JP2003097660A - バルブ制御用ステッピングモータ組立体 - Google Patents

バルブ制御用ステッピングモータ組立体

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JP2003097660A
JP2003097660A JP2001288346A JP2001288346A JP2003097660A JP 2003097660 A JP2003097660 A JP 2003097660A JP 2001288346 A JP2001288346 A JP 2001288346A JP 2001288346 A JP2001288346 A JP 2001288346A JP 2003097660 A JP2003097660 A JP 2003097660A
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stepping motor
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case
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Satoshi Ito
智 伊東
Shozo Fujita
省三 藤田
Shuji Sato
修治 佐藤
Hitoshi Umezawa
仁志 梅澤
Norio Suzuki
教郎 鈴木
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Fujikoki Corp
Nippon Pulse Motor Co Ltd
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Fujikoki Corp
Nippon Pulse Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期に亘って安定・確実な動作を確保するこ
とができるステッピングモータ組立体の提供を目的とす
る。 【解決手段】 ステッピングモータ3と、減速機構と、
減速機構に連なる出力軸に設けた雄ネジ部7011と、
該雄ネジ部7011と螺合する雌ネジ部801を有する
ネジ軸受け8と、これらの全体を覆うケースとを備えた
バルブ制御用ステッピングモータ組立体において、出力
軸の雄ネジ部7011とネジ軸受け8の雌ネジ部801
の螺合を台形または矩形のネジ山形状の構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばエアコンにおけ
る冷媒の流量制御や、風呂、シャワーにおける燃焼ガ
ス、空気、温水、液体燃料などの流量制御に用いられる
バルブ制御用のステッピングモータ組立体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】回転量を電子的に精密制御できるステッ
ピングモータは、冷媒や燃料等の流体の流量制御を精密
に行うことが求められる用途などにおいて用いられ、特
にエアコンの冷媒流量制御用弁の駆動系として従来から
有用とされている。
【0003】そして、このような用途におけるステッピ
ングモータは、単にステッピングモータ単独について考
えられているのとは異なり、用途に適した構成を有する
組立体全体の構成が重要である。例えば、商業的な用途
のみならず一般家庭においても広く普及しているエアコ
ンでは、冷却温度を制御するのに重要な冷媒循環量の制
御機構は、精密制御の要求に応えることはもちろんであ
るが、それに加えてコストの低廉化や、長期に渡って使
用される装置であるから優れた耐久性が求められる。更
にまた、上記家庭用エアコンでは小型化,薄型化が求め
られてきているため、ステッピングモータ組立体につい
ても上記の種々の要求を満たした上で小型なものが要望
されている。
【0004】上記のステッピングモータ組立体としては
例えば特許第2887395号公報による提案のものが
ある。これは、図4,図5に示すように、ステッピング
モータ組立体のケース20を、有底筒状の本体21の下
部開口212にネジ軸受23を固定し、これに、該ケー
ス本体21内の底部から下方に延出する最終出力軸24
(回転しながら進退動する雄ネジ部材)を貫通螺合さ
せ、更にその上部に、減速機構のギア列等の部材を順次
下側から組み立て上げるようにした構成をもち、また、
給電線(リード線)35をケース本体21の下側に設け
た導入口からケース20内に導入するようにしたもので
ある。上記ギア列等の部材としては、出力歯車25、中
間歯車26、軸柱27、中間歯車28、モータオピニオ
ン29であり、これが中地板31、上地板32及びこの
上地板32に固定された反出力軸受30で支持されてい
る。
【0005】そして、上記上地板32の上にステッピン
グモータ36を固定してキャップ部材22を被冠し、そ
の周縁部をシール剤38を挾持してカシメることでケー
ス内部を外気から封止し、ステッピングモータ36に接
続したフレキシブルプリント板からなる給電線33を保
護ブッシュ34を通してケース外部に導出させてリード
線35に電気的に接続し、同接続部位をシール剤37で
埋めてこの部分からの水分の侵入を防ぐようにしてい
る。なお、40はロックナットであり、ケース本体21
の下部に組み付けられてストッパリング41で外れない
ようになっていると共に、外部の被制御弁のボディ(図
示せず)にねじ込み固定される。42は鋼球であり、最
終出力軸24の先端に固定されていて、該最終出力軸の
進退動により被制御弁の弁体を進退動させるものであ
る。43はストッパリングであり、最終出力軸24の上
死点を定めるためのものである。
【0006】この提案のステッピングモータ組立体は、
ダイキャスト成形されたケース本体21に対して、その
天井開口211を閉塞するように被冠するキャップ部材
22をシール剤を挾んでカシメることにより、ケース内
部を効果的に外部から気密封止できる特徴があり、また
小型化,軽量化の点でも優れているため、近時広く汎用
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のステ
ッピングモータ組立体は、長期使用されていると動作不
良を起こす場合があった。この問題は、このステッピン
グモータ組立体が最も代表的に使用されているエアコン
の冷媒流量制御弁(以下単に「冷媒弁」という)におい
て、弁が開かず冷媒が流れない状態として現れている。
【0008】かかる不具合は、ネジ面において、長期の
動作による軸荷重負荷やネジ駆動により摩耗・損耗が生
じこれがネジの円滑な回転動作を損ない動作不良を発生
させることが問題であった。
【0009】本発明は、かかる問題を解消し、長期使用
によるネジ螺合部の損耗が小さく動作不良発生の可能性
が極めて小さいステッピングモータ組立体を提供するこ
とを目的とする。
【0010】同時に本発明は、開弁電圧を長期に亘って
安定させることにより、長期間安定・確実な動作を確保
できるステッピングモータ組立体を提供するところにあ
る。
【0011】また更に、従来においては、耐久寿命を確
保するためにネジ部材に高力材を用いたり、螺合部に表
面処理を施していたが、本発明は安価な材料を用いるこ
とができ、また表面処理を省略しても必要な耐久寿命が
確保できるステッピングモータ組立体を提供することを
目的とする。
【0012】以上のことに加え、ケースの組み立て作業
工数の削減を図ってコストの低廉化を実現でき、併せて
少ない組立作業工数とすることにより、作業ミスの虞れ
を低減できるステッピングモータ組立体の提供をその目
的とする。
【0013】また更に、ステッピングモータへの給電線
(リード線)の芯線部分などを通った水分侵入に伴う不
具合を有効に防止できるステッピングモータ組立体を提
供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記した種々の目的を達
成するために提案された本願発明のバルブ制御用ステッ
ピングモータ組立体の特徴は以下の通りである。 (1)ステッピングモータと、減速機構と、減速機構に
連なる出力軸に設けた雄ネジ部と、該雄ネジ部と螺合す
る雌ネジ部を有するネジ軸受けと、これらの全体を覆う
ケースとを備えたバルブ制御用ステッピングモータ組立
体において、前記出力軸の雄ネジ部とネジ軸受けの雌ネ
ジ部の螺合を台形または矩形のネジ山形状の構造とした
ところにある。 (2)上記の発明(1)においてネジ軸受けを前記ケー
スに固定し、これに螺合する雄ネジ部を有する上記出力
軸が回転しながら進退動するようにしたところにある。
【0015】上記構成の例えば台形ネジの基本は、JI
S B0216で定義されるものを言うが、本発明の思
想では、台形または、矩形ネジで目的を達成することが
できる。JIS B0216の「台形ネジ」は、規格の
下限は、Tr8、ネジピッチ1.5mmが基準寸法とさ
れ、それ以下のネジピッチについては規格がない。
【0016】しかしながら、本発明に関わるバルブ制御
用ステッピングモータ組立体が代表的に使用される小型
エアコンの冷媒流量制御用では、小型に設計するため
に、その駆動ネジは、ネジピッチが1mm以下のものを
使用することが必要である。ネジピッチ1mm以下での
ネジ山は、成形性・加工性から三角ネジを用いるのが通
例である。これに対し、本発明では、ネジ山の耐久性や
強度を確保するにあたり、台形(または矩形)のネジ山
を用いるよう検討を加え、ネジ規格に規定のない1mm
以下のピッチを達成するように設計を行ない適用するこ
とができた。
【0017】「台形または矩形ネジ」の螺合を有する本
願発明のステッピングモータ組立体の構成は、制御精度
の要求や、コストの低廉化などの目的に応じてその形状
・構造を好ましい態様に変更しうる。
【0018】以上のことに加えて更に以下の望ましい態
様を採用することができる。例えば、ケース内に、減速
機構を構成するギア列の各歯車を支持し、また、ステッ
ピングモータを位置決め固定する合成樹脂モールディン
グ部材を組み込むことが好ましい。
【0019】この構成においては、ケースは略平板状を
なす地板とこれを被冠するキャップを用いて構成するこ
とが好ましい。すなわち、上述した従来のステッピング
モータ組立体のケース本体をダイキャスト成形品として
いることが部品の製造コストを高くし最終的にステッピ
ングモータ組立体のコストを高くする要因となっている
が、ケース本体を上記のように略平板状の地板で構成す
ることで、ケース本体をダイキャスト成形品とする必要
をなくすことができるからである。ここで地板が「略平
板状をなす」というのは、ケースの本体としての剛性部
分を、鋼板等の金属製材料のプレス成形品で形成できる
ことを意味するものであり、ダイキャスト成形品を必要
としないことをいう。また上記地板はその本体を金属製
部材等の剛性板材から構成し、かつこれにゴム部材等の
シート状弾性体を一体化したものが好ましく採用され
る。該ゴム部材等は剛性板に焼付け又は接着により一体
化することができる。
【0020】地板を構成する剛性板材には、亜鉛メッキ
等の防錆処理が施された鋼板等の金属板が好ましく用い
られ、またシート状弾性体としては、耐候性,耐久性に
優れたゴム材、例えばクロロプレン系のゴム材が好まし
く用いられる。
【0021】また更に、上記の発明の構成に加えて更に
以下の構成を有するようにすることが好ましい。 :上記地板の一部にステッピングモータへの給電線導
入用の開口を設けると共に、外部からの上記給電線が差
し込まれる空所を、上記地板の弾性体を該開口からケー
ス内に凹型に延出させて形成し、一端がステッピングモ
ータに電気的に接続された端子を該空所内に気密封止し
て突出させ、該空所に外部から差し込まれた給電線と電
気的に接続させるようにすること。 :上記地板剛性板の一部に設けたステッピングモータ
への給電線導入用開口から給電線が差し込まれる空所
を、シール剤で気密封止すること。 :上記雌ネジ部材には、被制御側のバルブ機構ボディ
と機械的に連結,固定するための結合手段を設けるこ
と。
【0022】以上のことに加え、上記発明(2)の「ネ
ジ軸受けは前記ケースに固定され、これに螺合する雄ネ
ジ部を有する前記出力軸が回転しながら進退動する」と
いう構成を有するように特定される発明は、次のような
特徴的な利点がある。
【0023】すなわち、相互に螺合する雄ネジ部材と雌
ネジ部材を用いて、回転運動を直進(進退)運動に変換
させるためには、減速機構に連なる出力軸に雌ネジ部を
形成し、この雌ネジ部材を、ケース等の固定部に固定し
た雄ネジ部材に螺合させて進退動させる構成も理論的に
は当然に採用することができる。しかし、この方式のも
のは、進退動する雌ネジ部材の反力対策が必要になり、
機構の複雑化や制御精度の低下という問題を招く虞れが
大きくなるが、上記発明(2)によればこれらの問題が
なく、機構,構造の簡単化、制御精度の向上などを確保
できる。
【0024】
【発明の実施の形態】実施形態1 図1〜図3により説明する本例のバルブ制御用ステッピ
ングモータ組立体は、エアコン等の冷媒の流量制御を行
う用途のバルブ制御用ステッピングモータ組立体(以下
「ステッピングモータ組立体」あるいは単に「組立体」
と言う)に有効に用いられるものである。
【0025】なお、図1は、本例の構造の理解(特に駆
動力伝達系のギア列連係の関係)を容易とするために展
開図とした示したものである。具体的には、上記組立体
を底面側から水平断面で見た状態を示している図2にお
いて、ステッピングモータ3のロータ301が回転自在
に滑合する固定軸302の軸心から、減速機構のギア列
を構成している各歯車4,5,6の固定軸401,50
1,601の軸心を結び、更に減速機構の出力軸であり
かつステッピングモータ組立体の最終出力軸でもある出
力軸歯車7の回転出力軸701の軸心を結んだ線の縦断
面を平面的に展開して示している。したがって、図2は
実際の上記組立体の構造を示したものに相当するが、図
1は、上記のとおり、減速歯車機構のギア列の連係の関
係を分かり易くするために示した展開図である。なお、
上記の符号302,401,501,601で示した各
軸は、軸自身は回転しない固定の軸であり、一方、出力
軸701は軸自身が回転するものである。なお、上記ロ
ータ301は、合成樹脂製の間座3011、マグネット
3012及び上記間座端部に形成されたモータピニオン
3013からなっている。
【0026】このステッピングモータ組立体の構成概要
を説明すると、ケースは、略平板状の地板1と、周縁が
該地板1にカシメ固定されるキャップ(外ケース)2と
により形成され、地板1は、金属(亜鉛メッキ鋼板)製
の地板本体101と、その下面に積層一体化(接着剤に
よる接着、焼き付け等)された弾性体層(クロロプレン
ゴム層)102とからなり、かつ構造的には、実質的に
円形平板状をなしていて、所定の開口と、円形周縁の段
付き部1101(フランジ部)とが、プレス成形により
形成されている点にある。なお、上記開口は、出力取出
しのために出力軸701をケース内部から鉛直下方の外
部に突出させるように該出力軸701の雄ネジ部701
1が螺合するネジ軸受け8を圧入固定して構成するネジ
軸受け固定用の開口103、及び給電線(電源及び制御
信号)導入用の開口104が地板1を貫通して形成さ
れ、また各歯車軸嵌入固定用の開口1012,101
3,1014は、地板本体101のみに形成されて弾性
体層102で外部から封止されている。
【0027】上記ネジ軸受け8は、上記地板1の開口1
03に圧入固定されると共に、この圧入時に開口周縁の
ゴム層102を挾圧してシール性(気密封止)を確保す
るように設けられている。なお、このネジ軸受け8のケ
ース外部に延出した部分には、被制御側のバルブ機構
(図示せず)に機械的に連結するための結合手段が、本
例ではナット部材9として設けられている。
【0028】また地板1に設けられたもう一つの上記開
口104は、上述のようにステッピングモータへの電源
及び制御信号の供給用給電線(リード線)を導入する部
位を形成するための開口104であり、本例では以下の
特徴的構造を有している。
【0029】すなわち、本例の地板1を構成している弾
性体としてのゴム層102は、該地板開口104からケ
ース内側への延出部1021が形成されて空所105を
凹設された、地板開口104の開口部をシール剤塗布部
106で封止することで、当該空所105中のコネクタ
を含むモータ組立体の内外部に対して気密になし得るよ
うに形成した特徴的構造を有している。本例に則してそ
の特徴を具体的に言えば、上記空所105は、空間的に
はケース内に位置するが、封止構造的には、ケース内部
に対しては上記ゴム層102の延出部1021により気
密封止され、かつケース外部に対しては上記シール剤塗
布部106により気密封止される。
【0030】そして、ステッピングモータ組立体の動作
機構を収容している実質的なケース内部と外気(外部)
とのそれぞれに対して気密的に区画された上記空所10
5において、ステッピングモータ3からの給電線303
を、上記ゴム層102の延出部1021を気密的に貫通
させて延出させ、また、上記シール剤塗布部106を通
して外部からの給電線10を該空所105に延出させ、
これらの内外の給電線303,10を、当該空所105
の空間で電気的に接合するようにしている。なおこの一
対の給電線303,10の電気的接合は、適宜、従来周
知のコネクタ等を用いて行うことが出来る。
【0031】このような空所105における電気的な接
合の構造を採用することで、上述した給電線の芯線部分
を通した水分の侵入が万一あっても、これは該空所10
5内に入るだけでそれ以上のステッピングモータ側への
侵入はゴム層102の延出部1021で阻止され、気密
封止の不良による動作不良という従来希にあった不具合
は解消される。
【0032】また、本例において地板1がプレス成形に
より形成されていることは特徴的な点であり、これによ
り、従前のようにケースをダイキャスト加工品を用いて
構成する場合に比べて部品コストを大幅に低減すること
ができる。
【0033】11は、ステッピングモータ組立体のケー
ス内に組付け挿入される樹脂モールディング部材であ
り、上記空所105を形成するゴム層102の延出部1
021の支え部1101、ギア列の各歯車4,5,6の
回転軸401,501,601を支える嵌合孔110
2,1103,1104を有すると共に、最終出力軸7
01の端部が遊嵌する遊嵌孔1105が形成されてい
る。
【0034】これらの嵌合孔1102,1103,11
04は、上記金属製の地板本体101に設けた嵌合孔1
012,1013,1014と対向する位置に形成され
て、各一対に対向する嵌合孔に亘り各歯車4,5,6の
固定軸401,501,601が嵌合して支持される。
なお地板本体101の各嵌合孔は、プレス成形により形
成され、またこの本体101に焼付け一体化されたゴム
層102により外部からは遮蔽されて気密封止されるこ
とは上述した通りである。
【0035】次に、本例の特徴的構成であるステッピン
グモータ組立体の最終出力軸である出力軸歯車7部分の
構成について説明する。
【0036】本例においては、この出力軸歯車7は、歯
車4〜6で構成されている減速機構のギア列の最終段の
歯車6に係合してステッピングモータ3の回転が減速し
て伝達されて回転するようになっていて、かつその雄ネ
ジ部7011が、ケースの地板1に固定されたネジ軸受
け8の雌ネジ部801に螺合・貫通した構成に設けら
れ、かつこれらネジ軸受け8の雌ネジ部801と出力軸
701の雄ネジ部7011は、図3に示したように台形
(矩形でもよい)螺合の構造で螺合するように設けられ
ているという特徴がある。
【0037】上記の台形ネジの構造自体は従来から知ら
れている。しかし、本願発明にかかわるようなエアコン
における冷媒流量制御用バルブに用いられるネジ機構に
おいては、制御精度の観点からピッチ1mm以下の小径
ネジを用いなければならず、既に述べたように寸法上及
び加工性の制約から、例外なく三角ネジが用いられてい
た。しかしながら、微小な進退動が要求される冷媒制御
用バルブにおいては、同時に長期間に亘る動作の安定性
・確実性も求められるため、精密な動作と合わせてネジ
の耐久性も重要な要素であり、ネジ機構部自体における
強度改善が課題であった。ネジ強度の向上を表面処理や
材料の高耐力化に依らず達成しようとすれば台形ネジが
有効なことは明らかであるが、台形ネジで最も小さい寸
法のものはネジ径8mm、ピッチ1.5mm(Tr8×
1.5)であり、微小な進退動を行い、かつ、小トルク
の小型モータで駆動することが必要な冷媒制御用バルブ
には適用し得ない。
【0038】本願発明は、この点に鑑み、台形ネジの設
計形状を基本とし、これを大幅に縮小設計することに注
力し、ネジ山の各部位の寸法選択と、その組み合わせ、
更に実際に機械加工する際の加工性についても種々の検
討を加えた結果、ネジ径4mm、ピッチP=0.75m
mの形状まで小型化を達成することができた。従来製品
に用いられていた三角ネジの寸法は、M4、ピッチP=
0.5mmであるため、ネジ1回転当たりの進退動が
1.5倍になるが、この程度の差異は、減速ギアとの組
み合わせにより、従来と同等の制御分解能が達成可能で
あり、動作用のトルクも同程度のモータにより充分に対
応できるものと成し得た。
【0039】本例の出力軸歯車7の進退動を決める螺合
部分が上記のように構成されていることにより、ステッ
ピングモータ3から回転力が伝達されると、該出力歯車
7は、回転しながら軸方向(図1の矢印方向)に進退動
し、該出力軸歯車7のケース外部に延出した先端部(下
端部)に設けた球形端が、図示しない被制御側の開閉バ
ルブの弁体を軸方向に押圧する。
【0040】また、台形ネジを用いることによりネジ軸
の進退動におけるネジ軸の姿勢が安定するため、本実施
例に図示するように出力軸701の進退動に直接関与す
る部位を螺合部のみとすることができ、従来のようにネ
ジ軸の進退動を案内する円筒摺動面を設ける必要がな
い。本例出力軸の端部の遊嵌孔1105も出力軸の運動
を拘束しないクリアランスをもって組み合わせることが
できる。
【0041】したがって、台形ネジ構成にすれば螺合が
安定し閉弁後、開弁しようとする際のネジ軸ガイドの拘
束要因がなくなるため、開弁電圧を低く安定させる効果
がある。
【0042】なお以上のことに加えて、本例によれば更
に以下の特徴的な効果が得られる利点がある。
【0043】すなわち、上記略平板状の地板1に対して
被冠されるキャップ2の接合は、本例においては、円形
の地板周縁1011を若干段付きに形成することで、ゴ
ム層102の焼付け時に該周縁部分の該ゴム層を若干厚
く形成させ、亜鉛メッキ鋼板を絞り加工して形成したキ
ャップ2の周縁201を地板下側に回り込ませてこの若
干厚く形成した部分のゴム層102を挾圧するようにカ
シメ加工し、地板本体101及びゴム層102からなる
地板1とキャップ2とからなるケースの気密封止を、上
記カシメ加工という一段階の工程のみで終了できるよう
にしており、このように構成したステッピングモータ組
立体は、地板1を代表として、各部品を比較的簡単な工
程作業で製造することができるので、部品単価を低減す
ることができ、しかも各部品の精度も高く保持できると
いう利点があり、更にこれらの精度の高い部品を使用し
て、地板の上に順次に部品を積み重ねていくという組立
作業でステッピングモータ組立体を構成することがで
き、工程数が少なく、比較的単純な組立作業でケース内
外の気密封止を実現することができる。
【0044】
【実施例】上記図1、図2に示したステッピングモータ
組立体に、本発明の「台形または矩形のネジ形状を用い
る」場合の実施例を説明する。本発明を活かす設計の組
み合わせは各種あるが、「従来例:モータのステップ角
7.5°、減速比1/30、三角ネジのピッチ0.5m
m」に対し、従来の制御ソフトを変更したくない場合に
は、「実施例:モータのステップ角15°、減速比1
/90、台形ネジのピッチ0.75mm」、「実施例
:モータのステップ角7.5°、減速比1/45、台
形ネジのピッチ0.75mm」などのようにすれば、制
御で1パルス当たりの組立体の弁体に対する機械的送り
量は変わらず従来の制御ソフトウェアをそのまま使用で
きる。従来の制御ソフトウェアにこだわらないのであれ
ば、モータ、減速比、ネジピッチは適宜選択し、ネジ形
状に台形または矩形のものを用いる。
【0045】本発明の効果を調べるため、実際の製品を
製作し、評価試験を行った。試験品は、前記した実施例
を用いた。雄ねじを有する出力軸にはステンレス材を
用い、表面硬化処理付きと無しを用意し、また、雌ねじ
を有する軸受けには、快削黄銅と高力銅(硬質銅合金)
の2種類の材料を用意して、計4種類の組み合わせにて
試験を実施した。ネジはに示す寸法である。また、比
較のため従来タイプである「三角ネジ」を用いた組立品
を快削黄銅製ネジ軸受けと表面硬化処理付きのステンレ
ス出力軸にて製作し、同時に試験を行った。試験条件
は、駆動電圧DC12V、弁の開閉は全閉点(原点=0
パルス)と全開点(2000パルス)の間を繰り返し開
閉させ、20万サイクルまで行った。ネジ部には実用機
において想定される最大負荷が印加されるように実製品
と同様にモータ組立体を弁体に組み付け、該弁体に最高
使用圧力を連続印加した状態にて実施した。
【0046】この試験において、一定回数毎に全閉点か
ら開弁させる際に必要な最低電圧を測定した。全閉点
は、弁体に印加された圧力負荷による軸荷重と共に弁を
閉止させるための軸荷重が必要であるため、ネジの回転
負荷が最も高い点であり、この全閉点からの最低開弁電
圧を求めれば、弁の動作が定格電圧(DC12V)に対
し、充分な余裕をもって行われるかを評価することがで
きる。また、この最低開弁電圧が耐久回数を通して変動
が多いか少ないかにより弁の動作の安定性・耐久性が評
価できる。最低開弁電圧の測定は、弁の全閉状態におい
て、モータに開方向の駆動をかけながら0Vから徐々に
電圧を上昇させ、弁が開きだした電圧を求めることによ
り得られる。このようにして得られた結果を図6に示
す。
【0047】その結果、本発明のステッピングモータ組
立体は、三角ネジを用いたステッピングモータ組立体に
比べて、初期から20万回試験終了後に至るまで最低開
弁電圧がより低い値に改善されていることがわかった。
従来品である三角ネジにおいては、5万回程度で既にD
C9V程度の開弁電圧に達しているが、台形ネジにおい
てはネジ部の構成において、最も強度の低い快削黄銅の
雌ネジと表面硬化処理無しの出力軸の組み合わせにおい
ても、その最低開弁電圧は三角ネジに対し5万回で2V
以上、15〜20万回においても1V程度の改善が認め
られる。
【0048】また、本試験の終了後に行なったネジ山の
損耗状態の比較調査においても、従来の三角ネジでは摩
耗によるネジ山の損耗が認めれるが、台形ネジにおいて
は、上記の最も強度の低い組み合わせにおいても殆ど損
耗は認められなかった。このことは、本発明の台形(ま
たは、矩形)ネジにおいて、ネジ山の強度が著しく改善
されていることを示しており、長期の使用に亘って、そ
の初期のネジ螺合条件を維持できることを意味する。耐
久試験後のネジ山の損耗が著しく改善されていること
は、上記の耐久試験において、開弁電圧が初期から試験
終了まで低い値で推移している事実を裏付けるものとな
っている。従って、本発明は弁の中間開度における開度
制御のみならず、最も駆動負荷の高い全閉点からの弁開
度駆動も長期に亘って安定円滑に行なわれることに寄与
し、従って、全閉点(0パルス)を起点とした設定・制
御がより正確になし得ることになり、本発明の課題であ
った開弁不良や動作不良の発生が極めて少なくできるこ
とを表している。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、本願発明の出力軸の
螺合部を台形形状としたステッピングモータ組立体によ
れば以下の効果が奏される。
【0050】(1) 出力軸の進退動により被制御側の
バルブ開閉度を精密にしかも長期に亘って安定に制御す
る必要のあるエアコン等の用途において、閉弁状態から
開弁する際の最低開弁電圧を、使用開始初期からより低
くすることができ、しかも長期に亘って安定に維持でき
るという信頼性の高い製品を提供できる効果が得られ
る。
【0051】(2) また、ネジ負荷に対する強度が著
しく向上できたため、ネジの損耗を減少させることがで
き、従って、作動不良や開弁不良を生じる可能性が極め
て少なくなるといる効果がある。
【0052】(3) 更にまた、20万回の耐久性試験
後のネジ山形状は、損耗が認められる従来の三角ネジに
比べ、台形ネジはほとんど損耗せず、より長期の使用に
耐え得る可能性が得られる。
【0053】(4) 従来の三角ネジ使用時の雄ネジ及
び雌ネジの耐久寿命向上のために高力材質、表面硬質化
処理の対策が行われていたが、台形ネジとすることによ
り、上記(3)の効果からも分かるように、安価な材
料、表面処理の省略によっても必要な高耐久寿命が確保
できるという効果が得られる。
【0054】(5) ステッピングモータ組立体のケー
スを、略平板状の地板とこれの上部に内部空間を設ける
ように被冠する上部蓋体とから構成して、部品点数を削
減する構成とした場合には、該組立体の組立て作業工数
の削減を図ってコストの低廉化を実現でき、併せて少な
い組立て作業工程数とすることにより、作業ミスの虞れ
を軽減できるという効果が得られる。
【0055】(6) また、ステッピングモータ組立体
のケース内の外部に対する気密封止のより一層の完全化
を図ることで、寒冷地域から熱帯地域などのそれぞれの
要求を、同一規格製品により満足できるという効果が得
られる。特に、ステッピングモータへの給電線(リード
線)の芯線部分を通した水分侵入に伴う不具合を有効に
防止できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のステッピングモータ組立
体のギア列の各歯車中心軸を平面的に結んで示した展開
縦断面図。
【図2】同実施形態1の底面側から見た水平断面図。
【図3】本発明のステッピングモータ組立体に用いた台
形ネジの構造を示した図。
【図4】従来のステッピングモータ組立体の一例を示す
縦断面正面図。
【図5】同従来例の縦断面側面図。
【図6】実施例における耐久回数と開弁電圧特性の関係
を測定したグラフ。
【符号の説明】
1:地板 101:地板本体 1011:(地板)周縁 1012〜1014:開口 102:ゴム層 1021:延出部 103,104:開口 105:空所(コネクタ) 2:キャップ 201:周縁 3:ステッピングモータ 301:ロータ 3011:間座 3012:マグネット 3013:モータピニオン 302回転軸 303:(ステッピングモータからの)給電線 4〜6:歯車 401〜601:回転軸 7:(最終)出力軸 701:出力軸 7011:雄ネジ部 8:ネジ軸受 801:雌ネジ部 9:ナット部材 10:給電線(リード線) 11:樹脂モールディング部材 1101:支え部 1102〜1104:嵌合孔 1105:遊嵌孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 7/116 H02K 7/116 (72)発明者 藤田 省三 東京都文京区本郷2−16−13 日本パルス モーター株式会社内 (72)発明者 佐藤 修治 東京都文京区本郷2−16−13 日本パルス モーター株式会社内 (72)発明者 梅澤 仁志 東京都世田谷区等々力7丁目17番24号 株 式会社不二工機内 (72)発明者 鈴木 教郎 東京都世田谷区等々力7丁目17番24号 株 式会社不二工機内 Fターム(参考) 3J062 AA60 AB21 AC07 BA16 CD02 CD23 CD45 CD54 5H607 AA00 AA05 BB01 BB10 BB14 BB21 CC01 CC03 DD19 EE31 EE36 EE52 GG07 JJ00 JJ03 JJ04 JJ10 KK08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステッピングモータと、減速機構と、減
    速機構に連なる出力軸に設けた雄ネジ部と、該雄ネジ部
    と螺合する雌ネジ部を有するネジ軸受けと、これらの全
    体を覆うケースとを備えたバルブ制御用ステッピングモ
    ータ組立体において、前記出力軸の雄ネジ部とネジ軸受
    けの雌ネジ部の螺合を台形または矩形のネジ山形状の構
    造としたことを特徴とするバルブ制御用ステッピングモ
    ータ組立体。
  2. 【請求項2】 前記ネジ軸受けは前記ケースに固定さ
    れ、これに螺合する雄ネジ部を有する前記出力軸が回転
    しながら進退動することを特徴とする請求項1に記載の
    バルブ制御用ステッピングモータ組立体。
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