JP2003094014A - 有機性廃棄物の処理方法及びその装置 - Google Patents
有機性廃棄物の処理方法及びその装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 有機性廃棄物の嫌気性処理において、アンモ
ニアの影響をなくして、効果的に安定した有機性廃棄物
の処理方法を提供する。 【解決手段】 有機性廃棄物を嫌気性処理する方法にお
いて、嫌気性処理槽の嫌気性処理汚泥に、種結晶とリン
酸塩及び/又はマグネシウム化合物を添加することによ
り、アンモニアを固定化する有機性廃棄物の処理方法。
また、有機性廃棄物を嫌気性処理する嫌気性処理槽外に
取り出された嫌気性処理汚泥に、種結晶とリン酸塩及び
/又はマグネシウム化合物を添加することにより、アン
モニアを固定化する有機性廃棄物の処理方法、その装
置。種結晶は、リン酸マグネシウムアンモニウムまたは
リン酸マグネシウムまたはリン酸カルシウムがよい。
ニアの影響をなくして、効果的に安定した有機性廃棄物
の処理方法を提供する。 【解決手段】 有機性廃棄物を嫌気性処理する方法にお
いて、嫌気性処理槽の嫌気性処理汚泥に、種結晶とリン
酸塩及び/又はマグネシウム化合物を添加することによ
り、アンモニアを固定化する有機性廃棄物の処理方法。
また、有機性廃棄物を嫌気性処理する嫌気性処理槽外に
取り出された嫌気性処理汚泥に、種結晶とリン酸塩及び
/又はマグネシウム化合物を添加することにより、アン
モニアを固定化する有機性廃棄物の処理方法、その装
置。種結晶は、リン酸マグネシウムアンモニウムまたは
リン酸マグネシウムまたはリン酸カルシウムがよい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は下水、し尿、産業排
水等や、それらの排水処理に伴って発生する汚泥や、生
ごみ等の有機性廃棄物を嫌気性処理する方法とその装置
に関する。
水等や、それらの排水処理に伴って発生する汚泥や、生
ごみ等の有機性廃棄物を嫌気性処理する方法とその装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】下水、し尿、産業排水等や、それらの排
水処理に伴って発生する有機性汚泥や、生ごみ等の有機
性廃棄物の処理方法としては、活性汚泥処理法に比べて
省エネルギ的であり、新たにバイオガスとしてエネルギ
が生み出される嫌気性処理法が注目され、実用化されて
いる。
水処理に伴って発生する有機性汚泥や、生ごみ等の有機
性廃棄物の処理方法としては、活性汚泥処理法に比べて
省エネルギ的であり、新たにバイオガスとしてエネルギ
が生み出される嫌気性処理法が注目され、実用化されて
いる。
【0003】有機性廃棄物を嫌気性処理すると、有機性
廃棄物の有機物は、炭酸ガスと水とメタンガスに分解さ
れる。有機性廃棄物のタンパク質が分解されると、タン
パク質を構成する窒素は、アンモニアとして嫌気性処理
系内に蓄積される。このアンモニア濃度が高くなると、
有機物を炭酸ガスと水とメタンガスに分解するメタン生
成菌の活動が、その遊離アンモニアの毒性により低下す
る。特に、汚泥や生ごみ等有機物濃度が高い有機性廃棄
物を嫌気性処理すると、有機物の分解過程で発生するア
ンモニア濃度が高まり、メタン生成菌の活動が妨げられ
る。
廃棄物の有機物は、炭酸ガスと水とメタンガスに分解さ
れる。有機性廃棄物のタンパク質が分解されると、タン
パク質を構成する窒素は、アンモニアとして嫌気性処理
系内に蓄積される。このアンモニア濃度が高くなると、
有機物を炭酸ガスと水とメタンガスに分解するメタン生
成菌の活動が、その遊離アンモニアの毒性により低下す
る。特に、汚泥や生ごみ等有機物濃度が高い有機性廃棄
物を嫌気性処理すると、有機物の分解過程で発生するア
ンモニア濃度が高まり、メタン生成菌の活動が妨げられ
る。
【0004】この対策として、アンモニア又はアンモニ
ウムイオンを含まない処理水による希釈や、遊離アンモ
ニアムの生成を抑制するために嫌気性処理液のpHを下
げたり、嫌気性処理の前にアンモニアをリン酸マグネシ
ウムアンモニウムとして除去する方法や、嫌気性処理の
系内にリン酸塩及び/またはマグネシウム化合物を添加
することによりアンモニアをリン酸マグネシウムアンモ
ニウムとして固定化する方法が提案されている。
ウムイオンを含まない処理水による希釈や、遊離アンモ
ニアムの生成を抑制するために嫌気性処理液のpHを下
げたり、嫌気性処理の前にアンモニアをリン酸マグネシ
ウムアンモニウムとして除去する方法や、嫌気性処理の
系内にリン酸塩及び/またはマグネシウム化合物を添加
することによりアンモニアをリン酸マグネシウムアンモ
ニウムとして固定化する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術の課題
は以下の通りである。 (1)処理水で希釈すると、全体として処理液量が増大
し、更に加温のためのエネルギ消費が増大する。 (2)嫌気性処理のpHを6以下に下げると、遊離アン
モニアによる毒性が抑えられるが、同時にメタン生成菌
の活性も抑制される。メタン生成菌の至適pHは6〜8
である。 (3)嫌気性処理の前にアンモニアを除去する方法は、
排水にアンモニアとして存在する場合に有効であるが、
有機物の嫌気性処理の分解過程で発生するアンモニアに
は対応できない。汚泥や生ごみ等有機物濃度の高い有機
性廃棄物には、その適用は困難である。 (4)嫌気性処理の系内で、アンモニアをリン酸マグネ
シウムアンモニウムとして固定化する方法は、リン酸マ
グネシウムアンモニウムによるスケールトラブルが課題
である。
は以下の通りである。 (1)処理水で希釈すると、全体として処理液量が増大
し、更に加温のためのエネルギ消費が増大する。 (2)嫌気性処理のpHを6以下に下げると、遊離アン
モニアによる毒性が抑えられるが、同時にメタン生成菌
の活性も抑制される。メタン生成菌の至適pHは6〜8
である。 (3)嫌気性処理の前にアンモニアを除去する方法は、
排水にアンモニアとして存在する場合に有効であるが、
有機物の嫌気性処理の分解過程で発生するアンモニアに
は対応できない。汚泥や生ごみ等有機物濃度の高い有機
性廃棄物には、その適用は困難である。 (4)嫌気性処理の系内で、アンモニアをリン酸マグネ
シウムアンモニウムとして固定化する方法は、リン酸マ
グネシウムアンモニウムによるスケールトラブルが課題
である。
【0006】本発明の目的は、上記の従来の技術の課題
を解決し、有機性廃棄物の嫌気性処理において、アンモ
ニアの影響をなくして、効果的に安定した有機性廃棄物
の処理方法及び装置を提供することである。
を解決し、有機性廃棄物の嫌気性処理において、アンモ
ニアの影響をなくして、効果的に安定した有機性廃棄物
の処理方法及び装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は下記の構成からなるものである。 (1)有機性廃棄物を嫌気性処理する方法において、嫌
気性処理槽の嫌気性処理汚泥に、種結晶とリン酸塩及び
/又はマグネシウム化合物を添加することにより、アン
モニアを固定化することを特徴とする有機性廃棄物の処
理方法。 (2)有機性廃棄物を嫌気性処理する嫌気性処理槽外に
取り出された嫌気性処理汚泥に、種結晶とリン酸塩及び
/又はマグネシウム化合物を添加することにより、アン
モニアを固定化することを特徴とする有機性廃棄物の処
理方法。 (3)種結晶は、リン酸マグネシウムアンモニウム、リ
ン酸マグネシウム又はリン酸カルシウムであることを特
徴とする前記(1)又は(2)記載の有機性廃棄物の処
理方法。
に、本発明は下記の構成からなるものである。 (1)有機性廃棄物を嫌気性処理する方法において、嫌
気性処理槽の嫌気性処理汚泥に、種結晶とリン酸塩及び
/又はマグネシウム化合物を添加することにより、アン
モニアを固定化することを特徴とする有機性廃棄物の処
理方法。 (2)有機性廃棄物を嫌気性処理する嫌気性処理槽外に
取り出された嫌気性処理汚泥に、種結晶とリン酸塩及び
/又はマグネシウム化合物を添加することにより、アン
モニアを固定化することを特徴とする有機性廃棄物の処
理方法。 (3)種結晶は、リン酸マグネシウムアンモニウム、リ
ン酸マグネシウム又はリン酸カルシウムであることを特
徴とする前記(1)又は(2)記載の有機性廃棄物の処
理方法。
【0008】(4)有機性廃棄物を嫌気性処理して嫌気
性処理水と嫌気性汚泥を生成する嫌気性処理槽におい
て、槽内の嫌気性処理汚泥に、種結晶とリン酸塩及び/
又はマグネシウム化合物を添加するための薬剤供給管
と、析出したリン酸マグネシウムアンモニウムを含む嫌
気性処理汚泥の余剰汚泥を抜き出すための抜き出し管を
設けたことを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。 (5)嫌気性処理槽外に取り出された嫌気性処理汚泥
に、種結晶とリン酸塩及び/又はマグネシウム化合物を
添加して、リン酸マグネシウムアンモニウムを析出させ
る装置と、リン酸マグネシウムアンモニウムを含む嫌気
性処理汚泥からリン酸マグネシウムアンモニウムを分離
する装置と、分離されたリン酸マグネシウムアンモニウ
ムの結晶を分級する装置と、その結晶をリン酸マグネシ
ウムアンモニウムを析出させる装置に返送する装置から
なる有機性廃棄物の処理装置。
性処理水と嫌気性汚泥を生成する嫌気性処理槽におい
て、槽内の嫌気性処理汚泥に、種結晶とリン酸塩及び/
又はマグネシウム化合物を添加するための薬剤供給管
と、析出したリン酸マグネシウムアンモニウムを含む嫌
気性処理汚泥の余剰汚泥を抜き出すための抜き出し管を
設けたことを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。 (5)嫌気性処理槽外に取り出された嫌気性処理汚泥
に、種結晶とリン酸塩及び/又はマグネシウム化合物を
添加して、リン酸マグネシウムアンモニウムを析出させ
る装置と、リン酸マグネシウムアンモニウムを含む嫌気
性処理汚泥からリン酸マグネシウムアンモニウムを分離
する装置と、分離されたリン酸マグネシウムアンモニウ
ムの結晶を分級する装置と、その結晶をリン酸マグネシ
ウムアンモニウムを析出させる装置に返送する装置から
なる有機性廃棄物の処理装置。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。本発明の第1の実施態様は、有機性廃棄
物を嫌気性処理する方法において、嫌気性処理槽の嫌気
性処理汚泥に、種結晶とリン酸塩及び/又はマグネシウ
ム化合物を添加することにより、アンモニアを固定化す
ることを特徴とする有機性廃棄物の処理方法である。本
発明の有機性廃棄物とは、下水、し尿、産業排水等やそ
れらの排水処理に伴って発生する汚泥や、生ごみ等の有
機性廃棄物、廃棄ビールなどの製品の返品されたものも
含む。
細に説明する。本発明の第1の実施態様は、有機性廃棄
物を嫌気性処理する方法において、嫌気性処理槽の嫌気
性処理汚泥に、種結晶とリン酸塩及び/又はマグネシウ
ム化合物を添加することにより、アンモニアを固定化す
ることを特徴とする有機性廃棄物の処理方法である。本
発明の有機性廃棄物とは、下水、し尿、産業排水等やそ
れらの排水処理に伴って発生する汚泥や、生ごみ等の有
機性廃棄物、廃棄ビールなどの製品の返品されたものも
含む。
【0010】種結晶の形状は、破砕状、粒状、円柱状等
で、その粒径は、0.1〜2mmであり、0.3〜0.
6mmが好適である。種結晶の粒径が0.1mm未満で
は、結晶表面へのリン酸マグネシウムアンモニウムの析
出が良好であるが、汚泥や生ごみ等の有機性廃棄物が被
処理物であると、種結晶がこれらの有機性廃棄物中に取
り込まれて、種結晶が有効にその機能を発揮できない。
2mmを超えると、嫌気性処理槽内での種結晶の流動性
が低下して種結晶が効果的にその機能を発揮できない。
で、その粒径は、0.1〜2mmであり、0.3〜0.
6mmが好適である。種結晶の粒径が0.1mm未満で
は、結晶表面へのリン酸マグネシウムアンモニウムの析
出が良好であるが、汚泥や生ごみ等の有機性廃棄物が被
処理物であると、種結晶がこれらの有機性廃棄物中に取
り込まれて、種結晶が有効にその機能を発揮できない。
2mmを超えると、嫌気性処理槽内での種結晶の流動性
が低下して種結晶が効果的にその機能を発揮できない。
【0011】嫌気性処理槽中の種結晶濃度は、嫌気性処
理槽中の嫌気性処理汚泥に対し0.01〜1%である。
0.01%未満では、結晶表面へのリン酸マグネシウム
アンモニウムの析出が不十分である。一方、1%を超え
ると、流動性を確保するために嫌気性処理汚泥濃度を種
結晶添加分だけ減らさなければならず、嫌気性処理汚泥
濃度が減ることにより嫌気性処理性能が低下する。種結
晶の添加は、運転初期に添加しても良いし、余剰汚泥の
引き抜きに合わせて嫌気性処理槽に添加しても良い。ま
た、嫌気性処理槽に連続的に添加しても良い。
理槽中の嫌気性処理汚泥に対し0.01〜1%である。
0.01%未満では、結晶表面へのリン酸マグネシウム
アンモニウムの析出が不十分である。一方、1%を超え
ると、流動性を確保するために嫌気性処理汚泥濃度を種
結晶添加分だけ減らさなければならず、嫌気性処理汚泥
濃度が減ることにより嫌気性処理性能が低下する。種結
晶の添加は、運転初期に添加しても良いし、余剰汚泥の
引き抜きに合わせて嫌気性処理槽に添加しても良い。ま
た、嫌気性処理槽に連続的に添加しても良い。
【0012】嫌気性処理槽に、種結晶の添加とともにリ
ン酸塩及び/又はマグネシウム化合物を添加する。リン
酸塩やマグネシウム化合物の添加率は、嫌気性処理水の
アンモニア濃度から求めても良し、有機性廃棄物の種類
や量から経験的に算出しても良い。リン酸塩及び/又は
マグネシウム化合物の添加は、アンモニアとリン酸塩、
マグネシウム化合物が等モルになるように行う。リン酸
塩はリン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸お
よびその塩、メタリン酸およびその塩等である。マグネ
シウム塩は水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、硫
酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸マグネシウムを含むドロマイト等である。
ン酸塩及び/又はマグネシウム化合物を添加する。リン
酸塩やマグネシウム化合物の添加率は、嫌気性処理水の
アンモニア濃度から求めても良し、有機性廃棄物の種類
や量から経験的に算出しても良い。リン酸塩及び/又は
マグネシウム化合物の添加は、アンモニアとリン酸塩、
マグネシウム化合物が等モルになるように行う。リン酸
塩はリン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸お
よびその塩、メタリン酸およびその塩等である。マグネ
シウム塩は水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、硫
酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸マグネシウムを含むドロマイト等である。
【0013】嫌気性処理槽のpHは、メタン生成菌の活
動しやすいpH6〜8に、アルカリ剤や鉱酸で調整する
ことができる。一般に、リン酸マグネシウムアンモニウ
ムの生成pHは、8〜9であるが、種結晶が共存するこ
とによりやや低いpHでも、十分にリン酸マグネシウム
アンモニウムが生成してアンモニアが除去できる。ま
た、種結晶が存在し、リン酸マグネシウムアンモニウム
の結晶を種結晶表面に析出させる本発明では、種結晶が
なく、リン酸マグネシウムアンモニウムの沈殿物が生成
する場合より、嫌気性処理水のアンモニア濃度を低下さ
せることができる。
動しやすいpH6〜8に、アルカリ剤や鉱酸で調整する
ことができる。一般に、リン酸マグネシウムアンモニウ
ムの生成pHは、8〜9であるが、種結晶が共存するこ
とによりやや低いpHでも、十分にリン酸マグネシウム
アンモニウムが生成してアンモニアが除去できる。ま
た、種結晶が存在し、リン酸マグネシウムアンモニウム
の結晶を種結晶表面に析出させる本発明では、種結晶が
なく、リン酸マグネシウムアンモニウムの沈殿物が生成
する場合より、嫌気性処理水のアンモニア濃度を低下さ
せることができる。
【0014】嫌気性処理の後に窒素除去設備がある場合
には、硝化させるための曝気空気と、脱窒素のための水
素供与体(メチルアルコールなど)の大幅な削減ができ
て、非常に経済的な処理方法である。成長した種結晶
は、嫌気性処理槽からの余剰汚泥とともに系外に引き抜
かれ汚泥処理される。
には、硝化させるための曝気空気と、脱窒素のための水
素供与体(メチルアルコールなど)の大幅な削減ができ
て、非常に経済的な処理方法である。成長した種結晶
は、嫌気性処理槽からの余剰汚泥とともに系外に引き抜
かれ汚泥処理される。
【0015】本発明の第2の実施態様は、嫌気性処理槽
外に取り出された嫌気性処理汚泥に、種結晶とリン酸塩
及び/又はマグネシウム化合物を添加することにより、
アンモニアを固定化することを特徴とする有機性廃棄物
の処理方法である。嫌気性処理槽外に取り出された嫌気
性処理汚泥を機械攪拌機付きの反応槽に入れ、種結晶と
リン酸塩及び/又はマグネシウム化合物を添加し、種結
晶表面にリン酸マグネシウムアンモニウムを析出させ
る。反応槽では、リン酸マグネシウムアンモニウム生成
の至適pHになるように、反応槽の嫌気性処理汚泥のp
Hを8〜9にアルカリ剤で高めることもできる。反応槽
の滞留時間は、30〜120分である。30分未満で
は、反応が十分に進まない。一方、120分を超える
と、反応槽が過大になる。
外に取り出された嫌気性処理汚泥に、種結晶とリン酸塩
及び/又はマグネシウム化合物を添加することにより、
アンモニアを固定化することを特徴とする有機性廃棄物
の処理方法である。嫌気性処理槽外に取り出された嫌気
性処理汚泥を機械攪拌機付きの反応槽に入れ、種結晶と
リン酸塩及び/又はマグネシウム化合物を添加し、種結
晶表面にリン酸マグネシウムアンモニウムを析出させ
る。反応槽では、リン酸マグネシウムアンモニウム生成
の至適pHになるように、反応槽の嫌気性処理汚泥のp
Hを8〜9にアルカリ剤で高めることもできる。反応槽
の滞留時間は、30〜120分である。30分未満で
は、反応が十分に進まない。一方、120分を超える
と、反応槽が過大になる。
【0016】嫌気性処理槽外に取り出して反応槽に入れ
る嫌気性処理汚泥量は、嫌気性処理槽へ投入される被処
理物、有機性廃棄物固形物の添加量1重量部あたり0.
5〜1.5重量部である。リン酸マグネシウムアンモニ
ウムと種結晶は固液分離されて、分離液は嫌気性処理水
に合流させたり嫌気性処理槽に返送される。嫌気性汚泥
を含む分離液が嫌気性処理槽に返送されると、嫌気性処
理槽の嫌気性汚泥濃度が維持でき、さらに任意に嫌気性
汚泥濃度を調整することができる。
る嫌気性処理汚泥量は、嫌気性処理槽へ投入される被処
理物、有機性廃棄物固形物の添加量1重量部あたり0.
5〜1.5重量部である。リン酸マグネシウムアンモニ
ウムと種結晶は固液分離されて、分離液は嫌気性処理水
に合流させたり嫌気性処理槽に返送される。嫌気性汚泥
を含む分離液が嫌気性処理槽に返送されると、嫌気性処
理槽の嫌気性汚泥濃度が維持でき、さらに任意に嫌気性
汚泥濃度を調整することができる。
【0017】本発明を実施する際に用いる種結晶は、リ
ン酸マグネシウムアンモニウムまたはリン酸マグネシウ
ムまたはリン酸カルシウムである。種結晶は、市販のセ
ラミックスや活性炭や炭化物等に担持させて使用しても
良い。種結晶としては、市販品以外に排水処理設備から
得られるリン酸マグネシウムアンモニウム、リン酸マグ
ネシウムまたはリン酸カルシウムを使用することができ
る。
ン酸マグネシウムアンモニウムまたはリン酸マグネシウ
ムまたはリン酸カルシウムである。種結晶は、市販のセ
ラミックスや活性炭や炭化物等に担持させて使用しても
良い。種結晶としては、市販品以外に排水処理設備から
得られるリン酸マグネシウムアンモニウム、リン酸マグ
ネシウムまたはリン酸カルシウムを使用することができ
る。
【0018】本発明を実施するのに用いる装置として
は、嫌気性処理槽外に取り出された嫌気性処理汚泥に、
種結晶とリン酸塩及び/又はマグネシウム化合物を添加
して、リン酸マグネシウムアンモニウムを析出させる装
置と、リン酸マグネシウムアンモニウムを含む嫌気性処
理汚泥からリン酸マグネシウムアンモニウムを分離する
装置と、分離されたリン酸マグネシウムアンモニウムの
結晶を分級する装置と、その結晶をリン酸マグネシウム
アンモニウムとして析出させる装置に返送する装置から
なる有機性廃棄物の処理装置である。
は、嫌気性処理槽外に取り出された嫌気性処理汚泥に、
種結晶とリン酸塩及び/又はマグネシウム化合物を添加
して、リン酸マグネシウムアンモニウムを析出させる装
置と、リン酸マグネシウムアンモニウムを含む嫌気性処
理汚泥からリン酸マグネシウムアンモニウムを分離する
装置と、分離されたリン酸マグネシウムアンモニウムの
結晶を分級する装置と、その結晶をリン酸マグネシウム
アンモニウムとして析出させる装置に返送する装置から
なる有機性廃棄物の処理装置である。
【0019】嫌気性処理装置内のリン酸マグネシウムア
ンモニウムの結晶が、種結晶により成長することによ
り、嫌気性処理汚泥からリン酸マグネシウムアンモニウ
ムの結晶だけを除去することができ、嫌気性処理装置内
部の嫌気性処理汚泥濃度が維持できることから、嫌気性
処理性能が安定する。特に、有機性排水の嫌気性処理に
おいては、嫌気性処理汚泥の発生量が少なく、少しでも
装置外に嫌気性処理汚泥が流出すると、嫌気性処理汚泥
が維持できなくなり、有機性排水濃度の変動に対応でき
ないために、装置内部における嫌気性処理汚泥の確保、
保持が重要である。
ンモニウムの結晶が、種結晶により成長することによ
り、嫌気性処理汚泥からリン酸マグネシウムアンモニウ
ムの結晶だけを除去することができ、嫌気性処理装置内
部の嫌気性処理汚泥濃度が維持できることから、嫌気性
処理性能が安定する。特に、有機性排水の嫌気性処理に
おいては、嫌気性処理汚泥の発生量が少なく、少しでも
装置外に嫌気性処理汚泥が流出すると、嫌気性処理汚泥
が維持できなくなり、有機性排水濃度の変動に対応でき
ないために、装置内部における嫌気性処理汚泥の確保、
保持が重要である。
【0020】本発明を実施するのに用いる別の装置は、
有機性廃棄物を嫌気性処理して嫌気性処理水と嫌気性汚
泥を生成する嫌気性処理槽において、槽内の嫌気性処理
汚泥に、種結晶とリン酸塩及び/又はマグネシウム化合
物を添加するための薬剤供給管と、析出したリン酸マグ
ネシウムアンモニウムを含む嫌気性処理汚泥の余剰汚泥
を抜き出すための抜き出し管を設けたことを特徴とする
有機性廃棄物の処理装置である。
有機性廃棄物を嫌気性処理して嫌気性処理水と嫌気性汚
泥を生成する嫌気性処理槽において、槽内の嫌気性処理
汚泥に、種結晶とリン酸塩及び/又はマグネシウム化合
物を添加するための薬剤供給管と、析出したリン酸マグ
ネシウムアンモニウムを含む嫌気性処理汚泥の余剰汚泥
を抜き出すための抜き出し管を設けたことを特徴とする
有機性廃棄物の処理装置である。
【0021】嫌気性処理装置内で、種結晶が共存するこ
とにより、リン酸マグネシウムアンモニウムの結晶を種
結晶表面に析出させるので、種結晶がなく、リン酸マグ
ネシウムアンモニウムの沈殿物が生成される場合より
も、やや低いpHでも十分にリン酸マグネシウムアンモ
ニウムが生成してアンモニアが除去でき、その結果リン
酸マグネシウムアンモニウムによるスケールトラブルの
発生が防止できる。
とにより、リン酸マグネシウムアンモニウムの結晶を種
結晶表面に析出させるので、種結晶がなく、リン酸マグ
ネシウムアンモニウムの沈殿物が生成される場合より
も、やや低いpHでも十分にリン酸マグネシウムアンモ
ニウムが生成してアンモニアが除去でき、その結果リン
酸マグネシウムアンモニウムによるスケールトラブルの
発生が防止できる。
【0022】図1に、嫌気性処理槽内部でアンモニアを
固定化する方法を行う場合の概念図を示す。嫌気性処理
槽2で有機性廃棄物1は可溶化されて、有機酸を経由し
てメタンガスと炭酸ガスに分解される。このときに発生
するアンモニアは、嫌気性処理槽2に種結晶とリン酸塩
及び/またはマグネシウム化合物3を添加し、種結晶表
面にリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)6を析
出させる。リン酸マグネシウムアンモニウムは余剰汚泥
5として嫌気性処理汚泥とともに嫌気性処理槽から系外
に排出される。
固定化する方法を行う場合の概念図を示す。嫌気性処理
槽2で有機性廃棄物1は可溶化されて、有機酸を経由し
てメタンガスと炭酸ガスに分解される。このときに発生
するアンモニアは、嫌気性処理槽2に種結晶とリン酸塩
及び/またはマグネシウム化合物3を添加し、種結晶表
面にリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)6を析
出させる。リン酸マグネシウムアンモニウムは余剰汚泥
5として嫌気性処理汚泥とともに嫌気性処理槽から系外
に排出される。
【0023】図2に、嫌気性処理槽2の外に取り出され
た嫌気性処理汚泥7のアンモニアを固定化する概念図を
示す。嫌気性処理槽2の外に取り出された嫌気性処理汚
泥7を反応槽8に受け入れ、種結晶とリン酸塩及び/又
はマグネシウム化合物3を添加し、攪拌しつつ種結晶表
面にリン酸マグネシウムアンモニウムを析出させる。リ
ン酸マグネシウムアンモニウムと嫌気性処理汚泥7との
混合物は遠心分離機などの分離装置10へ送り、そこで
分離液11とリン酸マグネシウムアンモニウムを含む嫌
気性処理汚泥(「MAP含有処理汚泥」ともいう)12
に分離する。分離液11は、嫌気性処理水4に合流させ
たり、嫌気性処理槽2に返送される。リン酸マグネシウ
ムアンモニウムを含む嫌気性処理汚泥12を、そのまま
嫌気性処理槽2に全量又はその一部を返送しても良い。
た嫌気性処理汚泥7のアンモニアを固定化する概念図を
示す。嫌気性処理槽2の外に取り出された嫌気性処理汚
泥7を反応槽8に受け入れ、種結晶とリン酸塩及び/又
はマグネシウム化合物3を添加し、攪拌しつつ種結晶表
面にリン酸マグネシウムアンモニウムを析出させる。リ
ン酸マグネシウムアンモニウムと嫌気性処理汚泥7との
混合物は遠心分離機などの分離装置10へ送り、そこで
分離液11とリン酸マグネシウムアンモニウムを含む嫌
気性処理汚泥(「MAP含有処理汚泥」ともいう)12
に分離する。分離液11は、嫌気性処理水4に合流させ
たり、嫌気性処理槽2に返送される。リン酸マグネシウ
ムアンモニウムを含む嫌気性処理汚泥12を、そのまま
嫌気性処理槽2に全量又はその一部を返送しても良い。
【0024】嫌気性処理槽の嫌気性処理汚泥濃度の調整
は、嫌気性処理汚泥7を直接、脱水機のような脱水装置
13に送り脱水しても良い。リン酸マグネシウムアンモ
ニウムを含む嫌気性処理汚泥を、液体サイクロンなどの
分級装置15に通して、リン酸マグネシウムアンモニウ
ム結晶を分離し、これを反応槽8に種結晶3として添加
する。
は、嫌気性処理汚泥7を直接、脱水機のような脱水装置
13に送り脱水しても良い。リン酸マグネシウムアンモ
ニウムを含む嫌気性処理汚泥を、液体サイクロンなどの
分級装置15に通して、リン酸マグネシウムアンモニウ
ム結晶を分離し、これを反応槽8に種結晶3として添加
する。
【0025】
【実施例】以下に、実施例に基づき本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでな
い。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでな
い。
【0026】実施例1
図1の実験装置を用いて、米飯と鶏肉から調整した模擬
生ごみ、TS 200g/kg、CODcr 200g
/kg、BOD 150g/kg、T−N 5g/kg
を用いて処理温度55℃の高温嫌気性処理実験を行っ
た。実験装置の嫌気性処理槽は、容量100リットル、
断面積が100cm2、有効高さが1mで、水槽上部に
バイオガス取出口と底部から上部にポンプ攪拌用の配管
を配備した。
生ごみ、TS 200g/kg、CODcr 200g
/kg、BOD 150g/kg、T−N 5g/kg
を用いて処理温度55℃の高温嫌気性処理実験を行っ
た。実験装置の嫌気性処理槽は、容量100リットル、
断面積が100cm2、有効高さが1mで、水槽上部に
バイオガス取出口と底部から上部にポンプ攪拌用の配管
を配備した。
【0027】嫌気性処理槽に、高温嫌気性処理装置から
採取した種汚泥を固形物として30kg添加して、5k
g/日の割合で連続的に模擬生ごみを添加した。約1ヶ
月間実験後のCODcr除去率が80%であったので、
模擬生ごみ添加量を10kg/日に増加し、嫌気性処理
槽にリン酸と水酸化マグネシウムを、アンモニアに対し
て等モルになるように添加してさらに1ヶ月実験を継続
した。
採取した種汚泥を固形物として30kg添加して、5k
g/日の割合で連続的に模擬生ごみを添加した。約1ヶ
月間実験後のCODcr除去率が80%であったので、
模擬生ごみ添加量を10kg/日に増加し、嫌気性処理
槽にリン酸と水酸化マグネシウムを、アンモニアに対し
て等モルになるように添加してさらに1ヶ月実験を継続
した。
【0028】同様な実験を種結晶を添加して行った。種
結晶は、市販のリン酸マグネシウムアンモニウムまたは
リン酸カルシウムをフルイでふるって、有効粒径0.5
mm、均等係数1.3にしたものを嫌気性処理汚泥に対
し0〜0.5%添加した。第1表に実施例1の処理結果
を示す。第1表における、嫌気性処理汚泥のアンモニア
性窒素量とは、NH3−NまたはNH4 +−Nで示され、
アンモニアの窒素換算値とアンモニウムイオン、NH4 +
の窒素換算値を示す。種結晶を添加することにより嫌気
性処理汚泥のアンモニア濃度が低下して、CODcr除
去率が向上した。また、嫌気性処理槽などの実験装置に
は、スケールの発生は認められなかった。
結晶は、市販のリン酸マグネシウムアンモニウムまたは
リン酸カルシウムをフルイでふるって、有効粒径0.5
mm、均等係数1.3にしたものを嫌気性処理汚泥に対
し0〜0.5%添加した。第1表に実施例1の処理結果
を示す。第1表における、嫌気性処理汚泥のアンモニア
性窒素量とは、NH3−NまたはNH4 +−Nで示され、
アンモニアの窒素換算値とアンモニウムイオン、NH4 +
の窒素換算値を示す。種結晶を添加することにより嫌気
性処理汚泥のアンモニア濃度が低下して、CODcr除
去率が向上した。また、嫌気性処理槽などの実験装置に
は、スケールの発生は認められなかった。
【0029】
【表1】
【0030】実施例2
図2の実験装置を用いて実施例1の模擬生ごみについて
実験した。模擬生ごみを5kg/日の割合で連続的に添
加して約1ヶ月間後のCODcr除去率が80%になっ
た後に、模擬生ごみ添加量を10kg/日に増加して実
験を継続した。1日あたり嫌気性処理汚泥の固形物換算
で0.5部〜1.5部の嫌気性処理汚泥を引き抜き、1
ヶ月間実験した。引き抜いた嫌気性処理汚泥を反応槽に
受け入れた。反応槽で嫌気性処理汚泥に対して、引き抜
き種結晶であるリン酸マグネシウムアンモニウムとリン
酸と水酸化マグネシウムを、アンモニアについて等モル
になるように添加した。反応槽における嫌気性処理汚泥
は滞留時間30分間から90分間であった。第2表に実
施例2の処理結果を示す。嫌気性処理汚泥の引き抜き量
を増すことにより嫌気性処理槽内のアンモニア濃度が低
下して、CODcr除去率が向上した。
実験した。模擬生ごみを5kg/日の割合で連続的に添
加して約1ヶ月間後のCODcr除去率が80%になっ
た後に、模擬生ごみ添加量を10kg/日に増加して実
験を継続した。1日あたり嫌気性処理汚泥の固形物換算
で0.5部〜1.5部の嫌気性処理汚泥を引き抜き、1
ヶ月間実験した。引き抜いた嫌気性処理汚泥を反応槽に
受け入れた。反応槽で嫌気性処理汚泥に対して、引き抜
き種結晶であるリン酸マグネシウムアンモニウムとリン
酸と水酸化マグネシウムを、アンモニアについて等モル
になるように添加した。反応槽における嫌気性処理汚泥
は滞留時間30分間から90分間であった。第2表に実
施例2の処理結果を示す。嫌気性処理汚泥の引き抜き量
を増すことにより嫌気性処理槽内のアンモニア濃度が低
下して、CODcr除去率が向上した。
【0031】
【表2】
【0032】実施例3
実施例2で生成したリン酸マグネシウムアンモニウムを
含む嫌気性処理汚泥から、リン酸マグネシウムアンモニ
ウム結晶をデカンテーションにより分離し、フルイによ
り有効粒径0.5mm、均等係数1.3の種結晶を分離
した。これを嫌気性処理汚泥に対し0〜0.5%添加
し、実施例2と同様に実験した。第3表に実施例3の結
果を示す。嫌気性処理汚泥から分離した種結晶を添加し
たことにより、嫌気性処理汚泥のアンモニア濃度が低下
して、CODcr除去率が向上した。
含む嫌気性処理汚泥から、リン酸マグネシウムアンモニ
ウム結晶をデカンテーションにより分離し、フルイによ
り有効粒径0.5mm、均等係数1.3の種結晶を分離
した。これを嫌気性処理汚泥に対し0〜0.5%添加
し、実施例2と同様に実験した。第3表に実施例3の結
果を示す。嫌気性処理汚泥から分離した種結晶を添加し
たことにより、嫌気性処理汚泥のアンモニア濃度が低下
して、CODcr除去率が向上した。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、嫌気性処理槽或いは嫌
気性処理汚泥に種結晶を添加することにより、以下の効
果が得られる。 (1)嫌気性処理域でのメタン生成菌のアンモニア毒性
が抑制できて、嫌気性処理性能が安定する。 (2)嫌気性処理水から効果的にアンモニアが除去でき
て、後段の排水処理において、アンモニアを硝化させる
ための曝気空気と脱窒素のための水素供与体(メチルア
ルコールなど)の大幅な削減ができて、動力費と薬剤コ
ストが低減できる。 (3)装置内のリン酸マグネシウムアンモニウムによる
スケールトラブルが解消できる。 (4)装置内のリン酸マグネシウムアンモニウムの結晶
が種結晶により成長することにより、嫌気性処理汚泥か
らリン酸マグネシウムアンモニウムの結晶だけを除去す
ることができ、嫌気性処理装置内部の嫌気性処理汚泥濃
度が維持できることから嫌気性処理性能が安定する。 (5)回収したリン酸マグネシウムアンモニウムは、肥
料としての利用価値が高い。
気性処理汚泥に種結晶を添加することにより、以下の効
果が得られる。 (1)嫌気性処理域でのメタン生成菌のアンモニア毒性
が抑制できて、嫌気性処理性能が安定する。 (2)嫌気性処理水から効果的にアンモニアが除去でき
て、後段の排水処理において、アンモニアを硝化させる
ための曝気空気と脱窒素のための水素供与体(メチルア
ルコールなど)の大幅な削減ができて、動力費と薬剤コ
ストが低減できる。 (3)装置内のリン酸マグネシウムアンモニウムによる
スケールトラブルが解消できる。 (4)装置内のリン酸マグネシウムアンモニウムの結晶
が種結晶により成長することにより、嫌気性処理汚泥か
らリン酸マグネシウムアンモニウムの結晶だけを除去す
ることができ、嫌気性処理装置内部の嫌気性処理汚泥濃
度が維持できることから嫌気性処理性能が安定する。 (5)回収したリン酸マグネシウムアンモニウムは、肥
料としての利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】嫌気性処理槽でアンモニアを固定化する本発明
の概念図である。
の概念図である。
【図2】嫌気性処理槽外に取り出された嫌気性処理汚泥
のアンモニアを固定化する本発明の概念図である。
のアンモニアを固定化する本発明の概念図である。
1 有機性廃棄物
2 嫌気性処理槽
3 種結晶等
4 嫌気性処理水
5 余剰汚泥
6 MAP
7 嫌気性処理汚泥
8 反応槽
9 混合物
10 分離装置
11 分離液
12 MAP含有処理汚泥
13 脱水装置
14 脱水ケーキ
15 分級装置
Claims (5)
- 【請求項1】 有機性廃棄物を嫌気性処理する方法にお
いて、嫌気性処理槽の嫌気性処理汚泥に、種結晶とリン
酸塩及び/又はマグネシウム化合物を添加することによ
り、アンモニアを固定化することを特徴とする有機性廃
棄物の処理方法。 - 【請求項2】 有機性廃棄物を嫌気性処理する嫌気性処
理槽外に取り出された嫌気性処理汚泥に、種結晶とリン
酸塩及び/又はマグネシウム化合物を添加することによ
り、アンモニアを固定化することを特徴とする有機性廃
棄物の処理方法。 - 【請求項3】 種結晶は、リン酸マグネシウムアンモニ
ウム、リン酸マグネシウム又はリン酸カルシウムである
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の有機性廃
棄物の処理方法。 - 【請求項4】 有機性廃棄物を嫌気性処理して嫌気性処
理水と嫌気性汚泥を生成する嫌気性処理槽において、槽
内の嫌気性処理汚泥に、種結晶とリン酸塩及び/又はマ
グネシウム化合物を添加するための薬剤供給管と、析出
したリン酸マグネシウムアンモニウムを含む嫌気性処理
汚泥の余剰汚泥を抜き出すための抜き出し管を設けたこ
とを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。 - 【請求項5】 嫌気性処理槽外に取り出された嫌気性処
理汚泥に、種結晶とリン酸塩及び/又はマグネシウム化
合物を添加して、リン酸マグネシウムアンモニウムを析
出させる装置と、リン酸マグネシウムアンモニウムを含
む嫌気性処理汚泥からリン酸マグネシウムアンモニウム
を分離する装置と、分離されたリン酸マグネシウムアン
モニウムの結晶を分級する装置と、その結晶をリン酸マ
グネシウムアンモニウムを析出させる装置に返送する装
置からなる有機性廃棄物の処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001291335A JP2003094014A (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | 有機性廃棄物の処理方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001291335A JP2003094014A (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | 有機性廃棄物の処理方法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003094014A true JP2003094014A (ja) | 2003-04-02 |
Family
ID=19113504
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001291335A Pending JP2003094014A (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | 有機性廃棄物の処理方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003094014A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007098228A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-19 | Kurita Water Ind Ltd | 有機性廃棄物の処理方法および処理装置 |
JP2013121560A (ja) * | 2011-12-09 | 2013-06-20 | Institute Of National Colleges Of Technology Japan | リンの除去回収材および除去回収方法ならびにそれを活用する土壌改良剤 |
JP2022518330A (ja) * | 2018-11-21 | 2022-03-15 | キャンビ テクノロジー エイエス | 改良されたリン回収プロセス及びプラント |
-
2001
- 2001-09-25 JP JP2001291335A patent/JP2003094014A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007098228A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-19 | Kurita Water Ind Ltd | 有機性廃棄物の処理方法および処理装置 |
JP2013121560A (ja) * | 2011-12-09 | 2013-06-20 | Institute Of National Colleges Of Technology Japan | リンの除去回収材および除去回収方法ならびにそれを活用する土壌改良剤 |
JP2022518330A (ja) * | 2018-11-21 | 2022-03-15 | キャンビ テクノロジー エイエス | 改良されたリン回収プロセス及びプラント |
JP7177269B2 (ja) | 2018-11-21 | 2022-11-22 | キャンビ テクノロジー エイエス | 改良されたリン回収プロセス及びプラント |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050620 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050629 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051026 |