JP2003098667A - 脂肪族ポリイミド組成物及び画像形成法 - Google Patents
脂肪族ポリイミド組成物及び画像形成法Info
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Abstract
供。 【構成】 脂肪族テトラカルボン酸ジ無水物と脂肪族ジ
アミンの重縮合した溶剤可溶のポリイミドであって、光
酸発生剤の存在下にポジ型感光性を示す溶剤可溶の共重
合脂肪族ポリイミド組成物は、i線365nm以下の短
波長光に対し高い透明性を有すると共に、アルカリ現像
により基板との密着性の優れた極めて良好なサブミクロ
ンの画像解像がなされたパターンが得られた。本発明の
感光性脂肪族共重合ポリイミドは、半導体や電子部品等
の製造分野に幅広く利用することができる。
Description
ィスクドライブ等の薄膜磁気ヘッド及び液晶ディスプレ
イ等の微細加工用に用いられるポジ型フォトレジスト材
料として優れた特性を示す感光性ポリイミド組成物に関
するものである。
ディスクドライブ等の薄膜磁気ヘッド及び液晶ディスプ
レイを始めとする各種の電子部品は、リソグラフィー技
術を用いた超微細加工が施され、その加工工程には、フ
ォトレジストが広く利用されている。
能化、多様化も要求され、フォトレジストパターンはサ
ブミクロンのオーダーまで微細化されている。
線(436nm)から、i線(365nm)へ、更には
KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシ
マレーザー(193nm)の短波長側へとシフトしてい
る。超短波長の光透過性に優れ、高感度、高解像度を有
し、かつ微細加工のためのエッチング耐性を有するフォ
トレジスト材料がいくつか提案されている。
ル、ポリビニルフェノールの脂環式化合物等と高いTg
をもつ脂肪族化合物がこれまでに提案されている。しか
し、ポジ型フォトレジストとしてアルカリ現像性、基板
密着性、ドライエッチング耐性等の特性が要求され、標
準品としての実用性のあるフォトレジストは未だ利用さ
れていない。
的絶縁特性に優れ、近年高度の信頼性が要求される半導
体分野への応用が行われるようになった。ポリイミドの
半導体への適用は、パッシベーション膜、バッファコー
ト膜、アルファ線遮蔽膜、層間絶縁膜等が知られてお
り、従来のネガ型感光性ポリイミドから、アルカリ溶液
で現像可能なポジ型感光性ポリイミドが要求されるよう
になった。
ック酸を用い、そのエステル系の誘導体にしてポジ型感
光性をもたせる試みもあるが、保存安定性が悪く、イミ
ド化を行うための反応で350℃以上の温度が必要とな
り、半導体積層用には歪みを生ずる等の課題が残されて
いる(Y.Yamaokaetal.:J.Photo
poly.Sci.Tech.Vol.9 293(1
996))。
逐次反応によって溶剤可溶のブロック共重合ポリイミド
が多数合成された(板谷博:米国特許登録番号/550
2143)。
着性、感光性、低誘電性、寸法安定性、保存安定性の改
良されたポリイミドが見出され、特に非結晶性ポリイミ
ドは、ポジ型感光性ポリイミドフォトレジストとして優
れた特性を有している(板谷博:特願平10−1084
10)。
肪族ポリイミドであって、超短波長であるHg線のi線
(365nm)、KrFエキシマレーザー(248n
m)、ArFエキシマレーザー(193nm)に対して
高い光透過性を示し、アルカリ性現像溶液に対して溶解
性に優れると共に、充分なドライエッチング耐性を備え
たポジ型フォトレジスト材料を提供することである。ま
た、このフォトレジスト材料を用いて、サブミクロンの
パターン形成法を提供することである。
イミドであって、脂肪族テトラカルボン酸ジ無水物と2
種以上のジアミン成分を含有する多成分系のポリイミド
であって、光酸発生剤の存在下に露光し、アルカリ処理
してポジ型画像を形成する共重合脂肪族ポリイミド組成
物を提供する。
ボン酸ジ無水物が、飽和脂環式テトラカルボン酸ジ無水
物、及び/又は、ビシクロ(2、2、2)−オクト−7
−エン−2、3、5、6−テトラカルボン酸ジ無水物、
及び/又は、5−(2、5−ジオキソ−テトラフルフリ
ル)−3−メチル−4−シクロヘキセン−1、2−ジカ
ルボン酸無水物である溶剤可溶の共重合ポリイミド組成
物である。
ジ無水物が、特に飽和脂環式テトラカルボン酸ジ無水
物、即ち、シクロペンタンテトラカルボン酸ジ無水物、
及び/又は、シクロヘキサンテトラカルボン酸ジ無水
物、及び/又は、シクロブタンテトラカルボン酸ジ無水
物を含む溶剤可溶の共重合脂肪族ポリイミド組成物であ
る。これらの化合物は、分子中に二重結合を含まないた
め極超短波長の紫外線照射に対して高い光透明性を示
し、更にポジ型フォトレジスト材料として高感度、高解
像性を与える。
肪族ジアミンとしては、1、3−ビス(3−アミノメチ
ル)シクロヘキサン、4、4‘−ジアミノ−ジシクロヘ
キシル−メタン、ビス(2−アミノエトキシ)エタン、
N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、エ
チレンジアミン、2、2’−ジアミノジエチルジスルフ
ィド、1、4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジ
ン、3、4−ビス(3−アミノプロピル)2、4、8、
10−テトラオキサ[5,5]ウンデカン、ジアミノシ
ロキサン、トランス−1、4−ジアミノシクロヘキサ
ン、1、3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、3
(4)、8(9)−ビス(アミノエチル)トリシクロ
{5、2、1、0}デカンの中から選ばれた2種以上の
ジアミンを含有する溶剤可溶の共重合脂肪族ポリイミド
組成物である。
肪族ジアミンとして、好ましくは、ジアミノシロキサ
ン、例えば、1、3−ビス(3−アミノプロピル)テト
ラメチルジシロキサン(分子量:248.5)、両末端
ジアミノシロキサン(アミン価:300−500)を用
いた脂肪族ポリイミドは、半導体基板に対して密着性が
良い。
例えばジアミノジエチルジスルフィドを含む共重合脂肪
族ポリイミドは、高感度、高解像性の画像を形成する。
さらに、ジスルフィドは、酸と反応して容易にチオール
になる。
れる脂肪族ジアミンとして、特に好ましくは、2種以上
の脂肪族ジアミンが、特に脂肪族ジスルフィド、及び/
又は、ジアミノシロキサンを含有する溶剤可溶の共重合
脂肪族ポリイミド組成物であり、これらの脂肪族共重合
ポリイミドは、高感度、高解像性の画像を形成する。
在下に、脂肪族テトラカルボン酸ジ無水物と脂肪族ジア
ミンのモル比が1:(0.95−1.05)での割合で
混合され、有機溶媒中、酸触媒の存在下に140−20
0℃、好ましくは150−180℃に加熱して合成され
る。生成する水は、溶媒中に混合したトルエン、キシレ
ン、デカリン等と共沸することによって反応系外に除か
れる。
て、ラクトンと塩基と水の次の平衡反応を利用した触媒
系を用いることを特長とする。 {ラクトン}+{塩基}+{水}={酸基}+{塩基}− この{酸基}+{塩基}−系を触媒として、140−1
80度Cに加熱してポリイミド溶液を得る。生成する水
は、トルエンと共沸させて反応系外へ除く。反応系のイ
ミド化が終了した時点で、{酸基}+{塩基}−はラク
トンと塩基になり、触媒作用を失うと同時にトルエンと
共に反応系外へ除かれる。この方法によるポリイミド溶
液は、上記触媒物質が、反応後のポリイミド溶液に含ま
れないため高純度のポリイミド溶液として、そのまま工
業的に使用可能となる。
る反応溶媒は、極性の有機溶媒が使用される。これらの
有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルス
ルホキシド、スルホラン、テトラメチル尿素等があげら
れる。
キサン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケ
トン等のケトン系溶媒、メチルセロソルブ、メチルセロ
ソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、及び
ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒、酢
酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、ガンマブチロ
ラクトン、及び3−メトキシプロピオン酸メチル等のエ
ステル系溶媒、ジオキサン、ジオキソラン等の環状エー
テル化合物等を挙げることができる。さらに、近年、低
毒性溶媒への代替溶媒として着目されているメチルプロ
ピオン酸メチル等のプロピオン酸誘導体、乳酸エチル等
の乳酸エステル類、及びプロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート等の溶媒も使用することができ
る。前述の溶媒は、単独で、または混合物の形で使用し
てもよい。また、これらの溶媒に、イソプロピルアルコ
ール等の脂肪族アルコールを適量含有させてもよい。
ン換算の重量平均分子量が、5000乃至10万、好ま
しくは5000乃至5万であるポジ型感光性脂肪族共重
合ポリイミド組成物である。
成物と露光により酸を発生する光酸発生剤の存在下に光
を照射した後、その照射域をアルカリ性溶液現像液で除
去するパターン形成方法であり、露光エネルギーとし
て、遠紫外線、特に365nm以下の遠紫外光線を用い
るポジ型感光性パターン形成方法である。
ベンゾチオフェノン骨格を有するオニウム塩やスルホネ
ート、スルフォニル、スルファミド化合物を挙げること
ができる。サブミクロンのパターンを形成するために用
いられる光酸発生剤の量は、脂肪族ポリイミドに対して
5−20重量%が好ましく、基板上のポリイミド膜の膜
厚が小さい場合は少量用いる方が良い。
用いられる。感光性キノンジアジド化合物としては、
1、2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン
酸、1、2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホ
ンの低分子芳香族ヒドロキシ化合物、例えば2、3、4
−トリヒドロキシベンゾフェノン、1、3、5−トリヒ
ドロキシベンゼン、2−及び4−メチル−フェノール、
4、4‘−ヒドロキシ−プロパンのエステルであり、ポ
リイミド感光性樹脂成分に対し重量比で0。1−0。5
の割合で添加される。オニウム塩としては、アリールジ
アゾニウム塩、例えば4(N−フェニル)アミノフェニ
ルジアゾニウム塩、ジアリールハロニウム塩、例えばジ
フェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム
塩、例えばビス{4−(ジフェニルスルホニオ)フェニ
ル}スルフィド、ビスヘキサフルオロアンチモナートで
あり、ポリイミド感光性樹脂成分に対し重量比0。1−
0。5の割合で添加される。
族共重合ポリイミド組成物と露光により酸を発生する光
酸発生剤の存在下に光を照射した後、その照射域をアル
カリ性溶液現像液で除去するパターン形成方法であり、
露光エネルギーとして、遠紫外線、特に365nm以下
の遠紫外光線を用いるサブミクロンのポジ型感光性パタ
ーン形成方法である。
ミド組成物を主成分とする感光層を形成する工程と、
2)露光エネルギーを照射する工程と、3)感光層に熱
処理を施す工程と、4)熱処理後の感光層を現像処理
し、感光層の所定の領域を選択的に除去する工程よりな
るポジ型感光性パターン形成方法である。
上の共重合体にして改質が行われる。ポリイミドに対し
て、光透過性、高解像性、基板との密着性、アルカリ現
像性、ドライエッチング耐性等をもたせるためポリイミ
ド組成を改良することができる。三成分以上の共重合モ
ノマーを混合重合したランダム共重合体では、特性の悪
い組み合わせが優先してポリイミドの改質が困難であ
る。一般に、ブロック共重合によってポリイミドの改質
が行われる。
テトラカルボン酸ジ無水物のいずれかの成分を多量にし
て、ポリイミドオリゴマーとし、ついで脂肪族ジアミン
又は/及びテトラカルボン酸ジ無水物、及び/又は、ジ
アミンを添加して重縮合して、最終的にはテトラカルボ
ン酸ジ無水物と脂肪族ジアミンのモル比が1:(0.9
5−1.05)として得られるブロック共重合脂肪族ポ
リイミド組成物にすることができる。
ノシロキサン、脂肪族ジスルフィドを含有するポジ型感
光性ブロック共重合ポリイミドは、特にサブミクロンの
光解像度を示すフォトレジストとして使用される。
を、高解像性、緻密な解像性をもたせるためには、上記
の組成の外に、歪みのある基、例えばスピロ環基、を含
有した非結晶性脂肪族ブロック共重合ポリイミドとし、
光分解性を促進することができる。また、ポリイミド分
子中に窒素、酸素等の極性元素をもった化合物を含有さ
せることによって、アルカリ現像性を促進することがで
きる。
用いたパターン形成方法について以下に記載する。上記
のような有機溶媒に溶解したフォトレジストのワニスを
回転塗布法やディッピング法等で所定の基板上に塗布し
た後、150℃以下、より好ましくは70−100℃で
乾燥して、フォトレジスト膜を形成する。なお、ここで
用いる基板としては、例えばシリコンウェハ、ブランク
マスク、GaAs,AlGaAs等のIII−V族化合
物半導体ウェハ等を挙げることができる。また、クロム
又は酸化クロム蒸着マスク、アルミ蒸着基板、IBPS
Gコート基板、PSGコート基板、SOGコート基板、
カーボン膜スパッタ基板等を使用してもよい。
化学線を照射するか、またはフォトレジスト膜表面に化
学線を直接走査させて、フォトレジスト膜を露光する。
ここでの化学線としては、例えば、低圧水銀ランプのi
線、h線、g線、キセノンランプ光、KrFやArF等
のエキシマレーザー光のような深紫外線等の各種紫外
線、X線、電子線、ガンマ線、中性子線、およびイオン
ビーム等が使用されるが、i線、KrF,ArFのエキ
シマレーザーを用いた露光に、本発明の感光性組成物の
効果が最も発揮される。
いは赤外線照射等により、フォトレジスト膜に50−1
50℃、好ましくは60−120℃の熱処理(ベーク)
を適宜施す。熱処理温度が50℃未満であると、光酸発
生剤により生じた酸を、酸により分解する置換基を有す
る化合物と充分に反応できないおそれがあり、一方、1
20℃を超えると、フォトレジスト膜の露光部及び未露
光部にわたって、過度の分解や硬化が発生するおそれが
あるからである。かかるベークによって、フォトレジス
ト膜の露光部においては、露光によって発生した酸が触
媒として作用して、酸により分解する置換基を有する化
合物と反応する。すなわち、酸により分解する置換基を
有する化合物は、その置換基が分解してアルカリ可溶性
の化合物に変化する。なお、場合によっては、室温にお
いても十分な長時間放置することにより、前記の露光後
ベークと同様の硬化を得ることができる。
ルカリ現像液を用いて浸漬法、スプレー法にしたがって
現像処理することで、フォトレジスト膜の露光部を選択
的に溶解除去し、所望のパターンを得る。ここで現像液
として用いるアルカリ溶液としたへ、例えば水酸化ナト
リウム、炭酸ナトリウム、およびメタケイ酸ナトリウム
等の水溶液のような無機アルカリ水溶液、テトラメチル
アンモニウムヒドロキシド水溶液、トリメチルヒドロキ
シアンモニウムヒドロキシド水溶液、エタノールアミン
水溶液等の様な有機アルカリ水溶液、これらにアルコー
ル類、界面活性剤等を添加した水溶液等を挙げることが
できる。
が極めて良好であるので、これを用いたレジストパター
ンにはクラックや表面あれが生じることはなく、パター
ンが倒壊することもない。しかも、高い再現性をもって
パターンを形成することができる。これに加えて、得ら
れるパターンは、極めて解像性が良好であり、例えば、
このレジストパターンをエッチングマスクとしたドライ
エッチングで、露出した基板等にサブミクロン程度の超
微細なパターンを忠実に転写することができる。なお、
上記の工程以外の他の工程が付加されても何ら差し支え
なく、例えば、フォトレジスト膜の下地としての平坦化
層形成工程、レジスト膜と下地との密着性向上のための
前処理工程、レジスト膜の現像後に現像液を水などで除
去するリンス工程、ドライエッチング前の紫外線の再照
射工程等を適宜施すことが可能である。
いては、ポリマーの主鎖に脂環式化合物を組み込んでい
るので、透明性を損なうことなく、ドライエッチング耐
性を著しく向上させることができた。なお、従来より、
レジスト用樹脂として、クレゾールノボラックやポリヒ
ドロキシスチレン等のベンゼン環を用いた樹脂が用いら
れていたが、これらの樹脂は、極超短波の紫外線に対し
て、透明性が良くなかった。
の主鎖に脂環式化合物を導入しているので極超短波の紫
外線に対する透明性とドライエッチング耐性とを同時に
満足することができる。
更なる利点は、分子主鎖中にエーテル結合、アミン結
合、ジスルフィド結合を導入することによって、光酸発
生剤によって分子鎖が切断したレジスト部分のアルカリ
に対する溶解性を促進し、レジスト解像性が更に改善さ
れることである。
板上に塗布してレジスト膜を形成し、化学放射線の照射
(露光)、加熱(ベーキング)、およびアルカリ現像処
理を施すことにより、良好なパターンプロファイルを有
する微細なレジストパターンを形成でき、ひいてはこの
レジストパターンをマスクとして基板等をドライエッチ
ングすることにより、パターンのだれ等を生じることな
く基板等に忠実に転写エッチング加工できる。
としては、例えば、ジオキサン、ジオキソラン、ガンマ
ーブチロラクトン、シクロヘキサノン、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、ア
ニソール、酢酸エチル等があげられるが、特にこれらに
限定されない。
与してパターン解像の感度を高めることができる。この
光増感剤としては、特に限定されないが、例えば、ミヒ
ラーケトン、ベンゾインエーテル、2−メチルアントラ
キノン、ベンゾフェノン、安息香酸エステル等が用いら
れる。さらに、通常の感光性ポリイミドの中に添加され
る改質剤、例えば、カップリング剤、可塑剤、膜形成樹
脂、界面活性剤、安定剤、スペクトル感度調節剤等が用
いられる。
射域を、アルカリ水溶液性の現像液で感光性層を処理す
ることにより、照射域の部分を取り除く事ができる。こ
れら処理は、例えば、浸漬するか又は加圧噴霧すること
により基材の露光部分を溶出させることによって可能と
なる。これらの現像時間は、露光エネルギー、現像液の
強さ、現像の形式、予備乾燥温度、及び現像剤の処理温
度等に依存する。一般には、浸漬現像においては、1−
10分間程度であり、噴霧現像処理では10−40秒間
程度である。現像は、不活性溶剤、例えばイソプロパノ
ール、又は脱イオン水中への浸漬又はそれらの噴霧によ
って停止される。
2−50ミクロンの層の厚さを有するポリイミド被膜、
及び鋭い輪郭のつけられたレリーフ構造を作ることがで
きる。本発明の感光性ポリイミドは、完全な線状ポリイ
ミドから出来ているため水や熱に対して変化せず、保存
安定性が良い。従って、感光性フィルムとして使用可能
である。また、パターンの現像後は、従来のポリアミッ
ク酸分子のようなポストベーク温度250−450度C
の加熱処理は必要でなく、120−200度Cの加熱乾
燥によって、溶剤を飛散させるだけでよい。また、パタ
ーン形成後のポリイミド膜は、強靭で高温度耐熱性、機
械的特性に優れている。
子量分布によって解像度、及び感光性感度が異なり、ま
たポリイミドの耐熱性、耐薬品性、機械的強度が異な
る。分子量が大きく、カルボン酸含量の小さい程、現像
時間、アルカリ液の浸漬時間が長くなる傾向にある。
く説明する。なお、種々の酸ジ無水物、芳香族ジアミン
の組み合わせによって、特性のある感光性脂肪族ポリイ
ミドが得られるから、本発明はこれらの実施例のみに限
定されるのもではない。
mlのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップ
を備えた玉付冷却管を取り付ける。
物(アルドリッチ社製品)26.27g(0.125モ
ル)、1、3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチ
ルジシロキサン(信越化学工業社製品、分子量248.
5)6.21g(0.025モル)、δ−バレロラクト
ン1.3g(0.013モル)、ピリジン2.1g
(0.026モル)、γ−ブチロラクトン150g、ト
ルエン50gを仕込む。
5時間攪拌した後、3、4−ビス(3−アミノプロピ
ル)−2、4、8、10−テトラオキサスピロ{5、
5}ウンデカン(東京化成株式会社製品)17.72g
(0.05モル)、1、4−ビス(3−アミノプロピ
ル)ピペラジン(東京化成株式会社製品) 10.02
(0.05モル)、γ−ブチロラクトン100g、トル
エン50gを加えた。1時間室温で攪拌後、180℃に
昇温し、180rpmで4時間5分間攪拌した。反応
中、トルエン−水の共沸分を除いた。
ポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミド
の分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソー製
品)で測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、最
多分子量M:24700、数平均分子量(Mn)179
00、重量平均分子量(Mw)37800、Z平均分子
量(Mz)93400、Mw/Mn=2.11、Mz/
Mn=4.67であった。この脂肪族共重合ポリイミド
(19−53)の特性は、表1−1と表1−2に示す。
トラヒドロフルフリール)−3−メチル−3−シクロヘ
キセン−1、2−ジカルボン酸無水物(東京化成株式会
社製品)52.85g(0.2モル)、1、3−ビス
(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(分
子量248.5)12.43g(0.05モル)、N,
N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン(東京化
成株式会社製品)7.26g(0.05モル)、δ−バ
レロラクトン2.0g(0.02モル)、ピリジン3.
2g(0.04モル)、γ−ブチロラクトン15g、ト
ルエン70gを仕込む。
で攪拌後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪
拌した。室温に冷却した後、3、4−ビス(3−アミノ
プロピル)−2、4、8、10−テトラオキサスピロ
{5、5}ウンデカン(東京化成株式会社製品)27.
44g(0.10モル)、γ−ブチロラクトン128
g、トルエン30gを加えた。窒素雰囲気下で1時間室
温で攪拌後、180℃に昇温し、180rpmで3時間
5分間攪拌した。反応中、トルエン−水の共沸分を除い
た。
ポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミド
の分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソー製
品)で測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、重
量平均分子量(Mw)73920であった。この脂肪族
共重合ポリイミドの特性(19−56)は、表1−1と
表1−2に示す。
ンの種類を代えて、実施例1と同様に操作した。実施例
1の二段目の反応時間は、表1に記載されている。
反応を示す。 (表中の記号の説明)(表中の記号前の数字は原料のモ
ル数を示す。) Cp:シス−1、2、3、4−シクロペンタンテトラカ
ルボン酸ジ無水物 SiP:1、3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメ
チルジシロキサン Spi:3、4−ビス(3−アミノプロピル)−2、
4、8、10−テトラオキサスピロ{5、5}ウンデカ
ン Pip:1、4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジ
ン Ma:5(2、5−ジオキソ−テトラヒドロフルフリー
ル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1、2−ジカ
ルボン酸無水物 SiM:1、3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメ
チルジシロキサン PMD:ピロメリット酸ジ無水物 Si:ジアミノシロキサン(平均アミン価:421) SS:2、2‘−ジアミノジエチルジスルフィド Am:N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミ
ン Ch:1、3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン Phss:ビス(4−アミノフェニル)ジスルフィド ss:2、2‘−ジアミノジエチルジスルフィド BCD:ビシクロ(2,2,2)−オクト−7−エン−
2、3、5、6−テトラカルボン酸ジ無水物 Dicy:4、4‘−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタ
ン 実施例1の二段目反応時間4時間5分(4’05”):
以下、同様に記載する。 ポリイミド濃度/溶剤:ポリイミド濃度は溶剤中の重量
%で表示する。 Lc:ブチロラクトン NMP:N−メチルピロリドン 表1−2の説明: Siの含有:脂肪族共重合ポリイミド分子中のSi元素
の含有の有無 基板への密着性:脂肪族共重合ポリイミドをシリコンウ
ェハ基板上にスピンコート塗布し、脂肪族共重合ポリイ
ミドの密着性を評価した。 248nm吸収率:ポリイミド溶液の光吸収率を測定し
た。二重結合を有しない脂肪族共重合ポリイミドが実験
に供しうる。
g、イソプロピルアルコール440gを1Lのビーカー
に入れ、マグネチックスターラーで一昼夜攪拌する。こ
の溶液を濾過し、ロータリーエバポレーターで60℃で
濃縮して、2、2‘−ジアミノジエチルジスルフィド4
8g(収率72%)を得た。
19.86g(0.08モル)、ジアミノシロキサン
(アミン価:421)33.68g(0.04モル)、
δ−バレロラクトン1.6g(0.016モル)、ピリ
ジン2.6g(0.032モル)、N−メチルピロリド
ン200g、トルエン100gを仕込む。窒素雰囲気下
で180rpmで1時間室温で攪拌後、180℃に昇温
し、180rpmで1時間攪拌した。反応中、トルエン
−水の共沸分を除いた。
カルボン酸ジ無水物16.8g(0.08モル)、2、
2‘−ジアミノジエチルジスルフィド6.1g(0.0
4モル)、1、3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ン11.38g(0.08モル)、N−メチルピロリド
ン128g、トルエン20gをγ−ブチロラクトン12
8g、トルエン30gを加え、窒素雰囲気下で1時間室
温で攪拌後、180℃に昇温し、180rpmで2時間
攪拌した。反応中、トルエン−水の共沸分を除いた。
ポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミド
の分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソー製
品)で測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数
平均分子量(Mn)9000、重量平均分子量(Mw)
10700、Z平均分子量(Mz)13000であっ
た。
目の反応を3時間行った。このようにして得られたポリ
イミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。こ
のポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー
(東ソー製品)で測定したところ、ポリスチレン換算分
子量は、数平均分子量(Mn)12300、重量平均分
子量(Mw)17400、Z平均分子量(Mz)250
00であった。
0gとり、これにメタノール50gを加えて攪拌する。
水50gを3回に分けて加えて攪拌する。生成した沈殿
物をデカント法によって分離し、メタノル50g、つい
で水100gを加えて60℃に温度を上げ攪拌した後、
デカント分離する。これにメタノール50mlを加え、
60℃に温度を上げ攪拌した後、放置し、その後デカン
ト分離する。ジオキソラン100gを加えて沈殿を溶解
し、0.8ミクロンの多孔フィルターで濾過し、ロータ
リーエバポレーターで濃縮、乾固する。ついで、1mm
Hg、110℃で真空乾燥すると粉末が得られる。この
ものをジメチルホリムアマイドで溶解し、高速液体クロ
マトグラフィー(東ソー製品)で測定したところ、ポリ
スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)1500
0、重量平均分子量(Mw)20000、Z平均分子量
(Mz)27600であった。熱分解開始温度は、38
7℃であった。
ジオキソラン19g、感光剤(NT−200:2、3、
4−トリヒドロキシベンゾフェノンと6−ジアゾ−5、
6−ジヒドロ−5−オキソ−フタレン−1−スルホン酸
のトリエステル(東洋合成化学株式会社製品))0.2
gを加えて溶解し、0.2ミクロンの細孔フィルターで
濾過する。ついで、シリコンウェハ基板表面上に、上記
ポリイミド溶液をスピンコート法で塗布する。500r
pmで5秒間、5000rpmで30秒間で塗布した
後、赤外線乾燥機で90℃で10分間プリベークした。
このポリイミド膜の膜厚は、0.4ミクロンであった。
マスク用のテストパターンを置き、水銀光源i線照射装
置で、200mj/cm2の照射を行った。この感光性
フォトレジスト膜をテトラメチルアンモニウムハイドロ
オキサイド0.05%の水溶液で19秒間現像し、つい
で150℃で10分間赤外線乾燥機で乾燥したパターン
像を電子顕微鏡で観察した。0.35ミクロンのライン
アンドスペースの画像がシャープに確認された。
液に水を加えて沈殿させ、濾過後、1mmHg,110
℃で減圧乾燥し、乾燥粉末を得た。このポリイミド粉末
1gにジオキソラン9g、NT−200を0.2g加え
て、0.2ミクロンの細孔フィルターで濾過し、上記
(イ)と同様にして、シリコンウェハ上に塗布、0.5
2ミクロンの感光性ポリイミド膜を得た。このフォトレ
ジスト塗布膜にポジ型フォトマスク用のテストパターン
を置き、水銀光源i線照射装置で、1800mj/cm
2の照射を行った。この感光性フォトレジスト膜をテト
ラメチルアンモニウムハイドロオキサイド0.05%の
水溶液で2分20秒間現像し、ついで150℃で10分
間赤外線乾燥機で乾燥したパターン像を電子顕微鏡で観
察した。0.40ミクロンのラインアンドスペースの画
像がシャープに確認された。しかし、0.4ミクロンの
画像では、スペース部にレジストが残っていて不明確で
あった。このレジスト膜は、ポリイミドの外にポリアミ
ック酸を含有していると推定される。
キソラン又はN−メチルピロリドン)8gを加えて溶解
してポリイミド溶液を、0.8ミクロンの細孔フィルタ
ーで濾過し、NT−200を0.2g加えて感光性ポリ
イミド溶液とした。
た直径5cmの銅箔(三井金属鉱山株式会社製品:18
ミクロン厚さ)の表面上にスピンコート法で塗布した。
ついで、赤外線乾燥機で90℃、10分間乾燥した。こ
のフォトレジスト膜厚は、約10ミクロンである。この
フォトレジスト膜上にポジ型フォトマスク用のテストパ
ターン(10、15、20、――、50ミクロン)のラ
インアンドスペースパターンを置き、2KW超高圧水銀
光源照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)
を用いて画像がえられる露光量で照射した。現像液は、
濃度の異なるテトラメチルアンモニウムヒドロオキシド
水溶液(TMAH)を用いて、超音波洗浄器中で行っ
た。15ミクロンの解像度がシャープであり、10ミク
ロンの解像が確認された実施例について、表2に示す。
0”)の現像時間。以下表2、表3中では、同様に記載
する。
トラカルボン酸ジ無水物と脂肪族ジアミンの重縮合した
溶剤可溶のポリイミドであって、光酸発生剤の存在下に
ポジ型感光性を示す溶剤可溶の共重合脂肪族ポリイミド
組成物は、i線365nm以下の短波長光に対し高い透
明性を有すると共に、アルカリ現像により基板との密着
性の優れた極めて良好なサブミクロンの画像解像がなさ
れたパターンが得られた。本発明の感光性脂肪族共重合
ポリイミドは、半導体や電子部品等の製造分野に幅広く
利用することができる。
Claims (11)
- 【請求項1】 脂肪族テトラカルボン酸ジ無水物と脂肪
族ジアミンの重縮合した溶剤可溶のポリイミドであっ
て、光酸発生剤の存在下にポジ型感光性を示す溶剤可溶
の共重合脂肪族ポリイミド組成物。 - 【請求項2】 請求項1の脂肪族テトラカルボン酸ジ無
水物が、飽和脂環式テトラカルボン酸ジ無水物、及び/
又は、ビシクロ(2、2、2)−オクト−7−エン−
2、3、5、6−テトラカルボン酸ジ無水物、及び/又
は、5−(2、5−ジオキソ−テトラフルフリル)−3
−メチル−4−シクロヘキセン−1、2−ジカルボン酸
無水物である溶剤可溶の共重合ポリイミド組成物。 - 【請求項3】 脂肪族ジアミンが、1、3−ビス(3−
アミノメチル)シクロヘキサン、4、4‘−ジアミノ−
ジシクロヘキシル−メタン、ビス(2−アミノエトキ
シ)エタン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチ
ルアミン、エチレンジアミン、2、2’−ジアミノジエ
チルジスルフィド、1、4−ビス(3−アミノプロピ
ル)ピペラジン、3、4−ビス(3−アミノプロピル)
2、4、8、10−テトラオキサ[5,5]ウンデカ
ン、ジアミノシロキサン、トランス−1、4−ジアミノ
シクロヘキサン、1、3−ジアミノ−2−ヒドロキシプ
ロパン、3(4)、8(9)−ビス(アミノエチル)ト
リシクロ{5、2、1、0}デカンの中から選ばれた2
種以上のジアミンを含有する請求項1の溶剤可溶の共重
合脂肪族ポリイミド組成物。 - 【請求項4】 請求項2のテトラカルボン酸ジ無水物
が、特に飽和脂環式テトラカルボン酸ジ無水物、即ち、
シクロペンタンテトラカルボン酸ジ無水物、及び/又
は、シクロヘキサンテトラカルボン酸ジ無水物、及び/
又は、シクロブタンテトラカルボン酸ジ無水物を含む溶
剤可溶の共重合脂肪族ポリイミド組成物。 - 【請求項5】 請求項3の2種以上の脂肪族ジアミン
が、特に脂肪族ジスルフィド、及び/又は、ジアミノシ
ロキサンを含有する溶剤可溶の共重合脂肪族ポリイミド
組成物。 - 【請求項6】 酸触媒の存在下に、溶液中でテトラカル
ボン酸ジ無水物とジアミンとを重縮合して得られるブロ
ック共重合脂肪族ポリイミド組成物。 - 【請求項7】 請求項6の酸触媒が、バレロラクトンと
ピリジン又はメチルモルホリンよりなる複合触媒であ
り、溶液中でテトラカルボン酸ジ無水物とジアミンとを
重縮合し、ついでテトラカルボン酸ジ無水物、及び/又
は、ジアミンを添加して重縮合して、最終的にはテトラ
カルボン酸ジ無水物とジアミンのモル比が1:(0.9
5−1.05)として得られるブロック共重合脂肪族ポ
リイミド組成物。 - 【請求項8】 請求項1の共重合脂肪族ポリイミドのポ
リスチレン換算重量平均分子量が、5000乃至10
万、好ましくは5000乃至5万であるポジ型感光性脂
肪族共重合ポリイミド組成物。 - 【請求項9】 請求項8のポジ型脂肪族共重合ポリイミ
ド組成物と露光により酸を発生する光酸発生剤の存在下
に光を照射した後、その照射域をアルカリ性溶液現像液
で除去するパターン形成方法。 - 【請求項10】 露光エネルギーとして、遠紫外線、特
に365nm以下の遠紫外光線を用いるサブミクロンの
ポジ型感光性パターン形成方法。 - 【請求項11】 基板上に、請求項1に記載のポリイミ
ド組成物を主成分とする、感光層を形成する工程と、請
求項10の露光エネルギーを照射する工程と、感光層に
熱処理を施す工程と、熱処理後の感光層を現像処理し、
感光層の所定の領域を選択的に除去する工程よりなるポ
ジ型感光性パターン形成方法。
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