JP2003097806A - 廃棄物のリサイクルシステム - Google Patents

廃棄物のリサイクルシステム

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JP2003097806A
JP2003097806A JP2001289882A JP2001289882A JP2003097806A JP 2003097806 A JP2003097806 A JP 2003097806A JP 2001289882 A JP2001289882 A JP 2001289882A JP 2001289882 A JP2001289882 A JP 2001289882A JP 2003097806 A JP2003097806 A JP 2003097806A
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waste
recycling facility
chemical
recycling
facility
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Kei Matsuoka
慶 松岡
Nobukatsu Kasama
信克 笠間
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Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 システム全体としてのコストを低減し、廃棄
物の性状に応じた最適なリサイクルシステムを利用して
システム全体のリサイクル効率を向上させることができ
る廃棄物リサイクルシステムを提供する。 【解決手段】 廃棄物10を焼却することで発生した熱
を回収して発電又は熱利用を行うサーマルリサイクル設
備100と、廃棄物20を化学工業原料及び燃料等の化
学製品283としてリサイクルするケミカルリサイクル
設備200と、サーマルリサイクル設備100において
生成された電力又は熱のうち、サーマルリサイクル設備
100において必要とされる電力又は熱を超える余剰電
力又は余剰熱をケミカルリサイクル設備200に供給す
る供給経路30,40とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物のリサイク
ルシステム、特に回収された廃棄物を焼却又はガス化し
てリサイクルに利用する廃棄物のリサイクルシステムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】廃棄物問題が年々深刻化する中で、廃棄
物のリサイクル量を増加させ、最終的に廃棄物として処
分される量の削減を図ることが喫緊の課題となってい
る。一口にリサイクルと言っても、その形態は様々であ
り、大きく分けると、廃棄物をリサイクル原料として再
生するマテリアルリサイクルと、廃棄物を熱によりリサ
イクルするサーマルリサイクルとに分けられる。このう
ち、マテリアルリサイクルには、廃棄物を再生材料とし
てリサイクルする材料リサイクルと、廃棄物を化学工業
原料及び燃料等の化学製品としてリサイクルするケミカ
ルリサイクルとがある。
【0003】材料リサイクルは、廃棄物を再生材料とし
てリサイクルするものであるため、対象となる廃棄物は
性状が均一で不純物や夾雑物の混入ができるだけ少ない
ものが好ましい。従って、現状では、容器類や古紙など
のように分別回収システムが確立しているもの以外は、
製品加工時の端材として発生する木材、プラスチック類
の産業廃棄物など、限られた廃棄物への応用に限られて
いる。
【0004】ケミカルリサイクルは、廃棄物を化学工業
原料及び燃料等の化学製品としてリサイクルするもので
あり、廃プラスチック類のガス化処理はその代表例とも
言える。この廃プラスチック類のガス化処理は、廃プラ
スチックの部分燃焼又は乾留により水素、一酸化炭素等
の可燃ガスを主成分とする生成ガスを得るものである。
このようにして得られた生成ガスは、様々な用途に用い
ることができ、水素、アンモニア、酢酸等の化学工業製
品の他、メタノールやジメチルエーテルなどの液体燃料
を得ることも可能である。このようなケミカルリサイク
ルは、化石燃料に代わる合成燃料を廃棄物から得ること
ができるため、廃棄物問題、化石燃料枯渇問題、CO
排出による地球温暖化問題等を一挙に解決できる技術と
して近年注目を浴びている。ガス化の対象となる廃棄物
は、一般にある程度の性状の均一性と高カロリーが要求
されるが、高温プロセスを経るため不純物や夾雑物に対
する制限は緩い。
【0005】サーマルリサイクルは、廃棄物を焼却処理
する過程で発生する熱を回収し、発電利用又は熱利用す
るものであり、都市一般廃棄物の焼却処理においては古
くから行われている形態である。廃棄物を焼却した際の
熱エネルギーのみを利用するので、対象となる廃棄物の
制限は、上述した2つのリサイクルに比べると更に緩
く、焼却可能な廃棄物であればよい。
【0006】これらのリサイクルシステムには、それぞ
れ一長一短があるが、廃棄物リサイクルを推進する上で
資源の有効利用という観点からすると、材料リサイク
ル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルという順
番で優先付けがなされる。即ち、材料リサイクルが可能
な廃棄物は材料リサイクルを行い、これができないもの
はケミカルリサイクルを行い、これもできないものはサ
ーマルリサイクルを行うというのが理想的である。
【0007】しかし、材料リサイクルやケミカルリサイ
クルなどのマテリアルリサイクルは、そのリサイクル効
率や環境負荷の点から優れたものである反面、リサイク
ルに必要な経費が高いという欠点がある。これらのシス
テムでは、前処理工程がサーマルリサイクルに比べて一
般に複雑であることや、電力消費や熱消費などのユーテ
ィリティ消費が多いことなどによる。
【0008】従って、リサイクル業者又は自治体などが
リサイクルシステムの導入を検討する場合には、経済的
な側面からサーマルリサイクルが導入される結果とな
り、材料リサイクルやケミカルリサイクルによる資源の
有効利用が十分に図れていないのが現状である。
【0009】一方、サーマルリサイクルについてみる
と、リサイクルに必要な経費が比較的安い反面、製品で
ある電気や余剰熱(蒸気や温水)などを保存しておくこ
とができず、連続的に外部に供給する必要がある。廃棄
物の焼却にあたっては、ダイオキシン類に代表される微
量有害物質の排出抑制の観点から、近年では24時間連
続操業を行うのが一般的であるが、この場合には電力需
要が低く、売電単価の安い夜間にも連続的に電気を販売
する必要があり、経済性という意味では好ましいもので
はない。また、余剰熱については近隣に需要先がないと
利用できないため、十分な利用が行われていないのが現
状である。
【0010】このような状況から、現状の廃棄物処理
は、「質の高い廃棄物は材料リサイクルやケミカルリサ
イクルに、質の低い廃棄物はサーマルリサイクルに利用
する」という理想に必ずしも合致したものではなく、各
リサイクルの有しているポテンシャル(各リサイクルが
発揮できる能力)を十分に活かし切れている状況とは言
い難い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、システム全
体としてのコストを低減し、廃棄物の性状に応じた最適
なリサイクルシステムを利用してシステム全体のリサイ
クル効率を向上させることができる廃棄物リサイクルシ
ステムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような従来技術にお
ける問題点を解決するために、本発明の一態様は、廃棄
物を焼却することで発生した熱を回収して発電又は熱利
用を行うサーマルリサイクル設備と、廃棄物を化学製品
としてリサイクルするケミカルリサイクル設備と、上記
サーマルリサイクル設備において生成された電力又は熱
のうち、上記サーマルリサイクル設備において必要とさ
れる電力又は熱を超える余剰電力又は余剰熱を上記ケミ
カルリサイクル設備に供給する供給経路とを備えたこと
を特徴とする廃棄物のリサイクルシステムである。
【0013】本発明の他の一態様は、廃棄物を化学製品
としてリサイクルするケミカルリサイクル設備と、廃棄
物を焼却することで発生した熱を回収して発電又は熱利
用を行うサーマルリサイクル設備において生成された電
力又は熱のうち、上記サーマルリサイクル設備において
必要とされる電力又は熱を超える余剰電力又は余剰熱を
上記ケミカルリサイクル設備に供給する供給経路とを備
えたことを特徴とする廃棄物のリサイクルシステムであ
る。ここで、ケミカルリサイクル設備においてリサイク
ルされる化学製品とは化学工業原料及び燃料等の化学製
品をいう。
【0014】このように、サーマルリサイクル設備とケ
ミカルリサイクル設備とを併設することにより、多くの
電力又は熱を必要とするケミカルリサイクル設備にサー
マルリサイクル設備の余剰電力又は余剰熱を供給するこ
とができるので、外部から電力又は熱を供給する量を低
減させたり、あるいは外部からの電力又は熱の供給を行
う必要がなくなり、システム全体としてのコストを低減
することができる。
【0015】また、質の高い廃棄物はケミカルリサイク
ル設備に投入し、質の低い廃棄物はサーマルリサイクル
設備に投入することができるので、それぞれのリサイク
ル設備の有しているポテンシャルを十分に活かしてシス
テム全体のリサイクル効率を向上させることができる。
特に、リサイクル製品を保存することができないサーマ
ルリサイクル設備の欠点を廃棄物を化学工業原料及び燃
料等の化学製品としてリサイクルできるケミカルリサイ
クル設備が補うことができる。
【0016】更に、サーマルリサイクル設備とケミカル
リサイクル設備とには共通するユーティリティ設備があ
るので、サーマルリサイクル設備とケミカルリサイクル
設備とを併設することにより、これらのユーティリティ
を共有してシステムの効率化及びコストダウンを図るこ
とができる。
【0017】本発明の好ましい一態様は、処理される廃
棄物のうち高カロリーの廃棄物を上記ケミカルリサイク
ル設備に投入し、低カロリーの廃棄物を上記サーマルリ
サイクル設備に投入することを特徴としている。この場
合において、処理される廃棄物を上記高カロリーの廃棄
物と上記低カロリーの廃棄物とに分別する分別手段を更
に備えることが好ましい。
【0018】このように、本発明のリサイクルシステム
によれば、廃棄物を高カロリーの廃棄物と低カロリーの
廃棄物とに分別するだけで運転することができるので、
複雑な分別作業が必要なくなり、人々の分別に対する負
担を軽減することが可能となる。
【0019】本発明の好ましい一態様は、上記供給経路
を介して上記サーマルリサイクル設備から上記ケミカル
リサイクル設備に供給される電力又は熱を、システム全
体としてのエネルギー効率が最大となるように調整する
ことを特徴としている。
【0020】本発明の好ましい一態様は、上記サーマル
リサイクル設備は、上記余剰電力を需要者に供給すると
共に、上記余剰電力のうち、上記需要者が求める電力を
超える電力を上記供給経路を介して上記ケミカルリサイ
クル設備に供給することを特徴としている。
【0021】このように、システム全体としてのエネル
ギー利用状態を最適化することにより、システム全体と
してのコストをより一層低減し、リサイクル効率をより
一層向上させることが可能となる。
【0022】本発明の他の一態様は、廃棄物を焼却する
ことで発生した熱を回収して発電並びに熱を発生させる
サーマルリサイクル設備と、廃棄物を化学工業原料及び
燃料等の化学製品としてリサイクルするケミカルリサイ
クル設備と、システムの運転状況に応じて上記サーマル
リサイクル設備と上記ケミカルリサイクル設備の各々に
投入すべき廃棄物量を演算して廃棄物投入量の指令情報
を出す監視センタとを備えたことを特徴とする廃棄物の
リサイクルシステムである。
【0023】本発明の好ましい一態様は、上記監視セン
タからの指令情報に基づいて、廃棄物を上記ケミカルリ
サイクル設備への投入相当分量と、上記サーマルリサイ
クル設備への投入相当分量とに分別する分別装置を備え
たことを特徴としている。
【0024】本発明の好ましい一態様は、上記監視セン
タは、上記サーマルリサイクル設備と上記ケミカルリサ
イクル設備の各々の運転状態情報のいずれか1つ以上を
入力パラメータとして、上記サーマルリサイクル設備と
上記ケミカルリサイクル設備の各々に投入すべき廃棄物
投入量を算出する演算装置を備えたことを特徴としてい
る。
【0025】本発明の好ましい一態様は、上記監視セン
タは、製品需要量、電力需要量、又は熱需要量のいずれ
か1つ以上を入力パラメータとして、上記サーマルリサ
イクル設備と上記ケミカルリサイクル設備の各々に投入
すべき廃棄物投入量を算出する演算装置を有することを
特徴としている。
【0026】本発明の他の一態様は、廃棄物を焼却する
ことで発生した熱を回収して発電又は熱利用を行うサー
マルリサイクル設備と、廃棄物を再生材料としてリサイ
クルする材料リサイクル設備と、上記サーマルリサイク
ル設備において生成された電力又は熱のうち、上記サー
マルリサイクル設備において必要とされる電力又は熱を
超える余剰電力又は余剰熱を上記材料リサイクル設備に
供給する供給経路とを備えたことを特徴とする廃棄物の
リサイクルシステムである。
【0027】本発明の好ましい一態様は、システムの運
転状況に応じて上記サーマルリサイクル設備と上記材料
リサイクル設備の各々に投入すべき廃棄物量を演算して
廃棄物投入量の指令情報を出す監視センタを備えたこと
を特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る廃棄物のリサ
イクルシステムの第1の実施形態について図1乃至図6
を参照して詳細に説明する。
【0029】図1は、本発明の第1の実施形態における
廃棄物のリサイクルシステムの構成を示す概念図であ
る。図1に示すように、本実施形態における廃棄物のリ
サイクルシステムは、廃棄物を焼却することによって発
生した熱エネルギーを利用するサーマルリサイクル設備
100と、廃棄物をガス化することによって得られるガ
スから化学工業原料や液体燃料等の化学製品を合成する
ケミカルリサイクル設備200と、処理される廃棄物を
生ゴミなどの低カロリー廃棄物10とプラスチックなど
の高カロリー廃棄物20とに分別する分別手段としての
分別装置300とから構成されている。
【0030】本実施形態におけるサーマルリサイクル設
備100は、廃棄物を焼却することで発生した熱を回収
して発電を行い、売電及び余熱利用をするものであり、
廃棄物を焼却する焼却装置102と、焼却装置102に
より得られた熱によって発電を行う発電装置104とを
備えている。また、ケミカルリサイクル設備200は、
廃棄物をガス化して得られた合成ガス(CO+H)を
用いて水素、アンモニア、酢酸等の化学工業原料や、メ
タノール、エタノール、ガソリン、ジメチルエーテル等
の液体燃料の合成を行い、化学製品として利用するもの
であり、廃棄物をガス化するガス化装置202と、ガス
化装置202によりガス化して得られたガスを精製する
ガス精製装置204と、ガス精製装置204により精製
されたガスから上述の化学工業原料や液体燃料を合成す
る化学製品合成装置206とを備えている。
【0031】ここで、サーマルリサイクル設備100に
ついて図2乃至図4を参照してより詳細に説明する。図
2は、本実施形態におけるサーマルリサイクル設備10
0の構成を示す概略図である。本実施形態におけるサー
マルリサイクル設備100の焼却装置102は、流動層
ガス化炉と溶融燃焼炉とを組み合わせたガス化溶融シス
テムから構成されており、廃棄物の持つエネルギーの活
用を最大限に図っている。このようなガス化溶融システ
ムは、廃棄物中の金属系不純物を酸化させることなく流
動層ガス化炉から取り出してリサイクルでき、溶融燃焼
炉において灰分を溶融スラグとして取り出してリサイク
ルでき、排ガスから回収した溶融飛灰から重金属を回収
することができる点でリサイクル性に優れている。
【0032】図2に示すように、焼却装置102は、流
動層ガス化炉106、溶融燃焼炉108、廃熱ボイラ1
10、エコノマイザ112、空気予熱器114、除塵器
116、誘引通風機118を備えている。また、サーマ
ルリサイクル設備100の発電装置104は、蒸気ター
ビン120と発電機122とを備えている。
【0033】図3は図2の流動層ガス化炉106の主要
部を示す縦断面図、図4は図2の流動層ガス化炉106
及び溶融燃焼炉108を示す断面斜視図である。図3に
示すように、流動層ガス化炉106の炉底には流動化ガ
ス分散機構130が配置されており、この流動化ガス分
散機構130を介して流動層ガス化炉106内に流動化
ガスが供給される。この流動化ガスは、炉底中央部13
0a付近から炉内へ上向き流として供給される中央流動
化ガス131と、炉底周辺部130bから炉内へ上向き
流として供給される周辺流動化ガス132とからなる。
【0034】中央流動化ガス131は、水蒸気、水蒸気
と空気の混合気体、及び空気の3種の気体のうちの1つ
であり、周辺流動化ガス132は、酸素、酸素と空気の
混合気体、及び空気の3種の気体のうちの1つである。
中央流動化ガス131の酸素含有量は、周辺流動化ガス
の酸素含有量以下とされる。流動化ガス全体の空気量
は、廃棄物10の燃焼に必要な理論燃焼空気量の30%
以下とされ、炉内は還元雰囲気とされる。
【0035】中央流動化ガス131の質量速度は、周辺
流動化ガス132の質量速度より遅くされ、炉内周辺部
上方における流動化ガスの上向き流がデフレクタ133
により炉の中央部へ向かうように転向される。これによ
って、炉の中央部に流動媒体(一般的には硅砂を使用)
が沈降拡散する流動層134が形成されると共に、炉内
周辺部に流動媒体が活発に流動化すると共に流動媒体が
上昇する流動層135が形成される。流動媒体は、矢印
136で示すように、炉周辺部の流動層135を上昇
し、次にデフレクタ133により転向され、炉中央部の
流動層134の上方へ流入し、流動層134中を下降す
る。そして、矢印137で示すように、ガス分散機構1
30に沿って移動し、流動層135の下方へ流入するこ
とにより、炉周辺部の流動層135と炉中央部の流動層
134の中を循環する。
【0036】分別装置300により分別された低カロリ
ーの廃棄物10は供給口140から流動層ガス化炉10
6内に導入され、炉中央部の流動層134の上部に導入
された廃棄物10は流動媒体と共に流動層134中を下
降する間に、流動媒体の持つ熱により加熱され、主とし
て揮発分がガス化される。炉中央部の流動層134に
は、酸素がないか少ないため、ガス化された揮発分から
なる生成ガスは燃焼されないで流動層134中を矢印1
41のように抜ける。従って、流動層134は、ガス化
ゾーンGを形成する。フリーボード142へ移動した生
成ガスは、矢印143で示すように上昇して、生成ガス
144が上部に設けられたガス出口145から溶融燃焼
炉108に送られる。
【0037】炉中央部の流動層134でガス化されな
い、主としてチャー(固定炭素分)やタール146は、
流動層134の下部から、流動媒体と共に矢印137で
示すように炉内周辺部の流動層135の下部へ移動し、
比較的酸素含有量の多い周辺流動化ガス132により燃
焼され、部分酸化される。流動層135は、可燃物の酸
化ゾーンSを形成する。流動層135内において、流動
媒体は、流動層内の燃焼熱により加熱され高温となる。
高温になった流動媒体は、矢印136で示すように、デ
フレクタ133により反転され、流動層134へ移り、
再びガス化の熱源となる。流動層135の温度は、45
0〜650℃に維持され、抑制された燃焼反応が継続す
るようにされる。
【0038】流動層ガス化炉106にガス化ゾーンGと
酸化ゾーンSが形成され、流動媒体が両ゾーンにおいて
熱伝達媒体となることにより、ガス化ゾーンGにおい
て、発熱量の高い良質の可燃ガスが生成され、酸化ゾー
ンSにおいては、ガス化困難なチャー146を効率良く
燃焼させることができる。従って、可燃物のガス化効率
を向上させることができ、良質の可燃ガスを生成するこ
とができる。
【0039】ガス化ゾーンGを形成する流動層134は
炉中心部において円形であり、酸化ゾーンSを形成する
流動層135は炉中央部の流動層134の周りにリング
状に形成される。流動層135の外周にリング状の不燃
物排出口150が配置されている。図2に示すように、
流動層ガス化炉106の下部には不燃物排出口150か
らの不燃物147を取り出す円錐形シュート151が設
けられており、この周りには空気ジャケット152が配
置されている。
【0040】流動媒体の砂を含む不燃物は円錐形シュー
ト151から流動層ガス化炉106の下方に設けられた
トロンメル付き連続排出器153に排出され、この高温
の抜き出し砂により空気ジャケット152内の空気が加
熱される。トロンメル付き連続排出器153によって、
大きな不燃物154はコンベヤ155を介して系外へ排
出され、砂と小さな不燃物は循環エレベータ156によ
り分級器157に輸送される。分級器157では、微細
な不燃物158が除去排出されると共に砂が流動層ガス
化炉106内に戻される。分級器157から排出された
微細な不燃物158は、排出器153から排出された大
きな不燃物154と共にコンベヤ155によって系外に
搬送される。
【0041】図4に示すように、溶融燃焼炉108は、
ほぼ垂直方向の軸線を有する円筒状の1次燃焼室160
と、水平方向に傾斜する2次燃焼室170とを備えてい
る。溶融燃焼炉108の1次燃焼室160は、上端に始
動バーナ161と、燃焼用空気を軸線のまわりに旋回す
るように供給する複数の空気ノズル162とを備えてい
る。この1次燃焼室160には可燃ガス入口163が設
けられており、この可燃ガス入口163は流動層ガス化
炉106のガス出口145に接続されている。
【0042】溶融燃焼炉108の2次燃焼室170は、
1次燃焼室160の下端に接続され、溶融灰分を排出可
能な排出口171と、排出口171の上方に配置される
排気口172と、1次燃焼室との連通部分付近に配置さ
れる助燃バーナ173と、燃焼用空気を供給する空気ノ
ズル174とを備えている。排気口172には輻射板1
75が設けられており、輻射により排気口172から失
われる熱量を減少させている。
【0043】流動層ガス化炉106で生成された可燃ガ
ス144及び微粒子は、可燃ガス入口163を介し1次
燃焼室160へその軸線のまわりに旋回するように供給
される。溶融燃焼炉108には、酸素、酸素と空気の混
合気体、又は空気が吹き込まれ、必要に応じて補助燃料
Fが、1次燃焼室160及び2次燃焼室170に供給さ
れる(図2参照)。これによって、生成ガス144及び
微粒子は、1300℃以上で燃焼され、灰分が溶融さ
れ、またダイオキシン、PCB等の有害物質が分解され
る。溶融燃焼炉108で溶融された灰176は、図2に
示すように、排出口171から水室180に投入されて
急冷され、スラグ181として排出される。
【0044】溶融燃焼炉108の排気口172から排出
される燃焼ガス177は、図2に示すように、廃熱ボイ
ラ110、エコノマイザ112、及び空気予熱器114
に導入され、その廃熱が回収される。空気予熱器114
を出たガスは、集塵器116に導入されて塵埃が除去さ
れ、誘引通風機118により大気へ排出される。なお、
空気予熱器114から出た燃焼ガスは、集塵器116に
入る前に、消石灰等の中和剤Nが添加される。また、集
塵器116において分離される飛灰182は、高温で揮
散したNa、Kなどのアルカリ金属塩を含むので、処理
器183において薬品により処理される。
【0045】廃熱ボイラ110及びエコノマイザ112
には、水Wが供給されており、この水Wはエコノマイザ
112において予熱された後、廃熱ボイラ110におい
て加熱されて蒸気となり、発電装置104の蒸気タービ
ン120に供給される。これにより、蒸気タービン12
0を駆動し、発電機122により発電が行われる。
【0046】また、空気予熱器114及び流動層ガス化
炉106の空気ジャケット152には空気Aが供給され
ており、この空気Aは空気予熱器114において加熱さ
れた後、空気ジャケット152において更に加熱され、
空気管184を介して、溶融燃焼炉108及び必要に応
じて流動層ガス化炉106のフリーボード142に供給
される。また、廃熱ボイラ110、エコノマイザ11
2、及び空気予熱器114の底部に溜まる微粒子18
5,186は、循環エレベータ156によって分級器1
57へ搬送され、微細な不燃物158が除去された後、
流動層ガス化炉106に戻される。
【0047】このように、流動層ガス化炉106の燃焼
は低空気比(0.3程度又はそれ以下)による低温部分
燃焼とされ、流動層温度が450〜650℃に維持され
ることにより、高熱量の可燃ガスを発生させることがで
きる。また、低空気比により還元雰囲気で燃焼が行われ
るので、不燃物中に鉄、アルミニウムが未酸化の有価物
として得られる。流動層ガス化炉106で発生された高
熱量の可燃ガス及びチャーは、溶融燃焼炉108におい
て、1300℃以上の高温燃焼することができ、灰を溶
融させ、ダイオキシンを分解させることができる。ま
た、未酸化の有価物として得られた鉄、アルミニウム及
び溶融燃焼炉108から排出されたスラグの回収によっ
て材料リサイクルが行われる。
【0048】次に、本実施形態におけるケミカルリサイ
クル設備200について図5及び図6を参照しつつ説明
する。図5はケミカルリサイクル設備200のガス化装
置202及びガス精製装置204の構成を示す概略図、
図6はケミカルリサイクル設備200の化学製品合成装
置206の一例であるメタノール合成装置の構成を示す
概略図である。
【0049】図5に示すように、ガス化装置202は、
内部循環式流動層ガス化炉210と旋回溶融炉211と
を備えている。分別装置300により分別された高カロ
リーの廃棄物20は、ガス化装置202の流動層ガス化
炉210に投入され、流動層ガス化炉210の流動層2
12に落下する。本実施形態における流動層ガス化炉2
10は、図3に示すものと同様の内部循環式流動層ガス
化炉であり、供給された廃棄物20の炭化物が、流動層
上に堆積せず流動層内に均一に分散され、炭化物の微粉
化・ガス化が促進される。このタイプの流動層ガス化炉
では、原料廃棄物は供給時の破砕粒度を大きくでき、サ
イズの大きい不燃物でも排出が可能である。また、発生
熱の拡散に優れているためクリンカートラブルが少ない
等の特徴を有する。
【0050】流動層ガス化炉210には酸素供給装置2
13からガス化のための酸素oが供給されており、流動
層212に落下した廃棄物20は450〜650℃に保
持された流動層内で酸素oと接触して速やかに熱分解ガ
ス化される。流動層ガス化炉210では、廃棄物20は
流動層212にて450〜650℃で1次の部分燃焼を
し、次いでフリーボート部214にて600〜800
℃、好ましくは650〜750℃で2次の部分燃焼をす
る。これにより、ガス、タール、炭化物、HO等のガ
ス状物質とチャー、不燃物等に分けられる。なお、流動
層ガス化炉210の流動層へのガス化のための送入ガス
(ガス化剤)は、空気、空気とスチーム、酸素富活空
気、酸素富活空気とスチーム、酸素とスチーム、の混合
物の中から選択することができる。
【0051】ガス化温度を450℃以下にすると、熱分
解ガス化の反応が極端に遅くなるために流動層内に未分
解物が堆積するといった問題を生じ、燃焼速度の遅いチ
ャーの生成量も多くなる。逆に、ガス化温度を高くする
と、熱分解ガス化反応が速くなるために流動層内に未分
解物が堆積する問題は解消されるものの、廃棄物の供給
量の変動がガス発生量の変動を招くようになる。旋回溶
融炉211への送入ガス量を流動層ガス化炉210での
発生ガス量に合わせて細かく調節することができないの
で、後段の旋回溶融炉211の運転に支障を来たす。従
って、本実施形態では、熱分解ガス化の反応がある程度
緩慢な650℃を上限温度としている。
【0052】流動層ガス化炉210の流動層212は還
元雰囲気のため、原料中の金属のうち融点が流動層温度
より高いものは、未酸化でクリーンな状態でガレキ、
石、ガラス等と共に不燃物215として炉底から排出さ
れる。このため、金属地金として再利用が可能となり、
材料リサイクルを行うことができる。流動層ガス化炉2
10の炉底からはロックホッパ216を介して流動媒体
の硅砂が不燃物と共に排出され、トロンメル217によ
り不燃物215が系外に排出される。トロンメル217
により分離された硅砂218はバケットコンベア219
により上方へ搬送された後、流動層ガス化炉210に戻
される。流動媒体に固い硅砂218を用いることで、炭
化物の粉砕は促進される。なお、流動媒体としては砂
(硅砂、オリビン砂など)、アルミナ、鉄粉、石灰石、
ドロマイト等を使用することができる。回収できる金属
は、その融点がガス化温度以下のものに限られる。従っ
て、アルミニウム(融点660℃)を回収するためには
流動層温度を650℃以下とする必要がある。このよう
に、廃棄物の低温ガス化に流動層ガス化炉を用いたこと
により、多様な廃棄物、例えば、数mmサイズから数十
mmのものの処理が可能で、しかも処理能力が高く、ス
ケールアップが容易となる。また、機械的な駆動部がな
く、温度等の調整操作が容易で、熱媒体との間の伝熱が
良く層内温度を均一に保ち易い。更に、流動層ガス化炉
として内部循環式流動層ガス化炉を用いると、廃棄物の
無破砕処理が可能となり、流動層内で炭化物が効率良く
粉砕されてチャーとなり、流動層内でのチャーの分散が
良いため、処理能力が高く、層内温度が均一に保たれ、
ガス化効率が高い等の作用がある。
【0053】流動層ガス化炉210において生成された
ガス状物質とチャーは、旋回溶融炉211の1次燃焼室
220に供給される。旋回溶融炉211の1次燃焼室2
20にはガス化のための酸素oが供給されており、1次
燃焼室220に供給されたガス状物質とチャーは、酸素
oと旋回流中で混合しながら、1300℃以上の高温で
高速酸化される。これにより、タールやチャーは完全に
ガス化され、チャーに含まれる灰分はスラグミストとな
る。スラグミストは、旋回流の遠心力により炉壁上のス
ラグ相に捕捉され、炉壁を流下して2次燃焼室221に
入り、スラグ分離室222の炉底からロックホッパ22
3を介して水室224に投入されて急冷され、溶融スラ
グ225として排出される。これにより有害な重金属は
スラグ225中に封じ込まれ、溶出しなくなる。また、
1300℃以上という高温燃焼により、ダイオキシン類
及びその前駆体並びにPCB等がほぼ完全に分解されて
しまう。高温ガス化の酸化反応は2次燃焼室221で完
結し、H、CO、CO とHOからなる中カロリー
ガス(2500〜4500kcal/Nm)が生成さ
れ、生成されたガス230はガス精製装置204に送ら
れる。
【0054】なお、使用できる溶融炉としては、好まし
くは、旋回溶融炉、即ち、ガス状物質とチャーがガス化
のための送入ガスと共に燃焼室中に旋回流を形成しなが
ら高温ガス化して、灰分を溶融し、溶融した灰分を分離
排出する形式の溶融炉を用いるのがよい。旋回溶融炉を
用いることにより、高負荷・高速燃焼が可能となり、ガ
スの滞留時間分布が狭くなり、旋回流による遠心力の作
用により、カーボン転換率、スラグミスト捕集率が高
く、しかも溶融炉本体のコンパクト化が図れる。
【0055】また、溶融炉211へのガス化のための送
入ガスは、酸素富活空気、酸素の中から選択することが
できる。送入ガス中の酸素量は、流動層ガス化炉210
へのガス化のための送入ガスを合わせて、全酸素量が廃
棄物を完全燃焼させるために必要な理論酸素量の0.1
〜0.6の範囲とするのがよい。このようにして、溶融
炉211から、低カロリー(1000〜1500kca
l/Nm(dry))もしくは中カロリー(2500
〜4500kcal/Nm(dry))の可燃性ガス
を得ることができる。これらのガス中には、CO、H
といった有用ガス成分が多く含まれている。即ち、廃棄
物からCO、H主体のガスを得、工業用燃料ガスあ
るいは化学工業の原料とすることができる。後段の溶融
炉211で流動層ガス化炉210から導出されるチャー
中の灰分をスラグ化することにより、有害な重金属はス
ラグ225中に封じ込められ、溶出しなくなる。また、
1300℃以上という高温燃焼により、ダイオキシン類
及びその前駆体並びにPCB等がほぼ完全に分解されて
しまう。
【0056】ガス化装置202により得られた生成ガス
230は、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、蒸気等を主
成分とするガスであるが、廃棄物中の塩素分、硫黄分に
起因する塩化水素ガス、硫化水素ガス等を不純物として
含んでいるため、これらの成分を除去する必要がある。
本実施形態では、以下に述べるガス精製装置204にお
いてこれらの不純物を除去している。
【0057】図5に示すように、ガス精製装置204
は、生成ガス230中の塩素分及びダスト分を洗浄除去
するスクラバ240と、生成ガス中のCOとHのモル
比を調整するCO転化器241と、CO及びHSを
除去する酸性ガス除去装置242と、酸性ガス除去装置
242により得られたCOを放散するCO放散塔2
43と、酸性ガス除去装置242により得られたH
を放散する硫化水素放散塔244と、CO放散塔24
3に接続されたCO液化装置245と、硫化水素放散
塔244に接続された硫黄回収装置246と、ガス圧縮
機247とを備えている。
【0058】ガス化装置202により得られた生成ガス
230はスクラバ240に送られ、このスクラバ240
においてガス中の塩素分及びダスト分が洗浄除去され
る。スクラバ240には洗浄水250が供給されてお
り、スクラバ240から抜き出した洗浄後の水は水槽2
51に送られ、水槽251においてダスト分252が沈
降分離される。
【0059】生成ガスからメタノールの合成を行う場合
には、生成ガス中のCOとHのモル比が約2であるこ
とが好ましい。これは、メタノールの合成反応が次式で
表されることによる。CO+2H → CHOHこ
のように生成ガス中のCOとHのモル比を2前後に調
整するため、スクラバ240において洗浄された後の合
成ガスの一部がCO転化器241に送られる。CO転化
器241においては、触媒の存在のもとで、次式のCO
シフト反応によって生成ガス中のCOの一部をHに変
換し、モル比を調整している。CO+HO → CO
+H
【0060】モル比を適切に調整するためには、旋回溶
融炉211において生成された合成ガス230の組成を
ガス組成測定装置(図示せず)によって測定し、この測
定値に基づいて調整ダンパ253,254の開度をそれ
ぞれ調整し、CO転化器241に送られる合成ガス25
5の量とCO転化器241を経由しない合成ガス256
の量とを調整するのがよい。
【0061】このようにしてモル比が調整された合成ガ
ス256は酸性ガス除去装置242に送られる。この酸
性ガス除去装置242においては、二酸化炭素及び硫化
水素を吸収液に吸収させて、合成ガス256中から二酸
化炭素及び硫化水素を除去する。吸収液中に吸収された
二酸化炭素はCO放散塔243において放散され、放
散された二酸化炭素257はCO液化装置245によ
って圧縮及び液化されて液化炭酸258として回収され
る。なお、必ずしも液化炭酸として回収する必要はな
く、液化することなくそのままCOガスとして大気に
放散してもよいし、あるいは冷却してドライアイスとし
て回収利用してもよい。また、吸収液中に吸収された硫
化水素は硫化水素放散塔244において放散され、放散
された硫化水素259は硫黄回収装置246において硫
黄260として回収される。
【0062】酸性ガス除去装置242において酸性ガス
成分が除去された合成ガス261は、ガス圧縮機247
に送られ、ガス圧縮機247により次段のメタノール合
成装置206における最適な圧力(好ましくは5〜10
MPa)に圧縮される。ガス圧縮機247によりメタノ
ール合成反応圧力まで昇圧されたガス262は、メタノ
ール合成装置206に送り込まれる。
【0063】本実施形態では、メタノール合成装置20
6として断熱クエンチ型反応装置を用いた例を説明す
る。図6に示すように、メタノール合成装置206は、
遠心ブロワなどの循環機270と、銅や亜鉛を主成分と
する触媒層を有するメタノール合成塔271と、熱交換
器などの熱回収器272と、高圧分離器273と、初留
塔(図示せず)と精留塔(図示せず)とを備えた蒸留塔
274とを備えている。
【0064】メタノール合成装置206に送り込まれた
ガス262は、未反応循環ガス275と合流し、循環機
270の吸込側に供給される。断熱クエンチ型反応装置
では、合成ガスは、熱回収器272により反応に必要な
温度まで予熱される。そして、全原料合成ガス量の40
〜60%のガス276がメタノール合成塔271内の第
1触媒層に供給される。残りのガス277はクエンチガ
スとして、第2触媒層以下の触媒層の温度を適正な温度
に制御するため、各触媒層間へ供給され、上部触媒層を
通過してきたガスと均一に混合される。これにより、触
媒層での断熱反応により上昇した反応ガスの温度が低下
し、次の触媒層の温度が適正に制御される。
【0065】メタノール合成塔271内では、一酸化炭
素と水系を主成分とする合成ガスを、圧力5〜10MP
a、温度200〜300℃の条件下で、銅・亜鉛を主成
分とする触媒層と反応させ、メタノールを合成する。こ
の反応は発熱反応であり、大量の熱が発生する。この反
応熱は、熱回収器272において回収され利用される
が、この反応熱を効率的に除去することが反応効率を高
める上で有効であるため、熱回収のために供給管(図示
せず)を介して熱回収器272にボイラ水を供給し、反
応熱を中圧の200℃前後の蒸気として熱回収を行い、
この中圧の蒸気をガス化装置202において利用するこ
ととしてもよい。
【0066】メタノール合成塔271から出たガス27
8の保有熱は、熱回収器272において、メタノール合
成塔271へ供給する原料合成ガスの予熱等により熱回
収され、ガス278が冷却される。この冷却されたガス
279は、高圧分離器273によって粗メタノール28
0と未反応ガス281とに分離される。未反応ガス28
1からは一定量のガスがパージガス282として抜き出
され、未反応ガス281中に蓄積されるメタン、窒素等
の不活性成分の濃度が一定レベルに抑えられる。残りの
未反応ガス275は、上述したように、循環ガスとし
て、ガス精製装置204から送られてきた合成ガス26
2に合流する。
【0067】分離された粗メタノール280は、蒸留塔
274において蒸留され製品メタノール283となる。
即ち、ほぼ常圧で運転される初留塔において、粗メタノ
ール280からギ酸メチル、ジメチルエーテル、アセト
ン等の低沸点成分284及びパラフィン類が留去され、
ほぼ常圧又は0.1MPa程度の加圧下で運転される精
留塔において、水及び高級アルコール等の高沸点成分2
85が除去され、製品メタノール283が得られる。
【0068】メタノール合成反応は平衡反応であるた
め、メタノール合成塔271を1回通過しただけでは収
率はそれほど高くない。従って、上述したように循環機
(循環ブロア)270を用いて反応ガスを循環させるこ
とが行われる。この循環系からは、反応に関与しない窒
素やアルゴンなどの不活性成分を常に抜き出す必要があ
る。上述したように、不活性ガス成分はパージガス28
2として系外に排出されるが、不活性ガス成分だけを反
応系から取り除くことはできないため、循環ガス281
から一定量のガス282を抜き出し、このガス282に
含まれる不活性ガス成分の量が投入した量と等しくなる
ようにすることで、反応系内の不活性ガス成分の濃度が
一定に保たれている。
【0069】抜き出したパージガス282は、可燃性成
分を多く含んでいるため、燃料として利用できるが、そ
の抜き出し量が多い程、本来メタノール合成に用いるべ
き有効成分を抜き出してしまっていることになり、メタ
ノール収率が低下してしまう。従って、最初の合成ガス
には、不活性ガス成分がなるべく含まれていないことが
好ましい。
【0070】なお、以上の説明においては、ケミカルリ
サイクル設備200における最終的な化学製品がメタノ
ールである場合について述べたが、勿論エタノール、ガ
ソリン、ジメチルエーテル等の他の燃料合成を行っても
よく、あるいは水素、アンモニア、酢酸等の化学工業原
料の合成を行ってもよい。これらの場合も、ガス化及び
ガス精製までのプロセスは基本的に同一であり、最終的
な製品の合成プロセスが若干異なるのみである。
【0071】上述したケミカルリサイクル設備200の
酸素供給装置213においては、圧力スイング吸着(P
SA)により酸素が生成され、この酸素が圧縮されてい
るが、この酸素の発生及び圧縮には多くの電力が必要さ
れる。また、ガス圧縮機247においても多くの電力が
必要とされる。このように、ケミカルリサイクル設備に
おいては、多くの電力が必要とされ、これがケミカルリ
サイクル設備を運転する上でのコスト上昇の要因の一つ
となっている。
【0072】上述したように、サーマルリサイクル設備
100の発電装置104において発電が行われ、生成さ
れた電力の一部はサーマルリサイクル設備100におい
て使用されるが、上記発電においてはサーマルリサイク
ル設備100において必要とされる電力を超える余剰電
力が生まれる。このような余剰電力は、通常、電力会社
などの需要者に供給(売電)されるが、本発明では、こ
の余剰電力を上述したケミカルリサイクル設備200の
酸素供給装置213やガス圧縮機247に供給すること
によって、システム全体としてのコストを低減すること
ができる。即ち、サーマルリサイクル設備100の発電
機122からケミカルリサイクル設備200の酸素供給
装置213やガス圧縮機247に電力を供給する電力供
給経路30が設けられており、この電力供給経路30を
介してサーマルリサイクル設備100からケミカルリサ
イクル設備200に余剰電力を提供することで、システ
ム全体としてのコストを低減している。
【0073】また、ケミカルリサイクル設備200のガ
ス化装置202においては多量の中圧蒸気(流動層ガス
化炉210においては流動化ガス及びガス化剤として、
旋回溶融炉211においてはガス化剤として)が必要で
あり、メタノール合成装置206の蒸留塔274におい
ては多量の低圧蒸気が必要となる。これらも運転コスト
の上昇の一つの要因となるが、本発明では、サーマルリ
サイクル設備100の蒸気タービン120から中圧蒸気
又は低圧蒸気を抽気し、これを蒸気供給経路40を介し
てケミカルリサイクル設備200のガス化装置202や
蒸留塔274に供給することで、システム全体としての
コストを低減することができる。特に、本発明における
サーマルリサイクル設備100のように蒸気タービン発
電を行う場合には、復水器において大量の低温廃熱を捨
てているので、上述したように抽気により低温熱を回収
利用することは発電効率の低下をそれほど生じさせず、
むしろシステム全体での熱効率向上の観点から有効であ
る。
【0074】この場合において、電力供給経路30又は
蒸気供給経路40を介してケミカルリサイクル設備20
0に供給される電力又は蒸気(熱)をシステム全体とし
てのエネルギー効率が最大となるように調節することと
してもよい。また、サーマルリサイクル設備100にお
ける余剰電力を電力会社などの需要者に供給しつつ、そ
の残りの電力をケミカルリサイクル設備200に供給す
ることとしてもよい。このようにすれば、システム全体
としてのエネルギー利用状態を最適化して、システム全
体としてのコストをより一層低減し、リサイクル効率を
より一層向上させることが可能となる。
【0075】以上、サーマルリサイクル設備100とケ
ミカルリサイクル設備200の詳細について説明してき
たが、両設備にはそのシステムの特性上、それぞれ最適
な廃棄物性状が存在する。サーマルリサイクル設備10
0は廃棄物の焼却を目的としているため、基本的には焼
却可能な廃棄物であれば良く、通常約1000〜150
0kcal/kg程度以上の発熱量を有していれば廃棄
物の有する熱量のみで焼却を行うことができる。上述し
た廃棄物のガス化溶融システムの場合は、溶融炉にて1
300℃以上の高温を得る必要から、発熱量の制限は従
来型の焼却炉に比べて厳しくなるものの、1500〜2
000kcal/kg程度以上の発熱量を有していれば
外部から他の燃料を供給することなしに運転を行うこと
ができる。また、性状の変動や燃焼不適物、夾雑物の混
入に対する制限は緩く、比較的性状の不均一な廃棄物に
ついても対応することができる。
【0076】一方、ケミカルリサイクル設備について
は、溶融炉で1300℃以上の高温を得て、なおかつ可
燃性の生成ガスを得るシステムであるため、本質的に高
カロリーの廃棄物に適している。上述したような廃棄物
からの化学工業原料又は液体燃料等の化学製品の合成シ
ステムの場合、廃棄物の種類にもよるが4000〜80
00kcal/kg程度の発熱量を有していることが好
ましい。また、廃棄物の性状変動が後段の化学工業原料
又は液体燃料等の化学製品の合成プロセスに直接に影響
を与えるため、廃棄物の性状変動はある程度の範囲に抑
える必要がある。燃焼不適物や夾雑物については、基本
的に除去可能なプロセスとなってはいるが、少しでも生
成ガス並びに最終的な化学製品としての化学工業原料又
は液体燃料の収率を高めるためには、その混入量はでき
るだけ少ない方が好ましい。
【0077】このような観点から、収集された各種の廃
棄物のうち、高カロリーで性状の均一な廃棄物をケミカ
ルリサイクル設備200により、その他の低カロリーで
夾雑物の多い廃棄物をサーマルリサイクル設備100に
より処理することが好ましい。
【0078】本実施形態における分別装置300は、上
述したように、投入された廃棄物を低カロリーの廃棄物
10と高カロリーの廃棄物20とに分別するものであ
り、例えば、風力選別装置、比重選別装置、篩い分け装
置などを用いることができる。このような分別装置30
0によって、廃棄物を例えば、鉛、銅、ガラス、鉄、プ
ラスチック類(比重が小さく高カロリーの廃棄物として
利用する)、及びその他の可燃物(比重が大きい生ゴミ
等、低カロリーの廃棄物として利用する)に分別する。
本発明に係る廃棄物のリサイクルシステムでは、廃棄物
を高カロリーの廃棄物と低カロリーの廃棄物とに分別す
るだけで運転することができるので、複雑な分別作業が
必要なくなり、人々の分別に対する負担を軽減すること
が可能となる。
【0079】次に、本発明に係る廃棄物のリサイクルシ
ステムの第2の実施形態について図7及び図8を参照し
て詳細に説明する。なお、図7において、サーマルリサ
イクル設備100とケミカルリサイクル設備200の機
能及び構成は上述した第1の実施形態と同様であるので
説明を省略する。また、図示しないが、材料リサイクル
設備を併設するようにしてもよい。本実施形態は、廃棄
物(ゴミ)排出者が廃棄物を廃棄する段階で行うか、廃
棄物回収者が回収する段階で行うか、又は回収者が廃棄
物を回収した後に分別して廃棄物処理者に搬送する段階
で行うか、もしくはこれらのいずれか1つの段階で行う
ような、分別回収方法によって、高カロリーの廃棄物と
低カロリーの廃棄物とが分別され、この分別された後の
廃棄物が本発明に係るリサイクルシステムに運び込まれ
ることを想定した実施形態である。
【0080】本実施形態における廃棄物のリサイクルシ
ステムには、図7に示すように、高カロリー廃棄物20
と、低カロリー廃棄物10が分別されて搬入される。高
カロリー廃棄物20としては、例えば容器包装等を起源
とする一般廃棄物プラスチックや、産業廃棄物系のプラ
スチック、建設廃材、廃木材、廃車シュレッダーダス
ト、家電シュレッダーダスト等がある。また、低カロリ
ー廃棄物10としては、例えば生ゴミ等の都市一般廃棄
物、下水汚泥、し尿汚泥等がある。このような実施形態
においては、分別装置が不要か、もしくはきわめて簡易
な分別装置(この場合は、図1と同様なシステム構成と
なる)を設けるだけで、搬入される廃棄物はそれぞれそ
の分別にしたがってサーマルリサイクル設備100とケ
ミカルリサイクル設備200に供給される。本実施形態
においては、設備全体がコンパクトになると共に、分別
に要するコストが非常に安価であることからシステムの
維持コストが安価になる。更に、初期設置費用が安価で
済むという利点もある。なお、図7においては分別され
た後の廃棄物として高カロリー廃棄物20と低カロリー
廃棄物10の2種類がある場合を示しているが、もちろ
ん3種類以上の性状の異なる廃棄物が搬入されるとして
もよい。
【0081】次に、本実施形態におけるリサイクルシス
テムの運転に関して、好ましい態様について説明する。
即ち、以下に述べる監視センタ410をシステム内に設
置することにより、本発明に係る廃棄物のリサイクルシ
ステムにおいて全体として生み出すエネルギーの市場に
おける収益性(これはエネルギー量・効率及び市場にお
けるエネルギー取引価格との比較で決定される)を高め
ることが可能となる。
【0082】監視センタ410は、分別装置によって分
別された、あるいは分別収集されて搬入された各種の高
カロリー廃棄物20と低カロリー廃棄物10を、サーマ
ルリサイクル設備100とケミカルリサイクル設備20
0の各々に供給する量を制御する。この場合、各設備1
00,200の運転状況は監視センタ410に送られ、
監視センタ410の演算装置において、各設備100,
200における電力・熱需要量が変動していく中で各々
の設備100,200にて処理すべき廃棄物量をそれぞ
れ計算し、実際に各設備100,200に廃棄物を投入
するよう指令情報を出すように構成する。あるいは、監
視センタ410の演算装置において、出口側の製品量、
電力需要量、熱需要量に応じて、各々の設備100,2
00において処理すべき廃棄物量をそれぞれ計算し、実
際に各設備100,200に廃棄物を投入するよう指令
情報を出すように構成してもよい。
【0083】また、分別収集された廃棄物、又は分別装
置によって分別された廃棄物が、高カロリー廃棄物20
と低カロリー廃棄物10の2種類である場合には、単に
両リサイクル設備100,200への廃棄物投入量を制
御するのみでシステム全体としてのエネルギー効率並び
に収益性の最大化が図れるが、この他にケミカルリサイ
クル設備200あるいはサーマルリサイクル設備100
のどちらに対しても投入可能な中程度のカロリーを有す
る廃棄物がある場合には、その廃棄物をケミカルリサイ
クル設備200とサーマルリサイクル設備100のどち
らに投入するかを監視センタ410の演算装置において
決定するように構成してもよい。
【0084】本発明において、システム全体の収益性評
価を行う際の考慮すべきパラメータとしては、ケミカル
リサイクル設備200における最終製品である例えばメ
タノール等の化学製品の製造量・貯蔵量・及び市場にお
ける評価額と、サーマルリサイクル設備100における
最終製品である電力の売却単価(電力会社等の電力需要
家の希望購入単価)が挙げられる。
【0085】即ち、ケミカルリサイクル設備200にて
製造される化学製品は貯蔵しておくことが可能であっ
て、サーマルリサイクル設備100における最終製品で
ある電力及び余剰熱には貯蔵性がない。このことから、
最終製品の市場における評価額の変動(市場変動性)な
どに対応して、最大の経済的メリットをあげるように廃
棄物の処理(投入)量、システムからの最終製品の製造
量等を迅速に変化させていくことが可能となる。
【0086】一方、電力についても、日中と夜間、夏期
と冬期において需要が大きくなるような時間変動・季節
変動といった変動性があるため、これらの変動に対応し
て電力会社への売却単価は大きく異なったものとなる。
従って、システム全体の経済性を向上させる上では、日
中は電力の発生量を増やすためにケミカルリサイクル施
設200への廃棄物投入量を減少させ、サーマルリサイ
クル設備100への廃棄物投入量を増加させる一方で、
夜間はその逆にケミカルリサイクル設備200への廃棄
物投入量を増加させ、サーマルリサイクル設備100へ
の廃棄物投入量を減少させる等の制御を行うなどの運転
を行ってもよい。
【0087】即ち、以上のような時々刻々変動する外部
の需要に関する情報を取り込んで各設備への廃棄物投入
量を決定・制御するような機能を上述した監視センタ4
10に持たせる構成とする。なお、電力需要ほどではな
いが、熱需要についてもこのような変動性がある(例え
ば地域冷暖房施設において、冬と夏における熱需要量は
異なってくると考えられる)。従って、電力需要だけで
なく、熱需要についても考慮して監視センタ410を構
成することが考えられる。
【0088】ここで、ケミカルリサイクル設備200か
らの化学製品や、サーマルリサイクル設備100からの
電力は、廃棄物を起源とするものであるため、資源の保
護や環境負荷の低減の目的から購入が促進されるべきも
のと考えられている。その購入を促進するための施策と
して、例えば化学製品や電力の需要家に対して、廃棄物
を由来とする化学製品や電力(以下、廃棄物由来製品と
いう)を常に一定の割合で購入するような規制を行う手
法がある。この場合、需要家は指定された購入量を確保
するために、廃棄物由来製品の生産量と需要量のバラン
スによっては、通常の化学製品や電力単価の市場取引価
格以上での購入を行う必要が生じる。
【0089】従って、この場合、廃棄物由来製品の取引
市場が形成され、そこで廃棄物由来製品の生産量と需要
量の変化に対応して市場取引価格が決定される方式がと
られると考えられる。本発明に係る監視センタ410
は、化学製品や電力の需要家からの需要情報の他、この
ような廃棄物由来製品の取引市場との通信手段を利用
し、その時点での廃棄物由来製品の市場価格情報を得
て、それに基づいて上述の廃棄物処理量の制御を行うこ
ととしてもよい。
【0090】次に、上述した監視センタ410を用いた
リサイクルシステムの制御について、図8を参照しつつ
より詳細に説明する。図8は、分別収集された廃棄物、
又は分別装置によって分別された廃棄物が、ケミカルリ
サイクル設備200への投入が好適な高カロリー廃棄物
20と、サーマルリサイクル設備100への投入が好適
な低カロリー廃棄物10の他、ケミカルリサイクル設備
200及びサーマルリサイクル設備100のいずれに対
しても投入できる中カロリー廃棄物15を含む3種類に
よって構成されている場合を示している。また、廃棄物
や化学製品、電力、蒸気等の流れは実線の矢印で、通信
経路及び情報の流れは破線の矢印で示されている。
【0091】監視センタ410には、まず化学製品需要
先405における化学製品需要量、電力会社406にお
ける電力需要量、熱需要先407における余剰熱の需要
量及びその時点でのそれらの市場取引価格又は希望購入
価格の情報505,506,507が各々時系列的に入
力される。なお、ケミカルリサイクル設備200におけ
る化学製品283の製造量、化学製品貯蔵装置404に
おける化学製品貯蔵量504、サーマルリサイクル設備
100における電力31の生成量531、蒸気41の製
造量541をも各々入力情報として監視センタ410に
入力することができる。また、サーマルリサイクル設備
100からケミカルリサイクル設備200へと投入する
電力量31a、蒸気量41aをも入力情報とすることが
できる。このように構成することによって、フィードバ
ック制御運転をより良好に行うことができる。
【0092】そして、監視センタ410の演算装置で
は、入力される情報を基に、システム全体での経済性が
最適となるケミカルリサイクル設備200及びサーマル
リサイクル設備100各々の運転能力の演算を行う。即
ち、例えば電力及び/又は熱の需要が多く、高価格での
販売が期待できる場合には、サーマルリサイクル設備1
00の運転能力を上げ、逆に電力及び熱の需要が少な
く、高価格での販売が期待できない場合には、ケミカル
リサイクル設備200の運転能力を上げるような演算を
行うことになる。
【0093】具体的な演算方法の一例を説明する。ま
ず、電力需要情報506及び熱需要情報507を基に、
サーマルリサイクル設備100の所要運転能力を演算
し、運転能力指令情報511を出す。次に、運転能力指
令情報511を満たすような廃棄物投入量を演算する。
なお、現在時点での運転状態情報512を考慮してもよ
い。中カロリー廃棄物ヤード402及び低カロリー廃棄
物ヤード403への廃棄物貯留量情報502,503を
考慮して、運転能力指令情報511を満たし、なおかつ
中カロリー廃棄物ヤード402及び低カロリー廃棄物ヤ
ード403の貯留量が上限や下限に達しないような廃棄
物投入量10a及び15bを決定し、投入指令情報51
0a及び515bを出す。
【0094】一方、ケミカルリサイクル設備200の運
転能力については、高カロリー廃棄物ヤード401及び
中カロリー廃棄物ヤード402の貯留量が上限や下限に
達しないように、各々の廃棄物貯留量情報501,50
2を考慮して演算された廃棄物投入量20a及び15a
に基づく投入指令情報520a及び515aを出し、こ
れに合致するような運転能力指令情報521が出され
る。
【0095】廃棄物の投入方法に関しては、高カロリー
廃棄物20はケミカルリサイクル設備200へ、低カロ
リー廃棄物10はサーマルリサイクル設備100へ優先
的に投入し、どちらの設備でも対応可能な中カロリー廃
棄物15の各設備への投入量15a及び15bを、各設
備の運転能力指令情報521、511に基づいて制御す
るような構成とすることが好ましい。なお、図示しない
が、廃棄物の種類が高カロリー廃棄物20と低カロリー
廃棄物10の2種類である場合には、それぞれの設備1
00,200への投入量20a、10aのみを制御する
こととなるため、各廃棄物の貯留ヤード401、403
はある程度、体積容量の余裕を持たせる必要がある。
【0096】ここで、本発明では、上述したように、ケ
ミカルリサイクル設備200において、サーマルリサイ
クル設備100にて生成した電力31及び蒸気41の一
部を利用することを特徴としている。廃棄物の性状には
変動があるため、実際の運転制御においては、ケミカル
リサイクル設備200での電力・熱需要と、サーマルリ
サイクル設備100からケミカルリサイクル設備200
に供給可能な電力量・蒸気量も時々刻々と変化する。従
って、ケミカルリサイクル設備200の運転状態情報5
22に基づいて、サーマルリサイクル設備100からの
電力供給量31a及び蒸気供給量41aを変化させる指
令531a(531b)及び541a(541b)を与
えることで、電力供給量31a及び蒸気供給量41aを
制御する必要がある。勿論、この場合において、電力供
給量31a及び蒸気供給量41aを変化させた場合で
も、外部への送電量31b及び蒸気供給量41bが最初
の需要情報506、507に合致するように、サーマル
リサイクル設備100への廃棄物投入量10a、15b
を制御するような演算を行う必要がある。
【0097】また、上述したように、ケミカルリサイク
ル設備200で製造された化学製品283には貯蔵性が
あるため、化学製品貯蔵装置404に十分な余裕があ
り、かつ電力及び余剰熱の高価格での販売が期待できな
い場合には、化学製品需要情報505の内容によらずケ
ミカルリサイクル設備200への廃棄物投入量20a,
15aを増やすことができる。このため監視センタ41
0は、化学製品貯蔵装置404における化学製品貯蔵量
信号504を時系列的に得るよう構成しておくことが好
ましい。
【0098】メタノールの製造量、即ちケミカルリサイ
クル設備200の運転能力を極力上げようとする場合に
は、各廃棄物の搬入量及び貯留量によっては、サーマル
リサイクル設備100で発生する電力31の全量をケミ
カルリサイクル設備200への投入電力31aとして用
いても、ケミカルリサイクル設備200での所要電力に
達しない可能性がある。このため、監視センタ410は
必要に応じて外部(電力会社)406より購入すべき電
力量32を演算し、外部からの電力購入指令532を与
えるように構成することが好ましい。この場合、電力会
社406から本システムへ供給される電力の供給先はケ
ミカルリサイクル設備200に限定されるものではな
く、サーマルリサイクル設備100やその他の併設設備
に供給するようにも構成することができる。
【0099】なお、図8においては、分別装置が示され
ていないが、分別装置を用いる場合には、ケミカルリサ
イクル設備200及びサーマルリサイクル設備100の
運転状態情報512、522及び運転能力指令情報51
1、521に基づいて、廃棄物をケミカルリサイクル設
備200へ投入する高カロリー廃棄物相当分量20と、
サーマルリサイクル設備100へ投入する低カロリー廃
棄物相当分量10とに分別するように、分別装置に運転
指令を与えるように構成することもできる。
【0100】以上のように、監視センタ410を介して
廃棄物の投入量を経時制御することにより、廃棄物の量
及び質の変動、出口側の製品・電力・熱需要変動に対応
し得るシステムを構築することができ、本発明に係る廃
棄物のリサイクルシステムのより好ましい最適な運転を
実現することが可能となる。
【0101】ケミカルリサイクル設備200を新たにサ
ーマルリサイクル設備100に付置する場合には、既設
のサーマルリサイクル設備100の(運転)監視センタ
を以上において説明した監視センタ410として利用し
て、本発明に係るリサイクルシステムの全体の監視を行
わせるよう構成することもできる。また、逆に既設ケミ
カルリサイクル設備200の既設(運転)監視センタを
利用して、隣接するサーマルリサイクル設備100との
間で本発明のシステムを構成させるようにすることもで
きる。あるいは、新たに監視センタ410を設置しても
よい。
【0102】なお、上述したような最適な運転を実現す
るような構成は、上記監視センタ410に限定されるも
のでなく、同様の機能・作用を有する構成を用いたもの
であれば、どのようなものであってもよい。
【0103】以上のように、本発明によれば、多くの電
力又は熱を必要とするケミカルリサイクル設備200に
サーマルリサイクル設備100の余剰電力又は余剰熱を
供給することができるので、外部から電力又は熱を供給
する量を低減させたり、あるいは外部からの電力又は熱
の供給を行う必要がなくなり、システム全体としてのコ
ストを低減することができる。
【0104】また、質の高い廃棄物はケミカルリサイク
ル設備200に投入し、質の低い廃棄物はサーマルリサ
イクル設備100に投入することができるので、それぞ
れのリサイクル設備の有しているポテンシャルを十分に
活かしてシステム全体のリサイクル効率を向上させるこ
とができる。特に、電気や熱などのリサイクル製品を保
存することができないサーマルリサイクル設備100の
欠点を廃棄物をリサイクル原料として再生できるケミカ
ルリサイクル設備200が補うことができる。
【0105】また、サーマルリサイクル設備100とケ
ミカルリサイクル設備200とには共通するユーティリ
ティ設備があるが、本発明の廃棄物のリサイクルシステ
ムによれば、サーマルリサイクル設備100とケミカル
リサイクル設備200とを併設することにより、これら
のユーティリティを共有してシステムの効率化及びコス
トダウンを図ることができる。更に、このような燃焼・
ガス化設備では炉体のメンテナンス等に備え予備系列が
必要とされるが、サーマルリサイクル設備100とケミ
カルリサイクル設備200とでこのような予備系列を共
用化することで、設備の初期設置費用の低減を図ること
もできる。
【0106】上述した実施形態においては、サーマルリ
サイクル設備100の焼却装置102としてガス化溶融
システムを用いた例を説明したが、これに限られるもの
ではない。例えば、外熱キルン炉と溶融燃焼炉とを組み
合わせたキルン式ガス溶融炉、廃棄物をコークス等と共
に炉内に投入して直接溶融させる竪型シャフト炉、廃棄
物を乾留させる熱分解ドラムと溶融燃焼炉とを組み合わ
せた熱分解ドラム炉、ストーカ式焼却炉や流動層式焼却
炉などの一般的な焼却炉など各種の廃棄物焼却システム
を用いることができる。また、上述した実施形態におい
ては、ケミカルリサイクル設備200のガス化装置20
2として2段ガス化溶融システムを用いた例を説明した
が、廃棄物のガス化処理ができるものであれば2段ガス
化溶融システム以外のシステムを用いることもできる。
例えば、1段ガス化溶融システムを用いることもでき
る。
【0107】また、上述の実施形態では、主にケミカル
リサイクル設備200において合成ガスからメタノール
を合成する例について説明したが、これに限られるもの
ではない。ジメチルエーテル、ガソリンなど他の種類の
燃料を合成する場合であっても、触媒の種類や反応条件
が一部異なるだけであり、基本的に上述した例と同様で
ある。また、水素、アンモニア、酢酸等の化学工業原料
の合成を行ってもよい。
【0108】更に、サーマルリサイクル設備と材料リサ
イクル設備とを設置する形態も考えられる。この形態に
おいては、既存の材料リサイクル設備に対してサーマル
リサイクル設備を併設するようにしてもよいし、既存の
サーマルリサイクル設備に対して材料リサイクル設備を
併設するようにしてもよい。各処理設備で各々処理され
る廃棄物は、材料リサイクル設備においては、例えばペ
ットボトル、金属缶、古紙、廃木材など、材質毎に分類
された廃棄物であり、サーマルリサイクル設備において
は、上述したような焼却可能な各種の廃棄物、例えば廃
プラスチック、生ゴミ等の都市一般廃棄物などである。
【0109】または、例えば自動車・廃家電などを解体
した後に部品・材質毎に分別した、材質・素材毎に分別
されたプラスチック類、ゴム類、ガラス類などを材料リ
サイクル設備において処理すると共に、上述の分別にお
いて不適物として発生した、シュレッダーダスト等の廃
棄物をサーマルリサイクル設備で処理する等の方法も考
えられる。この場合、上述と同様に、システム全体を監
視する監視センタを用いて、材料リサイクルに適した廃
棄物とサーマルリサイクルに適した廃棄物とを分別処理
するように構成することが好ましい。この実施形態にお
いても、監視センタは上述した第2の実施形態のよう
に、システム全体の経済性が最適化されるように、各設
備に投入すべき廃棄物量を演算し、演算結果に基づき各
処理設備に付設された廃棄物投入装置に投入指令情報を
出すよう構成し得る。
【0110】あるいは、上記の監視センタでは、出口側
の材料リサイクル製品量需要、電力量、熱量需要に応じ
て、各々の設備にて処理すべき廃棄物量を各々計算し、
実際に各設備に廃棄物を投入するよう指令情報を出すよ
うに構成してもよい。更に、この実施形態においては、
監視センタに入力されるパラメータとして、材料リサイ
クル設備における最終製品の製造量、貯蔵量、及び市場
価格と、サーマルリサイクル設備における最終製品であ
る電力の売却単価(電力会社等の電力需要家の希望購入
単価)、各設備における運転状況、システムに搬入され
た未処理廃棄物の量、サーマルリサイクル設備から材料
リサイクル設備に送られる電力量・余剰熱量などが挙げ
られる。この実施形態においては、材料リサイクルにお
ける製品の市場価格変動性はサーマルリサイクルにおけ
る製品の市場価格変動性と比較して少なく、また材料リ
サイクルにおける製品には貯蔵性があるため、第2の実
施形態と同様に、主にサーマルリサイクル設備での廃棄
物処理量を経時的に制御しつつ、材料リサイクル設備に
おける処理量を定常状態に保つよう制御するようにする
ことが好ましい。
【0111】また、上述の実施形態では、サーマルリサ
イクル設備に1つのケミカルリサイクル設備を併設する
システムについて説明したが、これに限られず、複数の
ケミカルリサイクル設備をサーマルリサイクル設備に併
設することとしてもよい。また、ケミカルリサイクル設
備に加えて、廃棄物を再生材料としてリサイクルする材
料リサイクル設備を併設することとしてもよい。図9
は、上述したケミカルリサイクル設備200に加えて、
廃棄物を再生材料としてリサイクルする材料リサイクル
設備400をサーマルリサイクル設備100に併設し、
サーマルリサイクル設備100の余剰電力及び余剰熱を
ケミカルリサイクル設備200と材料リサイクル設備4
00で利用するようにした例である。
【0112】この実施形態は、上述したサーマルリサイ
クル設備100及びケミカルリサイクル設備200の実
施形態と、サーマルリサイクル設備100及び材料リサ
イクル設備400の実施形態とを組み合わせたものと考
えられる。従って、この場合においても、電力又は蒸気
のケミカルリサイクル設備200又は材料リサイクル設
備400への供給を行うシステム構成は、これまで述べ
てきた構成を組み合わせることによって実現できる。な
お、この実施形態において、分別装置が無い場合であっ
ても、各処理設備100、200、400へと廃棄物を
投入する際には各設備の処理に適した性状の廃棄物でな
くてはならないため、本システムに搬入されるときには
分別回収された廃棄物が投入される。この場合であって
も本実施形態の範囲であることは言うまでもない。
【0113】これまで本発明の一実施形態について説明
したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技
術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施され
てよいことは言うまでもない。
【0114】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、サー
マルリサイクル設備とケミカルリサイクル設備又は材料
リサイクル設備とを併設することにより、多くの電力又
は熱を必要とするケミカルリサイクル設備又は材料リサ
イクル設備にサーマルリサイクル設備の余剰電力又は余
剰熱を供給することができるので、外部から電力又は熱
を供給する必要がなくなり、システム全体としてのコス
トを低減することができる。
【0115】また、質の高い廃棄物はケミカルリサイク
ル設備又は材料リサイクル設備に投入し、質の低い廃棄
物はサーマルリサイクル設備に投入することができるの
で、それぞれのリサイクル設備の有しているポテンシャ
ルを十分に活かしてシステム全体のリサイクル効率を向
上させることができる。特に、リサイクル製品を保存す
ることができないサーマルリサイクル設備の欠点を廃棄
物を化学工業原料及び燃料等の化学製品として再生でき
るケミカルリサイクル設備や、廃棄物を再生原料として
利用可能とする材料リサイクル設備が補うことができ
る。
【0116】更に、サーマルリサイクル設備とケミカル
リサイクル設備又は材料リサイクル設備とには共通する
ユーティリティ設備があるので、サーマルリサイクル設
備とケミカルリサイクル設備又は材料リサイクル設備と
を併設することにより、これらのユーティリティ設備を
共有してシステムの効率化及びコストダウンを図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における廃棄物のリサ
イクルシステムの全体構成を示す概略図である。
【図2】図1のサーマルリサイクル設備の構成を示す概
略図である。
【図3】図2の流動層ガス化炉を示す概略図である。
【図4】図2の流動層ガス化炉及び溶融燃焼炉を示す断
面斜視図である。
【図5】図1のケミカルリサイクル設備のガス化装置と
ガス精製装置の構成を示す概略図である。
【図6】図1のケミカルリサイクル設備のメタノール合
成装置の構成を示す概略図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における廃棄物のリサ
イクルシステムの全体構成を示す概略図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における廃棄物のリサ
イクルシステムの制御システムを示す概略図である。
【図9】本発明の他の実施形態における廃棄物のリサイ
クルシステムの全体構成を示す概略図である。
【符号の説明】
10 低カロリーの廃棄物 20 高カロリーの廃棄物 30 電力供給経路 40 蒸気供給経路 100 サーマルリサイクル設備 102 焼却装置 104 発電装置 106 流動層ガス化炉 108 溶融燃焼炉 110 廃熱ボイラ 112 エコノマイザ 114 空気予熱器 116 除塵器 118 誘引通風機 120 蒸気タービン 122 発電機 155 コンベヤ 156 循環エレベータ 157 分級器 160 1次燃焼室 170 2次燃焼室 180 水室 181,225 スラグ 183 処理器 200 ケミカルリサイクル設備 202 ガス化装置 204 ガス精製装置 206 メタノール合成装置 210 流動層ガス化炉 211 旋回溶融炉 241 CO転化器 242 酸性ガス除去装置 243 CO放散塔 244 硫化水素放散塔 245 CO液化装置 246 硫黄回収装置 270 循環機 271 メタノール合成塔 272 熱回収器 273 高圧分離器 274 蒸留塔 300 分別装置 410 監視センタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10L 1/00 B09B 5/00 M H02P 9/04 3/00 303J Fターム(参考) 3K062 BA02 DA40 DB30 4D004 AA01 AA46 AC05 BA03 CA04 CA07 CA27 CA28 CB02 CB13 CB34 CB36 CB45 DA02 DA11 DA12 DA16 4H013 BA00 BA01 BA02 5H590 AA02 CA01 CA21 CA26 CA30 CE01 CE02 EA07 EB14 FA01 FA05 GA06 GB05 HA06 JA02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を焼却することで発生した熱を回
    収して発電又は熱利用を行うサーマルリサイクル設備
    と、 廃棄物を化学製品としてリサイクルするケミカルリサイ
    クル設備と、 前記サーマルリサイクル設備において生成された電力又
    は熱のうち、前記サーマルリサイクル設備において必要
    とされる電力又は熱を超える余剰電力又は余剰熱を前記
    ケミカルリサイクル設備に供給する供給経路とを備えた
    ことを特徴とする廃棄物のリサイクルシステム。
  2. 【請求項2】 廃棄物を化学製品としてリサイクルする
    ケミカルリサイクル設備と、 廃棄物を焼却することで発生した熱を回収して発電又は
    熱利用を行うサーマルリサイクル設備において生成され
    た電力又は熱のうち、前記サーマルリサイクル設備にお
    いて必要とされる電力又は熱を超える余剰電力又は余剰
    熱を前記ケミカルリサイクル設備に供給する供給経路と
    を備えたことを特徴とする廃棄物のリサイクルシステ
    ム。
  3. 【請求項3】 処理される廃棄物のうち高カロリーの廃
    棄物を前記ケミカルリサイクル設備に投入し、低カロリ
    ーの廃棄物を前記サーマルリサイクル設備に投入するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の廃棄物のリサイ
    クルシステム。
  4. 【請求項4】 処理される廃棄物を前記高カロリーの廃
    棄物と前記低カロリーの廃棄物とに分別する分別手段を
    更に備えたことを特徴とする請求項3に記載の廃棄物の
    リサイクルシステム。
  5. 【請求項5】 前記供給経路を介して前記サーマルリサ
    イクル設備から前記ケミカルリサイクル設備に供給され
    る電力又は熱を、システム全体としてのエネルギー効率
    が最大となるように調整することを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれか一項に記載の廃棄物のリサイクルシス
    テム。
  6. 【請求項6】 前記サーマルリサイクル設備は、前記余
    剰電力を需要者に供給すると共に、前記余剰電力のう
    ち、前記需要者が求める電力を超える電力を前記供給経
    路を介して前記ケミカルリサイクル設備に供給すること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の廃
    棄物のリサイクルシステム。
  7. 【請求項7】 システムの運転状況に応じて前記サーマ
    ルリサイクル設備と前記ケミカルリサイクル設備の各々
    に投入すべき廃棄物量を演算して廃棄物投入量の指令情
    報を出す監視センタを備えたことを特徴とする請求項1
    乃至6のいずれか一項に記載の廃棄物のリサイクルシス
    テム。
  8. 【請求項8】 前記監視センタからの指令情報に基づい
    て、廃棄物を前記ケミカルリサイクル設備への投入相当
    分量と、前記サーマルリサイクル設備への投入相当分量
    とに分別する分別装置を備えたことを特徴とする請求項
    7に記載の廃棄物のリサイクルシステム。
  9. 【請求項9】 前記監視センタは、前記サーマルリサイ
    クル設備と前記ケミカルリサイクル設備の各々の運転状
    態情報のいずれか1つ以上を入力パラメータとして、前
    記サーマルリサイクル設備と前記ケミカルリサイクル設
    備の各々に投入すべき廃棄物投入量を算出する演算装置
    を備えたことを特徴とする請求項7又は請求項7又は請
    求項8記載の廃棄物のリサイクルシステム。
  10. 【請求項10】 前記監視センタは、製品需要量、電力
    需要量、又は熱需要量のいずれか1つ以上を入力パラメ
    ータとして、前記サーマルリサイクル設備と前記ケミカ
    ルリサイクル設備の各々に投入すべき廃棄物投入量を算
    出する演算装置を有することを特徴とする請求項7乃至
    9のいずれか一項に記載の廃棄物のリサイクルシステ
    ム。
  11. 【請求項11】 廃棄物を焼却することで発生した熱を
    回収して発電又は熱利用を行うサーマルリサイクル設備
    と、 廃棄物を再生材料としてリサイクルする材料リサイクル
    設備と、 前記サーマルリサイクル設備において生成された電力又
    は熱のうち、前記サーマルリサイクル設備において必要
    とされる電力又は熱を超える余剰電力又は余剰熱を前記
    材料リサイクル設備に供給する供給経路とを備えたこと
    を特徴とする廃棄物のリサイクルシステム。
  12. 【請求項12】 システムの運転状況に応じて前記サー
    マルリサイクル設備と前記材料リサイクル設備の各々に
    投入すべき廃棄物量を演算して廃棄物投入量の指令情報
    を出す監視センタを備えたことを特徴とする請求項11
    に記載の廃棄物のリサイクルシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2015210044A (ja) * 2014-04-28 2015-11-24 株式会社タクマ 燃焼制御方法および燃焼制御システム
KR20160018484A (ko) * 2014-03-28 2016-02-17 상하이 보일러 웍스 컴퍼니 리미티드 고체 연료 분급 가스화-연소 이중층 병산 시스템과 방법

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