JP2003091874A - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

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JP2003091874A
JP2003091874A JP2001283251A JP2001283251A JP2003091874A JP 2003091874 A JP2003091874 A JP 2003091874A JP 2001283251 A JP2001283251 A JP 2001283251A JP 2001283251 A JP2001283251 A JP 2001283251A JP 2003091874 A JP2003091874 A JP 2003091874A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 相変化型記録層を有する高密度記録用の光記
録媒体において、急冷構造として高速記録に対応し、且
つ記録感度の良いのメデイアを提供する。また基板の反
りを矯正し、基板に傷が付きにくい構造、高振幅(高モ
ジュレーション)を得る構造とする。 【解決手段】 溝を形成した基板上に反射放熱層、第1
の保護層、記録層、第2の保護層をこの順序で積層した
構成とし、該第2の保護層はZnSとSiOの混合物
よりなり、該記録層はGe,Sb,Teを主たる構成元
素とし、該反射放熱層はAl合金よりなる記録媒体であ
って、第2の保護層に接着層とカバー層を構成し、該第
1保護層がZnSとSiOの混合物層とTa
2層からなりTa層を反射放熱層側に形成する。
基板の溝幅を最適化することで高振幅化を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、書換え可能なDV
Rなど、相変化型記録層を有する高密度記録用の光記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にコンパクトディスク(CD)やD
VDは、凹ピットの底部及び鏡面部からの反射光の干渉
により生じる反射率変化を利用して2値信号の記録及び
トラッキング信号の検出が行われている。近年、CDと
互換性のある媒体として、相変化型の書換え可能なコン
パクトディスク(CD−RW、CD−Rewritab
le)が広く使用されつつある。また、DVDについて
も、相変化型の書換え可能なDVDが各種提案されてい
る。またDVDの容量が4.7GBに対して、記録再生
波長を390nm〜420nmと短波長化し、開口数、
NA(NumericalAperture)を上げ、20GB以上の容
量のシステムDVRが提案されている。(:ISOM Technic
al Digest'00 (2000), 210)
【0003】これら相変化型の書換え可能なCD、DV
DおよびDVRは、非晶質と結晶状態の屈折率差によっ
て生じる反射率差および位相差変化を利用して記録情報
信号の検出を行なう。通常の相変化媒体は、基板上に下
部保護層、相変化型記録層、上部保護層、反射層を設け
た構造を有し、これら層の多重干渉を利用して反射率差
および位相差を制御しCDやDVDと互換性を持たせる
ことができる。CD−RWにおいては、反射率を15〜
25%に落とした範囲内ではCDと記録信号及び溝信号
の互換性が確保でき、反射率の低いことをカバーする増
幅系を付加したCDドライブでは再生が可能である。
【0004】なお、相変化型記録媒体は消去と再記録過
程を1つの集束光ビームの強度変調のみによって行なう
ことができるため、CD−RWや書換え可能DVD等の
相変化型記録媒体において記録とは、記録と消去を同時
に行なうオーバーライト記録を含む。相変化を利用した
情報の記録には、結晶、非晶質、又はそれらの混合状態
を用いることができ、複数の結晶相を用いることもでき
るが、現在実用化されている書換可能相変化型記録媒体
は、未記録・消去状態を結晶状態とし、非晶質のマーク
を形成して記録するのが一般的である。記録層の材料と
してはいずれもカルコゲン元素、即ちS,Se,Teを
含むカルコゲナイド系合金を用いることが多い。
【0005】例えば、GeTe−SbTe疑似二元
合金を主成分とするGeSbTe系、InTe−Sb
Te疑似二元合金を主成分とするInSbTe系、S
.7Te0.3を共晶系を主成分とするAgInS
bTe系合金,GeSnTe系などである。このうち、
GeTe−SbTe疑似二元合金に過剰のSbを添
加した系、特に、GeSbTe、もしくはGe
SbTeなどの金属間化合物近傍組成が主に実用化
されている。
【0006】これら組成は、金属間化合物特有の、相分
離を伴わない結晶化を特徴とし結晶成長速度が速いた
め、初期化が容易で、消去時の再結晶化速度が速い。こ
のため従来より、実用的なオーバーライト特性を示す記
録層としては、疑似二元合金系や金属間化合物近傍組成
が注目されていた(文献Jpn.J.Appl.Phys.,vol.69(199
1),p2849,あるいはSPIE,Vol.2514(1995),pp294-301
等)。
【0007】また、従来よりGeSbTe三元組成、も
しくはこの三元組成を母体として添加元素を含有する記
録層組成に関して報告がなされている(特開昭61−2
58787号公報、特開昭62−53886号公報、特
開昭62−152786号公報、特開平1−63195
号公報、特開平1−211249号公報、特開平1−2
77338号公報等記載)。しかしながら、このような
組成の材料を書換え可能なDVRなどの高密度記録用の
光記録媒体への適用は、まだ開発が始まったばかりであ
り、解決しなければならない問題が多々ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のごとき
実情に鑑みてなされたもので、第1の目的は、このよう
な書換え可能なDVRなど、相変化型記録層を有する高
密度記録用の光記録媒体において、高速記録に対応して
記録感度も良く(ZnSSiOの役割)、急冷構造
(Taと放熱層の役割)のメディアにさせること
にある。また、第2の目的は、このような光記録媒体に
おいて、急冷構成のTaOの膜厚とZnSSiO
膜厚比を限定することで記録感度を悪くせず急冷構造に
して高速記録で高密度記録させることにある。さらに第
3の目的は、このような光記録媒体において、急冷構成
のTaの膜厚を限定することで記録感度を悪くせ
ず急冷構造にして高速記録で高密度記録させることにあ
る。さらに第4の目的は、このような光記録媒体におい
て、基板の反りを矯正するだけでなく、ゴミ等が付着し
た場合、ふき取ることができることやキズがつきにくく
することにある。さらに第5及び6の目的は、基板に溝
幅を最適化することでGe,Sb,Teを主たる構成元
素とした相変化記録層で高密度で高振幅(高モジュレー
ション)を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の
(1)「光照射による結晶とアモルファスの相転移現象
を利用した光記録媒体において、該光記録媒体は、溝を
形成した基板上に反射放熱層、第1の保護層、記録層、
第2の保護層をこの順序で積層した構成とし、該第2の
保護層はZnSとSiOの混合物よりなり、該記録層
はGe,Sb,Teを主たる構成元素とし、該反射放熱
層はAl合金よりなる記録媒体であって、第2の保護層
に接着層とカバー層を構成し、該第1保護層がZnSと
SiOの混合物層とTaの2層からなりTa
層が反射放熱層側に形成されたことを特徴とする光
記録媒体」、(2)「前記第1保護層のTa層の
膜厚が該第1保護層のZnSとSiOの混合物層膜厚
の1/5以上、1/2以下であることを特徴とする前記
第(1)項に記載の光記録媒体」、(3)「前記第1保
護層のTa層の膜厚が反射放熱層膜厚0.20以
上、0.80以下あることを特徴とする前記第(1)項
または第(2)項に記載の光記録媒体」、(4)「前記
カバー層にハードコートを形成したことを特徴とする前
記第(1)項乃至第(3)項の何れか1に記載の光記録
媒体」、(5)「前記ハードコートの膜厚が1μm以
上、5μm未満であることを特徴とする前記第(1)項
乃至第(3)項の何れか1に記載の光記録媒体」、
(6)「前記基板の溝形状においてグルーブの幅の平均
がトラックピッチの0.3以上、0.5以下であること
を特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項の何れか1
に記載の光記録媒体」により達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の光記録媒体の記
録部部分断面図を模式的に描いたものであり、基板
(1)/反射放熱層(2)/第1の保護層(3)/記録
層(4)/第2の保護層(5)/の構成を有している。
また、その上(保護層(5)の上)を紫外線もしくは熱
硬化性の樹脂で被覆(保護コート層(6))されている
(これについては後述する)、もしくはカバー層(7)
を接着層(6)で接着する。ハードコートはカバー層の
上に紫外線もしくは熱硬化性の樹脂で被覆する。図1の
ような各層の順序は、透明基板を介して記録再生用の集
束光ビーム、例えばレーザ光を記録層に照射する場合に
適している。
【0011】最初に基板(1)について説明する。基板
(1)には、ポリカーボネート、アクリル、ポリオレフ
ィンなどの透明樹脂、あるいは透明ガラスを用いること
ができる。なかでも、ポリカーボネート樹脂はCDにお
いて最も広く用いられている実績もあり、安価でもある
ので最も好ましい。基板(1)には記録再生光を案内す
るピッチ0.8μm以下の溝を設けるが、この溝は、必
ずしも幾何学的に矩形あるいは台形状の溝である必要は
なく、たとえば、イオン注入などによって、屈折率の異
なる導波路のようなものを形成して光学的に溝が形成さ
れていても良い。
【0012】次に、本発明の記録層(4)について説明
する。本発明の光記録媒体の記録層(4)は相変化型の
記録層であり、その厚みは一般的に5nmから100n
mの範囲が好ましい。記録層(3)の厚みが5nmより
薄いと充分なコントラストが得られ難く、また結晶化速
度が遅くなる傾向があり、短時間での消去が困難となり
やすい。一方100nmを越すとやはり光学的なコント
ラストが得にくくなり、また、クラックが生じやすくな
る。さらに、DVDなど再生専用ディスクと互換性をと
れるほどのコントラストを得る必要があり、かつ、最短
マーク長が0.5μm以下となるような高密度記録で
は、5nm以上25nm以下が好ましい。5nm未満で
は反射率が低くなりすぎ、また、膜成長初期の不均一な
組成、疎な膜の影響が現れやすいので好ましくない。一
方、25nmより厚いと熱容量が大きくなり記録感度が
悪くなるし、結晶成長が3次元的になるため、非晶質マ
ークのエッジが乱れジッタが高くなる傾向にある。さら
に、記録層の相変化による体積変化が顕著になり繰返し
オーバーライト耐久性が悪くなるので好ましくない。マ
ーク端のジッタ及び繰返しオーバーライト耐久性の観点
からは20nm以下とすることがより望ましい。また、
記録層の密度はバルク密度の80%以上、より好ましく
は90%以上であることが望ましい。
【0013】記録層の密度はスパッタ成膜法において
は、成膜時のスパッタガス(Ar等の希ガス)の圧力を
低くする、ターゲット正面に近接して基板を配置するな
どして、記録層に照射される高エネルギーAr量を多く
することが必要である。高エネルギーArはスパッタの
ためにターゲットに照射されるArイオンが、一部跳ね
返されて基板側に到達するものか、プラズマ中のArイ
オンが基板全面のシース電圧で加速されて基板に達する
ものかのいずれかである。このような高エネルギーの希
ガスの照射効果をatomic peening効果と
いう。一般的に使用されるArガスでのスパッタではa
tomic peening効果により、Arがスパッ
タ膜に混入される。膜中のAr量により、atomic
peening効果を見積もることができる。すなわ
ち、Ar量が少なければ、高エネルギーAr照射効果が
少ないことを意味し、密度の疎な膜が形成されやすい。
一方、Ar量が多ければ高エネルギーArの照射が激し
く、密度は高くなるものの、膜中に取り込まれたArが
繰返しオーバーライト時にvoidとなって析出し、繰
返しの耐久性を劣化させる。記録層膜中の適当なAr量
は、0.1原子%以上、1.5原子%以下である。さら
に、直流スパッタリングよりも高周波スパッタリングを
用いたほうが、膜中Ar量が少なくして、高密度膜が得
られるので好ましい。
【0014】本発明において、記録層は上述の組成を有
するGe,Sb,Teを主たる構成元素とした合金を主
成分とする薄膜からなる。すなわち、記録層中のGe,
Sb,Teの各元素量の比が上述の組成範囲にあればよ
く、記録層には必要に応じて他の元素を、合計10原子
%程度まで添加してもよい。記録層にさらに、O,N,
及びSから選ばれる少なくとも一つの元素を、0.1原
子%以上5原子%以下添加することで、記録層の光学定
数を微調整することができる。しかし、5原子%を超え
て添加することは、結晶化速度を低下させ消去性能を悪
化させるので好ましくない。
【0015】また、オーバーライト時の結晶化速度を低
下させずに、経時安定性を増すために、V,Nb,T
a,Cr,Co,Pt及びZrの少なくとも一種を、8
原子%以下添加するのが好ましい。より好ましくは、
0.1原子%以上5原子%以下添加する。SbTeに対
する、これら添加元素とGeの合計の添加量は全部で1
5原子%以下であることが望ましい。過剰に含まれると
Sb以外の相分離を誘起してしまう。特に、Ge含有量
が3原子%以上、5原子%以下の場合には添加効果が大
きい。経時安定性の向上と屈折率の微調整のために、S
i,Sn,及びPbの少なくとも一種を、5原子%以下
添加するのが好ましい。これら添加元素とGeの合計の
含有量は15原子%以下が好ましい。これら元素はGe
と同じ4配位ネットワークを持つ。Al,Ga,Inを
8原子%以下添加することは,結晶化温度を上昇させる
と同時に、ジッタを低減させたり、記録感度を改善する
効果もあるが、偏析も生じやすいため、6原子%以下と
するのが好ましい。また、Geとあわせた含有量は15
原子%以下、好ましくは13%以下とすることが望まし
い。Agを8原子%以下添加することはやはり記録感度
を改善する上で効果があり、特にGe原子量が5原子%
を超える場合に用いれば、効果が顕著である。しかし、
8原子%を超える添加は、ジッタを増加させたり、非晶
質マークの安定性を損ねるので好ましくないし、Geと
合わせた添加量が15原子%を超えると偏析を生じやす
いので好ましくない。Agの含有量として最も好ましい
のは、5原子%以下である。
【0016】さて、本発明の記録媒体の記録層(4)
は、成膜後の状態は通常、非晶質である。従って、成膜
後に、記録層全面を結晶化して初期化された状態(未記
録状態)とする必要がある。初期化方法としては、固相
でのアニールによる初期化も可能であるが、一旦記録層
を溶融させ再凝固時に徐冷して結晶化させる溶融再結晶
化による初期化が望ましい。本記録層は成膜直後には結
晶成長の核がほとんどなく、固相での結晶化は困難であ
るが、溶融再結晶化によれば、少数の結晶核が形成され
てのち、溶融して、結晶成長が主体となって高速で再結
晶化が進む。
【0017】また、本発明の記録層は、溶融再結晶化に
よる結晶と、固相でのアニールによる結晶とは反射率が
異なるため、混在するとノイズの原因となる。そして、
実際のオーバーライト記録の際には、消去部は溶融再結
晶化による結晶となるため、初期化も溶融再結晶化によ
り行なうのが好ましい。このとき、記録層を溶融するの
は局所的かつ、1ミリ秒程度以下の短時間に限る。溶融
領域が広かったり、溶融時間あるいは冷却時間が長すぎ
ると、熱によって各層が破壊されたり、プラスチック基
板表面が変形したりするためである。このような熱履歴
を与えるには、波長600〜1000nm程度の高出力
半導体レーザー光を、長軸100〜300μm、短軸1
〜3μmに集束して照射し、短軸方向を走査軸として、
1〜10m/sの線速度で走査することが望ましい。同
じ集束光でも円形に近いと溶融領域が広すぎ、再非晶質
化がおきやすく、また、多層構成や基板へのダメージが
大きく好ましくない。初期化が溶融再結晶化によって行
われたことは以下のようにして確認できる。すなわち、
該初期化後の媒体に、直径約1.5μmより小さいスポ
ット径に集束された、記録層を溶融するにたる記録パワ
ーPwの記録光を、直流的に、一定線速度で照射する。
案内溝がある場合は、その溝もしくは溝間からなるトラ
ックに、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボをか
けた状態で行なう。その後、同じトラック上に消去パワ
ーPe(≦Pw)の消去光を直流的に照射して得られる
消去状態の反射率が、全く未記録の初期状態の反射率と
ほとんど同じであれば、該初期化状態は溶融際結晶状態
と確認できる。なぜなら、記録光照射により記録層は一
旦溶融されており、それを消去光照射で完全に再結晶化
した状態は、記録光による溶融と消去光による再結晶化
の過程を経ており、溶融再結晶化された状態にあるから
である。なお、初期化状態の反射率Riniと溶融再結晶
化状態Rcryの反射率がほぼ同じであるとは、(Rini−
Rcry)/{(Rini+Rcry)/2}で定義される両者
の反射率差が20%以下であることをいう。通常、アニ
ール等の固相結晶化だけでは、その反射率差は20%よ
り大きい。
【0018】このような本発明の記録層は図1に示すよ
うに、第1の保護層(3)と第2の保護層(5)の間に
はさみ込まれた構成となって基板(1)表面(溝形成
面)に設けられる。ここで第1の保護層(3)は主とし
て、記録時の高温による基板(1)表面の変形を防止す
るのに有効である。また、第2の保護層(5)は記録層
(3)と反射放熱層(5)の相互拡散を防止し、記録層
(3)の変形を抑制しつつ、反射放熱層(2)へ効率的
に熱を逃すという機能を併せ持つ。
【0019】保護層(3)、(5)の材料としては、屈
折率、熱伝導率、化学的安定性、機械的強度、密着性等
に留意して決定される。一般的には透明性が高く高融点
である金属や半導体の酸化物、硫化物、窒化物、炭化物
やCa,Mg,Li等のフッ化物を用いることができる
が、本発明者らは種々の材料を検討した結果、上記観点
および本発明の記録層(4)を構成する材料との整合性
を考慮して、ZnSとSiOの混合物が最も好ましい
と考えている。なおこの材料に限らず、上記酸化物、硫
化物、窒化物、炭化物、フッ化物は必ずしも化学量論的
組成をとる必要はなく、屈折率等の制御のために組成を
制御したり、混合して用いることも有効である。
【0020】保護層の機能等について、もう少し詳述す
る。本発明の層構成は、急冷構造と呼ばれる層構成の一
種に属する。急冷構造は、放熱を促進し、記録層再凝固
時の冷却速度を高める層構成を採用することで、非晶質
マーク形成のときの再結晶化の問題を回避しつつ、高速
結晶化による高消去比を実現する。このため第2の保護
層(5)の膜厚は、5nm以上30nm以下とする。5
nmより薄いと、記録層溶融時の変形等によって破壊さ
れやすく、また、放熱効果が大きすぎて記録に要するパ
ワーが不必要に大きくなってしまう。
【0021】本発明の、第1の保護層の膜厚は、繰返し
オーバーライトにおける耐久性に大きく影響し、特にジ
ッタの悪化を抑制する上でも重要である。膜厚が30n
mより厚い場合には、記録時に、第2の保護層の記録側
と、反射層側とで温度差が大きくなり、保護層の両側に
おける熱膨張差から、保護層自体が非対称に変形しやす
くなる。この繰返しは、保護層内部に微視的塑性変形を
蓄積させ、ノイズの増加を招くので好ましくない。上記
のような本発明の記録層材料を用いると、最短マーク長
0.3μm以下の高密度記録において低ジッタを実現で
きるが、本発明者らの検討によれば、高密度記録を実現
するために短波長のレーザーダイオード(例えば,波長
410nm以下)を用いる場合には、上記急冷構造の層
構成についても、一層の留意が必要になる。特に、波長
が500nm以下、開口数NAが0.55以上の小さな
集束光ビームを用いた1ビームオーバーライト特性の検
討において、マーク幅方向の温度分布を平坦化すること
が、高消去比及び消去パワーマージンを広く取るために
重要であることが分かっている。この傾向は、波長39
0〜420nm、NA=0.85前後の光学系を用い
た、DVR対応の光学系においても同様である。このよ
うな光学系を用いた高密度マーク長変調記録において
は、特に熱伝導特性の低いものを第2の保護層として用
いる。好ましくはその膜厚を7nm以上25nm以下と
する。いずれの場合にも、その上に設ける高熱伝導率な
保護層を設けることで、高速記録時に熱が急激に逃げず
かつ熱傾斜ができていることから高速記録が可能とな
る。
【0022】反射放熱層はとりわけ高熱伝導率の材料と
することにより、消去比及び消去パワーマージンを改善
できる。検討によれば、広い消去パワー範囲において、
本発明の記録層が持つ良好な消去特性を発揮させるに
は、単に膜厚方向の温度分布や時間変化のみならず、膜
面方向(記録ビーム走査方向の垂直方向)の温度分布を
できるだけ平坦化できるような層構成を用いるのが好ま
しい。また、本発明者らは、光記録媒体の層構成を適切
に設計することにより、媒体中のトラック横断方向の温
度分布を平坦にすることで、溶融して再非晶質化される
ことなく、再結晶化することのできる幅を広げ、消去率
及び消去パワーマージンを広げることを試みた。一方、
熱伝導率が低くごく薄い第1の保護層を介して、記録層
から、極めて高熱伝導率の反射放熱層への放熱を促進さ
せるために第1の保護層を2層にしたことで、記録層に
おける温度分布が平坦になることがわかった。第2の保
護層の熱伝導率を高くしても放熱効果は促進されるが、
あまり放熱が促進されると、記録に要する照射パワーが
高くなる、すなわち、記録感度が著しく低下してしまう
ので第1の保護層の2層のうち、熱伝導率が高いTa
層の膜厚をZnSSiO層の膜厚の1/2以下で
あり1/5以上とすることで高速で、高密度で高感度で
記録が可能となる。
【0023】本発明においては第1の保護層を2層に
し、記録層側には低熱伝導率の保護層を用いるのが好ま
しい。低熱伝導率の、薄い保護層を用いることにより、
記録パワー照射開始時点の数nsec〜数10nsec
において、記録層から反射層への熱伝導に時間的な遅延
をあたえ、その後に反射層への放熱を促進することがで
きるため、放熱により必要以上に記録感度を低下させる
ことがない。従来知られている、SiO,Ta
,Al,AlN,SiN等を主成分とする
保護層材料は、それ自身の熱伝導率が高すぎて、単体で
使用することは好ましくないが、第1の保護層(5)を
2層のうち、反射放熱層側にこの熱伝導率の高くしかも
放熱層としてAl合金との相性およびスパッタでの安定
性とDC製膜が可能なTaを形成することで、高
速で記録が可能となる。まず、記録時にはZnSSiO
の低熱伝導率層を用いて記録し、熱を逃がす際に、直
接金属ではなく熱傾斜層として熱伝導率が高いTa
層を用いることで熱も急冷させることができるので、
記録感度を悪くせずに、高速記録が可能な記録メディア
が製作可能となる。
【0024】図3に膜厚比(Ta膜厚/ZnSS
iO/ZnSSiO膜厚)と記録できる線速および
記録感度を示した。モジュレーションが50%以上得ら
れると記録再生特性の良い許容範囲(例としてはジッタ
が10%以下となり、エラーが106台なる領域)にな
る。また記録パワーは青紫色LDでNA=0.85にし
てビーム径(1/e2)で0.4μm近傍にすると媒体
面でパルス8mW程度が最大出射パワーとなることから
記録感度が8mW以下でモジュレーションが50%以上
となることが必要となる。膜厚比(Ta膜厚/Z
nSSiO膜厚)が1/5(0.2)以上で記録でき
る線速(記録パワー8mW以下、モジュレーション50
%以上)が急激に高速で記録でき、しかもTa
形成しないメディアに比較して記録線速が約2倍早く記
録可能となっている。また、膜厚比(Ta膜厚/
ZnSSiO膜厚)が1/2(0.5)を超えると急
激に記録感度が悪くなり、記録パワーを入力したにもか
かわらず記録線速が急激に減少した。すなわち、第1の
保護層の2層の膜厚比(Ta膜厚/ZnSSiO
膜厚)は1/5以上1/2以下が記録感度が良く(8
mW以下)線速が急激に早く記録できる範囲であった。
【0025】一方、反射放熱層(2)における放熱は、
反射放熱層(2)の厚みを厚くしても達成できるが、反
射放熱層(5)の厚みが300nmを超えると、記録層
(3)膜面方向よりも膜厚方向の熱伝導が顕著になり、
膜面方向の温度分布改善効果が得られない。また、反射
放熱層(5)自体の熱容量が大きくなり、反射放熱層
(2)、ひいては記録層(3)の冷却に時間がかかるよ
うになって、非晶質マークの形成が阻害される。最も好
ましいのは、高熱伝導率の反射放熱層(5)を薄く設け
て横方向への放熱を選択的に促進することである。従来
用いられていた急冷構造は、膜厚方向の1次元的な熱の
逃げにのみ注目し、記録層(4)から反射放熱層(2)
に早く熱を逃すことのみを意図しており、この平面方向
の温度分布の平坦化に充分な留意が払われていなかっ
た。
【0026】なお、本発明の、いわば「第1の保護層で
の熱伝導遅延効果を考慮した超急冷構造」は、本発明に
係る記録層(4)に適用すると、従来のGeTe−Sb
Te記録層に比べて一層効果がある。なぜなら、本
発明の記録層(4)はTm近傍での再凝固時の結晶成長
が再結晶化の律速になっているからである。Tm近傍で
の冷却即速度を極限まで大きくして、非晶質マーク及び
そのエッジの形成を確実かつ明確なものとするには、超
急冷構造が有効であり、かつ、膜面方向の温度分布の平
坦化で、もともとTm近傍で高速消去可能であったもの
が、より高消去パワーまで確実に再結晶化による消去を
確保できるからである。
【0027】本発明においては、第2の保護層(5)の
材料としては熱伝導特性が低い方が望ましいが、その目
安は1×10−3pJ/(μm・K・nsec)であ
る。しかしながら、このような低熱伝導率材料の薄膜状
態の熱伝導率を直接測定するのは困難であり、代わり
に、熱シミュレーションと実際の記録感度の測定結果か
ら目安を得ることができる。好ましい結果をもたらす低
熱伝導率の第2の保護層材料としては、ZnS,Zn
O,TaS又は希土類硫化物のうちの少なくとも一種
を50mol%以上90mol%以下含み、かつ、融点
又は分解点が1000℃以上の耐熱性化合物とを含む複
合誘電体が望ましい。より具体的にはLa,Ce,N
d,Y等の希土類の硫化物を60mol%以上90mo
l%以下含む複合誘電体が望ましい。あるいは、Zn
S,ZnOもしくは希土類硫化物の組成の範囲を70〜
90mol%とすることが望ましい。これらと混合され
るべき、融点又は分解点が1000℃以上の耐熱化合物
材料としては、Mg,Ca,Sr,Y,La,Ce,H
o,Er,Yb,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,
Zn,Al,Si,Ge,Pb等の酸化物、窒化物、炭
化物やCa,Mg,Li等のフッ化物を用いることがで
きる。特にZnSと混合されるべき材料としてはSiO
が望ましく、本発明ではこの組み合わせが最適である
と考えている。また第1の保護層(4)はZnSSiO
とTaの2層にすることが良い。この第1の保
護層(4)の膜厚が30nmより厚いとマーク幅方向の
温度分布の充分な平坦化効果が得られないため、30n
m以下とする。好ましくは25nm以下とする。5nm
未満では、第1の保護層部での熱伝導の遅延効果が不充
分で、記録感度低下が著しくなり好ましくない。第1の
保護層(4)の厚さは、記録レーザー光の波長が600
〜700nmでは15nm〜25nmが好ましく、波長
が350〜600nmでは5〜20nmが好ましく、よ
り好ましくは5〜15nmである。なお、本発明におい
ては、上記のように第1、第2の保護層ともZnSとS
iOを混合したものとしているが、このように同じ材
料にすると、製造上のコスト低減の面からも有利であ
る。
【0028】次に、反射放熱層(2)について説明す
る。本発明においては、非常に高熱伝導率で300nm
以下の薄い反射放熱層(2)を用いて、横方向の放熱効
果を促進するのが特徴である。一般には薄膜の熱伝導率
はバルク状態の熱伝導率と大きく異なり、小さくなって
いるのが普通である。特に40nm未満の薄膜では成長
初期の島状構造の影響で熱伝導率が1桁以上小さくなる
場合があり好ましくない。さらに、成膜条件によって結
晶性や不純物量が異なり、これが同じ組成でも熱伝導率
が異なる要因になる。
【0029】本発明において良好な特性を示す高熱伝導
率の反射放熱層(2)を規定するために、反射放熱層
(2)の熱伝導率は直接測定することも可能であるが、
その熱伝導の良否を電気抵抗を利用して見積もることが
できる。金属膜のように電子が熱もしくは電気伝導を主
として司る材料においては熱伝導率と電気伝導率は良好
な比例関係があるためである。薄膜の電気抵抗はその膜
厚や測定領域の面積で規格化された抵抗率値で表わす。
体積抵抗率と面積抵抗率は通常の4探針法で測定でき、
JIS K 7194によって規定されている。本法に
より、薄膜の熱伝導率そのものを実測するよりもはるか
に簡便かつ再現性の良いデータが得られる。
【0030】本発明において好ましい反射放熱層(2)
の特性としては、体積抵抗率が20nΩ・m以上150
nΩ・m以下であり、より好ましくは20nΩ・m以上
100nΩ・m以下である。体積抵抗率20nΩ・m未
満の材料は薄膜状態では実質的に得にくい。体積抵抗率
150nΩ・mより体積抵抗率が大きい場合でも、例え
ば300nmを超える膜厚とすれば面積抵抗率を下げる
ことはできるが、本発明者らの検討によれば、このよう
な高体積抵抗率材料で面積抵抗率のみ下げても、充分な
放熱効果は得られなかった。膜厚では単位面積当たりの
熱容量が増大してしまうためと考えられる。また、この
ような膜厚では成膜に時間がかかり、材料費も増えるた
め製造コストの観点から好ましくない。さらに、膜表面
の微視的な平坦性も悪くなってしまう。好ましくは、膜
厚300nm以下で面積抵抗率0.2以上0.9Ω/□
以下が得られるような、低体積抵抗率材料を用いる。
0.5Ω/□が最も好ましい。
【0031】本発明に適した材料は、以下のとおりであ
る。例えば、Cuを0.3重量%以上5.0重量%以下
含有するAl−Cu系合金である。特に、ZnSとSi
を混合し、Taの2層の保護層(4)に対し
ては、Cuを0.5重量%以上4.0重量%以下含有す
るAl−Cu系合金が、耐食性、密着性、高熱伝導率の
すべてをバランス良く満足する反射放熱層として望まし
い。また、Siを0.3重量%以上0.8重量%以下、
Mgを0.3重量%以上1.2重量%以下含有するAl
−Mg−Si系合金も有効である。さらに、AlにT
a,Ti,Co,Cr,Si,Sc,Hf,Pd,P
t,Mg,Zr,Mo,又はMnを0.2原子%以上2
原子%以下含むAl合金は、添加元素濃度に比例して体
積抵抗率が増加し、また、耐ヒロック性が改善され、耐
久性、体積抵抗率、成膜速度等考慮して用いることがで
きる。Al合金に関しては、添加不純物量0.2原子%
未満では、成膜条件にもよるが、耐ヒロック性は不充分
であることが多い。また、2原子%より多いと上記の低
抵抗率が得られにくい。経時安定性をより重視する場合
には添加成分としてはTaが好ましい。また、ZnSと
SiOを混合したものを主成分とし、Taの2
層とした第1の保護層(4)に対しては、Taを0.5
原子%以上,0.8原子%以下とするAlTa合金が、
耐食性、密着性,高熱伝導率のすべてをバランス良く満
足する反射放熱層として望ましい。また、Taの場合、
わずか0.5原子%の添加で純AlやAl−Mg−Si
合金に比べて、スパッタリング時の成膜レートが3〜4
割アップするという製造上好ましい効果が得られる。
【0032】上記Al合金を反射放熱層として用いる場
合、好ましい膜厚は150nm以上300nm以下であ
る。150nm未満では純Alでも放熱効果は不充分で
ある。300nmを超えると、熱が水平方向より垂直方
向に逃げて、水平方向の熱分布改善に寄与しないし、反
射放熱層そのものの熱容量が大きく、却って記録層の冷
却速度が遅くなってしまう。また、膜表面の微視的な平
坦性も悪くなる。さらに、AgにTi,V,Ta,N
b,W,Co,Cr,Si,Ge,Sn,Sc,Hf,
Pd,Rh,Au,Pt,Mg,Zr,Mo,又はMn
を0.2原子%以上5原子%以下含むAg合金も望まし
い。経時安定性をより重視する場合には添加成分として
はTi,Mgが好ましい。上記Ag合金を反射放熱層と
して用いる場合、好ましい膜厚は30nm以上200n
m以下である。30nm未満では純Agでも放熱効果は
不充分である。200nmを超えると、熱が水平方向よ
り垂直方向に逃げて、水平方向の熱分布改善に寄与しな
いし、不必要な膜厚は生産性を低下させる。また、膜表
面の微視的な平坦性も悪くなる。
【0033】本発明者らは上記、Alへの添加元素、A
gへの添加元素は、その添加元素濃度に比例して、体積
抵抗率が増加することを確認している。ところで、不純
物の添加は一般的に結晶粒径を小さくし、粒界の電子散
乱を増加させて熱伝導率を低下させると考えられる。添
加不純物量を調節することは、結晶粒径を大きくするこ
とで材料本来の高熱伝導率を得るために必要である。な
お、反射放熱層は通常スパッタ法や真空蒸着法で形成さ
れるが、ターゲットや蒸着材料そのものの不純物量もさ
ることながら、成膜時に混入する水分や酸素量も含めて
全不純物量を2原子%以下とする必要がある。このため
にプロセスチャンバの到達真空度は1×10-3Pa以下
とすることが望ましい。また、10-4Paより悪い到達
真空度で成膜するなら、成膜レートを1nm/秒以上、
好ましくは10nm/秒以上として不純物が取り込まれ
るのを防ぐことが望ましい。
【0034】あるいは、意図的な添加元素を1原子%よ
り多く含む場合は、成膜レートを10nm/秒以上とし
て付加的な不純物混入を極力防ぐことが望ましい。成膜
条件は不純物量とは無関係に結晶粒径に影響を及ぼす場
合もある。例えば、AlにTaを2原子%程度混入した
合金膜は、結晶粒の間に非晶質相が混在するが、結晶相
と非晶質相の割合は成膜条件に依存する。また、低圧で
スパッタするほど結晶部分の割合が増え、体積抵抗率が
下がり、熱伝導率が増加する。膜中の不純物組成あるい
は結晶性は、スパッタに用いる合金ターゲットの製法や
スパッタガス(Ar,Ne,Xe等)にも依存する。こ
のように、薄膜状態の体積抵抗率は金属材料、組成のみ
によっては決まらない。高熱伝導率を得るためには、上
記のように、不純物量を少なくするのが望ましいが、一
方で、AlやAgの純金属は耐食性や耐ヒロック性に劣
る傾向があるため、両者のバランスを考慮して最適組成
が決まる。
【0035】さらなる高熱伝導と高信頼性をえるために
反射放熱層を多層化することも有効である。このとき、
少なくとも1層は全反射放熱層膜厚の50%以上の膜厚
を有する上記低体積抵抗率材料として実質的に放熱効果
を司り、他の層が耐食性や保護層との密着性、耐ヒロッ
ク性の改善に寄与するように構成される。より具体的に
は、金属中最も高熱伝導率および低体積抵抗率であるA
gはSを含む保護層との相性が悪く、繰返しオーバーラ
イトした場合の劣化がやや速いという傾向がある。ま
た、高温高湿の加速試験環境下で腐食を生じやすい傾向
がある。そこで、低体積抵抗率材料としてAg及びAg
合金を用い、上部保護層との間に界面層としてAlを主
成分とする合金層を1nm以上100nm以下設けるこ
とも有効である。厚さを5nm以上とすれば、層が島状
構造とならず均一に形成されやすい。
【0036】Al合金としては前述と同様に例えば、T
a,Ti,Co,Cr,Si,Sc,Hf,Pd,P
t,Mg,Zr,Mo,又はMnを0.2原子%以上2
原子%以下含むAl合金が挙げられる。界面層の厚さは
1nm未満では保護効果が不充分で、100nmを超え
ると放熱効果が犠牲になる。界面層の使用は、特に反射
放熱層がAg又はAg合金の場合に有効である。なぜな
ら、Agは本発明で好ましいとされる硫化物を含む保護
層との接触により、比較的硫化による腐食を起こしやす
いからである。
【0037】さらにAg合金反射層とAl合金界面層を
用いる場合、AgとAlは比較的相互拡散しやすい組み
合わせであるので、Al表面を1nmより厚く、酸化し
て界面酸化層を設けることがいっそう好ましい。界面酸
化層が5nm、とくに10nmを越えるとそれが熱抵抗
となり、本来の趣旨である、極めて放熱性の高い反射放
熱層としての機能が損なわれるので好ましくない。反射
放熱層の多層化は、高体積抵抗率材料と低体積抵抗率材
料を組み合わせて所望の膜厚で所望の面積抵抗率を得る
ためにも有効である。合金化による体積抵抗率調節は、
合金ターゲットの使用によりスパッタ工程を簡素化でき
るが、ターゲット製造コスト、ひいては媒体の原材料比
を上昇させる要因にもなる。従って、純Alや純Agの
薄膜と上記添加元素そのものの薄膜を多層化して所望の
体積抵抗率を得ることも有効である。層数が3層程度ま
でであれば、初期の装置コストは増加するものの、個々
の媒体コストはかえって抑制できる場合がある。反射放
熱層を複数の金属膜からなる多層反射放熱層とし、全膜
厚を40nm以上300nm以下とし、多層反射放熱層
の厚さの50%以上が体積抵抗率20nΩ・m以上15
0nΩ・m以下の金属薄膜層(多層であっても良い)と
するのが好ましい。
【0038】単なる放熱層の多層よりも効果があるの
は、図4に示すように、反射放熱層と保護層であるZn
SSiOの熱伝導率が中間で反射放熱層よりも透過率
があり、製膜時のデポレートがとれるTaを反射
放熱層と記録層の間に形成することである。しかも膜厚
比(Ta膜厚/反射放熱層膜厚)と記録できる線
速(Pw≦8mW&モジュレーション≧50%)および記
録感度(50%モジュレーションが得られる記録パワー
(mW))を図4に示すように、反射放熱層とTa20
5膜厚比が0.2以上とすると、記録できる線速が0.
1以下の倍以上と高速に記録できる。この効果は熱伝導
率の良いTa膜厚を限定することで、さらに熱伝
導率の高い金属であるAl合金やAg合金へと熱の伝導
をうまく処理できることを意味している。また膜厚比を
0.8より大きくすると急激に記録感度が悪くなるの
で、モジュレーションがとれなくなる。以上から反射放
熱層とTaの膜厚比を0.2から0.8にするこ
とで記録感度も良好で高速で記録可能なメディアができ
る。
【0039】カバー層(7)を設ける構成(図1)で、
高NAの対物レンズを用いる場合、0.3mm以下の厚
さ、より好ましくは0.06〜0.20mmの厚さが要
求されるため、シート状であることが好ましい。材料と
しては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレ
ン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウ
レタン樹脂などが挙げられるが、光学特性、コストの点
で優れるポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂が好ま
しい。上記透明シートを用いて薄型基板を形成する方法
としては、紫外線硬化性樹脂、あるいは透明な両面粘着
シートを介して、透明シートを貼りつける方法が挙げら
れる。また、紫外線硬化性樹脂を保護層上に塗布してこ
れを硬化させて薄型基板を形成してもよい。
【0040】ハードコートについては、紫外線硬化樹脂
で鉛筆硬度でH以上で傷をつけられない硬さとディスク
の面振れやチルト等の機械特性を調整するために通常5
μmから10μmを形成する。一例として、紫外線硬化
樹脂が挙げられる。たとえば三菱レーヨンの(製品名)
MH7617Nを1μm形成することでホコリや傷に強
くなる。通常MO等で形成されているハードコートの膜
厚は5μm以上であるが、本発明者が鋭意、検討を行な
った結果、本発明の記録媒体には5μm以上では膜厚ム
ラが生じ、ジッタ特性が悪くなることがわかった。
【0041】表1にハードコート膜厚を変えたサンプル
を試作し、とディスクのジッタ特性(内周、中周、外
周)を調べた結果を示した。ハードコートはスピンコー
トで塗布するため、最外周で膜厚が厚くなるために、ハ
ードコートの膜厚が6μm(設定)で外周のジッタ特性
が9%以上と(クロック−データ)悪くなる。ハードコ
ートが5μm(設定)がジッタ特性で9%以下になる限
界である。つまり、本発明には5μm未満とすることが
ジッタ特性を満足させるために必要であることがわか
る。ハードコートは粘性によっても塗り方が変わるが、
5μm以下を均一に塗るには70cps程度の粘性の紫
外線硬化樹脂を塗布する必要がある。なお、下限である
が、0.5μm以下ではハードコート膜として機械的強
度が不足して機能しないことがわかった。
【0042】
【表1】
【0043】図2は図1の保護基板(7)に代わって,
保護コート層(6)を介して、もう1枚光記録媒体を下
の光記録媒体と鏡像関係になるように貼り合わせたもの
である。下の光記録媒体の基板(1)、反射放熱層
(2)、第1の保護層(3)、記録層(4)、第2の保
護層(5)、に対応して,基板(1’)、反射放熱層
(2’)、第1の保護層(3’)、記録層(4’)、第
2の保護層(5’)よりなり、材料、各層の厚さも同じ
にされる。このようにすると、単に光記録媒体を保護で
きるだけではなく、記録容量を2倍にすることができ
る。
【0044】次に本発明の他の特徴について説明する。
図5に平均溝(グルーブ)幅をトラックピッチで割った
値に対して、高速記録13m/s、0.130μm/b
itで記録したときのモジュレーションを示した。トラ
ックピッチは0.33μmで溝記録である。比(平均溝
幅をトラックピッチで割った値)が0.2を超えるとモ
ジュレーションが急激に高くなり、0.3以上でモジュ
レーションが50%を超えて記録再生特性が良くなる。
該比が0.3以上でモジュレーションが急激に大きくな
る。モジュレーションが50%以上得られると記録再生
特性の良い許容範囲(例としてはジッタが10%以下と
なり、エラーが106台なる領域)になる。また比(平
均溝幅をトラックピッチで割った値)が0.6以上にな
るとグルーブの幅が狭くなりスタンパ形成する際にグル
ーブの幅変動が大きくなり、トラッキングが不安定でか
からなかったので本発明では比(平均溝幅をトラックピ
ッチで割った値)を0.3以上0.5以下で行なうこと
で安定したトラッキングで、モジュレーションも50%
以上あるので記録再生特性も良好な特性が得られた。
【0045】
【実施例】(実施例1)トラックピッチ0.33μm、
比(平均溝幅0.15をトラックピッチで割った値0.
33)を0.45とし厚さ1.1mm、直径120mm
のディスク状ポリカーボネート基板に、反射放熱層(A
gPdCu)140nm、第1保護層としてTa
を5nm、(ZnS−SiO2)を12nm厚、記録層
(AgInSb70Te23Ge)を12nm
厚、第2の保護層(ZnS・SiO2)を120nm
厚、順次、枚葉スパッタ装置にて成膜し、さらに変性ア
クリル性接着剤((日東電工)社製:商品名:(DA8
310−A50))で70μのポリカーボネートカバー
層を設けるとともに、該ディスクの入射側にハードコー
トとして(三菱レーヨン 社製:商品名(MH7617
N ))を1μm厚に形成し、最終厚み1.2mmの本
発明による相変化型光ディスクを作製した。メディア構
成は図1に示すとおり。評価は13m/s、線密度0.
13μm/bit,405nm,NA=0.85で評価
した。記録パワー6mW、消去パワー3mWでマルチパ
ルスで記録した。(先頭パルス幅0.4T、マルチパル
ス幅0.4T、オフパルス0.5T) マルチパルスオフパルスはボトムパワー0.2mWまで
冷却した。その結果、モジュレーション63%、ジッタ
6.8%と良好な特性を示した。
【0046】(比較例1)トラックピッチ0.33μ
m、比(平均溝幅0.15をトラックピッチで割った値
0.33)を0.45とし厚さ1.1mm、直径120
mmのディスク状ポリカーボネート基板に、反射放熱層
(AgPdCu)140nm、第1保護層として(Zn
S−SiO2)を12nm厚、記録層(AgInSb
70Te23Ge)を12nm厚、第2の保護層(Z
nS・SiO2)を120nm厚、順次、枚葉スパッタ
装置にて成膜し、さらに変性アクリル性接着剤((日東
電工)社製:商品名:(DA8310−A50))で7
0μのポリカーボネートカバー層を設けるとともに、該
ディスクの入射側にハードコートとして(三菱レーヨン
社製:商品名(MH7617N))を1μm厚に形成
し、最終厚み1.2mmの本発明による相変化型光ディ
スクを作製した。実施例と同じ条件で記録しようとした
が13m/sでは記録ができなかった。
【0047】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明の請求項1により、反射放熱層と記録
層の間の保護層を急冷構造するためにTaをZn
SSiOの2層構成にすることで、記録感度が悪くな
らずに、高速記録が可能となる。また、本発明の請求項
2により、反射放熱層と記録層間の2層保護層の膜厚比
を1/2以下であり1/5以上としたので、記録感度を
悪くせず急冷構造にして高速記録で高密度記録できる。
また、本発明の請求項3により、反射放熱層と記録層間
の保護層の一つであるTa25の膜厚が反射放熱層膜厚
0.20以上、0.80以下であることで,記録感度を
悪くせず急冷構造にして高速記録で高密度記録できる。
また、本発明の請求項4により、ハードコートを形成す
ることで、基板の反りを矯正するだけでなく、ゴミ等が
付着した場合ごみをふけることやキズがつきにくくでき
る。また、本発明の請求項5により、ハードコートの膜
厚を1μm以上、5μm未満形成することで、基板の反
りを矯正するだけでなく、ハードコート自体の膜厚を減
少させられ、ゴミ等が付着した場合ごみをふきとること
やキズがつきにくくできるという効果がある。また、本
発明の請求項6により、基板の平均溝幅をトラックピッ
チの0.3以上0.5以下することでGe,Sb,Te
を主たる構成元素とした相変化記録層で高速、高密度記
録が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用される光記録媒体の記録層などの
層構成を説明するための断面図である。
【図2】本発明が実際に完成した場合の他の構成例を説
明するための部分断面図である。
【図3】本発明における膜厚比(Ta膜厚/Zn
SSiO膜厚)と記録できる線速および記録感度を示
した図である。
【図4】本発明おける膜厚比(Ta膜厚/反射放
熱層膜厚)と記録できる線速(Pw≦8mW&モジュレ
ーション≧50%)および記録感度(50%モジュレー
ションが得られる記録パワー(mW))の関係を示した
図である。
【図5】本発明における平均溝幅に対するモジュレーシ
ョンである。
【符号の説明】
1 基板 1’ 基板 2 反射放熱層 2’ 反射放熱層 3 第1の保護層 3’ 第1の保護層 4 記録層 4’ 記録層 5 第2の保護層 5’ 第2の保護層 6 保護コート層または接着層 7 カバー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 535 G11B 7/24 535G 538 538F 561 561N B41M 5/26 B41M 5/26 X

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光照射による結晶とアモルファスの相転
    移現象を利用した光記録媒体において、該光記録媒体
    は、溝を形成した基板上に反射放熱層、第1の保護層、
    記録層、第2の保護層をこの順序で積層した構成とし、
    該第2の保護層はZnSとSiOの混合物よりなり、
    該記録層はGe,Sb,Teを主たる構成元素とし、該
    反射放熱層はAl合金よりなる記録媒体であって、第2
    の保護層に接着層とカバー層を構成し、該第1保護層が
    ZnSとSiOの混合物層とTaの2層からな
    りTa層が反射放熱層側に形成されたことを特徴
    とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記第1保護層のTa層の膜厚が
    該第1保護層のZnSとSiOの混合物層膜厚の1/
    5以上、1/2以下であることを特徴とする請求項1に
    記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記第1保護層のTa層の膜厚が
    反射放熱層膜厚0.20以上、0.80以下あることを
    特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記カバー層にハードコートを形成した
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1に記載の光
    記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記ハードコートの膜厚が1μm以上、
    5μm未満であることを特徴とする請求項1乃至3の何
    れか1に記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記基板の溝形状においてグルーブの
    幅の平均がトラックピッチの0.3以上、0.5以下で
    あることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1に記載
    の光記録媒体。
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