JP2003096946A - ガラス板水平力負担機構および同機構を有する建築物 - Google Patents
ガラス板水平力負担機構および同機構を有する建築物Info
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Abstract
の両者を一体化し、建築物構造耐力上の主要な部材に必
要とされている靭性を前記ガラス板とバネ構造が一体化
して確保し、ガラス板に伝達される水平力をガラスの破
壊強度以下に制御して負担する機構および建築物を提供
する。 【解決手段】 ガラス板2と前記ガラス板2の上辺また
は下辺に配置されたバネ構造4との組合わせから構成さ
れ、前記バネ構造4は鋼材を用いて、鋼材が降伏後もそ
の最大応力が前記ガラス板2の破壊強度以下となる。
Description
面および内部間仕切面に使用されているガラス板を耐震
要素として活用してガラス板に水平負担能力を付与する
機構に係り、ガラス板を破壊させることなく一定の限界
内の水平力を負担させる機構およびその機構を設置した
建築物に関する。
り、その性状は非常に向上しているが、ガラスは本質的
に脆性材料であり、建築物構造耐力上の主要な部材に必
要とされている靭性が期待することができない。そのた
めガラス板単独で耐震要素として使用されることはなか
った。
合わせて、ある程度の水平力負担を期待すること、また
ガラス板周辺に減衰性材料を配して制震効果を期待する
ことは可能であるが、ガラスを確実に破壊から防ぐこと
および建築基準法施行令で定められている「瞬間的破壊
が生じないような靭性」を確保することは困難である。
従って、水平力を負担することを期待したガラス板が脆
性破壊をすると建物は一挙に水平耐力を喪失する危険性
にさらされる。
決するために、本発明の目的は、ガラス板と建物の間に
バネ構造を設置してこの両者を一体化し、建築物構造耐
力上の主要な部材に必要とされている靭性を前記ガラス
板とバネ構造が一体化して確保し、ガラス板に伝達され
る水平力をガラスの破壊強度以下に制御して負担する機
構および建築物の提供にある。
めに、本発明に係る水平力負担機構は、ガラス板と前記
ガラス板の上辺または下辺に配置されたバネ構造との組
合わせから構成され、前記バネ構造は鋼材を用いて、鋼
材が降伏後もその最大応力が前記ガラス板の破壊強度以
下となるように鋼材の断面を設計する。
されて建物上層部下端に固定される金属製上枠と、ガラ
ス板下辺と、前記ガラス板下辺に接合される金属製下枠
と、前記下枠に取り付けられるバネ構造とからなり、前
記下枠は前記バネ構造を介して建物下層部上端に接続さ
れるか、または、ガラス板下辺と、前記ガラス板下辺に
接合されて建物下層部上端に固定される金属製下枠と、
ガラス板上辺と、前記ガラス板上辺に接合される金属製
上枠と、前記上枠に取り付けられるバネ構造とからな
り、前記上枠は前記バネ構造を介して建物上層部下端に
接続されるよう構成することもできる。
を取りつけることもできる。スチフナは、金属製または
ガラス製であってもよい。
の端部で結合されて形成される金属製矩形枠を形成する
こともできる。金属製矩形枠は、バネ構造と組合わせて
窓や出入り口のサッシ枠の中へ層間変位分の余裕を持っ
て組み込みエヤタイトに構成することもできる。
ラス板の上辺または下辺に配置されたバネ構造との組合
わせから構成され、前記バネ構造は鋼材を用いて、鋼材
が降伏後もその最大応力が前記ガラス板の破壊強度以下
となるように設計されたものであることを特徴とする水
平力負担機構を備える。
とガラス板が組み合わされる水平力を負担する機構を示
す。
ラス板2とバネ構造4と金属製上枠6と金属製下枠8と
スチフナ9と滑り支承10とから構成される。
6を接着剤を介して結合されて、さらに金属製上枠6は
床下面または、梁下面または、下がり壁下端等の建物上
層部下端12にしっかりと固定される。ガラス板2の下
辺外部には金属製下枠8が接着剤を介して結合される。
ガラス板2の側部はスチフナ9が取付けられる。さら
に、金属製下枠8の底部中央にバネ構造4が設けられ、
バネ構造4の底部は床上面または腰壁上端等からなる建
物下層部上端13に設けられた凹部14に固定される。
に対応する部分のみが建物下層部上端13より掘り下げ
られる。一方、金属製下枠8の両端部に対応する部分に
は建物下層部上端13と金属製下枠8とがスベリ支承1
0を介して接合される。
担する機構は、建物上層部下端12と建物下層部上端1
3とから地震時に様々な方向と大きさの外力で、主に水
平力と垂直力と水平回転力とが付加される。
は吊り構造であるため一定の限度の範囲で前記スベリ支
承10を介して建物下層部上端に伝達される。
の破壊強度より低くすれば、ガラス板2は破壊しない。
構造4とがバネ構造4の中心を軸に回転可能であるため
一定の限度を持って吸収される。
担する機構に使用されるバネ構造4の例を3点示す。
力およびその弾塑性変形を利用した構造である。金属製
下枠6の底部中央に基台16を接合し、さらに底部中央
に基台16の下部に軸18を下向きに突出させる。一
方、床等の建物下層部上端13上に1対のL字状板20
を一定の間隔を開けてL字状板20がその垂直面を対向
するように配置され、その1対のL字状板20に鋼材2
2が掛け渡される。この鋼材22の中央には穴部24を
設け、この穴部24に軸18を嵌めこみ、前記軸18と
前記穴部24の間隙に緩衝材26が注入される。
で吸収し、衝撃力を緩和された外力は鋼材22の軸力に
よる弾塑性変形で吸収する。また、軸18と穴部24に
よるピン支点を採用することで、建物上層部下端12と
建物下層部上端13の捩じれを吸収できる。
びその弾塑性変形を利用した構造である。金属製下枠6
の底部中央にさらに下枠基台28を接合し、両端で下枠
基台28と接合するコの字状板30が設けられる。コの
字状板30の底部には穴部32が設けられる。一方、床
等の建物下層部上端13上に床上基盤34が配置され、
さらに床上基盤34上に軸36上向きに突設される。こ
の軸36は、前記穴部32に嵌めこまれ、さらに前記軸
36と前記穴部32の間隙に緩衝材38が注入される。
で吸収し、衝撃力は軸36の剪断耐力による弾塑性変形
で吸収する。また、軸36と穴部38によるピン支点を
採用することで、建物上層部下端12と建物下層部上端
13の捩じれを吸収できる。
変形を利用した構造である。
に突出させ、一方で建物下層部上端13上に鋼材ダンパ
42を立設して、この鋼材ダンパ42上部に中央に穴部
44を有する平板46を搭載する。この穴部44に前記
軸40が嵌めこまれ前記軸40と前記穴部44の間隙に
緩衝材48が注入される。
で吸収し、衝撃力は軸40の剪断耐力による弾塑性変形
で吸収する。また、軸40と穴部44によるピン支点を
採用することで、建物上層部下端12と建物下層部上端
13の捩じれを吸収できる。
下枠8の下部に設けたが、金属製上枠6上に設けること
も可能である。また、上記の技術を用いて建築構造物も
作成可能である。
び内部間仕切面に使用されているガラス板のうち、その
設置位置が構造要素として相応しい場合は水平力負担要
素として有効活用することができる。一般的に建築物に
使用されているガラス板は非常に多いので、新建築物、
在来建物に関わらず大きな耐震性を付与したり耐震性能
を改善・強化したりすることが可能である。
の概略図を示す。
造実施例の概略図を示す。
Claims (12)
- 【請求項1】 ガラス板と前記ガラス板の上辺または下
辺に配置されたバネ構造との組合わせから構成され、前
記バネ構造は鋼材を用いて、鋼材が降伏後もその最大応
力が前記ガラス板の破壊強度以下となることを特徴とす
る水平力負担機構。 - 【請求項2】 ガラス板上辺と、前記ガラス板上辺に接
合されて建物上層部下端に固定される金属製上枠と、ガ
ラス板下辺と、前記ガラス板下辺に接合される金属製下
枠と、前記下枠に取り付けられるバネ構造とからなり、
前記下枠は前記バネ構造を介して建物下層部上端に接続
されるか、または、ガラス板下辺と、前記ガラス板下辺
に接合されて建物下層部上端に固定される金属製下枠
と、ガラス板上辺と、前記ガラス板上辺に接合される金
属製上枠と、前記上枠に取り付けられるバネ構造とから
なり、前記上枠は前記バネ構造を介して建物上層部下端
に接続されることを特徴とする請求項1記載の水平力負
担機構。 - 【請求項3】 ガラス板は、必要に応じて側面にスチフ
ナを取りつけることを特徴とする請求項2記載の水平力
負担機構。 - 【請求項4】 スチフナは、金属製またはガラス製であ
ることを特徴とする請求項3記載の水平力負担機構。 - 【請求項5】 金属製上枠と金属製下枠とスチフナとが
その端部で結合されて形成される金属製矩形枠を形成す
ることを特徴とする請求項3記載の水平力負担機構。 - 【請求項6】 金属製矩形枠は、バネ構造と組合わせて
窓や出入り口のサッシ枠の中へ層間変位分の余裕を持っ
て組み込みエヤタイトに構成することを特徴とする請求
項5記載の水平力負担機構。 - 【請求項7】 ガラス板と前記ガラス板の上辺または下
辺に配置されたバネ構造との組合わせから構成され、前
記バネ構造は鋼材を用いて、鋼材が降伏後もその最大応
力が前記ガラス板の破壊強度以下となるように設計され
たものであることを特徴とする水平力負担機構を備える
建築物。 - 【請求項8】 ガラス板上辺と、前記ガラス板上辺に接
合されて建物上層部下端に固定される金属製上枠と、ガ
ラス板下辺と、前記ガラス板下辺に接合される金属製下
枠と、前記下枠に取り付けられるバネ構造とからなり、
前記下枠は前記バネ構造を介して建物下層部上端に接続
されるか、または、ガラス板下辺と、前記ガラス板下辺
に接合されて建物下層部上端に固定される金属製下枠
と、ガラス板上辺と、前記ガラス板上辺に接合される金
属製上枠と、前記上枠に取り付けられるバネ構造とから
なり、前記上枠は前記バネ構造を介して建物上層部下端
に接続されることを特徴とする請求項7記載の水平力負
担機構を備える建築物。 - 【請求項9】 ガラス板は、必要に応じて側面にスチフ
ナを取りつけることを特徴とする請求項8記載の水平力
負担機構を備える建築物。 - 【請求項10】 スチフナは、金属製またはガラス製で
あることを特徴とする請求項9記載の水平力負担機構を
備える建築物。 - 【請求項11】 金属製上枠と金属製下枠とスチフナと
がその端部で結合されて形成される金属製矩形枠を形成
することを特徴とする請求項9記載の水平力負担機構を
備える建築物。 - 【請求項12】 金属製矩形枠は、バネ構造と組合わせ
て窓や出入り口のサッシ枠の中へ層間変位分の余裕を持
って組み込みエヤタイトに構成することを特徴とする請
求項11記載の水平力負担機構を備える建築物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001288543A JP2003096946A (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | ガラス板水平力負担機構および同機構を有する建築物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001288543A JP2003096946A (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | ガラス板水平力負担機構および同機構を有する建築物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003096946A true JP2003096946A (ja) | 2003-04-03 |
Family
ID=19111171
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001288543A Pending JP2003096946A (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | ガラス板水平力負担機構および同機構を有する建築物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003096946A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63162092U (ja) * | 1987-04-10 | 1988-10-24 | ||
JPH04203190A (ja) * | 1990-11-30 | 1992-07-23 | Souwa Bosui Kogyo Kk | 窓枠類のコンクリート壁への取付方法 |
JPH10184030A (ja) * | 1996-12-24 | 1998-07-14 | Inayama Kenchiku Sekkei Jimusho:Kk | 木造建築物の耐震補強構造 |
-
2001
- 2001-09-21 JP JP2001288543A patent/JP2003096946A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS63162092U (ja) * | 1987-04-10 | 1988-10-24 | ||
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