JP2003090882A - 放射線検査装置 - Google Patents

放射線検査装置

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JP2003090882A JP2002177875A JP2002177875A JP2003090882A JP 2003090882 A JP2003090882 A JP 2003090882A JP 2002177875 A JP2002177875 A JP 2002177875A JP 2002177875 A JP2002177875 A JP 2002177875A JP 2003090882 A JP2003090882 A JP 2003090882A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被検診者の断層像を用いての診断精度を向上す
る。 【解決手段】放射線検査装置1の撮像装置13は孔部1
8の周囲に配置された複数の放射線検出器2によって放
射線検出部31を形成する。X線源3はガイドレール5
0に沿って孔部18の周方向に移動する。放射線検出部
31は被検診者の患部を透過したX線及び患部から放出
されたγ線を検出してX線検出信号及びγ線検出信号を
出力する。コンピュータ14は分離されたX線検出信号
に基づいたX線CT像データ及びγ線検出信号に基づい
たPET像データを作成し両データを合成する。放射線
検出部31はX線検出部及びγ線検出部の機能を有する
ため、被検診者7が動いた場合でもX線CT像及びPE
T像の両データを精度よく合成できる。このため、患部
の診断精度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線検査装置に
係り、特にX線CT,陽電子放出型CT(ポジトロン・
エミッション・コンピューテッド・トモグラフィ(Posi
tron EmissionComputed Tomography)、以下、PETと
いう)及び単光子放出型CT(シングル・フォトン・エ
ミッション・コンピューテッド・トモグラフィ(Single
PhotonEmission Computed Tomography))、以下、S
PECTという)に適用するのに好適な放射線検査装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】被検診者の体内の機能,形態を無侵襲で
撮像する技術として、放射線を用いた検査がある。その
中で、使用する放射線を用いた代表的な検査方法とし
て、X線CT,PET及びSPECTがある。X線CT
はX線源から放出された放射線を被検診者に照射し、そ
の被検診者の体内における放射線の透過率から体内の形
態を撮像する方法である。体内を透過したX線の強度を
放射線検出器で検出することにより、X線源と放射線検
出器との間の線減弱係数が求まる。この線減弱係数をア
イトリプルイー トランザクション オン ニュークリ
ア サイエンス(IEEE Transaction on Nuclear Scienc
e)NS−21巻、228〜229頁に記載されている
フィルタードバックプロジェクション法(Filtered Bac
kProjection Method)などを用いて各ボクセルの線減弱
係数を求め、その値をCT値に変換する。X線CTによ
く用いられる線源は約80kev前後である。
【0003】PETは、陽電子放出核種(15O,13N,
11C,18F等)、及び体内の特定の細胞に集まる性質を
有する物質を含む放射性薬剤(以下、PET用薬剤とい
う)を被検診者に投与し、そのPET用薬剤が体内のど
の部位で多く消費されているかを調べる方法である。P
ET用薬剤中の陽電子放出核種から放出された陽電子
が、付近の細胞の電子と結合して消滅し、511keV
のエネルギーを有する一対のγ線(γ線対という)を放
射する。これらのγ線は、互いに正反対の方向に放射さ
れる。この一対のγ線をγ線検出器で検知すれば、どの
2つの検出素子の間で陽電子が放出されたかがわかる。
それらの多数のγ線対を検知することで、PET用薬剤
を多く消費する場所がわかる。例えば、特定の細胞に集
まる性質を有する物質として糖を用いて陽電子放出核種
を含むPET用薬剤を製造した場合、このPET用薬剤
は糖代謝の激しい癌細胞に集まる。このため、癌病巣を
発見することが可能である。なお、得られたデータは、
先ほど示したフィルタードバックプロジェクションなど
の方法により各ボクセルの放射線発生密度に変換され
る。PETに用いられる15O,13N,11C,18Fは2分
から110分の短半減期の放射性同位元素である。
【0004】PETによる検査では、陽電子消滅の際に
発生するγ線が被検診者の体内で減衰するため、トラン
スミッション像を撮像し補正する。トランスミッション
像とは、例えば放射線源にセシウムを用いてγ線を入射
させ、被検診者の体内を透過したγ線の強度を測定する
ことにより体内におけるγ線の減衰率を測定する方法で
ある。得られたγ線減衰率を用いて体内でのγ線減衰率
を見積もりPETで得られたデータを補正することによ
り、より高精度なPET像を得ることが可能である。
【0005】SPECTは、シングルフォトン放出核種
を含む放射性薬剤(以下、SPECT 用薬剤という)を被検
診者に投与し、核種から放出されるγ線をγ線検出器で
検出する。SPECTによる検査時によく用いられるシ
ングルフォトン放出核種から放出されるγ線のエネルギ
ーは数100keV前後である。SPECTの場合、単
一γ線が放出されるため、検出素子に入射した角度が得
られない。そこで、コリメータを用いて特定の角度から
入射するγ線のみを検出することにより角度情報を得て
いる。SPECTは、特定の腫瘍や分子に集積する性質
を有する物質、及びシングルフォトン放出核種(99
c,67Ga,201Tl等)を含む放射性薬剤(SPEC
T用薬剤という)を被検診者に投与し、SPECT用薬
剤より発生するγ線を検知してSPECT用薬剤を多く
消費する場所を特定する検査方法である。SPECTの
場合も、得られたデータはフィルタードバックプロジェ
クションなどの方法により各ボクセルのデータに変換す
る。なお、SPECTでもトランスミッション像を撮影
することがしばしばある。SPECTに用いられる99
c,67Ga,201Tl は、PETに用いられる放射性同
位元素の半減期よりも長く6時間から3日である。
【0006】従来、以上に述べた各検査はそれぞれ独立
に行っていた。PET及びSPECT による検査では検査装
置内で放射性薬剤の消費量分布を知ることは可能であ
る。しかしながら、被検診者の体内の部位との対応に関
する情報が無いため、病巣の詳細位置が判らない場合が
ある。このため、近年、PET像またはSPECT像
と、被検診者の体内の部位が特定できるX線CT像との
結合が行われている。その放射線検査装置の一例が、特
開平7−20245号公報に記載されている。すなわ
ち、その放射線検査装置は、X線CT装置の撮像装置と
PET装置の撮像装置とを直ぐ側に並列に設置し、擬似
的な同時撮像を行う。被検診者は、被検診者保持装置の
ベッド上に横たえられ、ベッドの水平方向の移動により
両撮像装置内に順次移送される。被検診者は、X線CT
装置の撮像装置で撮影された後、PET装置の撮像装置
で撮影される。この場合、2つの撮影を行う時間間隔が
短く、被検診者はベッドの上で殆ど動かないため2つの
撮像装置で得られた撮像データであるPETデータとX
線CTデータの対応関係が分かる。その対応関係の情報
を用いて、PETデータとX線CTデータとを結合し、
被検診者の病巣位置の特定を行っている。
【0007】特開平9−5441号公報は、ベッドを兼
用して、X線CT装置の撮像装置とSPECT装置の撮
像装置を直ぐ側で並列に配置した放射線検査装置を記載
している。各撮像装置で得られた撮像データであるX線
CTデータとSPECTデータとを結合し、被検診者の
病巣位置の特定を行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の各公開公報に記
載された放射線検査装置では、一見すると2つの撮像デ
ータの位置関係が明確であるように思えるが、被検診者
が両撮像装置の間で動く可能性がある。最近でのPET
装置の撮像装置の分解能は約5mmであり、X線CT装置
の撮像装置の分解能はそれよりも約1桁小さく約0.5m
m である。そのため、両撮像装置の間で被検診者が動い
たり、被検診者の角度が変われば両撮像装置で得られた
各撮像データの対応関係が不明瞭になる。その結果、例
えば、各々の撮像データを画像再構成した後、共通して
各像に存在する特徴領域を抽出し、その特徴領域の位置
関係から、各像の位置関係を求め、位置合わせを行う必
要が生じる。また、これらの放射線検査装置は、放射線
検出器等をそれぞれ有する2つの撮像装置を備えている
ため装置構成が複雑である。
【0009】本発明の目的は、診断精度を向上できる放
射線検査装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の特徴は、被検診者にX線を照射するX線源装置、
前記被検診者内に存在する放射性薬剤に起因して前記被
検診者から放出されるγ線を検出して前記γ線の検出信
号を出力するγ線検出部、及び前記X線源装置から照射
されて前記被検診者を透過したX線を検出して前記X線
の検出信号を出力するX線検出部を有し、前記X線検出
部の少なくとも一部は、前記ベッドの長手方向において
前記γ線検出部の一端と前記γ線検出部の他端との間に
形成される領域内に位置していることにある。
【0011】X線検出部の少なくとも一部がベッドの長
手方向においてγ線検出部の一端とγ線検出部の他端と
の間に形成される領域内に位置しているため、PET検
査を実施している被検診者の所定の領域に対して、被検
診者をベッドにより移動させずに同じ位置でX線CT検
査を実施できる。このため、検査中に被検診者がベッド
上で動いた場合でも、患部の位置での第1断層像(X線
検出信号に基づいて作成)及び第2断層像(γ線検出信
号に基づいて作成)の両データを精度よく合成できる。
合成により得られた断層像データを用いることによって
診断精度を向上できる。
【0012】好ましくは、被検診者を透過した前記X線
の検出信号及び前記被検診者内に存在する放射性薬剤に
起因して前記被検診者から放出されたγ線の検出信号の
両方を出力する複数の放射線検出器とを備えたことにあ
る。それぞれの放射線検出器がX線検出信号及びγ線検
出信号の両方を出力するため、その放射線検出器を備え
た放射線検査装置は、被検体を透過したX線を検出する
複数の放射線検出器を備えた撮像装置、及び被検体から
放出されたγ線を検出する複数の放射線検出器を備えた
他の撮像装置を備えた従来の放射線検査装置に比べて装
置構成が著しく単純化される。
【0013】好ましくは、X線検出信号に基づいて被検
診者の第1断層像のデータを作成し、γ線検出信号に基
づいて被検診者の第2断層像のデータを作成し、かつ第
1断層像のデータと第2断層像のデータとを合成した合
成断層像のデータを作成する断層像データ作成装置を備
える。
【0014】
【発明の実施の形態】(実施例1)本発明の好適な一実
施例である放射線検査装置を、図1及び図2を用いて以
下に説明する。本実施例の放射線検査装置は、撮像装置
13,被検診者保持装置11,信号弁別装置4,同時計
数装置5,記憶装置6,コンピュータ14及びモニタ3
2を備えている。被検診者保持装置11は、保持部1
2、および保持部12の上端部に位置して長手方向に移
動可能に保持部12に設置されたベッド8を有する。撮
像装置13は、放射線検出器2,貫通している孔部18
を有するケーシング15,X線源装置16及びガイドレ
ール50を備える。撮像装置13は、ベッド8の長手方
向に対して直角の方向に設置される。放射線検出器2は
半導体放射線検出器であり、多数の放射線検出器2(合
計10000個)が孔部18の周囲を取り囲むように配
列されてケーシング15に設置される。放射線検出器2
は、孔部18の円周方向に多数配列される。この円周方
向における放射線検出器2の配列が、孔部18の奥行き
方向、すなわちベッド8の移動方向に複数列配置され
る。これらの放射線検出器2は、放射線検出器31を構
成する。放射線検出器2の検出部である半導体素子部
は、カドミウムテルル(CdTe),ガリウムヒ素(G
aAs)、またはカドミウムテルル亜鉛(CZT)等で
構成される。
【0015】X線源装置16は、X線源3,駆動装置制
御装置9及びX線源駆動装置17を有する。X線源駆動
装置17は、ケーシング内に、図示されていないが、モ
ーター、及び減速機構を有する動力伝達機構を備える。
動力伝達機構は、モーターに連結される。X線源3は、
X線源駆動装置17のケーシングに取り付けられて、孔
部18内に伸びている。環状のガイドレール50は、ケ
ーシング15の被検診者保持装置11に面する側壁に、
孔部18を取り囲むように設置される。X線源駆動装置
17は、落下しないようにかつ環状のガイドレール50
に沿って移動可能にガイドレール50に取り付けられ
る。X線源駆動装置17は、図示していないが、前述の
動力伝達機構から回転力を受けるピニオンを有する。こ
のピニオンはガイドレール50に設けられたラックと噛
合う。
【0016】信号弁別装置4は、波形整形装置41,γ
線弁別装置42及び波高分析装置43を有する。信号弁
別装置4は、配線19によって放射線検出器2に接続さ
れる。信号弁別装置4は、各々の放射線検出器2毎に1
個設けられる。配線19は信号弁別装置4の波形整形装
置41に接続される。γ線弁別装置42及び波高分析装
置43は波形整形装置41に接続される。γ線弁別装置
42は同時計数装置5を介してコンピュータ14に接続
される。同時計数装置5は1個でありγ線弁別装置42
に接続される。同時計数装置5は、幾つかのγ線弁別装
置42毎に設けても良い。各波高分析装置43はコンピ
ュータ14に接続される。記憶装置6及びモニタ32が
コンピュータ14に接続される。電源44のマイナス端
子は抵抗20を介して配線19に接続され、電源44の
プラス端子は放射線検出器2に接続される。信号弁別装
置4は信号処理装置である。この信号処理装置は、波高
分析装置43を有する第1の信号処理装置、及び波形整
形装置41及びγ線弁別装置42を有する第2信号処理
装置を備える。
【0017】本実施例は、X線CT検査(X線源3から
放射されて被検診者の体内を投下したX線を放射線検出
器で検出する行為)及びPET検査(PET用薬剤に起
因して被検診者の体内から放射されるγ線を放射線検出
器で検出する行為)を一台の撮像装置13を用いて行う
例である。
【0018】検診を行う前に、まず、被検診者7の体内
に、予め注射などの方法により前述したPET用薬剤を
投与し、PET用薬剤が撮像可能な状態に体内に拡散し
て患部に集まるまでの所定時間を待機する。PET用薬
剤は、検診する患部に応じて選ばれる。その所定時間の
経過によってPET用薬剤は、被検診者7の患部(例え
ば癌の患部)に集積する。その所定時間が経過した後、
被検診者7を被検診者保持装置11のベッド8上に寝か
せる。なお、検査の種類によっては、PET用薬剤をベ
ッド8上に寝かせられた被検診者7に投与することもあ
る。また、そのPET用薬剤を被検診者7に投与しなが
ら、撮像装置13で被検診者7を撮像することもある。
例えば、半減期が2分である15Oを使用する場合には、
それを被検診者7に投与しながら撮像を行う。
【0019】撮像装置13を用いて被検診者7の撮像を
行う場合、ベッド8を撮像装置13に向かって移動させ
る。ベッド8上の被検診者7及びベッド8が、孔部18
内に挿入されて反対側に向かって移動する。被検診者7
の患部に集積したPET用薬剤に起因して体内より放出
された511keVのγ線は、放射線検出器2に入射さ
れる。一方、X線源3から照射されたあるエネルギーを
有するX線は、被検診者7を透過後、放射線検出器2に
入射される。X線のエネルギーは例えば80keVであ
る。X線CT検査中は、X線源装置16をガイドレール
50に沿って被検診者7の周りを移動させるため、X線
源3からのX線が周方向のあらゆる位置から被検診者7
に照射される。X線CT検査開始時にX線源装置16を
ガイドレール50に沿って動かすとき、駆動装置制御装
置9は、駆動開始信号を出力して、X線源駆動装置17
のモーターに接続された、電源とつながる開閉器を閉じ
る。電流の供給によりモーターが回転し、その回転力が
動力伝達機構を介してピニオンに伝えられ、ピニオンが
回転する。ピニオンがガイドレール50のラックと噛合
っているため、X線源装置16がガイドレール50に沿
って周方向に移動する。X線源3は、孔部18内に挿入
された状態で被検診者7の周囲を移動する。X線CT検
査終了時には、駆動装置制御装置9は駆動停止信号を出
力して上記の開閉器を開く。
【0020】各放射線検出器2は、X線源3から放射さ
れて被検診者7の体内を透過したX線、及びPET用薬
剤に起因して患部から放出されたγ線をそれぞれ検出
し、その体内を透過したX線の検出信号(以下、X線撮
像信号という)及びγ線の検出信号(以下、γ線撮像信
号という)を含んでいる出力信号をそれぞれ出力する。
X線源3から放射されたX線は、上記患部を透過して放
射線検出器2で検出される。ある放射線検出器2から出
力されたX線撮像信号及びγ線撮像信号は、該当する配
線19を介して該当する信号弁別装置4に入力される。
電源44は、放射線検出器2を作動させるために放射線
検出器2に電圧を印加する。その電圧の印加により放射
線検出器2の半導体素子部に電場が発生しているため、
この半導体素子部にX線及びγ線が入射されると、半導
体素子部に電荷が発生する。この電荷が撮像信号として
放射線検出器2から出力される。
【0021】信号弁別装置4の機能を以下に説明する。
信号弁別装置4は、放射線検出器2の出力信号からX線
撮像信号及びγ線撮像信号を分離する機能を有する。す
なわち、信号弁別装置4は、1つの放射線検出器2で検
出したX線撮像信号及びγ線撮像信号をエネルギー弁別
する装置である。なお、X線源3がX線を放射する時間
間隔は、信号弁別装置4の動作タイムウィンドウΔτに
比べて長い。
【0022】信号弁別装置4の波形整形装置41は、放
射線検出器2からの出力信号を入力する。入力されたγ
線撮像信号は、図3に示すように、最初に急激に立下
り、その後、指数関数的に0に近づくような形になって
いる。波形整形装置41の出力信号を入力するγ線弁別
装置42は、図3に示すような波形のγ線撮像信号を処
理できない。このため、波形整形装置41は、図3に示
すような波形のγ線撮像信号を、例えば図4に示すよう
に時間的なガウス分布の波形を有するγ線撮像信号に変
換して出力する。放射線検出器2で検出されたX線撮像
信号も、波形整形装置41で波形がガウス分布に整形さ
れて出力される。
【0023】波形整形装置41の出力γ線撮像信号及び
X線撮像信号は、γ線弁別装置42及び波高分析装置4
3に入力される。γ線弁別装置42がγ線撮像信号を処
理し、波高分析装置43がX線撮像信号を処理する必要
がある。このため、本実施例では以下の工夫がなされて
いる。
【0024】PET用薬剤から放出された陽電子が陽電
子消滅により体内で生成するγ線のエネルギーは先に述
べたように511keVである。しかし、半導体素子部
内でγ線のエネルギー全てが電荷に変わるとは限らな
い。このため、γ線弁別装置42は、例えばエネルギー
が511keVよりも低い450keVをエネルギー設
定値として、このエネルギー設定値(第1エネルギー設
定値という)以上のエネルギーを有する撮像信号を入力
したときに所定のエネルギーを有するパルス信号を発生
させる。すなわち、γ線弁別装置42は、第1エネルギ
ー設定値以上のエネルギーを有する撮像信号(γ線撮像
信号)が入力されたときに上記のエネルギーを有するパ
ルス信号を発生させる装置である。
【0025】波高分析装置43は、波形整形装置41か
ら出力された、第1エネルギー設定値よりも低いエネル
ギーを有する撮像信号(X線撮像信号)が入力されたと
き、その撮像信号の計数値を計測する。本実施例では、
被検診者7に照射されるX線のエネルギーが80keV
であるため、波高分析装置43は第2エネルギー設定値
である70keV以上で第3エネルギー設定値である9
0keV以下の範囲のエネルギーを有する撮像信号(X
線撮像信号)を計数しその撮像信号の計数値を出力す
る。このような特定のエネルギーの撮像信号の処理を行
うことによって波高分析装置43の負荷は著しく軽減さ
れる。
【0026】上記のように、γ線弁別装置42及び波高
分析装置43において特定のエネルギーを有する撮像信
号を処理するためには、所定のエネルギー範囲の撮像信
号を通過させるフィルタをγ線弁別装置42及び波高分
析装置43内(またはγ線弁別装置42及び波高分析装
置43の前段)に設けるとよい。第1エネルギー設定値
以上のエネルギーを有する撮像信号を通過させ、その設
定値よりも低いエネルギーを有する撮像信号の通過を阻
止する第1フィルタがγ線弁別装置42内に設けられ
る。γ線弁別装置42は第1フィルタを通過した撮像信
号に対してパルス信号を発生する。第2エネルギー設定
値以上で第3エネルギー設定値以下の範囲のエネルギー
を有する撮像信号を通過させ、その範囲外のエネルギー
を有する撮像信号の通過を阻止する第2フィルタが波高
分析装置43内に設けられる。波高分析装置43は、第
2フィルタを通過した撮像信号(X線撮像信号)を計数
する。
【0027】本実施例は、信号弁別装置4を用いること
によって、放射線検出器2の出力である撮像信号からピ
ーク計数値に対するエネルギーが異なるγ線撮像信号及
びX線撮像信号を分離することができる。
【0028】同時計数装置5は、各信号弁別装置4のγ
線弁別装置42から出力されたパルス信号を入力しこれ
らのパルス信号を用いて同時計数を行い、γ線撮像信号
に対する計数値を求める。更に、同時計数装置5は、前
述の一対のγ線に対する一対のパルス信号によりその一
対のγ線を検出した2つの検出点(一対の放射線検出器
2の位置)をγ線検出の位置情報としてデータ化する。
【0029】コンピュータ14は、図5に示すステップ
21〜29の処理手順に基づいて処理を実行する。この
ような処理を実行するコンピュータ14は、断層像デー
タ作成装置である。同時計数装置5によって計数された
γ線撮像信号の計数値、同時計数装置5から出力された
検出点の位置情報、及び波高分析装置43から出力され
たX線撮像信号の計数値が入力される(ステップ2
1)。入力された、γ線撮像信号の計数値,検出点の位
置情報、及びX線撮像信号の計数値は、記憶装置6に記
憶される(ステップ22)。
【0030】次に、ステップ23において、X線撮像信
号の計数値の補正が行われる。この補正について、以下
に詳細に説明する。
【0031】被検診者7に照射するX線のエネルギー
は、前述のように80keVであり、PET用薬剤に起
因してその体内で発生するγ線に比べて低いエネルギー
である。波高分析装置43から出力されたX線撮像信号
の計数値には、エネルギーが半導体素子部内で80ke
V前後に減衰したγ線撮像信号の計数値が含まれてい
る。このため、そのX線撮像信号の計数値からγ線撮像
信号の計数値を除去する補正を行って、真のX線撮像信
号の計数値を求める。X線撮像信号の計数値の補正方法
の一例を説明する。例えば511keVのγ線の検出ス
ペクトルを予め測定しておき、この検出スペクトルの測
定結果を用いて80keV前後のγ線の強度を見積も
る。放射線検出器2の半導体素子部に対して511ke
Vのγ線を照射したときのスペクトルが図6のように得
られたとする。そして、例えば被検診者7の体内から放
出されたγ線がある半導体素子部で100個検出された
とする。その場合、図6のピーク部分における計数値
(カウント数)が100個になるように図6に示すスペ
クトル全体の計数値を等倍した後、X線撮像信号の計数
値から、等倍されたその計数値を差し引くことにより、
図7に示す正確なX線撮像信号単体の計数値(カウント
数)が得られる。この補正された計数値は、記憶装置6
に記憶される。
【0032】記憶装置6に記憶されているX線撮像信号
の補正された計数値を用いて強度を算出し、得られた強
度のデータを用いて、被検診者7の体内の各ボクセルに
おけるX線の減衰率を算出する(ステップ24)。この
減衰率及びX線撮像信号の強度は記憶装置6に記憶され
る。
【0033】被検診者7の横断面(以下、横断面とは被
検診者が立った状態での横断面をいう)の断層像を、該
当する位置でのX線撮像信号の減衰率を用いて再構成す
る(ステップ25)。X線撮像信号の強度、すなわちX
線撮像信号の減衰率を用いて再構成した断層像をX線C
T像と称する。ステップ25においては、PET薬剤が
集積している患部を通る断層面でのX線CT像も再構成
される。X線CT像を再構成するために、記憶装置6か
ら読み出されたX線撮像信号の減衰率を用いて、X線源
3とX線を検出した放射線検出器2の半導体素子部との
間における体内での線減弱係数を求める。この線減弱係
数を用いて、フィルタードバックプロジェクション法に
より各ボクセルの線減弱係数を求める。各ボクセルの線
減弱係数の値を用いて各ボクセルにおけるCT値を得
る。これらのCT値を用いてX線CT像のデータが得ら
れる。このX線CT像のデータは、記憶装置6に記憶さ
れる。
【0034】患部で発生したγ線は体内を透過する間に
吸収・減衰されるため、これらの効果を前述の減衰率の
データより見積ってγ線撮像信号の計数値に補正をかけ
ることにより、更に高精度なγ線撮像信号の計数値を得
ることも可能である。ステップ26では、γ線撮像信号
の計数値を補正する。γ線撮像信号の計数値に関する補
正方法の一例を以下に述べる。まず、X線撮像信号の減
衰率を用いて被検診者7の断層像を再構成し、体内の各
位置におけるCT値を求める。得られたCT値から、各
位置における物質組成を見積もる。そして物質組成デー
タから511keVにおける各位置での線減弱係数を見
積もる。得られた線減弱係数データを用いて一対のγ線
を検出した一対の半導体素子部間の線減弱係数をフォワ
ードプロジェクション法により求める。求められたその
線減弱係数の逆数をγ線撮像信号の計数値に掛け合わせ
ることにより体内減衰によるデータ差の補正がなされ
る。
【0035】患部(例えば癌の患部)を含む、被検診者
7の横断面の断層像を、該当する位置でのγ線撮像信号
の補正後の計数値を用いて再構成する(ステップ2
7)。γ線撮像信号の計数値を用いて再構成した断層像
をPET像と称する。この処理を詳細に説明する。記憶
装置6から読み出されたγ線撮像信号の計数値を用い
て、一対のγ線を検出した一対の放射線検出器2(検出
点の位置情報より特定)の各半導体素子部間における体
内での線減弱係数を求める。この線減弱係数を用いて、
フィルタードバックプロジェクション法により各ボクセ
ルの線減弱係数を求める。得られた各ボクセルの線減弱
係数の値を用いて各ボクセルにおける放射線発生密度を
得る。これらの放射線発生密度に基づいてPET像のデ
ータを得ることができる。このPET像のデータは、記
憶装置6に記憶される。
【0036】PET像のデータとX線CT像のデータと
を合成して、両データを含む合成断層像のデータを求
め、記憶装置6に記憶させる(ステップ28)。患部の
位置におけるPET像データとその位置のX線CT像デ
ータを合成して、患部の位置での被検診者7の横断面の
合成断層像データを求める。PET像のデータとX線C
T像のデータとの合成は、両方の像データにおける、孔
部18の中心軸の位置を合わせることによって、簡単に
かつ精度良く行うことができる。すなわち、PET像の
データ及びX線CT像のデータは、共通の放射線検出器
2から出力された撮像信号に基づいて作成されるので、
前述のように位置合せを精度良く行える。合成断層像の
データは、記憶装置6から呼び出されてモニタ32に出
力され(ステップ29)、モニタ32のディスプレイに
表示される。モニタ32に表示された合成断層像はX線
CT像を含んでいるので、PET像における患部の、被
検診者7の体内での位置を容易に確認することができ
る。すなわち、X線CT像は内臓及び骨の像を含んでい
るので、医者は、患部(例えば、癌の患部)が存在する
位置を、その内臓及び骨との関係で精度よく特定するこ
とができる。
【0037】なお、X線CT像は複数のスキャンデータ
が必要なため、X線源駆動装置17を用いてX線源3を
ガイドレール50に沿って移動させることによって、放
射線検出器2により必要なデータ量を得ることができ
る。
【0038】本実施例では、放射線検出器31がX線撮
像信号及びγ線撮像信号の両方を出力する複数の放射線
検出器2で構成されているため、放射線検出器31はγ
線検出部でありX線検出部でもある。本実施例は、X線
検出部が、ベッド8の長手方向においてγ線検出部の一
端とγ線検出部の他端との間に形成される領域内に位置
している。
【0039】本実施例によれば、以下に示す効果を得る
ことができる。
【0040】(1)本実施例では、放射線検出器2のそ
れぞれが被検診者7の体内を透過するX線(透過X線と
いう)、及びPET用薬剤に起因してその体内から放出
されるγ線の両方を検出してX線撮像信号及びγ線撮像
信号を出力する。このため、従来技術は撮像装置として
透過X線を検出する撮像装置及びγ線を検出する他の撮
像装置を必要としていたが、本実施例は一台の撮像装置
13で前述の透過X線及びγ線の両方を検出でき、放射
線検査装置の構成を著しく単純化でき、かつ放射線検査
装置を小型化できる。しかも、本実施例は、透過X線及
びγ線の両方を検出する放射線検出器2の出力信号から
X線撮像信号及びγ線撮像信号のそれぞれを分離し、分
離したX線撮像信号の強度を用いて、被検診者の、内臓
及び骨の画像を含む患部(PET用薬剤が集積)の位置
での第1の断層像(X線CT像)を再構成でき、分離し
たγ線撮像信号の強度を用いて、その被検診者の、患部
の画像を含む第2の断層像(PET像)を再構成でき
る。第1断層像のデータ及び第2断層像のデータは透過
X線及びγ線の両方を検出する放射線検出器2の出力信
号に基づいて再構成されているので、患部の位置におけ
る第1断層像及び第2断層像の両データを精度良く位置
合せして合成することができ、精度のよい、患部,内臓
及び骨の画像を含む断層像(合成断層像)を簡単に得る
ことができる。この合成断層像によれば、内臓及び骨と
の関係で、患部の位置を正確に知ることができる。
【0041】(2)X線検出部がベッド8の長手方向に
おいてγ線検出部の一端とγ線検出部の他端との間に形
成される領域内に位置しているため、PET検査を実施
している被検診者7の所定の領域に対して、被検診者7
をベッド8により移動させずに同じ位置でX線CT検査
を実施できる。このため、検査中に被検診者7がベッド
8上で動いた場合でも、患部の位置でのPET像及びX
線CT像の両データを精度よく合成できる。得られた、
患部の位置での合成断層像データ、すなわち、モニタ3
2に表示された合成断層像画像を用いることによって、
患部の診断精度を向上できる。特に、臓器が込み入って
いる箇所に患部が存在する場合でも、本実施例で得られ
た断層画像により患部の位置を適切に把握でき、患部の
診断精度が向上する。
【0042】(3)本実施例は、第1の断層像を作成す
るために必要な撮像信号、及び第2の断層像を作成する
ために必要な撮像信号を共通の放射線検出器2から得る
ことができるため、被検診者の検査に要する時間(検査
時間)を著しく短縮できる。換言すれば、短い検査時間
で、第1の断層像を作成するために必要な撮像信号、及
び第2の断層像を作成するために必要な撮像信号を得る
ことができる。本実施例は、従来技術のように、被検診
者を、透過X線を検出する撮像装置からγ線を検出する
他の撮像装置まで移動させる必要がなく、被検診者が動
く確率を低減できる。被検診者を、透過X線を検出する
撮像装置からγ線を検出する他の撮像装置まで移動させ
る必要がなくなることも、被検診者の検査時間の短縮に
寄与する。
【0043】(4)さらに、X線CT像の作成のために
必要なX線撮像信号を得るために要する検査時間は、P
ET像の作成のために必要なγ撮像信号を得るために要
する検査時間よりも短い。このため、そのγ線撮像信号
得るための検査時間の間、常にX線源3からX線を被検
診者に照射してX線撮像信号を得ることによって、被検
診者が検査中に動いた場合でもX線撮像信号に基づいて
得られるX線CT像の連続像から、被検診者の揺動に伴
うPET像のデータのずれを補正できる。
【0044】(5)放射線検出器2として用いている半
導体放射線検出器は、エネルギー分解能が高い。このた
め、本実施例では、放射線検出器2から出力されたX線
撮像信号及びγ線撮像信号を弁別装置4で簡単に分離で
きる。
【0045】(6)放射線検出器2として半導体放射線
検出器を用いているため、撮像装置13を小型化でき
る。
【0046】(7)本実施例は、X線源3を周回させて
放射線検出器31を孔部18の周方向及び軸方向に移動
させないため、放射線検出器31を移動させるに必要な
モーターに比べてX線源3を周回させるモーターの容量
を小さくできる。後者のモーターの駆動に要する消費電
力も、前者のモーターのそれよりも少なくできる。
【0047】(8)本実施例は、環状の放射線検出器3
1の内側でX線源3が周回するため、放射線検出器31
の直径が大きくなり、放射線検出器31を構成する放射
線検出器2の個数を多くすることができる。周方向にお
ける放射線検出器2の個数の増加は、感度の向上をもた
らし、被検診者7の横断面の分解能を向上させる。
【0048】なお、必ずしも被検診者に対する検査時間
のすべての間、X線CT検査とPET検査の両方を行う必
要はない。必要なデータ量に応じてPET検査のみ行う
時間やX線CT検査のみを行う時間があってもよい。
【0049】(実施例2)本発明の他の実施例である放
射線検査装置を説明する。図示されていないが、本実施
例の構成は、図1の構成において信号弁別装置4の替り
に図8に示す信号弁別装置4Aを用いたものである。信
号弁別装置4Aは、後述の実施例4でも信号弁別装置4
の替りに用いることができ、実施例4でも用いることが
できる。信号弁別装置4Aは、前述の信号弁別装置4に
切替スイッチ60を新たに設置し、更に波高分析装置4
3を信号処理装置33に替えた構成を有する。信号弁別
装置4Aは、波形整形装置41,γ線弁別装置42、及
びX線強度を求める信号処理装置33を備える。信号処
理装置33は積分装置(図示せず)を有する。切替スイ
ッチ60は、可動端子61、及び固定端子62及び63
を有する。配線19は、可動端子61に接続される。波
形整形装置41は固定端子62及びγ線弁別装置42に
接続される。信号処理装置33は固定端子63に接続さ
れる。信号弁別装置4Aは信号処理装置であり、この信
号処理装置は第1の信号処理装置である信号処理装置3
3、及び波形整形装置41及びγ線弁別装置42を有す
る第2信号処理装置を備える。
【0050】図2に示す信号弁別装置4では、γ線撮像
信号及びX線撮像信号がγ線弁別装置42及び波高分析
装置43に入力されるため、各信号の定量性が維持でき
ない場合がある。また、X線源3から放射されるX線の
時間間隔を信号弁別装置のタイムウィンドウΔτよりも
短くして、X線CT検査の検査時間を短縮したい場合が
ある。この要求を満たすために、本実施例の信号弁別装
置4Aは、切替スイッチ60を設け、切替スイッチ60
の切替えにより配線19により伝送されてくる撮像信号
をγ線弁別装置42または信号処理装置33に伝えるよ
うに構成される。PET検査時は、可動端子61を固定
端子62に接続してPET検査を行う。
【0051】切替スイッチ60の固定端子62または固
定端子63に接続する切替操作は、駆動装置制御装置9
の出力である制御信号に基づいて行われる。駆動装置制
御装置9は、前述のようにX線源装置16の移動動作を
制御するが、同時にX線源3に対して180°反対側の
位置にある放射線検出器2を選択し、選択した放射線検
出器2に接続される信号弁別装置4Aの切替スイッチ6
0の可動端子61を固定端子63に接続する。
【0052】上記の放射線検出器2(X線源3に対して
180°反対側の位置にある)の選択について説明す
る。X線源駆動装置17内のモーターにはエンコーダー
(図示せず)が連結される。駆動装置制御装置9は、エ
ンコーダーの検出信号を入力してX線源3のガイドレー
ル50上の位置を求め、このX線源3の位置と180°
反対側に位置する放射線検出器2を、記憶している各放
射線検出器2の位置のデータを用いて選択する。X線源
3から放射されるX線はガイドレール50の円周方向に
ある幅を有しているため、被検診者7の体内を透過した
X線を検出する放射線検出器2は、選択した放射線検出
器2以外にも円周方向に複数個存在することになる。駆
動装置制御装置9はその複数の放射線検出器2も選択す
る。そのため、駆動装置制御装置9は、それらの放射線
検出器2に接続された複数個の切替スイッチ60の可動
端子61も固定端子63に接続する。駆動装置制御装置
9が、X線源3の移動によって別の放射線検出器2を選
択したときには、新たに選択放射線検出器2となる放射
線検出器2に接続された可動端子61は固定端子63に
接続される。選択放射線検出器でなくなった放射線検出
器2に接続された可動端子61は駆動装置制御装置9に
よって固定端子62に接続される。本実施例も、実施例
1と同様に、X線撮像信号及びγ線撮像信号の両方を出
力する複数の放射線検出器2によって環状の放射線検出
器31が形成される。
【0053】放射線検出器2から出力されたγ線撮像信
号は、可動端子61が固定端子62に接続されている状
態で波形整形装置41を介してγ線弁別装置42に入力
され、前述した放射線検査装置1のそれらと同様な処理
を受ける。γ線弁別装置42から出力されたパルス信号
は、同時計数装置5に入力される。同時計数装置5から
出力されたγ線撮像信号の計数値がコンピュータ14に
入力されて放射線検査装置1で行われる処理によりPE
T像のデータが求められる。本実施例では、可動端子6
1と固定端子62とが接続されている状態では、後述す
るように放射線検出器2にX線が入射されないので、γ
線撮像信号のみが波形整形装置41及びγ線弁別装置4
2に入力される。γ線弁別装置42は、第1フィルタに
よってPET像のデータ作成に悪影響を与える低エネル
ギーのγ線信号を削除する。このため、精度の良いPE
T像のデータを得ることができる。
【0054】次に、放射線検出器2から出力されたX線
撮像信号の処理を、図9を用いて説明する。X線源3よ
り放射されるX線の時間間隔は信号弁別装置4Aのタイ
ムウィンドウΔτに比べて小さいため、Δτの間に複数
のX線が放射線検出器2に入射される。一方、放射性薬
剤に起因して発生するγ線はΔτの間に複数のγ線対が
発生した場合、どの放射線検出器2の間で発生したかが
分からなくなるため、Δτの間に被検診者の体内で平均
1個、若しくはそれ以下のγ線対しか発生しないように
する。これは、被検診者に投与するPET検査用の放射
性薬剤の量を、Δτの間に体内で平均1個、若しくはそ
れ以下のγ線対しか発生しないような量に調整すること
によって可能である。放射線検出器2は一般のPET装
置では数千から数万個に及ぶため、例えば10Δτの間
に同じ放射線検出器に複数のγ線が入射する確率はほと
んど0である。そこで、例えば10Δτの検査時間の間
にX線源3よりX線を放射した場合で、その期間に一
度、γ線が放射線検出器に入射したとする(図9
(b))。すると、体内を透過したX線によるX線撮像
信号、そのγ線によるγ線撮像信号は図9(d)及び
(c)のような形になる。この結果、放射線検出器2か
ら出力される撮像信号は、図9(b)のような形にな
る。従って、放射線検出器2の出力信号から例えば最も
大きな信号を除いた信号を平均することにより、X線撮
像信号の強度が求まる。
【0055】可動端子61が固定端子63に接続されて
いるときに放射線検出器2で検出されたX線撮像信号及
び極めて少ない個数のγ線撮像信号が信号処理装置33
に入力され、積分装置によってそれらの撮像信号が積算
される。この撮像信号の積算は、可動端子61が固定端
子63に接続されている間に行われ、可動端子61が固
定端子62に接続されたときに積算を終了する。
【0056】信号処理装置33からX線撮像信号の積算
値、すなわちX線撮像信号の強度の情報がコンピュータ
14に入力される。本実施例では、図5のステップ21
の「X線撮像信号の計数値の入力」が「X線撮像信号の
強度の入力」、及びステップ22の「X線撮像信号の計
数値の記憶」が「X線撮像信号の強度の記憶」となり、
ステップ23の処理が実行されない。ステップ22の処
理後にステップ24の処理が実行される。ステップ24
による演算処理によって、入力したX線撮像信号の強度
からγ線撮像信号の積算値(予め決めた個数(1,2
個)のγ線撮像信号の積算値)を差引いて可動端子61
が固定端子63に接続されている時間で平均したX線撮
像信号の平均強度を求める。この平均強度に基づいて各
ボクセルにおける減衰率を計算し、ステップ25でX線
CT像のデータを求める。
【0057】信号弁別装置4Aを用いることによって、
γ線撮像信号及びX線撮像信号の定量性が改善できる。
信号弁別装置4の替りに本実施例の信号弁別装置4Aを
用いた放射線検査装置1は、実施例1で述べた効果も生
じる。本実施例は、実施例1のように、放射線検出器2
の出力信号からX線撮像信号とγ線撮像信号をそれぞれ
分離する処理を行ってはいないが、放射線検出器2から
出力されたX線撮像信号に基づいてX線CT像データを
作成することができ、γ線撮像信号に基づいてPET像
のデータを得ることができる。本実施例は、実施例1で
生じる(1)〜(8)の効果を得ることができる。
【0058】(実施例3)本発明の他の実施例である放
射線検査装置を、図10を用いて説明する。本実施例
は、X線CT検査とPET検査とを一台の撮像装置13
Aを用いて行う例である。本実施例の放射線検査装置1
Aは、配線19Bによって信号処理装置33に接続され
る放射線検出器54、及び配線19Aによって信号弁別
装置4Bに接続される放射線検出器55を有する。放射
線検出器54及び55は、放射線検出器2と同様に、半
導体放射線検出器である。放射線検出器54と放射線検
出器55とは、撮像装置13Aの孔部18の円周方向に
交互に配置される。放射線検出器54及び55の配置
は、交互に配置する必要はなく、必要においてそれらの
配列割合を変えてもよい。信号弁別装置4Bは信号処理
装置である。
【0059】信号弁別装置4Bは、図11に示すよう
に、直列に接続された波形整形装置41及びγ線弁別装
置42を有する。波形整形装置41が配線19Aに接続
される。電源44の接続状態は、図2に示す構成と同じ
である。
【0060】放射線検出器54及び55は、図1の実施
例における放射線検出器2と同様に、X線撮像信号及び
γ線撮像信号を出力する。放射線検出器54に接続され
た信号処理装置33は、前述した信号弁別装置4Aの信
号処理装置33と同様にX線撮像信号の積分値であるX
線撮像信号の強度を出力する。放射線検出器55の出力
を入力する波形整形装置41及びγ線弁別装置42は、
信号弁別装置4のそれらと同じ処理を実行する。γ線弁
別装置42はγ線撮像信号に基づいたパルス信号を発生
する。
【0061】本実施例のコンピュータ14における処理
は、実施例2で述べたその処理と同じである。最終的
に、患部の位置でのX線CT像及びPET像の両データ
を合成し、患部位置での合成断層像のデータが得られ
る。本実施例は、実施例2で述べた効果を得ることがで
きる。放射線検出器54及び55を交互に配置すること
によってγ線が検出できない位置(放射線検出器54が
配置された位置)及びX線が検出できない位置(放射線
検出器55が配置された位置)が存在することによる、
PET像及びX線CT像の画質の低下を補うために、例
えばモーターを用いて放射線検出器54及び55を孔部
18の円周方向に旋回させる。これによって、その円周
方向においてきめ細かくX線及びγ線を検出することが
できる。このため、PET像およびX線CT像の画質の
低下を防止できる。本実施例は、ベッド8の長手方向に
配置された複数の放射線検出器54によってX線源制御
装置53が構成され、その長手方向に配置された放射線
検出器55によってγ線検出部35が構成される。X線
源制御装置53とγ線検出部35が孔部18の周方向に
交互に配置されている。X線源制御装置53は、ベッド
8の長手方向においてγ線検出部35の一端とγ線検出
部35の他端との間に形成される領域内に位置してい
る。本実施例も、実施例1で生じる(1)〜(8)の効
果を得ることができる。
【0062】(実施例4)本発明の他の実施例である放
射線検査装置1Bを、図12に基づいて以下に説明す
る。放射線検査装置1Bは、X線CT装置及びSPEC
T装置の機能を有している。放射線検査装置1Bの撮像
装置30は、放射線検査装置1の撮像装置13における
各放射線検出器2よりも孔部18の中心側にコリメータ
10を配置したものである。放射線検査装置1Bの他の
構成は放射線検査装置1と同じである。本実施例も、図
示されていないが、実施例1と同様に、複数の放射線検
出器2で構成された放射線検出器31を有する。この放
射線検出器31はX線検出部及びγ線検出部を兼用して
いる。信号弁別装置4は前述のように信号処理装置であ
る。計数装置5Aは各信号弁別装置4のγ線弁別装置4
2のそれぞれに接続される。計数装置5Aは幾つかのγ
線弁別装置42毎に設けても良い。コリメータ10は、
図12に図示されていないが各放射線検出器2毎にそれ
ぞれ対向するように設けられ、X線及びγ線が通過する
貫通孔を有する。本実施例は、X線CT検査とSPEC
T検査(SPECT用薬剤に起因して被検診者の体内か
ら放射されるγ線を放射線検出器で検出する行為)とを
一台の撮像装置30を用いて行う例である。
【0063】SPECT検査では、前述したシングルフ
ォトン放出核種を含むSPECT用薬剤を投与した被検
診者7をベッド8上に寝かせて、SPECT用薬剤に起
因して被検診者7の体内で発生する単一のγ線を放射線
検出器2で検出する。特定の角度から入射するγ線を検
出するために、前述のようにコリメータ10が配置され
る。例えば、コリメータ10は放射線検出器2に対して
垂直な方向のγ線を放射線検出器2に入射可能にしてい
る。
【0064】被検診者の体内を透過したX線を放射線検
出器2で検出する場合には、放射線検出器2に対して斜
め方向から入射するX線も必要である。コリメータ10
によってそのX線が遮られるとX線CT検査が行えなく
なる。このため、本実施例は、高エネルギーX線を発生
するX線源3を用い、そのX線を被検診者に照射して体
内を透過するX線を放射線検出器2で検出する。本実施
例におけるX線源3は、図1の実施例で用いられるX線
源3よりも高エネルギーX線を放射する。
【0065】SPECT用薬剤に起因して発生するγ線
のエネルギーはPET用薬剤に起因して発生するγ線の
エネルギーよりも低い。SPECT用薬剤に起因して発
生するγ線のエネルギーは、例えば約80eV〜130
keVの範囲にある。この場合、コリメータ10は、約
80eV以下のエネルギーを有するγ線が貫通孔以外の
部分を透過しないように構成される。
【0066】X線源3により照射されるX線は、SPE
CT用薬剤によって発生するγ線のエネルギーと同じに
ならないようにし、更にコリメータ10の貫通孔以外の
部分を透過できるエネルギーを有するX線にする。これ
により、コリメータ10を装着した状態でX線CT検査
を行うことが可能になる。例えば、X線のエネルギーを
300keVとし、γ線のエネルギーを100keV、
コリメータ10の材質としてタングステンを用いた場合
を考える。タングステンの300keV光子における線
源弱定数は約6.0cm-1 であるのに対し、100keV
光子における線源弱定数は約83cm-1である。このた
め、コリメータ10をX線,γ線がそれぞれ0.5mm 透
過した場合、X線は約75%透過するのに対し、γ線は
約2%しか透過しない。この結果、放射線検出器2は、
放射線検出器2に斜めに入射するX線に対しても出力信
号を出力するが、コリメータ10にて遮られる、斜めに
入射したγ線に対しては出力信号を出力しない。
【0067】本実施例において、各放射線検出器2は、
X線源3から放射されて被検診者7の体内を透過したX
線、及び体内のSPECT用の放射性薬剤に起因して患
部から放出されたγ線をそれぞれ検出し、X線撮像信号
及びそのγ線の検出信号(γ線撮像信号)を含んでいる
出力信号(撮像信号)をそれぞれ出力する。本実施例
は、患部を透過するX線も該当する位置にある放射線検
出器2で検出される。信号弁別装置4は、撮像信号から
X線撮像信号とγ線撮像信号とを分離する。本実施例で
は、γ線弁別装置42は第1エネルギー設定値(例えば
120keV)以下のエネルギーを有する撮像信号(γ
線撮像信号)を入力したときにパルス信号を出力する。
計数装置5Aは、そのパルス信号の計数を行い、γ線撮
像信号に対する計数値を求める。波高分析装置43は、
第2エネルギー設定値(例えば290keV)以上で第
3エネルギー設定値(310keV)以下の範囲のエネ
ルギーを有する撮像信号(X線撮像信号)の計数値を出
力する。γ線撮像信号及びX線撮像信号の各計数値は、
コンピュータ14に入力され、記憶装置6に記憶され
る。コンピュータ14は、それらの計数値を用いて図5
に示された処理手順に基づいた処理を実行する。本実施
例で実行されるステップ21〜29のうち、図1に示さ
れる実施例で実行される処理とは異なるステップの処理
だけを以下に説明する。本実施例のステップ23で行わ
れるX線撮像信号の計数値の補正は、図1に示す実施例
のステップ23で実行される補正とは異なり、コリメー
タ10の線源弱計数を用いて行われる。この補正につい
て、詳細に説明する。
【0068】得られたX線撮像信号の計数値は、コリメ
ータ10を透過したX線の計数値が含まれているため、
コリメータ10の線源弱計数を用いて補正する必要があ
る。例えばコリメータ10がタングステンで作られてお
り、かつX線がコリメータ10を1mm透過した場合、先
ほど示した線源弱計数から、計数が約0.55 倍とな
る。このため、記憶装置6に記憶しているX線撮像信号
の計数値にその逆数をかけることによりその計数値の補
正ができる。
【0069】本実施例のステップ27ではフィルタード
バックプロジェクション法によりSPECT像の再構成
の処理が実行される。SPECT像とは、本実施例で得
られたγ線撮像信号の計数値を用いて再構成した、被検
診者7の横断面の断層像をいう。本実施例のステップ2
8では、ステップ25で得られたX線CT像のデータと
ステップ27で得られたSPECT像のデータにおけ
る、撮像装置の孔部18の中心軸の位置を合わせること
によって、患部位置におけるX線CT像のデータ及びS
PECT像のデータの両データの合成が精度良く行われ
る。得られた合成断層像のデータは、記憶装置6に記憶
される。
【0070】本実施例は、共通の放射線検出器2の出力
信号に基づいて得られたX線CT像のデータとSPEC
T像のデータとの合成により、合成断層像のデータを得
るものであるが、図1の実施例で生じる(1)〜(8)の
効果を得ることができる。図1の実施例の効果の記載で
「PET像」とあるのは、本実施例では「SPECT
像」となる。
【0071】なお、必ずしも被検診者に対する検査時間
すべての間、X線CT検査とSPECT検査の両方を行う必
要はない。必要なデータ量に応じてSPECT検査のみ
行う時間やX線CT検査のみを行う時間があってもよ
い。
【0072】実施例2,実施例3及び実施例6で用いら
れる各撮像装置において、各放射線検出器の孔部18の
中心側に、本実施例と同様にコリメータ10を配置して
もよい。このようなコリメータ10を有する各撮像装置
は、SPECT検査に用いることができる。
【0073】(実施例5)本発明の他の実施例である放
射線検査装置1Cを、図13及び図14を用いて説明す
る。放射線検査装置1Cは、前述の放射線検査装置1B
と同じく、X線CT装置及びSPECT装置の機能を有
している。放射線検査装置1Cは、放射線検査装置1B
の撮像装置30を撮像装置30Aに替えた部分が放射線
検査装置1Bと異なっている。撮像装置30A以外の、
放射線検査装置1Cの構成は、放射線検査装置1Bの構
成と同じである。撮像装置30Aはコリメータ10及び
X線源3を孔部18の軸方向に移動できる構成となって
おり、この構成が撮像装置30にない構成である。孔部
18の周囲に配置された複数の放射線検出器2によって
環状の放射線検出部36が構成される。放射線検出部3
6は、X線撮像信号を出力するX線検出部であってγ線
撮像信号を出力するγ線検出部であり、両検出部を兼ね
ている。撮像装置30Aの他の構成は、撮像装置30と
同じである。本実施例は、X線CT検査とSPECT検
査とを一台の撮像装置30Aを用いて行う例である。
【0074】コリメータ10は、図示されていないが、
ケーシング15の内側に設置された、孔部18の軸方向
に伸びる複数の直線状の水平方向ガイドレール上に水平
方向に移動可能に設置される。コリメータ10を水平方
向に移動させるコリメータ駆動装置は、図示されていな
いが、ケーシング15内のコリメータ収納領域70に設
置されたモーター、このモーターの回転軸に連結される
ピニオン及びコリメータ10の外周に設けられたラック
を備える。そのラックは、コリメータ10の外周で、コ
リメータ10の貫通孔を避けるように、孔部18の軸方
向に伸びている。ピニオンはラックと噛合っている。モ
ーターの回転力を受けて回転するピニオンによって、ラ
ックが取り付けられているコリメータ10が孔部18の
軸方向に移動する。X線源駆動装置17は、前述したX
線源装置16をガイドレール50に沿って移動させる駆
動機構(第1駆動機構)以外に、X線源3を孔部18の
軸方向に移動させる他の駆動機構(第2駆動機構、図示
せず)を備えている。この第2駆動機構は、図示されて
いないが、X線源駆動装置17の前述のモーターに第2
クラッチを介して連結される第2動力伝達機構、X線源
3に設けられたラック(孔部18の軸方向に伸びてい
る)と噛合って第2動力伝達機構に連結されるピニオン
を有する。本実施例では、第1駆動機構の動力伝達機構
(第1動力伝達機構)と前述のモーターとを第1クラッ
チによって連結する。
【0075】本実施例におけるコリメータ10は、SP
ECT検査開始前にコリメータ駆動装置によって図13
に示すように放射線検出器2の前面に移動される。ま
た、SPECT検査開始前に第1クラッチによるモータ
ーと第1動力伝達機構との連結を解除して第2クラッチ
によりモーターと第2動力伝達機構とを連結させ、モー
ターの駆動によりX線源3を図13のように放射線検出
器2の前面から孔部18の外側に移動させる。この状態
でSPECT検査が行われる。コリメータ10はX線C
T検査開始前にコリメータ駆動装置によって図14のよ
うにコリメータ収納領域70に収納される。X線源3
は、X線CT検査開始前に第2クラッチによりモーター
と第2動力伝達機構とを連結させた状態でのモーターの
駆動によって孔部18内に挿入され、図14に示すよう
に放射性検出器2の前面に位置する。
【0076】ベッド8上には、SPECT用薬剤を投与
された被検診者7が寝かせられている。SPECT検査
時には、前述したようにコリメータ10を用いて放射線
検出器2に入射するγ線の方向を特定する必要がある。
このため、図13の状態でSPECT検査が実施され
る。SPECT検査時には放射線検出器2からはγ線撮
像信号のみが出力され、信号弁別装置4のγ線弁別装置
42からγ線撮像信号に対するパルス信号が出力され
る。パルス信号は計数装置5Aで計数され、γ線撮像信
号の計数値としてコンピュータ14(図示せず)に入力
される。
【0077】X線CT検査時においては、X線源駆動装
置17において第1クラッチによってモーターと第1動
力伝達機構を連結させて(第2クラッチは離れている)
モーターの駆動によりX線源装置16をガイドレール5
0に沿って移動させる。被検診者7の体内を透過してく
るX線を放射線検出器2で検出する。放射線検出器2は
X線撮像信号のみを出力し、信号弁別装置4の波高分析
装置43はX線撮像信号の計数値を出力する。この計数
値もコンピュータ14に入力される。コンピュータ14
は、放射線検査装置1Bのコンピュータ14と同様な処
理を行い、患部の位置におけるSPECT像及びX線C
T像の両データを精度よく合成でき、合成断層像のデー
タを得ることができる。この合成断層像のデータはモニ
タ32(図示せず)に表示される。
【0078】本実施例は一台の撮像装置30で前述の透
過X線及びγ線の両方を検出でき、放射線検出器を撮像
装置二台分を設ける必要もなく、放射線検査装置の構成
を著しく単純化できる。
【0079】本実施例は、放射線検出器2の出力信号か
ら分離したX線撮像信号の強度を用いて、実施例1で述
べた患部の位置での被検診者の第1の断層像(X線CT
像)を再構成でき、分離したγ線撮像信号の強度を用い
て、その被検診者の、患部の画像を含む第2の断層像
(SPECT像)を再構成できる。これらの断層像のデ
ータを実施例1と同様に精度良く合成でき、精度のよ
い、患部,内臓及び骨の画像を含む断層像(合成断層
像)を簡単に得ることができる。この合成断層像によれ
ば、内臓及び骨との関係で、患部の位置を正確に知るこ
とができる。本実施例は実施例1で述べた同じ理由で、
被検診者の検査時間の短縮に寄与する。特に、SPEC
T検査時におけるベッド8の移動方向とX線CT検査に
おけるベッド8の移動方向を逆にすることによって、検
査時間は更に減少する。例えば、ベッド8を孔部18に
挿入する方向に動かしながらX線CT検査を実施し、X
線CT検査終了後に引続いてベッド8を孔部18から引
抜く方向に動かしながらSPECT 検査を実施する。この場
合は、X線CT検査終了後にベッド8を孔部18から引
抜いて再び孔部18内に挿入して実施するSPECT検
査に比べて検査時間が短縮される。
【0080】本実施例のX線源3は、放射線検査装置1
BのX線源3よりもエネルギーの低いX線を放射するも
のでよく、コンパクトになる。また、本実施例は、低い
エネルギーのX線を使用できるので、被検診者に対する
負担を軽減できる。しかしながら、X線のエネルギーが
低下してSPECT用の放射性薬剤に起因して体内から
放出されるγ線のエネルギーと同一になった場合には、
信号弁別装置4でX線撮像信号とγ線撮像信号とのエネ
ルギー弁別が不可能になる。このため、例えば80ke
Vのγ線を出すSPECT用薬剤を用いる場合は、例え
ば100keVのX線を用いる必要がある。
【0081】コリメータ10をコリメータ収納領域70
に収納してX線CT検査を行っているときでも、放射線
検出器2は体内から放出されるγ線を検出する。このと
きに放射線検出器2に入射したγ線に関しては、角度情
報が得られない。このγ線の検出信号(γ線撮像信号)
に基づいてSPECT像のデータを得ることができれ
ば、X線源からエネルギーの低いX線を放出した場合に
おいてもコリメータ10が不要となって撮像装置30A
における孔部18の軸方向の寸法を短くできる。これ
は、撮像装置30Aの小型化につながる。これを達成す
るために、2つの方法が考えられる。第1の方法は、コ
リメータ10をコリメータ収納領域70に収納している
間に放射線検出器2に入射したγ線の計数値は、特定の
分布状態を仮定してコリメータ10が存在する状態の個
数を見積もる方法である。第2の方法は、コリメータ1
0が前面に位置していない時間が最も長い放射線検出器
2のγ線の検出時間を基準時間として、他の放射線検出
器2が検出したγ線の計数値を基準時間分のその計数値
に合わせる方法である。これらの第1及び第2の方法を
用いることにより、各放射線検出器2の出力であるγ線
撮像信号を用いて得られたその計数値の重みを均一にし
てから、例えばフィルタードバックプロジェクション法
などを用いてSPECT像のデータを求める。
【0082】(実施例6)本発明の他の実施例である放
射線検査装置1Dを、図15を用いて以下に説明する。
放射線検査装置1Dは、放射線検査装置1の構成にX線
源制御装置53を付加し、かつ放射線検査装置1の信号
弁別装置4を図8に示す信号弁別装置4Aに取り替えた
構成を有する。放射線検査装置1Dの他の構成は放射線
検査装置1と同じである。本実施例も、X線検出部及び
γ線検出部の機能を有する放射線検出器31を有する。
本実施例は、X線CT検査とPET検査とを一台の撮像
装置13を用いて行う例である。信号弁別装置4Aは信
号処理装置である。
【0083】本実施例は、発明者らによる以下の検討に
基づいてなされた。X線CT像のデータは、X線源から
放射されたX線を特定の方向に所定時間の間、照射し、
体内を透過したX線を放射線検出器により検出する作業
を繰り返し(スキャン)、放射線検出器で検出されたX
線の強度に基づいて作成される。精度の良いX線CT像
のデータを得るためには、X線CT検査においてX線を
検出している放射線検出器に被検診者の体内から放出さ
れるγ線が入射しないことが望ましい。このためには、
「1つの放射線検出器においては、γ線の入射率に対応
して被検診者へのX線の照射時間を短くすればγ線の影
響は無視可能である」との発明者らの新しい知見に基づ
いて、被検診者へのX線の照射時間の短縮を図った。そ
のX線の照射時間Tを決めるために、まず、1つの放射
線検出器へのγ線の入射率を考える。PET検査におい
て被検診者に投与するPET用薬剤に基づいた体内の放
射能をN(Bq),発生するγ線の体内通過率をA、1
つの放射線検出器の立体角から求めた入射率をB、放射
線検出器の感度をCとすると、1つの放射線検出器で検
出するγ線の率α(個/sec)は(1)式で与えられる。
(1)式において係数 α=2NABC …(1) の「2」は、1個の陽電子消滅の際に一対(2個)のγ
線が放出されることを意味している。照射時間T内に1
つの放射線検出器でγ線が検出される確率Wは(2)式
で与えられる。(2)式のWの値を小さくするように照
射時間Tを決め W=1−exp(−Tα) …(2) ることによって、X線CT検査時において1つの放射線
検出器に入射されるγ線の影響は無視できる程度にな
る。
【0084】X線の照射時間Tの一例を以下に述べる。
(1)および(2)式に基づいて具体的なX線の照射時間
Tを求めた。PET検査において被検診者に投与するP
ET用薬剤に起因する体内での放射線の強度は、最大で
360MBq程度であり(N=360MBq)、γ線の
体内通過率Aは被検診者の体を半径15cmの水と仮定す
れば0.6程度(A=0.6)である。例えば一辺5mmの
放射線検出器を半径50cmでリング状に配置する場合を
考えると、1つの放射線検出器の立体角から求めた入射
率Bは8×10-6(B=8×10-6)である。また、放
射線検出器の検出感度Cは半導体放射線検出器を使用し
た場合最大で0.6程度(C=0.6)である。これらの
値から1つの放射線検出器のγ線の検出率αは2000
(個/sec )程度である。X線の照射時間Tを例えば
1.5μsecとすれば、1つの放射線検出器がX線検出中
にγ線を検出される確率Wは0.003 となり、このγ
線はほとんど無視できる。体内投与放射能を360MB
q以下とした場合、X線の照射時間を1.5μsec以下に
すれば、W<0.003 つまりγ線の検出確率は0.3
%以下となり無視できる。
【0085】X線源制御装置53はX線源3からのX線
の放出時間を制御する。X線源3は図示されていないが
X線管を有する。このX線管は、陽極,陰極,陰極の電
流源、及び陽極と陰極との間に電圧を印加する電圧源を
外筒内に備える。陰極はタングステン製のフィラメント
である。電流源から陰極に電流を流すことによってフィ
ラメントから電子が放出される。この電子は、電圧源か
ら陰極と陽極との間に印加される電圧(数百kV)によ
って加速され、ターゲットである陽極(W,Mo等)に
衝突する。電子の陽極への衝突により80keVのX線
が発生する。このX線がX線源3から放出されて、ベッ
ド8上の被検診者7に照射される。被検診者7には体内
投与放射能が360MBqになるようにPET用薬剤が
投与されている。
【0086】駆動装置制御装置9から駆動開始信号が出
力されたとき、前述のようにX線源装置16がガイドレ
ール50に沿って移動し、X線源3も一緒に移動する。
ガイドレール50に沿ったX線源3の移動は、X線源駆
動装置17によって所定の速度で行われる。X線源制御
装置53は、X線管内の陽極(または陰極)と電圧源と
の間に設けられた開閉器(以下、X線源開閉器という、
図示せず)を、第1設定時間の間で閉じ、第2設定時間
の間で開き、これらの開閉制御を繰り返す。陽極と陰極
との間には、第1設定時間の間で電圧が印加され、第2
設定時間の間で電圧が印加されない。この制御によっ
て、X線管からX線がパルス状に放出される。第1設定
時間は照射時間T(例えば1μsec )である。第2設定
時間は、X線源3が1つの放射線検出器2とこれに隣接
する他の放射線検出器2の間を移動する時間T0 であ
り、ガイドレール50の周方向におけるX線源3の移動
速度で定まる。第1及び第2設定時間はX線源制御装置
53に記憶されている。
【0087】X線CT検査におけるX線の検出及び検出
したX線の信号処理について説明する。X線CT検査を
開始する際に駆動装置制御装置9から駆動開始信号が出
力され、前述のようにX線源3がガイドレール50に沿
って移動する。その駆動開始信号はX線源制御装置53
に入力される。X線源制御装置53は、駆動開始信号の
入力に基づいて、X線源3、具体的にはX線管にX線発
生開始信号を出力する。このX線発生開始信号によって
X線源開閉器が閉じられる。陽極と陰極との間に電圧が
印加されてX線が発生する。X線源3から放出されたそ
のX線は、ファンビーム状に被検診者7に照射され、被
検診者7を透過した後、孔部18の中心を基点にX線源
3から180度の位置にある放射線検出器2を中心に孔
部18の円周方向においても複数の放射線検出器2に入
射する。X線源制御装置53は、そのX線開閉器を第1
設定時間、すなわち1μsec の間、閉じ、次の第2設定
時間の間でX線源開閉器は開く。X線源3の周方向への
移動に伴って、前述の時間間隔でX線開閉器の開閉が繰
り返される。X線源開閉器が閉じているときに放出され
るX線は、前述のX線源3と対向する位置にある上記の
各放射線検出器2に入射する。
【0088】X線が入射されている各放射線検出器2の
出力信号は、実施例2で述べたように、駆動装置制御装
置9の制御によって切替スイッチ60の可動端子61が
固定端子63に接続されているため、信号処理装置33
に入力される。患部を透過したX線も該当する放射線検
出器2によって検出される。信号処理装置33は、X線
撮像信号の強度の情報をコンピュータ14に入力する。
被検診者7の患部からはPET用薬剤に起因した511
keVのγ線が放出され、このγ線が放射線検出器2に
入射される。X線が入射している放射線検出器2のγ線
の検出確率は、前述したように無視できるほど小さい。
X線が入射している放射線検出器2以外の放射線検出器
2は、γ線を検出してγ線撮像信号を出力する。これら
の放射線検出器2に接続された可動端子61は固定端子
62に接続されているので、波形整形装置41及びγ線
弁別装置42に入力される。γ線弁別装置42から出力
された、第1エネルギー設定値以上のγ線撮像信号に対
するパルス信号は、同時計数装置5で計数される。得ら
れたγ線撮像信号の計数値は、コンピュータ14に入力
される。コンピュータ14にて行われる処理は、実施例
2で説明した処理と同じである。ただし、本実施例で
は、実施例2で実行されるステップ24の処理のうち、
γ線撮像信号の積算値を差引くことは行われない。コン
ピュータ14での処理により、合成断層像のデータが得
られる。本実施例の各放射線検出器2は、時間的にはず
れているが、X線撮像信号及びγ線撮像信号の両方を出
力する。
【0089】本実施例は、実施例2で生じる効果(実施
例1で生じる効果も含む)を得ることができる。本実施
例は、実施例2よりも信号処理装置33に入力されるγ
線撮像信号が著しく減少する。このため、X線撮像信号
に基づいた精度のよいX線CT像のデータを得ることは
できる。最終的に得られた合成断層像のデータをモニタ
32に表示したとき、患部の位置を精度良く知ることが
できる。本実施例は、実施例2と同様に、放射線検出器
2から出力される出力信号からX線撮像信号とγ線撮像
信号をそれぞれ分離する処理を行ってはいないが、X線
CT像データを作成することができ、PET像のデータ
を得ることができる。
【0090】(実施例7)本発明の他の実施例である実
施例7の放射線検査装置を、図16及び図17を用いて
説明する。本実施例の放射線検査装置は、撮像装置13
B及び被検診者保持装置11を備える。本実施例の放射
線検査装置は、図示されていないが、図10に示す信号
弁別装置4B,同時計数装置5,信号処理装置33,記憶
装置6,コンピュータ14及びモニタ32を備える。実
施例6との違いは撮像装置13Bにあるので、以下主に
撮像装置13Bを中心に説明する。
【0091】撮像装置13Bは、ベッド8の長手方向に
おいて並行に配置された複数の放射線検出器環状体3
7,X線源装置16A及びX線検出装置48を備える。
各放射線検出器環状体37は、環状保持部材38の内面
に複数の放射線検出器2を周方向及び軸方向に設置して
いる。各環状保持部材38は、検出器保持装置39によ
って個々に支持部材40上に設置されている。各放射線
検出器環状体37の相互間に、間隙45がそれぞれ形成
される。環状の周方向ガイドレール56が各環状保持部
材38の外面に設けられる。X線源軸方向ガイドレール
51及び検出器軸方向ガイドレール52は、お互いに1
80°離れた位置で各環状保持部材38の外面に軸方向
に延びて設けられる。X線源装置16Aは、そのケーシ
ング内に、図示されていないが、モーター,減速機構、
及び周方向移動用と軸方向移動用の2種のピニオンを有
する。X線源装置16Aの周方向移動時には、減速機構
が周方向移動用ピニオンに接続され、モーターが回転し
た駆動力を周方向移動用ピニオンに伝達する。X線源装
置16Aの軸方向移動時には、減速機構が軸方向移動用
ピニオンに接続され、モーターが回転した駆動力を軸方
向移動用ピニオンに伝達する。周方向移動用ピニオンは
周方向ガイドレール56に設けられたラックと噛み合う
ことにより、また軸方向移動用ピニオンはX線源軸方向
ガイドレール51に設けられたラックと噛み合うことに
より、自走式のX線源装置16Aは環状保持部材38の
外面側においてそれぞれの方向に移動可能である。X線
源3はX線源装置16A内で環状保持部材38に面して
設けられる。
【0092】X線検出装置48は、環状保持部材38の
外側で、半円の連結部材(図示せず)によってX線源装置
16Aに連結される。このため、X線源装置16Aが周
方向ガイドレール56に沿って環状保持部材38の周方
向に移動するときには、X線検出装置48は、X線源装
置16Aの移動に伴って周方向ガイドレール56に沿っ
て環状保持部材38の外側で環状保持部材38の周方向
に移動する。X線源装置16AがX線源軸方向ガイドレ
ール51に沿って環状保持部材38の軸方向に移動する
ときには、X線検出装置48は、X線源装置16Aの移
動に伴って検出器軸方向ガイドレール52に沿って環状
保持部材38の外側で環状保持部材38の軸方向に移動
する。X線検出装置48は複数のX線検出器47を周方
向に配置している。X線検出装置48に設置された複数
のX線検出器47によってX線検出部が構成される。X
線検出器47は環状保持部材38の軸方向にも複数個配
列してもよい。
【0093】γ線検出部46は、全放射線検出器環状体
37に設けられた放射線検出器2によって構成される。
X線検出部は、ベッド8の長手方向においてγ線検出部
46の一端とγ線検出部46の他端との間に形成される
領域内に位置している。放射線検出器2及びX線検出器
47は、実施例1で述べた半導体放射線検出器である。
【0094】PET用薬剤を投与された被検診者7はベ
ッド8を移動させることによって孔部18内の所定の位
置まで移動させる。X線源3から放出されたX線49は
間隙45を通過して被検診者7に照射される。X線源3
から放出されるX線49は、X線源装置16Aが周方向
ガイドレール56に沿って移動されることによって周囲
から被検診者7に照射される。被検診者7を透過したX
線49は、X線検出部のX線検出器47によって検出さ
れる。X線源装置16A及びX線検出装置48を隣の間
隙45まで移動させるためには、1つの間隙45からの
X線の照射が完了した後、X線源装置16AをX線源軸
方向ガイドレール51に沿って移動させる。そのとき、
X線検出装置48は検出器軸方向ガイドレール52に沿
って移動する。X線源装置16Aが隣の間隙45に達し
たとき、X線源装置16A及びX線検出装置48を周方
向ガイドレール56に沿って移動させる。X線源3から
放出されるX線49は、その間隙45を通過して被検診
者7に照射される。
【0095】いずれかの間隙45を通して照射されたX
線49は、被検診者7の患部を透過する。被検診者7を
透過したX線はX線検出器47で検出される。X線検出
器47はX線撮像信号を出力する。患部から放出された
γ線は放射線検出器2で検出される。放射線検出器2は
γ線撮像信号を出力する。X線撮像信号は信号処理装置
33で処理される。γ線撮像信号は信号弁別装置4B及
び同時計数装置5で処理される。コンピュータ14は、
実施例1と同様に、被検診者7の体内の各ボクセルにお
けるX線の減衰率に基づいてX線CT像を再構成し、γ
線撮像信号の計数値を用いてPET像を再構成する。コ
ンピュータ14は、患部の位置におけるPET像データ
とその位置のX線CT像データを合成して、患部の位置
での被検診者7の横断面の合成断層像データを求める。
【0096】本実施例は、実施例1で生じる(1)〜
(8)の効果を得ることができる。更に、本実施例は、
以下に示す効果も得ることができる。
【0097】(9)本実施例では切替スイッチ60が不
要となる。つまり、環状保持部材38上に設置している
放射線検出器2は、配線19Aで波形整形装置41を介
してγ線弁別装置42に接続されている。一方、X線検
出器47は、配線19Bで信号処理装置33に接続され
ている。したがって回路構成が単純化される。また、切
替スイッチ等の制御も必要なくなり制御方法も単純化で
きる。
【0098】(10)本実施例では、X線源装置16A
及びX線検出装置48が360度回転可能な構成となっ
ている。従って、X線CT検査において、1断面像を得
るために360度方向のデータを得ることが可能とな
り、X線CT画像の画質の向上が図れる。
【0099】(11)本実施例では、孔部18の中心軸
に対してX線源3とX線検出器47を対向の位置に配置
している。従って、X線CT検査の2次元の断面画像の
撮影時にX線をこの断面に平行に照射することが可能と
なり、X線CT像の画質の向上が図れる。
【0100】(12)本実施例は、X線を間隙45に対
して平行に照射できる。従って、間隙45の幅を通過す
るX線の幅とほぼ同等な幅まで最小化することが可能で
ある。間隙45はPET検査時のデータ欠損領域であ
り、間隙45幅の最小化により、PET検査の高速化,
画質の向上が図れる。
【0101】(13)本実施例では、X線検出装置48
をPET検査用のγ線を検出する放射線検出器2と別個
に備えている。従って、X線検出装置48内での複数の
X線検出器47の配列ピッチを任意に設定可能であり、
X線CT像の高分解能化が容易に実施できる。
【0102】X線検出部の少なくとも一部がベッド8の
長手方向においてγ線検出部の一端とγ線検出部の他端
との間に形成される領域内に位置していれば、患部の位
置でのPET像及びX線CT像の両データを精度よく合
成できる。得られた、患部の位置での合成断層像データ
を用いることによって、患部の診断精度を向上できる。
【0103】以上に述べた各実施例は、放射線検出器と
して半導体放射線検出器を用いているが、半導体放射線
検出器の替りにシンチレータを用いることも可能であ
る。シンチレータを用いた場合でも、その出力信号は、
前述した各信号弁別装置で信号処理することができる。
シンチレータのクリスタルとしては、ビスマスゲルマネ
ート,ガドリニウムシリケートまたはイットリニウムシ
リケートが用いられる。放射線検出器としてシンチレー
タを用いることによって、各実施例における検査時間が
更に短縮できる。
【0104】
【発明の効果】本発明によれば、断層画像を用いての診
断精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である放射線検査装置
の斜視図である。
【図2】図1に示す実施例における信号弁別装置の構成
図である。
【図3】図2の波形整形装置に入力されるγ線撮像信号
の波形を示す説明図である。
【図4】図2の波形整形装置から出力されたγ線撮像信
号の波形を示す説明図である。
【図5】図1のコンピュータで実行される処理手順のフ
ローチャートである。
【図6】放射線検出器で検出されたγ線撮像信号のエネ
ルギースペクトルを示す説明図である。
【図7】γ線撮像信号を除去したX線撮像信号のエネル
ギースペクトルを示す説明図である。
【図8】図1に示す実施例における信号弁別装置の他の
実施例を示す説明図である。
【図9】図8の信号弁別装置の動作タイムチャートであ
る。
【図10】本発明の他の実施例である放射線検査装置の
斜視図である。
【図11】図10に示す信号弁別装置の詳細構成図であ
る。
【図12】本発明の他の実施例である放射線検査装置の
斜視図である。
【図13】本発明の他の実施例である放射線検査装置の
縦断面図である。
【図14】図12の実施例においてコリメータを放射線
検出器の位置からずらした状態を示す説明図である。
【図15】本発明の他の実施例である放射線検査装置の
斜視図である。
【図16】本発明の他の実施例である放射線検査装置の
縦断面図である。
【図17】図16のB−B断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C…放射線検査装置、2,31,5
5…放射線検出器、3…X線源、4,4A,4B…信号
弁別装置、5…同時計数装置、6…記憶装置、8…ベッ
ド、9…駆動装置制御装置、10…コリメータ、11…
被検診者保持装置、13,13A,13B,30,30
A…撮像装置、14…コンピュータ、15…ケーシン
グ、16,16A…X線源装置、17…X線源駆動装
置、18…孔部、32…モニタ、37…放射線検出器環
状体、41…波形整形装置、42…γ線弁別装置、43
…波高分析装置、44…電源、48…X線検出装置、5
0…ガイドレール、51…X線源軸方向ガイドレール、
52…検出器軸方向ガイドレール、53…X線源制御装
置、56…周方向ガイドレール、60…切替スイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡崎 隆司 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 雨宮 健介 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 北口 博司 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 上野 雄一郎 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 柳田 憲史 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 横井 一磨 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 Fターム(参考) 2G088 EE02 FF02 FF04 FF07 GG09 GG20 GG21 JJ05 JJ24 JJ25 KK28 KK33 LL10 LL13 MM04 MM06 4C093 AA22 BA04 CA31 CA32 EB11 EB12 EB17 EB18 FE06 FF35

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検診者を乗せるベッドを有する被検診者
    保持装置と、 前記被検診者にX線を照射するX線源装置、前記被検診
    者内に存在する放射性薬剤に起因して前記被検診者から
    放出されるγ線を検出して前記γ線の検出信号を出力す
    るγ線検出部、及び前記X線源装置から照射されて前記
    被検診者を透過したX線を検出して前記X線の検出信号
    を出力するX線検出部を有する撮像装置とを備え、 前記X線検出部の少なくとも一部は、前記ベッドの長手
    方向において前記γ線検出部の一端と前記γ線検出部の
    他端との間に形成される領域内に位置していることを特
    徴とする放射線検査装置。
  2. 【請求項2】前記γ線検出部及び前記X線検出部はそれ
    ぞれ複数の放射線検出器によって構成されている請求項
    1記載の放射線検査装置。
  3. 【請求項3】前記γ線検出部が、前記X線検出部を兼ね
    ており、前記γ線検出信号及び前記X線検出信号の両方
    を出力する請求項1記載の放射線検査装置。
  4. 【請求項4】前記γ線検出部は、前記γ線検出信号及び
    前記X線検出信号の両方を出力する複数の放射線検出器
    によって構成される請求項3記載の放射線検査装置。
  5. 【請求項5】前記γ線検出部が環状になっている請求項
    1ないし請求項4のいずれかに記載の放射線検査装置。
  6. 【請求項6】前記X線検出信号に基づいて前記被検診者
    の第1断層像のデータを作成し、前記γ線検出信号に基
    づいて被検診者の第2断層像のデータを作成し、かつ前
    記第1断層像のデータと前記第2断層像のデータとを合
    成した合成断層像のデータを作成する断層像データ作成
    装置を備えた請求項1または請求項3記載の放射線検査
    装置。
  7. 【請求項7】被検診者を乗せて長手方向に移動可能なベ
    ッドを有する被検診者保持装置と、撮像装置とを備え、 前記撮像装置は、前記ベッドが挿入される孔部を形成す
    るケーシングと、前記孔部内の前記被検診者の周囲を回
    転し、前記被検診者にX線を照射するX線源装置と、前
    記孔部を取り囲んで配置され、前記被検診者内に存在す
    る放射性薬剤に起因して前記被検診者から放出されるγ
    線を検出して前記γ線の検出信号を出力するγ線検出部
    と、前記X線源装置から照射されて前記被検診者を透過
    したX線を検出して前記X線の検出信号を出力するX線
    検出部とを有し、 前記X線検出部の少なくとも一部は、前記ベッドの長手
    方向において前記γ線検出部の一端と前記γ線検出部の
    他端との間に形成される領域内に位置していることを特
    徴とする放射線検査装置。
  8. 【請求項8】前記γ線検出部が、前記X線検出部を兼ね
    ており、前記γ線検出信号及び前記X線検出信号の両方
    を出力する請求項7記載の放射線検査装置。
  9. 【請求項9】前記X線検出信号に基づいて前記被検診者
    の第1断層像のデータを作成し、前記γ線検出信号に基
    づいて被検診者の第2断層像のデータを作成し、かつ前
    記第1断層像のデータと前記第2断層像のデータとを合
    成した合成断層像のデータを作成する断層像データ作成
    装置を備えた請求項7または請求項8記載の放射線検査
    装置。
  10. 【請求項10】被検診者を乗せて長手方向に移動可能な
    ベッドを有する被検診者保持装置と、撮像装置と、断層
    像データ作成装置とを備え、 前記撮像装置は、前記ベッドが挿入される孔部を形成す
    るケーシングと、前記孔部内の前記被検診者の周囲を回
    転し、前記被検診者に第1放射線を照射する放射線源装
    置と、前記孔部を取り囲んで配置され、前記被検診者内
    に存在する放射性薬剤に起因して前記被検診者から放出
    される第2放射線を検出して前記第2放射線の検出信号
    を出力する第1放射線検出部と、前記放射線源装置から
    照射されて前記被検診者を透過した前記第1放射線を検
    出して前記放射線の検出信号を出力する第2放射線検出
    部とを有し、 前記第2放射線検出部の少なくとも一部は、前記ベッド
    の長手方向において前記第1放射線検出部の一端と前記
    第1放射線検出部の他端との間に形成される領域内に位
    置しており、 前記断層像データ作成装置は、前記第1放射線検出信号
    に基づいて前記被検診者の第1断層像のデータを作成
    し、前記第2放射線検出信号に基づいて被検診者の第2
    断層像のデータを作成し、かつ前記第1断層像のデータ
    と前記第2断層像のデータとを合成した合成断層像のデ
    ータを作成することを特徴とする放射線検査装置。
  11. 【請求項11】前記第1放射線検出部が、前記第2放射
    線検出部を兼ねており、前記第1放射線検出信号及び前
    記第2放射線検出信号の両方を出力する請求項10記載
    の放射線検査装置。
  12. 【請求項12】被検診者にX線を照射するX線源装置
    と、前記被検診者を透過した前記X線の検出信号及び前
    記被検診者内に存在する放射性薬剤に起因して前記被検
    診者から放出されたγ線の検出信号の両方を出力する複
    数の放射線検出器とを備えたことを特徴とする放射線検
    査装置。
  13. 【請求項13】前記X線検出信号に基づいて前記被検診
    者の第1断層像のデータを作成し、前記γ線検出信号に
    基づいて前記被検診者の第2断層像のデータを作成し、
    かつ前記第1断層像のデータと前記第2断層像のデータ
    とを合成した合成断層像のデータを作成する断層像デー
    タ作成装置を備えた請求項12記載の放射線検査装置。
  14. 【請求項14】被検診者にX線を照射するX線源装置
    と、前記被検診者を透過した前記X線の検出信号及び前
    記被検診者内に存在する放射性薬剤に起因して前記被検
    診者から放出されたγ線の検出信号を含む出力信号を出
    力する複数の放射線検出器とを備えたことを特徴とする
    放射線検査装置。
  15. 【請求項15】入力した前記出力信号から前記X線検出
    信号と前記γ線検出信号とを分離し、かつ前記複数の放
    射線検出器の各々に接続された信号分離装置を備えた請
    求項14記載の放射線検査装置。
  16. 【請求項16】前記X線検出信号に基づいて前記被検診
    者の第1断層像のデータを作成し、前記γ線検出信号に
    基づいて被検診者の第2断層像のデータを作成し、かつ
    前記第1断層像のデータと前記第2断層像のデータとを
    合成した合成断層像のデータを作成する断層像データ作
    成装置を備えた請求項14の放射線検査装置。
  17. 【請求項17】被検診者にX線を照射するX線源装置
    と、前記被検診者を透過した前記X線及び前記被検診者
    内に存在する放射性薬剤に起因して前記被検診者から放
    出されるγ線を検出して前記X線の検出信号及び前記γ
    線の検出信号を含む出力信号を出力する複数の第1放射
    線検出器と、前記X線検出信号及び前記γ線検出信号を
    含む出力信号を出力する複数の第2放射線検出器と、前
    記第1放射線検出器の出力信号をもとに前記X線検出信
    号の強度を求める信号処理装置と、前記第2放射線検出
    器の出力信号から前記γ線検出信号を分離する信号分離
    装置と、前記信号分離装置で分離された前記γ線検出信
    号に対する計数値を求める計数装置とを備えたことを特
    徴とする放射線検査装置。
  18. 【請求項18】前記X線検出信号の強度に基づいて前記
    被検診者の第1断層像のデータを作成し、前記γ線検出
    信号の計数値に基づいて被検診者の第2断層像のデータ
    を作成し、かつ前記第1断層像のデータと前記第2断層
    像のデータとを合成した合成断層像のデータを作成する
    断層像データ作成装置を備えた請求項17の放射線検査
    装置。
  19. 【請求項19】被検診者を乗せて長手方向に移動可能な
    ベッドを有する被検診者保持装置と、撮像装置とを備
    え、 前記撮像装置が、前記ベッドが挿入される孔部を形成す
    るケーシングと、前記孔部の周方向に移動し、前記被検
    診者にX線を照射するX線源装置と、前記孔部の周囲を
    取り囲んで配置され、前記被検診者を透過した前記X線
    及び前記被検診者内に存在する放射性薬剤に起因して前
    記被検診者から放出されるγ線を検出して前記X線の検
    出信号及び前記γ線の検出信号の両方を出力する複数の
    放射線検出器とを備えたことを特徴とする放射線検査装
    置。
  20. 【請求項20】前記X線検出信号に基づいて前記被検診
    者の第1断層像のデータを作成し、前記γ線検出信号に
    基づいて被検診者の第2断層像のデータを作成し、かつ
    前記第1断層像のデータと前記第2断層像のデータとを
    合成した合成断層像のデータを作成する断層像データ作
    成装置を備えた請求項19記載の放射線検査装置。
  21. 【請求項21】前記X線源装置からのX線の放出及び停
    止を交互に行わせかつそのX線の放出を設定された時間
    の間に行わせるX線源制御装置を備え、 前記X線検出信号を処理する第1信号処理装置、前記γ
    線検出信号を処理する第2信号処理装置、及び前記放射
    線検出器からの前記X線検出信号を前記第1信号処理装
    置に伝え、かつ前記放射線検出器からの前記γ線検出信
    号を前記第2信号処理装置に伝える切替装置を有する信
    号処理装置を、前記放射線検出器毎に設けた請求項19
    記載の放射線検査装置。
  22. 【請求項22】前記X線源装置の位置に応じて選択され
    た前記放射線検出器から出力された前記第1検出信号を
    前記第1信号処理装置に伝えるように前記切替装置を制
    御する切替制御装置を備えた請求項21記載の放射線検
    査装置。
  23. 【請求項23】前記第1信号処理装置の出力に基づいて
    前記被検診者の第1断層像のデータを作成し、前記第2
    信号処理装置の出力に基づいて被検診者の第2断層像の
    データを作成し、かつ前記第1断層像のデータと前記第
    2断層像のデータとを合成した合成断層像のデータを作
    成する断層像データ作成装置を備えた請求項21記載の
    放射線検査装置。
  24. 【請求項24】被検診者を乗せて長手方向に移動可能な
    ベッドを有する被検診者保持装置と、撮像装置と、断層
    像データ作成装置とを備え、 前記撮像装置が、前記ベッドが挿入される孔部を形成す
    るケーシングと、前記孔部の周方向に移動し、前記被検
    診者に第1放射線を照射する放射線源装置と、前記孔部
    の周囲を取り囲んで配置され、前記被検診者を透過した
    前記第1放射線、及び前記被検診者内に存在する放射性
    薬剤に起因して前記被検診者から放出される第2放射線
    を検出して前記第1放射線の検出信号及び前記第2放射
    線の検出信号の両方を出力する複数の放射線検出器とを
    有し、 前記断層像データ作成装置は、前記第1放射線検出信号
    に基づいて前記被検診者の第1断層像のデータを作成
    し、前記第2放射線検出信号に基づいて被検診者の第2
    断層像のデータを作成し、かつ前記第1断層像のデータ
    と前記第2断層像のデータとを合成した合成断層像のデ
    ータを作成することを特徴とする放射線検査装置。
  25. 【請求項25】被検診者を乗せて長手方向に移動可能な
    ベッドを有する被検診者保持装置と、撮像装置とを備
    え、 前記撮像装置が、前記ベッドが挿入される孔部を形成す
    るケーシングと、前記孔部の周方向に移動し、前記被検
    診者にX線を照射するX線源装置と、前記孔部の周囲を
    取り囲んで配置され、前記被検診者を透過した前記X線
    及び前記被検診者内に存在する放射性薬剤に起因して前
    記被検診者から放出されたγ線を検出して前記X線の検
    出信号及び前記γ線の検出信号を含む出力信号を出力す
    る複数の放射線検出器とを備えたことを特徴とする放射
    線検査装置。
  26. 【請求項26】入力した前記出力信号から前記X線検出
    信号と前記γ線検出信号とを分離し、かつ前記複数の放
    射線検出器の各々に接続された信号分離装置を備えた請
    求項25記載の放射線検査装置。
  27. 【請求項27】前記X線検出信号と前記γ線検出信号の
    分離を前記出力信号のエネルギーに基づいて行う前記信
    号分離装置を備えた請求項25の放射線検査装置。
  28. 【請求項28】前記X線検出信号に基づいて前記被検診
    者の第1断層像のデータを作成し、前記γ線検出信号に
    基づいて前記被検診者の第2断層像のデータを作成し、
    かつ前記第1断層像のデータと前記第2断層像のデータ
    とを合成した合成断層像のデータを作成する断層像デー
    タ作成装置を備えた請求項26の放射線検査装置。
  29. 【請求項29】前記撮像装置は、各前記放射線検出器に
    対向させて配置されたコリメータを備え、前記コリメー
    タは前記放射線検出器よりも前記孔部の中心側に位置し
    ている請求項2,請求項4及び請求項12ないし請求項
    28のいずれかに記載の放射線検査装置。
  30. 【請求項30】前記コリメータは前記ケーシング内に設
    けられた直線状のガイドに移動可能に設置され、前記コ
    リメータを前記孔部の軸方向に移動させる駆動装置を設
    けた請求項29記載の放射線検査装置。
  31. 【請求項31】前記放射線検出器は、半導体放射線検出
    器及びシンチレータのいずれかである請求項2,請求項
    4及び請求項12ないし請求項29のいずれかに記載の
    放射線検査装置。
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