μm)が接合力が増すことが確認さ
れているが、焼成の際の収縮率が大きくなり、空隙部等
が発生しやすい。そのため、比較的粒径の大きいものと
組み合わせて形成すると収縮率を下げながら良好な接合
部を形成させることが可能で、実験から3μm径を中心
とした1.5μm〜6.0μmの粒径のもの(A材とす
る)と、0.5μmを中心とした0.1μm〜1.0μ
mの粒径のもの(B材とする)を組み合わせると良く、
A材,B材の配合比が80/20体積%〜20/80体
積%であれば良好な接合特性を得ることができる。
【0020】尚、このような粒径のモリブデンを得るた
めの粒径測定は公知のフィッシャー法により行うことが
できる。また、モリブデンの焼成温度は通常1800℃
程度であるが、ニッケルを少量(例えば50〜3000
ppm)添加することで、この焼成温度を例えば155
0℃と下げることができ、ニッケル添加は焼成温度の低
温化を図る際に有効な方法である。
【0021】図3は放電電極側のメタライズ接合部7に
タングステン被膜9を形成した状態を示し、このように
タングステン皮膜を形成すれば、ハロゲン化物等の腐食
性部材から接合部を完全に保護することができ、電極の
長寿命化を図ることができる。特に接合ペーストにニッ
ケルを添加した場合等に有効である。
【0022】図4は電流導体と電極軸との接続部の形状
の他の実施の形態を示し、(a)では電極軸6aの基端
部をスカート状に広げて形成している。こうすること
で、メタライズ接合部7内部の電極軸と電流導体との当
接部に、焼成により図5に示すような空隙部10が形成
されるのを防ぐことができる。また、(b)に示すよう
に更に電流導体3aの端部に全周に渡りテーパ部3bを
形成すれば、接合ペースト添着部の凹凸部が無くなり、
更に空隙部が形成され難く、良好な接合部を形成するこ
とができる。
【0023】次にサーメット製電流導体及び接合ペース
トの作成手順を説明する。サーメットは、先ずモリブデ
ン粉末及び高純度アルミナを必要量秤量し、アセトンも
しくはアルコール溶媒中で5〜20時間アルミナポット
内で解砕し、その後乾燥する。そして、例えばエチルセ
ルロース又はアクリル系のバインダ、及びそれに適した
溶剤等、そして乾燥した上記混合粉を、例えばトリロー
ル等で混練して押し出し用ペーストとする。尚、この
際、適当なバインダを用いてプレス成形用の顆粒を作成
しても良い。
【0024】次に、上記ペーストを押し出し法により成
形し、必要な長さで切断して30℃〜80℃で乾燥す
る。また、プレス成型用顆粒を作成した場合はプレス成
形し乾燥する。そして、乾燥後、成形体を還元雰囲気中
又は真空中で1400℃〜2000℃で焼成する。この
ようにして、サーメットからなる電流導体を得ることが
できる。接合ペーストもサーメットと同様な工程を経て
作成することができ、電極軸6とサーメットから成る電
流導体3とのメタライズ接合部7、或いは接続導体5と
電流導体3とのメタライズ接合部7はその接合ペースト
を塗布後焼成すればよい。
【0025】このように、耐食性,熱特性の優れた導電
サーメットにより電流導体を形成するため、簡易な構成
とすることができ、製造工程を簡略化し安価なものとす
ることができる。また、電流導体の熱膨張特性をモリブ
デン単体よりアルミナに近づけて、ガラスフリットとア
ルミナとの双方に対してバランスの取れた特性とするた
め、電流導体とガラス封止部と容器との接合部に発生す
るストレスを小さく、即ちガラス封止部への応力集中を
小さくすることができ、放電灯の出力を上げることがで
きる。更に、電極軸あるいは接続導体はメタライズ接合
により電流導体に連結されるため、堅牢で高い耐食性を
有する接合部を形成することができるし、接続導体を設
けることで外部リード線等の接続が容易となる。
【0026】図7は電極2の他の形態を示し、電流導体
3はサーメットで形成した芯材17をメタライズ層18
で被覆して形成されている。この構成は、サーメットが
ほとんど或いは全く導電性を持たない場合に有効であ
り、実験からモリブデンの比率が25%以下になるとほ
とんど或いは全く導電性を有さなくなるが、メタライズ
層18を表面に設けることで導電性を確保することがで
き、モリブデンとアルミナの混合比を例えば10/90
体積%とすることもできる。このように芯材の周囲にメ
タライズ層を設けることで、アルミナの混合比率を大き
くすることが可能で、電流導体の熱膨張係数を更に広範
囲に設定することができ、ガラスフリット及びアルミナ
の双方に対し最良の熱特性を示す混合比を選択すること
が可能で、ガラス封止部への応力集中を更に小さくする
ことが可能となる。
【0027】また、メタライズ層18を設けることで、
上述するようなガラスフリットを用いた封止形態をとら
ないことも可能で、図8に示すようにメタライズ層18
を封止材と兼用させて、一体焼成によりセラミック放電
管の容器16の貫通孔16aに電流導体3を封着させる
ことも可能である。
【0028】尚、メタライズ層形成のためのメタライズ
ペーストの作成工程は、上記接合ペーストと同様である
が、メタライズ層のモリブデンとアルミナの混合比は導
電性を有する比率であれば同一とする必要はない。ま
た、粒径も上記A材,B材の配合比にこだわるものでは
ない。また、セラミック放電管の容器は図1,図8に示
すように、2種の円筒を組み合わせて途中に段部を有し
た形状であっても、全体を樽形状にして両端の電極部を
窄めて形成しても良いし、電流導体挿入部と放電空間の
太さを変えなくとも良い。
【0029】このように、電流導体として非導体のサー
メットを使用することもできるので、サーメットのアル
ミナ混合比を70容積%以上と拡大することができ、電
流導体の熱膨張特性を更に幅広く選択することが可能と
なる。そのため、使用するガラスフリットの熱膨張率に
応じて最適な電流導体の熱膨張特性を選択することがで
き、電流導体とガラス封止部と容器との接合部に発生す
るストレスを更に小さくすることができる。
【0030】図9,図10は、電流導体と放電電極軸と
をろう付により接合した形態を示すと共に、電極軸接合
部の他の形状を示している。図9は放電電極4の電極軸
6の接合部にモリブデン製リング27を設けることで接
合面積を広げた状態を示し、(a)は電流導体3が心材
17とメタライズ層18とから成る場合、(b)は電流
導体3が導電サーメットのみから成る場合、(c)は図
9(a)Q部の拡大図を示し、28がろう付したろう材
である。これらの接合に使用するろう材は、ルテニウム
(Ru)−モリブデンの共晶金属に硼素(B)を僅かに
添加したものを使用すると濡れ性及び融点の点から好ま
しい接合を得ることができる。特に硼素の添加量を1.
4重量%〜3.0重量%とすると良い。また、このろう
材の作成は、有機溶剤を加えてペースト状すると良い
し、ろう付部位の形状に合わせてプレス成形しても良
い。
【0031】図10(a)はタングステン電極軸の接合
部にモリブデン製台座29を設けて接合面積を広げてい
る。この場合、台座29は溶接により電極軸6に固着形
成しても良いし、台座中央に孔を設けて電極軸6を圧入
して形成しても良い。このように電流導体端面にに対応
した平坦で広い接続面を形成することで、接合は更に強
固なものとなる。また、図10(b)では、例えば図9
(a)に示すモリブデンリング27を設けた電極軸6の
接合部を溶解して電極軸6とモリブデンリング27を融
着すると共に電極軸基部に平坦な接合面を有する連結部
30を形成している。このように溶解して平坦面を形成
することもできる。尚、接続導体5は図9(a)に示す
ように電流導体の側部に接合しても良いし、図9(b)
に示すように電流導体の後端面に接合して良い。また、
図9,10の接合部形状をメタライズ接合に適用しても
良く、その場合も接合面積が拡大されるので接合強度を
増すことができる。
【0032】このように電極軸の接合部面積を拡大する
ことで、ろう付によっても堅牢な接合を実施することが
できる。特にろう付の場合、焼結して連結するメタライ
ズ接合とは異なり焼き縮みが発生しないので接合部の寸
法制度を良好に保つ事ができる。
【0033】図6は図1のセラミック放電管1を使用し
た高圧放電灯の1例を示している。セラミック放電管1
は、石英ガラス又は硬質ガラスから成る外管11の中に
収容され、外管11の両端は口金12によって密閉され
ている。そして2つのリード線13を介して外管11に
よって保持され、各リード線13はホイル14を介して
口金12に接続されている。このように、セラミック放
電管1の電極構造が簡易な構造で然も高出力を可能とす
るものであるから、製造工程を簡略化でき、例えば15
0ワット以上の大型ランプであっても、容易に作成する
ことができる。
【0034】尚、上記実施の形態にあっては、電極軸は
放電部が放電空間内に突出するように電流導体の先端部
に接続すれば良く、先端中央部でなく、電流導体の側面
に接続しても良い。また、電流導体と放電電極軸との接
合は溶接接合としても良く、そうすれば接合工程をメタ
ライズ接合やろう付に比べて簡略化することができる。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、モリブデンとアルミナとを混合したサーメット
により電流導体を形成するため、耐食性に優れまた熱特
性の良好な電極を簡易な構成とすることができ、製造工
程を簡略化でき、安価なものとすることができる。
【0036】請求項2の発明によれば、請求項1の効果
に加えて、サーメット単体で電流導体を形成することが
でき、製造工程を更に簡略化できる。また、電流導体の
熱膨張特性がアルミナとガラス封止部の中間の特性をと
るため、電流導体とガラス封止部とセラミック放電管と
の接合部に発生するストレスを小さく、即ちガラス封止
部への応力集中を小さくすることができ、放電灯の出力
を上げることができる。
【0037】請求項3の発明によれば、請求項1の効果
に加えて、電流導体として非導体のサーメットを使用す
ることができるので、サーメットのアルミナ混合比を7
0容積%以上と拡大することができ、電流導体の熱膨張
特性をアルミナとガラスの双方に対し最良とするよう選
択することができ、ガラス封止部への応力集中を小さく
することが可能で、放電灯の出力を上げることができ
る。
【0038】請求項4の発明によれば、請求項1乃至3
の何れかの効果に加えて、放電電極を構成する電極軸と
電流導体との連結を堅牢で高い耐食性を持たせることが
できる。請求項5の発明によれば、請求項4の効果に加
えて、メタライズ接合部の焼成による収縮率を小さく抑
えることができるので、さらに確実に電極軸と電流導体
とを連結させることができる。
【0039】請求項6の発明によれば、請求項1乃至5
の何れかの効果に加えて、電極軸と同様に接続導体もメ
タライズ接合により電流導体に取り付けられるので、確
実に接合されるし、リード線の接続も容易となる。請求
項7の発明によれば、請求項4乃至6の何れかの効果に
加えて、メタライズ接合部がハロゲン化物から保護され
るので、電極の長寿命を図ることができる。
【0040】請求項8の発明によれば、請求項1乃至3
の何れかの効果に加えて、放電電極を構成する電極軸と
電流導体との連結を堅牢で且つ接合部寸法精度を良好な
ものとすることができる。請求項9の発明に係る高圧放
電灯によれば、セラミック放電管の電極構造が簡易な構
造で然も高出力を可能とするものであるから、製造工程
を簡略化でき、例えば150ワット以上の大型ランプで
あっても、容易に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示すセラミック放
電管の断面説明図である。
【図2】図1に示すセラミック放電管の電極構造を示す
要部拡大図である。
【図3】図2のメタライズ接合部にタングステン被膜を
形成した断面図である。
【図4】電流導体と電極軸との接合部の他の形状を示す
接合部断面図である。
【図5】電流導体と電極軸との接合部に空隙が発生した
様子を示す説明図である。
【図6】図1のセラミック放電管を用いた高圧放電灯の
概略平面図である。
【図7】電流導体の他の形態を示す電極の断面説明図で
ある。
【図8】図7の電極をセラミック放電管の容器に封着し
た他の形態を示すセラミック放電管の要部断面説明図で
ある。
【図9】電流導体と電極軸とをろう付により接合した電
極の説明図であり、(a),(b)は電極の断面図、
(c)はQ部の拡大図である。
【図10】電流導体と電極軸とをろう付により接合した
他の電極軸の形状を示す要部拡大図であり、(a)は電
極軸に台座を形成したもの、(b)は電極軸端部を溶解
して平坦な端面を形成したものである。
【図11】従来のセラミック放電管の電極構造を示すセ
ラミック放電管の要部断面説明図である。
【符号の説明】
1・・セラミック放電管、2・・電極、3,3a・・電
流導体、4・・放電電極、4a・・放電部、5・・接続
導体、6,6a・・電極軸、7・・メタライズ接合部、
8・・ガラスフリット、9・・タングステン被膜、15
・・セラミック放電管の容器、15a・・貫通孔、16
・・セラミック放電管の容器、16a・・貫通孔、17
・・電流導体の芯材、18・・メタライズ層、28・・
ろう材。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン化発光物質及び始動ガスを充填し
    た放電空間を有し、その放電空間の両端に開口部を設
    け、先端に放電電極を有する電流導体を前記開口部に挿
    入し固定したセラミック放電管の電極構造であって、前
    記電流導体をモリブデンとアルミナとを混合したサーメ
    ットにより形成すると共に、電流導体と放電電極軸とを
    金属成分を介して固着連結せしめることを特徴とするセ
    ラミック放電管の電極構造。
  2. 【請求項2】 電流導体を、モリブデンとアルミナとを
    30/70体積%〜70/30体積%の混合比から成る
    導電性を有するサーメットで形成した請求項1記載のセ
    ラミック放電管の電極構造。
  3. 【請求項3】 電流導体が、サーメットで形成した芯材
    の周囲にメタライズ層を設けて成り、前記サーメットを
    モリブデンとアルミナとを10/90体積%〜30/7
    0体積%の混合比で形成した請求項1記載のセラミック
    放電管の電極構造。
  4. 【請求項4】 電流導体と放電電極軸との固着連結部が
    メタライズ接合から成り、該メタライズ接合部及びメタ
    ライズ層の組成が、モリブデン100%か、モリブデン
    とアルミナの混合物或いはモリブデンとタングステンと
    アルミナとの混合物の何れかであって、アルミナを混合
    する場合は上記金属に対するアルミナの混合比を30体
    積%〜70体積%とした請求項1乃至3の何れかに記載
    のセラミック放電管の電極構造。
  5. 【請求項5】 焼成によりメタライズ接合部を形成する
    接合ペーストのモリブデン粉体を、その粒径が3μmを
    中心とする大粒径体と0.5μmを中心とする小粒径体
    とを混合して形成し、大粒径体と小粒径体との配合比を
    20/80体積%〜80/20体積%とした請求項4記
    載のセラミック放電管の電極構造。
  6. 【請求項6】 電流導体の後端部に、モリブデン又はタ
    ングステン或いはモリブデンとタングステンの合金の何
    れかから成る接続導体をメタライズ接合してなる請求項
    1乃至5の何れかに記載のセラミック放電管の電極構
    造。
  7. 【請求項7】 放電電極と電流導体とのメタライズ接合
    部にタングステン被膜を設けた請求項4乃至6の何れか
    に記載のセラミック放電管の電極構造。
  8. 【請求項8】 電流導体と放電電極軸との固着連結部が
    ろう付け接合であって、そのろう材がルテニウム−モリ
    ブデンの共晶金属に硼素を1.4%〜3.0%添加され
    てなる請求項1乃至3の何れかに記載のセラミック放電
    管の電極構造。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のセラミック放電管を用い
    た高圧放電灯。
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