JP2003093039A - ハイブリダイゼーション装置及びこれを用いたサンプル中の核酸検出方法 - Google Patents

ハイブリダイゼーション装置及びこれを用いたサンプル中の核酸検出方法

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JP2003093039A
JP2003093039A JP2001289939A JP2001289939A JP2003093039A JP 2003093039 A JP2003093039 A JP 2003093039A JP 2001289939 A JP2001289939 A JP 2001289939A JP 2001289939 A JP2001289939 A JP 2001289939A JP 2003093039 A JP2003093039 A JP 2003093039A
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temperature
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Tadashi Matsunaga
是 松永
Sei Yoda
聖 依田
Yuji Udagawa
雄司 宇田川
Etsuo Nemoto
越男 根本
Kohei Maruyama
浩平 丸山
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Juki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 少なくとも(A)反応容器保持具、加温
・冷却装置及び磁力制御装置を備えてなる反応部、
(B)チップラック及び廃液収容容器を備えてなるチッ
プラック・廃液部、(C)洗浄液収容容器及び加温・冷
却装置を備えてなる洗浄液部、及び(D)複数本のチッ
プノズルを装備し、該チップノズルにチップを装着・脱
着させる機構と、装着されたチップが処理液を吸引・注
入する機構とを有し、X−Z軸方向へ自在に移動可能な
アームユニットを備えてなるヘッド部、より構成される
自動核酸ハイブリダイゼーション装置、及びこれを用い
たサンプル中の核酸検出方法。 【効果】 本発明のハイブリダイゼーション装置を用い
ることにより、核酸の検出において最も時間がかかり、
広い実験スペースを要するハイブリダイゼーション工程
を、極めて単純な動作をもって自動化でき、同時に装置
全体の小型化が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸プローブによ
るハイブリダイゼーションを自動で行うハイブリダイゼ
ーション装置及びこれを用いたサンプル中の核酸検出方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、DNAプローブを用いた核酸ハイ
ブリダイゼーションの技術を使用して、試料中の特定塩
基配列の有無を調べることにより、感染症の病因菌の特
定や感染症の発症前の診断、更には遺伝子疾患の診断が
可能になってきた。核酸ハイブリダイゼーション法に
は、試料を変性処理して得た一本鎖核酸を固相に結合さ
せ、この固相にラジオアイソトープや蛍光色素等で標識
した核酸を作用させて固相の核酸とハイブリッドを形成
させてから未反応の標識核酸を除去し、固相の放射線量
や蛍光等を測定するドットハイブリダイゼーション法を
始めとし、識別しようとする標的核酸に関係する核酸フ
ラグメントを少なくとも2つ使用するサンドイッチハイ
ブリダイゼーション法がよく知られている。
【0003】斯かるハイブリダイゼーションを用いたサ
ンプル核酸の測定作業は、サンプル数が多いため単純な
作業の繰り返しが発生すること、各工程で用いる装置が
独立しているため広い設置面積が必要であること、反応
温度の管理を行う必要があり反応の進行に長時間を要す
ること、更に微量な試料を精度高く取り扱うことが必要
であること等の理由から、ハイブリダイゼーション工程
を機械化して自動的に行うことが従来から切望されてい
た。
【0004】これまでに、ハイブリダイゼーション工程
を含む核酸の自動検出装置としては、DNAサンプル・
試薬ユニット、サンプル・試薬分注ユニット、反応容器
搬送ユニット、ハイブリダイゼーションユニット、B/
F分離ユニット及び測光ユニットを備えてなるDNAプ
ローブ自動測定装置として、幾つか報告されているが、
ハイブリダイゼーション工程の反応においてきわめて重
要である反応時の温度が、B/F分離を行う際に温度管
理を行わないため変動してしまい、非特異吸着が増加す
る等検出結果の誤差が大きい。更に、アニーリング後に
サンプルの入った反応容器をB/F分離ユニットに搬送
する必要があり、検出タクトが長くなってしまう。ま
た、単機能のユニットをシリアルに配置してあるため装
置サイズが大きく、冗長になる等の問題点があり、装置
の縮小化やハイブリダイゼーション工程の効率化、検出
精度の点で、必ずしも充分ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、短時間で効
率よく且つ高精度でハイブリダイゼーションを行うこと
ができ、特に、反応温度管理を行うことによってより正
確な検出結果が得られる装置で、しかも広い実験スペー
スを要しないハイブリダイゼーション装置を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、斯かる実
情に鑑み、核酸ハイブリダイゼーションの自動化につい
て鋭意検討したところ、加温・冷却装置と磁力制御装置
を共に装備することにより、極めて単純な動作をもって
ハイブリダイゼーション工程を自動化でき、同時に装置
全体の小型化が図れることを見出し、本発明を完成し
た。
【0007】すなわち本発明は、少なくとも(A)反応
容器保持具、加温・冷却装置及び磁力制御装置を備えて
なる反応部、(B)チップラック及び廃液収容容器を備
えてなるチップラック・廃液部、(C)洗浄液収容容器
及び加温・冷却装置を備えてなる洗浄液部、及び(D)
複数本のチップノズルを装備し、該チップノズルにチッ
プを装着・脱着させる機構と、装着されたチップが処理
液を吸引・注入する機構とを有し、X−Z軸方向へ自在
に移動可能なアームユニットを備えてなるヘッド部、よ
り構成される自動核酸ハイブリダイゼーション装置を提
供するものである。
【0008】また本発明は、当該ハイブリダイゼーショ
ン装置を用いて、下記工程(1)〜(8)を自動で行
い、次いで反応容器中の標識核酸量を測定することを特
徴とするサンプル中の核酸検出方法を提供するものであ
る。請求項1又は2記載のハイブリダイゼーション装置
を用いて、下記工程(1)〜(8)を自動で行い、次い
で反応容器中の標識核酸量を測定することを特徴とする
サンプル中の核酸検出方法。 (1)核酸プローブ固定化磁性粒子と標識されたサンプ
ル核酸が注入・混合された反応容器を反応部に設置し、
加温・冷却装置により反応容器中の温度を核酸のディネ
ーチャー温度に設定し、当該温度を所定時間保持してサ
ンプル核酸を一本鎖化する。 (2)反応容器中の温度を核酸のアニーリング温度に変
更し、当該温度を所定時間保持してアニーリングを行な
う。 (3)磁力制御装置を稼働して磁性粒子に結合したサン
プル核酸を容器中に偏在させる。 (4)アームユニットを稼働してチップラック・廃液部
に移動し、チップノズルにチップを装着する。 (5)アームユニットを反応部に移動し、反応容器中の
上清をチップノズルにて吸引する。 (6)アームユニットをチップラック・廃液部に移動
し、チップノズル内の吸引上清を廃棄収容容器に注入す
る。 (7)アームユニットを洗浄液部に移動し、洗浄液収容
容器から予め加温・冷却装置によりアニーリング温度に
温度調節された洗浄液を吸引し、所定時間浸漬した後、
反応部の反応容器中に洗浄液を注入する。 (8)(5)〜(7)の洗浄動作を所定回数繰り返す。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明装
置の具体例を説明する。図1は、本発明の自動核酸ハイ
ブリダイゼーション装置の内部構成を示す概念図であ
る。1はサンプル核酸を一本鎖(ディネーチャー)化
し、次いで一本鎖化されたサンプル核酸と特定の核酸プ
ローブとのハイブリダイゼーション(アニーリング)を
行い、次いでB/F分離を行う反応部であって、反応容
器を収納保持するための保持具と、ディネーチャー及び
アニーリングの各温度を調節する加温・冷却装置及び磁
力制御装置で構成される。
【0010】図2に反応部の側面図を示す。同図におい
て、8はディネーチャー、アニーリング及びB/F分離
を行うための反応容器である。斯かる反応容器として
は、核酸ハイブリダイゼーションに適するものであれ
ば、その形状及び材質には特に制限されるものではない
が、複数のサンプルを同時に試験でき、且つ汎用性の高
い樹脂製の24〜96ウェルマイクロプレートを使用す
るのが好ましい。
【0011】加温・冷却装置は、反応容器保持具9を加
温するヒータ10と、これを冷却するチラー11と、温
度を制御するセンサー12と、温度を制御する温度制御
装置13とを備えるものである。尚、ここで用いられる
反応容器保持具9は、使用する反応容器表面と密着する
形状を有する金属製プレートが使用される。温度制御装
置13は、ディネーチャーでは反応容器内部でディネー
チャー反応を進行させる温度95℃(一般には95℃前
後であるが、サンプル核酸の長さが短い場合にはこれよ
り低くてもよい)にコントロールされるように固定さ
れ、アニーリングでは、アニーリング温度40〜70℃
にコントロールされるように固定される。また、温度制
御装置のタイマー機能により反応時間もコントロールさ
れる。
【0012】磁力制御装置14は、反応容器それぞれに
ついて対応する磁力を発生し、容器内のB/F分離に使
用する磁性粒子に磁力を作用させる。斯かる磁力制御装
置は、反応容器の底部のみに磁性粒子が不動化するよう
に磁力制御するように配置される。反応容器の真下に置
くことで容器底面の狭い領域に集めることができる。磁
力発生源を容器側面から近づけると磁束に沿って上下に
長く伸びてしまうため、樹脂の反応容器を使った場合に
は容器内側の界面に大量の磁性粒子の吸着が起こること
があり、集めることには不適である。具体的には反応容
器の下部に配置し、反応容器下部の磁力をON、OFF
することにより磁力制御すればよい。例えば、磁力発生
源を容器底に接近することで反応容器内の磁性粒子に作
用する磁力を増大させ、また容器から下方又は横方向等
に隔離することで、作用する磁力を減少させる。ここ
で、磁気発生源としては、例えば、永久磁石、電磁石等
が挙げられるが、このうち、磁束密度、容積の点で永久
磁石を用いるのが好ましく、特に永久磁石を、96ウェ
ルマイクロプレートの各ウェルに対応するようにアレイ
状に並べ、隣り合う磁石の磁極をN、S極交互に配置す
るのが好ましい。これにより反応容器に作用させる磁束
の乱れを防ぐことができ、効率よく磁性粒子を凝集させ
ることができる。
【0013】尚、本発明装置を用いた核酸ハイブリダイ
ゼーションにおいて使用される磁性粒子としては、水溶
液中で不溶性であり且つ磁性を示すものであるならば特
に限定されるものではない。例えば、Fe O ,γ-Fe O ,C
o-γ-Fe O ,(NiCuZn)O・Fe O,(CuZn)O・Fe O ,(MnZn)O
・Fe O ,(NiZn)O・Fe O,SrO・6Fe O ,BaO・6Fe O ,SiO2
で被覆したFe O(粒径約200 A)〔Enzyme Microb.Tecn
ol.,vol2,p.2-10(1980) 参照〕、各種の高分子材料(ナ
イロン、ポリアクリルアミド、ポリスチレン等)とフェ
ライトとの複合微粒子及び磁性細菌が菌体内に合成する
磁性細菌粒子等が挙げられる。
【0014】尚、磁性細菌は、1970年代、アメリカ
で発見され、菌体内に50〜100nmの程度の粒径のマ
グネタイト(Fe34)単結晶の微粒子が10〜20個
ほど連なったマグネトソームと呼ばれるチェイン状の粒
子を保持している。磁性細菌はこのマグネトソームを保
持することで地磁気を感知し、磁力線の方向を認識する
ことができる。磁性細菌は微好気性の細菌であり、地磁
気を感知することで好気的な水面から微好気的な沈殿物
表層へ磁力線に沿って泳ぐことができる。斯かる磁性細
菌は、ANALYTICAL CHEMISTRY,VOL. 63,No. 3,FEBRUARY
1,1991 P268-P272に示されるように、単菌分離され、大
量培養が可能となっている。この磁性細菌中の磁性粒子
は、六角柱で粒径、形状が非常に均一であり、純度も高
く、粒子を含む菌体の磁化を微粒子当りに換算すると約
50emu/g である。また、保磁力は230 Oe で、単磁
区構造をとっていることが確かめられている。また、こ
の磁性粒子は、粒子表面が有機薄膜で覆われていること
から金属の溶出がほとんど起こらず安定に存在し、水溶
液中での分散性にも優れているといった特性を有してい
る。従って、本発明において用いられる核酸ハイブリダ
イゼーションでは磁性細菌粒子を用いるのが好ましい。
【0015】磁性細菌からの磁性細菌粒子の抽出方法に
は、フレンチプレスを用いた物理的圧力破砕、アルカリ
煮沸、酵素処理、超音波破砕処理等が知られており、磁
性細菌粒子を大量に得る場合には、超音波による破砕が
適している。抽出後、磁石等により磁性細菌粒子を分離
すればよい。
【0016】2は、チップラック・廃液部であって、洗
浄液や試薬を分注するためのディスポチップを保持する
チップラック6と、磁気分離/洗浄時に反応部から吸い
上げた廃液を排出し、留めておくための廃液収容容器を
その下部に備えるものである。このように、チップラッ
クと廃液収容容器をヘッド部の移動平面に対して垂直に
配置することで省スペース化が図れる。チップラック6
には、ディスポチップのテーパ部を支えるよう穴が空け
てあり、測定を開始する前はそこにディスポチップ7が
ささっている。
【0017】3は、洗浄液部であって、洗浄液収容容器
と加温・冷却装置を備えるものである。洗浄液は、洗浄
時に反応容器内の核酸が、温度変化によって非特異吸着
や解離をしないよう、加温・冷却装置によりアニーリン
グ温度と同じ温度にコントロールされる。洗浄液部は必
要に応じて複数設けることができる。例えばハイブリダ
イズされた核酸を検出するために免疫反応を行う場合は
2つの洗浄液部が必要となる。
【0018】4は、ヘッド部であり、X−Z軸方向へ移
動自在のアームユニットを有し、当該アームユニット
は、チップノズル5と、ヘッド部を移動させる機構と、
該ヘッド部を移動させることにより該チップノズルにチ
ップを装着・脱着させる機構と、装着されたチップから
処理液(廃液や洗浄液)を吸引・注入する機構、より構
成されている。
【0019】本発明のハイブリダーゼーション装置に
は、必要に応じて更に試薬収容容器を備えてなる試薬部
(E)を設けることができる。例えば、ハイブリダイズ
された核酸を検出するための標識が必要な場合は、当該
標識試薬(例えばアルカリフォスファターゼ標識アンチ
−DIG Fab'フラグメント(anti−DIG−
AP)等)や酵素発色基質(例えば、アルカリフォスフ
ァターゼ発光基質等)を収納するための試薬部を設ける
必要がある。一方、予めサンプル核酸を標識したものを
用いた場合には、本試薬部を設ける必要はない。
【0020】本発明装置において用いられる核酸ハイブ
リダイゼーション法は、サンプル中の核酸と核酸プロー
ブ固定化磁性粒子のハイブリダイゼーションを利用する
ものであれば、ハイブリダイゼーション法が1ステップ
法であっても2ステップ法(サンドイッチ法)であって
もよい。また、用いる核酸プローブも一本鎖DNA、R
NA又はPNAのいずれであってもよい。
【0021】
【実施例】上記本発明のハイブリダイゼーション装置
(図1参照)を用いた核酸の検出法の具体例を以下に示
す。 1.準備工程 (1)磁性細菌粒子の作製 磁性細菌粒子の生産のため、単菌分離された磁性細菌
Magnetopsirillum sp.AMB-1 (Matsunaga et al. 1991)
をMSGM培地(Blakemore et al. 1979)(100L)を用
いて室温で約7日間、嫌気条件下で培養した。培養3日
後にキナ酸鉄溶液を培養液1Lに対し4mL添加した。
培養した菌体は10000g、4℃で連続遠心機を用い
て回収した。10mMリン酸緩衝生理食塩水(PBS,
pH7.4)を用いて懸濁した。この菌体を、150
0kg/cm2の条件下でフレンチプレス(大岳製作
所、5501M)を用いて破砕し、ネオジウム−ボロン
(Nd−B)磁石を用いて破砕菌体から磁性細菌粒子を
磁気回収した。得られた磁性細菌粒子は、超音波洗浄器
(Kaijo Denki Co. Ltd., CA4481)を用いて、PBS中
で3回以上洗浄された後、PBSに懸濁され4℃で保存
した。
【0022】(2)検出用プローブの合成 シアノバクテリアの16SrDNAの領域において属特
異的領域を検索し、15〜20塩基内において各属間で
2〜3以上の塩基の差異が見られる領域を見出し、その
領域からMicrocystis属特異的検出用プローブDNAを
デザインした。デザインしたプローブDNAについて、
5’末端にビオチン標識された合成オリゴDNAを作成
した。
【0023】(3)DNA固定化磁性細菌粒子の作製 磁性細菌粒子への修飾は、磁性細菌膜上に存在すると考
えられるアミノ基を利用した。まず、磁性細菌AMB−
1株より抽出・精製された磁性細菌粒子(BMPs)1
mgを2.5%グルタルアルデヒドを含むPBS1mL
中に懸濁し、室温で30分間反応させることにより、磁
性細菌粒子膜上のアミノ基に対してアルデヒド基の導入
を行った。反応後、磁気回収し、PBSで3回洗浄し
た。洗浄後、修飾BMPs 1mgに対して、ストレプ
トアビジン(New England Bio Labs.)100μgをPB
S 1mL中に懸濁し、室温で2時間反応させることに
よりBMPsとストレプトアビジンを架橋した。架橋
後、PBSで3回磁気回収、及び洗浄を行った後、DN
Aの非特異吸着を押さえるためにNaBH4で未反応の
アルデヒド基を還元し、ストレプトアビジン固定化BM
Ps(SA−BMPs)とした。作製したSA−BMP
s 300μgに対して5′末端にビオチン標識したオ
リゴDNA 300pmolをPBS 300μl中で
アビジン・ビオチン反応を行わせ、オリゴDNA固定化
磁性細菌粒子(DNA−BMPs)を作製した。
【0024】(4)サンプルDNAの調製 シアノバクテリアからのゲノムDNAの抽出は、MagExt
ractor-genome-の抽出法を改良した方法により抽出を行
った。抽出された全ゲノムDNAに対して、原核微生物
を16SrDNA増幅用プライマーRSF−1、RSR
−2(E.coli 1523-1542ntのアンチセンス)(Kawaguchi
et al.1992)を用い、PCRによって遺伝子増幅を行っ
た。尚、遺伝子増幅の際に、蛍光、発光若しくは電気化
学的シグナルによって検出可能な蛍光色素、アルカリフ
ォスファターゼ、フェロセン等のマーカーで標識したd
UTPを用いてPCRを行うことで標識されたサンプル
核酸を調製することができる。例えば、FITC標識さ
れた16SrDNAを合成する場合には、蛍光物質であ
るFITC標識されたdUTPを用いてPCRを行えば
よい。
【0025】(5)装置への試薬等の設置 100μgのプローブDNA固定化磁性粒子と、10
0μlのサンプルDNAをマイクロプレート等の反応容
器で混合し、十分に攪拌した後、本装置の反応部に設置
する。 チップノズルを保持したチップラックを滅菌後、チッ
プラック・廃液部に設置する。 洗浄液を収容する洗浄液収容容器を、洗浄部に設置す
る。
【0026】2.ディネーチャー工程 装置の始動スイッチを投入し、反応部1の加温・冷却装
置の温度制御機能を稼働させ、反応容器を95℃に温め
る。このまま5分間保持することにより、反応容器中の
サンプル核酸の一本鎖化を行う。
【0027】3.アニーリング工程 温度を60℃に冷却し、このまま10分間保持すること
により、容器中の核酸プローブ固定化磁性細菌粒子とサ
ンプル核酸のアニーリングを行う。
【0028】4.B/F分離 アニーリング終了後、容器真下に設置された磁気制御装
置を稼働して磁気吸引力を発生させ、磁性粒子を容器底
面に集める。磁気制御装置を動作させてから約3分間そ
のまま待機する。この時、反応容器は60℃に維持され
る。
【0029】5.洗浄工程 チップラック・廃液部上に移動させたアームユニットを
下方へ移動させ、チップノズルとディスポチップを勘合
させることで、チップラック・廃液部に保持されたチッ
プノズルを装着する。アームユニットを反応部へ移動さ
せ、そのまま降下させて、適当な位置で停止後、チップ
ノズルにて反応容器中の上清を吸引し、廃液部に移動し
て排出させる。その後、アームユニットを洗浄液部へ移
動させ、洗浄液収容容器より60℃に維持された洗浄液
を吸引し、洗浄液内に浸漬させたまま所定時間保持した
後、再びアームユニットを反応部へ移動させ、反応容器
中にこれを注入する。約3分間の待機後、再びチップノ
ズルで反応容器中の上清を吸引し、チップラック・廃液
部に排出する。この洗浄動作を3回繰り返し、最後に洗
浄液を注入し動作を終了する。
【0030】動作終了後も反応部の磁気吸引力は維持さ
せ、温度は0〜15℃、好ましくは4℃で維持するよう
に制御する。これにより、反応溶液中の磁性体が容器底
部に凝集した状態を保ち、溶液の性質が変質することを
防ぐことができる。尚、洗浄液部の温度制御は切断す
る。また、反応容器には、装置外からの光を遮断するた
めのカバーを装着することにより、核酸中に取り込んだ
蛍光物質の劣化を防ぐことができる。
【0031】6.検出 反応容器を装置から取出し、蛍光プレートリーダ(FL
UOstarTM)によって反応容器内に生じる光の変化を測
定する。この結果、Microcystis aeruginosa NIES-98の
PCR産物試料から最も強い発光が観察された。
【0032】
【発明の効果】本発明のハイブリダイゼーション装置を
用いることにより、核酸の検出において最も時間がかか
り、広い実験スペースを要するハイブリダイゼーション
工程を、極めて単純な動作をもって自動化でき、同時に
装置全体の小型化が図れる。また、本発明装置において
は、磁気分離/洗浄のステージとアニーリングステージ
が一体化されていることから、反応容器を移動する必要
がなく、磁気分離/洗浄工程でのハイブリダイゼーショ
ン温度の変化を最小限に抑えることができ、以てハイブ
リダイゼーション時の非特異吸着を最小限に抑えること
ができ、高精度で核酸の検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明ハイブリダイゼーション装置の
内部構成を示す概念図である。
【図2】図2は、反応部の側面図である。
【符号の説明】
1:反応部 2:チップラック・廃液部 3:洗浄液部 4:ヘッド部 5:チップノズル 6:チップラック 7:チップ 8:反応容器 9:反応容器保持具 10:ヒータ 11:チラー 12:センサー 13:温度制御装置 14:磁力制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/543 531 G01N 33/553 33/553 33/554 33/554 33/58 A 33/58 35/02 G 35/02 37/00 102 37/00 102 C12N 15/00 A (72)発明者 依田 聖 東京都調布市国領町8−2−1 ジューキ 株式会社内 (72)発明者 宇田川 雄司 東京都調布市国領町8−2−1 ジューキ 株式会社内 (72)発明者 根本 越男 東京都調布市国領町8−2−1 ジューキ 株式会社内 (72)発明者 丸山 浩平 東京都調布市国領町8−2−1 ジューキ 株式会社内 Fターム(参考) 2G045 BA13 BB14 BB20 BB35 BB50 CB21 DA12 DA13 DA14 FA36 FB02 FB07 FB12 GC15 HA10 HA16 JA07 2G058 AA09 BB02 BB09 BB15 CA01 CC01 EA04 EA12 EB01 ED02 ED08 ED13 ED18 ED35 FB01 FB15 FB29 GA01 GB01 GE02 4B024 AA11 CA01 CA09 GA19 HA14 4B029 AA07 AA12 AA21 AA23 AA27 BB20 CC03 FA15 4B063 QA01 QA18 QQ06 QQ42 QR32 QR35 QR38 QR56 QR75 QR82 QS25 QS34 QS38 QX02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも(A)反応容器保持具、加温
    ・冷却装置及び磁力制御装置を備えてなる反応部、
    (B)チップラック及び廃液収容容器を備えてなるチッ
    プラック・廃液部、(C)洗浄液収容容器及び加温・冷
    却装置を備えてなる洗浄液部、及び(D)複数本のチッ
    プノズルを装備し、該チップノズルにチップを装着・脱
    着させる機構と、装着されたチップが処理液を吸引・注
    入する機構とを有し、X−Z軸方向へ自在に移動可能な
    アームユニットを備えてなるヘッド部、より構成される
    自動核酸ハイブリダイゼーション装置。
  2. 【請求項2】 更に、(E)試薬収容容器を備えてなる
    試薬部をもつ請求項1記載の自動核酸ハイブリダイゼー
    ション装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のハイブリダイゼー
    ション装置を用いて、下記工程(1)〜(8)を自動で
    行い、次いで反応容器中の標識核酸量を測定することを
    特徴とするサンプル中の核酸検出方法。 (1)核酸プローブ固定化磁性粒子と標識されたサンプ
    ル核酸が注入・混合された反応容器を反応部に設置し、
    加温・冷却装置により反応容器中の温度を核酸のディネ
    ーチャー温度に設定し、当該温度を所定時間保持してサ
    ンプル核酸を一本鎖化する。 (2)反応容器中の温度を核酸のアニーリング温度に変
    更し、当該温度を所定時間保持してアニーリングを行な
    う。 (3)磁力制御装置を稼働して磁性粒子に結合したサン
    プル核酸を容器中に偏在させる。 (4)アームユニットを稼働してチップラック・廃液部
    に移動し、チップノズルにチップを装着する。 (5)アームユニットを反応部に移動し、反応容器中の
    上清をチップノズルにて吸引する。 (6)アームユニットをチップラック・廃液部に移動
    し、チップノズル内の吸引上清を廃棄収容容器に注入す
    る。 (7)アームユニットを洗浄液部に移動し、洗浄液収容
    容器から予め加温・冷却装置によりアニーリング温度に
    温度調節された洗浄液を吸引し、所定時間浸漬した後、
    反応部の反応容器中に洗浄液を注入する。 (8)(5)〜(7)の洗浄動作を所定回数繰り返す。
  4. 【請求項4】 洗浄液部の温度調節を、装置稼働時又は
    工程(1)〜(6)のいずれかの段階で行うものである
    請求項3記載の核酸検出方法。
  5. 【請求項5】 洗浄工程前又は洗浄工程中のアームユニ
    ット待機時に、チップノズルを洗浄液収容容器の洗浄液
    中に浸漬し、洗浄液を介してチップノズルの温度をアニ
    ーリング温度と同温度に保持するものである請求項3又
    は4記載の核酸検出方法。
  6. 【請求項6】 工程(8)終了後の反応容器中の温度を
    0〜15℃に維持するものである請求項3〜5のいずれ
    か1項記載の核酸検出方法。
  7. 【請求項7】 磁性粒子が、磁性細菌粒子である請求項
    3〜6のいずれか1項記載の核酸検出方法。
  8. 【請求項8】 磁性粒子に固定化された核酸が、一本鎖
    DNA、RNA又はPNAである請求項3〜7のいずれ
    か1項記載の核酸検出方法。
  9. 【請求項9】 サンプル核酸が、蛍光色素、アルカリフ
    ォスファターゼ又はフェロセンによりマーカー標識され
    たものである請求項3〜8のいずれか1項記載の核酸検
    出方法。
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