JP2006338396A - リスクマネジメントシステム、シミュレーション方法およびプログラム - Google Patents

リスクマネジメントシステム、シミュレーション方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 インシデント・アクシデント発生リスクが最小になるように看護師に対し予定業務の割り当てを行う。
【解決手段】 本発明は、クリニカルパスにおける各日または各業務時間帯について、予定業務の実施によって発生する損失リスクが最小となるように各看護師に対して予定業務の割り当てを行うシミュレーション方法であって、クリニカルパスと、勤務表と、看護師情報テーブルと、所定労働時間テーブルと、業務量テーブルと、インシデント・アクシデント発生確率テーブルと、インシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルと、を用い、前記日または前記業務時間帯において発生する損失リスクに関する目的関数を、各看護師の労働時間が各看護師の前記日または業務時間帯における所定労働時間を越えないことを表す制約条件の下で最適化して、各看護師に対する予定業務の割り当てパターンを求める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、クリニカルパスを用いたリスクマネジメントシステム、シミュレーション方法およびプログラムに関する。
医療リスクマネジメントに関する従来の技術としては、インシデント・アクシデントデータベースがあり、これを用いて業務改善が行われてきた。インシデント・アクシデントデータベースは、どのような状況でどのような事故が起こりそうになったか(インシデント)および実際に行ったか(アクシデント)を格納したデータベースである。
業務割り当てに関する従来の技術としては、月ごとの休日や夜勤の回数、夜勤後の日勤の禁止、等の制約を見たす勤務表を自動的に作成するソフトウェアがある。
特表2005−502137公報 特開2004−118664公報
しかし、患者は勤務表作成(例えば月の頭に作成)後に随時発生するものであり、患者の疾病によって業務量が決まるので、勤務表作成時には、出勤日等は決定できても看護師への業務の割り当てを行うことはできず、したがって業務の実行に係るインシデント・アクシデント発生のリスクを評価することができない。例えば、勤務表上で看護師の配置が少ない日であっても、その日の予定業務が少ない場合や予定業務がインシデント・アクシデント発生確率の少ない業務のみである場合には、必ずしもその日のインシデント・アクシデント発生リスクが高いとはいえない。
またインシデント・アクシデントデータベースでは、過去のインシデント・アクシデントの統計データに基づいてリスク要因を排除することができるが、将来の予定業務についてのリスクを評価することができない。
本発明は、インシデント・アクシデントの発生リスクが最小になるように看護師に対し予定業務の割り当てを行うことのできるリスクマネジメントシステム、シミュレーション方法およびプログラムを提供する。
本発明の一態様としてのリスクマネジメントシステムは、患者に対して実施予定の予定業務を日別または日別かつ業務時間帯別に保持したクリニカルパスと、各看護師の勤務予定を日別または日別かつ業務時間帯別に保持した勤務表と、各看護師のスキルレベルを保持した看護師情報テーブルと、業務内容と、業務の実施に要する標準所要時間とを保持した業務量テーブルと、前記業務内容と、インシデント・アクシデントレベルと、前記インシデント・アクシデントの発生確率とを保持したインシデント・アクシデント発生確率テーブルと、前記インシデント・アクシデントレベルと、前記インシデント・アクシデントレベルのインシデント・アクシデントが生じた場合の損失とを保持したインシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルと、乱数発生部と、前記クリニカルパスにおける前記日または前記業務時間帯について、予定業務の実施によって発生する損失リスクが最小となるように各看護師に対して予定業務の割り当てを行うシミュレーション部であって、前記インシデント・アクシデント発生確率テーブルと前記インシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルとを用いて、前記インシデント・アクシデントが生じた場合に発生する損失の期待値を予定業務ごとに計算する手段と、前記看護師情報テーブルと前記インシデント・アクシデント発生確率テーブルとを用いて、各看護師が各予定業務を実施したとした場合における看護師別かつ予定業務別のインシデント・アクシデントの発生確率を看護師別業務別発生確率として計算する手段と、前記日または前記業務時間帯において各看護師が各予定業務を実施したとした場合におけるインシデント・アクシデントの発生パターンを、前記看護師別業務別発生確率に従って前記乱数発生部に複数発生させる手段と、前記業務量テーブルと前記看護師情報テーブルとに基づいて、各看護師が各予定業務を実施したとした場合に要する看護師別かつ予定業務別の実施所要時間を計算する手段と、計算された予定業務ごとの損失の期待値と、発生させられた複数のインシデント・アクシデントの発生パターンと、各看護師に対する予定業務の割り当てパターンを示す割当パターン変数とを用いる目的関数を、計算された看護師別かつ予定業務別の実施所要時間と前記割当パターン変数とを用いて各看護師の労働時間が各看護師の所定労働時間を越えないことを規定する制約条件の下で最適化することにより前記割当パターン変数を求める手段と、を有するシミュレーション部と、を備える。
本発明の一態様としてのリスクマネジメントシステムは、日別または日別かつ業務時間別に、患者に対して実施予定の予定業務に看護師を割り当てた業務割り当て計画テーブルと、各看護師のスキルレベルを保持した看護師情報テーブルと、業務内容と、インシデント・アクシデントレベルと、前記インシデント・アクシデントの発生確率とを保持したインシデント・アクシデント発生確率テーブルと、前記インシデント・アクシデントレベルと、前記インシデント・アクシデントレベルのインシデント・アクシデントが生じた場合の損失とを保持したインシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルと、乱数発生部と、前記業務割り当て計画テーブルの下、前記日または前記業務時間帯における予定業務の実施に伴う損失リスクを算出するシミュレーション部であって、前記インシデント・アクシデント発生確率テーブルと前記インシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルとを用いて、前記インシデント・アクシデントが生じた場合に発生する損失の期待値を予定業務ごとに計算する手段と、前記看護師情報テーブルと前記インシデント・アクシデント発生確率テーブルとを用いて、各看護師が各予定業務を実施したとした場合における看護師別かつ予定業務別のインシデント・アクシデントの発生確率を看護師別業務別発生確率として計算する手段と、前記業務時間帯において各看護師が各予定業務を実施したとした場合におけるインシデント・アクシデントの発生パターンを前記看護師別業務別発生確率に従って前記乱数発生部に複数発生させる手段と、前記業務割り当て計画テーブルから得られる前記日または前記業務時間帯における各看護師に対する予定業務の割り当てパターンと、計算された予定業務ごとの損失の期待値と、発生させられた複数のインシデント・アクシデントの発生パターンとを用いて、前記日または前記業務時間帯に発生する損失リスクを算出する手段と、を有するシミュレーション部と、を備える。
本発明の一態様としてのシミュレーション方法は、患者に対して実施予定の予定業務を日別または日別かつ業務時間帯別に保持したクリニカルパスにおいて、前記日または前記業務時間帯における予定業務の実施によって発生する損失リスクが最小となるように前記日または前記業務時間帯に出勤予定の各看護師に対して予定業務の割り当てを行うシミュレーション方法であって、前記クリニカルパスと、各看護師の勤務予定を日別または日別かつ業務時間帯別に保持した勤務表と、各看護師のスキルレベルを保持した看護師情報テーブルと、業務内容と業務の実施に要する標準所要時間とを保持した業務量テーブルと、前記業務内容とインシデント・アクシデントレベルと前記インシデント・アクシデントの発生確率とを保持したインシデント・アクシデント発生確率テーブルと、前記インシデント・アクシデントレベルと前記インシデント・アクシデントレベルのインシデント・アクシデントが生じた場合の損失とを保持したインシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルと、を用意し、前記インシデント・アクシデント発生確率テーブルと前記インシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルとを用いて、前記インシデント・アクシデントが生じた場合に発生する損失の期待値を予定業務ごとに計算し、前記看護師情報テーブルと前記インシデント・アクシデント発生確率テーブルとを用いて、各看護師が各予定業務を実施したとした場合における看護師別かつ予定業務別のインシデント・アクシデントの発生確率を看護師別業務別発生確率として計算し、前記日または前記業務時間帯において各看護師が各予定業務を実施したとした場合におけるインシデント・アクシデントの発生パターンを前記看護師別業務別発生確率に従って乱数として複数発生させ、前記業務量テーブルと前記看護師情報テーブルとに基づいて、各看護師が各予定業務を実施したとした場合に要する看護師別かつ予定業務別の実施所要時間を計算し、計算された予定業務ごとの損失の期待値と、発生させられた複数のインシデント・アクシデントの発生パターンと、各看護師に対する予定業務の割り当てパターンを示す割当パターン変数とを用いる目的関数を、計算された看護師別かつ予定業務別の実施所要時間と前記割当パターン変数とを用いて各看護師の労働時間が各看護師の所定労働時間を越えないことを規定する制約条件の下で最適化することにより各看護師に対する前記割当パターン変数を求める。
本発明の一態様としてのプログラムは、患者に対して実施予定の予定業務を日別または日別かつ業務時間帯別に保持したクリニカルパスにおいて、前記日または前記業務時間帯における予定業務の実施によって発生する損失リスクが最小となるように、前記日または前記業務時間帯に出勤予定の各看護師に対して予定業務の割り当てを行うシミュレーションをコンピュータに実行させるプログラムであって、業務内容とインシデント・アクシデントレベルとインシデント・アクシデントの発生確率とを保持したインシデント・アクシデント発生確率テーブルと、前記インシデント・アクシデントレベルと前記インシデント・アクシデントレベルのインシデント・アクシデントが生じた場合の損失とを保持したインシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルとを用いて、前記インシデント・アクシデントが生じた場合に発生する損失の期待値を予定業務ごとに計算するステップと、各看護師のスキルレベルを保持した看護師情報テーブルと前記インシデント・アクシデント発生確率テーブルとを用いて、各看護師が各予定業務を実施したとした場合における看護師別かつ予定業務別のインシデント・アクシデントの発生確率を看護師別業務別発生確率として計算するステップと、前記日または前記業務時間帯において各看護師が各予定業務を実施したとした場合におけるインシデント・アクシデントの発生パターンを前記看護師別業務別発生確率に従って乱数として複数発生させるステップと、業務内容と業務の実施に要する標準所要時間とを保持した業務量テーブルと前記看護師情報テーブルとに基づいて、各看護師が各予定業務を実施したとした場合に要する看護師別かつ予定業務別の実施所要時間を計算するステップと、計算された予定業務ごとの損失の期待値と、発生させられた複数のインシデント・アクシデントの発生パターンと、各看護師に対する予定業務の割り当てパターンを示す割当パターン変数とを用いる目的関数を、計算された看護師別かつ予定業務別の実施所要時間と前記割当パターン変数とを用いて各看護師の労働時間が各看護師の所定労働時間を越えないことを規定する制約条件の下で最適化することにより各看護師に対する前記割当パターン変数を求めるステップと、をコンピュータに実行させる。
本発明により、インシデント・アクシデントの発生リスクが最小になるように看護師に対し予定業務の割り当てを行うことができる。
本発明の実施の形態は、クリニカルパスを用いて入院患者に関する将来の予定業務を見積もり、勤務表上の各時間帯に勤務予定になっている看護師に、インシデント・アクシデント発生リスクが最小になるように予定業務の割り当てを行う。また、既に作成された業務割り当て計画の元での将来の業務時間帯別のリスクを計算することで、将来の業務時間帯別のリスクの評価を定量的に行う。以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に従ったリスクマネジメントシステムの構成を概略的に示すブロック図である。
このリスクマネジメントシステムは、入院患者別クリニカルパス保持部11、業務量テーブル保持部12、所定労働時間テーブル保持部13、インシデント・アクシデント発生確率テーブル保持部14、インシデント・アクシデントレベル損失対応テーブル保持部15、勤務表保持部16、看護師情報テーブル保持部17、業務割り当て計画保持部18、シミュレーション部20および乱数発生部21を備える。シミュレーション部20および乱数発生部21は通常のプログラミング技法により生成したプログラムを汎用コンピュータに実行させることによって実現してもよいし、専用のコンピュータによって実現してもよい。
入院患者別クリニカルパス保持部11は、入院患者別のクリニカルパスを保持する。
図2は、ある患者のクリニカルパスの例を示す。
クリニカルパスとは、疾患ごとの標準的な治療工程で、入院日(あるいはその前日)から、日別かつ業務時間帯に別に、業務内容別の標準的な業務内容が記述されたものである。本実施の形態ではクリニカルパスは日別かつ業務時間帯別に患者の治療工程を含むが、単に日別に患者の治療工程を含んでもよい。
各入院患者については、医師の診察により、入院日が決定され、標準的なクリニカルパスを基本に、入院日以降の各日および各業務時間帯について入院患者に対し実施予定の処置が記述される。
また、患者別のクリニカルパスの各日に、処置の実施や入院日の経過の上での目標である当該患者のADL(Activities of Daily Living)(患者の状態レベル)などの状態・症状を記述することもありうる。クリニカルパス上のある時点におけるある処置の結果、患者が目標と異なる状態になった場合、その状態と目標の状態の差をバリアンスと言い、クリニカルパスに記録され、バリアンスに応じて、その時点以降のクリニカルパス上の処置の予定が変更される。
クリニカルパスを入院患者に適用することで、各入院患者について将来の各日に、どの業務が、どの程度発生するかを見積もることができる。各患者についてのクリニカルパスによる将来業務の見積もりを病棟あるいは病院の全入院患者について日別に集計することにより、病棟あるいは病院全体での将来の日別の業務を見積もることができる。
業務量テーブル保持部12は、業務量テーブルを保持する。
図3は、業務量テーブルの例を示す。
この業務量テーブルは、業務内容、標準所要時間、看護師スキルレベル係数およびADLレベル係数を含む。クリニカルパス上の各業務の所要時間は、業務内容ごとの標準所要時間、業務を実施する看護師のスキルレベル、業務により処置を受ける患者のADL(Activities of Daily Living)レベル、などの関数によって計算される。この際は表に示す係数(看護師スキルレベル係数、ADLレベル係数)を用いてもよい。なお、クリニカルパス上の各業務の所要時間は、業務量調査により当該業務の実行にかかる時間を見積もることによって取得してもよい。
所定労働時間テーブル保持部13は、所定労働時間テーブルを保持する。
図4は、所定労働時間テーブルの例を示す。
看護師別、勤務時間帯(業務時間帯)別の所定労働時間が設定される。看護師、勤務時間帯の区別無く、一律に8時間などと設定してもよい。また、看護師別、勤務時間帯別に残業可能時間を設定してもよい。
インシデント・アクシデント発生確率テーブル保持部14は、インシデント・アクシデント発生確率テーブルを保持する。
図5は、インシデント・アクシデント発生確率テーブルの例を示す。
このインシデント・アクシデント発生確率テーブルは、業務内容、インシデント・アクシデントレベル、発生確率、看護師スキルレベル係数およびADLレベル係数を含む。クリニカルパス上の各業務に関し、当該業務をある看護師に割り当てた場合のインシデント・アクシデントの発生確率は、当該業務の内容、インシデント・アクシデントの平均発生確率(図5の発生確率を同一の業務内容で合計したもの)、当該業務を実施する看護師のスキルレベル、当該業務により処置を受ける患者のADL(Activities of Daily Living)レベル、などの関数(ロジスティック関数など)によって計算される。この際は、図5の表に示す各係数(看護師スキルレベル係数、ADLレベル係数)を用いてもよい。インシデント・アクシデントレベルは、例えば値が低いほど軽度なインシデントまたはアクシデントであり、値が大きいほど重度なインシデントまたはアクシデントであることを示す。
また、過去のインシデント・アクシデントの情報を格納したインシデント・アクシデントデータベースを調査することにより、当該業務を1回実行した場合のインシデント・アクシデントの平均発生確率を推定してもよい。
インシデント・アクシデントレベル損失対応テーブル保持部15は、インシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルを保持する。
図6は、インシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルの例を示す。
インシデント・アクシデントレベルごとに、時間的損失および経済的損失が示される。時間的損失および経済的損失は、例えば裁判のために要する時間および費用である。
勤務表保持部16は、勤務表を保持する。
図7は、勤務表の例を示す。
看護師の勤務表は、通常、月初めに人手あるいは勤務表作成ソフトウェアにより作成される。看護師別に、日別に、日勤・準夜勤・深夜勤といった業務時間帯別の勤務予定が記述されている。勤務表は、単に日別の出勤予定を含んでもよい。
看護師情報テーブル保持部17は、看護師情報テーブルを保持する。
図8は、看護師情報テーブルの例を示す。
この看護師情報テーブルは、看護師ID、看護師の所属診療科(病棟)、経験年数、スキルレベルの情報を保持する。クリニカルパス上の業務の担当が看護師以外の場合も同様のテーブルを用いて情報を保持できる。
業務割り当て計画保持部18は、業務割り当て計画テーブルを保持する。
図9は、業務割り当て計画テーブルの例を示す。
業務割り当て計画テーブルは、入院患者別クリニカルパス保持部11に保持される患者別のクリニカルパスにおいて実施が予定されている各業務について、業務を割り当てられた担当看護師(および他職種の担当者)を記述する。すなわち、業務割り当て計画テーブルは、クリニカルパス上の各日の各時間帯において実施が予定されている業務に対する担当看護師の割り当てを保持する。業務割り当て計画テーブルはシミュレーション部20により作成あるいは更新される。または、人手により作成あるいは調整される。
シミュレーション部20は、業務実施時の損失リスクが最小になるように、各日の各業務時間帯について、クリニカルパス(複数人分)上での実施予定の予定業務を、勤務表において勤務予定に入っている看護師に割り当てる(第1のシミュレーション)。すなわち、シミュレーション部は、シミュレーションにより勤務割り当て計画テーブル(図9参照)を作成する。
乱数発生部21は、業務別および看護師別のインシデント・アクシデントの発生確率に基づいて、各業務を各看護師が実施した場合のインシデント・アクシデント発生パターン(後述)を示す乱数を発生させる。
以下第1のシミュレーション(業務実施時の損失リスク最小化割り当て方法)について詳細に説明する。
シミュレーション部20は、以下の定式化で表現される割り当て方法を実装することで、業務実施時の損失リスクが最小になるように、クリニカルパス上で実施予定の業務を勤務表上で勤務予定の看護師に割り当てる。
(1)定式化において用いる記号
Tkj:第k業務時間帯に出勤する看護師jの所定労働時間(図4参照)

γkj:第k業務時間帯に出勤する看護師jの残業可能時間

tij:第k業務時間帯に実施予定の業務iを看護師jが行った場合の所要時間
tijは過去の実績から下記の線形回帰モデルなどにより求めることができる。θti
は業務iの業務内容についての業務量係数で、図3の業務量テーブルに保持される。
tij = θtist ij,
θti = (1, αli, βadli,...)
st ij = (t0i, lj, adli,...)
αli:業務iの看護師スキルレベル係数
βadli:業務iのADL(Activities of Daily Living)レベル係数
t0i:業務iの標準所要時間
lj:看護師jのレベル
adli:業務iの患者のADL(Activities of Daily Living)レベル
他、勤務時間帯(日勤、準夜勤、深夜勤)

pij:業務iを看護師jが行った場合のインシデント・アクシデント発生確率
pijは過去の実績から下記のロジスティックモデルなどにより求めることができる。
係数θpiは図5のインシデント・アクシデント発生確率テーブルに保持される。
Figure 2006338396
γli:業務iの看護師スキルレベル係数
δadli:業務iのADL(Activities of Daily Living)レベル係数
p0i:業務iの平均インシデント・アクシデント発生確率
lj:看護師jのレベル
adli:業務iの患者のADL(Activities of Daily Living)レベル
他、勤務時間帯(日勤、準夜勤、深夜勤)、最近休日からの日数・深夜勤務数

ここで、p0iは、図5に基づき、業務iにおける各インシデント・アクシデント
レベルの発生確率の和を取ったものである。つまりp0iはいずれかのレベルの
インシデント・アクシデントが発生する確率を示す。
yij:インシデント・アクシデント発生変数
業務iを看護師jが行った場合にインシデント・アクシデントが発生するならば1、
そうでなければ0
pij の確率で1となり、1−pij の確率で0となる。
インシデント・アクシデント発生パターン;y = (y00, y01,..., yij,...)
p(y): yの生起確率
Figure 2006338396
xkij:業務割り当て変数
業務iを看護師jに割り当てるならば1、そうでなければ0。
業務割り当ての制約:業務iは所要人数分の看護師に割り当てられる。
mi:業務iの所要人数
Figure 2006338396
割り当てパターン;xk = (xk00, xk01,..., xkij,...)
第k業務時間帯に出勤する看護師jの業務時間:
Figure 2006338396
業務時間の制約:業務時間は(所定労働時間+残業可能時間)以下。
Figure 2006338396
Li:業務iの平均インシデント・アクシデント発生時損失
インシデント・アクシデントのレベル(患者への影響度):l( = 1, 2,...)とする。業務iと同種の業務について、過去におけるインシデント・アクシデントを求める。図6のインシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルにより、各インシデント・アクシデントの損失を求め、損失の平均値を計算し、この平均値を業務iの平均インシデント・アクシデント発生時損失とする。この他、業務iの平均インシデント・アクシデント発生時損失は以下のようにして計算してもよい。
図5の“発生確率”に示される各業務iのレベルlのインシデント・アクシデント発生確率をpilとする。また図6の各インシデント・アクシデントレベルlの損失(経済的損失、時間的損失、もしくは経済的損失に時間的損失を経済価値に換算した値を加算したもの)をLlとする。このときLiは以下のようにインシデント・アクシデント1回あたりの平均損失として次式によって計算される。
Figure 2006338396
Liの値が大きいほど患者への影響が大きく、患者および病院にとっての損失が大きい。
(2)損失リスクを最小にする業務割り当て計画の作成方法(Cvar(Conditional Value at Risk)による)
各患者のクリニカルパスにおいて実施が予定されている業務を、勤務表において勤務予定の看護師に割り当てる場合に、
第k期のある割り当てパターンxkのもとでのインシデント・アクシデント損失の総計fkはxkとyの関数として次式で計算される。
Figure 2006338396
と表せる。yは確率pijによる確率変数なので fkも確率変数となる。ある閾値
Figure 2006338396
について集合Dを
Figure 2006338396
とする。このとき
Figure 2006338396
となる確率Ψは次式で計算される。
Figure 2006338396
ここで
Figure 2006338396
となる確率Ψがβ以上となるようなαの最小値αβ
Figure 2006338396
を用いて、
Figure 2006338396
となる(インシデント・アクシデント発生レベルの総計が閾値以上となる)場合のfkの期待値φβは次式で計算される。
Figure 2006338396
リスク最小化の観点からは、あるβのもとでφβはできるだけ小さいほうがよい。インシデント・アクシデント発生パターンのうち発生確率100(1−β)%以下のパターンに関するfkの期待値がφβとなるためである。
よってリスクが最小となる看護業務割り当てのためにはφβを最小にするような割り当てパターンxkを求める必要がある。
ここで、
Figure 2006338396
ただし、
Figure 2006338396
とすると、割り当てパターンxkに関するφβの最小値
Figure 2006338396

Figure 2006338396
である。したがって式(8)右辺のαとxkに関する最小化問題を解けば
Figure 2006338396
が求まり、
Figure 2006338396
を与える割り当てパターンxkも求まり、fkの100β%点であるαも求まる。
式(8)右辺の最小化問題は確率最適化問題であり、一般にはこのままでは解くことができないが(yが離散の場合、yの全てのパターンについての数え上げをしなければならない、yが連続の場合は一般にp(y)を記述できない)、以下のように整数計画法に帰着できる。
まずモンテカルロシミュレーションにより、第k期におけるインシデント・アクシデント発生パターンyを確率p(y)に従ってyn= (yn 00, yn 01,..., yn ij,...)(n = 1,2,...,N)とN個発生し、式(8)右辺を次のように近似する。
Figure 2006338396
式(10)の最小化は次のように整数計画法に変形できる。
Figure 2006338396
さらに制約式(1)、(2)を加えることにより、リスクを最小にする業務割り当てを行うことができる。
Figure 2006338396
以上において、業務が多数ある場合や、各業務の所要時間が長い場合、残業可能時間γkjの値によっては最適化式(11)に制約式(2)を満たす解が存在しない。各γkjを0から十分小さい刻みで大きくしてゆくことにより、解の存在する最も短い残業可能時間を求めることができる。
図10は、本発明の他の実施の形態に従ったリスクマネジメントシステムの構成を概略的に示すブロック図である。
このリスクマネジメントシステムは、入院患者別クリニカルパス保持部11、インシデント・アクシデント発生確率テーブル保持部14、インシデント・アクシデントレベル損失対応テーブル保持部15、看護師情報テーブル保持部17、乱数発生部21、業務割り当て計画保持部31、シミュレーション部33、および損失リスク・期待値保持部34を備える。
業務割り当て計画保持部31は、業務割り当て計画テーブルを保持する。この業務割り当て計画テーブルは第1のシミュレーションで作成されたものでも、他の手法によって作成されたものでもよい。
シミュレーション部33は、既に作成された業務割り当て計画のもとで業務を実施した場合の損失リスクおよび損失の期待値をシミュレーションにより算出する(第2のシミュレーション)。すなわち、シミュレーション部31は、業務計画割り当て計画保持部31に格納された業務割り当て計画テーブルの元での損失リスクおよび損失の期待値をシミュレーションにより算出する。
損失リスク・期待値保持部34は、シミュレーション部33により算出された損失リスクおよび損失の期待値を保持する。
他の構成要素11、14、15、17、21は、図1と同じであるため、図1と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。なお、入院患者別クリニカルパス保持部11の代わりに、患者のADLを格納した患者状態レベルテーブルを保持した患者状態レベルテーブル保持部を配置してもよい。
以下第2のシミュレーション(業務割り当て計画の損失リスクおよび損失の期待値の評価)について詳細に説明する。
作成済みの業務割り当て計画(xkijが決定されている)のもとでの業務実施による損失リスク
Figure 2006338396
をシミュレーションにより算出する。
Figure 2006338396
この計算を
Figure 2006338396
について行うことは困難であるが、次のようにモンテカルロシミュレーション、第k期におけるインシデント・アクシデント発生パターンyを確率p(y)に従ってyn= (yn 00, yn 01,..., yn ij,...)(n = 1,2,...,N)とN個発生し、次のように近似できる。
Figure 2006338396
業務割り当て計画のもとでの損失の期待値
Figure 2006338396

Figure 2006338396
である。式(12)に以下の制約式(16)を追加することにより、損失の期待値を一定以下に抑えつつ、損失リスクを最小にする業務割り当て計画を作成することができる。
Figure 2006338396
式(14)、式(15)および式(16)に含まれる変数については第1のシミュレーションのところで詳述したので説明を省略する。
ここで、式(15)を式(12)の目的関数とし、式(12)の目的関数である損失リスクを制約条件にすることにより、損失リスクを一定以下に抑えつつ、損失の期待値を最小にする業務割り当て計画を作成することもできる。
以上に説明した第1および第2のシミュレーションにおいて以下を考慮してもよい。
(1)日別の損失リスク・期待値の評価
最適割り当てを各業務時間帯kについて行い
Figure 2006338396
を比較することにより、将来のどの時間帯においてリスクが高いか、あるいは低いかを定量的に評価できる。リスクの高い時間帯については、その時間帯におけるリスク要因を排除するための対策の検討を定量的に行うことができる。
例えば予定されている業務に比べてスキルレベルの高い看護師が少ない、といった問題の場合、
・他のリスクの低い時間帯の看護師の勤務予定を変更し当該時間帯に配置変更する。
・当該業務の実施予定を他の時間帯に繰り越すあるいは繰り上げる。
といった対策を検討することが可能になる。対策内容に応じて勤務表を仮に変更したり、ある患者のクリニカルパス上の業務予定を変更し、再度、最適割り当てを行ったりすることで、対策をとった場合のリスク評価を行うことができ、対策の効果や良し悪しを検討できる。損失の期待値についても同様に評価を行うことができる。
また、スキルレベルの低い看護師に教育を施してスキルレベルを上げることにより、損失リスクや損失の期待値がどの程度減少するかを、図8の看護師スキルレベルを変更してシミュレーションすることにより評価することができる。またこのようなシミュレーションにより損失リスク・期待値の低減に効果的な教育や措置を洗い出すことができ、病院の経営意思決定を支援することができる。
(2)業務別の損失リスク・期待値の評価
式(14)、式(15)に示すように、ある業務割り当て計画のもとでの損失リスクあるいは損失の期待値は、業務別(i)の損失リスク・期待値の和となっている。業務内容が同一の業務の損失リスク・期待値についての和をとり、業務内容ごとの損失リスク・期待値を求め、これらを大きさ順に整列することで、病院全体あるいは病棟全体の損失リスク・期待値の低減に効果的な業務内容を洗い出すことができる。
(3)看護師別の損失リスク・期待値の評価
式(14)、式(15)において、損失リスク・期待値の看護師についての和(j)と業務についての和(i)は交換可能である。したがって各看護師に割り当てられた業務についての損失リスク・期待値の和を求めることができ、看護師別の損失リスク・期待値を求めることができる。これにより、各看護師は将来のどの業務時間帯に損失リスク・期待値の大きい業務が割り当てられているかを把握することができる。
(4)看護師の勤務表に変更があった場合
看護師の休暇や病欠、移動、退職などに伴い、看護師の勤務表に変更があった場合には、変更後の勤務表に基づいて、上記の損失リスク最小化割り当てを再度行い、変更前の勤務表におけるリスクに対し、変更後の損失リスク・期待値が増加している業務時間帯や業務を求めることができる。
(5)ある業務の特定の看護師への割り当てが固定されている場合
ある患者に対する全てあるいは一部の業務が、特定の看護師に割り当てるように固定されている場合、以下のようにして、この条件を考慮した上で、リスクを最小にする業務割り当てを行うことができる。
ある業務時間帯k’ の業務i’ が、看護師j’ に割り当てるように固定されている場合、次の制約式(17)を式(12)に加えればよい。
Figure 2006338396
例えば、ある患者の日勤の投薬を全てある看護師が担当する場合は、その患者のクリニカルパス上の入院から退院までの日勤の業務時間帯の投薬に該当する業務について上記の制約式を設定すればよい。
あるいは、割り当てが決定している業務の割り当て変数xk’i’j’を削除して計算対象から除外してもよい。その場合、看護師j’ への割り当てが決定している業務i' について、看護師j’ による実施時間ti’j’を求め、各業務時間帯k’ について、割り当てが決定している全ての業務の実施時間の総和を制約式(2)の右辺から減算すればよい。
本発明の実施の形態に従ったリスクマネジメントシステムの構成を概略的に示すブロック図である。 クリニカルパスの例を示す。 業務量テーブルの例を示す。 所定労働時間テーブルの例を示す。 インシデント・アクシデント発生確率テーブルの例を示す。 インシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルの例を示す。 勤務表の例を示す。 看護師情報テーブルの例を示す。 業務割り当て計画テーブルの例を示す。 本発明の他の実施の形態に従ったリスクマネジメントシステムの構成を概略的に示すブロック図である。
符号の説明
11:入院患者別クリニカルパス保持部
12:業務量テーブル保持部
13:所定労働時間テーブル保持部
14:インシデント・アクシデント発生確率テーブル保持部
15:インシデント・アクシデントレベル損失対応テーブル保持部
16:勤務表保持部
17:看護師情報テーブル保持部
18、31:業務割り当て計画保持部
20、33:シミュレーション部
21:乱数発生部
34:損失リスク・期待値保持部

Claims (13)

  1. 患者に対して実施予定の予定業務を日別または日別かつ業務時間帯別に保持したクリニカルパスと、
    各看護師の勤務予定を日別または日別かつ業務時間帯別に保持した勤務表と、
    各看護師のスキルレベルを保持した看護師情報テーブルと、
    業務内容と、業務の実施に要する標準所要時間とを保持した業務量テーブルと、
    前記業務内容と、インシデント・アクシデントレベルと、前記インシデント・アクシデントの発生確率とを保持したインシデント・アクシデント発生確率テーブルと、
    前記インシデント・アクシデントレベルと、前記インシデント・アクシデントレベルのインシデント・アクシデントが生じた場合の損失とを保持したインシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルと、
    乱数発生部と、
    前記クリニカルパスにおける前記日または前記業務時間帯について、予定業務の実施によって発生する損失リスクが最小となるように各看護師に対して予定業務の割り当てを行うシミュレーション部であって、
    前記インシデント・アクシデント発生確率テーブルと前記インシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルとを用いて、前記インシデント・アクシデントが生じた場合に発生する損失の期待値を予定業務ごとに計算する手段と、
    前記看護師情報テーブルと前記インシデント・アクシデント発生確率テーブルとを用いて、各看護師が各予定業務を実施したとした場合における看護師別かつ予定業務別のインシデント・アクシデントの発生確率を看護師別業務別発生確率として計算する手段と、
    前記日または前記業務時間帯において各看護師が各予定業務を実施したとした場合におけるインシデント・アクシデントの発生パターンを、前記看護師別業務別発生確率に従って前記乱数発生部に複数発生させる手段と、
    前記業務量テーブルと前記看護師情報テーブルとに基づいて、各看護師が各予定業務を実施したとした場合に要する看護師別かつ予定業務別の実施所要時間を計算する手段と、
    計算された予定業務ごとの損失の期待値と、発生させられた複数のインシデント・アクシデントの発生パターンと、各看護師に対する予定業務の割り当てパターンを示す割当パターン変数とを用いる目的関数を、計算された看護師別かつ予定業務別の実施所要時間と前記割当パターン変数とを用いて各看護師の労働時間が各看護師の所定労働時間を越えないことを規定する制約条件の下で最適化することにより前記割当パターン変数を求める手段と、
    を有するシミュレーション部と、
    を備えたリスクマネジメントシステム。
  2. 前記クリニカルパスは患者の状態レベルをさらに保持し、
    前記看護師別業務別発生確率を計算する手段は、さらに前記患者の状態レベルを用いて、前記看護師別業務別発生確率を計算することを特徴とする請求項1に記載のリスクマネジメントシステム。
  3. 前記クリニカルパスは患者の状態レベルをさらに保持し、
    前記実施所要時間を計算する手段は、さらに前記患者の状態レベルを用いて、前記実施所要時間を計算することを特徴とする請求項1または2に記載のリスクマネジメントシステム。
  4. 前記シミュレーション部は、各看護師の各日または各業務時間帯における残業可能時間を表す情報をあらかじめ与えられ、
    前記制約条件は、前記各看護師の労働時間が前記各看護師の所定労働時間と残業可能時間との合計を越えないことを規定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のリスクマネジメントシステム。
  5. 前記シミュレーション部は、前記業務量テーブルにおける各業務の実施に必要な人数をあらかじめ与えられ、前記制約条件は、各予定業務について各々必要な人数を確保するための制約を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のリスクマネジメントシステム。
  6. 前記インシデント・アクシデント損失対応テーブルが保持する損失は、時間的損失、経済的損失、または、これらの両方を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のリスクマネジメントシステム。
  7. 前記割当パターン変数を求める手段は、特定の予定業務が特定の看護師によって実施されることがあらかじめ決定されている場合は、前記特定の予定業務の前記特定の看護師に対する割り当て変数の値を定めた式を前記制約条件にさらに含めることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のリスクマネジメントシステム。
  8. 前記割当パターン変数を求める手段は、特定の予定業務が特定の看護師によって実施されることがあらかじめ決定されている場合は、前記特定の予定業務の前記特定の看護師に対する割り当て変数を前記割当パターン変数から除去したものを割当パターン変数として用い、また、前記制約条件において、前記特定の予定業務を前記特定の看護師が実施した場合の実施所要時間を前記所定労働時間から減じたものを前記特定の看護師の所定労働時間として用いることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のリスクマネジメントシステム。
  9. 日別または日別かつ業務時間別に、患者に対して実施予定の予定業務に看護師を割り当てた業務割り当て計画テーブルと、
    各看護師のスキルレベルを保持した看護師情報テーブルと、
    業務内容と、インシデント・アクシデントレベルと、前記インシデント・アクシデントの発生確率とを保持したインシデント・アクシデント発生確率テーブルと、
    前記インシデント・アクシデントレベルと、前記インシデント・アクシデントレベルのインシデント・アクシデントが生じた場合の損失とを保持したインシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルと、
    乱数発生部と、
    前記業務割り当て計画テーブルの下、前記日または前記業務時間帯における予定業務の実施に伴う損失リスクを算出するシミュレーション部であって、
    前記インシデント・アクシデント発生確率テーブルと前記インシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルとを用いて、前記インシデント・アクシデントが生じた場合に発生する損失の期待値を予定業務ごとに計算する手段と、
    前記看護師情報テーブルと前記インシデント・アクシデント発生確率テーブルとを用いて、各看護師が各予定業務を実施したとした場合における看護師別かつ予定業務別のインシデント・アクシデントの発生確率を看護師別業務別発生確率として計算する手段と、
    前記業務時間帯において各看護師が各予定業務を実施したとした場合におけるインシデント・アクシデントの発生パターンを前記看護師別業務別発生確率に従って前記乱数発生部に複数発生させる手段と、
    前記業務割り当て計画テーブルから得られる前記日または前記業務時間帯における各看護師に対する予定業務の割り当てパターンと、計算された予定業務ごとの損失の期待値と、発生させられた複数のインシデント・アクシデントの発生パターンとを用いて、前記日または前記業務時間帯に発生する損失リスクを算出する手段と、
    を有するシミュレーション部と、
    を備えたリスクマネジメントシステム。
  10. 前記シミュレーション部は、前記各看護師に対する予定業務の割り当てパターンと、前記計算された予定業務ごとの損失の期待値と、計算された看護師別業務別発生確率とを用いて、前記日または前記業務時間帯に発生する損失の期待値を算出する手段をさらに有することを特徴とする請求項9に記載のリスクマネジメントシステム。
  11. 患者の状態レベルを含むテーブルをさらに備え、
    前記看護師別業務別発生確率を計算する手段は、前記患者の状態レベルをさらに用いて前記看護師別業務別発生確率を計算することを特徴とする請求項9または10に記載のリスクマネジメントシステム。
  12. 患者に対して実施予定の予定業務を日別または日別かつ業務時間帯別に保持したクリニカルパスにおいて、前記日または前記業務時間帯における予定業務の実施によって発生する損失リスクが最小となるように前記日または前記業務時間帯に出勤予定の各看護師に対して予定業務の割り当てを行うシミュレーション方法であって、
    前記クリニカルパスと、各看護師の勤務予定を日別または日別かつ業務時間帯別に保持した勤務表と、各看護師のスキルレベルを保持した看護師情報テーブルと、業務内容と業務の実施に要する標準所要時間とを保持した業務量テーブルと、前記業務内容とインシデント・アクシデントレベルと前記インシデント・アクシデントの発生確率とを保持したインシデント・アクシデント発生確率テーブルと、前記インシデント・アクシデントレベルと前記インシデント・アクシデントレベルのインシデント・アクシデントが生じた場合の損失とを保持したインシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルと、を用意し、
    前記インシデント・アクシデント発生確率テーブルと前記インシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルとを用いて、前記インシデント・アクシデントが生じた場合に発生する損失の期待値を予定業務ごとに計算し、
    前記看護師情報テーブルと前記インシデント・アクシデント発生確率テーブルとを用いて、各看護師が各予定業務を実施したとした場合における看護師別かつ予定業務別のインシデント・アクシデントの発生確率を看護師別業務別発生確率として計算し、
    前記日または前記業務時間帯において各看護師が各予定業務を実施したとした場合におけるインシデント・アクシデントの発生パターンを前記看護師別業務別発生確率に従って乱数として複数発生させ、
    前記業務量テーブルと前記看護師情報テーブルとに基づいて、各看護師が各予定業務を実施したとした場合に要する看護師別かつ予定業務別の実施所要時間を計算し、
    計算された予定業務ごとの損失の期待値と、発生させられた複数のインシデント・アクシデントの発生パターンと、各看護師に対する予定業務の割り当てパターンを示す割当パターン変数とを用いる目的関数を、計算された看護師別かつ予定業務別の実施所要時間と前記割当パターン変数とを用いて各看護師の労働時間が各看護師の所定労働時間を越えないことを規定する制約条件の下で最適化することにより各看護師に対する前記割当パターン変数を求める、
    ことを特徴とするシミュレーション方法。
  13. 患者に対して実施予定の予定業務を日別または日別かつ業務時間帯別に保持したクリニカルパスにおいて、前記日または前記業務時間帯における予定業務の実施によって発生する損失リスクが最小となるように、前記日または前記業務時間帯に出勤予定の各看護師に対して予定業務の割り当てを行うシミュレーションをコンピュータに実行させるプログラムであって、
    業務内容とインシデント・アクシデントレベルとインシデント・アクシデントの発生確率とを保持したインシデント・アクシデント発生確率テーブルと、前記インシデント・アクシデントレベルと前記インシデント・アクシデントレベルのインシデント・アクシデントが生じた場合の損失とを保持したインシデント・アクシデントレベル損失対応テーブルとを用いて、前記インシデント・アクシデントが生じた場合に発生する損失の期待値を予定業務ごとに計算するステップと、
    各看護師のスキルレベルを保持した看護師情報テーブルと前記インシデント・アクシデント発生確率テーブルとを用いて、各看護師が各予定業務を実施したとした場合における看護師別かつ予定業務別のインシデント・アクシデントの発生確率を看護師別業務別発生確率として計算するステップと、
    前記日または前記業務時間帯において各看護師が各予定業務を実施したとした場合におけるインシデント・アクシデントの発生パターンを前記看護師別業務別発生確率に従って乱数として複数発生させるステップと、
    業務内容と業務の実施に要する標準所要時間とを保持した業務量テーブルと前記看護師情報テーブルとに基づいて、各看護師が各予定業務を実施したとした場合に要する看護師別かつ予定業務別の実施所要時間を計算するステップと、
    計算された予定業務ごとの損失の期待値と、発生させられた複数のインシデント・アクシデントの発生パターンと、各看護師に対する予定業務の割り当てパターンを示す割当パターン変数とを用いる目的関数を、計算された看護師別かつ予定業務別の実施所要時間と前記割当パターン変数とを用いて各看護師の労働時間が各看護師の所定労働時間を越えないことを規定する制約条件の下で最適化することにより各看護師に対する前記割当パターン変数を求めるステップと、
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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