JP2003093891A - 光触媒モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

光触媒モジュールおよびその製造方法

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JP2003093891A
JP2003093891A JP2001291545A JP2001291545A JP2003093891A JP 2003093891 A JP2003093891 A JP 2003093891A JP 2001291545 A JP2001291545 A JP 2001291545A JP 2001291545 A JP2001291545 A JP 2001291545A JP 2003093891 A JP2003093891 A JP 2003093891A
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photocatalyst
photocatalyst module
glass body
tio
glass
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JP2001291545A
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English (en)
Inventor
Masahiro Asayama
雅弘 浅山
Takahiko Shindou
尊彦 新藤
Tsuneji Kameda
常治 亀田
Yutaka Ishiwatari
裕 石渡
Yoshiyasu Ito
義康 伊藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光触媒の反応効率向上を図った光触媒モジュー
ルおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】基材上にTiOを主成分とした光触媒膜
を形成して構成された光触媒モジュールにおいて、基材
は、光透過性の複数個のガラス体が熱融着により接合形
成されており、ガラス体は内部に空洞部を有するととも
に、空洞部からガラス体の表面に連通する貫通孔を有す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い光触媒性能を
有する光触媒膜を備えた光触媒モジュールおよびその製
造方法に関するものであり、特に、空気浄化、水浄化な
どの環境浄化型装置に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の排気ガスや生活排水およ
び産業排水などの影響により、空気中や水中に含まれる
有害物質が増加する傾向にある。空気中および水中の有
機物質を除去するために、酸やアルカリなどの吸収液を
用いる方法などがあるが、環境に優しいという点から光
触媒が注目されている。
【0003】光触媒は、太陽光や蛍光灯などの光エネル
ギをエネルギ源としており、光エネルギを化学エネルギ
に直接変換して、酸化還元作用により有害物質を分解す
ることができる。
【0004】通常、光触媒として、光半導体であるTi
やSrTiOなどの酸化チタンが使用されてい
る。TiOの作用は、以下に示すとおりである。
【0005】TiOに、TiOのバンドギャップ以
上のエネルギを持つ波長の光を照射すると、価電子帯に
存在している電子が光励起され伝導帯に移動し、一方、
価電子帯には正孔(ホール)が生成される。ここで生成
した電子(e)は、酸素(O)と反応してスーパー
オキサイドアニオン(・O )を生成し、また、正孔
(h)は水と反応してヒドロキシラジカル(・OH)
を生成する。スーパーオキサイドアニオン(・O
は強い還元力を示し、また、ヒドロキシラジカル(・O
H)は強い酸化力を示す。このため、スーパーオキサイ
ドアニオン(・O )およびヒドロキシラジカル(・
OH)の酸化還元作用により、TiOに接触した分子
種、例えば、有害物質などを分解することができる。
【0006】このような光触媒の酸化還元作用を利用し
て、空気浄化・脱臭、水浄化・排水処理、防汚、抗菌・
殺菌、防曇などの環境浄化を行う試みがなされている。
【0007】環境浄化型装置に光触媒を適用する場合に
は、通常、光触媒である酸化チタン(TiO)を主成
分とする光触媒膜と、この光触媒膜を担持する基材とか
らなる光触媒モジュールを形成する。
【0008】しかしながら、基材上に光触媒を含有する
光触媒膜を形成した構造とした場合には、基材上に形成
される光触媒膜の面積は基材表面積に限定されることか
ら、光触媒モジュールに担持される光触媒量が少なくな
り、また、光エネルギを受光できる面積が限られてい
た。このため、光触媒の処理効率は強力で迅速なもので
はなかった。従って、光触媒の触媒反応の性能を向上さ
せて光触媒モジュールの処理効率を向上させることが重
要な課題となっている。
【0009】光触媒モジュールの処理効率を向上させる
ことを目的とし、以下に示すような改良が種々なされて
いる。
【0010】例えば、特開平9−262482号公報に
は、酸化チタンの表面から内部に、Cr,V,Cu,F
e,Mg,Ag,Pd,Ni,MnおよびPtから成る
群から選択される1種以上の金属イオンを1×1015
イオン/g−TiO以上の割合で含有させた光触媒が
記載されている。具体的には、金属イオンを30keV
以上の高エネルギに加速して、これを酸化チタンに照射
することにより、金属イオンを酸化チタンにドーピング
して光触媒を製造している。このように金属イオンを酸
化チタンに含有させることにより、紫外光領域だけでな
く可視光領域の光をも吸収することができ、光触媒モジ
ュールの処理効率向上を図ることができる。
【0011】また、特開平2−107339号公報に
は、反応ガスおよび光が流通可能な3次元構造を有する
基材上に、光触媒活性成分を担持させて触媒構造体を形
成する方法が記載されている。これにより、空気中に含
まれる悪臭成分を効率よく除去するための改良案が開示
されている。
【0012】さらに、特開平8−103631号公報に
は、球状の耐熱ガラスを融着して作ったガラスフィルタ
に、チタンのアルコキシドとアルコールアミン類などか
ら調整されたチタニアゾル、あるいは、チタニアゾルに
ポリエチレングリコールまたはポリエチレンオキサイド
を添加したものをコーティングした後、室温から徐々に
600℃から700℃の最終温度にまで加熱昇温して製
造する方法が記載されている。これにより汚染物質を吸
着・分解除去するための改良案が開示されている。
【0013】また、ガラスビーズ等に酸化チタンを担持
して、見かけの比表面積を向上させて光触媒モジュール
の処理効率を改善する試みもなされている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光触媒
の反応効率向上を図るために、上述のような様々な検討
がなされているが、いずれの場合も未だ反応効率が十分
とは言い難く、光触媒モジュールの反応効率を向上させ
るために種々の施策が求められていた。
【0015】本発明は、上述した要求を解決するために
なされたものであり、光触媒の反応効率向上を図った光
触媒モジュールおよびその製造方法を提供することを目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材上にTi
を主成分とした光触媒膜を形成して構成された光触
媒モジュールにおいて、前記基材は、光透過性の複数個
のガラス体が熱融着により接合形成されており、前記ガ
ラス体は内部に空洞部を有するとともに、前記空洞部か
らガラス体の表面に連通する貫通孔を有することを特徴
とする。
【0017】本発明において、基材を光透過性のガラス
体から構成したため、光触媒反応に必要な光が光触媒モ
ジュール内部まで透過可能となり、その結果、光触媒の
反応効率が向上する。また、ガラス体から基材を構成し
たため、基材の形状を自在とし、光照射方向やガス流路
に合わせた最適な部品構造にすることにより光触媒モジ
ュールの反応効率向上を図ることができる。また、ガラ
ス体は内部に空洞部を有し、空洞部からガラス体の表面
に連通する貫通孔を有するため、中実体に比べ比表面積
が大きいガラス体上にTiO膜を形成でき、TiO
膜の比表面積が増大し、その結果、反応面積の増大によ
り分解吸着サイトの増加により光触媒モジュールの反応
効率が増加する。これらの相乗効果により光触媒モジュ
ールの大幅な反応効率向上を図ることができる。
【0018】また、基材を構成するガラス体は円筒形状
とすることが望ましく、このような円筒形状とすること
により、ガラス体同士の通過する気体や液体の流れが乱
れ、被分解物質とTiOとの接触機会が増える。ま
た、ガラス体を円筒形状とし、ガラス体の内表面にもT
iOを担持させることが可能となり、比表面積が増大
する。これらの効果により結果的に分解効率が向上す
る。なお、円筒形状のガラス体は、ガラスパイプを切断
することにより容易に製造可能であり、低コスト化を図
ることができる。
【0019】また、円筒形状としたガラス体の端部の一
方をふさいだ構造とすることが望ましい。このような形
状とすることにより、被分解物質を円筒内部に比較的長
くガラス体の内部に滞留させることが可能となり、分解
する機会が増え、その結果、見かけの分解効率が向上す
る。
【0020】さらに、基材を構成するガラス体の形状を
円筒形状とし、円筒の端部の一方または両方に蓋を形成
し、ガラス体に内外を連通する貫通孔を形成した形状と
しても良い。このような形状とすることにより、内部に
侵入した被分解物質はガラス体の内部に比較的長時間滞
留させることが可能となり、難分解性物質であっても分
解可能となる。
【0021】また、基材を構成するガラス体の形状を円
筒形状とし、円筒の端部の両方に蓋を形成し、円筒の側
面や端部に内外を連結する貫通孔を形成した形状とする
こともできる。このような形状とすることにより、ガラ
ス体内の気体や液体の透過性を変えることができ、例え
ば、端部より流入して側面から流出させる構造をとるこ
とが可能となり、より分解反応が生じる機会が増え、分
解効率の向上を図ることができる。
【0022】一方、ガラス体の形状を球形状としても良
い。このような形状とすることにより、ガラス体を高密
度に充填することが可能となり、ガラス体の体積分率を
高め、TiO付着可能面積の増大を図ることができ
る。その結果、光触媒モジュールの分解効率向上を図る
ことが可能となる。
【0023】また、上記態様の光触媒モジュールにおい
て、波長300nmから450nmまでの光に対する前
記ガラス体の透過率を30%以上とすることが望まし
い。このように基材の光の透過率を30%以上に限定し
たのは、30%よりも低いと十分な光強度を得られず、
光触媒モジュールの反応効率が低下するためである。
【0024】さらに、上記態様の光触媒モジュールにお
いて、前記光触媒膜の膜厚は、0.1μm以上10μm
以下とすることが望ましい。このようにTiO膜の膜
厚を限定したのは、膜厚が5μmを超えて厚くなると、
光が膜内部までの透過が困難となり、光触媒性能が低下
するためである。
【0025】また、上記態様の光触媒モジュールにおい
て、TiOの一次粒子の平均粒径は、100nm以下
であることが望ましい。また、TiOの一次粒子が凝
集して凝集体を形成しており、この凝集体の平均粒径は
0.2μm以下であることが望ましい。
【0026】このようにTiOの一次粒子の平均粒径
を100nm以下に限定したのは、平均粒子径が100
nmより大きくなると粒子の比表面積が減少し、反応サ
イトが低下して光触媒モジュールの反応効率が低下する
ためである。また、TiOの一次粒子凝集体の平均粒
径を0.2μm以下に限定したのは、0.2μmより大
きいと十分な比表面積が得られず、紫外線照射下での光
触媒性能も十分ではなく、また、0.2μmより大きい
とTiOをコーティングする際に均質にコーティング
することが困難となるためである。
【0027】さらに、上記態様の光触媒モジュールにお
いて、前記ガラス体は、SiO系のガラスから成るこ
とを特徴とする。このように基材を構成するガラス体の
材質をSiO系のガラスに限定したのは、近紫外光の
透過率も良好で、TiO膜との密着性が良く、かつ、
TiOにより劣化しないため、安定したTiO膜を
形成することが可能だからである。
【0028】また、上記態様の光触媒モジュールにおい
て、前記ガラス体の気孔率は、70%以下であることが
望ましい。このようにガラス体の気孔率を70%以下と
規定したのは、基材の気孔率が高くなると基材の比表面
積が大きくなり、TiOを付着できる領域が大きくな
るためであり、逆に、気孔率が70%を超えると、光透
過率が低下し、分解効率が低下すると共に、基材の強度
が低下して光触媒モジュールの信頼性が低下するためで
ある。
【0029】また、上記光触媒モジュールにおいて、光
触媒膜にゼオライト、活性炭の吸着物質を含有させても
良い。このように光触媒膜中に吸着物質を含有させるこ
とにより、被分解物質を効率良く吸着し、その後光触媒
により分解することにより、初期の見かけの光触媒モジ
ュールの特性を向上させることができる。
【0030】そして、上記光触媒モジュールにおいて、
光触媒膜中にAu,Ag,Ru,Rh,Pd,Os,I
r、Ptのいずれか一種またはその組み合わせにより含
有させても良い。このような元素を光触媒膜中に含有さ
せることにより、光により励起されたTiO中の電子
と正孔を効率よく分離することが可能となり、光触媒モ
ジュールの反応効率が向上する。
【0031】また、上記態様の光触媒モジュールにおい
て、前記ガラス体の体積分率は、10%以上50%以下
であることが望ましい。このように光触媒モジュールに
占めるガラス体の体積分率を10%以上50%以下に限
定したのは、体積分率が10%以下では、TiOが付
着できる面積が少なくなり分解効率が低下するためであ
り、50%以上になると被分解物質が光触媒モジュール
を通過する時の圧力損失が大きくなり、結果的に光触媒
モジュールの反応効率が低下するためである。
【0032】さらに、上記態様の光触媒モジュールにお
いて、前記ガラス体に形成された貫通孔の直径は、0.
1mm以上であることが望ましい。このように基材を構
成するガラス体の内外を連結する貫通孔の直径を0.1
mm以上に規定したのは、0.1mm未満である場合に
は、気体や液体の内外の流通が悪くなり、一部の気体や
液体がガラス体内に滞留し、光触媒モジュールの分解効
率が低下するためである。
【0033】また、光触媒モジュールの製造方法は、耐
熱性の容器内に光透過性のガラス体を複数個を導入し、
熱処理をして各ガラス体同士の接触点を接合して基材と
し、基材上にTiOを主成分とした光触媒膜を形成し
て光触媒モジュールとしたことを特徴とする。
【0034】本発明によれば、ガラス体同士の接触点を
接合させることにより、基材の機械的強度を向上させる
ことが可能になる。また、ガラス体同士が気体や液体の
流れにより振動して擦れ合うことを抑制できるため、表
面のTiO膜の脱落を防止し、光触媒モジュールの信
頼性を高めることができる。さらに、ガラス体を接合し
て基材とした後に、TiOゾルにディップしてTiO
膜を形成することにより接合部がガラス体同士により
付着できるため、基材の接合強度が高くなり、基材の強
度向上を図ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、実施例1から実施例11までを用いて説明する。
【0036】実施例1(図1) まず、基材の材料として、波長360nmの光の透過率
が60%であり、中空円筒形状のSiO系のガラス体
を複数本準備した。ガラス体のサイズは、外径7mm,
内径5mm,長さ100mmである。
【0037】次に、平板状のステンレス製の網を丸めて
円筒状に形成し、直径をそれぞれ150mm,40mm
とし、長さを150mmとした大小の2種類の円筒体を
作製した。作製した大径の円筒体の内側に小径の円筒体
を配置し、外径150mm,内径40mm,長さ150
mmの中空円筒形体とし、中空の円筒体の一端部をステ
ンレス製の網により蓋をした。さらに、大径の円筒体と
小径の円筒体との間にガラス体を充填し、対向する他端
部も同様にステンレス製の網により蓋をすることによ
り、表面を網により被覆した円筒形状の円筒体を形成し
た。なお、ガラス体の体積分率を30%とした。
【0038】その後、形成した円筒体を750℃の温度
で30分間の熱処理を施し、隣接するガラス体同士の接
触点を熱融着により接合した。熱処理後、表面に被覆さ
れたステンレス製の網を取り除き、ガラス体からなる基
材を得た。
【0039】次に、結晶粒子径が6nmの酸化チタンを
含み、濃度を30%とした酸化チタンゾルを準備した。
この酸化チタンゾルを基材上にディップコーティング
し、基材表面にTiO膜を形成した。その後、大気
中、550℃の温度で1時間焼成し、基材表面にTiO
膜を焼き付けて光触媒モジュールとした。
【0040】得られた光触媒モジュールの断面を走査型
電子顕微鏡により観察したところ、基材表面にTiO
膜が均質に存在しており、TiO膜の膜厚は約1μm
であることが分った。
【0041】また、比較例として、中実の円筒形状のガ
ラス体を用いて光触媒モジュールを作製した。なお、こ
の比較例は、ガラス体の形状を変更した他は、上述の製
造方法と同様とした。
【0042】得られた2種類の光触媒モジュールについ
て、光触媒の反応効率を評価した。評価方法は、以下の
とおりである。まず、光触媒モジュールに、平均波長3
70nm、強度3mW/cmのブラックライトの光を
当て、このブラックライトを当てながら、光触媒モジュ
ールの入口側から流量を1.0l/minと一定として
アンモニアを流入した。なお、アンモニア濃度は、20
0ppmと一定とした。そして、光触媒モジュールの出
口側におけるアンモニア濃度を測定し、光触媒モジュー
ルの反応効率を評価した。なお、以下に示す実施例2か
ら実施例11までにおいても同様の評価方法を用いた。
【0043】光触媒モジュールの反応効率の評価結果を
図1に示す。なお、横軸は基材を構成するガラス体の形
状を示し、縦軸は出口側のアンモニア濃度(%)を示
す。
【0044】図1に示すように、中実の円筒形状とした
ガラス体を用いた比較例の光触媒モジュールに比べ、中
空の円筒形状としたガラス体を使用した光触媒モジュー
ルは出口側のアンモニア濃度が低く、光触媒モジュール
の反応効率が高いことが分った。
【0045】実施例2(図2) 本実施例では、実施例1において使用したガラス体の光
の透過率を変えた。具体的には、波長360nmの光の
透過率を0%から60%までに変えたガラス体を用いて
光触媒モジュールを作製した。なお、ガラス体の光透過
性を変えた以外は、実施例1に示した製造方法を用い
た。
【0046】得られた光触媒モジュールの光触媒の反応
効率を評価した。その結果を図2に示す。なお、横軸は
基材を構成するガラス体の光の透過率を示し、縦軸は出
口側のアンモニア濃度(%)を示す。
【0047】図2に示すように、波長360nmの光の
透過率が20%であるガラス体を使用した場合には、出
口側のアンモニア濃度が約70%と高い値であり光触媒
モジュールの反応効率が低下したが、波長360nmの
光の透過率が40%であるガラス体を使用した場合に
は、出口側のアンモニア濃度が約30%と低い値であり
光触媒モジュールの反応効率が良好であった。
【0048】実施例3(図3) 本実施例では、形状を変えた以下に示す3種類のガラス
体を用いて光触媒モジュールを作製した。
【0049】円筒状とした円筒体の一端部を封止したガ
ラス体を用いた。また、円筒形状とした円筒体の両端部
に蓋をし、この蓋に内外を連結する貫通孔を形成したガ
ラス体を用いた。さらに、中空の球形状であり、内外を
連結する貫通孔を有するガラス体とした。
【0050】一方、比較例として、実施例1において用
いた中実の円筒形状のガラス体を適用した光触媒モジュ
ールを用いた。なお、ガラス体の形状を変えた以外は、
実施例1に示した製造方法を用いた。
【0051】得られた光触媒モジュールの光触媒の反応
効率を評価した。その結果を図3に示す。なお、横軸は
基材を構成するガラス体の形状を示し、縦軸は出口側の
アンモニア濃度(%)を示す。
【0052】図3に示すように、中実の円筒形状とした
ガラス体を用いた比較例の光触媒モジュールに比べ、種
々形状を変えたガラス体を使用した光触媒モジュール
は、出口側のアンモニア濃度が低く、光触媒モジュール
の反応効率が高いことが判明した。
【0053】実施例4(図4) 本実施例では、TiOゾル濃度を変えて、TiO
の膜厚を0.05から15μmまでの範囲で種々変えて
各々光触媒モジュールを作製した。その他は、実施例1
に示した製造方法を用いた。
【0054】得られた光触媒モジュールについて、光触
媒の反応効率を評価した。その結果を図4に示す。な
お、横軸はTiO膜の膜厚(μm)を示し、縦軸は出
口側のアンモニア濃度(%)を示す。
【0055】図4に示すように、TiO膜の膜厚を
0.1μmよりも薄くした場合、あるいは膜厚を15μ
mと厚くした場合には出口側のアンモニア濃度が高かっ
たが、膜厚を0.1μmから10μmの範囲とすること
により、出口側のアンモニア濃度が低く、光触媒モジュ
ールの反応効率が向上した。
【0056】実施例5(図5) 本実施例では、基材にTiO膜を焼き付ける温度を変
えて、TiOの一次粒径を0.01〜0.2μmの範
囲で各々変化させて、光触媒モジュールを作製した。そ
の他は、実施例1に示した製造方法を用いた。
【0057】得られた光触媒モジュールの光触媒の反応
効率を評価した。その結果を図5に示す。なお、横軸に
TiOの一次粒径(μm)を示し、縦軸に出口側のア
ンモニア濃度(%)を示す。
【0058】図5に示すように、TiOの一次粒径を
0.1μm以下とした場合には、出口側のアンモニア濃
度が低くなり、光触媒モジュールの反応効率が向上し
た。
【0059】実施例6(図6) 本実施例では、実施例1で使用した酸化チタンゾル中に
塩酸を添加してpHを調整し、酸化チタンの2次粒子の
凝集度を調整した。具体的には、酸化チタン凝集体の粒
径を0.1〜0.6μmの範囲に変化させて、光触媒モ
ジュールを作製した。
【0060】得られた光触媒モジュールの光触媒の反応
効率を評価した。その結果を図6に示す。なお、横軸に
TiO凝集体の粒径(μm)を示し、縦軸に出口側の
アンモニア濃度(%)を示す。
【0061】図6に示すように、TiO凝集体の粒径
を0.2μm以下とした場合には出口側のアンモニア濃
度が低く、光触媒モジュールの反応効率が向上した。
【0062】実施例7(図7) 本実施例では、実施例1において用いた円筒状のガラス
体の代わりに、プラスティック製の円筒体を用いて基材
を構成した。基材を構成する材料を変えた他は、実施例
1に示した製造方法を用いて光触媒モジュールを作製し
た。
【0063】得られた光触媒モジュールの光触媒の反応
効率を評価した。その結果を図7に示す。なお、横軸に
基材の材質を示し、縦軸に出口側のアンモニア濃度
(%)を示す。
【0064】図7に示すように、基材の材質としてプラ
スチックを適用した場合には、SiO系のガラスを用
いた場合と比較して、出口側のアンモニア濃度が80%
を超えた高い値となり、光触媒モジュールの反応効率が
低下した。
【0065】実施例8(図8) 本実施例では、気孔率が異なる各種のガラス体を使用し
た基材を用いて、光触媒モジュールを作製した。なお、
ガラス体の気孔率を変えた他は、実施例1と同様の製造
方法を用いて光触媒モジュールを作製した。
【0066】得られた光触媒モジュールの光触媒の反応
効率を評価した。その結果を図8に示す。なお、横軸に
ガラス体の気孔率(%)を示し、縦軸に出口側のアンモ
ニア濃度(%)を示す。
【0067】図8に示すように、基材として、SiO
系のガラスの気孔率が70%以下のガラス体である場合
には、出口側のアンモニア濃度が低い値であり、光触媒
モジュールの反応効率が向上した。
【0068】実施例9(図9) 本実施例では、実施例1に示したTiOゾルに吸着物
質、金属粒子を加えたゾルを使用し、光触媒モジュール
を作製した。その他は、実施例1と同様の方法を用い
た。
【0069】得られた光触媒モジュールの光触媒の反応
効率を評価した。その結果を図9に示す。なお、横軸に
酸化チタンゾルに添加した材料を示し、縦軸に出口側の
アンモニア濃度(%)を示す。
【0070】図9に示すように、酸化チタンゾル中に吸
着物質または金属粒子を添加した場合には、何ら添加し
なかった場合と比較して、出口側のアンモニア濃度が低
い値となり、吸着物質や金属粒子を添加することによ
り、光触媒モジュールの反応効率が向上した。
【0071】実施例10(図10) 本実施例では、ステンレス製の網からなる容器内にガラ
ス体の充填率を変えて、ガラス体の体積分率を5%から
70%までに変えた。ガラス体の体積分率を変えた他
は、実施例1と同様の方法を用いて光触媒モジュールを
作製した。
【0072】得られた光触媒モジュールの光触媒の反応
効率を評価した。その結果を図10に示す。なお、横軸
にガラス体の体積分率(%)を示し、縦軸に出口側のア
ンモニア濃度(%)を示す。
【0073】図10に示すように、ガラス体の体積分率
が10%より低く、また、ガラス体の体積分立が50%
を超えると出口側のアンモニア濃度が高かったが、ガラ
ス体の体積分率を10以上50%以内の範囲内とした場
合には、出口側のアンモニア濃度が低く光触媒モジュー
ルの反応効率が向上した。
【0074】実施例11(図11) 本実施例では、円筒形状とした円筒体の両端部に蓋を
し、この蓋に内外を連結する貫通孔を形成したガラス体
を用いた。そして、ガラス体に形成した貫通孔の径を
0.05mmから3.0mmの範囲において各種変え
た。貫通孔の径を変えた他は、実施例1と同様の方法を
用いて光触媒モジュールを作製した。
【0075】得られた光触媒モジュールについて、光触
媒の反応効率を評価した。その結果を図11に示す。な
お、横軸にガラス体に形成した貫通孔の直径(mm)を
示し、縦軸に出口側のアンモニア濃度(%)を示す。
【0076】図11に示すように、貫通孔の直径が0.
1mmよりも小径である場合には、出口側のアンモニア
濃度が高かったが、貫通孔の直径を0.1mm以上の大
径とすることにより、出口側のアンモニア濃度が低く、
光触媒モジュールの反応効率が向上した。
【0077】本実施形態によれば、上述した実施例1か
ら実施例11までに示したように、基材を構成するガラ
ス体の形状および透過率、または光触媒膜の膜厚等の各
種条件を規定することにより、光触媒モジュールの反応
効率を向上させることができる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光触媒モ
ジュールによれば、光透過性のガラス体から基材を構成
し、ガラス体の内部に空洞部を形成するとともに、空洞
部からガラス体の表面に連通する貫通孔を形成した構造
とすることにより、効率的な被分解物質の吸着・分解が
可能となり、その結果、光触媒モジュールの反応効率向
上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における実施例1を説明する
図で、ガラス体の形状と光触媒効率との関係を示す図。
【図2】本発明の実施形態における実施例2を説明する
図で、ガラス体の光の透過率と光触媒効率との関係を示
す図。
【図3】本発明の実施形態における実施例3を説明する
図で、ガラス体の形状と光触媒効率との関係を示す図。
【図4】本発明の実施形態における実施例4を説明する
図で、酸化チタン膜の膜厚と光触媒効率との関係を示す
図。
【図5】本発明の実施形態における実施例5を説明する
図で、酸化チタンの一次粒径と光触媒効率との関係を示
す図。
【図6】本発明の実施形態における実施例6を説明する
図で、酸化チタン凝集体の粒径と光触媒効率との関係を
示す図。
【図7】本発明の実施形態における実施例7を説明する
図で、基材を構成する材質と光触媒効率との関係を示す
図。
【図8】本発明の実施形態における実施例8を説明する
図で、ガラス体の気孔率と光触媒効率との関係を示す
図。
【図9】本発明の実施形態における実施例9を説明する
図で、酸化チタン膜に含有させる材料と光触媒効率との
関係を示す図。
【図10】本発明の実施形態における実施例10を説明
する図で、ガラス体の体積分率と光触媒効率との関係を
示す図。
【図11】本発明の実施形態における実施例11を説明
する図で、ガラス体に形成した貫通孔の直径と光触媒効
率との関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C03C 17/25 B01D 53/36 E (72)発明者 亀田 常治 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 石渡 裕 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 伊藤 義康 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 4C080 AA07 BB02 BB05 BB10 CC01 HH05 JJ03 KK08 LL03 MM02 NN02 4D048 AA08 AB03 BA07X BA41X BB02 BB05 BB09 EA01 4G059 AA20 EA04 EB07 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA14A BA14B BA48A CA05 CA17 DA06 EA06 EA08 EB01 FB08 FB15 FB23

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上にTiOを主成分とした光触媒
    膜を形成して構成された光触媒モジュールにおいて、前
    記基材は、光透過性の複数個のガラス体が熱融着により
    接合形成されており、前記ガラス体は内部に空洞部を有
    するとともに、前記空洞部からガラス体の表面に連通す
    る貫通孔を有することを特徴とする光触媒モジュール。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光触媒モジュールにおい
    て、波長300nmから450nmまでの光に対する前
    記ガラス体の透過率は、30%以上であることを特徴と
    する光触媒モジュール。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光触媒モジュールにおい
    て、前記光触媒膜の膜厚は、0.1μm以上10μm以
    下であることを特徴とする光触媒モジュール。
  4. 【請求項4】 請求項1または3に記載の光触媒モジュ
    ールにおいて、TiOの一次粒子の平均粒径は、10
    0nm以下であることを特徴とする光触媒モジュール。
  5. 【請求項5】 請求項1,3または4のいずれかに記載
    の光触媒モジュールにおいて、TiOの一次粒子が凝
    集して凝集体を形成しており、この凝集体の平均粒径
    は、0.2μm以下であることを特徴とする光触媒モジ
    ュール。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の光触媒モジュー
    ルにおいて、前記ガラス体は、SiO系のガラスから
    成ることを特徴とする光触媒モジュール。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載の光触媒モジュー
    ルにおいて、前記ガラス体の気孔率は、70%以下であ
    ることを特徴とする光触媒モジュール。
  8. 【請求項8】 請求項1または2記載の光触媒モジュー
    ルにおいて、前記ガラス体の体積分率は、10%以上5
    0%以下であることを特徴とする光触媒モジュール。
  9. 【請求項9】 請求項1または2記載の光触媒モジュー
    ルにおいて、前記ガラス体に形成された貫通孔の直径
    は、0.1mm以上であることを特徴とする光触媒モジ
    ュール。
  10. 【請求項10】 耐熱性の容器内に光透過性のガラス体
    を複数個を導入し、熱処理をして各ガラス体同士の接触
    点を接合して基材とし、基材上にTiOを主成分とし
    た光触媒膜を形成して光触媒モジュールとしたことを特
    徴とする光触媒モジュールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007061779A (ja) * 2005-09-02 2007-03-15 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 中空構造体、該構造体を用いた浄化、触媒システム
CN108620099A (zh) * 2018-05-11 2018-10-09 陕西科技大学 双空腔磁性Fe3O4@mSiO2@BiOCl-Ag/AgBr复合材料及其制备方法

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CN108620099B (zh) * 2018-05-11 2021-02-12 陕西科技大学 双空腔磁性Fe3O4@mSiO2@BiOCl-Ag/AgBr复合材料及其制备方法

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