JP2003097384A - 高圧燃料ポンプ - Google Patents

高圧燃料ポンプ

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JP2003097384A
JP2003097384A JP2001287992A JP2001287992A JP2003097384A JP 2003097384 A JP2003097384 A JP 2003097384A JP 2001287992 A JP2001287992 A JP 2001287992A JP 2001287992 A JP2001287992 A JP 2001287992A JP 2003097384 A JP2003097384 A JP 2003097384A
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Japan
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pressure
fuel pump
valve
displacement
pressure fuel
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Application number
JP2001287992A
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English (en)
Inventor
Kenji Heiko
賢二 平工
Kenichiro Tokuo
健一郎 徳尾
Yuzo Kadomukai
裕三 門向
Kunihiko Takao
邦彦 高尾
Hiroyuki Yamada
裕之 山田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】可変容量式単筒プランジャポンプの大容量化・
高速運転化を可能にする。 【解決手段】圧電素子200の変位を大径ベローズ20
4、小径ベローズ202、作動流体208から成る油圧
式変位拡大機構により拡大して係合部材201を変位さ
せ、吸入弁5の開閉タイミングを制御する。大径ベロー
ズ204を常に圧縮した状態で使用することにより作動
流体208を正圧に保ち、ベーパの発生を防止する。圧
電素子200と油圧式変位拡大機構の変位伝達方向熱膨
張量の合計値をケーシング23の同方向の熱膨張量とほ
ぼ等しくなるようケーシング23の熱膨張率を選定する
ことより、効率のよい駆動を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの燃料噴
射弁に燃料を高圧で供給する高圧燃料ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用エンジンに用いられる高
圧燃料ポンプには、ソレノイドを用いて吸入弁の開閉時
期を制御し、吐出される燃料の量を可変に調節できるよ
うにした吐出量可変型のものが知られていた。例えば、
その一例として、国際公開番号WO00/47888の
明細書に記載された装置が知られている。
【0003】これについて説明すると、ソレノイドOF
Fの状態では、ばねにより付勢力を与えられた係合部材
により吸入弁を押し開いて開弁状態に保持し、ソレノイ
ドをONにすることで前記の付勢力とは逆方向で、か
つ、前記の付勢力以上の力を発生させて吸入弁を閉弁す
るようにしていた。これにより吸入弁の開閉時期を制御
して吐出量制御を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の高圧燃料ポンプでは、高速回転時のように流量
が多い場合、ポンプの吐出行程時に係合部材により吸入
弁を開弁保持しようとしても、吸入弁を逆流する燃料の
液圧力により吸入弁が強制的に閉弁されてしまい、ある
回転以上では吐出量制御が困難になるという課題があっ
た。これに対抗するには係合部材に付勢するばね力を強
くすればよいが、ソレノイドの発生力にはその大きさに
よって限界があるため、小さなソレノイドでは係合部材
を引き上げることができず、小型化した構成で吐出量制
御を行うことは困難である。また、ポンプの押しのけ容
積を大きくする場合は、吸入弁を通過する流量はさらに
増えるので吐出量制御が可能な回転数はさらに低くな
る。実際の自動車においては、大排気量のエンジンに大
容量の燃料ポンプが必要である。
【0005】さらに、高回転型エンジンやV8、V10
等の多気筒エンジンではソレノイドの高い応答性が要求
されるが、上記従来技術の高圧燃料ポンプではソレノイ
ドの応答性に対する配慮が十分とは言えない。高圧燃料
ポンプとして現在、主流になっている単筒プランジャ式
では燃料噴射弁との同期を取るためにエンジン気筒数に
比例してプランジャの往復回数を増やす必要があり、こ
れにより制御周期が短くなるためである。
【0006】本発明の目的は、大流量時でも吐出量制御
が可能で、高回転型エンジンや多気筒エンジンにも搭載
可能な高応答の吐出量制御を可能にした吐出量可変型の
高圧燃料ポンプを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の高圧燃料ポンプ
は、燃料の吸入通路と吐出通路に連通する加圧室と、加
圧室内を往復動するプランジャと、吸入通路に間挿され
た吸入弁と、吐出通路に間挿された吐出弁とを備えてお
り、外部入力により動作するアクチュエータにより吸入
弁の開閉タイミングをコントロールする吐出量可変型の
高圧燃料ポンプであって、アクチュエータの変位を拡大
する油圧式変位拡大機構と、油圧式変位拡大機構により
駆動されて吸入弁に付勢力を与える係合部材とを備え、
係合部材と吸入弁を別体として互いに独立に動作できる
よう構成している。また好ましくは、アクチュエータと
油圧式変位拡大機構とを収納するケーシングを備え、ア
クチュエータと油圧式変位拡大機構の変位伝達方向熱膨
張量の合計値がケーシングの同方向の熱膨張量とほぼ等
しくなるようケーシングの熱膨張率を選定している。さ
らに好ましくは、油圧式変位拡大機構は大径ベローズの
小変位をベローズ内に封入された作動流体を介して小径
ベローズの大変位に変換するよう構成したものとし、か
つ、作動流体の圧力が常に正の値を保持した状態で動作
するよう、大径ベローズを無負荷の自由長状態に対して
常に変位伝達方向に圧縮した状態で使用するようにして
いる。また、本発明の高圧燃料ポンプの他の実施態様に
おいては、アクチュエータは圧電素子、電歪素子、また
は磁歪素子とし、係合部材はアクチュエータへの入力が
ない状態では吸入弁を押し開いて開弁状態を保持するよ
う構成し、アクチュエータに入力が入るとアクチュエー
タは大径ベローズを引張って小径ベローズと一体に変位
する係合部材を引き込み、吸入弁との係合を開放して吸
入弁が閉弁できるよう構成している。さらに好ましく
は、アクチュエータに与える入力電圧をONにした後、
加圧室内の圧力が吐出通路の下流側の圧力と同等の高い
圧力である間はそのままON状態を保持し、プランジャ
が吸入行程に入って加圧室の圧力が低下し始めた後に入
力電圧を下げて係合部材を吸入弁に接近させて行き、少
なくとも吸入弁が開弁を始める前までには係合部材を吸
入弁に係合させて吸入弁に開弁方向の付勢力を与えるよ
うに入力電圧を制御する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明による実施例について、以
下図面を参照して説明する。
【0009】図1により、本発明による一実施例の構成
・動作を説明する。ポンプ本体1には、燃料吸入通路1
0、吐出通路11、加圧室12が形成されている。加圧
室12には、加圧部材であるプランジャ2が摺動可能に
保持されている。吸入通路10及び吐出通路11には、
吸入弁5、吐出弁6が設けられており、それぞればねに
て一方向に保持され、燃料の流通方向を制限する逆止弁
となっている。また、断面が中空になった圧電素子20
0がポンプ本体1に保持されており、圧電素子200に
は、変位伝達部材205、206,207を介して大径
ベローズ204を伸縮させるよう配されており、圧電素
子200と変位伝達部材206とは皿ばね24により押
圧保持されている。大径ベローズ204の微小変位は作
動流体208を介して小径ベローズ202の大変位に変
換され、この小径ベローズ202の先端には係合部材2
01、ばね21が配されている。係合部材201は、圧
電素子200がOFF時は、吸入弁5を開弁する位置に
位置決めされており、吸入弁5のばね5aの付勢力とば
ね21の付勢力の合計に対抗し、パスカルの原理により
作動流体208の液圧が上昇するため、圧電素子200
OFF時は、図1のように、吸入弁5は開弁状態を保持
するようになっている。
【0010】圧電素子200は従来の高圧燃料ポンプに
用いられていたソレノイドと比較して、大幅に大出力・
高応答という長所がある一方、変位量が少ないという短
所がある。このため、本発明の高圧燃料ポンプは圧電素
子の微小変位を補うため大径・小径ベローズとこれに密
封した作動流体とからなる油圧式変位拡大機構を用いた
ものである。
【0011】次に、燃料はタンク50から低圧ポンプ5
1にてポンプ本体1の燃料導入口に、プレッシャレギュ
レータ52にて一定の圧力に調圧されて導かれている。
その後、ポンプ本体1にて加圧され、燃料吐出口からコ
モンレール53に向けて圧送される。コモンレール53
には、インジェクタ54、圧力センサ56が装着されて
いる。インジェクタ54は、エンジンの気筒数にあわせ
て装着されており、コントローラ55の信号にて噴射す
る。
【0012】以上の構成による高圧燃料ポンプ101の
動作を以下説明する。
【0013】プランジャ2の下端に設けられたリフタ3
は、ばね4にてカム100に圧接されている。プランジ
ャ2は、エンジンカムシャフト72等により回転される
カム100により、往復運動して加圧室12内の容積を
変化させる。
【0014】プランジャ2の吐出行程中に吸入弁5が閉
弁すると、加圧室12内の圧力が上昇し、これにより吐
出弁6が自動的に開弁し、燃料をコモンレール53に圧
送する。
【0015】吸入弁5は、加圧室12の圧力が燃料導入
口より低くなると自動的に開弁するが、閉弁に関して
は、圧電素子200の動作により決定される。
【0016】圧電素子200に印加電圧を与えてON状
態を保持した際は、圧電素子200は図1中の左方向に
伸長して大径ベローズ204を引張り上げる。大径ベロ
ーズ204の変位は作動流体208を介して小径ベロー
ズ202の変位に変換され、両ベローズの面積比の分だ
け変位拡大されて小径ベローズ202と一体になった係
合部材201を圧電素子200側に引き寄せるため、係
合部材201と吸入弁5は分離される。この状態であれ
ば、吸入弁5はプランジャ2の往復運動に同期して開閉
する自動弁となる。従って、吐出行程中は、吸入弁5は
閉塞し、加圧室12の容積減少分の燃料は、吐出弁6を
押し開きコモンレール53へ圧送される。よって、ポン
プ吐出量は最大になる。
【0017】これに対し、圧電素子200がOFFを保
持した際は、係合部材201により吸入弁5は開弁状態
に保持される。従って、吐出行程時においても、加圧室
12の圧力は燃料導入口部とほぼ同等の低圧状態を保つ
ため、吐出弁6を開弁することができず、加圧室12の
容積減少分の燃料は、吸入弁5を通り燃料導入口側へ戻
される。よって、ポンプ吐出量を0とすることができ
る。
【0018】また、吐出行程の途中で、圧電素子200
をON状態とすれば、このときから、コモンレール53
へ燃料圧送される。また、一度圧送が始まれば、加圧室
12内の圧力は上昇するため、その後、圧電素子200
をOFF状態にしても、吸入弁5は閉塞状態を維持し、
吸入行程の始まりと同期して自動的に開弁する。よっ
て、圧電素子200のONタイミングにより、吐出量を
0〜100%の範囲で可変に調節することができる。あ
とで詳しく説明するが、図3に一連の動作のタイムチャ
ートを示してある。
【0019】次に、図2により変位拡大機構の詳細につ
いて説明する。図2(a)は油圧式変位拡大機構単体で
の初期状態を示しており、作動流体208の圧力は0で
自由長の状態である。この油圧式変位拡大機構の理論的
な変位拡大率は、大径ベローズ204の有効面積A1と
小径ベローズ202の有効面積A2の比で与えられ、圧
電素子200の変位をA1/A2倍に拡大できる。典型
的な圧電素子の変位量は長さ20mmのもので20μm
程度であり、これを高圧燃料ポンプに用いるには10〜
30倍程度に拡大する必要がある。作動流体208とし
ては、変位拡大の効率を上げるためにも、応答性を上げ
るためにも体積弾性係数が大きいものが望ましく、例え
ば油圧作動油やブレーキオイル等が適当である。
【0020】図2(b)は変位拡大機構をセットした状
態であり、予め大径ベローズ204を圧縮して小径ベロ
ーズ202を伸長させた状態とし、この状態で吸入弁5
を閉弁位置からXliftだけ開弁した位置で保持して
ある。このXliftを大きくするほど吸入弁5の開口
面積が増えるので、吐出行程時に吸入弁5を逆流する燃
料の圧力損失が小さくなり、吸入弁5が係合部材201
に与える付勢力が小さくなる。すなわち、少ない力で吸
入弁5を開弁保持できることになる。例えばXlift
を0.4mmとすると係合部材への付勢力は最大で20
N程度になる。パスカルの原理により圧電素子200に
作用する力はA1/A2倍に拡大され変位拡大率20倍
の場合は400Nの力にもなるが、圧電素子200の発
生力は断面積が1平方センチ程度のものでも3000N
を超えており、十分に駆動が可能である。また、圧電素
子200自体、極めて高応答であるので、油圧式変位拡
大機構による応答性低下分を加味しても、従来のソレノ
イドを大幅に上回る高速駆動が可能になる。本実施例の
カム100は6気筒エンジンに合わせてポンプ1回転で
プランジャ2を3回往復させる3葉カムを用いている
が、8気筒、10気筒エンジンに合わせた4葉、5葉カ
ムでの駆動も可能になる。
【0021】図2(c)において、圧電素子200が最
大変位のXpmaxだけ変位した状態で係合部材201
はXmax変位し、吸入弁5の閉弁時にすきまXgap
が空くようにしている。これにより吸入弁5が閉弁可能
となって吐出量を可変に調節することができる。すきま
Xgapの大きさは部品の製作バラツキや熱膨張の影響
により変化するため、これらを考慮した上で必ずすきま
が空くように寸法管理をする必要がある。
【0022】ここで、仮に吸入弁5と係合部材201を
一体とした場合は、圧電素子200のON時において吸
入弁が閉弁した状態からさらに大径ベローズ204を引
張り上げることになるのでベローズ内の体積が増加して
作動流体208の圧力が急激に低下するという問題が生
じる。圧力が作動流体の飽和蒸気圧以下になると作動流
体208内にベーパ(気泡)が発生し、作動流体208
の見掛け上の体積弾性係数が大幅に小さくなってしま
い、結果、変位拡大率・応答性の低下を招くことにな
る。このため、本発明の高圧燃料ポンプでは吸入弁5と
係合部材201を別体とし、作動流体内のベーパ発生を
防止したものである。
【0023】さらに、大径ベローズ204の初期圧縮量
Xiniを圧電素子200の最大変位量Xpmaxより
も大きくし、大径ベローズ204を常に圧縮した状態
で、小径ベローズ202を常に伸長した状態で使用する
ことにより、作動流体208の圧力を常に正値に保つよ
うにして、ベーパの発生を回避している。また、ベロー
ズ自身の剛性が低い場合は作動流体208に十分な負荷
がかからないため圧力が上がらないことが予想されるた
め、ばね21により小径ベローズ202に荷重を与えて
正圧力を維持させている。
【0024】なお、圧電素子200は微小変位であるが
故に熱膨張の影響を受け易いという課題がある。特に自
動車に使う場合は使用温度範囲が極めて広いため、とり
わけ注意が必要である。圧電素子200の熱膨張に加
え、作動流体208の熱膨張も無視できないため、熱膨
張を考慮してすきまXgapを大きくとる必要がある。
しかし、その分Xliftが減ってしまうため、変位拡
大率そのものを大きくする必要が生じ、ベローズが大型
化して車両への搭載性、応答性が低下するという問題が
ある。
【0025】このため、本発明の高圧燃料ポンプは、圧
電素子200と油圧式変位拡大機構の変位伝達方向熱膨
張量の合計値がケーシング23の同方向の熱膨張量とほ
ぼ等しくなるようにケーシング23の熱膨張率を選定し
たものである。これにより、すきまXgapの温度変化
を最小限に抑えると共にXgap自体を小さくして有効
ストロークであるXliftを大きく取れるので、効率
のよい駆動が実現できる。これにより、変位拡大率を最
小限に小さくできるので、油圧式変位拡大機構の固有周
波数が上がって応答性が向上し、圧電素子200の高応
答の特長を十分に活かした高速な駆動が可能になる。こ
の結果、従来の高圧燃料ポンプでは実現できなかった高
回転型のエンジンや、多気筒エンジンへの搭載が可能に
なる。
【0026】次に、図3は本発明の高圧燃料ポンプの駆
動方法の一例を示す図であり、先に図1を用いて説明し
た動作の詳細を理解することができる。
【0027】上述の通り、圧電素子OFFの状態では係
合部材(以下、ロッドと称す)は吸入弁を開弁保持した
ままである。吐出行程の途中で圧電素子に入力電圧を与
えON状態にすると、圧電素子は瞬時に変位して変位X
pmaxを発生する。圧電素子の変位は油圧式変位拡大
機構により拡大されてロッドを圧電素子側へ引込み、ほ
ぼ同時に吸入弁も閉弁する。この瞬間より最下段に示す
加圧室圧力が上昇を始め、吐出流路側の圧力を超えた時
点で吐出弁が開弁し、吐出が開始される。一旦加圧室圧
力が上昇すれば圧電素子をOFF状態にしても、吸入弁
はロッドよりもはるかに強い液圧力で抑えられているた
め閉弁状態を維持し、吸入行程に入って加圧室圧力が減
圧されるのと同期して自動的に開弁する。
【0028】この開弁の際は吸入弁をロッドが押し上げ
ているので、吸入弁単独の場合よりも開弁に要する吸入
弁前後の圧力損失が小さくなる。すなわち、吸込み性能
が向上する。このため低い吸入圧力でも開弁できるの
で、低圧ポンプの吐出圧力を下げて省エネルギ化するこ
とができる。圧力低下が少ないので燃料温度が高い場合
でもベーパを発生させることなく燃料を吸入することが
可能で、広い運転範囲に渡って高いポンプ性能を維持す
ることができる。
【0029】なお、図3の駆動方法では加圧室圧力の上
昇後すぐに圧電素子をOFFとしたが、この状態で吸入
弁は閉弁維持しているものの、ロッドは本来Xlift
位置まで変位しているものが0位置に押さえられている
ため、ベローズ内の体積は小径ベローズの有効面積A2
×Xliftの分だけ小さくなっている。すなわち、こ
の分だけ作動流体は圧縮されて圧力上昇しており、場合
によっては数MPaの圧力がベローズ内に発生すること
になる。この圧力はベローズの板厚によっては耐久性が
心配になるレベルである。
【0030】そこで、図4に示す駆動方法の一例では、
加圧室圧力が高い状態では圧電素子のON状態を維持
し、プランジャが吸入行程に入って加圧室圧力が低下し
始めた後に入力電圧を下げることにより、上記の作動流
体圧力の上昇を回避したものである。但し、吸入弁が開
弁を始める前までにはロッドを吸入弁に接触するように
し、吸入弁の開弁を助けるようにしている。これにより
図3の駆動方法の場合と同様、ポンプの吸込み性能を向
上させることができる。ロッドを吸入弁に接触させる際
は図4に示すように入力電圧を徐々に下げて行き、両者
の急激な衝突を回避するのが好ましい。なお、加圧室圧
力は吐出弁が閉弁した後に低下を始め、吸入行程に入っ
てから吐出弁が閉弁するまでの時間Tdはほぼ一定であ
るので、予めコントローラにTdを記憶させておけば、
容易に本駆動方法を実現できる。
【0031】次に、図5は本発明の高圧燃料ポンプの別
の実施例であり、圧電素子200の伸長方向を逆にし
て、圧電素子200がOFFの状態では吸入弁5と係合
部材201が離れているため吸入弁5が閉弁可能になっ
ている。圧電素子200をONにすると係合部材201
が吸入弁5を押し開く構成であり、ON−OFFの関係
が図1の実施例と全く逆になっている。これ以外の大き
な違いとしては、皿ばねに代えて大径ベローズ204内
にばね209を設けた点である。これにより大径ベロー
ズ204の端面と圧電素子200が押圧保持されてい
る。大径ベローズ204自身がばねとして十分な荷重を
発生できる場合は、ばね209は不要である。
【0032】図6は図5の実施例の高圧燃料ポンプを使
用する場合の駆動方法であり、先に説明した図4の駆動
方法と比較して、入力電圧のON−OFFの関係、及
び、圧電素子の位置関係が逆転しているのみで、他の部
分は同じである。この場合は、OFFタイミングを変え
ることにより吐出量を可変に制御可能である。また、吸
入行程に入ってから吸入弁が開弁するよりも先に圧電素
子に入力電圧を与え、ロッドを吸入弁に押し当てておく
ことにより、先の実施例の場合と同様、ポンプの吸込み
性能を向上させることができる。
【0033】以上説明したように、本発明によれば、圧
電素子の大出力・高応答を活かして大容量のポンプでも
吸入弁の自閉を防止して高い回転数まで吐出量制御が可
能となり、かつ、高速な駆動を実現できるのでプランジ
ャの往復周波数を大幅に高くできる。すなわち大流量か
つ高速運転可能な吐出量可変型の高圧燃料ポンプが実現
でき、自動車においては大排気量エンジン向けの大容量
ポンプ、高回転・多気筒エンジン向けの高応答ポンプを
提供することができる。
【0034】なお、アクチュエータは圧電素子に限定さ
れず、圧電素子と同様の大出力・高応答・微小変位の特
徴を持つ電歪素子、磁歪素子を用いる場合も同様の構成
により、同等の効果を得ることができる。
【0035】また、油圧式変位拡大機構はベローズに限
定されず、ダイヤフラムやピストンを用いてもよい。し
かし、ダイヤフラムでは十分なストロークを確保するの
が難しく、ピストンでは摺動面からの作動流体の漏れ対
策が必要なことから、ベローズが最も適している。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、ポンプを大容量化して
も高い回転数まで吐出量制御ができ、しかも高速な吐出
量制御を可能にする可変吐出量制御機構を提供できるの
で、大排気量エンジンや高回転型エンジン、あるいは多
気筒エンジンにも搭載可能な吐出量可変型の高圧燃料ポ
ンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧燃料ポンプの一実施例を示す縦断
面図。
【図2】本発明の高圧燃料ポンプの変位拡大機構の詳細
図。
【図3】本発明の高圧燃料ポンプの駆動方法の一例を示
す図。
【図4】本発明の高圧燃料ポンプの駆動方法の一例を示
す図。
【図5】本発明の高圧燃料ポンプのその他の一実施例を
示す縦断面図。
【図6】本発明の高圧燃料ポンプの駆動方法の一例を示
す図。
【符号の説明】
1…ポンプ本体、2…プランジャ、3…リフタ、5…吸
入弁、6…吐出弁、9…低圧配管、10…吸入流路、1
1…吐出流路、12…加圧室、20…シール部材、21
…ばね、22…Oリング、23…ケーシング、24…皿
ばね、50…燃料タンク、51…低圧ポンプ、52…プ
レッシャレギュレータ、53…コモンレール、54…イ
ンジェクタ、55…コントローラ、56…圧力センサ、
57…ドライバ、72…エンジンカムシャフト、73…
エンジンカバー、100…カム、101…高圧燃料ポン
プ、200…圧電素子、201…係合部材(ロッド)、
202…小径ベローズ、204…大径ベローズ、208
…作動流体、209…ばね。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04B 53/10 F04B 21/00 N (72)発明者 門向 裕三 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 高尾 邦彦 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 山田 裕之 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器グループ内 Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AC09 CA04U CA09 CE02 CE27 3H071 AA07 BB01 CC17 DD12 DD26 EE15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料の吸入通路と吐出通路に連通する加圧
    室と、前記加圧室内を往復動するプランジャと、前記吸
    入通路に間挿された吸入弁と、前記吐出通路に間挿され
    た吐出弁とを備え、外部入力により動作するアクチュエ
    ータにより前記吸入弁の開閉タイミングをコントロール
    する吐出量可変型の高圧燃料ポンプにおいて、 前記ポンプは前記アクチュエータの変位を拡大する油圧
    式変位拡大機構と、前記油圧式変位拡大機構により駆動
    されて前記吸入弁に付勢力を与える係合部材とを備え、
    前記係合部材と前記吸入弁を別体として互いに独立に動
    作できるように構成したことを特徴とする高圧燃料ポン
    プ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の高圧燃料ポンプにおい
    て、前記ポンプは前記アクチュエータと前記油圧式変位
    拡大機構とを収納するケーシングを備え、前記アクチュ
    エータと前記油圧式変位拡大機構の変位伝達方向熱膨張
    量の合計値が前記ケーシングの同方向の熱膨張量とほぼ
    等しくなるように前記ケーシングの熱膨張率を選定した
    ことを特徴とする高圧燃料ポンプ。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の高圧燃料ポンプに
    おいて、前記油圧式変位拡大機構は大径ベローズの小変
    位をベローズ内に封入された作動流体を介して小径ベロ
    ーズの大変位に変換するよう構成したものとし、かつ、
    前記作動流体の圧力が常に正の値を保持した状態で動作
    するよう、前記大径ベローズを無負荷の自由長状態に対
    して常に変位伝達方向に圧縮した状態で使用することを
    特徴とする高圧燃料ポンプ。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の高圧燃
    料ポンプにおいて、前記アクチュエータは圧電素子、電
    歪素子、または磁歪素子とし、前記係合部材は前記アク
    チュエータへの入力がない状態では前記吸入弁を押し開
    いて開弁状態を保持するよう構成し、前記アクチュエー
    タに入力が入ると前記アクチュエータは前記大径ベロー
    ズを引張って前記小径ベローズと一体に変位する前記係
    合部材を引き込み、前記吸入弁との係合を開放して前記
    吸入弁が閉弁できるように構成したことを特徴とする高
    圧燃料ポンプ。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の高圧燃料ポンプにおい
    て、前記ポンプは前記アクチュエータに与える入力電圧
    をONにした後、前記加圧室内の圧力が前記吐出通路の
    下流側の圧力と同等の高い圧力である間はそのままON
    状態を保持し、前記プランジャが吸入行程に入って前記
    加圧室の圧力が低下し始めた後に入力電圧を下げて前記
    係合部材を前記吸入弁に接近させて行き、少なくとも前
    記吸入弁が開弁を始める前までには前記係合部材を前記
    吸入弁に係合させて前記吸入弁に開弁方向の付勢力を与
    えるように入力電圧を制御することを特徴とする高圧燃
    料ポンプ。
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