JP2003096263A - 軟質チューブ - Google Patents

軟質チューブ

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JP2003096263A
JP2003096263A JP2002148190A JP2002148190A JP2003096263A JP 2003096263 A JP2003096263 A JP 2003096263A JP 2002148190 A JP2002148190 A JP 2002148190A JP 2002148190 A JP2002148190 A JP 2002148190A JP 2003096263 A JP2003096263 A JP 2003096263A
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JP2002148190A
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Yoshimi Usami
佳巳 宇佐美
Takashi Matsukawa
孝史 松川
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitani Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitani Sangyo Co Ltd
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐キンク性を有し、オートクレーブによる滅
菌を行ってもシール袋に密着しない、取り扱いやすい適
度な硬さを有する軟質チューブを提供する 【解決手段】 次のA、B及びC全てを必須成分として
有する軟質チューブ。 (A)プロピレンと炭素数2〜10の他のα−オレフィ
ンとがメタロセン系触媒の存在下に共重合されてなり、
該他のα−オレフィンの含有量が0.5〜8.0モル%
であって、以下の(1)、(2)、及び(3)の特性を
満足するプロピレン系ランダム共重合体、(1)温度2
30℃、荷重21.17Nでのメルトフローレートが
0.1〜30g/10分、(2)最高融解ピーク温度が
120℃以上、(3)曲げこわさが686MPa以下、
(B)スチレン系共重合体エラストマー、(C)パラフ
ィン系オイル

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療や生物、生化
学及びそれらの応用分野で、例えば輸液チューブなどと
して用いられる軟質チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】輸液チューブは医療、生物その他の分野
において、例えば輸液チューブとして輸血、麻酔、透析
をはじめ広い分野で用いられ、独立してあるいは輸液バ
ックに付属し、あるいは輸液パックと一体となって供給
されている。
【0003】このような輸液チューブは、注射針などが
取り付けられて、例えば患者への輸血時に取り扱われる
が、その際の医療事故防止のため、耐キンク性や、液の
視認容易性、取り扱いやすいしなやかさ及び硬さが求め
られる。
【0004】この点で従来より輸液チューブとして用い
られてきた塩ビチューブはその可塑剤の配合量により、
所望の取り扱い性に設定できるため、100%近いシェ
アを有していた。
【0005】しかしながら、これら塩ビチューブは医療
・生物関連消耗品として必要とされる焼却処理により有
害なダイオキシンを発生するため、現在忌避されつつあ
る。このため、ポリプロピレンをベースとして、耐キン
ク性や、液の視認容易性、取り扱いやすいしなやかさ及
び硬さを有する軟質チューブの開発が進められつつあ
る。
【0006】これらは、その用途からオートクレーブに
よる滅菌処理が施されることが多いが、チューブの構造
上、内部に水蒸気由来の水滴が残留する場合があるた
め、その殆どがポリプロピレンからなるシール袋などに
収納された上でオートクレーブ処理が施される。
【0007】ここで、現在検討が進められているポリプ
ロピレン系の輸液チューブはオートクレーブ処理を行う
とシール袋に密着し、そのため操作者は軟質チューブを
取り出すために、かなりの力を込めてシール袋から剥が
し取る必要がある。
【0008】このため、迅速さが求められる緊急医療分
野に対応しにくいのはもちろんであるが、注射針その他
の鋭器や、各種薬液が充填されたガラス容器、あるいは
精密で高価な電子機器などの多い医療現場や生物実験室
などで思いもかけない事故や災害を引き起こす可能性が
あり、その解決が求められていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の問題点を改善する、すなわち、耐キンク性を有し、
オートクレーブによる滅菌を行ってもシール袋に密着し
ない、液の視認容易性に優れ、取り扱いやすい、適度な
硬さを有する軟質チューブを提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の軟質チューブは
上記課題を解決するため、請求項1に記載の通り、下記
の成分(A)〜成分(C)全てを必須成分として有し、
成分(A)が5重量%超過30重量%未満、成分(B)
が20重量%超過60重量%未満、成分(C)が10重
量%超過75重量%未満の配合量で構成されていること
を特徴とする軟質チューブである。。 (A)プロピレンと炭素数2〜10の他のα−オレフィ
ンとがメタロセン系触媒の存在下に共重合されてなり、
該他のα−オレフィンの含有量が0.5〜8.0モル%
であって、以下の(1)、(2)及び(3)の特性を満
足するプロピレン系ランダム共重合体 (1)JIS K7210に準拠した温度230℃、荷
重21.17Nでのメルトフローレートが0.1〜30
g/10分、(2)示差走査熱量計による最高融解ピー
ク温度が120℃以上160℃以下(3)JIS K7
106に準拠した曲げこわさが180MPa以上686
MPa以下 (B)スチレン系共重合体エラストマー (C)パラフィン系オイル このような構成により、最適な耐キンク性、柔軟性及び
硬さ、液の視認が容易で、優れた取り扱い性を得ること
ができる。
【0011】さらに、本発明の軟質チューブは請求項1
に記載の軟質チューブにおいて、請求項2に記載のよう
に、請求項1記載の軟質チューブを構成するベース樹脂
が上記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)からな
り、このベース樹脂100重量部に対して、酸化防止
剤、シリコーンオイル及び滑剤がそれぞれ5重量部以下
ずつ配合されている軟質チューブであることが好まし
い。この構成により、さらに取扱性が向上し、同時に耐
久性が特に優れたものとなる。なお、より好ましい配合
はそれぞれ2重量部以下である。
【0012】また、本発明の軟質チューブは、請求項1
または請求項2に記載の軟質チューブにおいて、軟質チ
ューブとポリプロピレン製の袋との剥離強度が3.92
N未満であることが好ましい。ここで、軟質チューブと
ポリプロピレン製の袋との剥離強度とは、15cmの長
さの軟質チューブ(外径7.5mm、内径5mm)をポ
リプロピレンフィルム製の袋に入れ、脱気した後、ヒー
トシールにより密閉し、これをオートクレーブを用いて
115℃で30分間の滅菌処理行い、その後、8時間以
上かけて室温(23℃)になるまで冷却し、チューブの
端から5cmの部分が露出するまでポリプロピレンフィ
ルムを剥離して、その剥離したフィルム端部とチューブ
端部をそれぞれロードセルに固定し、残りのチューブに
密着したフィルムを剥がす際の荷重を測定する(測定条
件:23℃、引っ張り速度200mm/min)という
ものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の軟質チューブにおいて、
用いるプロピレン系ランダム共重合体は、プロピレン
と、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、
1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オ
クテン、1−デセン等の炭素数2〜10の他のα−オレ
フィンとの共重合体であって、他のα−オレフィンの含
有量が0.5〜8.0モル%の範囲のものであり、この
他のα−オレフィンとしては1−ヘキセンが好ましく、
また、他のα−オレフィンの含有量としては1.0〜
6.0モル%の範囲であるものが好ましい。
【0014】上記プロピレン系ランダム共重合体におけ
る他のα−オレフィンの含有量が前記範囲未満では、透
明性、柔軟性、耐衝撃性が劣ることとなり、一方、前記
範囲超過では、耐熱性が劣ると共に、溶出物試験におけ
る溶出量、及び、微粒子試験における微粒子数が増大す
ることとなる。
【0015】また、本発明で用いるプロピレン系ランダ
ム共重合体は、プロピレンと前記他のα−オレフィンと
がメタロセン系触媒の存在下に共重合されてなるもので
あり、例えばチーグラー系等のメタロセン系触媒以外の
触媒では、微粒子試験における微粒子数が増大し、本発
明の目的を達成できない。
【0016】このメタロセン系触媒の存在下でのプロピ
レンと他のα−オレフィンとの共重合は、従来公知であ
って、例えば、成分(a)チタン、ジルコニウム、また
はハフニウム等の遷移金属のシクロペンタジエニル基含
有化合物と、成分(b)アルミニウムオキシ化合物、ル
イス酸、成分(a)と反応して成分(a)をカチオンに
変換することが可能なイオン性化合物、または粘土・粘
土鉱物・イオン交換性層状化合物と、必要に応じて成分
(c)有機アルミニウム化合物とからなるメタロセン系
触媒の存在下に、プロピレンと他のα−オレフィンと
が、スラリー法、気相法、バルク法、溶液法等の従来公
知の重合法によって共重合されたものである。
【0017】メタロセン系触媒の存在下に共重合されて
なる本発明で用いるプロピレン系ランダム共重合体は、
数平均分子量に対する重量平均分子量の比で表されるQ
値が3.5以下であって、分子量分布が極めてシャープ
なものである。
【0018】本発明で成分(A)として用いるプロピレ
ン系ランダム共重合体は、更に、以下の(1)、(2)
及び(3)の特性を満足するものであることが必須であ
る。 (1)JIS K7210に準拠した温度230℃、荷
重21.17Nでのメルトフローレートが0.1〜30
g/10分 (2)示差走査熱量計による最高誘拐ピーク温度が12
0℃以上160℃以下 (3)JIS K7106に準拠した曲げこわさが18
0MPa以上686MPa以下
【0019】メルトフローレートは1〜10g/10分
であるのが、また最高融解ピーク温度は125℃〜15
0℃であるのが、また、曲げこわさは196〜588M
Paであるのが好ましい。
【0020】メルトフローレートが前記範囲未満では、
液の視認性、成形外観等が劣ることなり、一方、前記範
囲超過では、溶融張力の低下により成形加工性が悪化す
る。また、最高融解ピーク温度が前記範囲未満では、耐
熱性が劣ることとなり、前記範囲超過では成形加工性が
劣ることとなる。さらに曲げこわさが前記範囲未満では
チューブ自体の強度が劣ることとなり、チューブとして
のコシがなくなる。前記範囲超過では、強度が大きくな
りすぎて柔軟性が不足することとなる。
【0021】また、本発明で成分(A)として用いるプ
ロピレン系ランダム共重合体は、更に、以下の(4)の
特性を満足するものであるのが好ましい。 (4)メルトインデクサーまたはメルトテンションテス
ターを用いて、温度190℃で、直径1.0mm、長さ
8.0mmのオリフィスにて0.1g/分の押出量を得
るときの、オリフィス径に対する押出物の径の比として
のメモリーエフェクトが、1.0〜1.5の範囲である
のが好ましい。
【0022】本発明で成分(B)として用いるスチレン
系共重合体エラストマーとしては、芳香族ビニルの重合
体ブロックと共役ジエンの重合体ブロックとからなり、
その芳香族ビニルの重合体ブロックがハードセグメント
を、共役ジエンの重合体ブロックがソフトセグメントを
それぞれ構成し、後者重合体ブロックの二重結合が水素
添加された水素添加、芳香族ビニル−共役ジエンブロッ
ク共重合体であって、スチレン系熱可塑性エラストマー
として知られているものが挙げられる。
【0023】この水素添加ブロック共重合体における芳
香族ビニルとしては、スチレン、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、ジメチルスチレン等が挙げられ、
中で、スチレンが好ましく、また、共役ジエンとして
は、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられ、
中で、ブタジエン、イソプレン、または、ブタジエンと
イソプレンの混合物であるものが好ましい。
【0024】上記水素添加ブロック共重合体としては、
芳香族ビニルの含有量が5〜50重量%、更には8〜4
5重量%、特には10〜40重量%であるものが好まし
く、また、共役ジエンの重合体ブロックの二重結合の水
素添加率は、80%以上、更には90%以上、特には9
5%以上であるものが好ましい。
【0025】また、水素添加ブロック共重合体の重量平
均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
により測定したポリスチレン換算の値として、5000
0〜500000、更には60000〜400000、
特には70000〜300000であるものが好まし
い。
【0026】本発明で成分(C)として用いるパラフィ
ン系オイルは一般に、芳香族系炭化水素、ナフテン系炭
化水素、及びパラフィン系炭化水素の混合物で、パラフ
ィン系炭化水素の炭素数が全炭素数中の50%以上を占
めるものがパラフィン系オイル、ナフテン系炭化水素の
炭素数が全炭素数中の30〜45%のものがナフテン系
オイル、芳香族系炭化水素の炭素数が全炭素数中の30
%以上のものが芳香族系オイルと、それぞれ呼ばれてい
る。本発明においては、パラフィン系オイルを用いるこ
とが好ましく、また、重量平均分子量が300〜200
0、特には500〜1500の分子量を有するものが好
ましい。
【0027】また、成分(C)であるパラフィン系オイ
ルは、40℃の動粘度が20〜800cSt、特には5
0〜600cStであるもの、流動点が−40〜0℃、
特には−30〜0℃であるもの、引火点が200〜40
0℃、特には250〜350℃であるもの、がそれぞれ
好ましい。
【0028】本発明の軟質チューブを構成するベース樹
脂は、上記成分(A)が5重量%超過30重量%未満、
成分(B)が20重量%超過60重量%未満、成分
(C)が10重量%超過75重量%未満の配合量となる
よう、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブ
レンダー等により均一に混合され、一軸または多軸押出
機、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリ
ーミキサー、ロール等により、120〜300℃程度の
温度で溶融混練されて得られる。
【0029】ここで成分(A)であるプロピレン系ラン
ダム共重合体の配合量が30重量%を超えるとチューブ
として求められる柔軟性及び耐キンク性が乏しくなり、
また、チューブつぶれの原因となる。一方5重量%未満
であると充分な耐熱性が得られず、また、包装材とのブ
ロッキングの原因となる。また成分(B)であるスチレ
ン系共重合体エラストマーの配合量が60重量%を超え
ると成形が困難となるとともに、寸法精度が低下し、一
方20重量%未満であると充分な柔軟性と表面の滑らか
さが得られない。
【0030】さらにパラフィン系オイルの含有量が10
重量%未満であると生産効率が著しく劣るとともに、表
面の滑らかさが得られず、一方75重量%を超えると強
度が著しく低下し、また表面にべたつきが生じる。
【0031】この混練の際、本発明の効果を著しく損な
わない範囲で、更に、前記プロピレン系ランダム共重合
体以外の各種樹脂、前記スチレン系共重合体エラストマ
ー以外の各種熱可塑性エラストマーやゴム、パラフィン
系以外のオイル、並びに、これら組成物に通常用いられ
る添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収
剤、中和剤、滑剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、分散
剤、帯電防止剤、軟化剤、難燃剤、着色剤、発泡剤、架
橋剤、架橋助剤等を添加してよい。
【0032】例えば、上記プロピレン系ランダム共重合
体、スチレン系共重合体エラストマー、及びパラフィン
系オイルからなるベース樹脂100重量部に対して、酸
化防止剤、シリコーンオイル及び滑剤がそれぞれ5重量
部以下ずつ配合されていることが望ましい。さらに好ま
しい配合量は2重量部以下である。
【0033】滑剤としては、オレイン酸アミド、ステア
リン酸アミドなどの脂肪酸アミド系が挙げられる。この
オレイン酸アミドの添加によりオートクレーブ後のシー
ル袋からの剥離性がさらに向上する。本発明の軟質チュ
ーブはこのような配合の組成物から常法により、すなわ
ちインジェクションブロー、異形押し出し成形、通常の
押出成形、射出成形等によって製造することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。
【0035】使用した原料について以下に説明する。プロピレン系ランダム共重合体 成分(イ)として(r)−ジメチルシリレンビス(2−
メチルベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、成
分(ロ)としてのアルミニウムオキシ化合物としてメチ
ルアルミノキサン、成分(ハ)としてトリエチルアルミ
ニウムを用いたメタロセン系触媒の存在下に共重合さ
れ、エチレン(α−オレフィンとして)含有量:2.6
モル%、メルトフローレート:3.1g/10分、メモ
リーエフェクト:1.1、最高融解ピーク温度:134
℃、及び曲げこわさ:671MPaを有するプロピレン
−エチレンランダム共重合体。
【0036】なお、メルトフローレート、メモリーエフ
ェクト、最高融解ピーク温度、及び曲げこわさは以下に
示す方法により測定したものである。メルトフローレー
ト:JIS K7210に準拠して、温度230℃、荷
重21.17Nで測定した。メモリーエフェクト:JI
S K7210に準拠したメルトインデクサーを用い
て、温度190℃で、直径1.0mm、長さ8.0mm
のオリフィスにて0.1g/分の押出量を得るときの押
出物の径を測定し、そのオリフィス径に対する比として
算出した。
【0037】最高融解ピーク温度:示差走査熱量計を用
い、5mgのサンプルで、0〜200℃間を昇降温速度
10℃/分で昇降温させたときの融解ピークの最高温度
を測定した。曲げこわさ:JIS K7106に準拠し
て測定した。
【0038】スチレン系共重合体エラストマー スチレン含有量10重量%、水素添加率99%、重量平
均分子量245000の、スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体の水素添加物(日本合成ゴム社製「ダイナロ
ン2320P」)。
【0039】パラフィン系オイル 重量平均分子量746、40℃の動粘度382cSt、
流動点−15℃、引火点300℃、出光興産社製「PW
380」。
【0040】ポリプロピレン プロピレン単独重合体からなる結晶性プロピレン系重合
体ブロック75重量%と、プロピレン含有量が40重量
%のプロピレン−エチレン共重合体からなる非晶性プロ
ピレン−α−オレフィン共重合体ブロック25重量%と
からなるプロピレン−エチレンブロック共重合体(DS
C(示差走査熱量)の主吸熱ピーク温度163℃、23
0℃、2.16kg荷重のメルトフローレート0.9g
/10分)
【0041】オレフィン系共重合体エラストマー ムーニー粘度ML1+4、プロピレン含量が70重量
%、エチレン含量が30重量%であるオレフィン系エラ
ストマー
【0042】酸化防止剤 テトラキス〔メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチ
ル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタ
ン(チバスペシャリティーケミカル製「イルガノックス
1010」)
【0043】シリコーンオイル ジメチルポリシロキサン:25℃の動粘度100cS
t、比重0.97、引火点315℃以上(東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン株式会社製)
【0044】滑剤 オレイン酸アミド
【0045】これら原料を表1に示す重量比になるよう
に配合・混練して9種類の組成物を得、これらを成形ダ
イより押し出し、外径7.5mm、内径5mmのチュー
ブを成形した。このとき、成形加工性を調べ、所定の形
状の良品が確実に得られるものを○、不良品となるもの
を×とした。なお、成形加工性が悪く良品が得られなか
った組成物の場合には以下の検討を行わなかった。
【0046】
【表1】
【0047】良品が得られた組成物からなる軟質チュー
ブについて、以下のように評価を行い、これら評価結果
を表1に併せて記載する。なお、検討を行わなかった項
目には「−」と表記してある。
【0048】取扱性 医療用輸液チューブとして使用されている、従来の塩化
ビニル樹脂製の軟質チューブα(外径7.5mm、内径
5mmのチューブ)との取扱性との違いについて、柔軟
性、折れ・つぶれ、折れ・つぶれからの復元性及び硬さ
について、病院で常時患者と接している医療関係者(看
護婦、医者)からなるモニタ10人によりモニタテスト
を行い、7人以上のモニタが大きな違和感を感じると回
答した場合を×、6人〜4人の場合を△、3人以下の場
合を○として評価した。
【0049】耐キンク性 長さ5cmの輸液チューブを、ロードセルに接続された
圧子(直径:15mmの円板)に立てて置き、10mm
/分の速度で潰したときの、圧縮完了寸前の加重を調
べ、その値が従来の塩化ビニル樹脂製の軟質チューブα
の値の90〜110%である場合を○、それ以外の場合
を×として評価した。
【0050】シール袋からの剥離性 15cmの長さの軟質チューブ(外径7.5mm、内径
5mm)をポリプロピレンフィルム製の袋に入れ、脱気
した後、ヒートシールにより密閉し、これをオートクレ
ーブを用いて115℃で30分間の滅菌処理行った。そ
の後、8時間かけて室温(23℃)になるまで冷却さ
せ、チューブ長の端から5cmの部分が露出するまでポ
リプロピレンフィルムを剥離して、その剥離したフィル
ム端部とチューブ端部をそれぞれロードセルに固定し、
残りのチューブに密着したフィルムを剥がす際(測定条
件:23℃、引っ張り速度:200mm/min)に必
要な荷重を調べた。荷重が3.92N以上であると、手
で剥がしたときに抵抗があるというモニタテストでの知
見がある。3.92N未満であると剥離性が良いと言え
る。
【0051】表1より、本発明に係る軟質チューブは、
燃焼時にダイオキシン等の有害ガスを発生する塩素を有
しないにもかかわらず、成形加工性、取扱性、耐キンク
性が従来の塩ビ製チューブと同等で、かつ、オートクレ
ーブ滅菌処理を行ってもシール袋に密着せず、あるい
は、極めて容易に剥離することができる優れた軟質チュ
ーブであることが判る。なおこれら本発明に係る軟質チ
ューブは液の視認性についても優れていた。
【0052】なお、上記実施例1〜4に係る軟質チュー
ブについて、第十三改正日本薬局方「プラスチック製医
薬品容器試験法」に基づいて、重金属、過マンガン酸カ
リウム還元性物質の有無、蒸発残留物を調べたが、いず
れの項目も規格を満足しており、医療用輸液チューブと
しても用い得ることが確認された。
【0053】
【発明の効果】本発明の軟質チューブは、燃焼時にダイ
オキシン等の有害ガスを発生する塩素を有しないにもか
かわらず、成形加工性、取扱性、液の視認性、耐キンク
性が従来の塩ビ製チューブと同等で、かつ、オートクレ
ーブ滅菌処理を行ってもシール袋に密着せず、あるい
は、極めて容易に剥離することができ、例えば輸液チュ
ーブとして医療用途、理化学分野にも用い得る優れた軟
質チューブであり、また、空気、ガスなどの気体の輸送
にも好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 91/00 C08L 23:14 23:14 83:04 83:04) (72)発明者 松川 孝史 東京都中央区新川1−23−5 三谷産業株 式会社内 Fターム(参考) 3H111 AA02 BA15 BA34 CB14 DB21 4C066 AA07 CC01 JJ10 4F071 AA12X AA14X AA20X AA21X AA22X AA71 AA75 AA84 AA88 AE05 AE11 AF20 AF26 AH02 AH19 BB05 BB06 BB13 BC05 4J002 AE05W BB143 BB153 BP01X CP034 EP018 FD076 FD178 GB01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(A)〜成分(C)全てを必
    須成分として有し、成分(A)が5重量%超過30重量
    %未満、成分(B)が20重量%超過60重量%未満、
    成分(C)が10重量%超過75重量%未満の配合量で
    構成されていることを特徴とする軟質チューブ。 (A)プロピレンと炭素数2〜10の他のα−オレフィ
    ンとがメタロセン系触媒の存在下に共重合されてなり、
    該他のα−オレフィンの含有量が0.5〜8.0モル%
    であって、以下の(1)、(2)及び(3)の特性を満
    足するプロピレン系ランダム共重合体 (1)JIS K7210に準拠した温度230℃、荷
    重21.17Nでのメルトフローレートが0.1〜30
    g/10分、(2)示差走査熱量計による最高融解ピー
    ク温度が120℃以上160℃以下(3)JIS K7
    106に準拠した曲げこわさが180MPa以上686
    MPa以下 (B)スチレン系共重合体エラストマー (C)パラフィン系オイル
  2. 【請求項2】 請求項1記載の軟質チューブを構成する
    ベース樹脂が上記成分(A)、成分(B)、及び成分
    (C)からなり、このベース樹脂100重量部に対し
    て、酸化防止剤、シリコーンオイル及び滑剤がそれぞれ
    5重量部以下ずつ配合されていることを特徴とする請求
    項1に記載の軟質チューブ。
  3. 【請求項3】 軟質チューブとポリプロピレン製の袋と
    の剥離強度が3.92N未満であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の軟質チューブ。
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