JP2003097385A - 高圧ポンプ - Google Patents

高圧ポンプ

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JP2003097385A
JP2003097385A JP2001291229A JP2001291229A JP2003097385A JP 2003097385 A JP2003097385 A JP 2003097385A JP 2001291229 A JP2001291229 A JP 2001291229A JP 2001291229 A JP2001291229 A JP 2001291229A JP 2003097385 A JP2003097385 A JP 2003097385A
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plunger
peripheral surface
annular member
outer peripheral
sliding hole
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JP2001291229A
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Yoshihiko Ito
与志彦 伊藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プランジャの側面の段付き摩耗を抑制すること
ができる高圧ポンプを提供する。 【解決手段】高圧燃料ポンプのハウジング12にはポン
プ室14が形成されている。シリンダ13にはプランジ
ャ摺動孔13a内にプランジャ16が軸線方向へ往復摺
動可能に支持されている。プランジャ摺動孔13aとポ
ンプ室14との境界部において、プランジャ16を囲繞
する収容凹部32が形成され、収容凹部32にはプラン
ジャ16を摺動可能に案内する弾性変形可能な環状部材
33が配設されている。収容凹部32の内周面32aは
プランジャ摺動孔13aの軸線方向において円弧面とさ
れるとともに、環状部材33の外周面33aは収容凹部
32の内周面32aに沿う円弧面とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用エ
ンジン等の内燃機関に採用されて、燃料噴射弁等に燃料
を供給する高圧燃料ポンプ等の高圧ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の高圧ポンプとして、例え
ば特開平8−14140号公報に開示される構成のもの
が知られている。
【0003】この従来構成において、シリンダに形成し
たプランジャ摺動孔にプランジャが往復摺動可能に支持
され、駆動カムの回転によってプランジャがリフタとと
もに駆動され、プランジャが往復動される。このプラン
ジャの往復動によってポンプ室の容積が変化して、ポン
プ室内に流体としての燃料が吸入され加圧される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように駆
動カムを利用してプランジャを往復動する構成とした場
合、駆動カムの回転に伴う摩擦力に応じてリフタに作用
する応力により、駆動カムからリフタに作用する押圧力
の作用位置がプランジャの中心軸線上から外れる。この
ことによりプランジャがプランジャ摺動孔の軸線に対し
て傾くと、ポンプ室内の燃料の圧力がプランジャをさら
に傾けるように作用する。そのため、プランジャの往復
動時においてシリンダとポンプ室との境界部における摩
擦により、プランジャの側面の一部、特にプランジャの
ポンプ室側の側面の段付き摩耗が促進されるおそれがあ
る。
【0005】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その目的は、プランジャの側面の
段付き摩耗を抑制することができる高圧ポンプを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の発明は、シリンダに形成した摺動孔内にプ
ランジャを往復摺動可能に支持し、同プランジャを往復
動させることによりポンプ室内に流体を吸入して加圧す
るようにした高圧ポンプであって、前記シリンダには前
記摺動孔と前記ポンプ室との境界部又は境界部近傍にお
いて、前記プランジャの外周を囲繞する環状の収容凹部
を形成するとともに、同収容凹部には前記プランジャの
外周面を摺動可能に案内しかつ弾性変形可能な環状部材
を配設し、前記収容凹部の内周面を前記摺動孔の軸線方
向において円弧面とするとともに、前記環状部材の外周
面を前記収容凹部の内周面に沿う円弧面としたことを特
徴とする。
【0007】上記構成によれば、プランジャに作用する
押圧力の作用位置がプランジャの中心軸線上から外れる
ことによりプランジャがシリンダの軸線に対して傾く
と、ポンプ室内の燃料の圧力がプランジャをさらに傾け
るようにプランジャに対して作用する。このとき、環状
部材はプランジャの傾斜方向に捻れた状態に弾性変形
し、プランジャの側面が摺動孔の端部に接触することは
ない。環状部材の弾性変形した部分は収容凹部内にてプ
ランジャの傾斜と同様に摺動する。従って、プランジャ
の往復動時においてプランジャは外周面全周で環状部材
と摺動することとなり、プランジャのポンプ室側の外周
面の段付き摩耗を抑制することができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、さらに、前記プランジャの駆動側におけるシリンダ
の端部近傍には、前記プランジャの外周を囲繞する環状
の収容凹部を形成するとともに、同収容凹部には前記プ
ランジャの外周面を摺動可能に案内しかつ弾性変形可能
な環状部材を配設し、前記収容凹部の内周面を前記摺動
孔の軸線方向において円弧面とするとともに、前記環状
部材の外周面を前記収容凹部の内周面に沿う円弧面とし
たことを特徴とする。
【0009】請求項2に記載の発明によれば、プランジ
ャがシリンダの軸線に対して傾くと、プランジャの駆動
側における環状部材もプランジャの傾斜方向に捻れた状
態に弾性変形し、プランジャの側面が摺動孔の端部に接
触することはない。環状部材のその弾性変形した部分は
収容凹部内にてプランジャの傾斜と同様に摺動する。従
って、プランジャの往復動時においてプランジャは外周
面全周で環状部材と摺動することとなり、プランジャの
駆動側の外周面の段付き摩耗を抑制することができる。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1及び2
のいずれかにおいて、前記環状部材の内周面は前記プラ
ンジャの外周面に沿うように形成されていることを特徴
とする。
【0011】請求項3に記載の発明によれば、プランジ
ャはその外周面の全周において環状部材と面接触した状
態で摺動することとなるため、摺動時の摩擦力を分散す
ることができ、プランジャの段付き摩耗をより低減する
ことができる。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかにおいて、前記環状部材の少なくとも内周面に
は耐摩耗性皮膜が設けられていることを特徴とする。請
求項4に記載の発明によれば、耐摩耗性皮膜によって環
状部材の耐摩耗性が向上し、よってプランジャの焼き付
きを抑制することができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明に
かかる高圧ポンプを、例えば筒内噴射式エンジンのよう
なエンジンに適用される高圧燃料ポンプに具体化した第
1実施形態を図1〜図3に従って説明する。この高圧燃
料ポンプは、フィードポンプによって燃料タンク内から
汲み上げられた燃料を加圧して、燃料分配管(デリバリ
パイプ)へと圧送するために用いられている。
【0014】さて、図1に示すように、この高圧燃料ポ
ンプ11は、ハウジング12及びシリンダ13を備えて
いる。ハウジング12の内部にはポンプ室14が形成さ
れている。ハウジング12とシリンダ13とは複数のボ
ルト15により固定されている。シリンダ13の中心に
は円筒状をなすプランジャ摺動孔13aが形成されてお
り、そのプランジャ摺動孔13a内には円柱状のプラン
ジャ16が軸線方向へ往復摺動可能に嵌入支持されてい
る。
【0015】シリンダ13の下面には、ガイド筒17が
突設されている。ガイド筒17内には有底円筒状のリフ
タ18が軸線方向へ摺動可能に挿嵌支持されており、そ
の底板部にはプランジャ16の基端部が当接されてい
る。プランジャ16の基端外周にはリテーナ20が係合
され、このリテーナ20とシリンダ13下面との間には
スプリング21が圧縮状態で介装されている。そして、
このスプリング21により、プランジャ16の基端部が
リフタ18の底板部に押し付けられるとともに、リフタ
18がエンジンのカムシャフト22側に付勢されてい
る。
【0016】また、シリンダ13には前記ガイド筒17
内において突部13bが形成されている。突部13bの
外周にはシール部材28が上端部において圧入固定さ
れ、このシール部材28によってシリンダ13とリフタ
18との間がシールされている。これにより、ポンプ室
14内からシリンダ13のプランジャ摺動孔13aとプ
ランジャ16の外周面との間のクリアランスを介してリ
ークする燃料と、リフタ18を潤滑する潤滑油との混入
が防止されるようになっている。
【0017】すなわち、前記シール部材28は、ほぼ円
筒状の金属管部29とその内面に被覆形成されたゴム材
30とから構成されている。ゴム材30の下端縁には円
環状をなすリップ部31が形成されている。そして、こ
のシール部材28のリップ部31がプランジャ16の外
周面に相対摺動可能に圧接されて、そのプランジャ16
の外周面がシールされるようになっている。
【0018】前記カムシャフト22には、図示しない排
気弁開閉用カムの外にも、高圧燃料ポンプ11のプラン
ジャ16を駆動するための駆動カム23が設けられてお
り、その外周のカム面には2つのカムノーズ23aが1
80度の間隔をおいて形成されている。そして、前記ス
プリング21の付勢力によって、リフタ18がこの駆動
カム23のカム面に圧接されている。
【0019】また、ハウジング12には、ポンプ室14
と連通するように、燃料供給通路24が形成されてい
る。そして、燃料供給通路24には、電磁スピル弁25
が配設されている。
【0020】電磁スピル弁25は、電磁ソレノイドを備
え、電磁ソレノイドに電圧が印加されていないときには
開弁して、燃料供給通路24をポンプ室14に連通する
ようになっている。そして、電磁スピル弁25が開弁さ
れた状態でプランジャ16が下降すると、図示しない燃
料タンクからフィードポンプによって汲み上げられた低
圧燃料が燃料供給通路24を介してポンプ室14に吸入
される。また、電磁ソレノイドに電圧が印加されること
で閉弁して、燃料供給通路24を閉鎖するようになって
いる。そして、電磁スピル弁25が閉弁された状態でプ
ランジャ16が上昇すると、同ポンプ室14の容積が縮
小変化され、その内部の燃料が加圧される。
【0021】更に、ハウジング12には、ポンプ室14
と連通するように、高圧燃料通路26が形成されてい
る。この高圧燃料通路26には、チェック弁27が設け
られており、ポンプ室14内から高圧燃料通路26を介
して圧送される燃料の圧力が所定値を超えたとき、この
チェック弁27が開かれる。これにより、高圧燃料通路
26から圧送される高圧燃料が、図示しない燃料分配管
に吐出されて、エンジンの各燃料噴射弁に分配されるよ
うになっている。
【0022】以上のように構成された高圧燃料ポンプ1
1において、エンジンが駆動された場合には、カムシャ
フト22の回転に伴って駆動カム23が回転され、その
カム面のプロフィールに応じて、リフタ18がガイド筒
17内で軸線方向に往復移動される。そして、図1に鎖
線で示すように、駆動カム23が回転位置R1に回転さ
れた状態では、リフタ18がカムシャフト22に最も近
付いた最下降位置に移動される。このときのプランジャ
16の先端部が最下降位置に到達して、ポンプ室14の
容積が最大となる。
【0023】この状態から、駆動カム23が図1の反時
計方向に回転されると、同図に回転位置R2で示すよう
に、リフタ18の底板部に1つのカムノーズ23aが順
に近付いて、リフタ18が上昇される。これにより、プ
ランジャ16が上昇する方向に移動されて、ポンプ室1
4の容積が押し縮められる。そして、駆動カム23が回
転位置R3まで回転されて、1つのカムノーズ23aが
最上部に位置すると、プランジャ16の先端部17aが
ポンプ室14内に最も突出した最上昇位置に到達して、
ポンプ室14の容積が最も押し縮めれた状態になる。こ
の駆動カム23の回転位置R1→R2→R3の行程が加
圧行程となる。
【0024】この加圧行程において、電磁スピル弁25
の電磁ソレノイドに電圧を印加していなければ、ポンプ
室14内の燃料は、燃料供給通路24を介して燃料タン
クへと溢流(スピル)され、燃料分配管へと吐出される
ことはない。一方、電子制御装置の制御に基づき、加圧
行程の適宜なタイミングで、電磁ソレノイドに電圧を印
加すれば、電磁スピル弁25が閉弁された状態となる。
電磁スピル弁25が閉弁されると、ポンプ室14内の燃
料は、プランジャ16の上昇とともにその圧力が高めら
れ高圧燃料となる。そして、このポンプ室14内の高圧
燃料は、高圧燃料通路26からチェック弁27側に圧送
され、そのチェック弁27を押し開いて燃料分配管へと
吐出される。すなわち、この高圧燃料ポンプ11では、
加圧行程中の電磁スピル弁25の閉弁タイミングを変更
することによって、燃料吐出量を調整するようにしてい
る。
【0025】さらに、前記駆動カム23が図1の回転位
置R3から反時計方向に回転されると、リフタ18及び
プランジャ16がスプリング21の付勢力により最上昇
位置から次第に下降される。そして、駆動カム23が回
転位置R1まで回転されたとき、リフタ18及びプラン
ジャ16が再び最下降位置に到達する。この駆動カム2
3の回転位置R3→R1の行程が吸入行程となる。
【0026】また、電磁スピル弁25は、電子制御装置
の制御に基づき、リフタ18及びプランジャ16が最上
昇位置に到達したタイミングで、電磁ソレノイドへの電
圧が遮断される。そのため、吸入行程においては、電磁
スピル弁25が開弁された状態となり、燃料タンクから
フィードポンプによって汲み上げられた燃料が燃料供給
通路24を通じてポンプ室14内に吸入される。
【0027】以後、上述した加圧行程と吸入行程とが繰
り返し行われて、高圧燃料通路26から燃料分配管内へ
と、電磁スピル弁25の開閉タイミングの制御を通じて
調量された高圧燃料が吐出される。
【0028】さて、本実施形態の高圧燃料ポンプ11で
は、ハウジング12及びシリンダ13にはプランジャ摺
動孔13aとポンプ室14との境界部において、プラン
ジャ16の外周を囲繞する環状の収容凹部32が形成さ
れている。収容凹部32の内周面32aはプランジャ摺
動孔13aの軸線方向において円弧面となっている。こ
の収容凹部32には図2,図3に示されるようにプラン
ジャ16の外周面を摺動可能に案内するための環状部材
33が配設されている。
【0029】図3に示すように、環状部材33は環状基
材34とその表面全体に設けられた耐摩耗性皮膜35と
からなる。環状基材34はバネ鋼等の弾性変形可能な捻
れ性に富んだ材料よりなり、環状基材34の表面全体に
は耐摩耗性皮膜35が設けられている。なお、この耐摩
耗性皮膜35としては、CrN(窒化クロム)、TiN
(窒化チタン)、DLC(ダイヤモンドライクカーボ
ン)等を用いることができ、これらは蒸着法にて環状基
材34の表面に形成することができる。
【0030】また、環状部材33の外周面33aは前記
収容凹部32の内周面32aに沿う円弧面となってお
り、環状部材33が弾性変形する際、環状部材33の内
周面33bは前記プランジャ16の外周の円筒面に沿う
ように形成されている。なお、環状部材33の内周面3
3bとプランジャ16外周面との間のクリアランスは、
プランジャ摺動孔13aとプランジャ16外周面との間
のクリアランスよりも小さく形成されている。
【0031】上記のように構成された高圧燃料ポンプ1
1では、図4に示すように加圧行程では、駆動カム23
にてリフタ18を押圧するため、リフタ18に対する駆
動カム23の押圧点Pはリフタ18の中心から外れ、プ
ランジャ16に作用する押圧力の作用位置がプランジャ
16の中心軸線上から外れることになる。
【0032】このため、プランジャ16には図4では時
計回りのモーメントが生じ、加圧行程時にはプランジャ
摺動孔13aに対してプランジャ16先端部が右側に傾
いた状態でポンプ室14側へ移動する。すなわち、プラ
ンジャ16が傾くことにより、図4に示すように、プラ
ンジャ16の先端側と基端側とではプランジャ16の中
心軸線を挟んで対称な位置でプランジャ16とシリンダ
13とが接触しようとする。
【0033】そして、駆動カム23には押圧点Pにおい
て回転方向後方に向く摩擦力Mが作用し、その反作用に
よってリフタ18の底面には回転方向前方に向く応力S
が作用し、リフタ18は矢印S方向へ移動しようとする
横力を生じている。このリフタ18を介してプランジャ
16全体にも矢印S方向への横力が生じる。このため、
ポンプ室14内の燃料の圧力がプランジャ16の先端側
に作用しプランジャ16がさらに傾くことになる。
【0034】このとき、図5に示すように、環状部材3
3はプランジャ16の傾斜に追従して捻れた状態に弾性
変形し、その環状部材33の弾性変形した部分は収容凹
部32の内周面32aに沿ってプランジャ16の傾斜方
向と同方向に摺動する。そのため、プランジャ16の側
面がプランジャ摺動孔13aの端部に接触することはな
く、プランジャ16は外周面全周で環状部材33の内周
面33bと摺動することとなり、プランジャ16のポン
プ室14側の外周面の段付き摩耗を抑制することができ
る。
【0035】以上説明した本実施の形態によれば、以下
の効果が得られるようになる。・ 本実施形態では、ハ
ウジング12及びシリンダ13にはプランジャ摺動孔1
3aとポンプ室14との境界部に環状の収容凹部32を
形成している。そして、この収容凹部32には弾性変形
可能な捻れ性に富んだ材料よりなり、プランジャ16の
外周面を摺動可能に案内する環状部材33を摺動可能に
配設した。プランジャ16が傾いたとき、環状部材33
はプランジャ16の傾斜方向に捻れた状態に弾性変形し
てプランジャ16の側面をプランジャ摺動孔13aの端
部に接触させることはない。そして、プランジャ16は
外周面全周で環状部材33の内周面33bと摺動するこ
ととなり、プランジャ16のポンプ室14側の外周面の
段付き摩耗を抑制することができる。
【0036】・ また、環状部材33の内周面33bは
プランジャ16の外周面に沿うように形成されているの
で、プランジャ16はその外周面の全周において環状部
材33と面接触した状態で摺動することとなる。そのた
め、摺動時の摩擦力を分散することができ、プランジャ
16の段付き摩耗をより低減することができる。
【0037】・ さらに、環状部材33の表面全体には
耐摩耗性皮膜35が設けられているため、環状部材33
の耐摩耗性が向上し、よってプランジャ16の焼き付き
を抑制することができるようになる。
【0038】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態を図6に従って説明する。なお、重複説明を避ける
ため、図1,2において説明したものと同じ要素につい
ては、同じ参照番号が付されている。
【0039】本実施形態の高圧燃料ポンプ40において
は、プランジャ16の駆動側において、シリンダ13の
下部には下部ハウジング41が設けられ、同下部ハウジ
ング41に前記突部13b及びガイド筒17が形成され
ている。
【0040】下部ハウジング41及びシリンダ13には
プランジャ摺動孔13aの外端部において、プランジャ
16の外周を囲繞するように前記収容凹部32と同様の
収容凹部32Aが形成されている。この収容凹部32A
には前記環状部材33と同様の環状部材33Aが配設さ
れている。
【0041】このように構成された本実施形態の高圧燃
料ポンプ40においては、プランジャ16がプランジャ
摺動孔13aの軸線に対して傾くと、プランジャ16の
駆動側における環状部材33Aもプランジャ16の傾斜
方向に捻れた状態に弾性変形し、プランジャ16の側面
がプランジャ摺動孔13aの端部に接触することはな
い。環状部材33Aの弾性変形した部分は収容凹部32
A内にてプランジャ16の傾斜と同様に摺動する。従っ
て、プランジャ16の往復動時においてプランジャ16
は外周面全周で環状部材33Aと摺動することとなり、
プランジャ16の駆動側の外周面の段付き摩耗を抑制す
ることができる。
【0042】なお、実施形態は以下のように変更しても
よい。 ・ 図7,8に示すように、環状部材45をコイル状バ
ネを環状に形成したものとしてもよい。図8に示すよう
に、環状部材45の内径側にはプランジャ16の外周面
に沿うように直線部45aが形成されている。環状部材
45の表面全体には前記と同様の耐摩耗性皮膜が形成さ
れている。従って、環状部材45はプランジャ16の傾
斜に追従して捻れた状態に弾性変形し、その環状部材4
5の弾性変形した部分は前記収容凹部32の内周面32
aに沿ってプランジャ16の傾斜方向と同方向に摺動す
る。そのため、プランジャ16の側面がプランジャ摺動
孔13aの端部に接触することはなく、プランジャ16
は外周面全周で環状部材45の直線部45aと摺動する
こととなり、プランジャ16の側面の段付き摩耗を抑制
することができる。
【0043】・ 上記各実施形態ではスピル調量方式の
高圧燃料ポンプに具体化したが、例えば吸入行程中にお
けるポンプ室14への燃料の吸入量を調量して燃料吐出
量を調整する吸入調量方式の高圧燃料ポンプのような他
の方式の高圧燃料ポンプに具体化してもよい。
【0044】・ 本発明を、上記各実施形態における燃
料とは異なった流体を加圧するための高圧ポンプに具体
化してもよい。要は、シリンダに往復摺動可能に嵌入さ
れるプランジャを駆動し、そのプランジャの往復動によ
ってポンプ室の容積を変化させることで流体を加圧する
高圧ポンプであれば、任意の高圧ポンプに対して本発明
を適用することができる。
【0045】・ 上記実施形態では、排気弁開閉用カム
を設けたカムシャフト22にプランジャ16を駆動する
ための駆動カム23を設けたが、プランジャ16を駆動
する駆動カム23は吸気弁開閉用カムを備えたカムシャ
フトに設けてもよい。
【0046】・ 上記実施形態において、駆動カム23
を、カム面に3個以上の複数のカムノーズ23aを有す
る形状に変更して構成してもよい。次に、上記各実施形
態から把握できる他の技術的思想を、以下に記載する。
【0047】(イ)請求項1及び2のいずれかにおい
て、前記環状部材は、コイル状バネを環状に形成してな
り、その内径側には前記プランジャの外周面に沿うよう
に直線部が形成されている高圧ポンプ。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の高圧燃料ポンプを示す断面図。
【図2】図1の高圧燃料ポンプの一部を拡大して示す部
分断面図。
【図3】第1実施形態の環状部材を示す平面図。
【図4】プランジャが傾斜していない時の環状部材を示
す断面図。
【図5】プランジャが傾斜したときの環状部材を示す断
面図。
【図6】第2実施形態の高圧燃料ポンプを示す部分断面
図。
【図7】別の環状部材を示す平面図。
【図8】図7のX−X線における断面図。
【符号の説明】
11,40…高圧燃料ポンプ(高圧ポンプ)、12…ハ
ウジング、13…シリンダ、13a…プランジャ摺動
孔、14…ポンプ室、16…プランジャ、18…リフ
タ、21…スプリング、23…駆動カム、32…収容凹
部、33,45…環状部材、33a…外周面、33b…
内周面、34…環状基材、35…耐摩耗性皮膜、41…
下部ハウジング、45a…直線部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダに形成した摺動孔内にプランジャ
    を往復摺動可能に支持し、同プランジャを往復動させる
    ことによりポンプ室内に流体を吸入して加圧するように
    した高圧ポンプであって、 前記シリンダには前記摺動孔と前記ポンプ室との境界部
    又は境界部近傍において、前記プランジャの外周を囲繞
    する環状の収容凹部を形成するとともに、同収容凹部に
    は前記プランジャの外周面を摺動可能に案内しかつ弾性
    変形可能な環状部材を配設し、前記収容凹部の内周面を
    前記摺動孔の軸線方向において円弧面とするとともに、
    前記環状部材の外周面を前記収容凹部の内周面に沿う円
    弧面とした高圧ポンプ。
  2. 【請求項2】請求項1において、 さらに、前記プランジャの駆動側におけるシリンダの端
    部近傍には、前記プランジャの外周を囲繞する環状の収
    容凹部を形成するとともに、同収容凹部には前記プラン
    ジャの外周面を摺動可能に案内しかつ弾性変形可能な環
    状部材を配設し、前記収容凹部の内周面を前記摺動孔の
    軸線方向において円弧面とするとともに、前記環状部材
    の外周面を前記収容凹部の内周面に沿う円弧面とした高
    圧ポンプ。
  3. 【請求項3】請求項1及び2のいずれかにおいて、 前記環状部材の内周面は前記プランジャの外周面に沿う
    ように形成されている高圧ポンプ。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記環状部材の少なくとも内周面には耐摩耗性皮膜が設
    けられている高圧ポンプ。
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