JP2003098334A - カラーフィルターの製造方法 - Google Patents

カラーフィルターの製造方法

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JP2003098334A
JP2003098334A JP2001290681A JP2001290681A JP2003098334A JP 2003098334 A JP2003098334 A JP 2003098334A JP 2001290681 A JP2001290681 A JP 2001290681A JP 2001290681 A JP2001290681 A JP 2001290681A JP 2003098334 A JP2003098334 A JP 2003098334A
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photosensitive resin
color filter
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transparent substrate
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JP2001290681A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Masuda
増田  敏幸
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成材料の転写によりカラーフィルター
を形成する方法において透明基板の非画像形成部に実質
的に画像形成材料の現像残膜が無い優れたカラーフィル
ターを形成しうる製造方法を提供する。 【解決手段】 カラーフィルターの製造工程が、(1)
着色感光性樹脂層を仮支持体上に設けた画像形成材料の
該感光性樹脂層を透明基板に加熱しながら密着させる工
程と、(2)該仮支持体を剥離する工程と、(3)該感
光性樹脂層にパターン露光する工程と、(4)該感光性
樹脂層を現像する工程と、(5)パターニングされ現像
された該感光性樹脂層を有する上記透明基板表面を、少
なくとも界面活性剤を含む現像残膜除去液で高圧噴射し
その後にアッシング処理する工程と、(6)上記(1)
〜(5)の各工程を、異なる色相に着色された画像形成
材料について繰り返す工程、を含むことを特徴とするカ
ラーフィルターの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶カラーディスプ
レー等に使用するカラーフィルターの製造方法に関し、
特にその製造工程における現像残膜の効果的な除去方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示用カラーフィルターは、ガラス
等の透明基板上に赤色、緑色、青色のドット状画像をそ
れぞれマトリックス状に配置し、その境界をブラックマ
トリックスで区分した構造である。このようなカラーフ
ィルターの製造方法としては、従来、支持体としてはガ
ラス等の透明基板を用い、1)染色法、2)印刷法、
3)特開昭63─298304号、特開昭63─309
916号或いは特開平1─152449号公報等の明細
書に記載の着色した感光性樹脂液の塗布と露光及び現像
の繰り返しによる着色感光性樹脂液法(着色レジスト
法)、4)特開昭61─99103号、特開昭61─2
33704号或いは特開昭61─279802号公報明
細書に記載されているように、仮支持体上に形成した画
像を順次、最終又は仮の支持体上に転写する方法、5)
特開昭61─99102号公報に記載されているよう
に、予め着色した感光性樹脂液を仮支持体上に塗布する
ことにより着色層を形成し、順次直接、透明基板上にこ
の感光性着色層を転写し、露光して現像することを色の
数だけ繰り返す方法等により多色画像を形成する方法が
知られている。その他にも電着法或いは蒸着法等の方法
も知られている。
【0003】次いで、カラーフィルターの物理的化学的
保護と表面の平坦化を目的とする保護膜をその上に形成
することがある。保護膜としてはアクリル系、ウレタン
系、シリコーン系等の樹脂皮膜や酸化珪素等の金属酸化
物皮膜の様な透明性の高い皮膜をスピンコート、ロール
コート、印刷法等により塗布し、必要に応じて水平放
置、溶剤除去を行い、硬化させるといった方法が一般的
に用いられている。更にその上に、スパッタリング法や
真空蒸着法等の真空成膜法を用いて、酸化インジウム錫
(ITO)や酸化錫のような透明導電性の皮膜を成膜さ
せた後、エッチング法等により電極パターン加工を行
い、透明電極層を形成する。透明電極層は、着色画像と
ブラックマトリックス層の下で、透明基板の上に形成す
ることもある。
【0004】カラーフィルター製造に関する着色画像形
成の従来の主な方法において、1)染色法ではフォトレ
ジスト塗布及び乾燥した透明な膜の部分的染色を繰り返
すため、防染層の形成と除去の反復が必要であり、製造
工程が煩雑であった。2)印刷法では、ガラスへの印刷
インキの転写性が劣るため、着色パターンの形状欠陥や
濃度むらを生じ易く、更に3色或いは4色のパターンの
位置合わせの点でも不利であり、この方法による品質の
良いフィルターの作製は困難であった。3)の方法で
は、着色層の濃度は着色層の厚みで決まるため、着色層
の濃度を一定にするためには極めて精密な塗布技術を必
要とした。更に、第1色目を形成後、第2色目の着色層
を塗布するのは、第1の着色層に基づく表面の凹凸のた
め、実際には均一な塗布層を得るのが困難であった。更
に、4)の方法は最終支持体への着色画像の転写時に各
色の画像を所望の位置に正しく配置する(以下、「位置
合わせ」と称することがある。)ことが困難であった。
5)の方法は着色画像の形成の工程が簡略化され、露光
や現像、濃度管理が容易であり、更に各着色画像の位置
合わせに関して転写操作でのズレを生成しないので本質
的に優れている。また、予め一定の厚さで均一に塗布さ
れた着色感光性樹脂層を転写することから、露光及び現
像特性も安定し、得られる最終着色画像の光学濃度管理
も容易である。
【0005】しかしながら、加熱転写という方法を用い
るために、転写時の熱で感光性樹脂層の一部が熱重合
し、現像処理後、透明基板の非画像形成部即ちパターニ
ングの際露光されず現像工程で感光性樹脂層が除去され
る部分に、熱重合物が薄い残膜として残る傾向がある。
この残膜は混色を引き起こし、また液晶パネルに組み上
げるために2枚の基板を非画像形成部で接着剤で接合し
た時に、接着強度を低下させる原因となる。
【0006】上記残膜に起因する不具合を回避するため
に、例えば、特開平6─258514号公報において
は、界面活性剤を主成分として含む現像残膜除去用液中
でブラシ擦りする方法が提案され、ある程度の効果が得
られている。しかしながら、近年、いわゆるCOA(C
olor Filter on Alley)が盛んに
なってきており、この場合には画素上の透明電極とTF
T電極とを導通させる目的で、画素にコンタクトホール
が形成されるが、20μ前後という極小の穴ゆえにブラ
シ擦りの効果が充分ではなく、コンタクトホール底の電
極表面にも残膜が堆積し、導通不良を引き起こすという
問題が発生する。また、ブラシ擦りする方法は、それが
過度になった場合に、画素を損傷したりアレイ配線を傷
つけたりするという問題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、転写
法によるカラーフィルターの製造において、画素やアレ
イ配線を損傷することなく現像残膜を実質的に完全に除
去して、着色感光性樹脂層の接着阻害のない製造方法を
提供することにある。また、COAにおいて、導通不良
を起こさないカラーフィルターの製造方法を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記の
手段により達成された。 <1> 複数の着色感光性樹脂層を透明基板上に転写し
てカラーフィルターを製造する工程において、(1)着
色感光性樹脂層を仮支持体上に設けた画像形成材料の、
該感光性樹脂層を透明基板に加熱しながら密着させる工
程と、(2)該仮支持体を剥離する工程と、(3)該感
光性樹脂層にパターン露光する工程と、(4)該感光性
樹脂層を現像する工程と、(5)パターニングされ現像
された該感光性樹脂層を有する上記透明基板表面を、少
なくとも界面活性剤を含む現像残膜除去液で高圧噴射
し、その後にアッシング処理する工程と、(6)上記
(1)〜(5)の各工程を、異なる色相に着色された画
像形成材料について繰り返す工程、を含むことを特徴と
するカラーフィルターの製造方法。 <2> 前記アッシング処理を、ポストベーク前に行う
ことを特徴とする上記<1>に記載のカラーフィルターの
製造方法。 <3> 前記アッシング処理を、更に最終ポストベーク
後にも行うことを特徴とする上記<2>に記載のカラーフ
ィルターの製造方法。 <4> 前記現像液及び現像残膜除去液が、実質的に金
属イオンを含まないことを特徴とする上記<1>に記載の
カラーフィルターの製造方法。 <5> 前記透明基板が、TFT用アレイ基板であるこ
とを特徴とする上記<1>に記載のカラーフィルターの製
造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のカラーフィルターの製造
方法は、(1)着色感光性樹脂層を仮支持体上に設けた
画像形成材料の、該感光性樹脂層を透明基板に加熱しな
がら密着させる工程と、(2)該仮支持体を剥離する工
程と、(3)該感光性樹脂層にパターン露光する工程
と、(4)該感光性樹脂層を現像する工程と、(5)パ
ターニングされ現像された該感光性樹脂層を有する上記
透明基板表面を、少なくとも界面活性剤を含む現像残膜
除去液で高圧噴射し、その後にアッシング処理する工程
と、(6)上記(1)〜(5)の各工程を異なる色相に
着色された画像形成材料について繰り返す工程、を含む
ことを特徴とする。以下、画像形成材料、着色感光性樹
脂層、カラーフィルターの製造方法等について詳細に説
明する。
【0010】(画像形成材料)先ず、着色された感光性
樹脂層を仮支持体上に設けた画像形成材料について述べ
る。本発明で用いる着色感光性樹脂層のための仮支持体
としては、可撓性を有し加圧、或いは加圧及び加熱下に
おいても著しい変形、収縮もしくは伸びを生じないこと
が必要である。そのような支持体の例としては、ポリエ
チレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルローズフ
ィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム等を挙げることができる。特に、2軸延伸ポリエチ
レンテレフタレートフィルムが、機械的及び熱的特性に
優れているので好ましい。
【0011】該仮支持体の上には、着色した感光性樹脂
層を直接、もしくは紫外線透過性を有し酸素透過率が低
い中間層を介して設ける。更に、転写時の気泡混入を避
ける目的で、熱可塑性樹脂層(クッション層)を設ける
のが好ましい。この場合は、仮支持体上に熱可塑性樹脂
層、中間層、感光性樹脂層の順に積層するのが好まし
い。中間層は、着色した感光性樹脂層を透明基板に密着
した後で、仮支持体を剥離し、パターン露光するに際
し、着色した感光性樹脂層中での光硬化反応を阻害する
空気中からの酸素の浸透を防止する為と、3つの層を積
層する場合に熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層が混じり合
わないようにするためのバリアー層として設けられる。
そのため、着色した感光性樹脂層からは機械的に剥離で
きないようにし、且つ酸素の遮断性能が高いことが好ま
しい。
【0012】前記中間層は、ポリマー溶液を仮支持体上
に直接又は熱可塑性樹脂層を介して塗布することにより
形成される。適当なポリマーとしては、特公昭46−3
2714号及び特公昭56−40824号の各公報に記
載されているポリビニルエーテル/無水マレイン酸共重
合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶
性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水
溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、各種のポリアクリルアミド類、各種の水溶性ポリア
ミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレン
オキサイド重合体、各種の澱粉及びその類似物からなる
群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、及び
マレイネート樹脂、及びこれらの2種以上の組合せが挙
げられる。
【0013】特に好ましいのは、ポリビニルアルコール
とポリビニルピリドンの組合せである。ポリビニルアル
コールは鹸化率が80%以上であるものが好ましく、ポ
リビニルピロリドンの含有量は中間層固形分の1質量%
〜75質量%が好ましく、より好ましくは1質量%〜6
0質量%、更に好ましくは10質量%〜50質量%であ
る。該含有量が1質量%未満では、感光性樹脂層との十
分な密着が得られないことがあり、75質量%を超える
と、酸素遮断能が低下することがある。中間層の厚みは
非常に薄くてよく、約0.1〜5μmが好ましく、特に
0.2〜2μmが好ましい。該厚みが0.1μm未満だ
と、酸素遮断性能が不十分なことがあり、一方5μmを
超えると、現像時又は中間層除去時に時間が掛かり過ぎ
る場合がある。
【0014】熱可塑性樹脂層を構成する樹脂としては、
軟化点が実質的に80℃以下であることが好ましい。軟
化点が80℃以下のアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂とし
ては、エチレンとアクリル酸エステルの共重合体の鹸化
物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体の
鹸化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル
共重合体の鹸化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体の鹸化物等から少なくとも1
つ選ばれるのが好ましい。更に、「プラスチック性能便
覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック
成形工業連合会編著、工業調査会刊行、1968年10
月25日)による軟化点が約80℃以下の有機高分子の
内、アルカリ水溶液に可溶なものを使用することが出来
る。
【0015】軟化点が80℃以上である有機高分子物質
であっても、その有機高分子物質中に該高分子物質と相
溶性のある各種の可塑剤を添加して、実質的な軟化点を
80℃以下に下げたものを使うことも可能である。ま
た、これらの有機高分子物質中に仮支持体との接着力を
調節するために、実質的な軟化点が80℃を超えない範
囲で、各種のポリマーや過冷却物質、密着改良剤或いは
界面活性剤や離型剤等を加えることが可能である。好ま
しい可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、
ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレ
ジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェー
ト、ビフェニルジフェニルフォスフェート等を挙げるこ
とができる。
【0016】前記熱可塑性樹脂層の厚みは、クッション
層として機能するために6μm以上が好ましい。この理
由としては熱可塑性樹脂層の厚みが5μm以下である
と、1μm以上の下地の凹凸を完全に吸収することが出
来ない場合があり、転写時に下地との間に気泡が生じ易
くなるためである。また上限については、現像性及び製
造適性の観点より100μm以下、好ましくは50μm
以下である。
【0017】(感光性樹脂層)感光性樹脂層は少なくと
も150℃以下の温度で軟化もしくは粘着性を帯びるこ
とが好ましく、そのため熱可塑性であることが好まし
い。公知の光重合性組成物を用いた層の大部分は上記性
質を有するが、公知層の一部は、熱可塑性バインダーの
添加あるいは相溶性の可塑剤の添加によって更に改質す
ることが出来る。
【0018】本発明の感光性樹脂層の主剤としては、公
知の感光性樹脂の全てが使用できる。具体的には、ネガ
型ジアゾ樹脂とバインダーからなる感光性樹脂層、光重
合性組成物、アジド化合物とバインダーからなる感光性
樹脂組成物、桂皮酸型感光性樹脂組成物等があげられ
る。その中でも、特に好ましいのは光重合性樹脂であ
る。該光重合性樹脂は光重合開始剤、光重合性モノマー
及びバインダーを基本構成要素として含む。該感光性樹
脂としては、アルカリ水溶液により現像可能なものと、
有機溶剤により現像可能なものが知られているが、公害
防止及び労働安全の確保の観点から、アルカリ水溶液で
現像可能なものが好ましい。
【0019】感光性樹脂層には更にカラーフィルターの
構成色である赤色、緑色、青色、黒色の顔料を添加する
が、これら顔料の好ましい具体例としては、カーミン6
B(C.I.12490)、フタロシアニングリーン
(C.I.74260)、フタロシアニンブルー(C.
I.74160)、カーボンブラック等を挙げることが
できる。着色された感光性樹脂中の顔料の含有量は、1
〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは5
〜20質量%である。
【0020】本発明に用いる画像形成材料は、仮支持体
上に着色された感光性樹脂溶液を塗布し乾燥することに
よって得られる。更に、必要に応じて熱可塑性樹脂層及
び中間層を設けることができるが、その場合には、先ず
熱可塑性樹脂層溶液を塗布し乾燥することにより、熱可
塑性樹脂層を設け、その後該熱可塑性樹脂層の上に熱可
塑性樹脂層を溶解しない溶剤からなる中間層材料の溶液
を塗布し乾燥して、その後感光性樹脂層を、該中間層を
溶解しない溶剤を用いて塗布し乾燥して設ける。
【0021】(カラーフィルター製造方法)次に、上述
したような方法で作成した画像形成材料を用いて、カラ
ーフィルターを製造する工程を説明する。本発明の画像
形成材料を用いてカラーフィルターを製造する場合、ブ
ラックマトリックス遮光層の形成方法により少なくとも
2通りの工程を選択することが出来る。その1つはブラ
ックマトリックス遮光層を金属薄膜で形成する方法で、
もう1つは赤色、緑色、青色の各画素と同様に画像形成
材料の転写により設ける方法である。金属薄膜を用いる
場合は赤色、緑色、青色の各画素形成に先立って、金属
薄膜によるブラックマトリックス遮光層を形成するのが
好ましく、一方画像形成材料の転写によりブラックマト
リックス遮光層を形成する場合には、赤色、緑色、青色
の各画素形成後に設けるのが好ましい。
【0022】金属薄膜によるブラックマトリックス遮光
層は、約1mm厚のガラス基板にスパッタリング或いは
真空蒸着等の方法により、厚さ100〜300nmの金
属Cr膜を形成し、フォトリソグラフィーによりマトリ
ックス状にパターニングすることにより得られる。金属
薄膜としては金属Cr以外にも種々の材料を用いること
が可能であるが、膜が黒色であること、更にガラス基板
との密着性、膜の緻密性、光遮断性能の点からは金属C
rが好ましい。
【0023】先ず、約1mm厚の透明ガラス基板(若し
くは、金属Crのブラックマトリックス遮光層形成基
板)の上に、画像形成材料の感光性樹脂層を加温加圧下
で貼り合わせる。この場合、感光性樹脂層と透明ガラス
基板との密着力を向上させる目的で、予め透明ガラス基
板にシランカップリング剤等の下塗を施してもよい。貼
り合わせには、従来公知のラミネーターや真空ラミネー
ターが使用でき、より生産性を高めるためには、オート
カットラミネーターの使用が望ましい。この貼り合わせ
の際の温度は、画像形成材料側で測定して、50〜18
0℃、好ましくは100〜160℃である。感光性樹脂
層中には、通常好ましくない熱重合を抑える目的で重合
禁止剤が添加されているが、該熱重合を完全には抑止で
きず、現像後、ガラス基板上の非画像部に残膜が発生す
る。この残膜は、転写時の温度、即ち感光性樹脂層の温
度が高くなる程発生し易くなる。通常は100℃を越え
ると発生が始まり、110℃を越えると促進され、更に
120℃を越えると急激に増加する傾向にある。残膜の
発生は、熱重合が起こらない低温で転写すれば防ぐこと
はできる。
【0024】しかしながら、2色目以降の転写の際には
既に画素が形成されており、転写温度が低いとこの既設
画素による表面の凹凸への追従が困難となるため気泡を
巻き込むので、別種の欠陥が発生してしまう。この凹凸
への追従を良くするためには感光性樹脂層及び熱可塑性
樹脂層を十分に軟化させる必要があり、その為には残膜
発生が急激に増える120℃以上にまで上げることとな
る。ラミネーターのローラーの表面温度は、この条件に
合わせて適宜選択する。転写速度は通常0.1m/分〜
3m/分程度で行う。量産性を考慮すれば、通常、気泡
の巻き込みが無い範囲内で最高速度を選択する。この速
度は、感光性樹脂層及び熱可塑性樹脂層の物性、ラミネ
ート温度、ラミネート圧力等により適切に決定される。
【0025】その後仮支持体を剥がした後で、所定のフ
ォトマスクを通し、上記感光性樹脂層を露光し、現像す
る。この際、仮支持体を剥がす場合に熱可塑性樹脂層も
一緒に剥がすのが高い解像度を得るためにも、また現像
時間を短縮するためにも好ましい。仮支持体、熱可塑性
樹脂層、中間層、及び感光性樹脂層の各層間の密着力バ
ランスを制御することで、この熱可塑性樹脂層の剥がし
は可能である。また、仮支持体を剥がす前に露光し、そ
の後仮支持体を剥がして現像することも可能であるが、
高解像度を得るためには、露光前に仮支持体を剥がすの
が好ましい。
【0026】現像は公知の方法で、溶剤系もしくは水性
の現像液、特にアルカリ水溶液に浸漬するか、スプレー
から現像液を噴射すること、更には超音波を印加しなが
ら現像処理することで行われる。
【0027】本発明においては、非画像形成部分の現像
残膜を除去するために、パターニングされ現像された該
感光性樹脂層を有する透明基板表面を、少なくとも界面
活性剤を含む現像残膜除去液で高圧噴射し、その後にア
ッシング処理する。本発明にて使用される現像残膜除去
液としては、従来公知の洗浄液を広汎に使用できるが、
中でも、少なくとも一種のアニオン系界面活性剤と、及
び/又は少なくとも一種のノニオン系界面活性剤とアル
カリ剤を含む水溶液を用いることが、残膜除去の効果が
一層向上するので好ましい。
【0028】現像残膜除去液として水だけを使用した場
合には、残膜が十分には除去できず、また現像液そのも
のを使用した場合には、過現像になり画素周辺部がサイ
ドエッチされてしまう。現像液濃度を薄くすることによ
って、この過現像は抑えられるので、これを使用するこ
とも可能であるが、専用の薬液を使用する方が好まし
い。
【0029】本発明において、現像残膜除去液に含有さ
れる前記アニオン系界面活性剤としては、特に限定はさ
れない。例えば、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スル
ホン酸塩等を挙げることができる。汎用のカラーフィル
ターを形成する時には、ナトリウム等の金属イオンが含
まれていてもよいが、COA用途のカラーフィルターの
場合には、金属イオンは含まれていない方が好ましい。
これらのアニオン系界面活性剤は一種単独でも使用で
き、又二種以上を組み合わせて使用することも出来る。
【0030】本発明において、現像残膜除去液に含有さ
れる前記ノニオン系界面活性剤としては、特に限定はさ
れない。例えば、ポリオキシエチレン等のエーテル類、
ポリオキシエチレン等のエステル類、アルキルアミン類
等を挙げることができる。これらのアニオン系界面活性
剤は一種単独でも使用でき、又二種以上を組み合わせて
使用することも出来る。
【0031】本発明の現像残膜除去液で、残膜除去効果
を高める目的でアルカリ剤を添加するのが好ましい。汎
用のカラーフィルターを形成する時には、水酸化ナトリ
ウムのような無機アルカリが含まれていてもよいが、C
OA用途にはモノエタノールアミン、トリエタノールア
ミン等の有機アルカリ剤が好ましい。更に、発泡を抑制
する目的で消泡剤が含まれていてもよい。
【0032】本発明において、現像残膜除去液中の界面
活性剤の濃度は、0.005〜1.0質量%が好まし
く、特に0.01〜0.5質量%であることが好まし
い。更に、アルカリ剤の濃度は、0.005〜5.0質
量%が好ましく、特に0.01〜3.0質量%であるこ
とが好ましい。
【0033】本発明では、パターニングされ現像された
感光性樹脂層を有する透明基板表面を、上述したような
現像残膜除去液で高圧噴射し、その後にアッシング処理
することにより現像時の残膜を完全に除去することが出
来る。高圧噴射のみでは、通常、基板のガラス面の洗浄
が不十分である場合が多く、アッシング処理のみでは、
コンタクト穴内の現像残膜を完全に除去することが難し
い。高圧噴射して、その後にアッシング処理を実施する
ことによって、コンタクト穴内及び基板表面を完全に洗
浄でき、現像残膜を実質的に除去することが出来る。
【0034】また、本発明においては、パターン露光さ
れた感光性樹脂層を現像する工程で使用する現像薬液、
及び高圧噴射処理の工程で使用する現像残膜除去用の薬
液には、金属イオンが実質的に含まれていないことが好
ましい。現像液及び現像残膜除去液に金属イオンが含ま
れていると、TFT作動上で不具合を引き起こすことが
ある。
【0035】本発明の前記高圧噴射の具体的な処理条件
には特に制限はなく、所与の基板形状、露光パターン、
感光性物質性状、残膜除去液性状等に応じて適切に選定
できる。高圧噴射用の薬液の液温は20〜50℃が好ま
しく、25〜40℃が更に好ましい。高圧噴射の圧力
は、5〜10MPaが好ましく、10〜15MPaが更
に好ましい。一般的に、薬液温度と噴射圧力は高い方が
洗浄効果も期待できるが、一方、熱損傷若しくは加圧破
損の危険性も増大するので、加温及び加圧の限界はこの
点を考慮して決められる。基板と噴射ノズル間の距離
も、洗浄効果乃至は効率と損傷回避の兼ね合いより適宜
に選定されるが、一般的には50〜200mmが好まし
く、80〜150mmが更に好ましい。基板の搬送速度
は、薬液の噴射流量との兼ね合いより適切に選定される
が、一般的には生産性向上の観点より、搬送速度を1m
/分或いはそれ以上の搬送速度を維持できるよう噴射流
量を設定するのが望ましい。
【0036】本発明の高圧噴射には、発明の趣旨に適う
市販の高圧噴射洗浄装置(システム)を好適に利用する
ことが出来る。この目的に合致する市販の高圧噴射洗浄
装置(システム)としては、例えば、旭サナック(株)
製の超高圧マイクロジェット精密洗浄システム「HPM
JAF5400S」、島田理化工業工業(株)製のバブ
ルジェット(R)システム等を挙げることができる。
【0037】本発明では、上述の現像残膜除去液での高
圧噴射の後にアッシング処理することが特徴であり、こ
の二つの洗浄処理により現像時の残膜を完全に除去する
ことが出来る。上記アッシング処理は、後述する各色の
画像形成後に実施される加熱処理(ポストベーク)或い
は露光処理(ポスト露光)の後工程として実施されても
よいが、以下に述べる理由により、該ポストベーク或い
はポスト露光の前に実施されるのが好ましい。
【0038】本発明のような転写法によるカラーフィル
ターの製造においては、加熱加圧の下に基板上に着色感
光性樹脂層を貼り付けるが、下地との間に充分な密着力
を確保するために、通常、下地表面にシランカップリン
グ処理等の密着促進処理が行われる。このシランカップ
リング処理は、普通は最初の1色目のパターン形成前感
光性樹脂層の転写前にのみ行われる。着色感光性樹脂層
の現像後、基板表面(先行形成画素以外の表面)には現
像残膜が残り、これは色数を追う毎に堆積して行く。現
像残膜には着色感光性樹脂層中の界面活性剤が含まれ、
これが次色の密着を阻害し、転写後、仮支持体を剥離す
る際に着色感光性樹脂層も剥がれてしまうという不具合
を引き起こす。
【0039】そこで、界面活性剤を含む薬液を高圧で吹
き付けたり、アッシングしたりして、この残膜を除去す
る必要が生じる。当然、COAにおいてはコンタクト穴
内の残膜を除去するという目的もある。しかしながら、
残膜を完全に除去してしまうと、基板表面は素面ガラス
と同質の表面になり、密着促進効果のあるシランカップ
リング剤が残存せず、次色の転写時に着色感光性樹脂層
の剥がれが生じる場合がある。
【0040】一方、現像後のポストベーク処理では、パ
ターニングされた着色感光性樹脂層からモノマーや高分
子成分分解物が蒸発して基板表面に再付着する。この再
付着物質は着色感光性樹脂層の密着を促進する作用があ
ることが分かっている。従って、アッシング処理はポス
トベーク前に実施して完全に残膜を除去した後、改めて
ポストベークで蒸発物を基板表面に再付着させるのであ
る。この再付着物の量は極めて僅かであるため、電極の
導通には殆ど影響しないものであるが、信頼性を高める
ためには、最終色の形成後には、ポストベーク後に再度
アッシング処理するのが好ましい。
【0041】本発明の前記アッシング処理としては、例
えば、大気中で低圧水銀灯で紫外線を照射する方法(い
わゆるUV洗浄処理)や、真空中で高圧高周波を印加し
てプラズマを発生させる方法(いわゆるプラズマエッチ
ング処理)等が挙げられるが、大気中で簡便に行える処
理としてUV洗浄処理の方法が好適である。
【0042】前記UV洗浄処理の具体的な処理条件には
特に限定はなく、所与の基板形状、露光パターン、感光
性物質性状等に応じて適切に選定できる。使用する低圧
水銀ランプとしては、例えばVUV−100/A−5.
3U(オーク社(株)製)等が挙げられ、またエキシマ
UVランプ照射も好適である。
【0043】高圧噴射処理とアッシング処理は、現像後
直ちに出来るようにインライン化することが好ましい。
現像と高圧噴射処理及びアッシング処理を別々の装置で
行う際には、現像後に一旦、感光性樹脂層を水洗して現
像を停止する必要がある。
【0044】高圧噴射とアッシングを終えた基板は、次
の色相の画像形成材料の転写工程に移る前に、該基板を
加熱処理(ポストベーク)するか、パターン形成された
該感光性樹脂層を硬化しうる波長域を含む光を照射する
工程のいずれか一方、又は両方を入れるのが好ましい。
【0045】カラーフィルターを作成するためには赤
色、緑色、青色、黒色(遮光層を金属膜で形成する場合
は黒色は不要)と4回の処理プロセスが必要になるた
め、第1番目に形成した着色画像では4回、2番目に形
成した着色画像では3回、3番目に形成した着色画像で
は2回と、複数回現像処理されることになる。このこと
は過現像による画素形状の崩れを引き起こす結果とな
る。現像後に高圧噴射処理を行うと更にこの傾向が強く
なる。そこで、各色の画像形成後、上述した方法(ポス
トベーク)で画像を十分硬化させるのが好ましい。加熱
処理の場合、温度は100℃〜300℃、好ましくは1
50℃〜250℃の範囲で、処理時間は基板がその温度
に達してから1分〜180分、好ましくは5分〜120
分の範囲である。
【0046】加熱処理(ポストベーク)の方法として
は、従来公知の種々の方法を使うことが出来る。即ち、
複数枚の基板をカセットに収納してコンベクションオー
ブンで処理する方法、ホットプレートで1枚ずつ処理す
る方法、赤外線ヒーターで処理する方法等である。
【0047】光照射の場合は感光性樹脂層を硬化しうる
波長域、本発明の場合は365nm、405nmを含む
光を照射する(これを以降「ポスト露光」と称すること
がある。)照射は画像形成面、その反対面、又はその両
側から行ってもよい。照射量は片側5mJ/cm2
上、好ましくは50mJ/cm2以上、さらに好ましく
は200mJ/cm2以上であり、上限は特にないが、
製造適性を考慮すれば、3000mJ/cm2程度以下
である。照射の方法は、超高圧水銀灯又は高圧水銀灯か
らの光を1枚ずつ一括露光する方法、画像形成基板をコ
ンベアで搬送しながら上方から、または下方から、ある
いは両方から照射する方法等、公知の技術が利用でき
る。
【0048】画像形成材料の貼り合わせから、加熱処理
(もしくはポスト露光)迄の工程を赤色、緑色、青色、
黒色について繰り返せば、カラーフィルターを形成する
ことが出来る。当然、金属薄膜により予め遮光層を形成
したガラス基板を用いた場合は黒色画像形成工程は省く
ことが出来る。
【0049】更に、必要に応じて、カラーフィルター表
面の物理的化学的保護と平坦化を目的とする保護層をカ
ラーフィルターに積層して設けてもよい。保護層として
は、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系等の樹脂皮
膜や、酸化珪素等の金属酸化物のような透明性の高い皮
膜が用いられるが、その形成方法としては樹脂皮膜は、
スピンコート、ロールコート、印刷法等のほか、上述し
た画像形成材料のように転写により形成することもでき
る。また、金属酸化物等の無機皮膜については、スパッ
タリング法、真空蒸着法等によって設ける事が出来る。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、本実施例においては特に断りのない限り、
「部」及び「%」は全て「質量部」及び「質量%」を表
す。
【0051】[実施例1]厚さ75μmのポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルムの仮支持体上に下記
の処方(A)からなる塗布液を塗布し乾燥させ、乾燥膜
厚が15μmの熱可塑性樹脂層を設けた。この樹脂層
は、複数層の画素を順次ラミネートにより形成する際
に、既形成画素の存在に起因する気泡の混入を防止する
機能を有する。
【0052】 <熱可塑性樹脂層処方:A> ・メチルメタクリレート/2─エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリ レート/メタクリル酸共重合体(共重合モル組成比=55/11.7/4.5 /28.8、質量平均分子量=80000) 4.5 部 ・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合質量組成比=70/30、質量平均分 子量=8000) 10.5部 ・BPE−500(新中村化学(株)製) 7部 ・F177P(大日本インキ(株)製のフッ素系界面活性剤) 0.26部 ・メチルエチルケトン 18.6部 ・メタノール 30.6部 ・1−メトキシ−2−プロパノール 9.3部
【0053】次に上記熱可塑性樹脂層の上に下記処方B
からなる塗布液を塗布し乾燥させ、乾燥膜厚が1.6μ
mの中間層を設けた。この層は、次にこの層上に形成さ
れる着色層と先に形成した熱可塑性樹脂層が混じり合わ
ないようにするためのバリアー層として働くものであ
る。また、酸素遮断膜としても機能する。
【0054】 <中間層処方:B> ・ポリビニルアルコール(クラレ(株)製の「PVA205」) 13部 ・ポリビニルピロリドン(五協産業(株)製の「PVP─K30」) 6部 ・メタノール 173部 ・水 211.4部
【0055】上記熱可塑性樹脂層及び中間層が設けられ
た仮支持体の上に、それぞれ表1の処方を有する、赤色
(R層用)、緑色(G層用)、青色(B層用)の3色の
感光性溶液を塗布し乾燥させ、それぞれ乾燥膜厚が2μ
mの着色感光性樹脂層を形成した。
【0056】
【表1】
【0057】更に、上記着色感光性樹脂層の上に厚さ1
2μmのポリプロピレン製の被覆フィルムを貼り付け
て、赤色、青色、緑色の画像形成材料を作成した。この
画像形成材料を用いて、以下に述べる方法でカラーフィ
ルターを作製した。
【0058】先ず、洗浄した厚さ0.7mmで400m
m×300mmのアレイ基板(TFT素子が形成された
透明ガラス基板で、ほぼ全面がSiNxで覆われ、各画
素毎のコンタクトホールとなるべき個所にはAl電極が
形成されている。)をシランカップリング剤(信越化学
(株)製の「KBM−603」)の0.3%水溶液中に
30秒間浸漬した後、30秒間純水でリンスしてエアー
ナイフで乾燥した。この処理は、着色感光性樹脂層とガ
ラス基板との密着性を向上させるためのものである。
【0059】次に、上記赤色画像形成材料(転写フィル
ム)の被覆フィルムを剥離しながら、着色感光性樹脂層
面を、100℃に加熱した透明ガラス基板に向けてラミ
ネーター(ソマール(株)製のオートカットラミネータ
ー「ASL−24」)を用いて加熱(130℃)、加圧
(2MPa)して貼り合わせた。続いて、基板が常温に
なった後、剥離界面と基板表面をイオナイザーで除電し
ながら仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮
支持体を除去した。
【0060】次に、所定のフォトマスクを介して露光し
現像し、その後下記に示す現像残膜除去液中を、旭サナ
ック(株)製の超高圧マイクロジェット精密洗浄システ
ム「HPMJ−AF5400S」を用いて、ノズルと基
板間の距離を100mmに設定して、10MPaの圧力
で噴射して、水洗し水切りし、ポスト露光後、下記の条
件でアッシング処理を実施して、コンベクションオーブ
ンで加熱処理して、透明ガラス基板上に赤色画素パター
ンを形成した。該画素にはアレイ基板の電極位置に20
μφのコンタクト穴が形成されている。
【0061】 <現像残膜除去液処方> ・トリエタノールアミン 1.5g ・竹本油脂(株)製の「パイオニンD−3120P」 0.075g ・純水 98.43g
【0062】<アッシング処理条件> ・アッシング処理装置:オーク社(株)製のUVドライ
プロセッサー「HMW−615N−4」 ・使用ランプ:オーク社(株)製の「VUV−100/
A−5.3U」7灯(低圧水銀ランプ) ・照射距離:25mm、・照度:25mm、・処理時
間:4分
【0063】続いて、赤色画素パターンが形成された上
記基板上に、上記と同様にして緑色画像形成材料を貼り
合わせ、剥離、露光、現像、高圧噴射、アッシング処
理、水洗、水切り、加熱処理を行い、緑色画素パターン
を形成した。更に、同様な工程を青色画像形成材料で繰
り返し、アレイ基板上にカラーフィルターを作製した。
上述の転写、露光、現像、高圧噴射、アッシング処理、
及び加熱処理の各条件は下記表2に示す通りである。
【0064】
【表2】
【0065】表2の記載事項の補足説明及びその他の条
件を下記に記載する。 (1)現像1は、熱可塑性樹脂層と中間層を溶解除去す
るための現像で、現像液としてトリエタノールアミン1
%水溶液を用い、温度33℃でシャワー現像した。 (2)現像2では、着色感光性樹脂層を現像し、現像液
として下記処方液を使用して、温度33℃でシャワー現
像した。 <現像液処方> ・モノエタノールアミン 6.11g ・竹本油脂(株)製の「パイオニンD−3120P」 6.8g ・旭電化(株)製の「WTC−1146」 0.1944g ・酢酸 3.57g ・純水 469.55g (3)HPMJ(高圧噴射)処理は、温度33℃で現像
残膜除去液を基板とノズル間距離100mm、基板搬送
速度2m/分、圧力10MPaで行った。 (4)ポスト露光は、高圧水銀ランプで500mJ/c
2照射した。 (5)アッシング処理は、R(赤色)層用とG(緑色)
層用は加熱処理(ポストベーク)前に、B(青色)層用
は加熱処理(ポストベーク)前後に実施した。 (6)加熱処理は、コンベクションオーブン中で基板が
設定温度(220℃)に達してからの時間を示す。
【0066】上述の条件により処理したカラーフィルタ
ーは、画像形成材料の密着工程から仮支持体の剥離工程
にかけて、該感光性樹脂層面の剥がれは無く、カラーフ
ィルターを作製できた。また、暗室でのプロジェクター
ランプ照射によるテストにおいて、非画像形成部に実質
的に現像残膜が見られず、顕微鏡観察でも、画像の汚れ
や、傷、剥がれが無く、申し分の無いものであった。更
に、各画素のコンタクト穴内の電極表面の現像残膜は実
質的に存在せず、この後画素上に形成されたITO画素
電極との導通も完全に得られた。
【0067】[比較例1]実施例1において、現像残膜
除去液での高圧噴射とその後のアッシング処理の工程を
除いたこと以外は、実施例1と同じ条件でカラーフィル
ターを作製した。その結果、3色目の青色(B)の画像
形成材料の密着後、仮支持体を剥離する際に、ほぼ全面
に亙って青色の着色感光性樹脂層面が剥がれてしまい、
カラーフィルターとして使用できるものではなかった。
【0068】[比較例2]実施例1において、現像残膜
除去液での高圧噴射の工程を除いたこと以外は、実施例
1と同じ条件でカラーフィルターを作製した。その結
果、3色目の青色(B)の画像形成材料の密着後、仮支
持体を剥離する際に、ほぼ全面に亙って青色の着色感光
性樹脂層面が剥がれてしまい、カラーフィルターとして
使用できるものではなかった。
【0069】[比較例3]実施例1において、アッシン
グ処理を除いたこと以外は、実施例1と同じ条件でカラ
ーフィルターを作製した。その結果、3色目の青色
(B)の画像形成材料の密着後、仮支持体を剥離する工
程で、約1/3の面積の着色感光性樹脂層面が剥がれて
しまい、カラーフィルターとして使用できるものではな
かった。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、仮支持体上に設けた着
色感光性樹脂層を透明ガラス基板に転写し、仮支持体を
剥離し、パターン露光、現像を行った後、少なくとも界
面活性剤を含む現像残膜除去液で高圧噴射し、その後に
アッシング処理する工程を、異なる色相に着色された画
像形成材料について繰り返すことにより、透明基板の非
画像形成部に実質的に現像残膜が無く、着色感光性樹脂
層面の剥がれもない優れたカラーフィルターを製造する
ことが出来る。特に、COA用カラーフィルターを製造
する際には、コンタクト穴内に現像残膜が実質的に存在
せず、この後画素上に形成されるITO画素電極との間
に完全な導通が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 BA02 BA11 BA45 BA48 BA64 BB01 BB02 BB14 BB42 2H091 FA02Y FC10 FC26 FD04 FD14 FD24 LA03 LA15 LA16 2H096 AA27 AA28 CA16 GA08 HA01 HA30 LA30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の着色感光性樹脂層を透明基板上に
    転写してカラーフィルターを製造する工程において、
    (1)着色感光性樹脂層を仮支持体上に設けた画像形成
    材料の、該感光性樹脂層を透明基板に加熱しながら密着
    させる工程と、(2)該仮支持体を剥離する工程と、
    (3)該感光性樹脂層にパターン露光する工程と、
    (4)該感光性樹脂層を現像する工程と、(5)パター
    ニングされ現像された該感光性樹脂層を有する上記透明
    基板表面を、少なくとも界面活性剤を含む現像残膜除去
    液で高圧噴射し、その後にアッシング処理する工程と、
    (6)上記(1)〜(5)の各工程を、異なる色相に着
    色された画像形成材料について繰り返す工程、を含むこ
    とを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記アッシング処理を、ポストベーク前
    に行うことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィル
    ターの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記アッシング処理を、更に最終ポスト
    ベーク後にも行うことを特徴とする請求項2に記載のカ
    ラーフィルターの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記現像液及び現像残膜除去液が、実質
    的に金属イオンを含まないことを特徴とする請求項1に
    記載のカラーフィルターの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記透明基板が、TFT用アレイ基板で
    あることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ
    ーの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005003892A (ja) * 2003-06-11 2005-01-06 Bridgestone Corp 画像表示装置の製造方法及び画像表示装置
US7766530B2 (en) 2006-10-31 2010-08-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Backlight, a lens for a backlight, and a backlight assembly having the same
US8344039B2 (en) 2007-11-29 2013-01-01 Nissan Chemical Industries, Ltd. Three-dimensional pattern forming material

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