JP4333692B2 - 放射線検査装置 - Google Patents

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本発明は、放射線を利用した放射線検査装置及び放射線検査方法に係り、特にX線CT及び陽電子放出型CT(ポジトロン・エミッション・コンピューテッド・トモグラフィ
(Positron Emission Computed Tomography )、以下、PETという)による放射線検査、またはX線CT及び単光子放出型CT(シングル・フォトン・エミッション・コンピューテッド・トモグラフィ(Single Photon Emission Computed Tomography))、以下、
SPECTという)による放射線検査を行うのに好適な放射線検査装置及び放射線検査方法に関するものである。
人体を被検体とする放射線検査としては、X線CT,PET及びSPECT等がある。PET及びSPECTは、人体から放出された放射線の積分値(飛翔方向)の物理量を計測し、その積分値を逆投影することにより人体内の各ボクセルの物理量を計算し画像化する。この画像化のためには膨大なデータを処理する必要がある。近年のコンピュータ技術の急速な発達は、人体の断層像を高速・高精細に提供できるようになった。
PET及びSPECTは、X線CT等では検出できない分子生物学レベルでの機能及び代謝の検出が可能であり、被検診者の体内の機能画像を提供することができる。
PETは、陽電子放出核種(15O,13N,11C,18F等で、半減期は2分から110分)を含む放射性薬剤(以下、PET用薬剤という)を被検診者に投与し、そのPET用薬剤が体内のどの部位で多く消費されているかを調べる方法である。PET用薬剤の一例として、フルオロデオキシグルコース(2−[F−18]fluoro−2−deoxy−D−glucose、
18FDG)がある。18FDGは、糖代謝により腫瘍組織に高集積するため、腫瘍部位の特定に使用される。特定の個所に集積したPET用薬剤に含まれた陽電子放出核種から放出された陽電子が、付近の細胞の電子と結合して消滅し、511keVのエネルギーを有する一対のγ線を放射する。これらのγ線は、互いにほぼ正反対の方向(180°±0.6°) に放射される。この一対のγ線(γ線対という)を放射線検出器で検知すれば、どの2つの放射線検出器の間で陽電子が放出されたかがわかる。多数のγ線対を検知することで、PET用薬剤を多く消費する場所がわかる。例えば、18FDGは前述のように糖代謝の激しい癌細胞に集まるため、PETにより癌病巣を発見することが可能である。なお、得られたデータは、アイトリプルイー トランザクション オン ニュークリア サイエンス(IEEE Transaction on Nuclear Science)NS−21巻の228〜229頁に記載されているフィルタードバックプロジェクション法(Filtered Back Projection Method)により各ボクセルの放射線発生密度に変換され、γ線の発生位置(放射線核種が集積する位置、すなわち癌細胞の位置)を画像化することに貢献する。
SPECTは、特定の腫瘍や分子に集積する性質を有する物質,単光子放出核種
99Tc,67Ga,201Tl等)を含む放射性薬剤(SPECT用薬剤という)を被検診者に投与し、体内のその核種から放出されるγ線をγ線検出器で検出する。単光子放出核種から放出されるγ線のエネルギーは数100keV前後である。SPECT用薬剤は癌の患部等に集積するため、癌患部を特定できる。SPECTの場合も、得られたデータはフィルタードバックプロジェクションなどの方法により各ボクセルのデータに変換される。なお、SPECTでもトランスミッション像を撮影することがしばしばある。99Tc,
67Ga,201Tlは、PETに用いられる放射性同位元素の半減期よりも長く6時間から3日である。
上述のようにPET及びSPECTは、体内代謝を利用して機能画像を得るために、放射性薬剤が集積した部位をコントラスト良く抽出できるが、周辺臓器との位置関係を把握できない問題がある。そこで、近年、X線CTによって得られた断層像である形態画像と、PETまたはSPECTによって得られた断層像である機能画像とを合成してより高度な診断を行う技術が注目されている。本技術の一例として、特開平7−20245号公報記載の技術がある。
特開平7−20245号公報記載の放射線検査装置は、X線CT検査装置とPET検査装置とを直列に設置し、被検診者が横たわっているベッドを水平方向に移動させて両検査装置を用いて被検診者の検査を行う。すなわち、X線CT検査装置を用いて被検診者に対するX線CT検査を行い、その後、PET検査装置を用いてその被検診者に対するPET検査を行う。2つの検査装置で得られたそれぞれの撮像データであるPETデータとX線CTデータとを合成し、被検診者の病巣位置の特定を行っている。
特開平9−5441号公報は、ベッドを兼用して、X線CT検査装置とSPECT検査装置を直列に配置した放射線検査装置を記載している。各検査装置で得られた撮像データであるX線CTデータとSPECTデータとを合成し、被検診者の病巣位置の特定を行っている。
特開平7−20245号公報 特開平9−5441号公報
上記の各公開公報に記載された放射線検査装置では、異なる2つの検査は位置がずれた状態で行われている、必然的に両検査には時間的な間隔があいてしまう。
本発明の目的は、被検体に対する診断精度を向上できる放射線検査装置を提供することにある。
上記の目的を達成する第1発明の特徴は、X線検出部の少なくとも一部は、ベッドの長手方向においてγ線検出部の一端とγ線検出部の他端との間に形成される領域に位置していることにある。X線検出部はX線検出信号を出力し、γ線検出部はγ線検出信号を出力する。
第1発明は、X線検出部の少なくとも一部が上記領域内に位置しているため、ベッドの移動によらないで被検体が検査中に動いた場合でも、γ線検出部から出力されたγ線検出信号より得られた第1情報、及びX線検出部から出力されたX線検出信号より得られた第2情報を用いて作成された被検体の断層像の精度を向上することができる。これは、その断層像を用いることにより、被検体に対する診断精度を向上させることができる。具体的には癌の患部の位置及び大きさを精度良く認識できる。特に、小器官であるリンパ腺の癌を精度良く診断できる。
具体的には、作成された断層像は、第1情報を用いて作成された第1断層像情報(例えば、放射性薬剤が集積した部位(癌の患部)の画像を含む、)と、第2情報を用いて作成された第2断層像情報(例えば、骨の画像を含む)とを合成することによって作成される。X線検出部が上記領域内に位置しているため、第1断層像情報と第2断層像情報との合成を精度良く行うことができ、断層像の精度が向上する。
好ましくは、X線検出部は、ベッドの長手方向においてγ線検出部の一端とγ線検出部の他端との間に形成される領域に位置しているとよい。
好ましくは、γ線検出部及びX線検出部は、一体となって、γ線検出部でありX線検出部である放射線検出部を構成し、この放射線検出部はγ線検出信号及びX線検出信号の両方を出力する放射線検出器で構成されることが望ましい。これによれば、γ線検出部及びX線検出部を別々に設ける必要がなく、γ線検出部及びX線検出部の両方の機能を有する放射線検出部が形成される。この放射線検出部は、γ線検出信号及びX線検出信号の両方を出力する。このため、放射線検査装置がコンパクトになる。
本発明によれば、被検体に対する診断精度、例えば癌の診断精度を向上できる。
前述の各公開公報に記載された放射線検査装置では、異なる2つの検査は位置がずれた状態で、すなわち被検体を透過したX線を検出する検査を行って、その後に被検体の位置をずらして被検体から放出されるγ線を検出する検査を行っている。このような上記の各公開公報に記載された放射線検査では、必然的に両検査を行う場所がずれているため、両検査装置の間で被検診者が動いたり、被検診者の角度が変われば両検査装置で得られた各撮像データの対応関係が正確にとれなくなる、という新たな課題が生じる。この新たな課題は、発明者等が発見したものである。発明者等は、その新たな課題の解決案を種々検討した結果、放射性薬剤が投与された被検体を透過したX線を検出し、X線を照射している被検体の位置で、被検体内の放射性薬剤に起因して放出されるγ線を検出することによって、γ線検出信号により得られた第1情報を用いて作成された画像データとX線検出信号により得られた第2情報を用いて作成された画像データを精度よく合成できることを見出した。また、上記の課題は、X線検出部は、ベッドの長手方向においてγ線検出部の一端とγ線検出部の他端との間に形成される領域に位置していることによっても解決できることを見出した。以下に、具体的な実施例を説明する。
(実施例1)
本発明の好適な一実施例である放射線検査装置を、図1及び図2に基づいて説明する。本実施例の放射線検査装置1は、撮像装置2,被検診者保持装置14,信号弁別装置19,同時計数装置26,コンピュータ(例えば、ワークステーション)27,記憶装置28,表示装置29及び統括制御装置47を備えている。被検診者保持装置14は、支持部材15、および支持部材15の上端部に位置して長手方向に移動可能に支持部材15に設置されたベッド16を有する。撮像装置2は、ベッド16の長手方向に対して直角の方向に設置されており、放射線検出器環状体3及びX線源周方向移動装置7を有する。放射線検出器環状体3は、環状保持部5、及び環状保持部5の内側に環状に設置された多数の放射線検出器4を含む。放射線検出器環状体3の放射線検出器4の内側に、ベッド16が挿入される貫通した孔部30が形成される。多数の放射線検出器4(合計約10000個)は、環状保持部5に周方向のみならず孔部30の軸方向にも複数列設置されている。放射線検出器環状体3に含まれる多数の放射線検出器4は筒状の放射線検出部65を構成する。本実施例では、周方向に環状に配置された全ての放射線検出器4は、その周方向に移動しなく、かつ孔部30の軸方向にも移動しない。放射線検出器4は、半導体放射線検出器であり、検出部である5mm立方体の半導体素子部をカドミウムテルル(CdTe)で構成している。その検出部はガリウムヒ素(GaAs)またはカドミウムテルル亜鉛(CZT)で構成してもよい。環状保持部5は、支持部材6上に設置される。支持部材6及び15は、互いに連結されており、かつ検査室の床に据付けられている。
X線源周方向移動装置7は、X線源装置8、及び環状のX線源装置保持部13を備える。X線源装置保持部13は、環状保持部5の一端部で環状保持部5の外面に取付けられる。環状のガイドレール12が、X線源装置保持部13の一端面に設置される。ガイドレール12及びX線源装置保持部13は孔部30の周囲を取囲む。X線源装置8は、X線源9,X線源駆動装置10及び軸方向移動アーム11を有する。X線源駆動装置10は、ケーシング内に、モーター17、及び減速機構を有する動力伝達機構(図示せず)を備える。動力伝達機構はモーター17の回転軸に連結される。軸方向移動アーム11はX線源駆動装置10のケーシングに取付けられて孔部30内に延びている。X線源9は軸方向移動アーム11に取付けられる。軸方向移動アーム11は、孔部30の軸方向に伸縮し、X線源9を孔部30の軸方向に移動させる。軸方向移動アーム11は、X線源駆動装置10に設置されたモーター18の駆動により伸縮される。X線源駆動装置10は、落下しないようにかつガイドレール12に沿って移動可能にガイドレール12に取付けられる。X線源駆動装置10は、図示していないが、前述の動力伝達機構から回転力を受けるピニオンを有する。このピニオンはガイドレール12に設けられたラックと噛合う。
X線源9は、図3(A)に示すように、公知のX線管42,放射線遮へい体43及びシャッター44を有する。X線管42は開口部46を有する放射線遮へい体43内に設置される。放射線遮蔽材で構成されたシャッター44は軸45によって放射線遮へい体43に回転可能に取付けられる。X線管42は、図示されていないが、陽極,陰極,陰極の電流源、及び陽極と陰極との間に電圧を印加する電圧源を外筒内に備える。高圧電源56が開閉器57を介して電流源及び電圧源に接続される。電流源から陰極に電流を流すことによってフィラメントから電子が放出される。この電子は、電圧源から陰極と陽極との間に印加される電圧(数百kV)によって加速され、ターゲットである陽極(W,Mo等)に衝突する。電子の陽極への衝突により30keV〜80keV程度のX線が発生する。このX線67がシャッター44が開いているときに開口部46より放出される。
各放射線検出器4は、それぞれ配線23によって対応する信号弁別装置19に接続される。信号弁別装置19は個々の放射線検出器4毎に1個設けられる。信号弁別装置19の詳細な構成を図4に示す。信号弁別装置19は、切替スイッチ31,波形整形装置20,γ線弁別装置21、及びX線強度を求めるX線検出信号処理装置22を備える。切替装置である切替スイッチ31は、可動端子32、及び固定端子33及び34を有する。配線
23は可動端子32に接続される。波形整形装置20は固定端子33及びγ線弁別装置
21に接続される。X線検出信号処理装置22は固定端子34に接続される。電源25のプラス側端子は、抵抗を介して、放射線検査装置1に設けられる各放射線検出器4に接続された配線23に接続される。電源25のマイナス側端子は、電源用開閉器24を介してそれぞれの放射線検出器4に接続される。γ線弁別装置21は同時計数装置26を介してコンピュータ27に接続される。同時計数装置26は1個でありγ線弁別装置21に接続される。同時計数装置26は、幾つかのγ線弁別装置21毎に設けてもよい。各X線検出信号処理装置22はコンピュータ27に接続される。記憶装置28及び表示装置29がコンピュータ27に接続される。信号弁別装置19は信号処理装置である。この信号処理装置は、X線検出信号処理装置22を含む第1の信号処理装置、及び波形整形装置20及びγ線弁別装置21を有する第2信号処理装置を備える。
統括制御装置47は、図5に示すように、統括制御部48,検出器電源制御部49,X線源移動制御部50,X線放出制御部51,切替スイッチ制御部52及びベッド移動制御部53を有する。ボタンスイッチ54及び入力装置55が統括制御装置47に接続される。
本実施例は、X線CT検査(X線源9から放射されて被検診者の体内を透過したX線
67を放射線検出器で検出する行為)及びPET検査(PET用薬剤に起因して被検診者35の体内に存在する患部66から放射されるγ線68を放射線検出器で検出する行為)を一台の撮像装置2を用いて行う例である。
本実施例における検査を具体的に説明する前に、本実施例の放射線検出の原理について説明する。本実施例は、発明者らによる以下の検討に基づいてなされた。X線CT像(X線CTによって得られた、被検体の、内臓及び骨の画像を含む断層像)のデータは、X線源から放射されたX線を特定の方向に所定時間の間、被検体に照射し、体内を透過したX線を放射線検出器により検出する作業(スキャン)を繰り返し、複数の放射線検出器で検出されたX線の強度に基づいて作成される。精度の良いX線CT像のデータを得るためには、X線CT検査において、X線を検出している放射線検出器に、PET用の放射性薬剤に起因して被検体の内部から放出されるγ線が入射しないことが望ましい。このためには、「1つの放射線検出器においては、γ線の入射率に対応して被検体へのX線の照射時間を短くすればγ線の影響は無視可能である」との発明者らの新しい知見に基づいて、被検体へのX線の照射時間の短縮を図った。そのX線の照射時間Tを決めるために、まず、1つの放射線検出器へのγ線の入射率を考える。PET検査において被検体に投与するPET用の放射性薬剤に基づいた体内の放射能をN(Bq),発生するγ線の体内通過率をA,1つの放射線検出器の立体角から求めた入射率をB,検出素子の感度をCとすると、1つの放射線検出器で検出するγ線の率α(個/sec )は(1)式で与えられる。(1)式において係数の「2」は、1個の陽電子消滅の際に一対(2個)のγ線が放出されることを意味している。照射時間T内に1つの検出素子でγ線が検出される確率Wは(2)式で与え
α=2NABC …(1)
られる。(2)式のWの値を小さくするように照射時間Tを決めることによって、X線
CT検査時に、1つの放射線検出器に入射されるγ線の影響は無視できる程度になる。
W=1−exp(−Tα) …(2)
X線の照射時間Tの一例を以下に述べる。(1)および(2)式に基づいて具体的なX線の照射時間Tを求めた。PET検査において被検体に投与する放射性薬剤に起因する体内での放射線の強度は、最大で370MBq程度であり(N=370MBq)、γ線の体内通過率Aは被検体の体を半径15cmの水と仮定すれば0.6程度(A=0.6)である。例えば一辺5mmの放射線検出器を半径50cmでリング状に配置する場合を考えると、1つの放射線検出器の立体角から求めた入射率Bは8×10-6(B=8×10-6)である。また、放射線検出器の検出感度Cは半導体放射線検出器を使用した場合最大で0.6程度
(C=0.6)である。これらの値から1つの放射線検出器のγ線の検出率αは2000
(個/sec)程度である。X線の照射時間Tを例えば1.5μsecとすれば、1つの放射線検出器がX線検出中にγ線を検出する確率Wは0.003 となり、このγ線はほとんど無視できる。体内投与放射能を360MBq以下とした場合、X線の照射時間を1.5μsec以下にすれば、W<0.003つまりγ線の検出確率は0.3%以下となり無視できる。
放射線検査を行う前に、まず、予め注射などの方法によりPET用薬剤が、体内投与放射能が370MBqになるように、被検体である被検診者35に投与される。PET用薬剤は、検査目的(癌の場所を把握、または心臓の動脈流の検査等)に応じて選ばれる。被検診者35に投与されたPET用薬剤は、被検診者35の患部(例えば癌の患部)66に集まる。PET用薬剤を投与した被検診者35を被検診者保持装置14のベッド16上に寝かせる。
放射線検査装置のオペレータ(例えば、放射線技師)は、その放射線検査開始前に、入力装置55より、被検診者35に対して検査を行う検査対象範囲及びX線CT検査の回数を入力する。これらの情報は統括制御装置47の制御装置用記憶装置(図示せず)に記憶されると共に、統括制御部48に入力される。検査対象範囲の孔部30の軸方向における長さは、例えば放射線検出器環状体3の軸方向長さよりも短い。統括制御部48は、それらの情報に基づいてPET検査に要する時間を算出すると共に、γ線検出期間であるPET検査期間,PET検査期間内におけるX線検出開始時間(X線CT検査開始時間)、及びX線検出期間であるX線CT検査期間を設定する。この処理により、X線CT検査開始時点を含む、図6に示す一例の制御スケジュールが作成される。作成された制御スケジュールの情報は制御装置用記憶装置に記憶される。表示装置(図示せず)にその制御スケジュールが表示されるため、オペレータはそれを見ることができる。その制御スケジュールは、PET検査期間中において4回のX線CT検査を行うものである。
放射線検査開始に際して、オペレータはボタンスイッチ54を押して、統括制御部48に検査開始信号を入力する。統括制御部48は、検査開始信号を入力したとき、ベッド移動開始信号及び、制御装置用記憶装置に記憶された、被検診者35に対する検査対象範囲の情報をベッド移動制御部53に出力する。ベッド移動制御部53は、ベッド移動開始信号及び検査対象範囲情報に基づいて、支持部材55に設けられてベッド16を移動させるベッド移動用モーター(図示せず)を回転させ、被検診者35の検査対象範囲が孔部30内に入るように、ベッド16を移動させる。
この状態で、本実施例を用いたX線CT検査及びPET検査が実施される。これらの検査は、撮像装置2を用いて行われる。これらの検査の具体的な内容を以下に説明する。
統括制御装置47は、放射線検出器4の電源制御,X線源移動制御,ベッド移動制御,切替スイッチ31の切替制御、及びX線源9からのX線放出制御を行う。統括制御装置
47の機能を順次以下に説明する。まず、統括制御部48は、検査開始信号を入力したとき、検出器電源制御部49に対して電源ON信号を出力する。検出器電源制御部49は、電源ON信号を入力すると、電源用開閉器24を閉じる。電源25の電圧が各放射線検出器4に印加され、各放射線検出器4はγ線及びX線を検出できる状態になる。被検診者
35の患部66に集積したPET用薬剤に起因して体内より放出された511keVの一対のγ線68は、電源用開閉器24を閉じることによって、放射線検出部65の各放射線検出器4によって検出される。すなわち、電源用開閉器24を閉じることによってγ線検出期間(図6参照)が開始される。γ線検出期間は放射線検出期間である。患部66からは、多数のγ線対が四方八方に放出される。統括制御部48は、制御スケジュールにおける第1回のX線CT検査に対するX線CT検査開始時間よりも所定時間前に、X線放出制御部51に対してX線管起動信号を出力する。X線放出制御部51は、その信号を受けて第1開閉器閉信号を出力し、開閉器57を閉じる。高圧電源56からX線管42の電圧源に電圧が印加され、電流源に電流が流れる。やがて、前述のようにしてX線管42でX線が発生する。この時点では、シャッター44が閉じており、そのX線はX線源9の外部に放出されない。
孔部30内に挿入されてベッド16上にいる被検診者35から、上記のように放出されたγ線68は、放射線検出部65の各放射線検出器4で検出される。γ線68を検出した各放射線検出器4は検出信号であるγ線検出信号を出力する。このγ線検出信号は、該当する配線23を経て対応するそれぞれの信号弁別装置19に入力され、後述するように処理される。X線源9は、放射線検出器4によるγ線68の検出を妨げないように、軸方向移動アーム11を縮めてX線源駆動装置10内に収納されている。
X線CT検査開始信号を出力する前に、統括制御部48はX線源移動制御部50に第1X線源移動信号を出力する。この信号を受けたX線源移動制御部50は第2開閉器閉信号を出力する。これによって、モーター18に接続されて電源にもつながっている第2開閉器(図示せず)が閉じられ、モーター18の駆動によりX線源9が孔部30の軸方向に移動する。X線源9が検査対象範囲内の所定の位置まで移動したとき、X線源移動制御部
50は第2開閉器開信号を出力して第2開閉器を開くので、孔部30の軸方向におけるX線源9の移動は停止する。その後、統括制御部48は、X線CT検査開始信号をX線源移動制御部50,X線放出制御部51及び切替スイッチ制御部52に出力する。X線放出制御部51は、シャッター開信号を出力してシャッター用モーター(図示せず)と電源とを接続する第2開閉器(図示せず)を閉じる。シャッター用モーターが駆動してシャッター44が開く(図3(B)参照)。X線管42で発生したX線67は、開口部46を通して放出され、ファンビーム状に、ベッド16上の被検診者35に照射される。X線源移動制御部50は、X線CT検査開始信号を入力したときX線源回転開始信号を出力し、モーター17と電源とを接続する第1開閉器(図示せず)を閉じる。モーター17の回転によってピニオンが回転する。従って、X線源装置8がガイドレール12に沿って移動し、X線源9が被検診者35の周囲を設定速度で移動する。このようにして、X線CT検査が開始される。
X線放出制御部51は、X線源9からのX線67の放出時間を制御する。すなわち、X線放出制御部51は、X線CT検査中において、第1設定時間及び第2設定時間の間隔で、シャッター開信号及びシャッター閉信号を交互に出力してシャッターの開閉を制御し、X線源9からのX線67の放出,停止を制御する。この制御により、シャッター44は、第1設定時間の間で開き、第2設定時間の間で閉じる。結果的に、X線源9からX線がパルス状に放出される。第1設定時間である照射時間Tは、放射線検出器4でのγ線68の検出確率を無視できるように例えば1μsec に設定される。第2設定時間は、X線源9が1つの放射線検出器4とこれに周方向において隣接する他の放射線検出器4の間を移動する時間T0であり、ガイドレール12の周方向におけるX線源9の移動速度で定まる。
第1及び第2設定時間は制御装置用記憶装置に記憶されている。
被検診者35に照射されて被検診者35を透過したX線67は、孔部30の軸心を基点にX線源9から180度の位置にある放射線検出器4を中心に周方向に位置する複数個の放射線検出器4によって検出される。これらの放射線検出器4は、そのX線67の検出信号であるX線検出信号を出力する。このX線検出信号は、該当する配線23を経て対応するそれぞれの信号弁別装置19に入力される。放射線検出部65において、上記のX線を検出しているそれらの放射線検出器4は、便宜的に第1放射線検出器4と称する。また、放射線検出部65において、γ線を検出している放射線検出器4を便宜的に第2放射線検出器4という。X線CT検査の期間中、X線源9は、X線源移動制御部50による制御によって軸方向移動アーム11が伸ばされるため、検査対象範囲で孔部30の軸方向に移動される。X線源9から放出されたX線67が被検診者35の患部66を透過しているときには、第1放射線検出器4はその患部を透過したX線67を検出する。
次に、切替スイッチ31の切替制御について説明する。信号弁別装置19内で、第2放射線検出器4から出力されたγ線検出信号はγ線弁別装置21に伝えられ、第1放射線検出器4から出力されたX線検出信号はX線検出信号処理装置22に伝えられる。このような各検出信号の伝送は、信号弁別装置19の切替スイッチ31の切替制御によって切り替えられる。切替スイッチ31の可動端子32を固定端子33または固定端子34に接続する切替制御は、X線CT検査開始信号入力後で、切替スイッチ制御部52から出力される第1切替信号及び第2切替信号に基づいて行われる。第1切替信号によって可動端子32は固定端子33に接続され、第2切替信号によって可動端子32は固定端子34に接続される。X線CT検査開始信号を入力した切替スイッチ制御部52は、第1放射線検出器4を選択して、選択した第1放射線検出器4が接続される切替スイッチ31に第2切替信号を出力し、可動端子32を固定端子34に接続する。
第1放射線検出器4の選択は切替スイッチ制御部52において以下のように行われる。切替スイッチ制御部52は、モーター17に連結されたエンコーダー58(図5参照)の検出信号を入力して周方向におけるX線源駆動装置10、すなわちX線源9の位置を求め、このX線源9の位置と180°反対側に位置する放射線検出器4を、記憶している各放射線検出器4の位置のデータを用いて選択する。X線源9から放射されるX線67はガイドレール12の周方向である幅を有しているため、被検診者35の体内を透過したX線を検出する放射線検出器4は、選択されたその放射線検出器4以外にも周方向に複数個存在することになる。切替スイッチ制御部52は、その複数の放射線検出器4も選択する。これらの放射線検出器4が、第1放射線検出器である。周方向におけるX線源9の移動に伴って、第1放射線検出器4も違ってくる。X線源9の周方向への移動に伴って、第1放射線検出器4も擬似的に周方向に移動しているように見える。切替スイッチ制御部52は、X線源9の周方向への移動に際し、エンコーダー58の検出信号に基づいて別の放射線検出器4を選択したときには、その新たな第1放射線検出器4に接続される切替スイッチ
31に第2切替信号を出力し、可動端子32を固定端子34に接続する。また、切替スイッチ制御部52は、X線源9の周方向への移動に伴って第1放射線検出器4でなくなった放射線検出器4に接続された切替スイッチ31に第1切替信号を出力し、可動端子32を固定端子33に接続する。以上の切替スイッチの切替制御は、X線CT検査期間内で順次行われる。
図6に示す一回目のX線検査を終了する時間になったとき、統括制御部48は、X線
CT検査終了信号をX線源移動制御部50、X線放出制御部51及び切替スイッチ制御部52にそれぞれ出力する。X線CT検査終了信号を入力した上記3つの制御部の機能について説明する。X線源移動制御部50は、まず、X線源回転停止信号を出力し、第1開閉器を開いてモーター17の回転を止め、X線源9の旋回を停止させる。X線源移動制御部50は、第2開閉器閉信号を出力して第2開閉器を閉じ、モーター18を逆転させて軸方向伸縮アーム11を縮めてX線源9をX線源駆動装置10内に収納する。X線放出制御部51は、シャッター閉信号を出力してシャッター44を閉じる。シャッター44が閉じられることによってX線67の被検診者35への照射は停止される。シャッター44を閉じる操作は、X線CT検査終了信号の入力後、直ちに行われる。X線放出制御部51は、更に、第1開閉器開信号を出力して開閉器57を開き、高圧電源56からX線管42への電圧の印加を停止する。切替スイッチ制御部52は、可動端子32が固定端子34に接続されている全切替スイッチ31に対してそれぞれ第1切替信号を出力してそれらの切替スイッチ31の可動端子34を固定端子33に接続する。
一回目のX線CT検査終了後の設定時間経過後に、二回目のX線CT検査を実行するために、統括制御装置47の各制御部は前述と同様な制御を行う。三回目及び四回目のX線CT検査に対しても、統括制御装置47は同様な制御を実行する。四回のX線CT検査が終了し、残りのPET検査も終了したとき、統括制御部48は、放射線検査を終了させるため、電源OFF信号を検出器電源制御部49に出力する。その信号を受けた検出器電源制御部49は、電源用開閉器24を開く。これにより、各放射線検出器4への電圧の印加が停止される。以上の制御によって放射線検査が終了する。
前述の制御スケジュールの情報は、検査開始信号入力後における、ベッド移動開始信号,電源ON信号,X線管起動信号,第1X線源移動信号,X線CT検査開始信号,X線
CT検査終了信号及び電源OFF信号の各信号を出力する各時間情報を含んでいる。なお、X線管起動信号,第1X線源移動信号,X線CT検査開始信号及びX線CT検査終了信号の各信号を出力する各時間情報は、放射線検査期間内に実施するX線CT検査の回数分含まれている。統括制御部48は、制御スケジュール情報に含まれる時間情報で指定された各時間に、該当する制御信号を統括制御装置47内の該当する制御部に出力する。
放射線検査期間において、X線CT検査を実施していない場合はもとより、X線CT検査を実施している場合でも第2放射線検出器4によって被検診者35の患部66から放出されたγ線68を検出できる。このため、本実施例は、X線CT検査中であっても、PET検査を並行して実施できる。換言すれば、PET検査期間中においてX線CT検査を実施できる。
放射線検出部65の個々の放射線検出器4は、X線源9の位置との関係であるときは第1放射線検出器4となり、別のあるときには第2放射線検出器4となる。このため、個々の放射線検出器4は、別々ではあるがX線検出信号及びγ線検出信号の両方を出力する。第1放射線検出器4は、第1設定時間である1μsec の間に被検診者35を透過したX線67を検出する。1μsec の間に第1放射線検出器4が被検診者35の患部66から放出されるγ線68を検出する確率は、前述したように、無視できるほど小さい。PET薬剤に起因して被検診者35の患部66で発生した多数のγ線68は、特定の方向に放出されるのではなく、あらゆる方向に放出される。これらのγ線68は、前述したように、対となってほぼ正反対の方向に放出され、放射線検出部65のいずれかの第2放射線検出器4によって検出される。
放射線検出器4から出力されたX線検出信号及びγ線検出信号を入力したときの信号弁別装置19の信号処理について説明する。第1放射線検出器4から出力されたX線検出信号は、前述したように、切替スイッチ31の固定端子34を経てX線検出信号処理装置
22に入力される。X線検出信号処理装置22は、X線検出信号を積分装置によって設定周期で積算し、X線検出信号の設定周期ごとの積算値、すなわちX線強度の情報を出力する。X線検出信号処理装置22はX線強度情報と共に、X線検出信号処理装置22に接続される放射線検出器4の位置であるX線検出位置情報も出力する。
第2放射線検出器4から出力されたγ線検出信号は、切替スイッチ31の固定端子33を経て波形整形装置20に入力される。波形整形装置20に入力されるγ線検出信号は、図7に示すように、最初に急激に立下り、その後、指数関数的に0に近づくような形になっている。波形整形装置20は、γ線弁別装置21でのγ線検出信号の処理を円滑に行わせるために、図7に示す波形のγ線検出信号を、例えば図8に示す時間的なガウス分布の波形を有するγ線検出信号に変換して出力する。ところで、放射線検出器4の半導体素子部内で511keVのγ線のエネルギー全てが電荷に変わるとは限らない。このため、γ線弁別装置21は、例えばエネルギーが511keVよりも低い450keVを第1エネルギー設定値として、このエネルギー設定値以上のエネルギーを有するγ線検出信号を入力したときに所定のエネルギーを有するパルス信号を発生させる。すなわち、γ線弁別装置21は、第1エネルギー設定値以上のエネルギーを有するγ線検出信号が入力されたときに上記のエネルギーを有するパルス信号を発生させる装置である。γ線弁別装置21は、γ線検出信号処理装置であり、出力するパルス信号に、時刻情報、及びγ線弁別装置
21に接続される放射線検出器4の位置を示す位置情報を付与する。時刻情報は、γ線検出信号がγ線弁別装置21に入力されたときの時刻、及びパルス信号がγ線弁別装置21から出力されるときの時刻のいずれかの情報である。
上記のように、γ線弁別装置21において第1エネルギー設定値以上のγ線検出信号を処理するためには、第1エネルギー設定値以上のγ線検出信号を通過させる第1フィルターをγ線弁別装置21内(またはγ線弁別装置21の前段)に設ける。γ線弁別装置21は第1フィルターを通過したγ線検出信号に対してパルス信号を発生する。
同時計数装置26は、各信号弁別装置19のγ線弁別装置21から出力されたパルス信号を入力する。同時計数装置26は、γ線対のそれぞれのγ線68を検出した2つの第2放射線検出器(孔部30の軸心を中心にしてほぼ180°(厳密には180°±0.6°)方向が異なった位置に存在する一対の第2放射線検出器)から出力されたそれぞれのγ線検出信号に対する各パルス信号を用いて同時計数を行い、それらのγ線検出信号に対する計数値(γ線計数情報)を求める。同時計数装置26は、各パルス信号がそのγ線対のそれぞれのγ線の検出信号に対応したものであるかは、それらのパルス信号に付与された各時刻情報に基づいて判断する。すなわち、2つの時刻情報の差が設定時間(例えば、10nsec )以内であれば、1つの陽子の消滅によって発生した一対のγ線68に対するパルス信号であると判断する。更に、同時計数装置26は、それらのパルス信号に付与された各位置情報を、該当する一対の第2放射線検出器4の各位置、すなわち各γ線検出点の位置情報としてデータ化する。
各γ線判別装置21及び同時計数装置26は、断層像の再構成に用いられる、γ線計数情報及びγ線対に対する各γ線検出点の位置情報等の第1情報を生成する第1信号処理装置を構成する。X線検出信号処理装置22は、断層像の再構成に用いられる、X線強度情報及びX線検出位置情報等の第2情報を生成する第2信号処理装置である。上記のγ線検出点の位置情報は、具体的には、γ線を検出した放射線検出器4の位置情報である。X線検出位置情報は、具体的には、X線を検出した放射線検出器4の位置情報である。同時計数装置26は、γ線検出信号処理装置であるそれぞれのγ線弁別装置21からの出力信号を入力し、第1断層像情報(具体的にはPET像データ)の作成に必要とする第1情報を出力する。
コンピュータ27は、図9に示すステップ36〜41の処理手順に基づいて処理を実行する。このような処理を実行するコンピュータ27は、第1情報(具体的にはγ線計数情報及びγ線検出点の位置情報)を用いて第1断層像情報を作成し、及び第2情報(具体的にはX線強度情報及びX線検出位置情報)を用いて第2断層像情報(具体的にはX線CT像データ)を作成し、第1断層像情報及び第2断層像情報を用いてそれらの断層像情報を含む第3断層像情報(具体的には合成断層像データ)を作成する断層像データ作成装置である。同時計数装置26によって計数されたγ線検出信号の計数値情報,同時計数装置
26から出力されたγ線検出点の位置情報,X線検出信号処理装置22から出力されたX線強度情報、及びX線強度に付与されたX線検出位置情報が入力される(ステップ36)。入力された、γ線検出信号の計数値情報,γ線検出点の位置情報,X線強度情報、及びX線検出位置情報は、記憶装置28に記憶される(ステップ37)。
X線強度情報及びX線検出位置情報を用いて、被検診者35の横断面(以下、横断面とは被検診者が立った状態での横断面をいう)の断層像を再構成する(ステップ38)。再構成した断層像をX線CT像と称する。この断層像の再構成の具体的な処理を説明する。まず、X線強度情報を用いて、被検診者35の体内の各ボクセルにおけるX線の減衰率を算出する。本実施例では、各ボクセルにおけるX線の減衰率は、四回のX線CT検査で検出された各X線検出信号により得られた各X線強度情報を用いて算出される。この減衰率は記憶装置28に記憶される。X線CT像を再構成するために、記憶装置28から読み出されたX線検出信号の減衰率を用いて、X線源9の位置とX線を検出した放射線検出器4の位置(X線検出位置情報より得る)との間における被検診者35の体内での線減弱係数を求める。エンコーダー58により検出された、移動時におけるX線源9の位置は、各X線検出信号処理装置22によりX線強度情報に付与されてコンピュータ27に伝えられる。各ボクセルにおけるCT値は、その線減弱係数を用いてフィルタードバックプロジェクション法により得られる、各ボクセルでの線減弱係数の値に基づいて、算出される。X線CT像のデータは、それらのCT値を用いて得られ、記憶装置28に記憶される。ステップ38においては、PET薬剤が集積している患部を通る横断面でのX線CT像も再構成される。
患部(例えば癌の患部)を含む、被検診者35の横断面の断層像を、該当する位置でのγ線検出信号の計数値を用いて再構成する(ステップ39)。γ線検出信号の計数値を用いて再構成した断層像をPET像と称する。この処理を詳細に説明する。記憶装置28から読み出されたγ線検出信号の計数値を用いて、陽電子の消滅によって発生したγ線を検出した一対の第2放射線検出器4(γ線検出点の位置情報より特定)の各半導体素子部間における体内でのγ線対発生数(複数の陽電子の消滅に応じて発生したγ線対の数)を求める。このγ線対発生数を用いて、フィルタードバックプロジェクション法により各ボクセルにおけるγ線対発生密度を求める。これらのγ線対発生密度に基づいてPET像のデータを得ることができる。このPET像のデータは、記憶装置28に記憶される。
PET像のデータとX線CT像のデータとを合成して、両データを含む合成断層像のデータを求め、記憶装置28に記憶させる(ステップ40)。患部の位置におけるPET像データとその位置のX線CT像データを合成して、患部の位置での被検診者35の横断面の合成断層像データを求める。PET像のデータとX線CT像のデータとの合成は、両方の像データにおける、孔部30の中心軸の位置を合わせることによって、簡単にかつ精度良く行うことができる。すなわち、PET像のデータ及びX線CT像のデータは、共有する放射線検出器4から出力された検出信号に基づいて作成されるので、前述のように位置合わせを精度良く行える。合成断層像のデータは、記憶装置28から呼び出されて表示装置29に出力され(ステップ41)、表示装置29に表示される。表示装置29に表示された合成断層像はX線CT像を含んでいるので、PET像における患部の、被検診者35の体内での位置を容易に確認することができる。すなわち、X線CT像は内臓及び骨の像を含んでいるので、医者は、患部(例えば、癌の患部)が存在する位置を、その内臓及び骨との関係で特定することができる。
なお、X線CT像は複数のスキャンデータが必要なため、X線源駆動装置10を用いてX線源9をガイドレール12に沿って移動させることによって、放射線検出器4により必要なデータ量を得ることができる。このようなX線源9の周方向スキャンによって、本実施例は被検診者35の1つの横断面におけるX線検出信号に関する二次元断面データを得ている。他の横断面におけるX線検出信号に関する二次元断面データは、軸方向移動アーム11を伸縮させてX線源9を孔部30の軸方向に移動させることによって得ることができる。これらの二次元断面データを積み重ねることによって、三次元の断面データを得ることができる。この三次元の断面データを用いて三次元のX線CT像のデータを得ることができる。また、X線源9の周回に伴い孔部30の軸方向に軸方向移動アーム11を連続的に伸縮することにより、X線のヘリカルスキャンを行うことも可能である。軸方向移動アーム11を伸縮させる替りに、ベッド16を孔部30の軸方向に移動させても他の横断面におけるX線検出信号に関する2次元断面データを得ることができる。
本実施例では、放射線検出部65がX線検出信号及びγ線検出信号の両方を出力する複数の放射線検出器4で構成されているため、放射線検出部65はγ線検出部でありX線検出部でもある。本実施例は、X線検出部が、ベッド16の長手方向においてγ線検出部の一端とγ線検出部の他端との間に形成される領域内に位置している。また、上記放射線検出部65は、X線源9から照射されて被検診者35を透過するX線67を検出し、このX線67の検出信号を出力するX線検出部であり、かつX線67を照射している被検診者
35の位置において被検診者35内のX線67が透過する部位(患部66)からPET薬剤に起因して放出されるγ線68を検出し、このγ線68の検出信号を出力するγ線検出部である。γ線検出部及びX線検出部を有する放射線撮像装置2は、放射線検出装置である。
本実施例によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施例では、被検体である被検診者35から放出されるγ線を検出する放射線検査期間内の一部の期間で、γ線の検出と並行して被検診者35を透過したX線の検出を実施するので、PET検査を実施しながらX線CT検査を行うことができる。このため、PET検査及びX線CT検査を行う放射線検査に要するトータルの検査時間を短縮できる。特に、特開平7−20245号公報のようにX線CT検査とPET検査を連続的に行う場合でX線CT検査を複数回行う場合には、最初のX線CT検査及び最初のPET検査を終了した後に以下のような操作が行われる。すなわち、最初のPET検査終了時にPET検査装置の放射線検出器(放射線検出器Aという)への電圧印加を停止し、ベッドを移動して被検診者35の検査対象範囲をX線CT検査装置の位置まで移動する。その後、X線CT装置の放射線検出器(放射線検出器Bという)に電圧を印加してX線XT検査を実施する。このX線CT検査終了時に放射線検出器Bへの電圧印加を停止し、ベッドを移動して被検診者35の検査対象範囲をX線CT検査装置の位置まで移動する。その後、再度、放射線検出器Aに電圧を印加してPET検査を実施する。このPET検査終了時に放射線検出器Aへの電圧の印加を停止する。以下、必要なだけこれらの操作を繰返す。以上のように、特開平7−20245号公報での放射線検査では、ベッドの移動,放射線検出器の電圧の印加及びその印加停止をX線CT検査の回数に応じて何回か行う必要があり、放射線検査に長い時間を要する。
(2)本実施例は、X線CT検査を放射線検査期間の一部で実施しているため、X線
CT検査時において被検診者35がX線の照射によって受ける放射線量は許容被曝線量以下となる。
(3)X線を検出する放射線検出器4として、γ線を検出した放射線検出器4を用いるため、放射線検査装置1は、X線を検出する放射線検出器4とγ線を検出した放射線検出器4とを別々に設ける必要がなく、構成を単純化でき、小型化できる。放射線検出器4は、X線検出信号及びγ線検出信号の両方を出力する。
(4)放射線検査期間内で複数回のX線CT検査を実施しているため、もし、被検診者35が放射線検査期間内で動いた場合に、動いた後の状態でのX線検出信号を得ることができる。従って、放射線検査期間内で得たγ線検出信号、及びその放射線検査期間内で実施された複数回のX線CT検査で得た各X線検出信号に基づいて、被検診者35が動いた場合でも、被検診者35に対する精度の高い断層像(患部の像、骨及び内臓等の像を含む)を得ることができる。すなわち、被検診者35が動いた場合の影響が後述のX線CT像及びPET像にそれぞれ現れるため、その影響を含む両像を用いて後述するように精度の良い合成断層像を得ることができる。
(5)本実施例は、X線を検出する放射線検出器4としてγ線を検出した放射線検出器4を用いている(X線検出信号を得るX線の検出は、γ線検出信号を得るγ線の検出を行う放射線検出器4を用いて行う)。このため、本実施例は、環状に配置された放射線検出器4の1つの出力信号であるX線検出信号を用いて、被検診者35の内臓及び骨等の画像を含む患部(PET用薬剤が集積)の位置での第1の断層像(X線CT像)を再構成でき、その放射線検出器4の他の出力信号であるγ線検出信号を用いて、その被検診者35の患部の画像を含む第2の断層像(PET像)を再構成できる。第1断層像のデータ及び第2断層像のデータは透過X線及びγ線の両方を検出する放射線検出器4の出力信号に基づいて再構成されているので、患部の位置における第1断層像のデータ及び第2断層像のデータを精度良く位置合わせして合成することができる。このため、患部,内臓及び骨等の画像を含む精度の良い断層像(合成断層像)を簡単に得ることができる。この合成断層像によれば、内臓及び骨との関係で、患部の位置を正確に知ることができる。例えば、第1断層像のデータ及び第2断層像のデータを、撮像装置2の孔部30の軸心を中心に合わせることによって、簡単に両断層像を合成した画像データを得ることができる。
(6)本実施例は、X線源9から照射されて被検診者35の患部を透過するX線をX線検出部によって検出し、そのX線を照射している被検診者35の位置で被検診者35の体内のX線が透過する部位(患部)から放射性薬剤に起因して放出されるγ線を、γ線検出部によって検出するため、被検診者35をベッド16により移動させずに同じ位置でX線CT検査及びPET検査を実施できる。その両検査中に、X線検出部は被検診者35の患部を透過したX線の検出信号を、γ線検出部は患部から放出されたγ線の検出信号をそれぞれ出力する。そのX線検出信号に基づいて得られた、患部の位置における第1断層像データ、及びそのγ線検出信号に基づいて得られた、患部の位置における第2断層像データを合成するため、検査中に耐え切れずに被検診者35がベッド16上で動いた場合でも、それらの断層像データを精度よく合成することができる。すなわち、精度の良い合成断層像データを得ることができる。このため、表示装置29に表示された、患部の位置での合成断層像データ(合成断層像画像)を用いることによって、患部の診断精度を向上できる。特に、臓器が込み入っている箇所に患部が存在する場合でも、本実施例で得られた合成断層画像により患部の位置を適切に把握でき、患部の診断精度が向上する。
(7)本実施例は、X線源軸方向移動装置(例えば、軸方向移動アーム11)を用いてX線源9を放射線検査期間中に放射線検出部65の軸方向に移動できるので、被検診者
35を放射線検出部65の軸方向に移動させないで、検査対象範囲に対してPET検査を実施しながらその検査対象範囲に対してX線CT検査を実施できる。検査対象範囲に対するX線CT検査を、X線源9をその軸方向に移動させずに被検診者35をベッド16の移動によって実行する場合には、PET用薬剤が集積した部位の位置もその軸方向に移動する。これは、γ線対を発生する位置をその軸方向に移動させることになり、PET像データの作成に対するノイズが増大し、精度の良いPET像のデータが得られなくなる。本実施例は、γ線対を発生する位置がその軸方向に移動しないため、精度の良いPET像のデータが得られ、合成断層像データの精度も向上する。
(8)本実施例は、放射線検出部65に含まれるそれらの放射線検出器4によって、被検診者35から放出される複数のγ線の対を検出できると共に、周方向に移動するX線源9から放出されて被検診者35を透過したX線も検出できる。このため、従来技術は撮像装置としてX線を検出する撮像装置及びγ線を検出する他の撮像装置を必要としていたが、本実施例は、X線及びγ線を検出する一台の撮像装置があればよく、X線CT検査及びPET検査の両方を実施できる放射線検査装置の構成が単純化できる。
(9)本実施例は、第1の断層像を作成するために必要なX線検出信号、及び第2の断層像を作成するために必要なγ線検出信号を共用する放射線検出器4から得ることができるため、被検診者35の検査に要する時間(検査時間)を著しく短縮できる。換言すれば、短い検査時間で、第1の断層像を作成するために必要なX線検出信号、及び第2の断層像を作成するために必要なγ線検出信号を得ることができる。本実施例は、従来技術のように、被検診者を、透過X線を検出する撮像装置からγ線を検出する他の撮像装置まで移動させる必要がなくなるため、被検診者の検査時間の短縮に更に、貢献する。
(10)本実施例は、X線源9を周回させて放射線検出部65を孔部30の周方向及び軸方向に移動させないため、放射線検出部65を移動させるに必要なモーターに比べてX線源9を周回させるモーターの容量を小さくできる。後者のモーターの駆動に要する消費電力も、前者のモーターのそれよりも少なくできる。
(11)X線検出信号処理装置22、すなわち第1信号処理装置に入力されるγ線検出信号が著しく減少するため、精度の良い第1断層像のデータを得ることができる。このため、第1断層像のデータと第2断層像のデータとを合成して得られた画像データを用いることにより、患部の位置をより正確に知ることができる。
(12)本実施例は、放射線検出部65の内側でX線源9が周回するため、環状保持部5の直径が大きくなり、環状保持部5の内側で周方向に設置できる放射線検出器4の個数を多くすることができる。周方向における放射線検出器4の個数の増加は、感度,分解能の向上をもたらし、被検診者35の横断面の分解能を向上させる。
(13)本実施例では、X線源9が取付けられる軸方向移動アーム11及びX線源9は放射線検出器4の内側に位置しているため、X線CT検査時においてそれらが被検診者
35から放出されるγ線を遮って、それらの真後ろに位置する放射線検出器4がそのγ線を検出できなく、PET像の作成に必要な検出データが欠損する可能性がある。しかし、本実施例は、前述のように、X線源駆動装置10によってX線源9及び軸方向移動アーム11が周方向に周回しているので、実質的にはデータの欠損は問題とならない。特に、X線源9及び軸方向移動アーム11の周回速度は約1秒/1スライスであり、最短で数分オーダーのPET検査に要する時間と比較すると十分短い。これによっても、実質的にはそのデータの欠損は問題にならない。また、X線CT検査が行われずPET検査が実施されるときには、X線源9がX線源駆動装置10内に収納されるため、X線源9及び軸方向移動アーム11がγ線検出の障害にはならない。
(14)本実施例は、X線検出部がベッドの長手方向においてγ線検出部の一端とγ線検出部の他端との間に形成される領域に位置しているため、ベッドの移動によらないで被検体が検査中に動いた場合でも、γ線検出部から出力されたγ線検出信号より得られた第1情報、及びX線検出部から出力されたX線検出信号より得られた第2情報を用いて作成された被検体の断層像の精度を向上することができる。これは、その断層像を用いることにより、被検体に対する診断精度を向上させることができる。具体的には癌の患部の位置及び大きさを精度良く認識できる。特に、小器官であるリンパ腺の癌を精度良く診断できる。
更に、X線CT像の作成のために必要なX線検出信号を得るために要する検査時間は、PET像の作成のために必要なγ撮像信号を得るために要する検査時間よりも短い。このため、そのγ線検出信号得るための検査時間の間、常にX線源9からX線を被検診者に照射してX線検出信号を得ることによって、被検診者が検査中に動いた場合でもX線検出信号に基づいて得られるX線CT像の連続像から、被検診者の揺動に伴うPET像のデータのずれを補正することもできる。
実施例1において、統括制御装置47の制御機能をコンピュータ27にてプログラムを用いて実施してもよい。この場合、その制御機能を有するコンピュータ27は、実質的に、断層像データ作成装置及び統括制御装置47を一体化した装置である。
実施例1では、X線の照射はファンビーム形状で行われているがX線の照射はこれに限定されない。例えばX線をコーンビーム状に照射して3次元の合成断層像のデータを得ることも可能である。実施例1では、放射線検出器4としてCdTeを適用した半導体放射線検出器を用いているが、CZT及びGaAs等を適用した半導体放射線検出器を用いることもできる。また、半導体放射線検出器以外の放射線検出器であるシンチレータを使用することも可能である。実施例1では、X線源、またはX線源及び放射線検出器を被検体の周りで旋回させているが、X線源及び放射線検出器を固定して被検体を回転させてもよい。
実施例1は、被検体に対する孔部30の軸方向における検査をベッド16の移動により行っている。これに対して、その検査を、ベッド16を固定して撮像装置をその軸方向に移動することによって実施することもできる。また、放射線検出器の配置は、円筒形に限定されず、例えば、六角形等の多角形の筒状にしてもよい。
被検診者35の患部の位置が予め特定されていない場合には、ベッド16を移動させて被検診者35の全身にわたってPET検査が実施される。このPET検査が実施されている間に、X線源9が周方向に周回され、PET検査を実施する個所に対してX線CT検査が実施される。
実施例1では図6に示すようにX線CT検査を4回実施しているが、被検体を完全固定できる場合、或いは検査対象範囲が狭くPET検査が短時間で終了する場合にはX線CT検査の回数は1回でもよい。
実施例1において、図4の信号弁別装置19の替りに図10に示す信号弁別装置19Aを用いてもよい。信号弁別装置19Aは、図10に示すように、波形整形装置20,γ線弁別装置21及び波高分析装置58を有する。放射線検出器4一個毎に設けられる信号弁別装置21は、切替スイッチ31を有していなく、波形整形装置20が配線23によって対応する放射線検出器4に接続される。波高分析装置59は波形整形装置20及びコンピュータ27に接続される。波形整形装置20に接続されるγ線弁別装置21は同時計数装置26に接続される。波高分析装置59はX線検出信号処理装置である。
信号弁別装置19Aを用いる場合には、X線放出制御部51は、X線CT検査開始信号の入力によりシャッター開信号を出力し、X線CT検査終了信号の入力により、シャッター閉信号を出力する。このため、X線CT検査期間中においては、X線を照射する際にシャッター44は常に開いており、放射線検出器4はX線を検出すると共にγ線も検出する。信号弁別装置19Aは放射線検出器4の出力信号からX線検出信号とγ線検出信号とを別々に分離する機能を有する。すなわち、信号弁別装置19Aは、1つの放射線検出器4から出力されたX線検出信号とγ線検出信号とをエネルギー弁別する装置である。波形整形装置20は、γ線検出信号と共にX線検出信号をもガウス分布に整形して出力する。波形整形装置20の出力であるγ線検出信号及びX線検出信号は、γ線弁別装置21及び波高分析装置59に入力される。γ線弁別装置21がγ線検出信号を処理し、波高分析装置59がX線検出信号を処理する必要がある。γ線弁別装置21は信号弁別装置19のγ線弁別装置21と同じ機能を発揮する。被検診者35に照射されるX線のエネルギーは80keVである。波高分析装置59は、第2エネルギー設定値(70keV)以上で第3エネルギー設定値(90keV)以下の範囲のエネルギーを有するX線検出信号が波形整形装置20から入力されたとき、そのX線検出信号の設定周期ごとの積算値、すなわちX線強度の情報を出力する。波高分析装置59の負荷はそのような特定エネルギーのX線検出信号の処理を行うことによって著しく軽減される。
(実施例2)
次に、図1に示す放射線検査装置1を用いた放射線検査支援方法を図11を用いて説明する。医療機関である病院は、各日にち毎の放射線検査を受ける各被検診者の氏名を情報端末63に入力し、病院のサーバ62,通信回線64を介して放射線検査支援事業者のサーバ60宛てに送信し、放射線検査支援事業者に放射線検査の依頼をする。送信された放射線検査日及び放射線検査日毎の各被検診者の氏名は、放射線検査支援事業者の情報端末61の表示装置に表示される。放射線検査支援事業者が所有する、検査に用いる放射線検査装置1は、その病院内に設置されている。PET用薬剤は、その病院が被検診者35に投与する。放射線検査支援事業者の従業員である放射線技師が、その薬剤を投与された被検診者35をベッド16上に寝かせる。その放射線技師がボタンスイッチ54を押すと、実施例1で述べたように、統括制御装置47による制御によって、放射線検査装置1を用いた該当する被検診者35に対する放射線検査、すなわちPET検査及びX線CT検査が実施される。この放射線検査によって放射線検出器4からの出力であるγ線検出信号及びX線検出信号が実施例1のように処理される。この処理によって得られた各情報がコンピュータ27に入力されて図9の処理が実行され、合成断層データが作成される。合成断層像データは、被検診者の氏名の情報と共に、コンピュータ27からサーバ60に出力され、通信回線64,サーバ62を経て検査の依頼者である病院の情報端末63に入力されて表示装置に表示される。病院の医者は、表示された合成断層を見て患部の診断を行う。放射線検査装置1を用いて放射線検査を実施するため、実施例で生じる効果(1)〜(13)を得ることができる。特に、本実施例は、前述したように放射線検査期間内でPET検査行っているときにX線CT検査を行うので、患部及び骨等を含む精度の良い断層像を病院に提供できる。病院の医者はその断層像に基づいて患部の適切な診断を行うことができる。本放射線支援方法は、X線の検出位置とγ線の検出位置が少なくとも一部で同じ位置
(複数の放射線検出器4の少なくとも一部を共用してその一部の各放射線検出器4のそれぞれがX線及びγ線の両検出信号を出力)で行われる放射線検査を実施するとも言える。
本実施例において、放射線検査装置1の替りに後述の実施例における放射線検査装置
1A,1B,1C及び1Dのいずれかを用いてもよい。
(実施例3)
本発明の他の実施例である実施例3の放射線検査装置を、図12及び図13に基づいて説明する。本実施例の放射線検査装置1Aは、撮像装置2A及び被検診者保持装置14を備え、更に、図示されていないが、実施例1で述べた信号弁別装置19,同時計数装置
26,コンピュータ27,記憶装置28及び表示装置29を備えている。本実施例の被検診者保持装置14の構成は、実施例1で述べたその構造と同じである。
撮像装置2Aは、ベッド16の長手方向に対して直角の方向に設置されており、放射線検出器環状体3A、X線源周方向移動装置7、駆動装置制御装置70及びX線源制御装置71を有する。放射線検出器環状体3Aは、環状保持部5A、及び環状保持部5Aの内側に環状に設置された多数の放射線検出器4を含む。図12及び図13に示すように、放射線検出器環状体3Aには間隙である半円形のスリット69が軸方向に複数個設けられている。具体的には、それらのスリット69は環状保持部5Aに形成されている。それらのスリット69の部分を除いて、環状保持部5Aの内側に実施例1と同様に多数の放射線検出器(半導体放射線検出器)4が設置されている。放射線検出器環状体3Aに含まれる多数の放射線検出器4は筒状の放射線検出部65Aを構成する。環状保持部5Aは、支持部材6上に設置される。
本実施例のX線源周方向移動装置7は、実施例1のその構成と同じである。X線源装置8のX線源駆動装置10は、図12に図示されていないが、モーター17及び18(図1参照)を備える。本実施例では、X線源9及び軸方向移動アーム18は、放射線検出部
65Aの外側、具体的には放射線検出器環状体3Aの外側に配置される。駆動装置制御装置70及びX線源制御装置71は環状保持部5Aの外周面に設置される。本実施例も、X線CT検査及びPET検査を一台の撮像装置2Aを用いて行う例である。
放射線検査を行う前に、実施例1と同様に予め注射などの方法によりPET用薬剤が、体内投与放射能が370MBqになるように、被検体である被検診者35に投与される。被検診者35は、PET用薬剤が撮像可能な状態に体内に拡散して患部66に集まるまでの所定時間の間、待機する。その所定時間が経過した後、被検診者35を被検診者保持装置14のベッド16上に寝かせる。本実施例におけるX線CT検査及びPET検査は、被検診者35が横たわっているベッド16を移動させて被検診者35を孔部30内に挿入された状態で撮像装置2Aを用いて行われる。
X線源制御装置71はX線源9からのX線の放出時間を制御する。すなわち、X線源制御装置71は、X線CT検査中において、X線発生信号を出力してX線源9におけるX線管42の陽極(または陰極)と電源との間に設けられた開閉器57(図1参照)を閉じ、第1設定時間経過した時にX線停止信号を出力して開閉器57を開き、そして第2設定時間経過した時に開閉器57を閉じる、という制御を繰り返す。陽極と陰極との間には、第1設定時間の間で電圧が印加され、第2設定時間の間で電圧が印加されない。この制御によって、X線管42からX線67がパルス状に放出される。本実施例のX線源9は、実施例1のようにシャッター44を設けていない。第1設定時間である照射時間Tは、実施例1と同じで、放射線検出器4でのγ線の検出確率を無視できるように例えば1μsec に設定される。第2設定時間は、X線源9が1つの放射線検出器4とこれに周方向において隣接する他の放射線検出器4の間を移動する時間T0であり、ガイドレール12の周方向におけるX線源9の移動速度で定まる。第1及び第2設定時間はX線源制御装置71に記憶されている。
X線源9から放射されるX線67がスリット69を通ってスリット69と対向する位置にある放射線検出器4と孔部30の軸方向で隣接する放射線検出器4に入射するように、X線源9は斜めに取付けられている。各スリット69はX線を通すX線用開口部である。X線CT検査を開始するときは、駆動装置制御装置70が駆動開始信号を出力して、モーター17に接続された、電源とつながる第1開閉器(図示せず)を閉じる。電流の供給によりモーター17が回転し、その回転力が動力伝達機構を介してピニオンに伝えられ、ピニオンが回転する。ピニオンがガイドレール12のラックと噛合っているため、X線源装置8、すなわちX線源9がガイドレール12に沿って周方向に移動する。X線源9は、放射線検出器環状体3Aの周囲を設定速度で移動する。X線CT検査終了時には、駆動装置制御装置70は駆動停止信号を出力して第1開閉器を開く。これによって、X線源9の周方向への移動が停止される。スリット69は半円形に設置されており、X線源9の移動もこの範囲内である。本実施例では、放射線検出部65Aは、その周方向に移動しなく、かつ孔部30の軸方向にも移動しない。移動しないX線源制御装置71及び駆動装置制御装置70から移動するX線源装置8への制御信号の伝送はX線源装置8の移動に支障にならない公知の技術を適用する。
X線CT検査を開始する際に駆動装置制御装置70から出力された駆動開始信号はX線源制御装置71に入力される。X線源制御装置71は、駆動開始信号の入力に基づいてX線発生信号を出力する。その後、X線停止信号及びX線発生信号を繰り返して出力する。X線停止信号及びX線発生信号の繰り返し出力によって、X線源9は、第1設定時間、すなわち1μsec の間にX線を放出し、第2設定時間の間にX線の放出を停止する。このX線の放出及び停止がX線源9の周方向への移動期間中に繰り返されることになる。X線源9から放出されたそのX線67は、ファンビーム状に、スリット69を通過して孔部30内に挿入された被検診者35に照射される。X線源9の周方向の移動によって、ベッド
16上の被検診者35は周囲よりX線67を照射される。このX線67は、被検診者35を透過した後、孔部30の軸心を基点にスリット69から180度の位置にある放射線検出器4の隣の放射線検出器4を中心に周方向に位置する複数個の放射線検出器4によって検出される。これらの第1放射線検出器4は、そのX線の検出信号を出力する。このX線検出信号は、該当する配線23を経て対応するそれぞれの信号弁別装置19に入力される。
図12に示されたX線67が通過しているスリット69の位置でスリット69の範囲内で周方向におけるX線源9の移動が終了し、そのスリット69の位置でのX線CT検査が終了した後、駆動装置制御装置70はX線源駆動装置10のモーター18に接続された電源とつながる第2開閉器(図示せず)を閉じる。これにより、モーター18が駆動して軸方向移動アーム11が縮んで、X線源9がスリット69Aの位置まで移動される。X線源9からのX線67の放出は、軸方向移動アーム11が伸縮動作するときには、X線源制御装置71の作用により停止される。
X線源9がスリット69Aの位置に到達した後、X線源制御装置71はX線源9からX線67を放出させる。X線67はスリット69Aを通過し、スリット69Aに対向している患部66を透過する。患部66を透過したX線67は放射線検出器4で検出される。
孔部30内に挿入された、ベッド16上の被検診者35の患部66からは、PET用薬剤に起因した511keVのγ線68が放出されている。第1放射線検出器4以外の放射線検出器(第2放射線検出器)4は、そのγ線68を検出し、このγ線68の検出信号を出力する。このγ線検出信号は、該当する配線23を経て対応するそれぞれの信号弁別装置19に入力される。
信号弁別装置19における切替スイッチ31の切り替え操作は、駆動装置制御装置70によって制御される。駆動装置制御装置70は、実施例1における切替スイッチ制御部
52と同様な制御を行い、可動端子32の固定端子33または固定端子34への接続を切り替える。駆動装置制御装置70が、X線源9の周方向への移動に伴って別の放射線検出器4を選択したときには、新たに第1放射線検出器4となる放射線検出器4に接続された可動端子32は固定端子34に接続される。X線源9の周方向への移動に伴って第1放射線検出器4でなくなった放射線検出器4に接続された可動端子32は駆動装置制御装置
70によって固定端子33に接続される。
本実施例も、実施例1と同様に、放射線検出部65Aにおける個々の放射線検出器4は、X線源9の位置との関係で、あるときは第1放射線検出器4となり、別のあるときには第2放射線検出器4となる。このため、1つの放射線検出器4は、時間的に別々ではあるがX線検出信号及びγ線検出信号の両方を出力する。第1設定時間である1μsec の間に第1放射線検出器4が被検診者35から放出されるγ線68を検出する確率は、前述したように、無視できるほど小さい。
被検診者35の患部66の位置が予め特定されていない場合には、被検診者35の全身に対して、一度にPET検査が実施できる範囲(放射線検出部65Aの軸方向の長さ)毎にそれぞれPET検査が実施される。この各PET検査毎に、X線源9が周方向に周回され、PET検査を実施する個所に対してX線CT検査がそれぞれ実施される。被検診者
35の患部66の位置が予め他の検査によって特定されている場合には、ベッド16を移動させて予め特定されている患部66の位置を孔部30内に挿入し、撮像装置2Aを用いてその患部付近に対しPET検査及びX線CT検査を実施する。
放射線検出器4から出力されたX線検出及びγ線検出信号は、信号弁別装置19で実施例1と同様に処理される。同時計数装置26は、各信号弁別装置19のγ線弁別装置21からのパルス信号を入力し、実施例1と同様な処理を実行する。コンピュータ27は、実施例1で述べた、図9に示すステップ36〜41の各処理を実行し、被検診者35の患部66の位置における横断面の合成断層像データを求めてその合成断層像データを表示装置29に表示する。
本実施例も、被検診者35の断層像データの作成に必要とするγ線78の検出信号を得るための放射線検査期間内で、患部66から放出されるγ線68を検出するPET検査と、被検診者35を透過するX線67を検出するX線CT検査を実施している。そのX線
CT検査に要する時間は、そのPET検査に要する時間よりも短い。本実施例におけるX線CT検査の開始は、放射線技師等のオペレータが操作盤(図示せず)上のX線CT検査開始用ボタンを押すことによって、駆動装置制御装置70のX線CT検査開始信号が入力され、駆動装置制御装置70が前述の駆動開始信号を出力することに行われる。本実施例も、図6に示すように1放射線検査期間内で複数回のX線CT検査を実施してもよい。
本実施例では、X線源9を周方向に移動させて1つのスリット69を通過するX線67の検出信号を用いて、被検診者35の1つの横断面における二次元断面データを得ている。被検診者35の他の横断面における二次元断面データは、軸方向移動アーム11を伸縮させてX線源9を他のスリット69の位置へ移動させることによって得られる。これらの二次元断面データを積み重ねることによって、三次元の断面データを得ることができる。
本実施例によれば、実施例で生じる(1)〜(11)及び(14)の効果を得ることができる。本実施例は、更に、以下に示す(15)及び(16)の効果を得ることができる。γ線検出部及びX線検出部を有する放射線撮像装置2Aも、放射線検出装置である。
(15)本実施例は、筒状の放射線検出部65Aの外側でX線源9が周回するため、放射線検出部の直径が小さくなる。陽電子消滅の際に放射される一対のγ線は180度±
0.6 度に放出されるので、放射線検出部の直径が小さくなると誤差が小さくなり、画像分解能が向上する。また、放射線検出器4の個数を減少できる。
(16)本実施例では、X線源9が取付けられる軸方向移動アーム11及びX線源9は放射線検出器4の外側に位置しているため、それらが被検診者35から放出されるγ線を遮って、それらの真後ろに位置する放射線検出器4がそのγ線を検出できなく、PET像の作成に必要な検出データが欠損する可能性が完全に無くなる。
(実施例4)
本発明の他の実施例である実施例4の放射線検査装置を図14及び図15に基づいて説明する。本実施例の放射線検査装置1Bは、撮像装置2B,被検診者保持装置14を備え、図14に図示されていないが、図10に示されたγ線弁別装置21,及び実施例1で述べた同時計数装置26,コンピュータ27,記憶装置28及び表示装置29を備える。実施例3との違いは撮像装置2Bにあるので、以下主に撮像装置2Bを中心に説明する。
撮像装置2Bは、複数の放射線検出器環状体3B,X線源装置8A,X線検出装置77,検出器保持装置72,周方向ガイドレール74,X線源軸方向ガイドレール75及び検出器軸方向ガイドレール76を備えている。
複数の放射線検出器環状体3Bは、各々独立に検出器保持装置72により、軸方向において並行に支持部材6に設置される。各々の放射線検出器環状体3Bは、環状保持部5Bの内面に複数の放射線検出器4を周方向及び軸方向に設置している。環状保持部5Bが検出器保持装置72に取り付けられる。各放射線検出器環状体3Bの相互間に、間隙73がそれぞれ形成される。環状の周方向ガイドレール74が各環状保持部5Bの外面に設けられる。X線源軸方向ガイドレール75及び検出器軸方向ガイドレール76は、お互いに
180°離れた位置で各環状保持部5Bの外面に軸方向に延びて設けられる。
X線源装置8Aは、X線源駆動装置10、及びX線源駆動装置10に設けられたX線源9を有する。X線源駆動装置10は、そのケーシング内に、図示されていないが、モーター,減速機構、及び周方向移動用と軸方向移動用の2種のピニオンを有する。X線源装置8Aの周方向移動時には、減速機構が周方向移動用ピニオンに接続され、モーターが回転した駆動力を周方向移動用ピニオンに伝達する。X線源装置8Aの軸方向移動時には、減速機構が軸方向移動用ピニオンに接続され、モーターが回転した駆動力を軸方向移動用ピニオンに伝達する。周方向移動用ピニオンは周方向ガイドレール74に設けられたラックと噛み合うことにより、また軸方向移動用ピニオンはX線源軸方向ガイドレール75に設けられたラックと噛み合うことにより、自走式のX線源装置8Aは環状保持部3Bの外面側においてそれぞれの方向に移動可能である。X線源9はX線源装置8A内で環状保持部5Bに面して設けられる。
X線検出装置77は、環状保持部5Bの外側で、半円の連結部材(図示せず)によってX線源装置8Aに連結される。このため、X線源装置8Aが周方向ガイドレール74に沿って環状保持部5Bの周方向に移動するときには、X線検出装置77は、X線源装置8Aの移動に伴って周方向ガイドレール74に沿って環状保持部5Bの外側で環状保持部5Bの周方向に移動する。X線源装置8AがX線源軸方向ガイドレール75に沿って環状保持部5Bの軸方向に移動するときには、X線検出装置77は、X線源装置8Aの移動に伴って検出器軸方向ガイドレール76に沿って環状保持部5Bの外側で環状保持部5Bの軸方向に移動する。X線検出装置77は複数のX線検出器78を孔部30の周方向に配置している。その複数のX線検出器78によってX線検出部が構成される。X線検出器78は環状保持部5Bの軸方向にも複数個配列してもよい。
筒状のγ線検出部80は、全ての放射線検出器環状体3Bに設けられた放射線検出器4によって構成される。X線検出部は、ベッド16の長手方向においてγ線検出部80の一端とγ線検出部80の他端との間に形成される領域内に位置している。放射線検出器4及びX線検出器78は、実施例1で述べた半導体放射線検出器である。本実施例では、X線源9が放射線検出器環状体3B、すなわちγ線検出部80の外側に配置される。
本実施例は、X線検出部及びγ線検出部が一体である実施例1及び3と異なり、X線検出部及びγ線検出部が別々に設けられている。X線検出部及びγ線検出部が別々である構成は、後述の実施例5及び6においても適用される。γ線検出部及びX線検出部を有する放射線撮像装置2Bも、放射線検出装置である。
PET用薬剤を投与された被検診者35は、ベッド16を移動させることによって孔部30内の所定の位置まで移動される。放射線技師等のオペレータが操作盤(図示せず)上のX線CT検査開始用ボタンを押すことによって、駆動装置制御装置(図示せず)及びX線源制御装置(図示せず)にX線CT検査開始信号が入力され、本実施例におけるX線
CT検査が開始される。X線CT検査開始信号を入力したX線源制御装置は、開閉器57(図1参照)を閉じる。これにより、X線源9からX線67が放出される。X線源9から放出されたX線67は間隙73を通過して被検診者35に照射される。駆動装置制御装置の制御により上記モーターが回転され、X線源装置8Aが周方向ガイドレール74に沿って移動する。X線源装置8A及びX線検出装置77は、隣接する検出器保持装置72間に形成される空間79内を移動して回転する。このため、X線源9から放出されるX線67は、周囲から被検診者35に照射される。被検診者35を透過したX線67は、X線検出部のX線検出器78によって検出される。X線源装置8A及びX線検出装置77を隣の間隙73(例えば間隙73A)まで移動させるためには、1つの間隙73を通しての被検診者35へのX線67の照射が完了した後、X線源装置8AをX線源軸方向ガイドレール
75に沿って移動させる。そのとき、X線検出装置77は検出器軸方向ガイドレール76に沿って移動する。X線源装置8AのX線源軸方向ガイドレール75に沿った移動時においては、X線源制御装置の制御により開閉器57が開くため、X線源9からはX線が放出されない。X線源装置8Aが隣の間隙73Aに達したとき、X線源装置8A及びX線検出装置77を周方向ガイドレール74に沿って移動させる。このとき、X線源制御装置の作用によりX線源9からX線67が放出される。このX線67は、その間隙73Aを通過して被検診者35の患部66に照射される。患部66を透過したX線67は放射線検出器
78によって検出される。X線CT検査は、X線源装置8AがX線CT検査終了時の所定位置に到達したときに終了する。
γ線検出部80の各放射線検出器4は、患部66から放出されるγ線68を検出する。放射線検出器4から出力されたγ線検出信号は、波形整形装置20を介してγ線弁別装置21に入力される。γ線弁別装置21は、実施例1に示す処理を実行してパルス信号を出力する。同時計数装置26は、各信号弁別装置19のγ線弁別装置21からのパルス信号を入力し、実施例1と同様な処理を実行する。 X線検出器78から出力されたX線検出信号は、信号処理装置(図示せず)で処理される。その信号処理装置は、X線検出信号の積分値であるX線の強度情報を出力する。上記したX線強度情報を入力するコンピュータ27は、実施例1で述べた、図9に示すステップ36〜41の各処理を実行し、被検診者35の患部66の位置における横断面の合成断層像データを求めてその合成断層像データを表示装置29に表示する。
本実施例も、被検診者35の断層像データの作成に必要とするγ線78の検出信号を得るための放射線検査期間内で、患部66から放出されるγ線68を検出するPET検査と、被検診者35を透過するX線67を検出するX線CT検査を実施している。本実施例も、図6に示すように1放射線検査期間内で複数回のX線CT検査を実施してもよい。
本実施例によれば、実施例3で生じる(1),(2),(4),(6),(7),(10),(11)及び(14)〜(16)の効果を得ることができる。さらに、以下に示す効果も得ることができる。
(17)本実施例は、X線検出部(具体的にはX線検出器78)がγ線検出部80の軸方向における一端とその他端との間に配置されているため、PET検査を実施している被検診者35の所定の領域に対して、被検診者35をベッド16により移動させずに同じ位置でX線CT検査を実施できる。このため、検査中に被検診者35がベッド16上で動いた場合でも、患部の位置での第1断層像データ及び第2断層像データを精度よく合成できる。例えば、第1断層像のデータ及び第2断層像のデータを、撮像装置2Bの孔部30の軸心を中心に合わせることによって、簡単にかつ精度良く合成することができる。従って、特に、臓器が込み入っている箇所に患部が存在する場合でも、本実施例で得られた断層画像により患部の位置を適切に把握でき、患部の診断精度が向上する。
(18)本実施例では実施例1で用いられる切替スイッチ31が不要となる。つまり、環状保持部5B上に設置している放射線検出器4は、配線23で波形整形装置20を介してγ線弁別装置21に接続されている。一方、X線検出器78は、配線(図示せず)で信号処理装置に直接接続されている。したがって回路構成が単純化される。また、切替スイッチ等の制御も必要なくなり制御方法も単純化できる。
(19)本実施例では、X線源装置8A及びX線検出装置77が360度回転可能な構成となっている。従って、X線CT検査において、1断層像を得るために360度方向のデータを得ることが可能となり、X線CT画像の画質の向上が図れる。
(20)本実施例では、孔部30の中心軸に対してX線源装置8AとX線検出装置77を対向の位置に配置している。従って、X線CT検査の2次元の断面画像の撮影時にX線をこの断面に平行に照射することが可能となり、X線CT画像の画質の向上が図れる。
(21)本実施例では、X線を間隙73に対して平行に照射できる。従って、間隙73の幅をビーム幅とほぼ同等な幅まで最小化することが可能である。間隙73はPET検査時のデータ欠損領域であり、間隙73幅の最小化により、PET検査の高速化,画質の向上が図れる。
(22)本実施例では、X線検出装置77をPET検査用のγ線を検出する放射線検出器4と独立に備えている。従って、X線検出装置77におけるX線検出器78の配列ピッチを任意に設定可能であり、X線CT画像の高分解能化が容易に実施できる。
(実施例5)
本発明の他の実施例である実施例5の放射線検査装置を図16及び図17に基づいて説明する。本実施例の放射線検査装置1Cは、撮像装置2C及び被検診者保持装置14を備え、図16に図示されていないが、図10に示されたγ線弁別装置21,及び実施例1で述べた同時計数装置26,コンピュータ27,記憶装置28及び表示装置29を備える。γ線検出部及びX線検出部を有する放射線撮像装置2Cも、放射線検出装置である。
本実施例における撮像装置2Cは、構造的には、撮像装置2Aに軸方向伸縮アーム81及びX線検出部82を付加した構成を有する。ただし、X線源装置保持部13は、支持部材6に着脱可能取り付けられる支持部材83に設置される。軸方向伸縮アーム81は、軸方向伸縮アーム11とは180°反対の位置でX線源駆動装置10のケーシングに取り付けられる。X線検出部82は、軸方向伸縮アーム81の先端に設置され、図17に示すように孔部30の周方向に複数のX線検出器78を備える。本実施例におけるX線源周方向移動装置7Aは、X線源9,X線源駆動装置10,X線源装置保持部13,軸方向伸縮アーム11,81及びX線検出部82を有する。筒状に配置された複数の放射線検出器4によって、γ線検出部80Aが構成される。軸方向伸縮アーム81の伸縮動作は、軸方向伸縮アーム11と同様にモーター18の駆動によって行われる。撮像装置2Cの他の構成は、撮像装置2Aと同じ構成を有する。なお、撮像装置2Cは、X線撮像装置84及びγ線撮像装置85を有する。X線撮像装置84は、X線源周方向移動装置7A,駆動装置制御装置70,X線源制御装置71及び支持部材83を有する。γ線撮像装置85は放射線検出器環状体3A及び支持部材6を有する。
X線源9及び軸方向伸縮アーム11とX線検出部82及び軸方向伸縮アーム81は、X線源駆動装置10がガイドレール12に沿って移動することによって、実施例3と同様に、スリット69の周方向の長さの範囲で、ベッド16上の被検診者35の周囲を移動する。X線源9から放出されたX線67は、例えばスリット69Aを通ってPET薬剤が投与された被検診者35に照射され、患部66を透過する。患部66を透過したX線67は、X線検出部82のX線検出器78によって検出される。X線源9及びX線検出部82は、軸方向伸縮アーム11,81を伸縮動作させることによって、互いに対向した状態で孔部30の軸方向に移動する。PET用薬剤に起因して患部66から放出されたγ線68は、γ線検出部80Aの放射線検出器4によって検出される。
X線検出器78から出力されたX線検出信号及び放射線検出器4から出力されたγ線検出信号は、実施例4と同様に処理される。この処理によって、被検診者35の患部66の位置における横断面の合成断層像データが求められ、その合成断層像データが表示装置
29に表示される。
本実施例によれば、実施例4で生じる(1),(2),(4),(6),(7),(10),(11),(14)〜(18)及び(20)〜(22)の効果を得ることができる。本実施例は、更に、以下の効果を生じる。
(23)本実施例では、X線源9及びX線検出部82が対向する位置でX線源駆動装置10に取付けられており、X線源駆動装置10の周方向移動によりX線検査が可能な構造である。従って、X線CT検査時に、X線源9及びX線検出部82の、孔部30の周方向への移動が同時に制御可能となり、制御方法が単純化できる。
(24)本実施例では、X線撮像装置84が着脱可能な構造であり、取外し時には、X線撮像装置84を用いて独立にX線CT検査を実施することができる。
(実施例6)
本発明の他の実施例である実施例6の放射線検査装置を図18及び図19に基づいて説明する。本実施例の放射線検査装置1Dは、撮像装置2D及び被検診者保持装置14を備え、図18に図示されていないが、図10に示されたγ線弁別装置21,及び実施例1で述べた同時計数装置26,コンピュータ27,記憶装置28及び表示装置29を備える。撮像装置2Dは、概念的には、撮像装置2B(図14)に撮像装置2CのX線撮像装置
84(図16)を適用したものである。すなわち、撮像装置2Dは、X線撮像装置84及びγ線撮像装置85Aを備える。γ線撮像装置85Aは、実施例4における複数の放射線検出器環状体3B,支持部材6及び各放射線検出器環状体3Bを支持部材6に設置する検出器保持装置72を有する。本実施例においては、X線検出部82及び軸方向伸縮アーム
81は放射線検出器環状体3Bの外側に配置する。本実施例では、X線源9及びX線検出部82が、検出器保持装置72以外の領域で、X線源駆動装置10により孔部30の周方向に移動できる。X線検出部82は、図示されていないが、実施例5と同じ構成を有する。γ線検出部及びX線検出部を有する放射線撮像装置2Dも、放射線検出装置である。
X線検出器78から出力されたX線検出信号及び放射線検出器4から出力されたγ線検出信号は、実施例4と同様に処理される。この処理によって、被検診者35の患部66の位置における横断面の合成断層像データが求められ、その合成断層像データが表示装置
29に表示される。
本実施例によれば、実施例5で生じる(1),(2),(4),(6),(7),(10),(11),(14)〜(18)及び(20)〜(24)の効果を得ることができる。本実施例は、実施例5に比べて放射線検出器環状体の直径を小さくできる。
実施例1〜5において、X線検出部の少なくとも一部を、記ベッドの長手方向においてγ線検出部の一端とγ線検出部の他端との間に形成される領域に位置させてもよい。
本発明の好適な一実施例である放射線検査方法に用いられる放射線検査装置の縦断面図である。 図1のII−II断面図である。 図1のX線源の縦断面を示し、(A)はシャッターが閉じている状態を示す説明図であり、(B)はシャッターが開いた状態を示す説明図である。 図1に示す実施例1における信号弁別装置の詳細構成図である。 図1の統括制御装置の詳細構成図である。 本実施例の放射線検査方法に適用される制御スケジュールの説明図である。 図4の波形整形装置に入力されるγ線検出信号の波形を示す説明図である。 図4の波形整形装置から出力されたγ線検出信号の波形を示す説明図である。 図1のコンピュータで実行される処理手順のフローチャートである。 信号弁別装置の他の実施例の構成図である。 本発明の他の実施例である実施例2の放射線検査支援方法に用いられる断層像データの伝送システムの構成図である。 本発明の好適な一実施例である実施例3の放射線検査装置の縦断面図である。 図12のA−A断面図である。 本発明の他の実施例である実施例4の放射線検査装置の縦断面図である。 図14のB−B断面図である。 本発明の他の実施例である実施例5の放射線検査装置の縦断面図である。 図16のC−C断面図。 本発明の他の実施例である実施例6の放射線検査装置の縦断面図である。 図18のD−D断面図である。
符号の説明
1,1A,1B,1C,1D…放射線検査装置、2,2A,2B,2C,2D…撮像装置、3,3A,3B…放射線検出器環状体、4…放射線検出器、7,7A…X線源周方向移動装置、8,8A…X線源装置、9…X線源、10…X線源駆動装置、11,81…軸方向伸縮アーム、12…ガイドレール、14…被検診者保持装置、16…ベッド、19,19A…信号弁別装置、21…γ線弁別装置、22…X線検出信号処理装置、24…電源開閉器、26…同時計数装置、27…コンピュータ、28…記憶装置、29…表示装置、30…孔部、31…切替スイッチ、32…可動端子、38…波高分析装置、42…X線管、44…シャッター、47…統括制御装置、48…統括制御部、49…検出器電源制御部、50…X線源移動制御部、51…X線放出制御部、52…切替スイッチ制御部、53…ベッド移動制御部、54…ボタンスイッチ、65,65A…放射線検出部、66…患部、67…X線、68…γ線、69,69A…スリット、70…駆動装置制御装置、71…X線源制御装置、72…検出器保持装置、73,73A…間隙、74…周方向ガイドレール、75…X線源軸方向ガイドレール、76…検出器軸方向ガイドレール、77…X線検出装置、78…X線検出器、80,80A…γ線検出部、82…X線検出部、84…X線撮像装置、85,85A…γ線撮像装置。

Claims (33)

  1. 被検体を乗せるベッドと、X線を放射するX線源と、前記ベッドの長手方向に複数の放
    射線検出器が配置されて前記ベッドの周囲に位置し、γ線の検出信号を出力するγ線検出
    部と、X線の検出信号を出力するX線検出部と、前記ベッドと前記γ線検出部の間に位置する前記X線源を前記ベッドの周囲において周方向に移動させる第1X線源移動装置とを
    備え、
    前記X線検出部は、前記ベッドの長手方向において前記γ線検出部の一端と前記γ線検出部の他端との間に形成される領域に位置しており、
    前記X線源を前記長手方向に移動させる伸縮アームを有する第2X線源移動装置を備えていることを特徴とする放射線検査装置。
  2. 被検体を乗せるベッドと、
    X線を放出するX線源と、
    前記ベッドの長手方向に複数の放射線検出器が配置されて前記ベッドの周囲に位置し、
    γ線を検出してそのγ線の検出信号を出力するγ線検出部と、
    前記γ線を検出する位置で、前記X線を検出してそのX線の検出信号を出力するX線検
    出部と、
    前記ベッドと前記γ線検出部の間に位置する前記X線源を前記ベッドの周囲において周方向に移動させる第1X線源移動装置と、
    前記X線源を前記長手方向に移動させる伸縮アームを有する第2X線源移動装置とを備え
    前記γ線検出部及び前記X線検出部は、一体となって、前記γ線検出部であり前記X線検出部である放射線検出部を構成し、前記放射線検出部は前記γ線検出信号及び前記X線検出信号の両方を出力する複数の前記放射線検出器で構成されることを特徴とする放射線検査装置。
  3. 前記X線源が、前記X線源から照射される前記X線を前記X線検出部で検出していないときに、前記長手方向において前記γ線検出部の外側に位置している請求項1又は請求項2に記載の放射線検査装置。
  4. 前記放射線検出器は半導体放射線検出器である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の放射線検査装置。
  5. 前記γ線検出信号より得られた第1情報及び前記X線検出信号より得られた第2情報を用いて断層像情報を作成する断層像作成装置を備えた請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の放射線検査装置。
  6. 前記γ線検出信号より得られた第1情報を用いて第1断層像情報を作成し、前記X線検出信号より得られた第2情報を用いて第2断層像情報を作成し、及び前記第1断層像情報及び第2断層像情報を含む第3断層像情報を作成する断層像作成装置を備えた請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の放射線検査装置。
  7. それぞれの前記放射線検出器からのγ線の検出信号を入力し、放射性薬剤が集積した部位を含む第1断層像情報の作成に用いられる第1情報を出力する第1信号処理装置と、前記放射線検出器からの前記X線の検出信号を入力して骨を含む第2断層像情報の作成に用いられる第2情報を出力し、前記放射線検出器毎に設けられる第2信号処理装置とを備えた請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の放射線検査装置。
  8. 前記第1情報及び前記第2情報を用いて断層像情報を作成する断層像作成装置を備えた請求項7に記載の放射線検査装置。
  9. 前記第1信号処理装置は、
    前記放射線検出器からの前記γ線検出信号を入力し、前記放射線検出器毎に設けたγ線検出信号処理装置と、
    各前記γ線検出信号処理装置からのそれぞれの出力信号を入力し、前記第1情報である、設定時間内に前記γ線を検出した一対の前記放射線検出器のそれぞれの位置情報、及び検出された前記γ線の計数情報の各情報を出力する計数装置とを有し、
    前記位置情報,前記計数情報及び前記第2情報を用いて断層像情報を作成する断層像作成装置とを備えた請求項8に記載の放射線検査装置。
  10. 前記γ線検出信号より得られた第1情報及び前記X線検出信号より得られた第2情報を用いて断層像を作成する断層像作成装置を備えた請求項2に記載の放射線検査装置。
  11. 前記複数の放射線検出器の各々に接続され、前記放射線検出器を、γ線検出信号処理装置又はX線検出信号処理装置に切り替えて接続する切替スイッチと、
    前記X線源の位置に基づいて前記X線を検出する前記放射線検出器を選択し、選択した
    前記放射線検出器を前記X線検出信号処理装置に接続するように前記切替スイッチを制御
    する切替スイッチ制御部を備える請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の放射線検査装置。
  12. 前記切替スイッチ制御装置は、
    前記選択された放射線検出器以外の他の放射線検出器を前記γ線検出信号処理装置に接続するように他の前記切替スイッチを制御する請求項11に記載の放射線検査装置。
  13. 前記X線源は、開口部を有する放射線遮へい体と、前記放射線遮へい体内に配置されたX線管と、放射線遮蔽材で構成されるシャッターとを有する請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の放射線検査装置。
  14. ベッドの長手方向に複数の放射線検出器が配置されて前記ベッドの周囲に位置し、γ線の検出信号を出力するγ線検出部と、前記ベッドと前記γ線検出部の間に位置してX線を放射するX線源を、前記ベッドの周囲において周方向に移動させる第1X線源移動装置と、前記X線源を前記長手方向に移動させる伸縮アームを有する第2X線源移動装置とを備え、前記X線検出部が、前記長手方向において前記γ線検出部の一端と前記γ線検出部の他端との間に形成される領域に位置している放射線検査装置の制御方法であって、
    制御装置が、前記第2X線源移動装置を制御することによって、前記X線源を前記長手方向における前記γ線検出部の外側の第1位置と前記領域内の第2位置との間を移動させ、前記制御装置によるその制御によって前記X線源が前記第1位置に位置している期間が存在することを特徴とする放射線検査装置の制御方法。
  15. 前記制御装置による前記第2X線源移動装置の制御によって、前記X線源が前記第1位置から前記第2位置に移動され、その後、前記X線源が前記第2位置から前記第1位置に移動される請求項1に記載の放射線検査装置の制御方法。
  16. 前記制御装置が、設定された制御スケジュール情報に基づいて前記第2X線源移動装置を制御して前記X線源を前記第1位置から前記第2位置に移動させる請求項1または請求項2に記載の放射線検査装置の制御方法。
  17. 前記制御装置は、設定された制御スケジュール情報に基づいて前記第2X線源移動装置を制御して前記X線源を前記第2位置から前記第1位置に移動させる請求項1または請求項2に記載の放射線検査装置の制御方法。
  18. 前記制御装置は、前記第1X線源移動装置を制御し、前記第2位置に位置している前記X線源を前記周方向に移動させる請求項14ないし請求項17のいずれか1項に記載の放射線検査装置の制御方法。
  19. 前記制御装置は、前記第2X線源移動装置を制御することによって、前記X線源を、複数回、前記第2位置に位置させる請求項14ないし請求項18のいずれか1項に記載の放射線検査装置の制御方法。
  20. ベッドの長手方向にγ線検出信号及びX線検出信号を出力する複数の放射線検出器が配置されて前記ベッドの周囲に位置し、γ線検出部でありX線検出部である放射線検出部と、前記ベッドと前記放射線検出部の間に位置してX線を放射するX線源を、前記ベッドの周囲において周方向に移動させる第1X線源移動装置と、前記X線源を前記長手方向に移動させる伸縮アームを有する第2X線源移動装置とを備えた放射線検査装置の制御方法であって、
    第1制御装置が、前記第2X線源移動装置を制御することによって、前記X線源を前記長手方向における前記γ線検出部の外側の第1位置と前記領域内の第2位置との間を移動させ、前記第1制御装置によるその制御によって前記X線源が前記第1位置に位置している期間が存在することを特徴とする放射線検査装置の制御方法。
  21. 前記第1制御装置による前記第2X線源移動装置の制御によって、前記X線源が前記第1位置から前記第2位置に移動され、その後、前記X線源が前記第2位置から前記第1位置に移動される請求項20に記載の放射線検査装置の制御方法。
  22. 前記第1制御装置が、設定された制御スケジュール情報に基づいて前記第2X線源移動装置を制御して前記X線源を前記第1位置から前記第2位置に移動させる請求項20または請求項21に記載の放射線検査装置の制御方法。
  23. 前記第1制御装置は、設定された制御スケジュール情報に基づいて前記第2X線源移動装置を制御して前記X線源を前記第2位置から前記第1位置に移動させる請求項20または請求項21に記載の放射線検査装置の制御方法。
  24. 前記第1制御装置は、前記第1X線源移動装置を制御して前記第2位置に位置している前記X線源を前記周方向に移動させる請求項20ないし請求項23のいずれか1項に記載の放射線検査装置の制御方法。
  25. 前記第1制御装置は、前記第2X線源移動装置を制御することによって、前記X線源を、複数回、前記第2位置に位置させる請求項20ないし請求項24のいずれか1項に記載の放射線検査装置の制御方法。
  26. 前記放射線検出器に接続された切替スイッチを制御する第2制御装置が、前記第2位置に基づいて前記X線を検出する前記放射線検出器を選択し、選択された前記放射線検出器をX線検出信号処理装置に接続するように前記切替スイッチを制御する請求項20または請求項21に記載の放射線検査装置の制御方法。
  27. 前記第2制御装置は、前記選択された放射線検出器以外の他の前記放射線検出器をγ線検出信号処理装置に接続するように前記切替スイッチを制御する請求項26に記載の放射線検査装置の制御方法。
  28. ベッドの長手方向に複数の放射線検出器が配置されて前記ベッドの周囲に位置し、γ線の検出信号を出力するγ線検出部と、前記ベッドと前記γ線検出部の間に位置してX線を放射するX線源を、前記ベッドの周囲において周方向に移動させる第1X線源移動装置と、前記X線源を前記長手方向に移動させる伸縮アームを有する第2X線源移動装置とを備え、前記X線検出部が、前記長手方向において前記γ線検出部の一端と前記γ線検出部の他端との間に形成される領域に位置している放射線検査装置における画像情報作成方法であって、
    制御装置による前記第2X線源移動装置の制御によって、前記X線源が、前記長手方向における前記γ線検出部の外側の第1位置と前記領域内の第2位置との間を移動し、
    前記X線源が前記第1位置に位置するときに前記γ線検出部から出力された前記γ線検出信号に基づいて得られた第1情報、及び前記X線源が前記第2位置に位置するときに前記γ線検出部から出力された前記γ線検出信号に基づいて得られた第1情報及び前記X線検出部から出力された前記X線検出信号に基づいて得られた第2情報を入力した断層像作成装置が、それぞれの前記第1情報及び前記第2情報を用いて断層像情報を作成することを特徴とする放射線検査装置における画像情報作成方法。
  29. 前記断層画像作成装置が行う前記断層画像情報の作成は、それぞれの前記第1情報を用いた第1断層像情報を作成する工程、前記第2情報を用いた第2断層画像情報を作成する工程、及び前記第1断層像情報及び前記第2断層像情報を合成する工程を含んでいる請求項28に記載の放射線検査装置における画像情報作成方法。
  30. 前記制御装置による前記第2X線源移動装置の制御によって、前記X線源が前記第1位置から前記第2位置に移動され、その後、前記X線源が前記第2位置から前記第1位置に移動される請求項28または請求項29に記載の放射線検査装置における画像情報作成方法。
  31. 前記制御装置が、設定された制御スケジュール情報に基づいて前記第2X線源移動装置を制御して前記X線源を前記第1位置から前記第2位置に移動させる請求項28または請求項29に記載の放射線検査装置における画像情報作成方法。
  32. 前記制御装置が、設定された制御スケジュール情報に基づいて前記第2X線源移動装置を制御して前記X線源を前記第2位置から前記第1位置に移動させる請求項28または請求項29に記載の放射線検査装置における画像情報作成方法。
  33. 前記第1制御装置が、前記第2位置に位置する前記X線源を前記第1X線源移動装置を制御して前記X線源を前記周方向に移動させる請求項28ないし請求項32のいずれか1項に記載の放射線検査装置における画像情報作成方法。
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