JP2003095197A - 消音装置 - Google Patents

消音装置

Info

Publication number
JP2003095197A
JP2003095197A JP2001294576A JP2001294576A JP2003095197A JP 2003095197 A JP2003095197 A JP 2003095197A JP 2001294576 A JP2001294576 A JP 2001294576A JP 2001294576 A JP2001294576 A JP 2001294576A JP 2003095197 A JP2003095197 A JP 2003095197A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust
flow
silencer
engine
inlet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001294576A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Yoneyama
敦司 米山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2001294576A priority Critical patent/JP2003095197A/ja
Publication of JP2003095197A publication Critical patent/JP2003095197A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Silencers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は機体装着のエンジンの地上テスト時
騒音の低減をする消音装置に関する。従来の消音装置は
各エンジン毎に排気ダクトを設け各エンジンの排気流を
排気消音装置を介し放出していたので、航空機の機種が
異なる毎に排気ダクトの取付け、取外しが煩雑になる不
具合があった。本発明は、この不具合を解消できる消音
装置の提供を課題とする。 【解決手段】 本発明の消音装置は、各エンジンの排気
口に排気ダクトを設けない消音装置を構成する排気消音
装置の入口と排気口の間に、導入された排気流が左右方
向に自在な流れを形成できる混合領域を設けた。これに
より排気流混合が促進され一様になり、外気にスムーズ
に放出されて逆流を低減し、機体収容室内の循環流が少
なくし吸気口近傍への排気流の到達を防止でき、吸気口
近傍の圧力、温度分布の歪み発生を防止できる。また、
排気ダクトを設けずに排気流を一括外気に放出でき、機
種変更毎必要な排気ダクトの取付け取外し作業が不要で
テストが低コストで容易に短時間内にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンを装備し
た航空機を建屋内に格納し、建屋内でエンジンテストを
行うときに発生する排気音の消音を行う消音装置に係わ
り、特にエンジンのそれぞれ取付位置に対応する位置に
排気ダクトを設けずに、航空機の翼幅方向に異なる位置
に各々装備されたエンジンから排出される排気流を一括
して外気へ放出する過程で消音を行うようにした消音装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】航空機を駐機したままエンジン地上試験
を行うとき、エンジンから排出される排気流で発生する
騒音を低減する消音装置として、従来から多くの提案が
なされている。しかしながら、大型旅客機等のように、
複数のエンジンを有する航空機のエンジンテストを行う
ために、各エンジンのそれぞれに対応して排気ダクトを
設けることなく、翼幅方向の異なる位置にエンジンを装
備するようにしている多機種の航空機について、エンジ
ンテストをできるようにした消音装置はあまり多くな
い。
【0003】即ち、航空機を機体ごと試験室内に格納し
てエンジンテストを行うようにしたものでは、試験室内
において航空機に装備されている各エンジンの排気口下
流側に排気ダクトを個別に設置し、これにより各エンジ
ンから排気流をそれぞれ集め、各排気ダクトからの排気
流消音装置を経由して外気へ排出する過程で消音を行う
ようにしたものが通常使用されている。これは、エンジ
ンテストを行う場合、エンジンの諸性能を正確に把握す
るためには、エンジンから排出される排気ジェット等か
らなる高温の排気流を外部へ確実に排出し、排気流がエ
ンジン吸気口よりも上流側に至り、エンジン吸気口にお
ける圧力・温度分布に歪み(Distortion)を
生じさせるような循環流が生じることが許されないため
である。
【0004】このような循環流の発生させないために従
来の消音装置では、排気ダクトを各エンジン毎に設置
し、排気流を確実に外気へ排出するようにし、エンジン
吸気口への排気流の吸込みによるエンジンの諸性能の劣
化、換言すれば本来のエンジンの諸性能と異るデータ取
得がなされないようにしている。しかしながら、このよ
うに排気ダクトを各エンジンに対応して設けるようにし
たものでは、エンジンの装備位置、特に、翼幅方向のエ
ンジン取付位置が異る航空機のエンジンテストを行う場
合は、排気ダクトにより確実に排気流を集め、試験室内
で排気流の循環流を生じさせないようにするためには、
排気ダクトの設置場所を、種々の航空機で決められてい
るエンジン取付位置に移動させねばならず、航空機機種
が多様化し、種々の航空機のエンジン地上試験が要求さ
れる場合には、この作業は非常に煩雑で多大の労力を要
するものとなっていた。
【0005】このため、個々のエンジンの排気口下流側
に排気ダクトを用いずに、しかも多機種の航空機のエン
ジンテストにおいても、循環流を発生させることなくエ
ンジンテストができる試験設備の実現が望まれていた。
【0006】図10ないし図12は、このようなエンジ
ンの装備位置がそれぞれ異る多機種の航空機について
も、各エンジンに対応して排気ダクトを設けることな
く、しかも排気流の循環流を生じさせることがなく、エ
ンジン地上試験が行えて正確なエンジン性能が把握でき
るようにするために、本出願人が提案した特開平11−
152095号「航空機の試験設備」(以下先願発明と
いう)を示す図である。図10は一部破断面で示す消音
装置の平面図、図11(a)は扉を開放した状態におけ
る図10に示す装置の正面図、図11(b)は一部破断
面で示す図10に示す装置の側面図、図12は図10、
図11の消音装置を構成する排気消音装置の詳細を示す
図で、図12(a)は図11(b)に示す矢視A−Aに
おける正面図、図12(b)は図12(a)に示す矢視
B−Bにおける平面図、図12(c)は図12(a)に
示す矢視C−Cにおける側面図である。
【0007】図に示すように、この先願発明では、航空
機1aを格納した試運転設備内で航空機1aのエンジン
1bを運転した時の排気ジェット3cに起因して発生す
る、下流側からエンジン吸気口の位置する上流側に向か
って逆流する流れである、上述した循環流を吸気口側か
ら排気口側にかけて絞っていく、天井2f及び側壁2h
によって防止するようにしたものである。
【0008】このようにすることによって、十分な大き
さを必要とする機体用消音装置2aの建屋寸法が確保で
きる場合には、エンジン1bのそれぞれに排気ダクトを
設けず、しかも上述した排気流による機体収容室2b内
での循環流の発生を防止できる試験設備とすることがで
き、先願発明が解決しようとしている課題は解決するこ
とができる。
【0009】しかしながら、実際には敷地面積・周辺環
境等により理想的な消音装置にするための建屋寸法を確
保できない場合が殆んどであり、各エンジンに排気ダク
トを設けないと循環流の発生が十分に行えずエンジン性
能の正確なデータが取得できないのが実状である。
【0010】また、先願発明では、排気消音装置2cの
構造については特に詳細説明は行わなかったが、模型試
験で明らかになった先願発明において使用していた排気
消音装置2cの不具合について、次に説明する。即ち、
この先願発明では、図12に示すように、機体用消音装
置2aの後端下流側に設置され、エンジン1bから高速
で噴射される排気ジェット3cで発生する騒音を低減す
る排気消音装置2cを構成するスプリッタ5a及びター
ニングベーン5bは、排気消音装置2cの地上から上端
にわたって立設した仕切壁5cによって、幅(左右)方
向に分割して設けるようにしていた。
【0011】これは、航空機1aの主翼1c下方に装着
されるエンジン1bが機体中心から翼幅方向に離れた位
置に装備され、しかも最も離れた位置に装着されたエン
ジン1bのテスト時においても、排気ジェット3cが入
口5dにスムーズ導入されるようにするために、排気消
音装置2c幅方向の長さを大きくする必要があり、これ
に伴い、排気消音装置2cの幅方向に長大化するスプリ
ッタ5aとターニングベーン5bを分割して支持する必
要が構造的にあった為である。
【0012】この仕切壁5cの設置位置は、エンジンテ
ストを実施する航空機1aの全機種のエンジン1bの翼
幅方向位置を考慮し、エンジン1bの排気ジェット3c
がなるべく仕切壁5c間の中央になるように決定して設
置するようにしていた。また、排気消音装置2cの建設
後、消音性能をアップする必要が生じた時には、スプリ
ッタ5aを増設できるように、スプリッタ5aはターニ
ングベーン5bに干渉しない程度、或いは施工上の作業
性を考慮してターニングベーン5bに近い位置に設置し
ていた。
【0013】また、テスト時のエンジン運転に伴ない発
生する機体収容室2b内の吸入空気流3a、2次空気流
3b又は排気ジェット3c等の気体の流れによって、機
体収容室2b内の圧力は大気に対して負圧になるのが通
常である。このため、先願発明の上述した構成の機体消
音装置では、各区画に分割された排気消音装置2c内に
入口5dから導入された排気ジェット3c、およびこれ
により誘導された2次空気流3bからなる排気流の流れ
は、導入された区画によっては、機体収容室2b側から
流速の速い流れと遅い流れの混合による圧力回復がなさ
れた流れが流入しないことがあり、負圧のままとなって
いることがある。
【0014】このために、この区画を介して、圧力の高
い外気から圧力の低い機体収容室2b内に、図13に示
す様に排気消音装置2cから外気へ放出された排気流3
eの逆流3dが発生し、機体収容室2b内に循環流を発
生させ、排気流3eがエンジン吸気口まで到達し、エン
ジン吸気口の圧力・温度分布に歪が生じさせ、要求され
るエンジン1bの試運転が行えなくなってしまう不具合
が生じることがある。
【0015】前述のようにエンジン1bの排気ジェット
3c軸方向に機体収容室2bの寸法を大きく取ることが
可能で、機体収容室2b内で循環流の生じない一様な流
れが実現できれば、換言すれば排気消音装置2cの側壁
2hで区画された各部位で生じる混合によって、圧力回
復が十分な所とそうでない所ができず逆流が生じなけれ
ば、このような問題は発生しない。
【0016】ところが現実には機体収容室2b内で一様
な流れを実現することは敷地面積の制限等による様々な
制限により難しく、どうしても外気と機体収容室2b内
の圧力差による逆流3d、逆流3dにより機体収容室2
b内に導入された排気流3eの循環流により生じるエン
ジン1b吸気口の圧力・温度分布の歪みが発生するとい
う問題が発生していた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は敷地面積の制
限等により機体収容室内に一様な流れを実現させること
が難しく航空機に搭載したまま、排気ダクトを設置する
ことなく実施するエンジンテストの実施では排気流の逆
流により機体収容室内に循環流が生じ、エンジン性能の
正確なデータの取得を困難にしていた従来の排気消音装
置の不具合を解消するために、排気消音装置内に混合領
域を設け機体収容室から大気中に放出される排気流の排
気消音装置内での流速分布の一様化を図り、排気流をス
ムーズに外気中に放出し、大気と機体収容室内との間に
生じる圧力差により排気流の一部が機体収容室内へ逆流
するのを防止して、機体収容室内で循環流が発生しない
ようにし、排気流によるエンジン吸気の圧力・温度分布
の歪みをなくし、テストエンジンの諸性能を正確に把握
できるようにした消音装置の提供を課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】このため、第1番目の本
発明の消音装置は次の手段とした。
【0019】(1)翼幅方向のエンジン装着位置が異な
る多機種の航空機を収容できる機体収容室、及び機体収
容室の後方に各エンジンの左右方向装着位置に対応でき
る長さの連続開口させた入口とエンジンのテスト時に排
出される排気流を外気中に放出する排気口とを有し、各
エンジンの排気口に排気ダクトを設けることなく、排気
流を一括して外気中に放出し、エンジンテスト時に発生
する騒音を低減できる排気消音装置からなる消音装置に
おいて、排気消音装置の機体収容室に開口する入口と外
気に開口する排気口との間に、排気流の流れを阻害せず
入口から導入された排気流が左右方向に自在な流れを形
成できるようにして、排気消音装置内での排気流の混合
を促進し、逆流の生じない一様な流れにする混合領域を
設けた。
【0020】(a)この手段により、混合領域に流入す
る排気流は、混合が促進され一様な流れになり、排気口
から外気にスムーズに放出され、機体収容室内への逆流
を低減して機体収容室内での循環流を少なくし、少なく
ともエンジン吸気口にまで排気流が到達するのを防止す
ることができ、排気流の機体収容室内の循環によって生
じるエンジン吸気口近傍の圧力、温度分布の歪み発生を
防止することができる。これにより、各エンジンの排気
口後方に排気ダクトを設けることなく、エンジンのテス
ト時に排出される排気流を一括して外気中に放出でき、
航空機の機種が変わる毎に必要であった排気ダクトの取
り付け、取り外し作業を行うことなく、エンジンテスト
を行うことができ、テストが容易に、而も低コストで短
時間内にできるようになる。
【0021】第2番目の本発明の消音装置は、前記
(1)の手段に加え、次の手段とした。
【0022】(2)排気消音装置が、入口に隣接した後
流側に設けられ、入口から水平方向に導入される排気流
を、略90度偏向させて鉛直方向の流れにし上端から外
気中に放出できるようにしたベント部、及び左右方向に
間隔を設け側面を前後方向に向くように配置してベント
部に立設配設され、ベント部に流入する排気流の左右方
向の流れを規制する仕切壁を設けるものとした。
【0023】(b)この手段により、前記(a)に加
え、エンジンの排気口から略水平に後方に排出される排
気流は、ベント部で略90度偏向して鉛直上方に流れ、
排気消音装置の上端から地表面から離れた外気へ放出さ
せることができる。これにより、排気消音装置を背高の
大きい煙突状のものにすることにより、観測点で計測さ
れる騒音レベルを低いものにできるとともに、外気へ放
出される高温、高レベル騒音の排気流による地表への影
響を低減できるので、消音装置の立地条件が緩和されア
クセスが容易な工場、住宅地の近傍でも設置できるよう
になる。
【0024】第3番目の本発明の消音装置は、前記
(2)の手段に加え、次の手段とした。
【0025】(3)排気消音装置が、仕切壁に両端が固
着され、入口から導入される排気流を水平方向から鉛直
方向への偏向を促進し一様な流れにして、混合領域に流
入させるターニングベーンをベント部に設けるものとし
た。
【0026】(c)この手段により、前記(b)に加
え、エンジンの排気口から略水平に後方に排出される排
気流は、緩やかに略90度偏向させるようにしたターニ
ングベーンにより誘導され鉛直上方に流れ、排気消音装
置の上端から地表面から離れた外気へスムーズに放出す
ることができる。これにより、前記(b)に加え、排気
消音装置内を通過する排気流の抵抗、特に流路抵抗の大
きくなるベント部での抵抗を小さくでき、また、ベント
部に高速の排気流が衝突することにより生じる、機体収
容室内への逆流を低減して機体収容室内での循環流を少
なくし、少なくともエンジン吸気口にまで排気流が到達
するのを防止することができ、排気流の循環によって生
じるエンジン吸気口近傍の圧力、温度分布の歪み発生を
より確実に防止できるとともに、観測点で計測される騒
音レベルをより低いものにできる。
【0027】第4番目の本発明の消音装置は、前記
(2)、(3)の手段に加え、次の手段とした。
【0028】(4)排気消音装置が、ベント部との間に
混合領域を介在させて、排気流を外気中に放出する最後
流側の左右方向の内壁面に両端が固着されて配設され、
排気流の流れを細分化する多数本からなるスプリッタを
設けるものとした。
【0029】(d)この手段により、前記(b)、
(c)に加え、排気消音装置内の排気流は、スプリッタ
により消音効果が促進され、観測点で計測される騒音レ
ベルをさらに低いものにできる。これにより、消音装置
の立地条件がさらに緩和され、アクセスが容易な工場、
住宅地の近傍でも設置できる。
【0030】第5番目の本発明の消音装置は、前記
(1)の手段に加え、次の手段とした。
【0031】(5)排気消音装置が、入口から後方に略
水平に延設された混合領域と、混合領域を介在させて略
水平に延設された最後流側の左右方向の内壁面に両端が
固着されて配設され、排気流の流れを細分化する多数本
からなるスプリッタを設けるものとした。
【0032】(e)この手段により、前記(a)に加
え、エンジンテスト時の排気流は機体収容室から略水平
に後方に流れ外気に放出できる。これにより、消音装置
の立地条件が厳しくなるものの、ベント部及びベント部
に設けるターニングベーンの設置が不要になり、排気消
音装置内の排気流の圧力損失を小さくすることができ、
これに伴い他の部分の圧力損失を大きくすることが可能
になり、排気消音装置の流路断面積を縮小又は設備全体
の小型化ができる。また、スプリッタを設けたことによ
り、排気消音装置内を流れる排気流は消音効果が促進さ
れ、観測点で計測される騒音レベルを低いものにでき
る。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の消音装置の実施の
一形態を図面にもとづき説明する。なお、図において図
10〜図12に示す部材と同一又は類似の部材について
は、同一符号を符して説明は極力省略する。図1は本発
明の消音装置の実施の第1形態を示す図で、図1(a)
は図11(b)に示す矢視A−Aにおける本実施の形態
の消音装置の正面図、図1(b)は図1(a)に示す矢
視B−Bにおける平面図、図1(c)は図1(a)に示
す矢視C−Cにおける側面図である。
【0034】図10に示すように、機体収容室2b内に
収容されエンジンテストを行う航空機1aは排気消音装
置2cの前方に位置に配置される。このように配置され
た航空機1aに搭載されているエンジン1bのテスト
時、機体収容室2bから排出される排気ジェット3c、
2次空気流3bからなる排気流3eは、図1(c)に示
す排気消音装置2c内に入口5dを通って流入する。
【0035】入口5dの下流側には、入口5dの背高と
略同じ高さにされた仕切壁5cが機体収容室2bの中心
線と略平行にされて立設されており、入口5dを幅(左
右)方向に5つの区画に分割している。また、この仕切
壁5cの間には、その両端が仕切壁5cの側面に固定、
支持されたターニングベーン5bが設置されている。こ
のターニングベーン5bは、上方に配設されているもの
程、前端が入口5dに近づけて配設され、入口5dから
排気消音装置2c内に流入し仕切壁5cの側面に沿って
流れる排気流3eを排気消音装置2cの鉛直上方へ90
°偏向させるようにしている。
【0036】また、ターニングベーン5bの出口側、仕
切壁5cの上端より上方には、排気消音装置2c外壁の
みで内部に何も設けてない混合領域5eが設けられてい
る。さらに、混合領域5eの上方から排気消音装置2c
の最下流迄の間には、消音するスプリッタ5aが設けら
れている。上述したスプリッタ5aは、排気流3eの流
速の早い流れと遅い流れとを区画しない方向に設置され
ることによりそれらの混合を助長して、より均一な速度
分布を排気消音装置2cを形成すると共に、例えば吸音
材(パネル)を排気流3eの流れの面って貼着しておく
ことにより、排気流3e中の騒音をより効果的に吸収さ
せて消音を助長することもできる。
【0037】本実施の形態の消音装置は上述の構成にさ
れており、機体収容室2b内の前方に設置された航空機
1aのエンジン1bからは排気ジェット3cが噴出し、
これに誘引される2次空気流3bとからなる排気流3e
は入口5dに流入する。上述した先願発明の如く機体収
容室2bの形状を最適化し、機体収容室2bから入口5
dへ流入する排気流3e流れを一様な流速分布にできれ
ば逆流3dは生じないが、現実には敷地面積等の様々な
諸条件により、これが実現できないため入口5dに流入
する流れは一様ではなく、不均一なものとなる事が多
い。この入口5dから流入する不均一な流れは、ターニ
ングベーン5bにより効率よく上方に流れの向きを変え
ることができる。
【0038】しかしながら、このようなターニングベー
ン5bを設置しても、排気ジェット3cの下流側では流
速が速い為に、ターニングベーン5bやその奥の壁にぶ
つかり、機体収容室2bの中心軸方向と平行に流れる排
気流3eの流れ方向に対し、左右方向に流れが旋回する
ことが生じる。この流れの旋回が原因となり機体収容室
2bに逆流する流れが発生してしまうので、ターニング
ベーン5bが設置されるベント部に仕切壁5cを設置
し、左右方向への流れの旋回を防ぐようにしている。
【0039】また、仕切壁5cは同時にターニングベー
ン5bの両端を支持する構造部材の働きもしている。従
って、仕切壁5cはターニングベーン5b設置部におけ
る排気流3eの左右方向への旋回を防ぐと共にターニン
グベーン5bを支持するに過不足無い程度の高さに、即
ち、仕切壁5cの高さは入口5dの高さとほぼ等しくな
る背高になるようにされている。
【0040】また、ターニングベーン5bからスプリッ
タ5aまでの空間である混合領域5eは、排気消音装置
2cの高さ及び要求される消音性能から決まるスプリッ
タ長で決まってしまうが、これらの設計を行うときには
混合領域5eの長さを長く確保することが望ましい。こ
れは、機体収容室2bで十分に排気流3eの流れを混合
させて速度分布を一様化して、圧力回復を行えなかった
のをこの混合領域3eによって、充分に圧力回復させる
ことが望ましいからである。
【0041】即ち、機体収容室2b内の流れ分布図を示
す図2に示すように、機体収容室2b・排気消音装置2
cは共に幅が広く、どうしてもテストしているエンジン
1bから排出される排気ジェット3cの下流側とそうで
ない所とでは、図示するような速度分布に差ができてし
まう。
【0042】これを解消するためには、機体収容室2b
の流れ方向の寸法を十分に長く取り、流速の速い流れ部
分と遅い流れの部分との混合を十分にできれば、機体収
容室2b内の圧力が大気圧に対して負圧になったとして
も、混合することによる圧力回復、換言すれば速度エネ
ルギーから圧力エネルギーへの変換と流速の平均化によ
る最低流速の底上げ、例えば、混合が不十分であった時
の最低流速は3m/sであったものが、十分な混合を行
うことによって最低流速を7m/sに上昇させるによ
り、排気消音装置2cを通過して外気へ放出された排気
流3eが、図13に示すように外気から機体収容室2b
内へ逆流するのを最小限に抑えることが可能になる。
【0043】しかし、現実的には敷地面積を十分確保で
きない等の諸条件により機体収容室の流れ方向の寸法を
十分に確保することができず、機体収容室2bだけで十
分に排気流3eの流れを混合させて速度分布を一様化す
ることによって行う逆流防止対策は困難である。このた
めに、機体収容室2bの下流に位置する排気消音装置2
cでこの機能を補う為に、ターニングベーン5b及び仕
切壁5cの設置による旋回流の防止、又はスプリッタ5
aの排気消音装置2c内最下流位置への設置による混合
領域5eの確保を行い、この混合領域5eでの流れの混
合を行い速度分布を一様化して、機体収容室2bでは十
分圧力回復を行えなかったものを充分に圧力回復させる
ようにしたものである。
【0044】また、スプリッタ5aは排気消音装置2c
の最下流位置に設置され、必要に応じて排気消音装置2
cの内壁面に貼着されている吸音材および又はターニン
グベーン5b、仕切壁5cの表面に貼着されている吸音
材と共に排気流3eで伝達される騒音を吸音してエンジ
ン騒音の低減を実現することができる。
【0045】さらに、混合領域5eを通過した後でも排
気流3eの混合を促進する為に、スプリッタ5aは排気
消音装置2cの幅方向、即ち第2図に示す流速分布が存
在する方向の排気消音装置2c内に設置し、更には従来
仕切壁5cで行っていた幅方向の区画分離をしないよう
に、スプリッタ5aの支持構造物は、仕切壁5cではな
く、鉄骨材のような流れが左右に移動できるもので支持
することが効果的である。
【0046】本実施の形態の消音装置では、上述の構成
にすることにより、図3に示す様に逆流3dが発生せ
ず、機体収容室2b内に循環流が発生しない排気流3e
の流れを実現することができる。また、これにより航空
機の試験設備全体の小型化が可能になり、客先の様々な
ニーズに応えたり、コストダウンに大きく貢献できるも
のになる。
【0047】図4は、本実施の形態の消音装置の循環度
合い及び流れの状況を試験装置を用いて確認している状
況を示す図である。図に示すように、吸気側エンジン模
型4aには配管を経由して流量調整弁4cとブローワ4
eを接続し、エンジン1bの吸気を模擬するようにして
いる。また、排気側エンジン模型4bには配管を経由し
て流量調整弁4c、加熱器4d及びブローワ4eを接続
し、エンジン1bの排気を模擬するようにしている。こ
のような試験装置を使用して可視化試験として機体用消
音装置吸気口から煙を注入して機体収容室2b全体の流
況を観察したり、局所に煙を注入して局所的な流況観察
を行なった。
【0048】図5は、B747型機の#1エンジン1b
を100%出力、#4エンジン1bを80%出力で運転
している状態を模擬した試験ケースにおける可視化試験
結果を示す図で、図に示されているように、本実施の形
態の消音装置を設けるようにした場合には、エンジンの
吸気口にまで及ぶ有害な循環流が機体収容室2b内には
発生していないことが確認できた。
【0049】次に、図6は本発明の消音装置の実施の第
2形態を示す図で、図6(a)は図11(b)に示す矢
視A−Aにおける本実施の形態の消音装置の正面図、図
6(b)は図6(a)に示す矢視B−Bにおける平面
図、図6(c)は図6(a)に示す矢視C−Cにおける
側面図である。
【0050】図10に示すように、機体収容室2b内に
収容された航空機1aは、排気消音装置2cの前方に位
置に配置されることは、図1に示す実施の第1形態と同
様である。このように配置された航空機1aに搭載され
ているエンジン1bのテスト時、機体収容室2bから排
出される排気ジェット3cと2次空気流3bとからなる
排気流3eは、図6(c)に示す排気消音装置2c内に
入口5dを通って流入する。
【0051】本実施の形態の消音装置では、入口5dの
下流側には、実施の第1形態で設けたターニングベーン
5bは設置せず入口5dの下流側を5つに区画し、高さ
が入口5dの高さと略等しくなるように設定された仕切
壁5cのみを設置するようにしている。また、仕切壁5
cを設置した区画の下流側には、内部には何も設置され
なく排気消音装置2cの外壁のみで区画された流れの混
合領域5eが設けられ、さらにスプリッタ5aが実施の
第1形態と同様に混合領域5eの下流側、換言すれば排
気消音装置2cの最下流位置に設置されている。
【0052】このように、本実施の形態の消音装置は、
消音性能の要求が厳しくない設置条件等で、スプリッタ
部での圧力損失が然程大きくない場合に好適なもので、
90度ベント部の圧力損失を軽減するために最も効果の
あるターニングベーン5bは省略するようにした。
【0053】さらに、本実施の形態の消音装置は、ター
ニングベーン5bを省略したことにより、ターニングベ
ーン5bの製作、取付けに要するコストがなくなり、実
施の第1形態のものに比較してより安価にできる利点が
ある。
【0054】次に、図7は本発明の消音装置の実施の第
3形態を示す図で、図7(a)は図11(b)に示す矢
視A−Aにおける本実施の形態の消音装置の正面図、図
7(b)は図7(a)に示す矢視B−Bにおける平面
図、図7(c)は図7(a)に示す矢視C−Cにおける
側面図である。本実施の形態の消音装置は、実施の第2
形態の消音装置よりもさらに消音性能を要求されず消音
用のスプリッタを必要とせず、さらには圧力損失を大き
くできない場合、例えば消音装置のより小型化が要求さ
れる場合に適用して好適なものである。
【0055】図10に示すように、機体収容室2b内に
収容された航空機1aは、排気消音装置2cの前方に位
置に配置されることは、図1に示す実施の第1形態と同
様である。このようにして配置された航空機1aに搭載
されているエンジン1bのテスト時、機体収容室2bか
ら排出される排気ジェット3cと2次空気流3bとから
なる排気流3eは、図7(c)に示すように排気消音装
置2c内に入口5dを通って流入する。
【0056】また、入口5dの下流側には、実施の第1
形態と同様に、入口5dの背高と略同じ高さにされた仕
切壁5cが機体収容室2bの中心線と略平行にされて立
設されており、入口5dを幅方向に5つの区画に分割し
ている。また、この仕切壁5cの間には、その両端が仕
切壁5cの側面に固定、支持されターニングベーン5b
が設置されている。このターニングベーン5bは上方に
配設されているもの程先端が入口5dに近づけて配設さ
れ、入口5dから排気消音装置2c内に流入し仕切壁5
cの側面に沿って流れる排気流3eを排気消音装置2c
の上方へ90°偏向させるようにしている。
【0057】また、ターニングベーン5bの出口側、換
言すれば仕切壁5cの上端から排気消音装置2cの最下
流迄の間には排気消音装置2c外壁のみで区画され内部
に何も設けてない混合領域5eが設けられている。この
ように本実施の形態の消音装置では、実施の第1形態の
消音装置と比較して排気消音装置2cの最下流側に設け
るようにしたスプリッタ5aを除去したものになってい
る。また、スプリッタ5aを設置しなくても、混合領域
5eを含む排気消音装置2cの内壁面には吸音材が貼着
されているので、この吸音材によってある程度の吸音効
果は期待できる。
【0058】さらに、煙突状の排気消音装置2cの上端
から排気流3eを外気へ放出するようにしているので、
このとき騒音も地上から離れた外気へ放出されるので、
距離減衰や超過減衰の影響により消音装置がない場合と
比べ格段に騒音の観測点における騒音値を低減させるこ
とができる。即ち、本実施の形態の消音装置は前述した
ように消音要求があまり厳しくなく、しかも排気流3e
の圧力損失を大きくできない場合に好適なものとなる。
また、本実施の形態の消音装置ではスプリッタ5aを設
置しないことにより、排気消音装置2c内での流れの混
合が更に促進され、逆流防止に優れたものにできると共
にコストダウンに寄与できるものとなる。
【0059】次に、図8は本発明の消音装置の実施の第
4形態を示す図で、図8(a)は図11(b)に示す矢
視A−Aにおける本実施の形態の消音装置の正面図、図
8(b)は図8(a)に示す矢視B−Bにおける平面
図、図8(c)は図8(a)に示す矢視C−Cにおける
側面図である。本実施の形態の消音装置は、実施の第3
形態の消音装置よりもさらに消音性能が要求されず消音
用のスプリッタ、流れを偏向させるターニングベーンを
必要としない場合に適用するようにしたものである。
【0060】本実施の形態の消音装置においても、機体
収容室2b内に設置された航空機1aは排気消音装置2
cの前方に配置する。また、機体収容室2b内の排気流
3eは、排気消音装置2c内に入口5dを通って流入す
る。この入口5dの下流側には、高さを入口5dの高さ
と等しく設定した仕切壁5cのみを設置し、仕切壁5c
を設置した区画の下流側には、何も設置されない排気消
音装置2cの外壁のみで形成された混合領域5eが設け
られている。
【0061】本実施の形態の消音装置は上述の通り構成
されているので、前述した実施の第1形態の消音装置と
同様の作用、効果を奏する。即ち、排気消音装置2cは
通常内壁面に吸音材を貼り付けて吸音を行っており、消
音スプリッタが無くともある程度の吸音効果は期待でき
る。
【0062】また、煙突状の排気消音装置2cの上端か
ら騒音を外気中へ放出する事により距離減衰や超過減衰
の影響により排気消音装置2cを設けない場合と比べ格
段に騒音の観測点における騒音値を低減することができ
る。但し、スプリッタ5aを設けるようにした場合の方
がより優れた消音性能を有する事は言うまでもなく、本
実施の形態の消音装置は上述したように消音要求に余裕
があり、さらに排気流3eの圧力損失に対して最も厳し
い条件が課される場合に採用することにより効果を有す
るものとなる。
【0063】なお、消音と言う文書はあたかも吸音材で
吸音する事を指している様に思われるが、一般的に消音
装置において使用する消音は、騒音の観測点、例えば消
音装置から50m離れた地表面上の点に対し、そこで観
測される騒音値を低減させる事を指しているので、遮音
や距離減衰や音の指向性を含む超過減衰等の影響をうま
く利用して、観測点での騒音値を低減させる事も消音装
置においては、消音性能といえるものである。また、仕
切り壁5cの機能は、本来入口5d後流部を通過する流
れが水平方向に乱れない様にするものである。
【0064】本発明者等の模型試験の結果によれば、入
口5d後流部にターニングベーンを設置しても水平方向
に旋回流ができてしまい、逆流を発生させることが判っ
た。これは、流速の早い排気流3e、特にエンジン1b
の排気口から噴出する排気ジェット3cが入口5d後流
側のベント部奥の壁にあたって旋回流が発生し、その旋
回流によって排気流3eが機体収容室2bへ逆流するの
を防ぐ為に仕切壁5cを設置するようにしたものであ
る。
【0065】このように、本実施の形態の消音装置では
スプリッタ5aを設置しない事により消音装置内での流
れ混合が更に促進され、逆流を防止でき、さらにはスプ
リッタ5aを省略すると同時に、圧力損失が然程大きく
ない場合には、90度ベント部の圧力損失を軽減する効
果のあるターニングベーン5bを省略するようにしたの
で、コストダウンを大幅に図れる。消音性能の要求が厳
しくない設置条件等での使用を考慮した場合にはきわめ
て有効なものとなる。
【0066】次に、図9は本発明の消音装置の実施の第
5形態を示す図で、図9(a)は図11(b)に示す矢
視A−Aにおける本実施の形態の消音装置の正面図、図
9(b)は図9(a)に示す矢視B−Bにおける平面
図、図9(c)は図9(a)に示す矢視C−Cにおける
側面図である。本実施の形態の消音装置は、何らかの理
由により排気流3eを上方に排出する必要が無く、水平
に排出できる場合に採用して好適なものである。
【0067】本実施の形態の消音装置の場合、入口5d
後流側に設けるようにしているベント部が不要となり、
それに関連するターニングベーン5bと仕切壁5cが不
要となる利点を有するものである。機体収容室2b内に
設置された航空機1aを排気消音装置2cの前方に配置
する事は前述した各実施の形態と同様である。また、機
体収容室2b内の排気流3eは排気消音装置2c内に入
口5dを通って流入する。この入口5dの下流側には何
も設置されない流れの混合領域5eが設けられ、スプリ
ッタ5aは排気消音装置2cの最下流位置に設置してい
る。
【0068】通常この様な消音装置を設置する場所の周
辺には他の建物があり人通りもあるので、排気ジェット
を水平方向に放出することを許容する立地上の問題点は
あるものの、本実施の形態の消音装置では、入口5d後
流側に設けるベント部を設けてない排気消音装置2cと
したので、ベント部の圧力損失を軽減するターニングベ
ーン5bはもちろんの事、ベント部で発生する旋回流を
防止する仕切壁5cも不要となる。このように、排気側
における最も大きな圧損要素となり得るベント部を省略
することにより、他の部分の圧損値を増やす事が可能と
なり、これにより設備全体の流路断面積の縮小、即ち設
備全体の小型化を可能にできる利点を有する。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の消音装置
は、多機種の航空機を収容できる機体収容室、各エンジ
ンの排気口に排気ダクトを設けない消音装置を構成して
いる排気消音装置の入口と排気口との間に、入口から導
入された排気流の左右方向の自在な流れを形成できる混
合領域を設けた。
【0070】これにより、排気流の混合が促進され一様
な流れになり、排気口から外気にスムーズに放出され、
逆流を低減し機体収容室内での循環流を少なくし吸気口
への排気流の到達を防止でき、エンジン吸気口近傍の圧
力、温度分布の歪み発生を防止できる。また、排気ダク
トを設けずにテスト時に排出される排気流を一括して外
気中に放出でき、航空機の機種が変わる毎に必要であっ
た排気ダクトの取付け、取外し作業が不要になりテスト
が容易に、而も低コストで短時間内にできる。
【0071】また、本発明の消音装置は、排気消音装置
が、入口に隣接した後流側に設けられ、入口から導入さ
れる排気流を略90度偏向させ鉛直方向の流れにし外気
中に放出できるベント部、左右方向に間隔を設け側面を
前後方向に配置し立設配設されベント部に流入する排気
流の左右方向の流れを規制する仕切壁を設けた。
【0072】これにより、エンジンの排気口から排出さ
れる排気流は、ベント部で略90度偏向して鉛直上方に
流れ、地表面から離れた外気へ放出される。また、観測
点で計測される騒音レベルを低いものにでき、放出され
る高温、高レベル騒音の排気流による地表への影響を低
減でき、消音装置の立地条件が緩和され工場、住宅地の
近傍でも設置できる。
【0073】また、本発明の消音装置は、排気消音装置
が、仕切壁に両端が固着され、入口から排気流を水平方
向から鉛直方向への偏向を促進させ、混合領域に流入さ
せるターニングベーンを設けた。
【0074】これにより、エンジンの排気口から排出さ
れる排気流は、緩やかに略90度偏向させるターニング
ベーンで誘導され鉛直上方に流れ、上端から地表面から
離れた外気へスムーズに放出できる。また、排気消音装
置内の排気流抵抗、特にベント部の抵抗を小さくでき、
高速の排気流の衝突により生じる機体収容室内への逆流
を低減し循環流を少なくし、エンジン吸気口への排気流
の到達を防止でき、エンジン吸気口近傍の圧力、温度分
布の歪み発生をより確実に防止できるとともに、観測点
で計測される騒音レベルをより低減できる。
【0075】また、本発明の消音装置は、排気消音装置
が、ベント部との間に混合領域を介在させて、最後流側
の左右方向の内壁面に両端が固着されて配設され、排気
流の流れを細分化するスプリッタを設けた。
【0076】これにより、排気消音装置内の消音効果が
促進され、観測点での計測騒音レベルをさらに低くで
き、消音装置の立地条件がさらに緩和され、住宅地等の
近傍でも設置できる。
【0077】また、本発明の消音装置は、排気消音装置
が、入口から後方に略水平に延設された混合領域と、混
合領域を介在させ略水平に延設された最後流側の左右方
向の内壁面に両端が固着し配設され、排気流を細分化す
るスプリッタを設けた。
【0078】これにより、エンジンテスト時の排気流は
機体収容室から略水平に後方に流れ外気に放出できる。
また、消音装置の立地条件が厳しくなるが、ベント部、
ターニングベーンが不要で、排気消音装置内の排気流の
圧力損失を小さくでき、これに伴い他の部分の圧力損失
を大きくでき、排気消音装置の流路断面積を縮小又は設
備全体の小型化ができる。さらには、排気消音装置内の
排気流はスプリッタで細分化され消音効果が促進され、
観測点での計測騒音レベルを低くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の消音装置の第1形態を示す図
で、図1(a)は図11(b)に示す矢視A−Aにおけ
る排気消音装置の正面図、図1(b)は1(a)に示す
矢視B−Bにおける平面図、図1(c)は1(a)に示
す矢視C−Cにおける側面図、
【図2】エンジンテスト時における機体収容室内の排気
流の流れ分布を示す平面図、
【図3】エンジンテスト時における機体収容室内から外
気に放出される排気流の流れを示す斜視図、
【図4】本発明の消音装置を設けたときの再循環度合及
び流れの状況を確認するための試験装置を示す側面図、
【図5】本発明の消音装置によりB747型機の#1エ
ンジンを100%出力、#4エンジンを80%出力で運
転している状態を模擬して、図4に示す試験装置で試験
したときの可視化試験結果を示す図で、図5(a)は平
面図、図5(b)は平面図、
【図6】本発明の実施の消音装置の第2形態を示す図
で、図6(a)は図11(b)に示す矢視A−Aにおけ
る排気消音装置の正面図、図6(b)は6(a)に示す
矢視B−Bにおける平面図、図6(c)は6(a)に示
す矢視C−Cにおける側面図、
【図7】本発明の実施の消音装置の第3形態を示す図
で、図7(a)は図11(b)に示す矢視A−Aにおけ
る排気消音装置の正面図、図7(b)は7(a)に示す
矢視B−Bにおける平面図、図7(c)は7(a)に示
す矢視C−Cにおける側面図、
【図8】本発明の実施の消音装置の第4形態を示す図
で、図8(a)は図11(b)に示す矢視A−Aにおけ
る排気消音装置の正面図、図8(b)は8(a)に示す
矢視B−Bにおける平面図、図8(c)は8(a)に示
す矢視C−Cにおける側面図、
【図9】本発明の実施の消音装置の第5形態を示す図
で、図9(a)は図11(b)に示す矢視A−Aにおけ
る排気消音装置の正面図、図9(b)は9(a)に示す
矢視B−Bにおける平面図、図9(c)は9(a)に示
す矢視C−Cにおける側面図、
【図10】消音装置の全体を示す平面図、
【図11】消音装置の全体を示す図、図11(a)は正
面図、図11(b)は正面図、
【図12】従来の消音装置に設けている排気消音装置を
示す図で、図12(a)は図11(b)に示す矢視A−
Aにおける正面図、図12(b)は12(a)に示す矢
視B−Bにおける平面図、図12(c)は12(a)に
示す矢視C−Cにおける側面図、
【図13】従来の消音装置を用いてエンジンテストを行
ったとき、排気消音装置から外気へ放出された排気流が
逆流となって機体収容室内に流入するときの状況を可視
化して示す斜視図である。
【符号の説明】
1a 航空機 1b エンジン 1c 主翼 1d 垂直尾翼 2a 機体用消音装置 2b 機体収容室 2c 排気消音装置 2d 排気口 2e 扉 2f 天井 2g スリット状空間 2h 側壁 3a 吸入空気流 3b 2次空気流 3c 排気ジェット 3d 逆流 3e 排気流 4a 吸気側エンジン模型 4b 排気側エンジン模型 4c 流量調整弁 4d 加熱器 4e ブローワ 5a スプリッタ 5b ターニングベーン 5c 仕切壁 5d 入口 5e 混合領域

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 翼幅方向の異なる位置にエンジンが装着
    された機種の異なる航空機を収容できる機体収容室、前
    記機体収容室の後方に前記エンジン装着位置に対応する
    大きさ左右方向に連続して開口させた入口、及び前記エ
    ンジンからテスト時に排出され前記入口から導入される
    排気流を外気中に放出する排気口を有し、エンジンテス
    ト時の騒音を低減する排気消音装置からなる消音装置に
    おいて、前記入口と排気口との間に、左右方向へ前記排
    気流の自在な流れが形成できる混合領域を設けたこと特
    徴とする消音装置。
  2. 【請求項2】 前記排気消音装置が、前記入口に隣接し
    た後流側に設けられ、前記入口から導入され後方へ流れ
    る前記排気流を略90度偏向させて鉛直方向の流れに
    し、上端から外気中に放出できるようにしたベント部
    と、左右方向に間隔を設けて前記ベント部に配設され、
    前記ベント部における前記排気流の左右方向の流れを規
    制する仕切壁とを設けていることを特徴とする請求項1
    の消音装置。
  3. 【請求項3】 前記排気消音装置が、前記仕切壁側面に
    両端が固着され、前記入口から導入される前記排気流の
    水平方向の流れから鉛直方向の流れへの偏向をガイドす
    るターニングベーンを設けていることを特徴とする請求
    項2の消音装置。
  4. 【請求項4】 前記排気消音装置が、前記ベント部との
    間に前記混合領域を介在させて、前記排気流を外気中に
    放出する最後流側にスプリッタを設けていることを特徴
    とする請求項2又は請求項3の消音装置。
  5. 【請求項5】 前記排気消音装置が、前記入口から後方
    に略水平に延設された前記混合領域と、前記混合領域を
    介在させて略水平に延設した最後流側に設置されたスプ
    リッタとを設けていることを特徴とする請求項1の消音
    装置。
JP2001294576A 2001-09-26 2001-09-26 消音装置 Withdrawn JP2003095197A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001294576A JP2003095197A (ja) 2001-09-26 2001-09-26 消音装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001294576A JP2003095197A (ja) 2001-09-26 2001-09-26 消音装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003095197A true JP2003095197A (ja) 2003-04-03

Family

ID=19116152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001294576A Withdrawn JP2003095197A (ja) 2001-09-26 2001-09-26 消音装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003095197A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010119192A (ja) * 2008-11-12 2010-05-27 Yaskawa Electric Corp 永久磁石形モータ
JP4874987B2 (ja) * 2004-11-03 2012-02-15 ゲゼルシャフト フュール ラルムシュツ エムベーハー 航空機用遮音装置
JP2014025457A (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 Hitachi Ltd ガスタービン設備のサイレンサ及びその分解組立方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4874987B2 (ja) * 2004-11-03 2012-02-15 ゲゼルシャフト フュール ラルムシュツ エムベーハー 航空機用遮音装置
JP2010119192A (ja) * 2008-11-12 2010-05-27 Yaskawa Electric Corp 永久磁石形モータ
JP2014025457A (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 Hitachi Ltd ガスタービン設備のサイレンサ及びその分解組立方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101713335B (zh) 声音衰减系统和具有声音衰减装置的涡轮发动机系统
CA2270889C (en) Improved muffler with partition array
CN106402974B (zh) 一种降噪吸油烟机
CN101714353A (zh) 声音衰减系统和方法
CN106894897B (zh) 用于减小噪声的辅助动力单元入口管道组件
JP3778546B2 (ja) 格納型航空機エンジンランナップ設備
JP2003095197A (ja) 消音装置
JP4482670B2 (ja) ダクト式消音装置
JP3827203B2 (ja) 格納型航空機エンジンランナップ設備
CN105019982A (zh) 消除由至少一个风轮机构件的空气冷却生成的噪声的设备
JP2000006896A (ja) 航空機搭載エンジンのランナップ消音装置
CN108253476A (zh) 一种单进风吸油烟机
CN201236736Y (zh) 排气消声装置
JP2000313399A (ja) 航空機用エンジンテスト設備
JPS607279Y2 (ja) 超低周波音消去装置
JPS6123603Y2 (ja)
KR200393141Y1 (ko) 차량용 소음기
JPH07504379A (ja) 特にプロペラタイプの航空機エンジン試験用建築物
KR102175260B1 (ko) 기류음이 저감되는 머플러의 테일파이프 및 이를 포함하는 차량의 머플러
JP2003307467A (ja) エンジンテストセル
CN215170628U (zh) 一种新型消音装置
JP2023163843A (ja) 騒音低減構造及びそれを備えた車両
JPH0754837Y2 (ja) ジェットエンジンテストセルの吸気消音装置
JPH11301596A (ja) フェンス型エンジンランナップ消音装置
JP2001318030A (ja) ジェットエンジンテストセルの吸気消音室用遮風体

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081202