JP2003096873A - 水洗便器用薬剤供給装置及び弁機構 - Google Patents

水洗便器用薬剤供給装置及び弁機構

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JP2003096873A
JP2003096873A JP2001291445A JP2001291445A JP2003096873A JP 2003096873 A JP2003096873 A JP 2003096873A JP 2001291445 A JP2001291445 A JP 2001291445A JP 2001291445 A JP2001291445 A JP 2001291445A JP 2003096873 A JP2003096873 A JP 2003096873A
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water
valve
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flush
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JP2001291445A
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Yoichi Nakano
洋一 中野
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Original Assignee
Kyoritsu Seiyaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁体の弁座への当接精度を向上させ、水漏れ
(オーバーフロー)の発生を低減させる。 【解決手段】 フロート22に水流受け部26を設け、
本体ケース内に洗浄水が取り込まれて前記フロートが上
動する際に、洗浄水の水流によって、少なくとも弁体2
3が弁座25に回転しながら圧接される構造とした。弁
体23が、回転しながら弁座25に当接するため、当接
時に、弁体23と弁座25との間に隙間が生じることを
防止できる。この結果、両者間にスカム等の汚れが堆積
することも少なくなり、隙間が生じることに伴う水漏れ
(オーバーフロー)対策の技術として極めて有効であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水洗便器用薬剤供
給装置及びその弁機構に関し、特に、水洗便器に洗浄水
を供給する洗浄水供給管と組み合わせて使用され、水洗
便器に洗浄水が流れる際に該水洗便器に消毒、消臭、洗
浄等を目的とした必要量の薬剤を自動的に供給する水洗
便器用薬剤供給装置及びその弁機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に水洗便器では、消毒、消臭、洗浄
等の目的で様々な薬剤による処理が行われている。この
薬剤処理の方法は水洗便器の型によっても異なるが、例
えば、薬剤を便器内や洗浄水貯水タンク内に直接投入す
るもの、薬剤を洗浄水貯水タンクの給水部位に置くもの
などがある。
【0003】このような薬剤処理の必要性は、多数の人
々が使用する駅、公園などの各所の公衆便所においてと
りわけ高くなるが、その場合、薬剤交換作業の容易さや
薬効の持続性などが重要となる。例えば、便器に薬剤を
直接投入する場合は交換作業は容易となるが、薬剤消費
量が激しいので頻繁に交換しなければならず不経済であ
る。また、洗浄水貯水タンク内に投入する場合は作業が
頻繁になったり、薬剤の交換時期の判断が困難となった
りするという問題のほか、薬剤全体が常に水と接触して
いるのでやはり薬剤消費量が多くなり不経済であるとい
う問題もある。
【0004】さらに、貯水タンクの給水部位に薬剤を置
く場合は、貯水タンクが高所にある型では薬剤の交換作
業や交換時期の判断が困難となり、一方低所にある場合
にはそのような問題は生じないが、心無い利用者による
いたずらなどがなされる虞がある。
【0005】以上のように、従来の薬剤の使用により水
洗便器を消毒、消臭などする装置や方法においては、薬
剤交換作業が頻繁であったり、不経済であったりという
種々の問題があり、これらの問題は、使用回数の多い公
衆便所においてはとりわけ大きいものがあった。
【0006】上記のような種々の問題点を解決するもの
として、従来、水洗便器に洗浄水を供給する洗浄水供給
管と組み合わせて使用され、水洗便器に洗浄水が流れる
度に該水洗便器に消毒、消臭、洗浄等を目的とした必要
量の薬剤を自動的に供給する水洗便器用薬剤供給装置が
知られている(例えば、特公昭49−21541号公報
参照)。
【0007】かかる水洗便器用薬剤供給装置は、フロー
ト付きの弁体の作用により、水洗便器に洗浄水を給水す
る洗浄水供給管から連結管を介して本体ケース内に一定
量ずつの水を取り込む。そして、本体ケース内に配設さ
れた倒立薬剤瓶の海綿体の如き浸出性瓶栓から浸出する
薬剤を前記本体ケース内に取り込まれた水により希釈
し、前記給水管内の内圧減少に伴って、この薬剤を含む
洗浄水を前記フロート付きの弁体を設けた洗浄水流入・
排出部及び連通管を介して再び洗浄水供給管内に排水し
て、便器内へと排流するようにしている。
【0008】ところで、従来の水洗便器用薬剤供給装置
における弁機構は、図5に示すような構成を有する。す
なわち、本体ケース100の底部に設けられた洗浄水流
入・排出部110内に設けられ、本体ケース100内に
上下動自由に配設されたフロート120に弁軸130を
介して連結され、該フロート120と一体的に動作する
略円錐台状の弁体140と、フロート120の上動時に
弁体140が圧接するテーパ面を有する弁座150とを
有している。前記弁軸130と弁体140とはそれぞれ
別体に形成され、弁軸130に形成された雄ねじ部と弁
体140の内周面に形成された雌ねじ部とにより、すな
わちねじ構造により螺合されて連結されている。また、
フロート120と弁体140とを連結する弁軸130
は、洗浄水流入・排出部110と本体ケース100内と
を連絡する連通孔160内に遊びをもって挿入されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】フロート120と弁体
140とを連結する弁軸130は、洗浄水の流入・排出
のため、上記のように、連通孔160内に遊びをもって
挿入されている。このため、弁体140の上動時には軸
ぶれが生じやすく、弁体140の外面が弁座150のテ
ーパ面に片寄って当接する場合がある。片寄って当接す
ると、その間に、スカムやスケールなどの汚れが付着
し、弁体140と弁座150との当接精度がさらに低下
する。その結果、長期使用により、汚れの付着量が多く
なると、弁体140と弁座150の隙間が大きくなり、
連通管を介しての洗浄水の流入がストップせずに水漏れ
し、場合によっては、本体ケース100の上部付近に形
成されたスリットなどから洗浄水がオーバーフローして
溢れ出るおそれがある。特に、近年、水資源の有効利用
という観点より、水洗便器用の洗浄水として、再利用水
(中水)の使用が多くなり、弁体140や弁座150へ
の汚れの付着がより発生し易い環境となっている。
【0010】また、弁座150が形成されている部位
は、通常、金属から形成されるが、弁体140は、弁座
150への当接時の接触音を低減するため、少なくとも
弁座150に接する面を含む部位を合成樹脂材料から形
成することが多い。このため、弁体140と弁座150
との当接精度は、使用による弁体140の摩耗によって
も低下する場合があり、この点も上記のような水漏れ
(オーバーフロー)を発生させる一つの原因となってい
る。
【0011】一方、弁軸130と弁体140とは、上記
のようにメンテナンス作業を考慮して、一体成形ではな
く、別体に形成し、かつ、取り外しできるように両者を
ねじ構造により連結している。これに対し、弁体140
やフロート120が流入した水の抵抗を受けると水流に
より回転する場合があるが、従来のものは、この回転方
向が一定ではないため、両者の螺合連結を解除する方向
に回転することによって、弁軸130と弁体140との
結合力に緩みが発生し、弁体140と弁座150との当
接精度が低下したり、さらには、長期使用によって弁体
140が弁軸130から脱落したりしてしまうおそれが
あった。
【0012】本発明は上記した点に鑑みなされたもので
あり、弁体の弁座への当接精度を向上させ、水漏れ(オ
ーバーフロー)の発生を低減させることができる水洗便
器用薬剤供給装置及びその弁機構を提供することを課題
とする。また、本発明は、ねじ構造により連結された弁
体と弁軸との間の緩みの発生を防止し、それによる水漏
れ(オーバーフロー)の発生及び弁体の脱落を防止でき
る水洗便器用薬剤供給装置及びその弁機構を提供するこ
とを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の本発明では、本体ケースに設けられ
ると共に、水洗便器に洗浄水を供給する洗浄水供給管に
連通管を介して連通される洗浄水流入・排出部と、前記
洗浄水流入・排出部内に設けられると共に、本体ケース
内に上下動自由に配設されたフロートに弁軸を介して連
結され、該フロートと一体的に動作する弁体と、前記フ
ロートの上動時に弁体が当接する弁座と、前記本体ケー
ス内に配設され、薬剤を供給する薬剤供給手段とを備
え、前記洗浄水供給管から本体ケース内に、前記弁体の
作用により一定量ずつの洗浄水を取り込み、前記薬剤供
給手段により供給された薬剤を本体ケース内に取り込ま
れた洗浄水により希釈し、洗浄水供給管内の内圧減少に
伴って、前記薬剤を含む洗浄水を再び洗浄水供給管内に
排水して、便器内へと排流するようにした水洗便器用薬
剤供給装置であって、本体ケース内に洗浄水が取り込ま
れて前記フロートが上動する際に、少なくとも前記弁体
が前記弁座に回転しながら当接する構造であることを特
徴とする水洗便器用薬剤供給装置を提供する。請求項2
記載の本発明では、本体ケースに設けられると共に、水
洗便器に洗浄水を供給する洗浄水供給管に連通管を介し
て連通される洗浄水流入・排出部と、前記洗浄水流入・
排出部内に設けられると共に、本体ケース内に上下動自
由に配設されたフロートに弁軸を介して連結され、該フ
ロートと一体的に動作する弁体と、前記フロートの上動
時に弁体が当接する弁座と、前記本体ケース内に配設さ
れ、薬剤を供給する薬剤供給手段とを備え、前記洗浄水
供給管から本体ケース内に、前記弁体の作用により一定
量ずつの洗浄水を取り込み、前記薬剤供給手段により供
給された薬剤を本体ケース内に取り込まれた洗浄水によ
り希釈し、洗浄水供給管内の内圧減少に伴って、前記薬
剤を含む洗浄水を再び洗浄水供給管内に排水して、便器
内へと排流するようにした水洗便器用薬剤供給装置であ
って、本体ケース内に洗浄水が取り込まれて前記フロー
トが上動する際に、洗浄水の水流によって、少なくとも
前記弁体が前記弁座に回転しながら当接する構造である
ことを特徴とする水洗便器用薬剤供給装置を提供する。
請求項3記載の本発明では、前記フロート、弁体、弁軸
のいずれか少なくとも一つに、洗浄水の水流を受け、少
なくとも前記弁体を回転させる水流受け部を有している
ことを特徴とする請求項2記載の水洗便器用薬剤供給装
置を提供する。請求項4記載の本発明では、前記弁軸と
弁体とがねじ構造によって螺合されて連結されており、
弁体の回転方向が、弁軸に対して締め付け方向となるよ
うに、前記水流受け部を設けたことを特徴とする請求項
2又は3記載の水洗便器用薬剤供給装置を提供する。請
求項5記載の本発明では、薬剤供給手段を備えた本体ケ
ースと、水洗便器に洗浄水を供給する洗浄水供給管に連
通管を介して連通される洗浄水流入・排出部とを備えた
水洗便器用薬剤供給装置に用いられ、本体ケース内に上
下動自由に配設されたフロートと、前記洗浄水流入・排
出部内に配設されると共に、弁軸を介して前記フロート
と一体的に動作して、フロートの上動時に弁座に当接す
る弁体とを備え、前記洗浄水供給管から本体ケース内
に、前記弁体の作用により一定量ずつの洗浄水を取り込
み、前記薬剤供給手段により供給された薬剤を本体ケー
ス内に取り込まれた洗浄水により希釈し、洗浄水供給管
内の内圧減少に伴って、前記薬剤を含む洗浄水を再び洗
浄水供給管内に排水して、便器内へと排流するようにし
た水洗便器用薬剤供給装置の弁機構であって、本体ケー
ス内に洗浄水が取り込まれて前記フロートが上動する際
に、洗浄水の水流によって、少なくとも前記弁体が前記
弁座に回転しながら当接する構造であることを特徴とす
る水洗便器用薬剤供給装置の弁機構を提供する。請求項
6記載の本発明では、前記フロート、弁体、弁軸のいず
れか少なくとも一つに、洗浄水の水流を受け、少なくと
も前記弁体を回転させる水流受け部を有していることを
特徴とする請求項5記載の水洗便器用薬剤供給装置の弁
機構を提供する。請求項7記載の本発明では、前記弁軸
と弁体とがねじ構造によって螺合されて連結されてお
り、弁体の回転方向が、弁軸に対して締め付け方向とな
るように、前記水流受け部を設けたことを特徴とする請
求項5又は6記載の水洗便器用薬剤供給装置の弁機構を
提供する。
【0014】(作用)かかる構成において、洗浄水供給
管に洗浄水が供給されると、この洗浄水は洗浄水供給管
を介して水洗便器内に供給される。一方、洗浄水供給管
を流れる洗浄水の一部は連通管を介して洗浄水流入・排
出部内に流入し、未だ弁体が弁座に圧接せず、開放され
ている洗浄水流入・排出部を通過して流れ、連通孔を通
じて本体ケース内に流入する。フロートは本体ケース内
に水が流入すると上動し、本体ケース内と洗浄水流入・
排出部内に水が満たされた状態で、最上部まで上動し、
弁体が弁座に当接して、洗浄水流入・排出部水と本体ケ
ースの内部とを結ぶ連通孔を閉塞する。この際、本発明
によれば、洗浄水が流入して、フロートが上動する際
に、少なくとも弁体が回転する。この結果、弁体は、弁
座に回転しながら接するため、両者の軸心が一致するよ
うに摺り合って圧接される。このため、弁体が片寄った
状態で弁座に圧接されることがなく、両者間に隙間が生
じることを解消できる。
【0015】洗浄水の供給が終わり近くなって、洗浄水
の水圧が低下すると、洗浄水の水圧が弁体に印加されな
くなるため、弁体が弁座から離れ、連通孔を通じて薬液
を含んだ洗浄水が洗浄水流入・排出部に流入し、さら
に、連通管を介して洗浄水供給管に至り、該供給管から
水洗便器内側に流下する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳述する。図1〜図4において、水洗便器用薬
剤供給装置の本体ケース10は略方形体に形成され、後
部に位置する板状のベース部材11と一面が開放された
箱状の蓋部材12とから構成される。蓋部材12は、例
えば係合溝と係合爪との係合構造やボルト等の締結具を
利用するなどしてベース部材11に組付固定される。
【0017】前記本体ケース10内には、水容器13が
配設され、この水容器13の内側の一側部には、図2に
示したように、仕切り部材13Aにより仕切られた仕切
室13Bが設けられており、この仕切室13Bに、薬剤
供給手段が配設される。薬剤供給手段は水容器13内に
洗浄水が取り込まれた際に、洗浄水に混合される所定量
の薬剤を供給できるものであればよく、本実施形態で
は、図3に示したように、内部に液状の薬剤が充填され
ると共に、海綿体の如き浸出性瓶栓14Aを下向きにし
て倒立して設けられる薬剤瓶14がセットされる。
【0018】前記蓋部材12の前壁上部には開口部12
Aが開設され、該開口部12Aには多数の長孔15Aが
開設された内蓋部材15が嵌め込まれる。また、この内
蓋部材15の前面には、これを覆うような外蓋部材16
が装着され、この外蓋部材16には、多数のスリット状
の開口部16Aが開設される。
【0019】前記外蓋部材16は、略中央部に設けられ
た取付孔16Bに該外蓋部材16の外面側から挿通され
る取付ねじ17を、内蓋部材15に貫通させて、ベース
部材11に設けられたねじ孔11Aにねじ込むことによ
り、蓋部材12に取り付けられ、併せて内蓋部材15を
押さえて固定するようになっている。
【0020】なお、18は、製品用のロゴマーク等が付
されたプレートであり、外蓋部材16外面の前記取付孔
16B周りに形成された溝16Cに嵌め込まれる。本体
ケース10の底壁には、水洗便器に洗浄水を供給する洗
浄水供給管の途中に連結された連通管19に接続される
洗浄水流入・排出部20が設けられている。
【0021】洗浄水流入・排出部20は上部管部材20
Aと、この上部管部材20Aの下端部外周面にねじ嵌合
される下部管部材20Bとからなる。下部管部材20B
の周壁には前記連通管19の連通接続部となる接続口2
0Cが設けられている。そして、上部管部材20Aの上
端部を本体ケース10の底壁及び水容器13底壁の取付
孔に貫通させ、該取付孔から突出する上部管部材20A
の上端部外周面にナット部材21をねじ嵌合することに
より、本体ケース10並びに水容器13に取り付けられ
る。このナット部材21には、後述する弁軸24が貫通
支持される支持孔21Aを上端面に有する。また、ナッ
ト部材21には、その周壁に開口する貫通孔21Bが設
けられ、この貫通孔21Bが、本体ケース10と洗浄水
流入・排出部20とを連通する連通孔20Dと連通して
いることにより、洗浄水の流入及び排出を許容する。
【0022】本体ケース10内の水容器13の内側に
は、フロート22が上下動自由に収納される。フロート
22の下端部には、該フロート22と一体的に動作する
弁体23が、上部管部材20Aの連通孔20Dの内側を
貫通する弁軸24を介して連結され、洗浄水流入・排出
部20を構成する下部管部材20B内に収容配設され
る。また、弁体23は略円錐台形状に形成されており、
その外面はテーパ状となっている。上部管部材20Aの
連通孔20Dの下端開口部内周面には、前記フロート2
2の上動時に弁体23の外面が当接すると合致して、連
通孔20Dを閉塞する円錐状テーパ面からなる弁座25
が形成されている。
【0023】ここで、上記したフロート22、弁体23
及び弁軸24は、本発明の弁機構を構成するが、このう
ち、少なくとも弁体23が、洗浄水の流入によって上動
する際に、その水流を受け、回転しつつ弁座25に摺接
することが本発明の最大の特徴である。少なくとも弁体
23を回転させることができる限り、弁機構を構成する
フロート22、弁体23及び弁軸24の構造は限定され
るものではない。例えば、弁体23を弁軸24に対して
回転自由に配置した上で、弁体23に任意の溝や羽根等
を設け、それによって、弁体23のみが回転する構成と
することもできる。
【0024】本実施形態では、弁軸24の上端部をフロ
ート22に嵌合固定し、弁体23を弁軸24にねじ構造
により結合して連結している。すなわち、フロート2
2、弁体23は、いずれも弁軸24に固定配設されてい
る。従って、水流受け部26を設けた場合には、これら
3つの部材が一緒に回転する。水流受け部26の構造
は、流入した洗浄水の水流を受けることができる限り限
定されるものではなく、フロート22の外面や弁体23
の底面に、略スパイラル状に刻設した溝部や、逆に、略
スパイラル状に突設した羽根等から形成することができ
る。本実施形態では、図3及び図4に示したように、水
流受け部26として、フロート22の外面に溝部を形成
しており、該溝部の側壁により水流を受ける構成となっ
ている。また、この水流受け部26は、フロート22及
び弁体23のいずれか一方に設けてもよいし、両方に設
けることもできる。弁軸24は、連通孔20D内に挿通
配設されているため、これに、羽根等を設けると、フロ
ート22及び弁体23の上下動作の妨げとなる可能性が
あるが、上下動作の円滑性を阻害しない限り、小さな羽
根等をその外面に突設することも可能である。
【0025】上記のように、本実施形態では、弁軸24
と弁体23とはねじ構造により連結されている。従っ
て、弁体23がねじの緩む方向に回転すると、弁軸24
における弁体23の取り付け位置が下方にずれていき、
がたつきが生じて弁体23の弁座24への当接時に隙間
が生じる可能性がある。また、長期使用により、場合に
よっては弁体23が弁軸24から脱落するおそれもあ
る。従って、溝部や羽根等から形成される水流受け部2
6は、弁体23がねじの締め付け方向に回転するよう
に、羽根等の傾斜方向や傾斜角度などを調整して設ける
ことが好ましい。
【0026】次に、上記構成の水洗便器用薬剤供給装置
の作用について説明する。本実施形態の水洗便器用薬剤
供給装置は、例えば、ベース部材11の裏面を粘着テー
プやネジ等を利用してトイレの水洗便器に洗浄水を供給
する洗浄水供給管近傍の壁に固定して使用する。
【0027】洗浄水供給管に洗浄水が供給されると、こ
の洗浄水は洗浄水供給管を介して水洗便器内に供給され
る。また、洗浄水供給管を流れる洗浄水の一部は連通管
19を介して洗浄水流入・排出部20内に流入し、図3
に示すように未だ弁体23が弁座25に圧接せず、開放
されている連通孔20Dを通過して流れ、貫通孔21B
を介して水容器13内に流入する。これにより、薬剤瓶
14の浸出性瓶栓14Aから浸出する薬剤が洗浄水によ
り希釈される。フロート22は水容器13内に水が流入
すると上動し、洗浄水流入・排出部20内と水容器13
内に水が満たされた状態で、図4に示すように最上部ま
で上動するが、この際、本実施形態によれば、フロート
22に形成した溝部からなる水流受け部26により、流
入した洗浄水の水流を受け、図4において矢印X方向に
回転する。この結果、弁軸24を介して連結された弁体
23も同方向に回転しつつ上動していく。
【0028】そして、弁体23が弁座25に当接するこ
とにより、連通孔20Dを閉塞する。この状態で、水容
器13内への洗浄水の流入がストップし、依然として供
給される洗浄水の水圧が弁体23に印加されるため、弁
体23が弁座25に圧接して閉塞した状態が保たれる。
弁体23が弁座25に当接する際、本実施形態では、弁
体23が回転しながら当接する。また、弁体23は略円
錐台形状に形成され、弁座25は該弁体23の外面に合
致する形状、大きさのテーパ面に形成されている。この
結果、弁体23が多少傾斜して上動していったとして
も、最終的に弁座23に当接する際には、弁体23の回
転により、両者の傾斜面同士が合致するように摺り合わ
せられ、両者の軸心が同軸上に位置することになる。従
って、従来のように弁体23が傾斜したままの状態で弁
座25に当接することがなく、弁体23が最も上方に位
置した状態において、弁座25との間に生じるすきまが
ほとんどなくなる。
【0029】一方、洗浄水の供給が終わり近くなって、
洗浄水の水圧が低下すると、洗浄水の水圧が弁体23に
印加されなくなるため、弁体23が弁座25から離れ、
連通孔20Dが開放される。連通孔20Dが開放される
と、洗浄水により希釈された薬剤が、洗浄水流入・排出
部20及び連通管19を介して洗浄水供給管に至り、該
供給管から水洗便器内側に流下する。これにより、水洗
便器に対して、薬剤による消毒、消臭、洗浄等の処理が
行われる。かかる構成の水洗便器用薬剤供給装置による
と、トイレの使用時に水洗便器に洗浄水が流れる度に該
水洗便器に消毒、消臭、洗浄等を目的とした薬剤を自動
的に供給することができ、薬剤交換作業性を向上でき、
経済性を向上することができる。
【0030】特に、上記の構成によると、弁体23が回
転しながら弁座25に当接するため、弁体23の外面と
弁座15のテーパ面との間に隙間が生じることを防止で
き、隙間が生じることに伴うスカムなどの汚れの発生・
付着を防止することができる。このため、両者間の隙間
を介して、洗浄水の流入がストップしないことにより生
じる蓋部材12の開口部12A、内蓋部材15の長孔1
5A並びに外蓋部材16の開口部16Aを介しての水漏
れ(オーバーフロー)を防止することができる。
【0031】なお、本体ケース10内に芳香剤を配設す
れば、芳香成分が内蓋部材15の長孔15A並びに外蓋
部材16の開口部16Aから外部に放出することがで
き、水洗便器の周囲を爽やかにすることができ、トイレ
環境を整えることができる。もちろん、薬剤に芳香剤を
溶け込ませておいても良い。
【0032】また、上記の実施形態においては、水洗便
器用薬剤供給装置は、例えば、ベース部材11の裏面を
粘着テープやネジ等を利用してトイレの水洗便器に洗浄
水を供給する洗浄水供給管近傍の壁に固定して使用する
ようにしたが、トイレの壁等に埋め込んで使用するよう
にしても良い。
【0033】洗浄水供給管への洗浄水の供給方法として
は、水洗便器の使用者が各便器近傍に設けられた押しボ
タン等を押すことによって洗浄水供給装置を作動する任
意供給式、使用を感知して自動的に洗浄水供給装置を作
動する自動感知式、あるいは、タイマ等の時限装置によ
って所定時間毎に流すシスタンク式等があるが、本発明
はこのいずれの形式の供給方法のものにも適用できる。
【0034】また、上記の実施形態においては、薬剤の
供給手段として、海綿体の如き浸出性瓶栓14Aが下向
きとなるように倒立して配設された薬剤瓶14を設ける
ようにしたが、光センサを設けて、洗浄水が供給されな
おかつ光が検知された時のみ、薬剤の供給を行う構成と
しても良い(特開平5−331898号公報参照)。
【0035】なお、本発明は上記した実施形態に限定さ
れるものではないことはもちろんである。上記した実施
形態では、弁機構が、流入する水流を受けて回転する構
成であるが、モータやギアなどを適宜に組み合わせて電
気的に回転させる構成とすることもできる。また、永久
磁石や電磁石等の磁石機構を利用して回転させる構成と
することもできる。例えば、弁機構を構成する弁体、弁
軸及びフロートのいずれか少なくとも一つに磁石や強磁
性体を付設する一方、この磁石等と共に磁界を形成する
他の磁石等を洗浄水流入・排出部のいずれかに設け、そ
の吸引力や反発力を利用して弁機構を回転させることが
できる。このような構成によっても、弁体と弁座との隙
間を防止するという本発明の課題を解決可能である。但
し、これらの場合には、ギヤや磁石などの他の部材が必
要となり、その分、製品コストが高くなる。従って、構
成が簡易で、従来のものと比較して大きなコストアップ
につながらない、上記実施形態で説明したした水流によ
って弁機構が回転する構成とすることが好ましい。
【0036】
【発明の効果】本発明の水洗便器用薬剤供給装置及び弁
機構によれば、少なくとも弁体が回転しながら弁座に当
接する構成であるため、当接時に、弁体と弁座との間に
隙間が生じることを防止できる。この結果、両者間にス
カム等の汚れが堆積することも少なくなり、隙間が生じ
ることに伴う水漏れ(オーバーフロー)対策の技術とし
て極めて有効である。また、弁体が弁軸の締め付け方向
に回転する構成とした場合には、長期使用によって弁体
と弁軸との間に緩みが発生したり、あるいは脱落したり
するおそれがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、本発明の一の実施形態に係る水
洗便器用薬剤供給装置の内部構造を示す図であり、図1
(B)は、その外観を示す正面図である。
【図2】図2は、上記実施形態に係る水洗便器用薬剤供
給装置の分解斜視図である。
【図3】図3は、上記実施形態に係る水洗便器用薬剤供
給装置の弁機構を示す拡大断面図で、開弁状態を示す図
である。
【図4】図4は、上記実施形態に係る水洗便器用薬剤供
給装置の弁機構を示す拡大断面図で、閉弁状態を示す図
である。
【図5】図5は、従来の水洗便器用薬剤供給装置で用い
ている弁機構を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 本体ケース 14 薬剤瓶 19 連通管 20 洗浄水流入・排出部 20D 連通孔 22 フロート 23 弁体 24 弁軸 25 弁座 26 水流受け部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体ケースに設けられると共に、水洗便
    器に洗浄水を供給する洗浄水供給管に連通管を介して連
    通される洗浄水流入・排出部と、前記洗浄水流入・排出
    部内に設けられると共に、本体ケース内に上下動自由に
    配設されたフロートに弁軸を介して連結され、該フロー
    トと一体的に動作する弁体と、前記フロートの上動時に
    弁体が当接する弁座と、前記本体ケース内に配設され、
    薬剤を供給する薬剤供給手段とを備え、前記洗浄水供給
    管から本体ケース内に、前記弁体の作用により一定量ず
    つの洗浄水を取り込み、前記薬剤供給手段により供給さ
    れた薬剤を本体ケース内に取り込まれた洗浄水により希
    釈し、洗浄水供給管内の内圧減少に伴って、前記薬剤を
    含む洗浄水を再び洗浄水供給管内に排水して、便器内へ
    と排流するようにした水洗便器用薬剤供給装置であっ
    て、 本体ケース内に洗浄水が取り込まれて前記フロートが上
    動する際に、少なくとも前記弁体が前記弁座に回転しな
    がら当接する構造であることを特徴とする水洗便器用薬
    剤供給装置。
  2. 【請求項2】 本体ケースに設けられると共に、水洗便
    器に洗浄水を供給する洗浄水供給管に連通管を介して連
    通される洗浄水流入・排出部と、前記洗浄水流入・排出
    部内に設けられると共に、本体ケース内に上下動自由に
    配設されたフロートに弁軸を介して連結され、該フロー
    トと一体的に動作する弁体と、前記フロートの上動時に
    弁体が当接する弁座と、前記本体ケース内に配設され、
    薬剤を供給する薬剤供給手段とを備え、前記洗浄水供給
    管から本体ケース内に、前記弁体の作用により一定量ず
    つの洗浄水を取り込み、前記薬剤供給手段により供給さ
    れた薬剤を本体ケース内に取り込まれた洗浄水により希
    釈し、洗浄水供給管内の内圧減少に伴って、前記薬剤を
    含む洗浄水を再び洗浄水供給管内に排水して、便器内へ
    と排流するようにした水洗便器用薬剤供給装置であっ
    て、 本体ケース内に洗浄水が取り込まれて前記フロートが上
    動する際に、洗浄水の水流によって、少なくとも前記弁
    体が前記弁座に回転しながら当接する構造であることを
    特徴とする水洗便器用薬剤供給装置。
  3. 【請求項3】 前記フロート、弁体、弁軸のいずれか少
    なくとも一つに、洗浄水の水流を受け、少なくとも前記
    弁体を回転させる水流受け部を有していることを特徴と
    する請求項2記載の水洗便器用薬剤供給装置。
  4. 【請求項4】 前記弁軸と弁体とがねじ構造によって螺
    合されて連結されており、弁体の回転方向が、弁軸に対
    して締め付け方向となるように、前記水流受け部を設け
    たことを特徴とする請求項2又は3記載の水洗便器用薬
    剤供給装置。
  5. 【請求項5】 薬剤供給手段を備えた本体ケースと、水
    洗便器に洗浄水を供給する洗浄水供給管に連通管を介し
    て連通される洗浄水流入・排出部とを備えた水洗便器用
    薬剤供給装置に用いられ、 本体ケース内に上下動自由に配設されたフロートと、前
    記洗浄水流入・排出部内に配設されると共に、弁軸を介
    して前記フロートと一体的に動作して、フロートの上動
    時に弁座に当接する弁体とを備え、前記洗浄水供給管か
    ら本体ケース内に、前記弁体の作用により一定量ずつの
    洗浄水を取り込み、前記薬剤供給手段により供給された
    薬剤を本体ケース内に取り込まれた洗浄水により希釈
    し、洗浄水供給管内の内圧減少に伴って、前記薬剤を含
    む洗浄水を再び洗浄水供給管内に排水して、便器内へと
    排流するようにした水洗便器用薬剤供給装置の弁機構で
    あって、 本体ケース内に洗浄水が取り込まれて前記フロートが上
    動する際に、洗浄水の水流によって、少なくとも前記弁
    体が前記弁座に回転しながら当接する構造であることを
    特徴とする水洗便器用薬剤供給装置の弁機構。
  6. 【請求項6】 前記フロート、弁体、弁軸のいずれか少
    なくとも一つに、洗浄水の水流を受け、少なくとも前記
    弁体を回転させる水流受け部を有していることを特徴と
    する請求項5記載の水洗便器用薬剤供給装置の弁機構。
  7. 【請求項7】 前記弁軸と弁体とがねじ構造によって螺
    合されて連結されており、弁体の回転方向が、弁軸に対
    して締め付け方向となるように、前記水流受け部を設け
    たことを特徴とする請求項5又は6記載の水洗便器用薬
    剤供給装置の弁機構。
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