JP2003091600A - 医療看護業務のリスク管理方法及びリスク管理支援システム - Google Patents

医療看護業務のリスク管理方法及びリスク管理支援システム

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JP2003091600A JP2001280990A JP2001280990A JP2003091600A JP 2003091600 A JP2003091600 A JP 2003091600A JP 2001280990 A JP2001280990 A JP 2001280990A JP 2001280990 A JP2001280990 A JP 2001280990A JP 2003091600 A JP2003091600 A JP 2003091600A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医療施設において発生した各種のインシデン
トを的確に分析し、医療事故防止に効果的な対応策の立
案の一助とする。 【解決手段】 インシデントレポートにより報告された
各インシデントについて、慣れに基づく行為に関するエ
ラー、規則に基づく行為に関するエラーなどのエラー種
別と、環境施設、作業環境、作業要因、個人要因などの
直接誘因と、機関文化上の問題、医療情報管理上の問
題、専門家文化上の問題、労務管理上の問題などの間接
誘因とのそれぞれからそのインシデント発生に最も寄与
した要因を抽出し、それらを関連付けた連関鎖を定義す
る。そして、看護業務に関係なく連関鎖毎に出現率を計
算し、その出現率を参考にして対応する優先順位を決め
る。これにより、その医療施設特有の組織文化やマネー
ジメント上の問題を見つけ出し、それを解決する対応策
を立案することによって医療事故の危険性を大幅に軽減
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療現場における
各種の医療事故を防止するために、過去にその医療現場
で発生した医療看護業務上のインシデントの要因を分析
すると共にその要因を解消すべく対応策を立案するため
の医療看護業務のリスク管理方法、及び、該リスク管理
方法を実施するためのリスク管理支援システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、医療分野での情報公開が進展する
に伴い、医療事故や事故にまで至らない医療ミスに対す
る一般の人の関心も高まっている。このような中で、過
去に発生した医療や看護に関する事故の原因を子細に分
析し、事故の発生を未然に防止するための各種対応策を
立案するような、一種のリスク管理の試みが行われてい
る。
【0003】例えば、旧厚生省の1999年5月の報道
発表資料「患者誤認事故防止方策に関する検討会報告
書」には、医療過誤の原因及び対策に関する分析の事例
として、4M−4Eマトリクスによる分析とSHELモ
デルによる分析とが記載されている。これら手法の概要
は次の通りである。
【0004】(1) 4M−4Eマトリクス法 4MとはMAN(人間)、MACHINE(物、機械)、MEDIA
(環境)、MANAGEMENT(管理)という事故原因を分類す
るための4つの区分であり、一方、4EとはEDUCATION
(教育)、ENGINEERING(技術)、ENFORCEMENT(強
化)、EXAMPLE(模範)という事故対策を分類するため
の4つの区分である。これらをマトリクス状に配置する
ことにより、4つの事故原因毎に4つの事故対策案を導
出し、これを網羅的に整理しようとするものである。
【0005】(2) SHELモデル法 システムの中心に人間(L:LIVEWARE)を配置し、その周囲
にソフトウエア(S:SOFTWARE)、ハードウエア(H:HARDWAR
E)、環境(E:ENVIRONMENT)、及び人間(L:LIVEWARE)を配
置したモデルを想定し、中心のL自体の問題と関連付け
てL-S,L-H,L-E,L-Lの各インタフェースに問題がなかっ
たか否かを分析し、その結果に基づいて対策案を導出す
るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の分析
手法は、各医療事故や医療ミス毎の個別的な原因分析や
再発防止策の立案などに関しては、既に発生した事故の
事例研究を通じて看護業務の弱点に対応する改善策を立
案することができるため、或る程度有用である。しかし
ながら、このような分析手法を導入して1つの医療看護
業務の或る種類のインシデントに対する対策が採られた
場合であっても、同一医療施設における他の看護業務で
のインシデントの発生はあまり改善されないというケー
スが見受けられる。
【0007】本願発明者は、上記従来の分析手法による
分析の限界として、以下の2点に着目した。その一つ
は、総業務件数に占めるインシデント件数つまりインシ
デント発生率が不明なためリスクが算定できない、例え
ば件数の多い業務ではインシデント発生率が低くてもイ
ンシデント件数は多いが、件数が少なくともリスクの高
い業務が存在するという点である。二つ目には、異なる
インシデントを誘発する共通の潜在的要因としての各医
療施設毎に特有の要因、換言すれば、その医療施設の気
風(組織文化)や管理体制などに関する視点が欠如して
いるという点である。医療事故の発生を防止する、或い
は完全に防止するまでには至らなくても発生確率を減少
させるには、医療事故が発生する土壌や背景にまで踏み
込んだ根本的な要因の解明が不可欠である。
【0008】しかしながら、従来のリスク管理方法で
は、これらの点すなわち予測とそれに基づく改善、組織
文化や管理体制の分析が充分には行えなかった。本発明
はこのような点に鑑みて成されたものであり、その目的
とするところは、医療現場で発生する医療看護業務に関
する各種の事故を引き起こす根本的な要因を解明すると
共にそれに対する有効な対応策を導出することにより、
その医療施設での医療事故を未然に防止するために有用
な医療看護業務のリスク管理方法、及び該リスク管理方
法を実施するためのリスク管理支援システムを提供する
ことにある。
【0009】なお、通常「インシデント」はアクシデン
ト(医療事故)に相対する言葉として使用されるが、本
明細書中では、医療看護業務に関する何らかのミスや誤
った業務行為であって、看護婦等からの報告であるイン
シデントレポートによって報告されるもののことを全て
インシデントと呼ぶ。したがって、このインシデントは
結果的に必ずしも患者に悪影響を及ぼす、すなわち医療
事故に至ったものであるとは限らない。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にまず重要なことは、その医療現場で発生している医療
看護業務上のインシデントの状況を正確に把握すること
である。そのために、本発明では、各看護業務分類項目
毎に全業務件数の計数調査を行い、その医療現場で過去
に発生した各種のインシデントがそれぞれ、看護業務を
詳細に分類するために予め定めた看護業務分類項目のい
ずれに該当するのか分類し、各看護業務分類項目毎のイ
ンシデント件数を計数するとともに、それぞれのインシ
デント発生率を算出してこれを視覚的に確認できるよう
にしている。
【0011】すなわち、第1発明は、各種医療施設にお
ける医療看護業務を遂行する上で発生する各種インシデ
ントに関し、その発生原因を分析するとともに再発防止
策の立案を補助するための医療看護業務のリスク管理方
法であって、 a)各種の医療看護業務に関し、主としてその業務の行為
形態に応じて複数に分類した看護業務分類項目を予め定
めておき、 b)第1所定期間内に発生した医療看護業務を少なくとも
前記看護業務分類項目に分類するとともに、第2所定期
間内に発生したインシデントを少なくとも前記看護業務
分類項目に分類し、 c)少なくとも前記各看護業務分類項目毎に業務件数及び
インシデント件数を計数するとともに、それに基づいて
インシデント発生率を算出し、 d)前記看護業務分類項目と該項目毎のインシデント件
数、インシデント発生率を対応付けて提示する、ことを
特徴としている。
【0012】ここで、第1所定期間と第2所定期間とは
必ずしも同一期間でなくともよく、また、或る短い期間
における調査結果に基づいて所定の長い期間の結果を推
定するようにしてもよい。
【0013】上記看護業務分類項目は、各種の医療看護
業務を、例えば「患者の移動・移送」、「患者の確
認」、「輸血・注射業務」などの比較的大まかな看護業
務のカテゴリに区分するととともに、例えば「輸血・注
射業務」を「輸血」、「静脈注射」、「抜き差しの点
滴」、「持続点滴の管理」などといったより細かい看護
業務のカテゴリに細分化したものとすることができる。
また、最も大きな区分として、看護業務を、患者に直接
的に関与する(例えば患者に看護行為を行う、話しをす
る、監視するなど)直接看護業務と、患者には直接関与
しない(例えば医師より指示を受ける、看護婦同士で指
示の申し送りをするなど)間接看護業務とに大別すると
より便利である。
【0014】また、好ましくは、上述したような看護業
務分類項目毎に医療看護業務を分類するのみならず、イ
ンシデントの発生頻度を大きく左右すると予測される他
の要因も考慮して細かく分類するとよい。具体的には、
例えば年齢や症状などを考慮した患者の種別に相当する
患者要因や、看護する側の人間の状態を考慮して、日
勤、夜勤、深夜勤などの労働態様などを分類の要素とし
て加え、患者要因毎及び労働態様毎に各医療看護業務を
看護業務分類項目に分類することができる。もちろん、
更に別の分類要因を加えてもよい。
【0015】更にまた、上記課題を解決するために重要
なことは、インシデントの発生した原因を的確に把握す
ることである。特に医療施設の管理者が優先的に取り組
むべき課題を明確にするためには、インシデントを起こ
した当事者個人に係る個別的な原因だけでなく、組織的
な課題を明確化することが必要である。
【0016】そこで、上記第1発明に係るリスク管理方
法では、更に、 e)少なくとも、インシデントの原因になるエラー種別分
類項目、該インシデントを引き起こす直接的な原因とな
る直接誘因分類項目、及び、該インシデントを引き起こ
す間接的な原因となる間接誘因分類項目を予め定めてお
き、 f)各インシデント毎に、前記エラー種別分類項目、直接
誘因分類項目及び間接誘因分類項目から、当該インシデ
ントに最も関連した又は寄与したと推測し得る項目をそ
れぞれ選んで抽出するとともに、該抽出されたエラー種
別分類項目、直接誘因分類項目及び間接誘因分類項目を
関連付けた連関鎖を作成して提示する、ものとするとよ
い。
【0017】更にまた、第1発明に係るリスク管理方法
では、 g)前記看護業務分類項目毎に前記連関鎖の出現数を計算
して、該看護業務分類項目に対する前記インシデント発
生率をその出現数に応じて各連関鎖に配分し、 h)前記連関鎖毎に各看護業務分類項目において配分され
たインシデント発生率を加算することにより連関鎖別の
インシデント発生率を算出し、 i)該インシデント発生率の高い連関鎖に着目してインシ
デントを防止するための対応策を立案する、ものとする
ことができる。
【0018】上記エラー種別分類項目は、例えば「慣れ
に基づく行為に関するエラー」、「規則に基づく行為に
関するエラー」、「医学的知識に基づく行為に関するエ
ラー」、「高度な専門的判断に基づく行為に関するエラ
ー」、「突発的な事故に起因するエラー」などの項目と
することができる。直接誘因分類項目は、例えば「環境
施設要因」、「作業環境要因」、「作業要因」、「個人
要因」などの比較的大きなカテゴリに区分するとととも
に、例えば「作業環境要因」であれば「多忙による業務
の中断」、「救急」、「休日や時間外」などのより細か
い具体的な要因に細分化したものとすることができる。
また、間接誘因分類項目は、例えば「機関文化」、「医
療情報管理上の問題」、「労務管理上の問題」などの比
較的大きなカテゴリに区分するととともに、例えば「労
務管理上の問題」であれば「労働管理上の問題」、「勤
務体制上の問題」、「院内教育上の問題」、「新人職員
研修制度上の問題」などのより細かい具体的な要因に細
分化したものとすることができる。
【0019】インシデント発生率の高い連関鎖は、逆に
言えば、この連関鎖に関連した要因を解決することによ
ってそれだけ全体のインシデント発生率を大きく減少す
ることができるわけであるから、このような連関鎖に着
目して優先的に問題を解決することによって、医療事故
が発生する危険性を大幅に軽減することができる。
【0020】更にまた、第1発明に係るリスク管理方法
では、医療看護業務を前記看護業務分類項目に分類する
際に、少なくとも患者要因毎に該看護業務分類項目に対
応したインシデント発生率を算出して記憶しておき、こ
の記憶データに基づいて、新規の患者に対するリスクを
予測することもできる。
【0021】また、第2発明は上記第1発明に係る医療
看護業務のリスク管理方法を実施するためのリスク管理
支援システムであり、各種医療施設における医療看護業
務を遂行する上で発生する各種インシデントに関し、そ
の発生原因を分析するとともに再発防止策の立案を補助
するための医療看護業務のリスク管理支援システムであ
って、 a)各種の医療看護業務に関し、主としてその業務の行為
形態に応じて複数に分類した看護業務分類項目を予め記
憶させた第1記憶手段と、 b)第1所定期間内に発生した医療看護業務を少なくとも
前記看護業務分類項目に分類可能な状態で入力するため
の第1入力手段と、 c)第2所定期間内に発生したインシデントを少なくとも
前記看護業務分類項目に分類可能な状態で入力するため
の第2入力手段と、 d)前記第1及び第2入力手段により入力された情報に基
づいて少なくとも前記各看護業務分類項目毎にインシデ
ント発生率を算出する第1演算処理手段と、 e)前記看護業務分類項目と該項目毎のインシデント件
数、インシデント発生率を対応付けて画面上に表示する
表示手段と、を備えることを特徴としている。
【0022】また、この第2発明に係る医療看護業務の
リスク管理支援システムは、上記構成に加えて、 f)少なくとも、インシデントの原因となるエラー種別分
類項目、該インシデントを引き起こす直接的な原因とな
る直接誘因分類項目、及び、該インシデントを引き起こ
す間接的な原因となる間接誘因分類項目を予め記憶させ
た第2記憶手段と、 g)前記第2入力手段に含まれ、各インシデント毎に、前
記エラー種別分類項目、直接誘因分類項目及び間接誘因
分類項目から、当該インシデントに最も関連した又は寄
与したと推測し得る項目をそれぞれ選択可能な状態で入
力するための第3入力手段と、 h)該第3入力手段により入力された情報に基づいて、抽
出されたエラー種別分類項目、直接誘因分類項目及び間
接誘因分類項目を関連付けた連関鎖を作成するととも
に、これを記憶する要因分析処理手段と、を更に備える
ことを特徴としている。
【0023】更にまた、上記構成に加えて、 i)前記看護業務分類項目毎に前記連関鎖の出現数を計算
して、該看護業務分類項目に対する前記インシデント発
生率をその出現数に応じて各連関鎖に配分するととも
に、前記連関鎖毎に各看護業務分類項目において配分さ
れたインシデント発生率を加算することにより、連関鎖
別のインシデント発生率を算出する第2演算処理手段、
を備えた構成とすると尚一層好ましい。
【0024】更になお、前記第1演算処理手段は、医療
看護業務を前記看護業務分類項目に分類する際に、少な
くとも患者要因毎に該看護業務分類項目毎に対応したイ
ンシデント発生率を算出して記憶しておき、この記憶デ
ータに基づいて、新規の患者に対するリスクを予測する
構成としてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。先ず、本実施形態に
よる医療看護業務のリスク管理方法を、図1の概念図に
従って説明する。
【0026】本実施形態のリスク管理方法は、大別し
て、リスク算定ステップS1、リスク分析ステップS
2、及びリスク改善予測ステップS3という三段階のス
テップを有しており、リスク算定ステップS1のために
与えられる情報が後述の各看護業務分類項目毎の全業務
件数の計数調査結果であり、リスク分析ステップS2の
ために与えられる情報がインシデントレポートである。
インシデントレポートは、医療看護業務上で発生したイ
ンシデントの発生日時、発生状況などを看護婦などが予
め決められた様式に従って記載する報告書である。した
がって、本発明によるリスク管理方法を的確に実施する
には、インシデントレポートができる限り正確に及び怠
ることなく提出される必要がある。
【0027】上記各ステップについて次に説明する。 (A)リスク算定ステップS1 リスク算定ステップS1の主たる目的は、評価(分析)
対象であるその医療施設(以下、単に「施設」という)
で過去に発生した各種のインシデントを的確に分類する
とともに統計的に処理することによって、その施設にお
いて医療事故に繋がる可能性の高いインシデントを把握
することにある。そのために、所定期間内(例えば半年
間、一年間など)にその施設内で発生したインシデント
を複数の看護業務分類項目のいずれかに区分し、その看
護業務分類項目毎にインシデント発生率を算出する。実
際には長期間に亘る業務件数を集計することは時間的に
も労力的にも困難であるため、例えば、各施設において
予め日を定めて所定の期間(例えば平日三日間、休日一
日間の合計四日間)に発生した業務件数を集計し、これ
から一年間に発生するであろう業務件数を推計するとよ
い。便宜上、このような推計を用いても最終的な結果に
大きな差異は生じない。
【0028】ここで、医療看護業務の件数(つまり手
間)やその内容(具体的な看護行為の形態)が左右され
る要素として、患者要因と労働態様という二つの要素を
考慮した分類を行う。労働態様とは看護にたずさわる者
に関する要素であり、例えば、日勤、夜勤、深夜勤など
の勤務シフト(時間帯)であるとか、更に平日勤務、休
日勤務などの看護担当者の労働態様による分類を行うも
のとする。
【0029】他方、患者要因は文字通り看護(治療)を
受ける患者に関する要素である。特に評価対象の施設が
比較的大型の総合病院である場合、患者の範囲が非常に
広いことは容易に想像できる。当然、医療看護業務上の
リスクも患者の種類に大きく依存している。そこで、様
々な患者を次のような「患者要因」として分類する。す
なわち、患者の分類項目は、(1)15〜64歳の成年患者、
(2)65歳以上の高齢患者、(3)小児(15歳未満)、(4)意
識障害を有する患者、(5)運動障害を有する患者、(6)手
術後の患者、(7)救急患者、(8)難病或いは末期状態にあ
る患者、(9)透析治療を受けている患者、(10)問題行動
(例えば痴呆症による徘徊行為や精神障害など)のある
患者、(11)1ヶ月以上の長期間入院している患者、(12)
上記(1)〜(11)に分類できない患者、という12種類であ
る。これは、患者の看護に要する手間、必要な看護業務
の種類の相違、看護業務のリスクの相違などに応じて分
類されたものである。もちろん、或る1人の患者が上記
複数の患者要因を併せ持っていることも充分あり得る
が、統計上の処理のために、最も適当である1つの要因
を選択するものとする。好ましい選択方法の一つとして
は、先ず上記患者要因(4)〜(10)の中に該当するものが
あるか否かを判断し、該当しない場合には次に(11)に該
当するか否かを判断し、これにも該当しなければ更に
(1)〜(3)のいずれに該当するのかを判断する。なお、(1
2)は非常に特殊な場合であって、通常選択されること
はない。
【0030】更にまた、評価対象の医療施設で過去に発
生したインシデントの発生状況を詳細に把握するため
に、様々な医療看護業務を大分類と小分類のカテゴリに
分けるとともに、その各看護業務を、患者と直接的に関
与する直接看護業務と患者とは直接関与しない付帯的な
看護業務である間接看護業務とに分類するようにしてい
る。図3中のBに列記されている項目は、輸液業務に関
連した看護業務分類項目の一例である。具体的に言え
ば、直接看護業務としては、「安全」、「自立の援
助」、「患者移動・移送」、「診察・治療の介助」、
「輸血・注射業務」、「患者の確認」などの看護業務大
分類項目があり、間接看護業務としては、「指示受け・
報告」、「看護婦間の報告」、「薬剤業務・管理」、
「準備、後片づけ」などの看護業務大分類項目がある。
更に、例えば項目「輸血・注射業務」には、「輸血」、
「静脈注射」、「抜き差しの点検」、「持続点滴の管
理」、「IVH(Intravenous hyperalimentation:経中心
静脈栄養法)の開始」、「IVHの管理」、「ポンプ輸液
の管理」、「皮下注射」、「筋肉注射」等の看護業務小
分類項目が規定されている。
【0031】例えば図3に示すように、評価対象の医療
施設で業務件数調査日に計数した医療看護業務を上記看
護業務小分類項目のいずれかに区分し、その項目毎に年
間業務件数を推算する。この際に、上述したような労働
態様毎、及び患者要因毎に分類を行った上で業務件数を
計数・推算すると、よりきめの細かいリスク管理が可能
となる。また、同じく1年間に発生したインシデントも
上記看護業務小分類項目のいずれかに区分し、労働態様
毎、及び患者要因毎に、看護業務小分類項目に対応した
インシデント件数を推算する。更に、インシデント件数
を上記の年間業務件数で除して各項目毎にインシデント
発生率を算出する。その結果、図3に示すような表を作
成することができる。また、最も標準的である患者要因
(1)、つまり15〜64歳の成年患者、及び日勤の労働態様
を基準としたときの各インシデント発生率をインシデン
トオッズとして算出することにより、患者要因や労働態
様の相違によるインシデント発生の頻度の相違を容易に
求めることができる。
【0032】単にインシデント件数のみに着目している
と、インシデント件数の少ない看護業務については見逃
される傾向にあるが、上述したように子細に区分した患
者要因及び労働態様毎に、各看護業務分類項目に対応す
るインシデント発生率を算出することによって、その施
設においてインシデントの発生する確率の高い看護業務
を的確に把握し、改善すべき看護業務を抽出するのに有
用である。
【0033】(B)リスク分析ステップS2 リスク分析ステップS2の主たる目的は、その医療施設
で発生したインシデントについて看護婦などから報告さ
れたインシデントレポートに基づいて、如何なるレベル
(行為や思考の段階)で発生したインシデントであるの
かというインシデントの要因種別(エラー種別)と、そ
のインシデントの発生原因とを明確化することにある。
特に、インシデントの発生原因に関して、そのインシデ
ント発生に関する個別的な事情やインシデントを起こし
た人間の個別的な特性要因にのみ着目するのではなく、
そのインシデントを発生した潜在的な要因として、その
施設が持つ機関文化(ここでは各医療施設が有する特有
の雰囲気などの組織文化のことをいう)などに着目して
いる。そのために、ここでは各インシデントを次の三つ
の観点からそれぞれ分類する。 ・インシデントの要因種別(エラー種別) ・エラーの直接的な誘因(直接誘因) ・エラーの間接的な誘因(間接誘因)
【0034】図4はインシデントの要因種別(エラー種
別)分類項目を示す図である。エラー種別は、主として
人間のどのようなレベル(行為や思考の段階など)での
エラーであるのか区分するものであって、「(1)慣れに
基づく行為に関するエラー」、「(2)規則に基づく行為
に関するエラー」、「(3)医学的知識に基づく行為に関
するエラー」、「(4)高度な専門的判断に基づく行為に
関するエラー」、「(5)突発的な事故に起因するエラ
ー」という5種類のカテゴリを規定している。
【0035】図5及び図6は直接誘因分類項目を示す図
である。直接誘因は、そのエラーを惹起するに至った直
接的な原因について、「(1)環境施設要因」、「(2)作業
環境要因」、「(3)作業要因」、「(4)個人要因」、
「(5)チーム要因」、「(6)機器要因」及び「(7)安全防
護」の7種類の大分類項目を規定している。更に、各大
分類項目に対して小分類項目を設け、例えば項目「(2)
作業環境要因」では、「(1)多忙による業務の中断」、
「(2)救急」、「(3)休日や時間外」、「(4)思いがけな
い或いは紛らわしい出来事の発生」及び「(5)時間的切
迫感」という5種類の小分類項目を規定している。
【0036】図8は間接誘因分類項目を示す図である。
間接誘因は、主として、表面上は現れないものの、その
エラーを惹起するに至った背景的な原因であり、ここで
は、「(1)国レベルの文化上の問題」、「(2)機関文化上
の問題」、「(3)専門家文化上の問題」、「(4)医療情報
管理上の問題」、「(5)管理上の問題」、「(6)労務管理
上の問題」、「(7)事故対策上の問題」の7種類の大分
類項目を規定している。更に小分類として、「(1)国レ
ベルの文化上の問題」については「(1)国の医療水準」
及び「(2)看護教育」の2種類、「(2)機関文化上の問
題」については「(1)医療行為の標準化」、「(2)医療行
為の簡略化」、「(3)安全な業務遂行への配慮」、「(4)
患者安全への配慮」、「(5)責任体制」、「(6)規則の遵
守」、「(7)探索の推進」、「(8)医療ミスの共有化」及
び「(9)患者教育」の9種類、「(3)専門家文化上の問
題」については「(1)専門職種間の交流の存在」、「(2)
同僚による能力の評価」及び「(3)モラルの高さ」の3
種類、「(4)医療管理情報上の問題」については「(1)一
元的情報管理」及び「(2)業務情報管理」の2種類、
「(5)管理上の問題」については「(1)安全管理」、
「(2)薬剤管理」、「(3)機器管理」、「(4)適切な機器
の導入」、「(5)識別方法の導入」、「(6)病院環境」及
び「(7)医療機関の産業衛生」の7種類、「(6)労務管理
上の問題」については「(1)労働管理」、「(2)勤務体
制」、「(3)院内教育」及び「(4)新人職員研修制度」の
4種類が規定されている。この間接誘因は、従来から行
われている各種の原因分析では全く或いは殆ど考慮され
ていなかったものであり、本リスク管理方法におけるリ
スク分析で最も重要なものである。
【0037】本リスク管理方法では、或るインシデント
に関して、上述したエラー種別、直接誘因及び間接誘因
から最大の原因となったと推測し得る要因(それがなけ
ればインシデントが生じなかったと考えられるもの)を
それぞれ抽出し、それらを組み合わせた「連関鎖」を定
義する。図4〜図7に示すように各分類項目には番号が
付与されており、連関鎖はその番号を記述した連関鎖数
字列で表す。なお、連関鎖数字列を求める場合、ここで
は特に間接誘因に着目した分析を実行するために、エラ
ー種別及び直接誘因については上位1個の数字のみ、つ
まり大分類項目に付与されている番号のみを抽出するこ
ととし、合計で4個の数字列として表記する。
【0038】或るインシデントに関する連関鎖数字列の
導出方法について、例を挙げて説明する。
【0039】〔事例1(図8参照)〕手術後の患者に対
して抗生剤の点滴を続行する旨の口頭指示を看護婦が医
師より受け、看護婦はカーデックスに挟んであった点滴
箋に従って薬剤A及びBを点滴した。後になって、手術
前に行った皮内反応(アレルギ反応)の検査は薬剤C及
びDに対するもののみであって、薬剤A及びBに対する
皮内反応は実施していなかったことが判明した。
【0040】このような事例において、本来、指示は全
て口頭指示ではなく書面に記載された指示を受けるとい
う規則に反する行為であることから、エラー種別として
は「(2)規則に基づく行為に関するエラー」という項目
を抽出する。また、看護婦が指示は書面で受けるという
基本的で容易な作業を怠ったために確認作業ができなか
ったことから、直接誘因としては「(3)作業要因」の
「(3)看護業務の複雑性として看護業務が容易」という
項目を抽出する。間接要因としては、指示は書面で受け
るという規則が遵守されていなかったことから、「(2)
機関文化上の問題」の「(6)規則の遵守」という項目を
抽出する。したがって、本事例における連関鎖数字列の
一例は[2326]となる。
【0041】〔事例2(図9参照)〕2人の看護婦が一
組で相互に作業の確認(つまりダブルチェック)を行う
ことが規定されている病院において、新人の看護婦が手
術前の点滴作業を行おうとした際に、ペアの相手である
看護婦がその場に居合わせなかったため、そのままにし
ていた結果、点滴を行うのを忘れてしまって患者は手術
を受けるに至った。
【0042】このような事例において、エラー種別とし
ては「(1)慣れに基づく行為に関するエラー」という項
目を抽出する。また、看護婦が新人であったために予め
決められたペアである看護婦以外でその場に居合わせた
看護婦に確認の依頼が行えなかったものと判断できるこ
とから、直接誘因としては「(4)個人要因」の「(4)新
人」という項目を抽出する。更に、例えば新人看護婦に
は必ず他の看護婦が帯同するといった、上記状況下で新
人看護婦をフォローする態勢が整えられていなかったこ
とに原因があると判断できるから、間接誘因としては
「(6)労務管理上の問題」の「(4)新人職員研修」という
項目を抽出する。したがって、本事例における連関鎖数
字列の一例は[1464]となる。
【0043】このような各要因の判断は、通常、例えば
各医療施設又はそれよりも上位の機関に設置されたリス
ク管理委員会などにより行われる。もちろん、このよう
な連関鎖数字列を決める作業は人間の判断を伴うため、
殆ど同一のインシデントであっても、常に同一の連関鎖
が選択されるとは限らない。また、複数の要因が関連し
ている場合(実際上はこのような場合が多い)、選択さ
れる連関鎖は複数になることもある。
【0044】例えば或る病院で過去の所定期間(半年
間、1年間など)に発生したインシデントの分析とその
改善策の策定を行いたい場合には、その所定期間に発生
したインシデントに関するインシデントレポートを基
に、その全てのインシデントの連関鎖数字列を上述のよ
うにして決定する。
【0045】(3)リスク改善予測ステップS3 このリスク改善予測ステップS3の主な目的は、上記の
ようにして求めた各看護業務分類項目毎のインシデント
発生率の算出結果、及び各インシデントに対する連関鎖
数字列の抽出結果を基にして、その評価対象の医療施設
において医療事故を防止するのに最も有効な、そして優
先的に実施すべきである問題点を明らかにして、その対
応策を立案するのを補助する点にある。そのために、図
10に示すように、各看護業務の看護業務小分類項目
(図3に記載のもの)毎に、トータルの業務件数及びイ
ンシデント件数を計算するとともに、その看護業務小分
類項目に関連付けられた連関鎖数字列を抽出し、その連
関鎖数字列の出現数をそれぞれ計算する。更に、その看
護業務小分類項目に対するインシデント発生率(例えば
図3に記載のもの)を連関鎖数字列の数に応じて配分す
ることによって、各連関鎖数字列毎に出現率を求める。
【0046】上記結果は各看護業務小分類項目毎の連関
鎖数字列の出現率であるが、更に、看護業務の内容とは
無関係な連関鎖数字列毎の出現率を求めることができ
る。すなわち、図11に示すように、各連関鎖数字列毎
にその出現数を積算し、看護業務分類小項目毎のその連
関鎖数字列の出現率を加算する。そして、その加算出現
率Pの対数LogPを計算する。ここで、加算出現率Pの
高い連関鎖数字列が示す間接誘因は、看護業務の内容に
関係なく、その施設が有している潜在的且つ根本的な問
題であると考えられる。
【0047】そこで、図12に示すように、連関鎖数字
列毎に出現数の加算値(加算出現数)と加算出現率の対
数値LogPとの対応関係をグラフ上にプロットして示
す。これにより、その連関鎖数字列が全体でどのような
位置付けにあるのかが視覚的に明らかになる。例えばこ
の例では、連関鎖〔1112〕は、これに関係するインシデ
ントの発生率及び件数が共に多いことがわかるから、逆
に言えば、何らかの対策を施すことによってインシデン
トの発生率及び件数を共に大きく減少させることができ
るものである。これに対し、連関鎖〔2422〕は、関係す
るインシデントの発生率は高いものの件数は比較的少な
い。また、連関鎖〔3523〕は、関係するインシデントの
発生率及び件数が共に比較的少ないことがわかる。した
がって、医療事故を効果的に防止するには、対策を施す
優先順序として、連関鎖〔1112〕、〔2422〕、〔3523〕
とするとよいことがわかる。
【0048】こうして解決すべき問題点が明確になった
後、その対応策を検討する際には図13に一部を示すよ
うなリスク対策テーブルを参考にすることができる。こ
のリスク対策テーブルには、各間接誘因毎に対策として
考えられる情報が格納されている。例えば連関鎖数字列
〔XX23〕(但しXXは任意)である場合、間接誘因は「機
関文化上の問題」で「安全な業務遂行への配慮」が不足
しているという問題点が抽出され、この対策として、図
13のリスク対策テーブルを参照すると次のような対策
例が得られる。 (1)同一薬剤の一日当たりの投薬回数を減らす (2)薬物療法について単一の記録システムを作成する (3)薬物療法に使用する機器の種類を制限する (4)真に必要な薬剤・点滴であるかどうかをチェックを
する (5)現場の有害事象に直ちに対応できる手順を用意する こうした対策例を参照して、その施設で実施すべき或い
は改善すべき対応策を立案することができる。もちろ
ん、必ずしもリスク対策テーブルに記載されている対策
例に縛られるものではなく、上述したようなリスク分析
結果を参考にしてその施設に応じた対応策をとることが
できることは言うまでもない。
【0049】また、リスク改善の対策を講じた場合にど
の程度事故が減少するのかというリスク改善予測を次の
ようにして行うことができる。すなわち、業務件数がM
i件であるような或る直接看護業務における現時点での
インシデント発生率Piを将来的に確率Pi’に減少させ
たとき、事故の減少率は、 Mi×(Pi−Pi’) である。したがって、全ての直接看護業務について対策
を行った後の事故の減少率は、 Σ{Mi×(Pi−Pi’)}/ΣMiPi である。
【0050】更に、一回目の調査で得られた、患者要因
及び労働態様毎のインシデント発生率の算出結果などを
利用することにより、それ以降、その施設に入院する患
者に対してのインシデント発生率を予測することが可能
である。例えば、今年の調査結果から、患者要因(4)
〈意識障害を有する患者〉に対する深夜勤の看護におけ
るインシデント発生率が求まる。具体的には、この患者
要因におけるインシデント発生率は看護業務Aにおいて
患者要因(1)〈15〜64歳の成年患者〉の10倍、看護業務
Bにおいては3倍である、といった結果が得られる。そ
こで、次に患者要因(4)である患者が入院したときに、
どのような労働態様の下でどのような看護業務を行った
ときに、どの程度の確率でインシデントが発生する可能
性があるのかを即座に予測することができる。また、そ
の患者が一日のうちでその看護業務を受ける回数(件
数)も推算することができるので、入院期間中のリスク
も予測することができる。
【0051】このようにして、本実施形態によるリスク
管理方法によれば、各医療施設で過去に発生したインシ
デントを分析し、看護業務分類項目毎のインシデント発
生率を算出するとともに、インシデントの発生する要因
を機関文化などの潜在的要因にまで踏み込んで明確化す
ることができるので、その施設の機関文化や管理体制な
どに問題点がある場合にでも具体的で効果的な対応策を
策定することができ、ひいては医療事故を防止するのに
非常に有用である。
【0052】次に、上述したリスク管理方法を実施する
ためのリスク管理支援システムの一実施例について説明
する。図2は本実施例のリスク管理支援システムの構成
図である。本リスク管理支援システム1は、周知のパー
ソナルコンピュータに所定のリスク管理支援ソフトウエ
アを搭載しており、そのソフトウエアを実行しつつ必要
な事項を入力情報として与えることによって上述したよ
うな機能を具現化する。すなわち、このリスク管理支援
システム1は、図2に示すように、各種の演算処理及び
制御処理を実行するCPU21,ROM22,RAM2
3などを備えるパーソナルコンピュータ(以下「PC」
と略す)20と、これに接続されたシート読取り装置2
5と、ディスプレイなどの表示装置26と、記憶装置3
0などから構成されている。シート読取り装置25は後
述するような所定形式で情報が記入されたマークシート
を読み取るためのものである。記憶装置30にはこのシ
ステムの運用に必要な各種のデータベースとして、看護
業務分類情報31、患者要因分類情報32、労働態様分
類情報33、エラー種別分類情報34、直接誘因分類情
報35、間接誘因分類情報36、リスク対策テーブル3
7などが予め格納されている。また、演算処理の過程で
算出されたインシデント発生率などの演算結果を格納し
ておくための演算結果データ記憶部38も設けられてい
る。
【0053】看護業務分類情報31、患者要因分類情報
32、労働態様分類情報33、エラー種別分類情報3
4、直接誘因分類情報35、及び間接誘因分類情報36
は、それぞれ上述した看護業務大分類項目及び小分類項
目、患者要因分類項目、労働態様分類項目、エラー種別
分類項目、直接誘因分類項目、間接誘因分類項目に相当
する情報で、各種の医療施設で共通に利用することを考
慮して、広範囲な調査によって収集された情報を基に予
め整理されたものである。
【0054】リスク管理支援ソフトウエアの実行が開始
されると、上述したリスク算定ステップS1、リスク分
析ステップS2、リスク改善予測ステップS3に相当す
る処理を順次行うか、或いは、その一部を選択的に行う
ことになる。
【0055】例えばオペレータは、予め定められたリス
ク算定業務件数調査日に、それまでに集められていた看
護業務レポート2をPC20に読み込ませることにより
業務件数計数処理を行う。看護業務レポート2はマーク
シート形式で記入されるものであって、例えば図14、
図15に示すような形式とすることができる。例えば図
14に示す例は、各看護婦が或る調査日一日における各
直接看護業務項目の件数を各患者毎に記入するものであ
る。ここで、勤務帯が労働態様に相当する。図15に示
す例は、各看護婦が或る調査日一日における間接看護業
務項目の件数を記入するものである。間接看護業務は各
患者に対応したものではないので患者を特定する分類は
設けられていない。また、上記看護業務レポート2とは
別に、各患者の患者要因を入力するために、図16に示
すように、同じくマークシート形式で記入される患者フ
ェースシート3が利用される。この患者フェースシート
3と看護業務レポート2との記載内容をシート読取り装
置25で読み込むことにより、PC20においては図1
4に示した患者番号と患者要因とが対応付けられ、患者
要因毎の看護業務の計数が可能となる。
【0056】全ての看護業務レポート2及び患者フェー
スシート3に記入されているデータを読み込んだ後、P
C20は所定の計数処理を実行し、その結果、患者要因
毎及び労働態様毎の、各業務分類項目に対応した業務件
数が算出され、演算結果データ記憶部38に格納され
る。
【0057】一方、インシデントの発生毎に看護婦が記
入するインシデントレポート4も図17に一例を示すよ
うに基本的にはマークシート形式になっており、疾患名
欄や具体的記述欄を除き、別途定められている記入要領
に従って各欄に所望記述内容を数字として記入するよう
に規定されている。こうしたインシデントレポート4を
シート読取り装置25から読み込ませると、PC20で
は上述したようなインシデント発生率などの算出処理が
実行される。すなわち、看護業務分類情報31から読み
出されたデータに基づいて図3に示すような表のフォー
ムが作成されて表示装置26の画面上に表示され、演算
結果データ記憶部38に格納されていた業務件数データ
と、上記インシデントレポート4から読み込まれたデー
タとに基づいて患者要因毎及び労働態様毎のインシデン
ト発生率やインシデントオッズなどが自動的に計算され
て、上記表中に表示されるようになっている。こうした
表を構成するデータも演算結果データ記憶部38に保存
される。
【0058】また、上述した各看護業務小分類項目毎の
インシデント発生率に関するデータと、インシデントに
対する連関鎖数字列を定めたデータとが保存された状態
で、集計処理が指示されると、PC20は、各インシデ
ントに対応する連関鎖数字列を抽出し、その連関鎖数字
列毎の出現数を計算する。更に、その看護業務小分類項
目に対するインシデント発生率を連関鎖数字列の数に応
じて配分することによって、各連関鎖数字列の出現率を
求める。このような処理の結果は、図10に示すような
表形式で表示装置26の画面上に表示される。
【0059】次いで、看護業務小分類項目とは無関係に
連関鎖数字列毎の出現率を計算し、その結果を図11に
示すような表形式で表示装置26の画面上に表示する。
更にまた、図12に示すように、連関鎖数字列毎に出現
数の加算値と加算出現率の対数値LogPとの対応関係を
グラフ上にプロットして描出する。これにより、オペレ
ータは、その連関鎖数字列が全体でどのような位置付け
にあるのかを視覚的に知ることができる。更にまた、そ
の連関鎖数字列に応じてリスク対策テーブル36から対
応する情報が読み出され、対策例として表示装置26の
画面上に表示される。これにより、インシデントを低減
させるために必要な対策案の策定を補助することができ
る。
【0060】また、上述した通り、演算結果データ記憶
部38にはそれ以前の調査によって収集・算出されたイ
ンシデント発生率などのデータが蓄積されているから、
例えば、新しい入院患者があった場合に、その患者の患
者要因をPC20に入力し所定の操作を行うことによっ
て、その患者に対するインシデント発生率を始めとする
リスクを予測することができる。
【0061】なお、上述したようにマークシートを利用
したインシデントレポートを作成し、これをシート読取
り装置25から読み込ませる以外に、各看護婦がインシ
デントレポートに対応するデータをPC20に直接入力
するような構成としてもよい。すなわち、オペレータが
キーボードから所定の操作を行うと、エラー種別分類情
報34、直接誘因分類情報35、及び間接誘因分類情報
36から読み出されたデータに基づいて、図18に示す
ようなインシデント分類項目入力設定画面が表示装置2
6の画面上に表示される。この入力設定画面では、上記
三分類項目がそれぞれ上下スクロール及びクリック操作
等により選択可能となっており、オペレータはこの画面
に沿って上記リスク管理委員会などの決定に従い各分類
項目を選択してクリック操作或いは直接数値を入力する
などの操作を行えば、個別のインシデント毎に連関鎖数
字列を決めることができる。
【0062】なお、上述したような主として表計算であ
る演算処理を実行する際には、周知の表計算ソフトウエ
ア(例えばマイクロソフト社のMicrosoft Excelなど)
を利用してもよい。
【0063】このようにして上記記載のリスク管理支援
システムを使用すれば、上述したような医療施設におい
て発生するインシデントを低減するためのリスク管理方
法を容易に実施することができる。
【0064】なお、上記実施形態は本発明の単に一例で
あって、本発明の趣旨の範囲で適宜変形や修正を加えた
ものも本発明の請求の範囲に包含されることは明らかで
ある。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、第1発明に係る医
療看護業務のリスク管理方法によれば、各看護業務分類
項目毎にインシデントの発生件数を把握することができ
るのみならず、インシデント発生率として把握すること
ができるので、どのような看護業務でインシデントが発
生する恐れが高いのかを的確に認識することができる。
また、インシデント発生の潜在的要因として評価対象の
医療施設特有の問題、管理体制や組織文化などにまで踏
み込んでその原因を明確化することができるので、その
施設のマネージメントなどに問題がある場合にはその問
題を解決するための的確な対応策を立案することができ
る。更に、患者要因や労働態様に対応したインシデント
発生率とインシデントの起こり易い看護業務とを予測で
きるので、医療事故の防止に非常に有用である。
【0066】また、第2発明に係るリスク管理の支援シ
ステムを用いれば、上記リスク管理方法に関して必要な
一連の処理を迅速に且つスムーズに実施することがで
き、更に、異なる医療施設において同一の基準で容易に
リスク管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるリスク管理方法の
概念図。
【図2】 本実施形態によるリスク管理方法を実施する
ためのリスク管理支援システムの基本構成図。
【図3】 看護業務分類情報の一例を示す図。
【図4】 エラー種別分類情報の一例を示す図。
【図5】 インシデントの直接誘因分類情報の一例を示
す図。
【図6】 インシデントの直接誘因分類情報の一例を示
す図。
【図7】 インシデントの間接誘因分類情報の一例を示
す図。
【図8】 或るインシデントに対する連関鎖の選択の一
例を示す図。
【図9】 或るインシデントに対する連関鎖の選択の一
例を示す図。
【図10】 リスク分析の一例を示す図。
【図11】 リスク分析の一例を示す図。
【図12】 リスク分析の一例を示す図。
【図13】 リスク対策テーブルの一例を示す図。
【図14】 マークシート形式の看護業務レポートの一
例を示す図。
【図15】 マークシート形式の看護業務レポートの一
例を示す図。
【図16】 マークシート形式の患者フェースシートの
一例を示す図。
【図17】 マークシート形式のインシデントレポート
の一例を示す図。
【図18】 インシデントレポートに対応するインシデ
ント分類項目入力設定画面の一例を示す図。
【符号の説明】
1…リスク管理支援システム 2…看護業務レポート 3…患者フェースシート 4…インシデントレポート 20…パーソナルコンピュータ(PC) 21…CPU 22…ROM 23…RAM 25…シート読取り装置 26…出力装置 30…記憶装置 31…看護業務分類情報 32…患者要因分類情報 33…労働態様分類情報 34…エラー種別分類情報 35…直接誘因分類情報 36…間接誘因分類情報 37…リスク対策テーブル 38…演算結果データ記憶部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各種医療施設における医療看護業務を遂
    行する上で発生する各種インシデントに関し、その発生
    原因を分析するとともに再発防止策の立案を補助するた
    めの医療看護業務のリスク管理方法であって、 a)各種の医療看護業務に関し、主としてその業務の行為
    形態に応じて複数に分類した看護業務分類項目を予め定
    めておき、 b)第1所定期間内に発生した医療看護業務を少なくとも
    前記看護業務分類項目に分類するとともに、第2所定期
    間内に発生したインシデントを少なくとも前記看護業務
    分類項目に分類し、 c)少なくとも前記各看護業務分類項目毎に業務件数及び
    インシデント件数を計数するとともに、それに基づいて
    インシデント発生率を算出し、 d)前記看護業務分類項目と該項目毎のインシデント件
    数、インシデント発生率を対応付けて提示する、 ことを特徴とする医療看護業務のリスク管理方法。
  2. 【請求項2】 e)少なくとも、インシデントの原因とな
    るエラー種別分類項目、該インシデントを引き起こす直
    接的な原因となる直接誘因分類項目、及び、該インシデ
    ントを引き起こす間接的な原因となる間接誘因分類項目
    を予め定めておき、 f)各インシデント毎に、前記エラー種別分類項目、直接
    誘因分類項目及び間接誘因分類項目から、当該インシデ
    ントに最も関連した又は寄与したと推測し得る項目をそ
    れぞれ選んで抽出するとともに、該抽出されたエラー種
    別分類項目、直接誘因分類項目及び間接誘因分類項目を
    関連付けた連関鎖を作成して提示する、 ことを特徴とする請求項1に記載の医療看護業務のリス
    ク管理方法。
  3. 【請求項3】 g)前記看護業務分類項目毎に前記連関鎖
    の出現数を計算して、該看護業務分類項目に対する前記
    インシデント発生率をその出現数に応じて各連関鎖に配
    分し、 h)前記連関鎖毎に各看護業務分類項目において配分され
    たインシデント発生率を加算することにより連関鎖別の
    インシデント発生率を算出し、 i)該インシデント発生率の高い連関鎖に着目してインシ
    デントを防止するための対応策を立案する、ことを特徴
    とする請求項2に記載の医療看護業務のリスク管理方
    法。
  4. 【請求項4】 医療看護業務を前記看護業務分類項目に
    分類する際に、少なくとも患者要因毎に該看護業務分類
    項目に対応したインシデント発生率を算出して記憶して
    おき、この記憶データに基づいて、新規の患者に対する
    リスクを予測するようにしたことを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の医療看護業務のリスク管理方
    法。
  5. 【請求項5】 各種医療施設における医療看護業務を遂
    行する上で発生する各種インシデントに関し、その発生
    原因を分析するとともに再発防止策の立案を補助するた
    めの医療看護業務のリスク管理支援システムであって、 a)各種の医療看護業務に関し、主としてその業務の行為
    形態に応じて複数に分類した看護業務分類項目を予め記
    憶させた第1記憶手段と、 b)第1所定期間内に発生した医療看護業務を少なくとも
    前記看護業務分類項目に分類可能な状態で入力するため
    の第1入力手段と、 c)第2所定期間内に発生したインシデントを少なくとも
    前記看護業務分類項目に分類可能な状態で入力するため
    の第2入力手段と、 d)前記第1及び第2入力手段により入力された情報に基
    づいて、少なくとも前記各看護業務分類項目毎にインシ
    デント発生率を算出する第1演算処理手段と、 e)前記看護業務分類項目と該項目毎のインシデント件
    数、インシデント発生率を対応付けて画面上に表示する
    表示手段と、 を備えることを特徴とする医療看護業務のリスク管理支
    援システム。
  6. 【請求項6】 f)少なくとも、インシデントの原因とな
    るエラー種別分類項目、該インシデントを引き起こす直
    接的な原因となる直接誘因分類項目、及び、該インシデ
    ントを引き起こす間接的な原因となる間接誘因分類項目
    を予め記憶させた第2記憶手段と、 g)前記第2入力手段に含まれ、各インシデント毎に、前
    記エラー種別分類項目、直接誘因分類項目及び間接誘因
    分類項目から、当該インシデントに最も関連した又は寄
    与したと推測し得る項目をそれぞれ選択可能な状態で入
    力するための第3入力手段と、 h)該第3入力手段により入力された情報に基づいて、抽
    出されたエラー種別分類項目、直接誘因分類項目及び間
    接誘因分類項目を関連付けた連関鎖を作成するととも
    に、これを記憶する要因分析処理手段と、 を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の医療看
    護業務のリスク管理支援システム。
  7. 【請求項7】 i)前記看護業務分類項目毎に前記連関鎖
    の出現数を計算して、該看護業務分類項目に対する前記
    インシデント発生率をその出現数に応じて各連関鎖に配
    分するとともに、前記連関鎖毎に各看護業務分類項目に
    おいて配分されたインシデント発生率を加算することに
    より、連関鎖別のインシデント発生率を算出する第2演
    算処理手段、 を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の医療看
    護業務のリスク管理支援システム。
  8. 【請求項8】 前記第1演算処理手段は、医療看護業務
    を前記看護業務分類項目に分類する際に、少なくとも患
    者要因毎に該看護業務分類項目毎に対応したインシデン
    ト発生率を算出して記憶しておき、この記憶データに基
    づいて、新規の患者に対するリスクを予測するようにし
    たことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の医
    療看護業務のリスク管理支援システム。
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