JP2003093883A - 水素化処理触媒 - Google Patents

水素化処理触媒

Info

Publication number
JP2003093883A
JP2003093883A JP2001292972A JP2001292972A JP2003093883A JP 2003093883 A JP2003093883 A JP 2003093883A JP 2001292972 A JP2001292972 A JP 2001292972A JP 2001292972 A JP2001292972 A JP 2001292972A JP 2003093883 A JP2003093883 A JP 2003093883A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
type zeolite
stable
ultra
range
pore volume
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001292972A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4477266B2 (ja
Inventor
Yukihiro Sugiura
行寛 杉浦
Tomoaki Adachi
倫明 足立
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Oil Corp filed Critical Nippon Oil Corp
Priority to JP2001292972A priority Critical patent/JP4477266B2/ja
Publication of JP2003093883A publication Critical patent/JP2003093883A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4477266B2 publication Critical patent/JP4477266B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭化水素油、特に軽油の水素分解に使用して
分解活性、脱硫活性が高い水素化処理触媒を提供する。 【解決手段】 超安定Y型ゼオライトと周期律表第6族
金属および/または第8族金属から選ばれた活性金属成
分を含有する水素化処理触媒であって、該超安定Y型ゼ
オライトの細孔直径3.5〜5nmの範囲の細孔容積y
が、下記式の関係を満たすものであることを特徴とする
水素化処理触媒。 2.11×10-3x−0.140≦y≦2.11×10
-3x−0.110 〔式中、yは、超安定Y型ゼオライトの細孔直径3.5
〜5nmの範囲の細孔容積(ml/g)を表し、xは、
超安定Y型ゼオライトの出発原料NaY型ゼオライトの
結晶子径(nm)を表す。但し、xは、66.5nm以
上である。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水素化処理触媒に関
する。更に詳しくは、細孔直径3.5〜5nmの範囲の
細孔容積が制御された超安定Y型ゼオライトを用いるこ
とにより、炭化水素油、特に軽油の水素処理に使用した
ときに、分解活性および脱硫活性が高い水素化処理触媒
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炭化水素油の水素化分解を主目的
とする水素化処理触媒には、超安定Y型ゼオライト(以
下、USYということがある。)に水素化活性金属成分
を担持した触媒が使用されてきた。例えば、特開平2−
214544号公報には、アルミナとUSYからなる担
体に、周期律表第5族金属、第6族金属および第8族金
属から選ばれる少なくとも1種の水素化活性金属とホウ
素および/またはリンを担持してなることを特徴とする
重質石油類の水素化分解触媒が開示されている。
【0003】超安定Y型ゼオライトは、特有の固体酸、
細孔分布などの特性を有するため、接触分解、水素化分
解、異性化、アルキル化、リホーミングなどの石油精製
用触媒として広く使用されているほか、吸着剤などにも
利用されている。特に、水素化分解触媒に使用される超
安定Y型ゼオライトは、ゼオライト特有の均一細孔以外
に大孔径細孔を有することが望ましい。
【0004】出発原料NaY型ゼオライトのNa+をN
4 +にイオン交換して、水熱法によってSiO2/Al2
3比を向上させた超安定Y型ゼオライトは、Y型ゼオ
ライト特有の細孔以外に大孔径細孔を有することが知ら
れている〔例えば、堀越ら、日本化学会誌、(3)、3
98(1989)〕。しかし、従来のこのような方法で
得られる超安定Y型ゼオライトは、大孔径細孔の容積が
小さいため、該容積を大きくすることが望まれていた。
【0005】特開平9−255326号公報において、
(a)結晶度100〜130%、(b)比表面積 50
0〜800m2/g、(c)SiO2/Al23のモル比
が8〜18、(d)細孔径が600Å以下である細孔の
全細孔容積が0.35〜0.50ml/g、(e)細孔
径が20Å未満である細孔の細孔容積が0.15〜0.
35ml/g、(f)細孔径20Å〜600Åの範囲に
ある細孔の細孔容積(PVm)が0.15〜0.30m
l/g、(g)細孔径20Å〜600Åの範囲にある細
孔の細孔容積(PVm)のうち、細孔径35Å〜50Å
の細孔の細孔容積(PVs)が0.10〜0.25ml
/g、(h)PVmとPVsの差(PVm−PVs)が
0.05ml/g以下、であることを特徴とする均一な
ミクロポアと均一なメソポアの2種類の細孔を有するフ
ォージャサイト型ゼオライトおよびその製造方法が提案
されている。
【0006】また、特表平9−502416号公報に
は、ゼオライトY物質の2〜60nm範囲の直径のメソ
ポア容量を、処理溶液の大気圧沸点以上の温度におい
て、そのゼオライトを熱水処理することによって増加さ
せる方法が記載されている。
【0007】通常、超安定Y型ゼオライトの大孔径細孔
の大部分は、細孔直径が3.5〜5nmの範囲の均一な
細孔であることが知られている。しかし、従来の処理方
法では、細孔直径3.5〜5nmの細孔の細孔容積を制
御することができなかったし、また、制御された超安定
Y型ゼオライトも知られていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、細孔
直径3.5〜5nmの範囲の細孔容積が制御された超安
定Y型ゼオライトを用いることにより、炭化水素油、特
に軽油の水素分解に使用したときに、分解活性および脱
硫活性が高い水素化処理触媒を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、超安定Y
型ゼオライトの大孔径細孔の大部分を占める細孔直径
3.5〜5nmの範囲の均一な細孔の細孔容積を制御す
る方法について鋭意研究をした結果、出発原料NaY型
ゼオライトの結晶子径と超安定Y型ゼオライトの細孔直
径3.5〜5nmの範囲の細孔容積とが密接な関係にあ
ること、そして、細孔直径3.5〜5nmの範囲の細孔
容積が制御された超安定Y型ゼオライトを使用した水素
化処理触媒は、炭化水素油、特に、軽油の水素処理に使
用した場合に、高い分解活性と脱硫活性を示すことを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、超安定Y型ゼオライ
トと周期律表第6族金属および/または第8族金属から
選ばれた活性金属成分を含有する水素化処理触媒であっ
て、該超安定Y型ゼオライトの細孔直径3.5〜5nm
の範囲の細孔容積yが、下記式の関係を満たすものであ
ることを特徴とする水素化処理触媒に関する。 2.11×10-3x−0.140≦y≦2.11×10
-3x−0.110 〔式中、yは、超安定Y型ゼオライトの細孔直径3.5
〜5nmの範囲の細孔容積(ml/g)を表し、xは、
超安定Y型ゼオライトの出発原料NaY型ゼオライトの
結晶子径(nm)を表す。但し、xは、66.5nm以
上である。〕
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の水素化処理触媒は、後述する特定の超安
定Y型ゼオライトと周期律表第6族金属および/または
第8族金属から選ばれた活性金属成分を含有する。
【0012】本発明においては、超安定Y型ゼオライト
の出発原料であるNaY型ゼオライトの結晶子径(x)
は66.5nm以上であることが必要である。該結晶子
径(x)が66.5nmより小さい場合には、得られる
超安定Y型ゼオライトの細孔直径3.5〜5nmの範囲
の細孔容積(y)はほとんど生成しないため好ましくな
い。出発原料NaY型ゼオライトの該結晶子径(x)
は、好ましくは75nm以上であり、更に好ましくは8
0nm以上、500nm以下の範囲にあることが望まし
い。特に、水素化処理触媒に利用される超安定Y型ゼオ
ライトは、細孔容積(y)の大きいものが好ましく、該
結晶子径(x)は、90〜300nmの範囲にあるもの
が望ましい。
【0013】なお、本発明において、出発原料NaY型
ゼオライトの結晶子径(x)とは、X線回折の(53
3)面の回折線プロファイルをGauss関数型で近似
してScherrerの式により求めた値である。
【0014】本発明での超安定Y型ゼオライトは、該ゼ
オライトの細孔直径3.5〜5nmの範囲の細孔容積
(y)が出発原料NaY型ゼオライトの結晶子径(x)
と下記の式(I)で表される関係にあることが大切であ
る。 2.11×10-3x−0.140≦y≦2.11×10-3x−0.110 (I) 〔式中、yは、超安定Y型ゼオライトの細孔直径3.5
〜5nmの範囲の細孔容積(ml/g)を表し、xは、
超安定Y型ゼオライトの出発原料NaY型ゼオライトの
結晶子径(nm)を表す。但し、xは、66.5nm以
上である。〕
【0015】本発明によれば、出発原料NaY型ゼオラ
イトの結晶子径(x)の大きさを適宜選択することによ
り、超安定Y型ゼオライトにおける細孔直径3.5〜5
nmの範囲の細孔容積(y)を目的とする細孔容積
(y)に制御することが可能となる。なお、結晶子径
(x)の大きさが異なる出発原料NaY型ゼオライト
は、NaY型ゼオライトの種子を使用する合成方法にお
いて、合成時における種子量を変化させることにより製
造することができる。
【0016】本発明において、超安定Y型ゼオライトの
細孔直径3.5〜5nmの範囲の細孔容積(y)とは、
窒素吸脱着等温線の脱着等温線からB.J.H法で計算
した細孔分布より求めた値である。
【0017】本発明での超安定Y型ゼオライトは、前述
の制御された細孔容積(y)を有する外、単位格子定数
(UD)が2.455nm以下、好ましくは2.450
〜2.419nmの範囲であることが望ましい。また、
該超安定Y型ゼオライトは、SiO2/Al23モル比
が8以上であることが望ましく、比表面積が400〜9
00m2/gの範囲にあることが望ましく、また結晶度
(リンデ社SK−40を100%とした相対結晶度)は
95%以上であることが望ましい。
【0018】前述の超安定Y型ゼオライトは、例えば、
結晶子径が66.5nm以上である出発原料NaY型ゼ
オライトをアンモニウムイオンでイオン交換してイオン
交換率80%以上にしたNH4Y型ゼオライトを水蒸気
雰囲気中で加熱処理して単位格子定数を2.455nm
以下にした後、鉱酸などの脱アルミニウム剤で処理し、
骨格外アルミニウムを除去して製造することができる。
【0019】本発明の水素化処理触媒は、前述の超安定
Y型ゼオライトを含有する耐火性無機酸化物からなる担
体に、周期律表第6族金属および/または第8族金属か
ら選ばれた少なくとも一種の活性金属成分を担持した触
媒が好適である。耐火性無機酸化物としては、通常、水
素化処理触媒に使用される耐火性無機酸化物が使用可能
で、具体的には、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコ
ニア、アルミナ−シリカ、アルミナ−チタニア、アルミ
ナ−ボリア、アルミナ−リン、アルミナ−ボリア−リ
ン、アルミナ−チタニア−ボリア、アルミナ−チタニア
−リンなどが例示される。担体中に含有される該超安定
Y型ゼオライトの量は、1〜50質量%、好ましくは5
〜20質量%の範囲が望ましい。
【0020】本発明での周期律表第6族金属および/ま
たは第8族金属から選ばれた活性金属成分としては、モ
リブデン、タングステン、ニッケル、コバルト、ロジウ
ム、パラジウム、白金などが例示される。特に、モリブ
デン、タングステン、ニッケル、コバルトが好ましく、
ニッケルおよび/またはコバルトとモリブデンおよび/
またはタングステンの組み合わせが望ましい。該活性金
属成分の含有量は、通常の水素化処理触媒で使用される
量が用いられる。好ましい該活性金属成分の含有量は、
酸化物として、モリブデン、タングステンでは5〜25
質量%、ニッケル、コバルトでは0.5〜10質量%、
ロジウム、パラジウム、白金では0.01〜2質量%の
範囲が望ましい。
【0021】本発明の水素化処理触媒は、例えば、前述
の超安定Y型ゼオライトと耐火性無機酸化物の前駆体と
を混合した後、所望の形状に成型し、乾燥、焼成して得
た担体に、前述の活性金属成分の前駆物質を周知の方法
により担持し、乾燥、焼成して製造される。
【0022】本発明の水素化処理触媒は、炭化水素油の
通常の水素化処理条件で使用可能である。特に本発明の
水素化処理触媒は減圧軽油の水素化処理に好適に使用す
ることができる。このときの水素化処理条件としては、
例えば、反応温度300〜450℃、水素分圧2.0〜
20MPa、液空間速度0.1〜4hr-1などの条件が
好ましく採用される。
【0023】本発明の水素化処理触媒に使用される超安
定Y型ゼオライトは、ゼオライト特有の均一細孔以外
に、制御された細孔直径3.5〜5nmの範囲の細孔容
積を有するため、炭化水素油、特に、減圧軽油の水素処
理に使用して、高い分解活性、高い脱硫活性を示す。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれにより限定されるものでない。
【0025】(参考例1)結晶子径が66.5nm以上
であるNaY型ゼオライト(A、B、C、D、Eの5
種)を調製した。各ゼオライトの性状を表1に示す。表
1示すA、B、C、DおよびEのNaY型ゼオライト4
113gを、それぞれ60℃の温水33リットルに懸濁
した。次いで、ゼオライトに対して1モル倍の硫安92
4gを加え、90℃で1時間攪拌してイオン交換した。
その後、濾過し、再度、硫安924gを60℃の温水1
0リットルに溶解した溶液で同様にイオン交換した後、
濾過し、60℃の純水30リットルで洗浄し、乾燥、粉
砕を行ない、各々65%イオン交換されたY型ゼオライ
ト(NH4 65Y)を得た。
【0026】次いで、各々のY型ゼオライト(NH4 65
Y)3487gを回転スチミング装置で600℃で1時
間飽和水蒸気雰囲気中で焼成して焼成Y型ゼオライト
(H65Y)を得た。
【0027】各々の焼成Y型ゼオライト(H65Y)27
18gを60℃の温水30リットルに懸濁し、硫安をゼ
オライトに対して2モル倍量の1848gを加え、90
℃で1時間攪拌してイオン交換した後、濾過し、60℃
の純水30リットルで洗浄した。洗浄したゼオライト
を、再度、60℃の温水30リットルに懸濁し、この懸
濁に硫安1812gを加え、90℃で1時間攪拌してイ
オン交換した。その後、濾過し、60℃の純水30リッ
トルで洗浄し、乾燥、粉砕を行ない、各々85%イオン
交換されたY型ゼオライト(NH4 85Y)を得た。
【0028】それぞれのイオン交換されたY型ゼオライ
ト(NH4 85Y)2952gを回転スチミング装置で7
80℃で1時間飽和水蒸気雰囲気中で焼成して格子定数
2.431〜2.432nmの焼成Y型ゼオライト(H
85Y)を得た。
【0029】各焼成Y型ゼオライト(H85Y)2856
gを60℃温水30リットルに懸濁し、この懸濁液に2
5%硫酸5530gを徐々に添加した後、95℃で1時
間攪拌して脱アルミニウム処理をした。その後、濾過、
洗浄、乾燥を行い超安定Y型ゼオライトA、B、C、D
およびEを得た。各超安定Y型ゼオライトA〜Eの性状
を表2に示す。また、出発原料NaY型ゼオライトの結
晶子径(x)と超安定Y型ゼオライトの細孔直径3.5
〜5nmの範囲の細孔容積(y)の関係を図1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】図1に示した、出発原料NaY型ゼオライ
トの結晶子径(x)と超安定Y型ゼオライトの細孔直径
3.5〜5nmの範囲の細孔容積(y)の関係は、次の
実験式(II)で表される。 y=2.11×10-3x−0.125 (II) 〔式中、yは、超安定Y型ゼオライトの細孔直径3.5
〜5nmの範囲の細孔容積(ml/g)を表し、xは、
超安定Y型ゼオライトの出発原料NaY型ゼオライトの
結晶子径(nm)を表す。但し、xは、66.5nm以
上である。〕
【0033】そして、式(II)で表される細孔容積の各
測定値との標準誤差(σ)は、±0.005(ml/
g)であり、誤差範囲を3σ=±0.015(ml/
g)とすると、超安定Y型ゼオライトの細孔直径3.5
〜5nmの範囲の細孔容積(y)は、下記式(I)で表
される。 2.11×10-3x−0.140≦y≦2.11×10-3x−0.110 (I) 〔式中、yは、超安定Y型ゼオライトの細孔直径3.5
〜5nmの範囲の細孔容積(ml/g)を表し、xは、
超安定Y型ゼオライトの出発原料NaY型ゼオライトの
結晶子径(nm)を表す。但し、xは、66.5nm以
上である。〕
【0034】(実施例1)参考例1の超安定Y型ゼオラ
イトE(出発原料NaY型ゼオライトEから得られたU
SY)を使用して水素化処理触媒を調製した。すなわ
ち、スチームジャケット付100リットルタンクにAl
23濃度換算で22%のアルミン酸ナトリウム水溶液8
8.82kgを入れ、イオン交換水で希釈し40kgと
した後、26質量%グルコン酸ナトリウム0.22kg
を加え攪拌しながら60℃に加温した。一方、50リッ
トル容器にAl23濃度換算で7%の硫酸アルミニウム
水溶液13.86kgを入れ60℃の温水で希釈し40
kgとした。ロータリーポンプを用いてアルミン酸ナト
リウム溶液中に硫酸アルミニウム溶液を一定速度で添加
して、pH=7.2とし、アルミナ水和物の懸濁スラリ
ーを得た。該懸濁スラリーを攪拌しながら60℃で1時
間熟成した後、懸濁スラリーを脱水、洗浄した。洗浄後
のケーキ状スラリーをイオン交換水で希釈し、Al23
濃度で10質量%になるようにした後、15%アンモニ
ア水を用いてスラリーのpHを10.5に調製した。こ
れを還流器付熟成タンクに移し、攪拌しながら95℃で
10時間熟成してアルミナ水和物熟成スラリーを得た。
【0035】次に、参考例1の超安定Y型ゼオライトE
0.27kg(固形分重量)をイオン交換水0.63リ
ットルに懸濁させ、ゼオライトの懸濁溶液を調製した。
この懸濁溶液をAl23換算で2.35kgの前述のア
ルミナ水和物熟成スラリーと混合した後、スチームジャ
ケットを備えた双腕式ニーダーで練りながら加温し、所
定の水分量まで濃縮した。これにホウ酸(B23換算)
0.74kg及びイオン交換水0.84kgを加えた
後、所定の水分量まで更に捏和した。得られた捏和物を
押出成形機で直径1.8mmの円柱状に成形し110℃
で乾燥させた。乾燥したペレットは電気炉中で550℃
の温度で焼成して、超安定Y型ゼオライトEを10質量
%含有する担体を得た。
【0036】次いで、三酸化モリブデン170.2g、
及び炭酸ニッケル75.4gをイオン交換水600ml
に加え、さらに含カルボン酸化合物を加えて攪拌、加熱
して溶解した。この溶液を前述の担体1.00kgに含
浸した後、乾燥させ、550℃で1時間焼成して水素化
処理触媒Eを調製した。該水素化処理触媒Eの活性金属
組成はMoO3が14.0質量%、NiOが3.8質量
%で、触媒の窒素吸着法による細孔容積は0.40ml
/g、比表面積は230m2/g、水銀圧入法による細
孔径は7.8nmであった。
【0037】(実施例2)実施例1と同様にして、参考
例1の超安定Y型ゼオライトC(出発原料NaY型ゼオ
ライトCから得られたUSY)を使用して水素化処理触
媒Cを調製した。該水素化処理触媒Cの活性金属組成は
MoO3が14.0質量%、NiOが3.8質量%で、
触媒の窒素吸着法による細孔容積は0.39ml/g、
比表面積は242m2/g、水銀圧入法による細孔径は
7.6nmであった。
【0038】(比較例1)実施例1と同様にして、市販
の超安定Y型ゼオライトを使用して水素化処理触媒Zを
調製した。このゼオライトのNaY型ゼオライトの結晶
子径は35nmであり、超安定Y型ゼオライトの細孔直
径3.5〜5nmの範囲の細孔容積は0.005ml/
gである。該水素化処理触媒Zの活性金属組成はMoO
3が14.0質量%、NiOが3.8質量%で、触媒の
窒素吸着法による細孔容積は0.40ml/g、比表面
積は238m2/g、水銀圧入法による細孔径は7.7
nmであった。
【0039】(実施例3)実施例1、2及び比較例1の
水素化処理触媒E、C及びZを用いて、減圧留出油(V
GO)の水素化処理を行い、脱硫活性、分解活性を測定
した。反応装置には固定床流通式反応装置を用いた。反
応条件および用いた原料油VGOの性状をそれぞれ表3
および表4に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】反応により得られた生成油中の硫黄分を測
定し、硫黄の除去率を求め比較例1の水素化処理触媒Z
の活性と比較した。また、生成油を蒸留装置にかけ、3
60℃より高沸点分(360℃+)の含有量を測定し、
原料油中の量に対する減少率を分解活性として評価し
た。反応温度380℃における触媒Zに対する相対活性
を表5に示した。
【0043】
【表5】
【0044】以上の結果から明らかなように、水素化処
理触媒EおよびCは、水素化処理触媒Zに比較して、脱
硫、分解共に高活性を示した。
【0045】
【発明の効果】以上のように、細孔直径3.5〜5nm
の範囲の細孔容積を制御した超安定Y型ゼオライトを用
い、これを炭化水素油の水素化処理触媒として使用した
とき、すぐれた脱硫活性および分解活性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】出発原料NaY型ゼオライトの結晶子径(x)
と超安定Y型ゼオライトの細孔直径3.5〜5nmの範
囲の細孔容積(y)との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA07A BA07B BC57A BC59B BC65A BC65B BC68B CC02 CC05 DA05 FA01 FA02 FA08 ZA05A ZA05B ZC07 ZC10 ZD01 4H029 CA00 DA00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超安定Y型ゼオライトと周期律表第6族
    金属および/または第8族金属から選ばれた活性金属成
    分を含有する水素化処理触媒であって、該超安定Y型ゼ
    オライトの細孔直径3.5〜5nmの範囲の細孔容積y
    が、下記式の関係を満たすものであることを特徴とする
    水素化処理触媒。 2.11×10-3x−0.140≦y≦2.11×10
    -3x−0.110 〔式中、yは、超安定Y型ゼオライトの細孔直径3.5
    〜5nmの範囲の細孔容積(ml/g)を表し、xは、
    超安定Y型ゼオライトの出発原料NaY型ゼオライトの
    結晶子径(nm)を表す。但し、xは、66.5nm以
    上である。〕
  2. 【請求項2】 前記xが75nm以上500nm以下で
    あることを特徴とする請求項1に記載の水素化処理触
    媒。
JP2001292972A 2001-09-26 2001-09-26 水素化処理触媒 Expired - Fee Related JP4477266B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001292972A JP4477266B2 (ja) 2001-09-26 2001-09-26 水素化処理触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001292972A JP4477266B2 (ja) 2001-09-26 2001-09-26 水素化処理触媒

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003093883A true JP2003093883A (ja) 2003-04-02
JP4477266B2 JP4477266B2 (ja) 2010-06-09

Family

ID=19114845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001292972A Expired - Fee Related JP4477266B2 (ja) 2001-09-26 2001-09-26 水素化処理触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4477266B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005254237A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Chevron Oronite Co Llc Y型ゼオライトアルキル化触媒
JP2006150185A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Petroleum Energy Center 水素化分解触媒組成物
JP2006255497A (ja) * 2005-03-15 2006-09-28 Petroleum Energy Center 水素化精製触媒組成物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005254237A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Chevron Oronite Co Llc Y型ゼオライトアルキル化触媒
JP2006150185A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Petroleum Energy Center 水素化分解触媒組成物
JP2006255497A (ja) * 2005-03-15 2006-09-28 Petroleum Energy Center 水素化精製触媒組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4477266B2 (ja) 2010-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5100388B2 (ja) 炭化水素の水素化処理用触媒組成物および水素化処理方法
KR100478078B1 (ko) 중간 증류물을 생산하기 위한 하이드로크래킹 촉매 및 이의 제조방법
JPH0576348B2 (ja)
JPS6146249A (ja) 中間留分の製造用の新規水素化クラツキング触媒およびその製造方法
JPH06285374A (ja) 新規触媒組成物
JPS61278590A (ja) 接触クラツキング方法
JPH0555189B2 (ja)
JPH0239305B2 (ja)
JP2011031194A (ja) 重質油水素化分解触媒及びそれを用いた重質油の水素化処理方法
KR20070084402A (ko) 철 함유 결정성 알루미노실리케이트 및 상기알루미노실리케이트를 포함하는 수소화 분해 촉매 및 상기촉매를 이용하는 수소화 분해법
WO2022010520A1 (en) Methods of producing hydrocracking catalyst
JPH0536099B1 (ja)
JP2007313409A (ja) 水素化分解触媒組成物およびその製造方法
JPH0675679B2 (ja) 高活性・高選択性の芳香族化触媒
KR20230104255A (ko) 1 내지 30 중량%의 결정질 암모늄 알루미늄 카보네이트 하이드록사이드를 포함하는 실리카-알루미나 조성물 및 이의 제조 방법
JP4477266B2 (ja) 水素化処理触媒
CN107286987A (zh) 一种处理劣质柴油的组合工艺
JP4780537B2 (ja) 部分非晶質ゼオライトyおよび第vb族元素を含む触媒、並びに炭化水素石油仕込原料の水素化転換および水素化精製におけるその使用
JP3342504B2 (ja) 改良された金属担持結晶質アルミノシリケートの製造方法及びそれを用いた炭化水素類の改質方法
JP2000086233A (ja) 鉄含有結晶性アルミノシリケート
CN111672534B (zh) 加氢裂化催化剂及其制备方法与应用
JP2006150185A (ja) 水素化分解触媒組成物
JPS6148979B2 (ja)
JP2000135437A (ja) 水素化処理触媒およびその製造方法
JP4833460B2 (ja) 超安定y型ゼオライト

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100309

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4477266

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees