JP2003098468A - スキャナ装置およびそれを備えたコンフォーカル顕微鏡 - Google Patents

スキャナ装置およびそれを備えたコンフォーカル顕微鏡

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JP2003098468A
JP2003098468A JP2001286961A JP2001286961A JP2003098468A JP 2003098468 A JP2003098468 A JP 2003098468A JP 2001286961 A JP2001286961 A JP 2001286961A JP 2001286961 A JP2001286961 A JP 2001286961A JP 2003098468 A JP2003098468 A JP 2003098468A
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scanning
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coordinate axis
light
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Hiroyuki Hakozaki
博之 箱崎
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置に固定された座標軸に対して斜めに傾い
た走査領域内であっても、光源からの光を2次元的に走
査することができ、かつ、メモリ容量も小さくできるス
キャナ装置、およびそれを備えたコンフォーカル顕微鏡
を提供する。 【解決手段】 光源からの光をX方向に走査する第1走
査手段(18X,19X)とY方向に走査する第2走査手段(18Y,
19Y)とを制御し、光をH方向に往復走査させると共にV
方向に走査させる制御手段(11,12X〜16X,12Y〜16Y)を備
える。この制御手段は、光の走査点の位置座標に関わる
制御情報を予め記憶する記憶手段(14X,15X,14Y,15Y)
と、該記憶手段に記憶された制御情報に演算処理を施す
演算手段(16X,16Y)とを有し、該演算手段による演算結
果に基づいて第1走査手段および第2走査手段を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源からの光を2
次元的に走査するスキャナ装置およびそれを備えたコン
フォーカル顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、スキャナ装置では、図5に示
すように、光源(不図示)からの光Loを2次元的に走査
するに当たって、光LoをX軸に沿って高速で往復走査
しながら、Y軸に沿って低速で走査することが一般的で
ある(ラスタ走査)。X軸およびY軸は、スキャナ装置
に固定された直交座標系の2つの座標軸に相当する。
【0003】光LoがX軸に沿って往復走査される範囲
を地点Xaから地点Xbまでの間とし、Y軸に沿って走
査される範囲を地点Yaから地点Ybまでの間とすると
き、光Loは、4つの点(Xa,Ya),(Xb,Ya),(X
a,Yb),(Xb,Yb)を頂点とする略矩形状の領域30
a(図5の太実線枠)内で2次元的に走査されることに
なる。
【0004】このように、略矩形状の領域30a内で光
Loを2次元的に走査するスキャナ装置30には、図6
に示すように、光LoをX軸に沿って走査するX軸スキ
ャナ31と、X軸スキャナ31に対する複数の制御信号
を記憶するメモリ32と、光LoをY軸に沿って走査す
るY軸スキャナ33と、Y軸スキャナ33に対する複数
の制御信号を記憶するメモリ34と、メモリ32,34
に対するアドレス指定信号を同期して出力するアドレス
制御部35とが設けられる。
【0005】メモリ32に記憶された複数の制御信号
は、X軸スキャナ31を制御して、光Loを地点Xaと
地点Xbとの間で1往復させるための信号である。ま
た、メモリ34に記憶された複数の制御信号は、Y軸ス
キャナ33を制御して、光Loを地点Yaと地点Ybと
の間で1往復させるための信号である。メモリ32,3
4の各々の制御信号には、走査順序に応じたアドレスが
与えられている。
【0006】このため、メモリ32,34に記憶された
複数の制御信号は、アドレス制御部35から出力される
アドレス指定信号に応じて1つずつ順に読み出され、各
々、X軸スキャナ31,Y軸スキャナ33に入力され
る。そして、X軸スキャナ31,Y軸スキャナ33で
は、メモリ32,34からの制御信号に応じた走査点(X
o,Yo)に光Loを順次位置決めする(Xa≦Xo≦X
b,Ya≦Yo≦Yb)。
【0007】また、スキャナ装置30では、図7に示す
ように、メモリ34に記憶された1往復分の制御信号を
読み出す間(1フレーム期間TF)に、メモリ32に記
憶された1往復分の制御信号が複数回(図7では11
回。実際には1000回程度)繰り返して読み出される
ため、光Loは、地点Xaと地点Xbとの間で高速に往
復走査されながら、地点Yaと地点Ybとの間で低速に
走査されることになる。
【0008】このように、従来のスキャナ装置30によ
れば、上記した略矩形状の領域30a(図5)内で光L
oを2次元的に走査することができる。以下、領域30
aを走査領域30aという。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のスキャナ装置30では、メモリ32に記憶され
た1往復分(地点Xaと地点Xbとの間)の制御信号を
繰り返し読み出すため、スキャナ装置30に固定された
X軸,Y軸に対して斜めに傾いた略矩形状の走査領域3
0a(図5の太点線枠参照)内で、光Loを2次元的に
走査することはできなかった。
【0010】ただし、メモリ32に記憶させる制御信号
を1往復分ではなく、メモリ34と同様の1フレーム分
とすれば、X軸,Y軸に対して斜めに傾いた略矩形状の
走査領域30a内でも、光Loを2次元的に走査するこ
とができる。しかし、この場合には、メモリ32とし
て、1フレーム分の制御信号を記憶可能な大容量のメモ
リが必要となってしまう。
【0011】例えば、1フレーム当たりの走査線の数が
1000本程度の場合、1フレーム分の制御信号を記憶
可能なメモリ32には、1往復分の制御信号のみを記憶
可能なメモリ32の1000倍程度の容量が必要にな
る。ちなみに、メモリ34の容量は、1往復分の制御信
号のみを記憶可能なメモリ32の容量と同程度である。
本発明の目的は、装置に固定された座標軸に対して斜め
に傾いた走査領域内であっても、光源からの光を2次元
的に走査することができ、かつ、メモリ容量も小さくで
きるスキャナ装置、およびそれを備えたコンフォーカル
顕微鏡を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のスキャナ装置
は、光源からの光を第1座標軸に沿って走査する第1走
査手段と、光を第1座標軸に垂直な第2座標軸に沿って
走査する第2走査手段と、第1走査手段および第2走査
手段を制御し、光を第3座標軸に沿って走査させると共
に、光を第3座標軸に垂直な第4座標軸に沿って走査さ
せる制御手段とを備えている。さらに、上記の制御手段
は、光の走査点の位置座標に関わる制御情報を予め記憶
する記憶手段と、該記憶手段に記憶された制御情報に演
算処理を施す演算手段とを有し、該演算手段による演算
結果に基づいて第1走査手段および第2走査手段を制御
する手段である。また、上記の記憶手段は、走査点を第
3座標軸に射影して得られる第1仮想点の第1座標軸成
分に関わる制御情報を記憶する第1記憶部と、第1仮想
点の第2座標軸成分に関わる制御情報を記憶する第2記
憶部と、走査点を第4座標軸に射影して得られる第2仮
想点の第1座標軸成分に関わる制御情報を記憶する第3
記憶部と、第2仮想点の第2座標軸成分に関わる制御情
報を記憶する第4記憶部とを含む。さらに、上記の演算
手段は、第1記憶部と第3記憶部とに記憶された第1座
標軸成分に関わる制御情報に演算処理を施す第1演算部
と、第2記憶部と第4記憶部とに記憶された第2座標軸
成分に関わる制御情報に演算処理を施す第2演算部とを
含む。そして、上記の第1走査手段は、第1演算部にお
ける演算結果に応じて光の走査を行い、上記の第2走査
手段は、第2演算部における演算結果に応じて光の走査
を行う。
【0013】本発明のコンフォーカル顕微鏡は、蛍光物
質で標識された試料に対して励起光を照射する照射手段
と、励起光を2次元的に走査する2次元走査手段と、試
料から発生した蛍光を受光する受光手段とを備え、2次
元走査手段が上記のスキャナ装置にて構成されたもので
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
形態を詳細に説明する。
【0015】(第1実施形態)本発明の第1実施形態は、
請求項1〜請求項3に対応する。第1実施形態のスキャ
ナ装置10は、図1に示すように、同期クロックジェネ
レータ11と、アドレスカウンタ12X,13X,12
Y,13Yと、メモリ14X,15X,14Y,15Yと、
加算回路16X,16Yと、DAコンバータ17X,17
Yと、駆動回路18X,18Yと、反射ミラー19X,1
9Yとで構成されている。
【0016】ここで、第1実施形態のスキャナ装置10
は、光源(不図示)からの光Loを2次元的に走査するに
当たって、図2に示すように、光Loを水平方向のH軸
に沿って高速で往復走査しながら、垂直方向のV軸に沿
って低速で走査するものである(ラスタ走査)。H軸,
V軸は、直交座標系の2つの座標軸であり、スキャナ装
置10に固定された直交座標系の2つの座標軸(X軸,Y
軸)に対して任意の角度θだけ傾けられている(0°≦
θ≦90°)。角度θは、外部から自由に設定可能な変
数である。ちなみに、角度θが0°のときにはH軸がX
軸に、V軸がY軸に一致し、角度θが90°のときには
H軸がY軸に、V軸がX軸に一致する。
【0017】光LoがH軸に沿って往復走査される範囲
を地点Haから地点Hbまでの間とし、V軸に沿って走
査される範囲を地点Vaから地点Vbまでの間とすると
き、光Loは、4つの点(Ha,Va),(Ha,Vb),(H
b,Va),(Hb,Vb)を頂点とする略矩形状の領域10
a(図2の太実線枠)内で2次元的に走査されることに
なる。以下、領域10aを走査領域10aという。
【0018】なお、上記のH軸は請求項の「第3座標
軸」に対応し、V軸は「第4座標軸」に対応する。X軸
は「第1座標軸」に対応し、Y軸は「第2座標軸」に対
応する。さて、上記の走査領域10a内で光Loを2次
元的に走査するスキャナ装置10(図1)について、全
体構成を具体的に説明する。同期クロックジェネレータ
11は、アドレスカウンタ12X,13X,12Y,13
Yに対して一定周期のクロックパルスを出力する回路で
ある。アドレスカウンタ12X,13X,12Y,13Y
は、各々、メモリ14X,15X,14Y,15Yの読み
出しアドレスを指定するための値を保持しているカウン
タである。アドレスカウンタ12X,13X,12Y,1
3Yの値は、同期クロックジェネレータ11からのクロ
ックパルスに応じて更新される。また、この値は、アド
レス指定信号としてメモリ14X,15X,14Y,15
Yに同期して出力される。
【0019】メモリ14X,15X,14Y,15Yは、
光Lo(図2)の走査点Aの位置座標に関わる制御情報を
予め記憶する回路である。走査点Aは、走査領域10a
内で光Loが順次に位置決めされる任意の点である。こ
のため、走査点AをH軸に射影して得られる仮想的な点
Ahは、上記した地点Haと地点Hbとの間に位置し、
走査点AをV軸に射影して得られる仮想的な点Avは、
上記した地点Vaと地点Vbとの間に位置する。なお、
上記の点Ahは請求項の「第1仮想点」、点Avは「第
2仮想点」に対応する。
【0020】メモリ14X,15X,14Y,15Yに
は、走査領域10a内で光Loを2次元的に走査するた
めに必要となる多数の走査点Aの位置座標に関わる制御
情報が記憶されている(Ha≦Ah≦Hb,Va≦Av
≦Vb)。メモリ14X,15X,14Y,15Yの各々
の記憶内容について具体的に説明すると、メモリ14X
には、上記した仮想的な点AhのX軸成分(Ahx)に関
わる多数の制御信号がテーブルとして記憶され、メモリ
15Xには、上記した仮想的な点AvのX軸成分(Av
x)に関わる多数の制御信号がテーブルとして記憶され
ている。また、メモリ14Yには、仮想的な点AhのY
軸成分(Ahy)に関わる多数の制御信号がテーブルとし
て記憶され、メモリ15Yには、仮想的な点AvのY軸
成分(Avy)に関わる多数の制御信号がテーブルとして
記憶されている。
【0021】このうち、メモリ14X,14Yに記憶さ
れた多数の制御信号は、仮想的な点Ahに関わる信号で
あり、メモリ15X,15Yに記憶された多数の制御信
号は、仮想的な点Avに関わる信号である。第1実施形
態のスキャナ装置10では、光Lo(図2)の走査点Aの
位置座標を4つの成分(Ahx,Ahy,Avx,Av
y)に分け、各々の成分ごとに、異なるメモリ14X,
15X,14Y,15Yに記憶させている。
【0022】さらに、メモリ14X,14Yに記憶され
た多数の制御信号は、光LoをH軸に沿って地点Haと
地点Hbとの間で1往復させるために必要な信号であ
る。また、メモリ15X,15Yに記憶された多数の制
御信号は、光LoをV軸に沿って地点Vaと地点Vbと
の間で1往復させるために必要な信号である。メモリ1
4X,15X,14Y,15Yの各々の制御信号には、走
査順序に応じたアドレスが与えられている。
【0023】このため、メモリ14X,15X,14Y,
15Yに記憶された多数の制御信号は、アドレスカウン
タ12X,13X,12Y,13Yから出力されるアドレ
ス指定信号に応じて1つずつ順に読み出される。メモリ
14X,14Yから順に読み出される制御信号の大きさ
(Ahx,Ahy)を時系列に並べると、図3(a),(b)の
期間Tsのような波形となる。この波形のピークは、上
記した仮想的な点AhがH軸の地点Hbに位置するとき
のものである。仮想的な点Ahは、メモリ14X,14
Yから順に読み出される制御信号に応じて、地点Haと
地点Hbとの間を1往復することになる。
【0024】ちなみに、地点Haと地点Hbとの間隔を
ΔHとするとき、図3(a)に示す波形の振幅はΔH・co
sθとなり、図3(b)に示す波形の振幅はΔH・sinθと
なる。角度θは、X軸に対するH軸の傾き角である(0
°≦θ≦90°)。同様に、メモリ15X,15Yから
順に読み出される制御信号の大きさ(Avx,Avy)を
時系列に並べると、図3(c),(d)の期間TFのような波
形となる。この波形のピークは、上記した仮想的な点A
vがV軸の地点Vbに位置するときのものである。仮想
的な点Avは、メモリ15X,15Yから順に読み出さ
れる制御信号に応じて、地点Vaと地点Vbとの間を1
往復することになる。
【0025】なお、地点Vaと地点Vbとの間隔をΔV
とするとき、図3(c)に示す波形の振幅はΔV・sinθ
となり、図3(d)に示す波形の振幅はΔV・(−cosθ)
となる。角度θは、Y軸に対するV軸の傾き角である
(0°≦θ≦90°)。
【0026】また、スキャナ装置10では、図3(a)〜
(d)に示すように、メモリ15X,15Yから1往復分
の制御信号を読み出す間(期間TF)に、メモリ14X,
14Yから1往復分の制御信号が複数回(図3では11
回。実際には1000回程度)繰り返して読み出され
る。期間Tsは、メモリ14X,14Yから制御信号を
読み出す繰り返し回数をNとするとき、TF/Nに等しく
設定される。期間TFは、1フレーム期間に相当する。
【0027】このため、1フレーム期間(TF)におい
て、仮想的な点Ahは、地点Haと地点Hbとの間を繰
り返して往復し、仮想的な点Avは、地点Vaと地点V
bとの間を1往復することになる。上記のようにしてメ
モリ14X,15X,14Y,15Yから順に読み出され
る制御信号は、加算回路16X,16Yに入力される。
加算回路16Xには、メモリ14X,15Xから読み出
された2つの制御信号が入力され、加算回路16Yに
は、メモリ14Y,15Yから読み出された2つの制御
信号が入力される。
【0028】加算回路16X,16Yは、メモリ14X,
15X,14Y,15Yから入力される2つの制御信号を
加算して出力する回路である。加算回路16Xでは、メ
モリ14Xからの「点AhのX軸成分(Ahx)に関わる
制御信号」と、メモリ15Xからの「点AvのX軸成分
(Avx)に関わる制御信号」との加算処理が行われる。
加算回路16Yでは、メモリ14Yからの「点AhのY
軸成分(Ahy)に関わる制御信号」と、メモリ15Yか
らの「点AvのY軸成分(Avy)に関わる制御信号」と
の加算処理が行われる。
【0029】なお、上記した同期クロックジェネレータ
11、アドレスカウンタ12X,13X,12Y,13
Y、メモリ14X,15X,14Y,15Y、および加算
回路16X,16Yは、請求項の「制御手段」に対応す
る。メモリ14Xは「第1記憶部」、メモリ14Yは
「第2記憶部」、メモリ15Xは「第3記憶部」、メモ
リ15Yは「第4記憶部」に対応する。また、加算回路
16Xは「第1演算部」、加算回路16Yは「第2演算
部」に対応する。
【0030】そして、加算回路16X,16Yから出力
される制御信号(デジタル信号)は、各々、DAコンバ
ータ17X,17Yを介してアナログ制御信号に変換さ
れ、駆動回路18X,18Yに入力される。駆動回路1
8X,18Yは、例えばガルバノメータにて構成され
る。駆動回路18Xは、DAコンバータ17Xからのア
ナログ制御信号(Ahx+Avx)に基づいて、反射ミラ
ー19Xを往復回転させる。駆動回路18Yは、DAコ
ンバータ17Yからのアナログ制御信号(Ahy+Av
y)に基づいて、反射ミラー19Yを往復回転させる。
【0031】第1実施形態のスキャナ装置10におい
て、反射ミラー19Xは、回転軸がX軸,Y軸に垂直で
あり、反射ミラー19Yは、回転軸がX軸に平行であ
る。この構成によれば、光源(不図示)からの光Loは、
反射ミラー19Xで反射したのち反射ミラー19Yで反
射し、スキャナ装置10から射出される。スキャナ装置
10から射出される光Loの光路は、X軸,Y軸に略垂
直となる。X軸,Y軸は、スキャナ装置10に固定され
た直交座標系の2つの座標軸である。
【0032】そして、駆動回路18Xによって反射ミラ
ー19Xを往復回転させると、光LoはX軸に沿って走
査され、駆動回路18Yによって反射ミラー19Yを往
復回転させると光LoはY軸に沿って走査される。な
お、駆動回路18X,反射ミラー19Xは請求項の「第
1走査手段」に対応し、駆動回路18Y,反射ミラー1
9Yは「第2走査手段」に対応する。
【0033】このとき、第1実施形態のスキャナ装置1
0では、仮想的な点Ah,点AvのX軸成分(Ahx,A
vx)を加算して得た制御信号(Ahx+Avx)に基づ
いて反射ミラー19Xを往復回転させると共に、仮想的
な点Ah,点AvのY軸成分(Ahy,Avy)を加算して
得た制御信号(Ahy+Avy)に基づいて反射ミラー1
9Yを往復回転させるため、光Loは、地点Haと地点
Hbとの間で高速に往復走査されながら(仮想的な点A
h)、地点Vaと地点Vbとの間で低速に走査される
(仮想的な点Av)ことになる。
【0034】上記したように、第1実施形態のスキャナ
装置10によれば、スキャナ装置10に固定されたX
軸,Y軸に対して任意の角度θだけ傾けられた略矩形状
の走査領域10a(図2)内で、光Loを2次元的に走
査することができる。さらに、メモリ14X,14Yに
記憶させる制御信号が1往復分(地点Haと地点Hbと
の間)であるため、メモリ14X,14Yとして、各
々、1往復分の制御信号のみを記憶可能な小容量のメモ
リを用いることができる。
【0035】例えば、1フレーム当たりの走査線の数が
1000本程度の場合、上記した従来の走査領域30a
(図5)を回転可能な構成において必要とされるメモリ3
2の容量に比べて、第1実施形態のメモリ14X,14
Yの総容量は、1/500程度となる。また、メモリ1
5X,15Yの総容量は上記したメモリ14X,14Yの
総容量と同程度であるため、第1実施形態のスキャナ装
置10に搭載されるメモリ14X,14Y,15X,15
Yの総容量も小さくすることができる。
【0036】上記と同様、1フレーム当たりの走査線の
数が1000本程度の場合、従来の走査領域30a(図
5)を回転可能な構成で必要となるメモリ32,34の総
容量に比べて、第1実施形態のメモリ14X,14Y,1
5X,15Yの総容量は、1/250程度となる。さら
に、第1実施形態のスキャナ装置10によれば、メモリ
容量を小さくできるため、低コスト化も図られる。
【0037】また、アドレスカウンタ12X,12Yの
ビット数をメモリ14X,14Yのアドレス空間に対応
させて小さくできるため、アドレスカウンタ12X,1
2Yとメモリ14X,14Yとの間の回路構成が簡素化
し、低コスト化が図られる。さらに、第1実施形態のス
キャナ装置10によれば、メモリ14X,14Y,15
X,15Yに記憶される制御信号の設定内容を変更する
(図3に示す波形の振幅ΔH・cosθ,ΔH・sinθ,ΔV
・sinθ,ΔV・(−cosθ)の変更に相当)ことで、走査
領域10a(図2)の傾き角θを自由に変更できる(0
°≦θ≦90°)。
【0038】また、メモリ14X,14Y,15X,15
Yの設定内容が何れも1往復分だけであって従来に比べ
て非常に少ないため、走査領域10aの傾き角θを変更
するときの設定時間が短くなり、操作者にとっての使い
勝手が向上する。 (第2実施形態)本発明の第2実施形態は、請求項1〜請
求項4に対応する。
【0039】ここでは、上記したスキャナ装置10を組
み込んだコンフォーカル顕微鏡20について説明する。
第2実施形態のコンフォーカル顕微鏡20には、図4に
示すように、上記したスキャナ装置10の他、レーザ光
源21と、励起フィルタ22と、ダイクロイックミラー
23と、対物レンズ24と、ステージ25と、バリアフ
ィルタ26と、光電増倍管27と、計算機28とが設け
られている。図4では、スキャナ装置10の構成として
反射ミラー19X,19Yのみを図示した。
【0040】コンフォーカル顕微鏡20によって観察さ
れる試料29は、蛍光色素で染色され、ステージ25に
載置される。ステージ25は、X軸,Y軸に沿って移動
可能である。また、対物レンズ24の光軸方向にも移動
可能である。コンフォーカル顕微鏡20において、レー
ザ光源21から射出された光は、励起フィルタ22を通
ることで波長が限定され、ダイクロイックミラー23で
反射されて、スキャナ装置10に入射する。そして、ス
キャナ装置10に入射した光は、反射ミラー19Xの振
り角と反射ミラー19Yの振り角とに応じて、限定され
た走査領域10a内で2次元的に走査され、対物レンズ
24に向けて射出される(光Lo)。光Loは、対物レ
ンズ24を介して試料29に照射される。
【0041】なお、上記のレーザ光源21,励起フィル
タ22,ダイクロイックミラー23,対物レンズ24は、
請求項の「照射手段」に対応する。スキャナ装置10は
「2次元走査手段」に対応する。試料29では、光Lo
の照射によって蛍光色素が励起され、特定の波長の蛍光
を射出する。蛍光色素から射出された蛍光は、対物レン
ズ24を通過したのち、スキャナ装置10の反射ミラー
19Yと反射ミラー19Xとによって逆走査され(デス
キャン)、ダイクロイックミラー23を透過する。ここ
での透過光は、バリアフィルタ26を介したのち光電増
倍管27に入射する。バリアフィルタ26では、蛍光色
素から射出された蛍光波長以外の波長成分がカットされ
る。
【0042】そして、光電増倍管27に入射した蛍光の
強度は、光電増倍管27の設定にしたがって電気信号に
変換され、計算機28に出力される。計算機28では、
光電増倍管27からの電気信号がデジタル信号に変換さ
れ、画素データとして保存される。なお、対物レンズ2
4,ダイクロイックミラー23,バリアフィルタ26,光
電増倍管27は、請求項の「受光手段」に対応する。
【0043】コンフォーカル顕微鏡20では、スキャナ
装置10によって光Loを走査領域10a内で2次元的
に走査しながら、上記した画素データを順次に取り込
み、保存していく。その結果、試料29の顕微鏡画像を
デジタル画像として計算機28に保存することができ
る。さらに、第2実施形態のコンフォーカル顕微鏡20
によれば、装置に固定されたX軸,Y軸に対して任意の
角度θだけ傾いた略矩形状の走査領域10a(図2)内で
光Loを2次元的に走査することができるため、試料2
9中の観察対象物の向きに関わらず、観察対象物の向き
に適した走査領域10aを設定し、顕微鏡画像を取り込
むことができる。
【0044】なお、コンフォーカル顕微鏡20における
走査領域10a(図2)の傾き角θの設定変更は、操作者
によって計算機28の入力部から傾き角θの設定値が入
力されたときに行われる。
【0045】計算機28では、傾き角θの設定値(0°
≦θ≦90°)が入力されると、図3に示す波形の振幅
ΔH・cosθ,ΔH・sinθ,ΔV・sinθ,ΔV・(−cos
θ)を計算し、得られた波形に応じた制御信号を計算
し、メモリ14X,14Y,15X,15Y(図1)の設
定内容を変更する。このとき、メモリ14X,14Y,1
5X,15Yの設定内容が何れも1往復分だけであって
従来に比べて非常に少ないため、走査領域10aの傾き
角θを変更するときの設定時間が短くなり、操作者にと
っての使い勝手が向上する。
【0046】なお、上記した実施形態では、走査領域1
0a内で光Loを2次元的に走査する際、光LoをH軸
に沿って高速で往復走査しながら、V軸に沿って低速で
走査する例を説明したが、本発明はこの構成に限定され
ない。例えば、水平方向(H軸)の1ライン走査が終わっ
た後に、垂直方向(V軸)に1ライン分だけシフトさせて
も良い。この場合、走査線はH軸に平行となる。
【0047】また、上記した実施形態では、スキャナ装
置10に2つの反射ミラー(19X,19Y)を設けた
が、光LoをX方向,Y方向に走査可能な1つの反射ミ
ラーを設けた構成にも、本発明は適用できる。反射ミラ
ーが1つであっても、X軸用の駆動回路18XとY軸用
の駆動回路18Yとは各々必要となる。さらに、上記し
た実施形態では、加算回路16Xにおいて、メモリ14
Xからの「X軸成分(Ahx)に関わる制御信号」とメモ
リ15Xからの「X軸成分(Avx)に関わる制御信号」
との加算処理を行い、加算回路16Yにおいて、メモリ
14Yからの「Y軸成分(Ahy)に関わる制御信号」と
メモリ15Yからの「Y軸成分(Avy)に関わる制御信
号」との加算処理を行ったが、本発明はこの構成に限定
されない。加算回路16X,16Yに代えて、減算回路
や乗算回路、除算回路を用いても良い。
【0048】また、上記した実施形態では、スキャナ装
置10をコンフォーカル顕微鏡20に組み込む例を説明
したが、本発明のスキャナ装置は、コンフォーカル顕微
鏡以外の顕微鏡や、走査型蛍光測定装置、レーザ加工装
置などにも組み込むことができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
装置に固定された座標軸に対して斜めに傾いた走査領域
内でも光の2次元的な走査が可能であり、かつ、メモリ
容量も小さくできるため、操作性の向上と共に低コスト
化を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のスキャナ装置10の全体構成を
示すブロック図である。
【図2】スキャナ装置10による走査領域10aを示す
説明図である。
【図3】スキャナ装置10のメモリ14X,14Y,15
X,15Yに記憶された制御信号およびその読み出しタ
イミングを説明する図である。
【図4】第2実施形態のコンフォーカル顕微鏡20の全
体構成を示す図である。
【図5】従来の走査領域30aを示す説明図である。
【図6】従来のスキャナ装置30の構成を示すブロック
図である。
【図7】スキャナ装置30のメモリ32,34に記憶さ
れた制御信号およびその読み出しタイミングを説明する
図である。
【符号の説明】
10 スキャナ装置 11 同期クロックジェネレータ 12X,12Y,13X,13Y アドレスカウンタ 14X,14Y,15X,15Y メモリ 16X,16Y 加算回路 17X,17Y DAコンバータ 18X,18Y 駆動回路 19X,19Y 反射ミラー 20 コンフォーカル顕微鏡 21 レーザ光源 22 励起フィルタ 23 ダイクロイックミラー 24 対物レンズ 25 ステージ 26 バリアフィルタ 27 光電増倍管 28 計算機 29 試料

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの光を第1座標軸に沿って走査
    する第1走査手段と、 前記光を前記第1座標軸に垂直な第2座標軸に沿って走
    査する第2走査手段と、 前記第1走査手段および前記第2走査手段を制御し、前
    記光を第3座標軸に沿って走査させると共に、前記光を
    前記第3座標軸に垂直な第4座標軸に沿って走査させる
    制御手段とを備え、 前記制御手段は、前記光の走査点の位置座標に関わる制
    御情報を予め記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶さ
    れた前記制御情報に演算処理を施す演算手段とを有し、
    該演算手段による演算結果に基づいて前記第1走査手段
    および前記第2走査手段を制御する手段であり、 前記記憶手段は、前記走査点を前記第3座標軸に射影し
    て得られる第1仮想点の前記第1座標軸成分に関わる制
    御情報を記憶する第1記憶部と、前記第1仮想点の前記
    第2座標軸成分に関わる制御情報を記憶する第2記憶部
    と、前記走査点を前記第4座標軸に射影して得られる第
    2仮想点の前記第1座標軸成分に関わる制御情報を記憶
    する第3記憶部と、前記第2仮想点の前記第2座標軸成
    分に関わる制御情報を記憶する第4記憶部とを含み、 前記演算手段は、前記第1記憶部と前記第3記憶部とに
    記憶された前記第1座標軸成分に関わる制御情報に演算
    処理を施す第1演算部と、前記第2記憶部と前記第4記
    憶部とに記憶された前記第2座標軸成分に関わる制御情
    報に演算処理を施す第2演算部とを含み、 前記第1走査手段は、前記第1演算部における演算結果
    に応じて前記光の走査を行い、 前記第2走査手段は、前記第2演算部における演算結果
    に応じて前記光の走査を行うことを特徴とするスキャナ
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスキャナ装置におい
    て、 前記第1演算部は、前記第1記憶部と前記第3記憶部と
    に記憶された前記第1座標軸成分に関わる制御情報どう
    しを加算する演算処理を行い、 前記第2演算部は、前記第2記憶部と前記第4記憶部と
    に記憶された前記第2座標軸成分に関わる制御情報どう
    しを加算する演算処理を行うことを特徴とするスキャナ
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のスキャ
    ナ装置において、 前記第1走査手段は、反射ミラーと、該反射ミラーを前
    記第1座標軸および前記第2座標軸に垂直な軸まわりに
    往復回転させる駆動部とを有し、 前記第2走査手段は、反射ミラーと、該反射ミラーを前
    記第1座標軸に平行な軸まわりに往復回転させる駆動部
    とを有することを特徴とするスキャナ装置。
  4. 【請求項4】 蛍光物質で標識された試料に対して励起
    光を照射する照射手段と、 前記励起光を2次元的に走査する2次元走査手段と、 前記試料から発生した蛍光を受光する受光手段とを備
    え、 前記2次元走査手段は、請求項1から請求項3の何れか
    1項に記載のスキャナ装置にて構成されることを特徴と
    するコンフォーカル顕微鏡。
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