JP2003096030A - N、n−ジアルキルアミノフェノール類の製造方法 - Google Patents
N、n−ジアルキルアミノフェノール類の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】2価フェノール類とジアルキルアミンから、
N、N−ジアルキルアミノフェノール類を高い選択率で
製造できる新規な製造方法を提供する。 【解決手段】 一般式(1) (式中、Rはアルキル基を示す。 nは0〜4の整数を
示す。nが2以上の場合、Rは同一でも異なっていても
よい。)で表される2価フェノール類と、一般式(2) (式中、R1、R2はアルキル基を表す。R1、R2は同一
でも異なっていてもよい。)で表されるジアルキルアミ
ンとを、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化スト
ロンチウム、酸化バリウム、酸化ゲルマニウムおよび酸
化錫からなる群から選ばれる1種類以上の金属酸化物を
触媒として用いて気相条件または液相条件で反応させる
一般式(3) で表されるN、N−ジアルキルアミノフェノール類の製
造方法。
N、N−ジアルキルアミノフェノール類を高い選択率で
製造できる新規な製造方法を提供する。 【解決手段】 一般式(1) (式中、Rはアルキル基を示す。 nは0〜4の整数を
示す。nが2以上の場合、Rは同一でも異なっていても
よい。)で表される2価フェノール類と、一般式(2) (式中、R1、R2はアルキル基を表す。R1、R2は同一
でも異なっていてもよい。)で表されるジアルキルアミ
ンとを、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化スト
ロンチウム、酸化バリウム、酸化ゲルマニウムおよび酸
化錫からなる群から選ばれる1種類以上の金属酸化物を
触媒として用いて気相条件または液相条件で反応させる
一般式(3) で表されるN、N−ジアルキルアミノフェノール類の製
造方法。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 N、N−ジアル
キルアミノフェノール類の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術、発明が解決しようとする課題】N、N−
ジアルキルアミノフェノール類は医薬、農薬、染料の中
間体、樹脂の原料として広く用いられている。中でも、
N、N−ジエチル−m−アミノフェノールおよびN、N
−ジブチル−m−アミノフェノールは感熱染料の中間体
として特に多くの需要がある。 【0003】2価フェノール類とジアルキルアミンから
N、N−ジアルキルアミノフェノール類を製造する方法
としては、例えば、2価フェノール類とジアルキルアミ
ンとを無触媒で気相または液相で反応させる方法(特開
昭48−28429号公報)が知られているがN、N−
ジアルキルアミノフェノール類の選択率が低いという問
題点があった。また、金属の酸化物を触媒として用いる
方法としては、5A族のバナジウム、6A族のモリブデ
ンもしくはタングステン、2B族の亜鉛、または3B族
のガリウムの酸化物を触媒として用いて気相または液相
で反応させる方法(特開昭60−13026号公報、特
開昭61−51577号公報)が開示されている。 【0004】しかしながら、金属の酸化物として、2A
族のマグネシウム、カルシウム、ストロンチウムもしく
はバリウム、または4B族のゲルマニウムもしくは錫の
酸化物を触媒として用いる方法は知られていない。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の状
況に鑑み、N、N−ジアルキルアミノフェノール類の製
造方法について鋭意研究を続けた結果、公知の触媒とは
全く異なる金属酸化物が、触媒活性を示し、 該金属酸
化物を用いることにより、N、N−ジアルキルアミノフ
ェノール類を高い選択率で製造することができることを
見出し、本発明に至った。 【0006】即ち本発明は、一般式(1) (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示す。 n
は0〜4の整数を示す。nが2以上の場合、Rは同一で
も異なっていてもよい。)で表される2価フェノール類
と、一般式(2) (式中、R1、R2は炭素数1〜10のアルキル基を示
す。R1、R2は同一でも異なっていてもよい。)で表さ
れるジアルキルアミンとを、酸化マグネシウム、酸化カ
ルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化ゲ
ルマニウムおよび酸化錫からなる群から選ばれる1種類
以上の金属酸化物を触媒として用いて気相条件または液
相条件で反応させる一般式(3) で表されるN、N−ジアルキルアミノフェノール類の製
造方法に関するものである。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の製造方法において、出発
原料であるジアルキルアミンは、一般式(2) で表される。R1、R2は同一でも異なっていてもよいア
ルキル基を表す。該アルキル基は直鎖又は分岐である。
該アルキル基の炭素数は1〜10であり、2〜4が好ま
しい。R1、R2として具体的には、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘ
キシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基があげら
れ、エチル基、n-プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基が好ましい。本発明の方法は、
R1、R2の炭素数の和が4以上の場合でも高い選択率で
目的物を得ることができる点で特に利用価値がある。 【0008】一般式(2)で示されるジアルキルアミン
として、具体的には、ジメチルアミン、ジエチルアミ
ン、メチルエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ
-i-プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−s−
ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジ−i−ブチル
アミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルア
ミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミ
ン、メチル−n−プロピルアミン、メチル−i−プロピ
ルアミン、メチル−n−ブチルアミン、メチル−i−ブ
チルアミン、メチル−s−ブチルアミン、エチル−i−
プロピルアミン、エチル−n−ブチルアミン、エチル−
i−ブチルアミン、エチル−s−ブチルアミン、エチル
−i−アミルアミンがあげられ、これらのうちジメチル
アミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、ジ−n
−プロピルアミン、ジ-i-プロピルアミン、ジ−n−ブ
チルアミン、ジ−s−ブチルアミン、メチル−i−ブチ
ルアミンが工業的に有用であり好ましく、ジエチルアミ
ンおよびジ−n−ブチルアミンがさらに好ましい。 【0009】本発明のもう一つの出発原料である2価フ
ェノール類は、一般式(1) で表される。 【0010】一般式(1)におけるRはアルキル基を示
し、該アルキル基は直鎖又は分岐であり、炭素数は1〜
10である。Rとして、具体的にはメチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘ
キシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等があげら
れ、メチル基、エチル基が好ましい。一般式(1)にお
いて、nは0〜4の整数であり、nが0の場合が好まし
い。nが2以上の場合、Rは同一でも異なっていてもよ
い。 【0011】一般式(1)で表される2価フェノール類
としては、例えば、カテコール、レゾルシン、ヒドロキ
ノン、メチルヒドロキノン、2、3−ジメチルヒドロキ
ノン、2、5−ジメチルヒドロキノン、2、6−ジメチ
ルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、エチルヒド
ロキノン、2、3−ジエチルヒドロキノン、2、5−ジ
エチルヒドロキノン、2、6−ジエチルヒドロキノン、
トリエチルヒドロキノン、2−メチルレゾルシン、4−
メチルレゾルシン、5−メチルレゾルシン、2−エチル
レゾルシン、4−エチルレゾルシン、5−エチルレゾル
シン、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、
3−エチルカテコール、4−エチルカテコールがあげら
れ、これらのうちレゾルシンおよびヒドロキノンが好ま
しく、レゾルシンがさらに好ましい。 【0012】2価フェノール類に対するジアルキルアミ
ンのモル比は、0.2から10の範囲が好ましく、0.
2から3の範囲がより好ましい。製造コストの観点から
は0.2から0.8の範囲がさらに好ましく、0.25
から0.5の範囲が最も好ましい。該モル比が小さすぎ
る場合は2価フェノール類の転化率が低下する傾向があ
り、大きすぎると製造コストが高くなる。 【0013】本発明の製造方法において、反応は気相条
件または液相条件、好ましくは気相条件で行う。本反応
が気相条件でも液相条件でもない条件、例えば、超臨界
条件で行われると、通常核アルキル化反応が進行する傾
向にある。 本発明の製造方法においては、反応温度は
150から300℃の範囲が好ましく、175から20
0℃の範囲がより好ましい。反応温度が低すぎると転化
率が低下する傾向があり、高すぎると製造コストが高く
なる。本発明の製造方法における反応時間は、10分〜
8時間の範囲が好ましく、さらに好ましくは10分〜2
時間の範囲である。 【0014】本発明の製造方法で用いる触媒としては、
酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウ
ム、酸化バリウム、酸化ゲルマニウム、酸化錫、酸化チ
タン、酸化クロム、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化
銅等があげられ、これらのうち酸化マグネシウム、酸化
カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化
ゲルマニウム、酸化錫が好ましく、酸化ストロンチウム
および酸化ゲルマニウムがさらに好ましい。 【0015】本発明の製造方法において用いる触媒量
は、反応に用いる一般式(1)で表される2価フェノー
ル類100重量部に対して、0.1から20重量部の範
囲が好ましく、0.2から10重量部の範囲がより好ま
しい。触媒量が少なすぎると転化率が低下する傾向にあ
り、多すぎると2価フェノール類の分解等副反応が進行
しやすくなる傾向にある。 【0016】本発明の製造方法により前記一般式(3)
で表されるN、N−ジアルキルアミノフェノール類が製
造される。例えば、本反応の反応時間をより長くするこ
とにより、上記一般式(3)の化合物の水酸基が、R1
R2N−で示されるジアルキルアミノ基で置換されたビ
ス(N、N−ジアルキルアミノ)フェノール類を製造し
得る。 【0017】本発明は種々の反応態様で実施できる。例
えば、回分方式で行っても良いし、流通方式で行っても
良い。 【0018】本発明は攪拌等を行って触媒と反応基質と
の混合を高めることができる。 【0019】本発明の製造方法において反応終了後の反
応混合物には、 N、N−ジアルキルアミノフェノール
類のほかに、未反応の原料、副反応による生成物が含ま
れることもある。各種の用途に必要な純度まで、 N、
N−ジアルキルアミノフェノール類を分離することがで
きる。分離の方法は、特に限定されず、蒸留、抽出等の
通常工業的に使用できる方法が適用できる。 【0020】 【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。実施例において反応後に残存した原料および生成物
は、ガスクロマトグラフィー質量分析装置HP−689
0(GC:ヒューレット・パッカード製)−HP−59
73(MS:ヒューレット・パッカード製)を用いて同
定し、FID(水素炎イオン化検出器)が付属している
ガスクロマトグラフィー装置GC−353B(ジーエル
サイエンス製)を用いて定量分析を行った。 【0021】2価フェノール類の転化率は、(転化率)
={1−(反応液中に未反応で残存した2価フェノール
類のクロマトグラフの面積)/(反応液中に未反応で残
存した2価フェノール類および2価フェノール類の全反
応生成物のクロマトグラフの面積の和)}×100
(%)の式を用いて計算した。また、 N、N−ジアル
キルアミノフェノール類の選択率は、(選択率)=
{( 特定のN、N−ジアルキルアミノフェノール類の
ガスクロマトグラフの面積)/(2価フェノール類の全
反応生成物のガスクロマトグラフの面積の和)}×10
0(%)の式を用いて計算した。 【0022】実施例1 レゾルシン(和光純薬製、試薬特級)を0.101gと
ジエチルアミン(和光純薬製、試薬特級)を0.048
g((ジエチルアミン)/(レゾルシン)モル比0.7
2)と、酸化ストロンチウム(SrO)(高純度化学
製、99%)を2.9mg(レゾルシン100重量部に
対し2.9質量部)とをオートクレーブ(SUS316
製、内容積2.3ml、圧力計なし)に仕込み、オイル
バスにて185℃まで昇温し反応を開始した。攪拌しな
がら70分間反応させた後オートクレーブを急冷し、室
温(約25℃)に戻った後に反応液をオートクレーブか
ら取り出した。上記の方法により定量したところレゾル
シンの転化率は20モル%で、N、N−ジエチル−m−
アミノフェノールの選択率は80モル%であった。 【0023】実施例2 レゾルシンを0.101gとジエチルアミンを0.05
2g((ジエチルアミン)/(レゾルシン)モル比0.
78)と、酸化ゲルマニウム(GeO2)(高純度化学
製、99.995%)を3.1mg(レゾルシン100
重量部に対し3.1質量部)とをオートクレーブ(SU
S316製、内容積2.3ml、圧力計なし)に仕込
み、オイルバスにて185℃まで昇温し反応を開始し
た。攪拌しながら70分間反応させた後オートクレーブ
を急冷し、室温(約25℃)に戻った後に反応液をオー
トクレーブから取り出した。上記の方法により定量した
ところレゾルシンの転化率は23モル%で、 N、N−
ジエチル−m−アミノフェノールの選択率は80モル%
であった。 【0024】比較例1 レゾルシンを0.101gとジエチルアミンを0.05
5g((ジエチルアミン)/(レゾルシン)モル比0.
82)とをオートクレーブ(SUS316製、内容積
2.3ml、圧力計なし)に仕込み、オイルバスにて1
85℃まで昇温し反応を開始した。攪拌しながら70分
間反応させた後オートクレーブを急冷し、室温(約25
℃)に戻った後に反応液をオートクレーブから取り出し
た。上記の方法により定量したところレゾルシンの転化
率は41モル%で、 N、N−ジエチル−m−アミノフ
ェノールの選択率は37モル%であった。 【0025】実施例3 ヒドロキノン(和光純薬製、試薬特級)を0.200g
とジエチルアミンを0.099g((ジエチルアミン)
/(ヒドロキノン)モル比0.75)と、酸化ゲルマニ
ウム(GeO2)を9.9mg(ヒドロキノン100重
量部に対し5.0質量部)とをオートクレーブ(SUS
316製、内容積9ml、圧力計なし)に仕込み、サン
ドバスにて200℃まで昇温し反応を開始した。攪拌な
しで30分間反応させた後オートクレーブを急冷し、室
温(約25℃)に戻った後に反応液をオートクレーブか
ら取り出した。上記の方法により定量したところヒドロ
キノンの転化率は27モル%で、N、N−ジエチル−p
−アミノフェノールの選択率は94モル%であった。 【0026】 【発明の効果】本発明の製造方法によれば、2価フェノ
ール類とジアルキルアミンから、N、N−ジアルキルア
ミノフェノール類を高い選択率で製造できる。
キルアミノフェノール類の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術、発明が解決しようとする課題】N、N−
ジアルキルアミノフェノール類は医薬、農薬、染料の中
間体、樹脂の原料として広く用いられている。中でも、
N、N−ジエチル−m−アミノフェノールおよびN、N
−ジブチル−m−アミノフェノールは感熱染料の中間体
として特に多くの需要がある。 【0003】2価フェノール類とジアルキルアミンから
N、N−ジアルキルアミノフェノール類を製造する方法
としては、例えば、2価フェノール類とジアルキルアミ
ンとを無触媒で気相または液相で反応させる方法(特開
昭48−28429号公報)が知られているがN、N−
ジアルキルアミノフェノール類の選択率が低いという問
題点があった。また、金属の酸化物を触媒として用いる
方法としては、5A族のバナジウム、6A族のモリブデ
ンもしくはタングステン、2B族の亜鉛、または3B族
のガリウムの酸化物を触媒として用いて気相または液相
で反応させる方法(特開昭60−13026号公報、特
開昭61−51577号公報)が開示されている。 【0004】しかしながら、金属の酸化物として、2A
族のマグネシウム、カルシウム、ストロンチウムもしく
はバリウム、または4B族のゲルマニウムもしくは錫の
酸化物を触媒として用いる方法は知られていない。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の状
況に鑑み、N、N−ジアルキルアミノフェノール類の製
造方法について鋭意研究を続けた結果、公知の触媒とは
全く異なる金属酸化物が、触媒活性を示し、 該金属酸
化物を用いることにより、N、N−ジアルキルアミノフ
ェノール類を高い選択率で製造することができることを
見出し、本発明に至った。 【0006】即ち本発明は、一般式(1) (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示す。 n
は0〜4の整数を示す。nが2以上の場合、Rは同一で
も異なっていてもよい。)で表される2価フェノール類
と、一般式(2) (式中、R1、R2は炭素数1〜10のアルキル基を示
す。R1、R2は同一でも異なっていてもよい。)で表さ
れるジアルキルアミンとを、酸化マグネシウム、酸化カ
ルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化ゲ
ルマニウムおよび酸化錫からなる群から選ばれる1種類
以上の金属酸化物を触媒として用いて気相条件または液
相条件で反応させる一般式(3) で表されるN、N−ジアルキルアミノフェノール類の製
造方法に関するものである。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の製造方法において、出発
原料であるジアルキルアミンは、一般式(2) で表される。R1、R2は同一でも異なっていてもよいア
ルキル基を表す。該アルキル基は直鎖又は分岐である。
該アルキル基の炭素数は1〜10であり、2〜4が好ま
しい。R1、R2として具体的には、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘ
キシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基があげら
れ、エチル基、n-プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基が好ましい。本発明の方法は、
R1、R2の炭素数の和が4以上の場合でも高い選択率で
目的物を得ることができる点で特に利用価値がある。 【0008】一般式(2)で示されるジアルキルアミン
として、具体的には、ジメチルアミン、ジエチルアミ
ン、メチルエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ
-i-プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−s−
ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジ−i−ブチル
アミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルア
ミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミ
ン、メチル−n−プロピルアミン、メチル−i−プロピ
ルアミン、メチル−n−ブチルアミン、メチル−i−ブ
チルアミン、メチル−s−ブチルアミン、エチル−i−
プロピルアミン、エチル−n−ブチルアミン、エチル−
i−ブチルアミン、エチル−s−ブチルアミン、エチル
−i−アミルアミンがあげられ、これらのうちジメチル
アミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、ジ−n
−プロピルアミン、ジ-i-プロピルアミン、ジ−n−ブ
チルアミン、ジ−s−ブチルアミン、メチル−i−ブチ
ルアミンが工業的に有用であり好ましく、ジエチルアミ
ンおよびジ−n−ブチルアミンがさらに好ましい。 【0009】本発明のもう一つの出発原料である2価フ
ェノール類は、一般式(1) で表される。 【0010】一般式(1)におけるRはアルキル基を示
し、該アルキル基は直鎖又は分岐であり、炭素数は1〜
10である。Rとして、具体的にはメチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘ
キシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等があげら
れ、メチル基、エチル基が好ましい。一般式(1)にお
いて、nは0〜4の整数であり、nが0の場合が好まし
い。nが2以上の場合、Rは同一でも異なっていてもよ
い。 【0011】一般式(1)で表される2価フェノール類
としては、例えば、カテコール、レゾルシン、ヒドロキ
ノン、メチルヒドロキノン、2、3−ジメチルヒドロキ
ノン、2、5−ジメチルヒドロキノン、2、6−ジメチ
ルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、エチルヒド
ロキノン、2、3−ジエチルヒドロキノン、2、5−ジ
エチルヒドロキノン、2、6−ジエチルヒドロキノン、
トリエチルヒドロキノン、2−メチルレゾルシン、4−
メチルレゾルシン、5−メチルレゾルシン、2−エチル
レゾルシン、4−エチルレゾルシン、5−エチルレゾル
シン、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、
3−エチルカテコール、4−エチルカテコールがあげら
れ、これらのうちレゾルシンおよびヒドロキノンが好ま
しく、レゾルシンがさらに好ましい。 【0012】2価フェノール類に対するジアルキルアミ
ンのモル比は、0.2から10の範囲が好ましく、0.
2から3の範囲がより好ましい。製造コストの観点から
は0.2から0.8の範囲がさらに好ましく、0.25
から0.5の範囲が最も好ましい。該モル比が小さすぎ
る場合は2価フェノール類の転化率が低下する傾向があ
り、大きすぎると製造コストが高くなる。 【0013】本発明の製造方法において、反応は気相条
件または液相条件、好ましくは気相条件で行う。本反応
が気相条件でも液相条件でもない条件、例えば、超臨界
条件で行われると、通常核アルキル化反応が進行する傾
向にある。 本発明の製造方法においては、反応温度は
150から300℃の範囲が好ましく、175から20
0℃の範囲がより好ましい。反応温度が低すぎると転化
率が低下する傾向があり、高すぎると製造コストが高く
なる。本発明の製造方法における反応時間は、10分〜
8時間の範囲が好ましく、さらに好ましくは10分〜2
時間の範囲である。 【0014】本発明の製造方法で用いる触媒としては、
酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウ
ム、酸化バリウム、酸化ゲルマニウム、酸化錫、酸化チ
タン、酸化クロム、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化
銅等があげられ、これらのうち酸化マグネシウム、酸化
カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化
ゲルマニウム、酸化錫が好ましく、酸化ストロンチウム
および酸化ゲルマニウムがさらに好ましい。 【0015】本発明の製造方法において用いる触媒量
は、反応に用いる一般式(1)で表される2価フェノー
ル類100重量部に対して、0.1から20重量部の範
囲が好ましく、0.2から10重量部の範囲がより好ま
しい。触媒量が少なすぎると転化率が低下する傾向にあ
り、多すぎると2価フェノール類の分解等副反応が進行
しやすくなる傾向にある。 【0016】本発明の製造方法により前記一般式(3)
で表されるN、N−ジアルキルアミノフェノール類が製
造される。例えば、本反応の反応時間をより長くするこ
とにより、上記一般式(3)の化合物の水酸基が、R1
R2N−で示されるジアルキルアミノ基で置換されたビ
ス(N、N−ジアルキルアミノ)フェノール類を製造し
得る。 【0017】本発明は種々の反応態様で実施できる。例
えば、回分方式で行っても良いし、流通方式で行っても
良い。 【0018】本発明は攪拌等を行って触媒と反応基質と
の混合を高めることができる。 【0019】本発明の製造方法において反応終了後の反
応混合物には、 N、N−ジアルキルアミノフェノール
類のほかに、未反応の原料、副反応による生成物が含ま
れることもある。各種の用途に必要な純度まで、 N、
N−ジアルキルアミノフェノール類を分離することがで
きる。分離の方法は、特に限定されず、蒸留、抽出等の
通常工業的に使用できる方法が適用できる。 【0020】 【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。実施例において反応後に残存した原料および生成物
は、ガスクロマトグラフィー質量分析装置HP−689
0(GC:ヒューレット・パッカード製)−HP−59
73(MS:ヒューレット・パッカード製)を用いて同
定し、FID(水素炎イオン化検出器)が付属している
ガスクロマトグラフィー装置GC−353B(ジーエル
サイエンス製)を用いて定量分析を行った。 【0021】2価フェノール類の転化率は、(転化率)
={1−(反応液中に未反応で残存した2価フェノール
類のクロマトグラフの面積)/(反応液中に未反応で残
存した2価フェノール類および2価フェノール類の全反
応生成物のクロマトグラフの面積の和)}×100
(%)の式を用いて計算した。また、 N、N−ジアル
キルアミノフェノール類の選択率は、(選択率)=
{( 特定のN、N−ジアルキルアミノフェノール類の
ガスクロマトグラフの面積)/(2価フェノール類の全
反応生成物のガスクロマトグラフの面積の和)}×10
0(%)の式を用いて計算した。 【0022】実施例1 レゾルシン(和光純薬製、試薬特級)を0.101gと
ジエチルアミン(和光純薬製、試薬特級)を0.048
g((ジエチルアミン)/(レゾルシン)モル比0.7
2)と、酸化ストロンチウム(SrO)(高純度化学
製、99%)を2.9mg(レゾルシン100重量部に
対し2.9質量部)とをオートクレーブ(SUS316
製、内容積2.3ml、圧力計なし)に仕込み、オイル
バスにて185℃まで昇温し反応を開始した。攪拌しな
がら70分間反応させた後オートクレーブを急冷し、室
温(約25℃)に戻った後に反応液をオートクレーブか
ら取り出した。上記の方法により定量したところレゾル
シンの転化率は20モル%で、N、N−ジエチル−m−
アミノフェノールの選択率は80モル%であった。 【0023】実施例2 レゾルシンを0.101gとジエチルアミンを0.05
2g((ジエチルアミン)/(レゾルシン)モル比0.
78)と、酸化ゲルマニウム(GeO2)(高純度化学
製、99.995%)を3.1mg(レゾルシン100
重量部に対し3.1質量部)とをオートクレーブ(SU
S316製、内容積2.3ml、圧力計なし)に仕込
み、オイルバスにて185℃まで昇温し反応を開始し
た。攪拌しながら70分間反応させた後オートクレーブ
を急冷し、室温(約25℃)に戻った後に反応液をオー
トクレーブから取り出した。上記の方法により定量した
ところレゾルシンの転化率は23モル%で、 N、N−
ジエチル−m−アミノフェノールの選択率は80モル%
であった。 【0024】比較例1 レゾルシンを0.101gとジエチルアミンを0.05
5g((ジエチルアミン)/(レゾルシン)モル比0.
82)とをオートクレーブ(SUS316製、内容積
2.3ml、圧力計なし)に仕込み、オイルバスにて1
85℃まで昇温し反応を開始した。攪拌しながら70分
間反応させた後オートクレーブを急冷し、室温(約25
℃)に戻った後に反応液をオートクレーブから取り出し
た。上記の方法により定量したところレゾルシンの転化
率は41モル%で、 N、N−ジエチル−m−アミノフ
ェノールの選択率は37モル%であった。 【0025】実施例3 ヒドロキノン(和光純薬製、試薬特級)を0.200g
とジエチルアミンを0.099g((ジエチルアミン)
/(ヒドロキノン)モル比0.75)と、酸化ゲルマニ
ウム(GeO2)を9.9mg(ヒドロキノン100重
量部に対し5.0質量部)とをオートクレーブ(SUS
316製、内容積9ml、圧力計なし)に仕込み、サン
ドバスにて200℃まで昇温し反応を開始した。攪拌な
しで30分間反応させた後オートクレーブを急冷し、室
温(約25℃)に戻った後に反応液をオートクレーブか
ら取り出した。上記の方法により定量したところヒドロ
キノンの転化率は27モル%で、N、N−ジエチル−p
−アミノフェノールの選択率は94モル%であった。 【0026】 【発明の効果】本発明の製造方法によれば、2価フェノ
ール類とジアルキルアミンから、N、N−ジアルキルア
ミノフェノール類を高い選択率で製造できる。
フロントページの続き
Fターム(参考) 4H006 AA02 AC52 BA06 BA11 BA30
BC10 BC13 BC14 BC19
4H039 CA71 CD10
4J033 CA25 EA11
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】一般式(1) (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示す。 n
は0〜4の整数を示す。nが2以上の場合、Rは同一で
も異なっていてもよい。)で表される2価フェノール類
と、 一般式(2) (式中、R1、R2は炭素数1〜10のアルキル基を示
す。R1、R2は同一でも異なっていてもよい。)で表さ
れるジアルキルアミンとを、酸化マグネシウム、酸化カ
ルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化ゲ
ルマニウムおよび酸化錫からなる群から選ばれる1種類
以上の金属酸化物を触媒として用いて気相条件または液
相条件で反応させることを特徴とする一般式(3) で表されるN、N−ジアルキルアミノフェノール類の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001297818A JP2003096030A (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | N、n−ジアルキルアミノフェノール類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001297818A JP2003096030A (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | N、n−ジアルキルアミノフェノール類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2003096030A true JP2003096030A (ja) | 2003-04-03 |
Family
ID=19118819
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001297818A Pending JP2003096030A (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | N、n−ジアルキルアミノフェノール類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003096030A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016158737A1 (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-06 | 大塚製薬株式会社 | 1-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン又はその塩の製造方法 |
-
2001
- 2001-09-27 JP JP2001297818A patent/JP2003096030A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016158737A1 (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-06 | 大塚製薬株式会社 | 1-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン又はその塩の製造方法 |
JPWO2016158737A1 (ja) * | 2015-03-27 | 2018-01-18 | 大塚製薬株式会社 | 1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン又はその塩の製造方法 |
US10252995B2 (en) | 2015-03-27 | 2019-04-09 | Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. | Method for producing 1-(4-hydroxyphenyl)-4-(4-trifluoromethoxyphenoxy)piperidine or salt thereof |
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