JP2003099986A - 摩擦駆動装置 - Google Patents
摩擦駆動装置Info
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Abstract
装置等に用いる摩擦駆動装置を提供する。 【解決手段】 光ディスク用原盤露光装置等に用いる送
り装置であって、駆動軸と、該駆動軸に対して傾き角度
をもって傾斜する複数の従動軸に設けられ前記駆動軸の
外周にころがり接触するローラと、駆動軸の回転により
上記従動軸、ローラとともに移動する移動体と、移動体
を駆動軸の軸線方向に案内する案内機構と移動体の送り
位置を検出する位置検出手段を設けた摩擦駆動装置にお
いて、CPU58の指令により第3押圧手段の複数の圧
電素子27への印加電圧を独立にON/OFFする第1
出力手段64と、送りの設定リード量に対して従動軸の
傾き角度を算出する角度算出手段51と、その算出角度
に相当する出力電圧を前記第4押圧手段の複数の圧電素
子に印加する第2出力手段と、現在リード量算出手段6
6と、現在リード量と設定リード量を比較して第4押圧
手段の圧電素子への印加電圧を増減する電圧補正手段を
設けた角度調整手段からなる。
Description
ことにより従動軸に固定された処理対象物を進退させる
ことができる摩擦駆動装置に関し、特に、光ディスクの
原盤露光装置や精密工作機械などにおいて、処理される
物品(処理対象物)を正確に移動し、また、位置決めす
る際に用いられる摩擦駆動装置に関する。
ラックピッチを正確に露光するため、静圧軸受を介して
テーブルを進退自在に移動することができるエアスライ
ド式のスライドテーブル装置が用いられている。テーブ
ルの駆動は、ボイスコイル型のリニアモータが一般的に
用いられ、位置検出器としては干渉レーザ測長器やリニ
アスケールを使用した閉ループ制御方式が採用されてい
る。また、半導体検査装置等の静止状態を必要とするも
のでは送り方向の剛性を必要とするのでテーブルの駆動
にボールネジ等を用いるのが一般的である。近年、光デ
ィスクの高密度化のために高解像度の露光が必要とな
り、レーザービームによる露光に代わり電子線等を用い
た露光を行う光ディスク原盤露光装置が登場し、真空環
境への対応や、より高精度な送り制御が必要となってき
た。このうち、高精度な送り制御は摩擦駆動機構のツイ
ストローラー方式が用いられ、この方式では、駆動軸と
従動軸との間の交差角を微小にすることで、他の機構で
は得られない小さなリードを実現でき、高い位置決め分
解能が期待できることから次世代の送り機構として文
献、特許等で様々な機構提案がなされている。
た摩擦進退駆動装置では、軸体と、この軸体を相対的に
回転および進退自在に貫通させた進退部品とを備え、進
退部品は、その本体内に、軸体に転接する樽形のローラ
を周方向に複数個並べて設け、これらローラは、両端面
でボールを介して進退部品本体と予圧板との間に回転自
在に支持する。進退部品本体とローラ端面の少なくとも
一方、および予圧板とローラ端面との少なくとも一方
は、ボールが回転自在に嵌まる円すい面状のボール支持
凹部でボールの支持を行わせる。また、予圧板をローラ
側へ付勢すると共に円周方向に付勢する弾性体を設け
て、耐外乱性が高く、速度むらがなく、安定送りが行
え、また駆動源が停止時の静止性能の向上を図ってい
る。しかしながら、ローラ端面を支持している固定板及
び対向板に各々形成される円すい面状のボール支持凹部
の機械的な位置誤差のために各ローラ軸芯と駆動軸との
なす角度にばらつきを生じるという問題点がある。すな
わち、ローラ軸芯と駆動軸とのなす角度を大きく(リー
ドLを比較的大きく取る場合(例えば、数mm))する
場合は問題とならないが、ローラ軸芯と駆動軸とのなす
角度を小さく(リードLを小さく取る場合(例えば、数
百μm))する場合は、各ローラ軸芯と駆動軸とのなす
角度にばらつきがあると駆動軸と従動軸のローラ間でリ
ード誤差によるすべりを生じ、これが、閉ループ制御の
外乱となるため制御上好ましくないとともに光ディスク
原盤露光等に適用するとトラックピッチ精度等が悪くな
り露光品質上好ましくないという問題点がある。また、
進退部品本体に設けた穴部と予圧板に設けた穴部とを連
通した状態で軸方向予圧用弾性体を挿入し、該弾性体が
抜け落ちることを防止するため、該連通した穴の開口部
をネジにより封止しており、ローラの軸体に対する予圧
量の調整は前記弾性体の圧縮変形力を利用しているが、
ローラの軸体に対する現在予圧量が定量的に確認できな
いので、適正な予圧量にするのに試行錯誤が必要とな
り、又、ローラや軸体の磨耗による経年変化に伴う予圧
の再調整も困難となり、部品交換時の予圧量再現性もな
く組立性が悪いという問題点もある。
は、光ディスクマスタリング装置用スライドテーブル装
置であって、テーブルを基台に対して静圧直動軸受で静
圧支持し、基台に対してテーブルをスライド自在に駆動
する摩擦進退駆動装置が記載されている。この摩擦進退
駆動装置は、回転駆動される主軸と、この主軸の回りに
複数設けられ各々傾き角度を持って接するローラとを備
え、このローラに主軸に対する予圧を与える予圧手段を
設けて、速度むらが生じることなく、安定した送りが行
え、外乱にも強く、分解能の向上が図れ、これにより高
密度の書き込みを可能としている。しかし、特開平11
−195247号公報に開示されたスライドテーブル装
置は基台に固定される静圧直動軸受固定部の真直と摩擦
進退駆動装置主軸の真直間には、誤差を生じて組み立て
られる可能性があり、誤差が生じた場合にはスライド体
が送り方向に動作すると、予圧をかけられて固定されて
いるだけの剛性が最も低いローラと主軸間でその真直誤
差を吸収することになり、ローラの主軸に対する予圧量
が移動位置とともに変化する。駆動軸とひとつのローラ
間に働く駆動軸方向の駆動力は、駆動軸外周とローラ間
の動摩擦係数をμ、予圧をNとするとF=μNとなる。
従って、各々のローラと駆動軸外周で発生する駆動力に
もばらつきを生じ各々の駆動力にもばらつきを生じるた
め、各ローラ軸芯と駆動軸とのなす角度のばらつきと相
乗して駆動軸と従動軸のローラ間ですべりを生じ、これ
が、閉ループ制御の外乱となるため制御上好ましくない
とともに光ディスク原盤露光等に適用するとトラックピ
ッチ精度等が悪くなり露光品質上好ましくないという問
題点がある。
には、主軸と、この主軸の外周に傾き角度をもって転が
り接触するローラと、主軸の回転に伴い、ローラと共に
移動するスライド体とを有し、モータの回転は減速機で
減速して主軸に伝達し、この減速機は、第1、第2の駆
動側軸から摩擦車への回転伝達で減速するものとして、
回転駆動源の回転むらの影響を少なくすると共に、回転
伝達系における位相ずれを少なくし、精密な位置決めを
可能としている。なおさらに、「ツイストローラー摩擦
駆動装置を用いた超精密位置決めシステムの開発:著者
水本 他、1995年度精密工学会秋期大会論文集」
では、空気静圧軸受により案内されたテーブルを、両端
を空気静圧軸受にて支持された駆動軸とその駆動軸線と
わずかな交差角にて設けた従動軸に複数の玉軸受にて従
動軸回りに回動支持されたローラを設けて、約70μm
のリードで位置決め分解能2nmを実現している。しか
し、特開平11−195248号公報に記載されたスラ
イドテーブル装置では、スライド体を基台に対して静圧
直動軸受で静圧支持し、又、上記文献に記載されたツイ
ストローラー摩擦駆動装置を用いた超精密位置決めシス
テムでは空気静圧軸受により案内されたテーブルを、両
端を空気静圧軸受にて支持する構成としており、送り、
回転構成要素である静圧軸受は非常に高価であり装置コ
ストが高くなるという問題点がある。
を生じることなく高精度送りを実現できる光ディスク原
盤露光装置等に用いる摩擦駆動装置を提供することにあ
る。
に、本発明に係る摩擦駆動装置の請求項1記載の発明で
は、光ディスク用原盤露光装置に用いる送り装置であっ
て、駆動軸と、該駆動軸に対して傾き角度をもって傾斜
する複数の従動軸に設けられ前記駆動軸の外周にころが
り接触するローラと、前記駆動軸の回転により上記従動
軸、ローラとともに移動する移動体と、移動体を駆動軸
の軸線方向に案内する案内機構と移動体の送り位置を検
出する位置検出手段を設けた摩擦駆動装置において、前
記駆動軸の軸線に対して円周方向に等角配置され、該駆
動軸の外周にころがり接触するローラを設けた複数の従
動軸の片端を球面軸受にて支持し、その回動中心である
回動支持点を設け、他端を従動軸に設けたローラが駆動
軸外周から回動支持点を支点として離間する方向に押圧
する第1押圧手段と、駆動軸外周の接線方向に押圧する
第2押圧手段とにより前記ローラを自由支持し、前記回
動支持点を挟んで前記ローラと反対側に、前記移動体に
固定され、駆動軸の軸線と直角方向で前記第1押圧手段
の押圧力による回動支持点回りのモーメント力を相殺す
る方向に従動軸を押圧する第3押圧手段と、駆動軸外周
の接線方向で前記第2押圧手段の押圧力による回動支持
点回りのモーメント力を相殺する方向に従動軸を押圧す
る第4押圧手段と、CPUと、動作プログラムが記憶さ
れたROMと、データの書き込み/読み出しを行うRA
Mと、前記CPUの指令により前記第3押圧手段の複数
の圧電素子への印加電圧を独立にON/OFFする第1
出力手段と、送りの設定リード量に対して従動軸の傾き
角度を算出する角度算出手段と、その算出角度に相当す
る出力電圧を前記第4押圧手段の複数の圧電素子に印加
する第2出力手段と、送り駆動モータの回転角度を検出
するロータリーエンコーダの1回転当たりの原点検出信
号と位置検出手段の位置検出信号に基づいて現在リード
量を算出する現在リード量算出手段と、現在リード量と
設定リード量を比較して第4押圧手段の圧電素子への印
加電圧を増減する電圧補正手段を設けた角度調整手段と
を備える。
の発明は、上記請求項1記載の発明に加え、前記第1出
力手段は、定電圧回路と、一方の端子を0V、他方の端
子に定電圧回路の出力信号が接続され外部信号によりO
N/OFFする切換スイッチと、第3押圧手段の押圧板
の変形部に設けた変形量測定手段と、切換スイッチの出
力信号である押圧伸縮設定信号と変形量測定手段の出力
信号である現在押圧伸縮量とを比較してサーボ制御する
第1サーボ制御手段から構成した。本発明に係る摩擦駆
動装置の請求項3記載の発明は、上記請求項1、2記載
の発明に加え、前記第2出力手段は、D/A変換器と、
第4押圧手段の押圧板の変形部に設けた変形量測定手段
と、D/A変換器の出力信号である押圧伸縮設定信号と
変形量測定手段の出力信号である現在押圧伸縮量を比較
してサーボ動作を行う第2サーボ制御手段から構成し
た。本発明に係る摩擦駆動装置の請求項4記載の発明
は、上記請求項1、2、3記載の発明に加え、前記角度
調整手段は、第3押圧手段と、該第3押圧手段の押圧板
に設けた調整ネジによって従動軸を押圧する方向に前記
第3押圧手段の押圧板を位置調整可能となるように構成
し、かつ、第4押圧手段と、該第4押圧手段の押圧板に
設けた調整ネジによって従動軸を駆動軸外周の接線方向
に押圧する方向に前記第4押圧手段の押圧板を位置調整
可能となるよう構成した。本発明に係る摩擦駆動装置の
請求項5記載の発明は、上記請求項1、2、3、4記載
の発明に加え、第1出力手段は、可変電圧回路と、一方
の端子を0V、他方の端子に可変電圧回路の出力信号が
接続され外部信号によりON/OFFする切換スイッチ
と、第3押圧手段の押圧板と回動支持点とローラとの間
であって、従動軸の外周部に従動軸の押圧方向の変形量
を検出する変形量測定手段と、前記切換スイッチの出力
信号である押圧設定信号と変形量測定手段の出力信号で
ある現在押圧量とを比較してサーボ制御する第3サーボ
制御手段から構成した。
の発明は、上記請求項1〜4記載の発明に加え、第1出
力手段は、一つのD/A変換器と、第3押圧手段の押圧
板と回動支持点とローラ間であって、従動軸の外周部に
従動軸の押圧方向の変形量を検出する変形量測定手段
と、D/A変換器の出力信号である押圧設定信号と変形
量測定手段の出力信号である現在押圧量とを比較してサ
ーボ制御する第4サーボ制御手段から構成した。本発明
に係る摩擦駆動装置の請求項7記載の発明は、上記請求
項1〜4記載の発明に加え、第1出力手段は、第3押圧
手段の複数の圧電素子への押圧設定信号を独立に与える
複数のD/A変換器と、第3押圧手段の押圧板と回動支
持点とローラ間であって、従動軸の外周部に従動軸の押
圧方向の変形量を検出する変形量測定手段と、複数のD
/A変換器の出力信号である押圧設定信号と変形量測定
手段の出力信号である現在押圧量とを比較してサーボ制
御する第5サーボ制御手段から構成した。本発明に係る
摩擦駆動装置の請求項8記載の発明は、上記請求項1〜
7記載の発明に加え、従動軸は、押圧手段の押圧点と回
動支持点間距離をL1、回動支持点とローラ間距離をL
2とした時にL2>L1として変位拡大機構を形成して
いることを特徴とする。
基づいて、本発明を詳細に説明する。図1は本発明に係
る摩擦駆動装置を示す図であり、(a)は上面図、
(b)は右側側面図、(c)は部分破断面図である。ま
た、図2は本発明に係る摩擦駆動装置の細部を示す図で
あり、(a)は図1におけるA−A’断面図、(b)は
図1におけるB−B’断面図、(c)は図1におけるC
−C’断面図、(d)は弾性体部の詳細を示す図であ
る。まず、本発明に係る摩擦駆動装置の第1の実施例を
図1および図2等を用いて説明する。図示しない除振機
構(例えば、空気圧によるサーボマウンタ)上に設けた
ベース90には、送り方向に対して直交する方向に離間
して片端をベース90に固定した支柱89a、89bが
設けられており、支柱89a、89bの上端には例えば
球体や円筒ローラ等を送り方向に配置した案内機構とし
ての第1ころがり軸受14を介して移動体13が固定さ
れている。移動体13の上部にはターンテーブル18が
固定され、該ターンテーブル18には外部より供給され
る圧縮空気によりラジアル、スラスト方向に静圧浮上す
るエアスピンドル19が固定されている。エアスピンド
ル19には回転駆動モータ20を介して、一般的にその
出力が一周を数千等分割したA相、B相パルスと、一周
に1回発生するZ相パルスから構成される第1光学式ロ
ータリーエンコーダ21が固定されており、回転駆動モ
ータ20への通電信号により前記ターンテーブル18は
回転自在に構成されている。移動体13の送り位置を検
知する位置検出手段16は移動方向をある分解能のA
相、B相パルスにより出力する光学式リニアエンコーダ
(受光部15a、スケール15b)により構成し、受光
部15aは取付板17を介してベース90に固定され、
また、スケール15bは移動体13の送り方向に平行す
る側面下部に取付板15cを介して取り付けられてい
る。なお、スケール15bが移動体13に固定され、受
光部15aがベース90に固定した例を挙げたが、受光
部15aを移動体13に固定し、スケール15bをベー
ス90に固定する構成としても構わない。
2と固定板23の上端面は移動体13の送り方向突出部
13aの下部に固定され、該固定板22と23間には同
心状に設けた3つの従動軸7a〜7cが駆動軸1の軸線
に対して円周方向に等角配置されている。また、駆動軸
1の外周にころがり接触するローラ8a〜8cは例えば
アンギュラ軸受等を対向したころがり軸受9a〜9cを
介して従動軸7a〜7cに取り付けられている。従動軸
7a〜7cの右側端部には、図2(b)に示すように、
固定板23の凹部が設けられ、該凹部には従動軸7a〜
7cに設けたローラ8a〜8cが駆動軸1の外周から離
間する方向に押圧する3つの第1押圧手段44a、44
b、44cと従動軸7a〜7cに設けたローラ8a〜8
cが駆動軸1の外周接線方向に押圧する3つの第2押圧
手段44a’、44b’、44c’が駆動軸1の軸線に
対して円周方向に等角配置されて固定されている。前記
第1押圧手段44a〜44cの各々は第1弾性体35a
〜35cおよび第1押圧板36a〜36cを含み、第2
押圧手段44a’〜44c’の各々は第2弾性体38a
〜38cおよび第2押圧板40a〜40cを有し、従動
軸7a〜7cの右側端部を自由支持する構成となってい
る。上記第1弾性体35a〜35cは、図2(d)に示
すように、例えば、球35d〜35fとコイルスプリン
グ35g〜35iとにより構成し、また、第2弾性体3
8a〜38cも球38d〜38fとコイルスプリング3
8g〜38iとにより構成し、各球35d〜35f、3
8d〜38fが各従動軸7a〜7cを押圧する構成とな
っている。なお、本発明の実施例では、第1押圧板36
a〜36cおよび第2押圧板40a〜40cが固定板2
3と分離され、第1弾性体35a〜35cおよび第2弾
性体38a〜38cをそれぞれ構成しているが、固定板
23に各弾性体を直接設けてもかまわない。固定板22
の右側面には、図1及び図2(c)に示すように、従動
軸7a〜7cの左側端部外周とその内周が勘合する、例
えば球面軸受等の軸受26a〜26cが駆動軸1の軸線
に対して円周方向に等角配置されて固定されており、従
動軸7a〜7cは、その軸受26a〜26cの回動支持
点24a〜24cを含む平面内に回動可能な構成となっ
ている。
板22の凹部であって、回動支持点24a〜24cを挟
んでローラ8a〜8cの反対側には、駆動軸1の軸線と
直角方向で第1弾性体35a〜35cの押圧力による回
動支持点回りのモーメント力を相殺する方向に従動軸7
a〜7cを押圧する押圧板28a〜28cおよび圧電素
子27a〜27cからなる第3押圧手段47a〜47c
と、駆動軸1外周の接線方向で第2弾性体38a〜38
cの押圧力による回動支持点回りのモーメント力を相殺
する方向に従動軸7a〜7cを押圧する押圧板32a〜
32cおよび圧電素子31a〜31cからなる第4押圧
手段48a〜48cを備える。図3(a)に示すように
第3押圧手段47a〜47cは押圧板28a〜28cと
圧電素子27a〜27cとからなる。押圧板28a〜2
8cは従動軸を押圧する側の固定端に変形部28d〜2
8fが設けられ、圧電素子27a〜27cは押圧板28
a〜28cと変形部28d〜28fとの間に跨るよう固
定し、圧電素子の伸縮により変形部28d〜28fが従
動軸7a〜7cを押圧する。また、第4押圧手段48a
〜48cは図3(b)に示すように、押圧板32a〜3
2cと、圧電素子31a〜31cにより構成し、各押圧
板32a〜32cは従動軸を押圧する側の固定端に変形
部32d〜32fが設けられ、圧電素子31a〜31c
は押圧板32a〜32cと変形部32d〜32fとの間
に跨るよう固定し、圧電素子の伸縮により変形部32d
〜32fが従動軸7a〜7cを押圧する。さらにベース
90には駆動軸1が貫通する穴を有したハウジング10
が固定され、該ハウジング10には例えば、アンギュラ
軸受等の対向するころがり軸受2の外輪が固定されてい
る。このころがり軸受2の内周部には駆動軸1の第1段
付き部が勘合した状態で軸受止め3により固定されてい
る。さらに、駆動軸1の第2段付部外周はハウジング1
0の右側円筒穴部に同心状に固定され、例えば、オルダ
ム式等のカップリング4を介して送り駆動モータ5と連
結している。送り駆動モータ5には一般的にその出力が
一周を数千等分割したA相、B相パルスと、一周に1回
発生するZ相パルスから構成されるロータリーエンコー
ダ6が固定されている。一方、ベース90上に固定され
たハウジング11内にはその外周が固定された深溝玉軸
受等のころがり軸受12が設けられ、該ころがり軸受1
2の内輪には駆動軸1の左側段付部が挿入、勘合し、駆
動軸1を保持している。この深溝玉軸受等のころがり軸
受12はその外輪が駆動軸の軸心方向に移動可能に設け
られている。
て、圧電素子27a〜27c、圧電素子31a〜31c
に対し、圧電素子31a〜31c、圧電素子27a〜2
7cの順に適当な通電電圧を印加すると、図17の点線
に示すように駆動軸1の軸心と従動軸7a〜7cの軸心
はある角度θで交差した状態でローラ8a〜8cの外周
と駆動軸1の外周とがころがり接触する。この状態で、
送り駆動モータ5に通電すればローラ8a〜8cの外周
と駆動軸1の外周の接触点は螺旋状に移動し、移動体1
3が送り方向に移動自在となる。この時、従動軸7a〜
7c自身は回転せず、ころがり軸受9a〜9cの外輪が
回転する外輪回転である。又、駆動軸1が1回転当たり
に移動体13を移動する移動量L(リード量)は、駆動
軸1の外形寸法をDとすれば、 L=π・D・sinθ … θ=sin−1{L/(π・D)} … で表され、例えば、D=30mm条件での交差角度とリ
ード量Lの関係は図16の両対数グラフに示すように線
形である。
制御ブロック図について図4を用いて説明する。同図に
おいて、6はロータリーエンコーダ、16は位置検出手
段、27a〜27cは第3押圧手段の圧電素子、31a
〜31cは第4押圧手段の圧電素子であり、これらは図
1〜図2に示したものと同じである。角度調整手段51
は第1出力手段64、第2出力手段50、CPU58、
カウンタ59a、データ入力59b、ROM60、RA
M61とからなり、第1出力手段64は定電圧回路5
5、圧電素子27a〜27cを駆動するための駆動アン
プ57a〜57c、前記定電圧回路出力を駆動アンプ5
7a〜57cに供給するか否かを制御するスイッチ56
a〜56cとを備え、第2出力手段50は圧電素子31
a〜31cを駆動するための駆動アンプ57d〜57
f、D/A変換器63a〜63cとを備える。CPU5
8には駆動アンプ割り込み用信号としてロータリーエン
コーダ6の一周に1回発生するZ相パルス信号49と図
示を省略したホストコンピュータからの指令信号88a
が入力する。また、該CPU58には、その動作プログ
ラムを書き込むROM60と、データを記憶するRAM
61と、例えば、同期型のカウンタ59aと、リード量
データLとその設定許容誤差データεを入力するデータ
入力59bと、デジタルデータをアナログ信号に変換す
るD/A変換器63a〜63cが接続されている。
ダ6からのZ相パルス信号49と送り位置を検出する位
置検出手段16のA相パルス信号62とを入力し、Z相
パルス信号49の立ち上がりをトリガー信号としてA相
パルス信号62のパルス数をカウントし、その出力はD
/A変換器63a〜63cを介して圧電素子31a〜3
1c用の駆動アンプ57d〜57fに供給される。さら
にCPU58はスイッチ56a〜56cに駆動信号を出
力し、該スイッチ56a〜56cが駆動されると、定電
圧回路55より駆動アンプ57a〜57cに出力信号が
入力し、圧電素子27a〜27cが駆動される。以上の
ように構成した角度調整手段について図5の動作フロー
図を用いて説明する。予め入力されたリード量データL
とその設定許容誤差データεを読み込み(ステップS
1)、図示しない装置全体のホストコンピュータよりの
指令信号88a待ち(ステップS2)、送り駆動モータ
5の回転開始後にホストコンピュータよりの指令信号を
入力すると(ステップS2にてYES)、角度算出手段
65にて上記式にもとづいて交差角度θの計算を行う
(ステップS3)。ホストコンピュータからの指令信号
が入力しない場合(ステップS2にてNO)、指令信号
が入力するまで待機する。設定角度θを算出した後、3
つの従動軸に対する制御が順次行われ(ステップS
4)、その処理制御はサブルーチンとなっている(ステ
ップS5)。サブルーチン内処理は、まず、スイッチ5
6a〜56cの駆動信号がOFFされ、圧電素子27a
〜27cへの信号がOFFとなり、圧電素子27a〜2
7cを含む第2押圧手段47a〜47cが開放される
(ステップS5−1)。つづいて、D/A変換器63a
に対して上記角度算出手段65によって計算された交差
角度θに相当するデジタルデータθが送出され(ステッ
プS5−2)、駆動アンプ57dを介して圧電素子31
aに計算された交差角度θに相当する変位電圧が印加さ
れ押圧手段48aが従動軸7aを駆動軸1の外周の接線
方向に押圧する。その後、スイッチ56aへの駆動信号
がONされて圧電素子27aへ適当な電圧に設定された
定電圧回路55の出力信号が駆動アンプ57aを介して
通電され、押圧手段47aだけが従動軸7aを押圧する
(ステップS5−3)。
がりをトリガー信号として位置検出手段のA相パルス信
号62のパルス数Naをカウントしたカウンタ59のカ
ウント出力データが取り込まれ(ステップS5−4)、
現在リード量算出手段66にて上記カウント出力データ
と位置検出手段の出力パルス分解能と掛け算し、現在リ
ード量Laを求める(ステップS5−5)。その後、設
定リードLとの差分データΔLaを算出し(ステップS
5−7)、その差分データΔLaが設定された設定許容
誤差データε以下であればその角度データθaをRAM
61に記憶し(ステップS5−8)、差分データΔLa
が0よりも大きい場合は計算された角度データを例えば
D/A変換器63aの最小分解能等に設定された、微少
量Δθhだけ逐次増加し(ステップS5−9)、又、Δ
Laが0よりも小さい場合は計算された角度データを微
少量Δθhだけ逐次減少させる電圧補正手段67にて逐
次繰り返して行われ(ステップS5−10)、ε≧ΔL
aとなるまで行われる。
の動作がa、b、cの順で行われ全てが完了するとスイ
ッチ56a〜56cの駆動信号がOFFとなり圧電素子
27a〜27cへの信号がOFFされて第2押圧手段4
7a〜47cが開放される(ステップS6)。その後、
記憶された角度データθa、θb、θcに相当するデジ
タルデータがそれぞれD/A変換器63a〜63cに出
力された後(ステップS7)、スイッチ56a〜56c
の駆動信号がONされ、圧電素子27a〜27cへの信
号がONとなり、第2押圧手段47a〜47cが押圧す
る(ステップS8)。その後、再度Z相パルス信号49
の立ち上がりをトリガー信号として、位置検出手段のA
相パルス信号62のパルス数Nkをカウントしたカウン
タ59のカウント出力データが取り込まれ(ステップS
9)、位置検出手段の出力パルス分解能と掛け算して現
在移動量Lkが求められ(ステップS10)、設定リー
ドLとの差分データΔLkを算出し(ステップS1
1)、その差分データΔLkが設定された設定許容誤差
データε以下であることを確認し(ステップS12)、
図示しないホストコンピュータへ設定完了信号88bを
ONにして送出して動作完了する(ステップS13)。
なお、差分データΔLkが設定された設定許容誤差デー
タε以外の場合(ステップS12にてNO)、再度ステ
ップS4に戻り、処理が行われる。以上の構成によれ
ば、加工、組み付け誤差等による機械的な位置誤差のた
めに各従動軸心と駆動軸とのなす交差角度にばらつきを
生じても各従動軸の角度位置を補正できる。
説明する。上述した第1の実施例と説明が重複する部分
については、説明を省略する。第1実施例の構成要素で
ある第3押圧手段の圧電素子27a〜27cの印加電圧
に対する変位量の関係は図13に示すように一般的に履
歴特性をもっている。そのため圧電素子27a〜27c
への印加電圧が比較的小さい場合は第3押圧手段47a
〜47cの開放時の残変位量Dpは非常に小さいので問
題とならないが印加電圧が比較的大きい場合、言い換え
るとローラ8a〜8cの駆動軸1に対する押圧量(これ
を一般的に予圧と呼ぶ)を大きくすると残変位量Dpが
大きくなるため完全に開放できない場合を生じる。そこ
で、実施例2では、図6(a)に示すように、第3押圧
手段の押圧板28a〜28cの変形部28d〜28fに
例えば、抵抗値の変化によってその変形量を検出する歪
みゲージ等の第1変形量測定手段30a〜30cを設
け、その変形量測定手段30の出力信号と定電圧回路の
設定電圧を比較してサーボ制御する構成としている。
段64は上記第1実施例と同様に定電圧回路55、スイ
ッチ68a〜68cおよび第1サーボ制御手段76を備
え、該第1サーボ制御手段76は駆動アンプ57a〜5
7c、差動アンプ69a〜69c、補償回路70a〜7
0c、ゲイン調整器71a〜71c、増幅器72a〜7
2c、ブリッジ回路73a〜73cを有す。また、27
a〜27cが圧電素子、30a〜30cは変形量測定手
段である。前記スイッチ68a〜68cはONの時、定
電圧回路55の出力信号が差動アンプ69a〜69cに
供給され、OFFの時に接地(0V:GND)に接続す
る。このように構成した第1サーボ制御手段76を含む
第1出力手段64では、第3押圧手段に取り付けられた
変形量測定手段30a〜30cの抵抗値をブリッジ回路
73a〜73cにより検知し、その信号を増幅器72a
〜72cにより増幅し、現在押圧伸縮量として差動アン
プ69a〜69cに一方の入力端に供給する。該差動ア
ンプ69a〜69の他方の入力端には押圧伸縮設定信号
である定電圧回路55の出力信号もしくは回路の0V
(GND)信号と引き算され、該差動アンプ69a〜6
9cの出力が補償回路70a〜70c、ゲイン調整器7
1a〜71cを介して駆動アンプ57a〜57cに供給
され、圧電素子27a〜27cを駆動する。駆動アンプ
57a〜57cへの入力信号に対する第3押圧手段47
a〜47c変位量の間の周波数特性は、図18に示すよ
うに2次系であり、補償回路70a〜70cを調整する
ことにより一般的なサーボ系の安定指標値である位相余
裕40度以上とゲイン余裕15dB以上に設けている。
以上の構成によれば、圧電素子27a〜27cの印加電
圧が比較的大きくても、言い換えるとローラ8a〜8c
の駆動軸1に対する押圧量が大きくてもサーボ制御手段
76が目標値となる定電圧回路55の出力信号、回路の
0V(GND)信号と変形量測定手段30a〜30cか
らの出力信号を比較して目標値に収束するので残変位量
Dpを生じなくなる。
で第4押圧手段の圧電素子31a〜31cにも履歴特性
がある。そのため大きなリード量を設定した場合、実施
例1の図5で説明した電圧補正手段67による補正動作
の最に時間がかかってしまう。そこで、第3の実施例で
は、図6(b)に示すように第4押圧手段48a〜48
cを構成する押圧板32a〜32cの変形部32d〜3
2fに実施例2と同様に抵抗値の変化によってその変形
量を検出する歪みゲージ等の変形量測定手段34a〜3
4cを設け、図8に示すように第2出力手段50のD/
A変換器63a〜63cの出力信号(押圧伸縮設定信
号)74d〜74fを目標値とした第2サーボ制御手段
77を設けている。第2サーボ制御手段77は上述した
第1サーボ制御手段77と同様に差動アンプ69a〜6
9c、補償回路70a〜70c、ゲイン調整器71a〜
71c、増幅器72a〜72c、ブリッジ回路73a〜
73c、駆動アンプ57d〜57fにより構成し、第4
押圧手段に設けた変形量測定手段34a〜34cからの
出力をブリッジ回路73a〜73c、増幅器72a〜7
2cを介して得た出力信号(現在押圧伸縮量)75a〜
75cとD/A変換器63a〜63cの出力との差に応
じて第4押圧手段に設けた圧電素子31a〜31cを駆
動する。以上の構成では、実施例2と同様に目標値とな
るD/A変換器63a〜63cの出力信号と変形量測定
手段34a〜34cからの出力信号を比較して目標値に
収束するので残変位量Dpを生じなくなる。上述した第
1実施例〜第3実施例では、従動軸7a〜7cと駆動軸
1の押圧調整範囲及び交差角度調整範囲は、第3押圧手
段47a〜47c、第4押圧手段48a〜48cに用い
ている圧電素子27a〜27cと圧電素子31a〜31
cの最大伸縮量内に限定されるため例えば、大きなリー
ド設定条件の時は対応できなくなる。そこで第4の実施
例では、大きなリード設定条件に対しても対応できる構
成を説明する。
び図10にて説明する。図9は本発明に係る摩擦駆動装
置の第4の実施例を示す図であり、(a)は上面図、
(b)は右側側面図、(c)は部分破断面図である。ま
た、図10は本発明に係る摩擦駆動装置の細部を示す図
であり、(a)は図9におけるAD−D’断面図、
(b)は図9におけるE−E’断面図、(c)は図9に
おけるG−G’断面図、(d)は図9におけるH−H’
断面図である。なお、上述した第1実施1と同じ構成の
部位には同じ符号を付し、第1実施例の説明と重複する
部分の説明は省略する。図10(a)に示すように第4
実施例では、第3押圧手段47a〜47cの押圧板28
a〜28cに雌ネジ部を設け、固定板22には調整ネジ
29a〜29cを備えている。すなわち、第3押圧手段
47a〜47cは押圧板28a〜28cと、圧電素子2
8a〜28cと調整ネジ29a〜29cにより構成して
いる。また、第4押圧手段48a〜48cは従動軸7a
〜7cを駆動軸1外周の接線方向に押圧する方向に固定
板122に設けた調整ネジ33a〜33cと、押圧板3
2a〜32cと、圧電素子31a〜31cにより構成
し、従動軸7a〜7cを駆動軸1外周の接線方向の位置
を調整可能としている。また、押圧板28a〜28c、
押圧板32a〜32cの位置調整後は、図10(c)に
示すように、それぞれ固定具42a〜42c、43a〜
43cにて送り方向に固定する構成としている。なお、
図10(b)に示したように、駆動軸1の軸線に対して
円周方向に等角配置されて固定され、従動軸7a〜7c
に設けたローラ8a〜8cが駆動軸1の外周から離間す
る方向に押圧する、例えば、押圧端部に球35d〜35
fを設けたコイルスプリング等の3つの弾性体35a〜
35cを有する第1押圧手段の押圧板36a〜36cと
第2押圧手段の押圧板40a〜40cにもそれぞれ調整
ネジ37a〜37c、41a〜41cを備え、駆動軸1
の外周接線方向に押圧する位置を調整可能としている
が、弾性体35a〜35c、弾性体38a〜38cの変
形ストロークが十分に大きい場合は必要ない。これら押
圧板36a〜36c、40a〜40cの位置調整後は図
10(d)に示すようにそれぞれ固定具45a〜45
c、46a〜46cにて送り方向に固定する構成として
いる。以上の構成によれば、設定する大きなリード条件
に対して上記第1実施例〜第3実施例で述べた角度補正
動作を行う前に手動にて、押圧板28a〜28cと押圧
板32a〜32cとを調整ネジ29a〜29c、調整ネ
ジ33a〜33cにより設定リード近傍に位置調整して
圧電素子27a〜27cと圧電素子231a〜31cの
最大伸縮量内に入るようにした後、角度補正動作を行う
ことができる。
8cの駆動軸1に対する予圧を直接制御せず圧電素子2
7a〜27cの伸縮量を指令値通りに設定する実施例と
してきた。この場合、従来技術の問題点で説明したよう
に現在予圧量が定量的に確認できない。そこで、これか
ら説明を行う第5〜第7実施例では、ローラ8a〜8c
の駆動軸1に対する予圧を制御する構成を説明する。ま
ず、第5実施例について、図11の断面図と図12を用
いて説明する。第1出力手段64は、可変電圧回路78
と、一方の端子を0V、他方の端子に可変電圧回路78
の出力信号が接続され外部信号によりON/OFFする
切換スイッチ68a〜68cと、第3サーボ制御手段8
3とからなる。また、第3サーボ制御手段83は差動ア
ンプ69a〜69c、補償回路70a〜70c、ゲイン
調整器71a〜71c、駆動アンプ57a〜57c、増
幅器81a〜81c、ブリッジ回路82a〜82cを備
える。さらに、押圧板28a〜28cと回動支持点24
a〜24cとローラ8a〜8c間であって、従動軸7a
〜7cの外周部に従動軸7a〜7cの押圧方向の変形量
を検出する変形量測定手段46a〜46cと、圧電素子
27a〜27cを有す。第3サーボ制御手段83の差動
アンプ69a〜69cでは切換スイッチ68a〜68c
の出力信号である押圧設定信号79a〜79cと増幅器
81a〜81cの出力信号80a〜80c(現在押圧
量)とを比較する。この構成では、従動軸7a〜7cに
設けたローラ8a〜8cの駆動軸1への予圧量を従動軸
7a〜7cの押圧方向の変形量として検出している。こ
の時、押圧は従動軸7a〜7cの弾性変形内で行われ、
圧電素子27a〜27cへの印加電圧に対する予圧量の
関係は線形になることは言うまでもない。さらに、この
実施例では、可変電圧回路78の出力を予圧設定信号と
しているので予圧量を手動にて自在に設定できる構成と
なっている。
説明する。実施例5の第1出力手段64の構成における
可変電圧回路78と切換スイッチ(68)の部分をCP
U58へ接続されたD/A変換器84として、その出力
信号85である押圧設定信号と変形量測定手段46a〜
46cの出力信号80a〜80cである現在押圧量とを
比較してサーボ制御する第4サーボ制御手段86から構
成している。この構成では、角度調整時の押圧開放は、
D/A変換器84の出力が0Vとなるデジタルデータが
出力される構成であり、又、第1〜第5実施例で説明し
たCPU58からのスイッチ操作信号の構成はなく、例
えば、適正な予圧設定条件データをROM60に格納さ
れるプログラム内に定数として記述しておけば、適正な
予圧を瞬時に設定でき、ローラや駆動軸の磨耗による経
年変化に伴う予圧の再調整作業等を行わなくてよい。実
施例6の構成では、押圧手段47a〜47cの圧電素子
27a〜27cへの押圧設定信号が一つしか与えられな
いので、例えば、従動軸7a〜7cの加工ばらつき等に
より押圧時の変形量にばらつきが生じたり、ブリッジ回
路や変形量測定手段46a〜46cに用いている歪みゲ
ージ等のばらつきがあると同一の予圧量が得られない場
合がある。これを回避する構成を第7実施例にて説明す
る。
記第6実施例において単一のD/A変換器84を用いて
いたのに対し、複数の圧電素子27a〜27cへの押圧
設定信号を独立に与える複数のD/A変換器84a〜8
4cを備え、複数のD/A変換器63a〜63c出力と
各変形量測定手段34a〜34c出力とによって圧電素
子31a〜31cをサーボ制御する第5サーボ制御手段
を備えた点が第6実施例と異なる。この構成では、例え
ば、従動軸7a〜7cの押圧量と変形量の関係を予めデ
ータ取りして把握しておき各々の異なる押圧設定信号を
複数のD/A変換器84a〜84cより出力することで
従動軸7a〜7cの加工ばらつきやブリッジ回路、変形
量測定手段46a〜46cに用いている歪みゲージ等の
ばらつきによる予圧の変動を抑えることができる。な
お、上記第1〜第7実施例では説明を行わなかったが、
図19に示すように従動軸7a〜7cは、押圧手段47
a〜47cの押圧点と回動支持点24a〜24c間距離
をL1、回動支持点24a〜24cとローラ8a〜8c
間距離をL2とした時にL2>L1として変位拡大機構
を構成している。この構成によれば、押圧手段47a〜
47cに用いる圧電素子27a〜27cの伸縮量が小さ
くてもローラ8a〜8cと駆動軸1とのころがり接触端
では大きな押圧ストロークが得られるので駆動軸回りに
配置する機構を小さく構成できることは言うまでもな
い。
は、第3押圧手段および第4押圧手段を備えたので、加
工、組み付け誤差等による機械的な位置誤差のために生
じる各従動軸と駆動軸とのなす交差角度のばらつきを補
正することができ、各ローラ軸芯と駆動軸とのなす角度
が精密に設定され、駆動軸と各従動軸のローラ間でリー
ド誤差によるすべりを発生せず、安定した送り制御が実
現でき、送り精度の向上がはかれる。請求項2、3記載
の摩擦駆動装置においては、第1出力手段として押圧伸
縮設定信号と変形量測定手段1の出力信号である現在押
圧伸縮量とを比較してサーボ制御する第1サーボ制御手
段1を設け、又、第2出力手段としてD/A変換器の出
力信号である押圧伸縮設定信号と変形量測定手段2の出
力信号である現在押圧伸縮量を比較してサーボ動作を行
う第2サーボ制御手段を設けたので、ローラの駆動軸外
周への押圧(予圧)動作と各従動軸と駆動軸との交差角
度を補正する角度補正動作を再現性よく行えるので、上
記請求項1の効果以上に安定した送り制御が実現でき、
送り精度の向上がはかれる。請求項4記載の摩擦駆動装
置においては、角度調整手段に従動軸を駆動軸外周の接
線方向に押圧する方向に位置調整可能となるよう押圧板
および調整ネジを備えたので、大きな交差角度でも上記
角度補正動作が行え、広いリード条件範囲において安定
した送り制御が実現でき、送り構成要素としての汎用性
を高くすることができる。
は、第1出力手段として切換スイッチの出力信号である
押圧設定信号と変形量測定手段3の出力信号である現在
押圧量とを比較してサーボ制御する第3サーボ制御手段
を設けて、あるいは、第1出力手段としてD/A変換器
の出力信号である押圧設定信号と変形量測定手段3の出
力信号である現在押圧量とを比較してサーボ制御する第
4サーボ制御手段を設けたので、ローラの駆動軸に対す
る予圧量を従動軸の変形量に置換した信号で予圧サーボ
を行い、適正な予圧条件に瞬時に設定でき、ローラや駆
動軸の磨耗による経年変化に伴う予圧の再調整も容易と
なり、部品交換時の予圧量再現性も良好となり組立性の
向上がはかれる。請求項7記載の摩擦駆動装置において
は、第1出力手段として、複数のD/A変換器の出力信
号である押圧設定信号と変形量測定手段3の出力信号で
ある現在押圧量とを比較してサーボ制御する第5サーボ
制御手段を設けて、ローラの駆動軸に対する予圧量を従
動軸の変形量に置換した信号で予圧サーボを行い、かつ
各々の押圧手段1への押圧設定値を独立に与えるように
しているので、ベースに固定される案内機構の固定部で
ある支柱の送り方向真直と駆動軸の送り方向真直に誤差
を生じて組み立てが行われても、移動体が送り方向に動
作した時の組立誤差による予圧変動を生じることがな
く、各々のローラと駆動軸外周で発生する駆動力にもば
らつきを発生しないので、長ストロークの駆動でも安定
した送り動作が実現でき送り制御精度及び組立性の向上
がはかれるとともに簡便な案内機構で構成できるので装
置が安価となる。請求項8記載の摩擦駆動装置において
は、従動軸は、押圧手段の押圧点と回動支持点間距離を
L1、回動支持点とローラ間距離をL2とした時にL2
>L1として変位拡大機構を設けて、押圧手段に用いる
圧電素子の伸縮量が小さくても大きな押圧ストロークが
得られるので駆動軸回りに配置する機構を小さくでき、
装置の小型化がはかれる。
(a)は上面図、(b)は右側側面図、(c)は部分破
断面図である。
り、(a)は図1におけるA−A’断面図、(b)は図
1におけるB−B’断面図、(c)は図1におけるC−
C’断面図、(d)は弾性体部の詳細を示す図である。
は第4押圧手段の構成を示す図である。
図である。
第3および第4押圧手段の変形を示す図である。
段を含む第1出力手段の構成を示す図である。
段を含む第2出力手段の構成を示す図である。
す図であり、(a)は上面図、(b)は右側側面図、
(c)は部分破断面図である。
あり、(a)は図9におけるAD−D’断面図、(b)
は図9におけるE−E’断面図、(c)は図9における
G−G’断面図、(d)は図9におけるH−H’断面図
である。
示す図である。
おける第3サーボ制御手段を含む可変押圧制御手段のブ
ロック図である。
ある。
手段を含む第1出力手段の構成を示す図である。
手段を含む第1出力手段の構成を示す図である。
位量との間の周波数特性(伝達関数)を示す図である。
大機構を説明するための図である。
14 ころがり軸受け(案内機構)、15 光学式リニ
アエンコーダ(位置検出手段)、24 回動支持点、2
6 球面軸受、30a〜30c、34a〜34c、46
a〜46c 変形量測定手段、29、33、37、41
調整ネジ、44a〜44c 第1押圧手段、44a’
〜44c’ 第2押圧手段、47a〜47c 第3押圧
手段、48a〜48c 第4押圧手段、50 第2出力
手段、51 角度調整手段、58CPU、60 RO
M、61 RAM、64 第1出力手段、66 現在リ
ード量算出手段、76 第1サーボ制御手段、77 第
2サーボ制御手段、83 第3サーボ制御手段、86
第4サーボ制御手段、87 第5サーボ制御手段
Claims (8)
- 【請求項1】 光ディスク用原盤露光装置等に用いる送
り装置であって、駆動軸と、該駆動軸に対して傾き角度
をもって傾斜する複数の従動軸に設けられ前記駆動軸の
外周にころがり接触するローラと、前記駆動軸の回転に
より上記従動軸、ローラとともに移動する移動体と、移
動体を駆動軸の軸線方向に案内する案内機構と移動体の
送り位置を検出する位置検出手段を設けた摩擦駆動装置
において、 前記駆動軸の軸線に対して円周方向に等角配置され、該
駆動軸の外周にころがり接触するローラを設けた複数の
従動軸の片端を球面軸受にて支持し、その回動中心であ
る回動支持点を設け、他端を従動軸に設けたローラが駆
動軸外周から回動支持点を支点として離間する方向に押
圧する第1押圧手段と、駆動軸外周の接線方向に押圧す
る第2押圧手段とにより前記ローラを自由支持し、 前記回動支持点を挟んで前記ローラと反対側に、前記移
動体に固定され、駆動軸の軸線と直角方向で前記第1押
圧手段の押圧力による回動支持点回りのモーメント力を
相殺する方向に従動軸を押圧する第3押圧手段と、 駆動軸外周の接線方向で前記第2押圧手段の押圧力によ
る回動支持点回りのモーメント力を相殺する方向に従動
軸を押圧する第4押圧手段と、 CPUと、動作プログラムが記憶されたROMと、デー
タの書き込み/読み出しを行うRAMと、 前記CPUの指令により前記第3押圧手段の複数の圧電
素子への印加電圧を独立にON/OFFする第1出力手
段と、 送りの設定リード量に対して従動軸の傾き角度を算出す
る角度算出手段と、 その算出角度に相当する出力電圧を前記第4押圧手段の
複数の圧電素子に印加する第2出力手段と、 送り駆動モータの回転角度を検出するロータリーエンコ
ーダの1回転当たりの原点検出信号と位置検出手段の位
置検出信号に基づいて現在リード量を算出する現在リー
ド量算出手段と、 現在リード量と設定リード量を比較して第4押圧手段の
圧電素子への印加電圧を増減する電圧補正手段を設けた
角度調整手段からなることを特徴とする摩擦駆動装置。 - 【請求項2】 前記第1出力手段は、定電圧回路と、一
方の端子を0V、他方の端子に定電圧回路の出力信号が
接続され外部信号によりON/OFFする切換スイッチ
と、第3押圧手段の押圧板の変形部に設けた変形量測定
手段と、切換スイッチの出力信号である押圧伸縮設定信
号と変形量測定手段の出力信号である現在押圧伸縮量と
を比較してサーボ制御する第1サーボ制御手段から構成
されることを特徴とする請求項1記載の摩擦駆動装置。 - 【請求項3】 前記第2出力手段は、D/A変換器と、
第4押圧手段の押圧板の変形部に設けた変形量測定手段
と、D/A変換器の出力信号である押圧伸縮設定信号と
変形量測定手段の出力信号である現在押圧伸縮量を比較
してサーボ動作を行う第2サーボ制御手段から構成され
ることを特徴とする請求項1、2記載の摩擦駆動装置。 - 【請求項4】 前記角度調整手段は、第3押圧手段と、
該第3押圧手段の押圧板に設けた調整ネジによって従動
軸を押圧する方向に前記第3押圧手段の押圧板を位置調
整可能となるように構成し、かつ、第4押圧手段と、該
第4押圧手段の押圧板に設けた調整ネジによって従動軸
を駆動軸外周の接線方向に押圧する方向に前記第4押圧
手段の押圧板を位置調整可能となるよう構成したことを
特徴とする上記請求項1、2、3記載の摩擦駆動装置。 - 【請求項5】 第1出力手段は、可変電圧回路と、一方
の端子を0V、他方の端子に可変電圧回路の出力信号が
接続され外部信号によりON/OFFする切換スイッチ
と、第3押圧手段の押圧板と回動支持点とローラとの間
であって、従動軸の外周部に従動軸の押圧方向の変形量
を検出する変形量測定手段と、前記切換スイッチの出力
信号である押圧設定信号と変形量測定手段の出力信号で
ある現在押圧量とを比較してサーボ制御する第3サーボ
制御手段から構成されることを特徴とする上記請求項
1、2、3、4記載の摩擦駆動装置。 - 【請求項6】 第1出力手段は、一つのD/A変換器
と、第3押圧手段の押圧板と回動支持点とローラ間であ
って、従動軸の外周部に従動軸の押圧方向の変形量を検
出する変形量測定手段と、D/A変換器の出力信号であ
る押圧設定信号と変形量測定手段の出力信号である現在
押圧量とを比較してサーボ制御する第4サーボ制御手段
から構成されることを特徴とする上記請求項1、2、
3、4記載の摩擦駆動装置。 - 【請求項7】 第1出力手段は、第3押圧手段の複数の
圧電素子への押圧設定信号を独立に与える複数のD/A
変換器と、第3押圧手段の押圧板と回動支持点とローラ
間であって、従動軸の外周部に従動軸の押圧方向の変形
量を検出する変形量測定手段と、複数のD/A変換器の
出力信号である押圧設定信号と変形量測定手段の出力信
号である現在押圧量とを比較してサーボ制御する第5サ
ーボ制御手段から構成されることを特徴とする上記請求
項1、2、3、4記載の摩擦駆動装置。 - 【請求項8】 従動軸は、押圧手段の押圧点と回動支持
点間距離をL1、回動支持点とローラ間距離をL2とし
た時にL2>L1として変位拡大機構を形成しているこ
とを特徴とする上記請求項1、2、3、4、5、6、7
記載の摩擦駆動装置。
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