JP2003095852A - ソフォラフラバノンg含有抗菌剤及び化粧料 - Google Patents

ソフォラフラバノンg含有抗菌剤及び化粧料

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JP2003095852A
JP2003095852A JP2002207838A JP2002207838A JP2003095852A JP 2003095852 A JP2003095852 A JP 2003095852A JP 2002207838 A JP2002207838 A JP 2002207838A JP 2002207838 A JP2002207838 A JP 2002207838A JP 2003095852 A JP2003095852 A JP 2003095852A
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sophoraflavanone
cosmetic
acne
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JP2002207838A
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Hiroyuki Kojima
小島弘之
Yoshihiro Chikamatsu
近松義博
Hiroshi Ando
弘 安藤
Mitsuko Kondo
光子 近藤
Takehito Naitou
岳仁 内藤
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Ichimaru Pharcos Co Ltd
Original Assignee
Ichimaru Pharcos Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ソフォラフラバノンGを含有する新
規なニキビ菌、フケ菌に対する抗菌剤及びニキビ改善用
皮膚化粧料又はフケ抑制用頭髪化粧料を提供することを
目的とする。 【解決手段】ソフォラフラバノンGはニキビ菌、フケ菌
に対して、増殖抑制作用を有し、各種形態の繊維製品
(シーツ類、衣類)、又、衛生綿類、除菌用クロス等の
不織布に抗菌剤として応用でき、更に、ニキビや肌荒れ
を改善し、フケやカユミを抑制する効果を有するので、
ニキビ改善用皮膚化粧料又はフケ抑制用頭髪化粧料にも
応用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ソフォラフラバノンG
を含有する新規なニキビ菌、フケ菌に対して増殖抑制作
用を有する抗菌剤及び化粧料への応用に関するものであ
る。
【0002】その利用分野としては、医薬品・医薬部外
品或は化粧品分野(人及びその他の動物用に用いる各種
製剤も含む)の各種化粧料として利用でき、具体的に
は、化粧水、ローション、シェイビングローション、乳
液、クリーム(軟膏を含む)、日焼け止めクリーム、フ
ァンデーション、オイル、パック、石鹸(薬用石鹸も含
む)、ボディソープ、爪化粧品類、眉目化粧品類、香水
類、洗顔料類、口腔用類(歯磨き、マウスウオッシュ
等)、液臭・防臭防止剤、浴用剤、シャンプー、リン
ス、ヘアートニック、ヘアースプレー、染毛料などへの
応用が上げられる。又、抗菌・防腐剤としては、各種形
態の経口薬剤、繊維製品(シーツ類、衣類等)、更に衛
生綿類、ウエットティシュや拭き取り用ペーパー類、除
菌用クロス等の不織布に、又、口腔用組成物(ガム、キ
ャンデー等)やかまぼこ、ちくわ等の水産ねり製品、ソ
ーセージ、ハム等の畜産製品、洋菓子類、和菓子類、生
めん、中華めん、ゆでめん、そば等のめん類、ソース、
醤油、たれ等の調味料、漬物、そう菜等、一般的な飲食
類への使用が上げられる。
【0003】
【従来の技術】これまで微生物の増殖による食品・医薬
品・化粧品類等の抗菌・防腐剤としては、ソルビン酸、
デヒドロ酢酸及びその塩、パラオキシ安息香酸誘導体な
どがよく使用されているが、安全性の点で問題があり、
添加量や対象食品が制限(例えば、ソルビン酸及びその
塩の食品への配合上限は0.2%であり、デヒドロ酢酸
及びその塩は、チーズ、バター及びマーガリンにのみ使
用可能、又、パラオキシ安息香酸メチルナトリウムの化
粧品類への配合上限は1.0%)されていた。
【0004】又、微生物の増殖を抑制するために、生体
では皮膚や粘膜では物理的若しくは殺菌性物質や粘液の
分布といった化学的な方法によって、微生物の侵入を抑
え、更に、生体内に侵入した微生物に対しては、免疫グ
ロブリンによる付着阻止、食細胞による食作用、リゾチ
ームによる溶菌作用等、先天的で非特異的な感染抵抗や
特定の病原菌に対する免疫応答などによって抵抗が行わ
れている。
【0005】しかしながら、もし、細菌の感染力が生体
における抵抗力を上回ってしまえば、生体内では感染症
状が現れ、例えば、黄色ブドウ球菌による膿皮症などの
感染性皮膚炎、食中毒、敗血症、枯草菌は結膜炎、虹彩
炎、大腸菌では尿路感染症、下痢症など、又、アクチノ
バシルスなどによる歯周病、う触原菌による虫歯、更に
ニキビ菌(プロピオニバクテリウム アクネス)、フケ
菌(ピティロスポルムオバーレ)などによるニキビ、フ
ケ又はフケに伴うカユミ等、様々な症状を起こす危険性
がある。
【0006】特に思春期においては、ニキビやフケの発
症を引き起こすことが多く、ニキビは病名を尋常性ざ瘡
と言い、臨床学的には毛襄脂腺系を中心に毛孔に起こる
慢性の炎症性変化と定義され、頭皮のフケは皮表皮脂、
表皮層の角化物、汗腺分泌物等が絡み合い、皮脂腺等の
分泌物の亢進により発生するとされている。
【0007】そこで、ニキビやフケの発症原因につい
て、皮脂の分泌能との関係から見ると、皮脂中のトリグ
リセライドが、毛包管内にプロピオニバクテリウム ア
クネス、又はピティロスポルム オバーレが侵入するこ
とによって、リパーゼの産生が亢進し、これによって、
グリセロールと遊離脂肪酸の生成が高められ、この際に
生成した過剰な遊離脂肪酸によって、面皰形成作用、炎
症惹起作用が特に強く見られる。
【0008】元来、プロピオニバクテリウム アクネ
ス、ピティロスポルム オバーレ共に、脂質依存性、且
つ、好脂質性であることから、皮脂量が毛包管内に増加
して貯留することにより、プロピオニバクテリウム ア
クネス、ピティロスポルム オバーレも次第に増殖す
る。尚、この他にも、プロピオニバクテリウム アクネ
ス、ピティロスポルム オバーレによる好中球走化能や
補体の活性化因子、又、その菌の産生物であるプロテア
ーゼ、リパーゼ、ヒアルロニダーゼ等による毛包上皮の
破壊、炎症の惹起等も新しい仮説として提唱されてい
る。
【0009】よって、ニキビの発生においては、病巣部
のニキビ菌(プロピオニバクテリウム アクネス)の生
育を阻止することがニキビの治療には重要であり、フケ
又はフケに伴うカユミの発生については、病巣部のフケ
菌(ピティロスポルム オバーレ)の生育を阻止するこ
とがフケ、カユミの治療につながるものである。
【0010】従って、生体内外における感染症の予防や
治療に対して、これまで様々な薬物が使用されて来た
が、その大半を占める抗生物質や合成抗菌・防腐剤は、
確かにその効果は強いが、安全性の面で問題があり、こ
れらの使用には厳重な注意が必要で、その効力などの面
において、更に有効な物質が求められていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、細菌類による感染症、疾患に対して抗菌、防腐効果
があり、且つ、各種分野に利用しても安全であるものに
ついて、各種の植物抽出液より得られる成分を検討し、
追求を積み重ねてきた。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明者ら
は、上記事情に鑑み、ソフォラフラバノンG(Sophoraf
lavanone G)がニキビ菌及びフケ菌に対して強い抗菌効
果があることを確認、且つ、人又は動物に対して安全で
ある、新規なニキビ菌、フケ菌に対して増殖抑制作用を
有する抗菌剤及びニキビ改善用皮膚化粧料又はフケ抑制
用頭髪化粧料に応用することが有効であることを発見
し、本発明を完成した。尚、以下に本発明に至る経過を
説明する。
【0013】本発明のソフォラフラバノンGは、主にク
ララなどマメ科クララ(Sophora Genus)属植物に含ま
れる成分であるが、本発明のソフォラフラバノンGは特
定植物から得られるものに限定されるものではなく、更
に、化学的合成法によって得られたものでも使用可能で
あり、又、精製・製造法は公知の精製・製造法を採用し
ても何等差し支えない。
【0014】更に、ソフォラフラバノンGは、これをそ
のまま、或いは溶媒として有機溶媒、水又は熱水を用い
たり、必要に応じて、有機溶媒又は水との混合溶媒に溶
解させた状態でも使用でき、有機溶媒抽出と水抽出とが
組み合わされた状態でも使用できる。有機溶媒としては
メタノール、エタノール、n−ブタノール、アセトン、
酢酸エチル、n−ヘキサン、1,3−ブチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチルエーテル、ジメチ
ルエーテル、クロロホルムなどを用いることができ、形
態は溶液状、ペースト状、ゲル状、粉末状として用いる
ことができる。
【0015】尚、ソフォラフラバノンGは、多くの場
合、そのままの状態で利用できるが、必要ならば、その
効力に影響のない範囲で脱臭、脱色等の精製処理を加え
ても良い。又、脱臭、脱色等の精製処理手段としては、
活性炭カラムなどを用いれば良く、一般的に適用される
通常の手段を任意に選択して行えば良い。
【0016】本発明のソフォラフラバノンGは、そのま
までも利用できるが、抗菌剤又は化粧料として配合する
場合の含有量は、抗菌剤又は化粧料の種類、期待される
作用の程度によって若干異なる。通常、2ppm以上、
好ましくは、20ppm以上が良い。
【0017】又、本発明のソフォラフラバノンGを配合
した抗菌剤又は化粧料には、本発明の効果を損なわない
範囲内で、食品、化粧品、医薬品、医薬部外品等に一般
的に用いられる各種成分、例えば、砂糖、練乳、小麦
粉、ショートニング、食塩、ブドウ糖、鶏卵、バター、
マーガリン、水飴、カルシウム、鉄分、調味料、香辛料
や油分(動植物油、鉱物油、エステル油、ワックス油、
シリコン油、高級アルコール、リン脂質類、脂肪酸類
等)、界面活性剤(アニオン性、カチオン性、両性又は
非イオン性界面活性剤)、ビタミン類(ビタミンA群、
ビタミンB群、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸
類、ビオチン類、ビタミンC群、ビタミンD群、ビタミ
ンE群、その他フェルラ酸、γ−オリザノール等)、紫
外線吸収剤(p−アミノ安息香酸、アントラニル、サル
チル酸、クマリン、ベンゾトリアゾール、テトラゾー
ル、イミダゾリン、ピリミジン、ジオキサン、フラン、
ピロン、カンファー、核酸、アラントイン及びそれらの
誘導体、アミノ酸系化合物、シコニン、バイカリン、バ
イカレイン、ベルベリン等)、抗酸化剤(ステアリン酸
エステル、ノルジヒドログアセレテン酸、ジブチルヒド
ロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、パラヒ
ドロキシアニソール、没食子酸プロピル、セサモール、
セサモリン、ゴシポール等)、増粘剤(ヒドキシエチル
セルロース、エチルセルロース、カルボキシエチルセル
ロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドキシ
プロピルセルロース、ニトロセルロース、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸
塩、カルボキシビニルポリマー、アラビアゴム、トラガ
ントゴム、寒天、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、
ペクチン、デンプン、アルギン酸及びその塩等)、保湿
剤(プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、グリセリン、コンドロイ
チン硫酸及びその塩、ヒアルロン酸及びその塩、乳酸ナ
トリウム等)又、その他、低級アルコール、多価アルコ
ール、水溶性高分子、pH調整剤、防腐・防バイ剤、着
色料、香料、清涼剤、安定化剤、動・植物抽出物、動・
植物性蛋白質及びその分解物、動・植物性多糖類及びそ
の分解物、動・植物性糖蛋白質及びその分解物、微生物
培養代謝成分、血流促進剤、消炎剤、抗炎症剤、抗アレ
ルギー剤、細胞賦活剤、アミノ酸及びその塩、角質溶解
剤、収斂剤、創傷治療剤、増泡剤、口腔用剤、消臭・脱
臭剤、乳化剤等と共に配合し、併用して用いることもで
きる。
【0018】又、本発明のソフォラフラバノンGを配合
した化粧料の剤型については、任意であり、常法により
配合し、例えば、化粧水、クリーム、軟膏、ローショ
ン、シェイビングローション、乳液、クリーム(軟膏を
含む)、日焼け止めクリーム、ファンデーション、オイ
ル、パック、石鹸(薬用石鹸も含む)、ボディソープ、
爪化粧品類、眉目化粧品類、香水類、洗顔料類、口腔用
類(歯磨き、マウスウオッシュ等)、液臭・防臭防止
剤、浴用剤、シャンプー、リンス、ヘアートニック、ヘ
アースプレー、染毛料等の剤型とすることができる。
【0019】又、ソフォラフラバノンGを配合した抗菌
剤の剤型については、任意であり、常法により配合し、
例えば、経口薬剤、繊維製品(シーツ類、衣類等)、更
に衛生綿類、ウエットティシュや拭き取り用ペーパー
類、除菌用クロス等の不織布の剤型とすることができ
る。
【0020】更に、本発明のソフォラフラバノンGを配
合した抗菌剤及び化粧料の配合する場合の形態は、任意
であり、溶液状、クリーム状、ペースト状、ゲル状、ジ
ェル状、泡状、固形状又は粉末状として用いることがで
きる。
【0021】尚、同日付け出願のアルトカルピンを必須
成分として含有するジャックフルーツ抽出物、又は、ソ
フォラフラバノンGを必須成分として含有するクジン抽
出物等、アルトカルピン又はソフォラフラバノンGを含
有するものであれば、いずれを用いても良く、又、併用
して、抗菌・防腐剤及び化粧料に配合して用いることが
できる。
【0022】
【実施例】以下に、実施例をもってより詳しく述べる
が、以下によって示される方法は、後述の作用等の確認
試験において用いたものであり、これに限定されるもの
ではない。
【0023】実施例1:クジンからのソフォラフラバノ
ンGの確認
【0024】クジン1kgを粉砕して、アセトン10L
を加え、約75℃にて3時間、加熱還流抽出し、冷却
後、濾過して固・液分離を行い、分離した抽出液を減圧
濃縮して、アセトン除去後、濃縮した濃縮したエキス
を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メルク社
製)に通し、次に示す各抽出溶媒(ベンゼン、クロロホ
ルム、酢酸エチル、アセトン、メタノール)で順次溶出
し、溶出液を得る。得られた各溶出フラクションについ
て、抗菌活性におけるスクリーニングを行ったところ、
クロロホルム溶出フラクションに強い活性が見られた。
そこで、この溶出フラクションについて成分検索を行っ
たところ、ソフォラフラバノンGが主成分として含有さ
れていることが確認でき、再度、ソフォラフラバノンG
について抗菌試験を行った結果、強い抗菌効果が見られ
た。
【0025】実施例2:ソフォラフラバノンGの精製 クジン約50gを粉砕して、アセトン500mlを加
え、約75℃にて3時間、加熱還流抽出し、冷却後、濾
過して固・液分離を行い、分離した抽出液を減圧濃縮し
て、アセトン除去後、濃縮したエキスを、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(メルク社製)ベンゼン:酢酸
エチル=14:1により溶出し、溶出液を得る。次にこ
の溶出液を再結晶によりソフォラフラバノンGを約8m
g得る。
【0026】実施例3:プロピオニバクテリウム アク
ネス菌に対する生育阻害試験 [被験菌株の調製]プロピオニバクテリウム アクネス
菌(Propionibacterium acnes、以下、PA菌)は、当
研究室で健康なボランティアの全額より分離、同定した
株で懸濁液(2.0×10個/ml)として凍結保存している
株を用い、液体培地で10倍に希釈して被験菌液とし
た。 [液体培地] *1 Nutrient broth(Difco) 0.5g 酵母エキス 0.3g Tween 80 0.2ml 精製水 100ml [検体の調製]ソファラフラバノンG1mgをDMSO
1mlに溶解して、検体液とする。 [試験方法]液体培地1.8mlに検体液0.1ml及
び被験菌液0.1mlを加え、37℃で7日間嫌気培養
後(Gas Pack BBL製)、培養液10μlを
GAM寒天培地(日水製薬製)に画線し、37℃,48
時間嫌気培養後、残存菌を確認し、倍数希釈法にて、最
小発育阻止濃度(ppm)判定した。結果は表1に示し
た。
【0027】
【表1】
【0028】[試験結果]ソフォラフラバノンGのPA
菌に対する最少生育阻止濃度は、4.9ppmと判定で
き、ソフォラフラバノンGは非常に少量でPA菌に対す
る生育阻害効果を有することが確認できた。
【0029】実施例4:ピティロスポルム オバーレ菌
に対する生育阻害試験 [被験菌株]ピティロスポルム・オバーレ菌(Pityrosp
orum ovale、以下、PO菌)は、当研究室で健康なボラ
ンティアの全額より分離、同定した株で懸濁液(1.6×1
0個/ml)として凍結保存している株を用い、液体培地
で10倍に希釈して被験菌液とした。 [液体培地] *2 グルコ−ス 2g モノオレイン酸ホ゜リオキシエチレンク゛リセリン(5EO) 5ml ポテト抽出液 100ml [検体の調製]ソファラフラバノンG1mgをDMSO
1mlに溶解して、検体液とする。 [試験方法]液体培地1.8mlに検体液0.1ml及
び被験菌液0.1mlを加え、30℃、2日間嫌気培養
後(Gas Pack BBL製)、培養液10μlを
5%のモノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリン
(5EO)を含むポテトデキストロ−ス寒天培地(日水
製薬製)にに画線し、30℃、24時間嫌気培養後、残
存菌を確認し、倍数希釈法にて、最小発育阻止濃度(p
pm)判定した。結果は表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】[試験結果]ソフォラフラバノンGのPO
菌に対する最少生育阻止濃度は7.8ppmと判定で
き、更に低濃度で生育阻害効果を有することが認めら
れ、よって、ソフォラフラバノンGは非常に少量でPO
菌に対する生育阻害効果を有することが確認できた。
【0032】実施例5:ニキビ及び肌荒れ改善試験 「試験方法及び評価方法」下記表3に示した本発明品及
び比較品のクリームについて、ニキビ症の成人男女20
名をパネラーとして、毎日朝と夜の2回、適量を手に取
り、顔に塗布してもらい、あとは自由に2カ月間に渡っ
て連続使用効果試験を実施した。尚、評価方法は次の基
準にて行い、又、結果は表4の如くで表中の数値は人数
を表す。 「ニキビ改善効果」 有 効:ニキビが改善された。 やや有効:ニキビがやや改善された。 無 効:使用前と変化なし。 「肌荒れ改善効果」 有 効:肌荒れが改善された。 やや有効:肌荒れがやや改善された。 無 効:使用前と変化なし。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】[試験結果]結果は表4の如く、本発明品
1〜2のソフォラフラバノンGを配合したクリームは、
ニキビが改善され、又、肌荒れについても比較品に比べ
て良好な結果が得られた。
【0036】実施例6:フケ抑制及びカユミ改善試験
【0037】「試験方法及び評価方法」下記表5に示し
た本発明品及び比較品のシャンプーについて、フケ症又
はフケ症に伴うのカユミを持つ成人男女20名をパネラ
ーとして、毎日夜入浴時に1回、適量を手に取り、洗髪
してもらい、あとは自由に2カ月間に渡って連続使用効
果試験を実施した。又、同様に下記表6に示した本発明
品及び比較品のヘアトニックについて、フケ症又はフケ
症に伴うのカユミを持つ成人男女20名をパネラーとし
て、毎日朝と夜の2回、適量を手に取り、頭髪に塗布し
てもらい、あとは自由に2カ月間に渡って連続使用効果
試験を実施した。評価方法は次の基準にて行い、結果は
表7の如くで表中の数値は人数を表す。 「フケ抑制効果」 有 効:フケが抑制された。 やや有効:フケがやや抑制された。 無 効:使用前と変化なし。 「カユミ改善効果」 有 効:カユミが改善された。 やや有効:カユミがやや改善された。 無 効:使用前と変化なし。
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】[試験結果]結果は表7の如く、本発明品
1〜2のソフォラフラバノンGを配合したシャンプー又
はヘアトニックは、フケ抑制及びカユミが改善されてお
り、比較品と比べても、非常に良好な結果が得られた。
【0042】実施例7:安全性試験 [皮膚一次刺激性試験]ソフォラフラバノンGの粉末1
0mgを50%1,3−ブチレングリコール水溶液10
mlに溶解した液、又ソフォラフラバノンG粉末10m
gを60%エタノール水溶液10mlに溶解した液を背
部を除毛した兎(1群3匹,体重3,800g前後)の皮膚
に貼付した。判定は貼付後24,48,72時間に一次刺激性の
評点法により紅斑及び浮腫を指標として行った。その結
果、すべての動物において、何等、紅斑及び浮腫を認め
ず陰性と判定された。 [皮膚累積刺激性試験]同様に、ソフォラフラバノンG
の粉末10mgを50%1,3−ブチレングリコール水
溶液10mlに溶解した液、又ソフォラフラバノンG粉
末10mgを60%エタノール水溶液10mlに溶解し
た液を側腹部を除毛(2×4cm2)したハートレー系モル
モット(雌性,1群5匹,体重320g前後)の皮膚に1
日1回,週5回,0.5ml/動物当りを塗布した。塗布は
4週に渡って、又、除毛は各週の最終塗布日に行った。
判定は、各週の最終日の翌日に一次刺激性の評点法によ
り紅斑および浮腫を指標として行った。その結果、すべ
ての動物において、塗布後1〜4週目に渡って何等、紅
斑及び浮腫を認めず陰性と判定された。 [急性毒性試験]同様に、ソフォラフラバノンGの粉末
を試験前、4時間絶食させたddy系マウス(1群5匹,
体重30g)に2,000mg/kg量経口投与し、毒性症状の発
現、程度などを経時的に観察した。その結果、すべての
マウスにおいて14日間何等異常を認めず、解剖の結果も
異常がなかった。LD50は2,000mg/kg以上と判定され
た。
【0043】以下に実施例を示し、本発明の利用方法を
更に詳述するが、本発明は以下の実施例に特定されるこ
とはなく、各種の食品、化粧品類、医薬品、医薬部外品
等に含有・配合して用いることが出来る。尚、各実施例
は各製品の製造における常法により製造したもので良
く、配合量のみを示した。
【0044】 実施例8:クリーム 重 量% 1.スクワラン 20.0 2.ミツロウ 5.0 3.精製ホホバ油 5.0 4.グリセリンモノステアレート 2.0 5.ホ゜リオキシエチレン(20)ソルヒ゛タンモノステアレート 2.0 6.グリセリン 5.0 7.ソフォラフラバノンG 0.1 8.香料 適 量 9.精製水 100とする残余
【0045】 実施例9:クリームファンデーション 重 量% 1.ステアリン酸 4.0 2.モノステアリン酸グリセリン 3.0 3.セタノール 1,5 4.ミリスチン酸イソプロピル 7.0 5.流動パラフィン 10.0 6.サラシミツロウ 3.0 8.カオリン 3.0 9.タルク 1.0 10.ソフォラフラバノンG 2.0 11.着色顔料 1.0 12.トリエタノールアミン 3.0 13.グリセリン 3.0 14.ベントナイト 1.0 15.防腐剤 適 量 16.香料 適 量 17.精製水 100とする残余
【0046】 実施例10:ヘアーリキッド 重 量% 1.エタノール 25.0% 2.ホ゜リオキシフ゜ロヒ゜レンフ゛チルエーテルリン酸 12.0 3.ホ゜リオキシフ゜ロヒ゜レンモノフ゛チルエーテル 5.0 4.トリエタノールアミンルアミド 2.0 5.エデト酸二ナトリウム 0.1 6.ソフォラフラバノンG 0.3 7.香料 適 量 8.精製水 100とする残余
【0047】 実施例11:浴用剤 重 量% 1.炭酸水素ナトリウム 60.0 2.無水硫酸ナトリウム 32.0 3.ホウ砂 3.0 4.ソフォラフラバノンG 5.0
【0048】 実施例12:めんつゆ液 重 量% 1.醤油 80.0 2.黒酢 2.0 3.ブドウ糖 15.0 4.グルタミン酸ソーダ 2.0 5.ソフォラフラバノンG 1.0
【0049】 実施例13:うどん又はそば 重 量% 1.小麦粉又はそば粉 98.0 2.食塩 1.0 3.甘味料 0.8 4.ソフォラフラバノンG 0.2
【0050】
【発明の効果】本発明のソフォラフラバノンGはニキビ
菌、フケ菌に対する増殖抑制作用を有し、更に人又は動
物に対して安全である。従って、抗菌剤として各種形態
の繊維製品(シーツ類、衣類)、又、衛生綿類、除菌用
クロス等の不織布に適用できる。又、化粧料として用い
れば、ニキビや肌荒れを改善し、更にフケやカユミを抑
制する効果を有するので、医薬品・医薬部外品或は化粧
品分野(人及びその他の動物用に用いる各種製剤も含
む)の各種化粧料に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/50 A61K 7/50 31/7048 31/7048 A61P 17/10 A61P 17/10 31/04 31/04 C07H 17/07 C07H 17/07 // A23L 1/30 A23L 1/30 B Z 3/3544 3/3544 (72)発明者 内藤 岳仁 岐阜県岐阜市岩井380−153 Fターム(参考) 4B018 LB02 LB09 MD08 MD61 ME09 MF01 MF10 4B021 LW01 LW07 MC01 MK05 MK17 MK25 MP01 4C057 BB03 CC01 DD01 DD03 KK08 4C083 AA082 AA122 AB032 AB152 AB312 AB352 AB432 AB442 AC022 AC072 AC102 AC122 AC182 AC242 AC352 AC422 AC432 AC442 AC542 AC642 AC712 AC782 AC902 AD391 AD392 BB21 BB41 BB48 CC05 CC12 CC25 CC31 CC32 CC38 DD23 DD31 EE14 EE23 4C086 AA01 AA02 EA11 MA01 MA04 MA16 MA22 MA23 MA28 MA63 NA14 ZA89 ZB35

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソフォラフラバノンGを含有することを
    特徴とする、ニキビ菌、フケ菌に対して増殖抑制作用を
    有する抗菌剤。
  2. 【請求項2】 ソフォラフラバノンGを含有することを
    特徴とするニキビ改善用皮膚化粧料。
  3. 【請求項3】 ソフォラフラバノンGを含有することを
    特徴とするフケ抑制用頭髪化粧料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017066141A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・インコーポレイテッドJohnson & Johnson Consumer Inc. 黒ニキビを処置するための組成物及び方法
KR101921050B1 (ko) * 2017-07-25 2019-02-13 경희대학교 산학협력단 천연 화합물을 포함하는 여드름 개선용 항균 조성물

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